『少年探偵団殺人事件』 (192)

安価数:それなり
ジャンル:安価次第

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~事件前日 阿笠宅~

阿笠「ほっほっほ!それじゃあ行くとするかのう!」

歩美・元太・光彦「さんせーい!」

灰原「全く、朝から元気ね」

コナン「ふわぁ~…」

阿笠「忘れ物はないかの?」

歩美「ばっちり!」

元太「大丈夫だぜ!」

光彦「もちろんです!」

事の始まりは阿笠博士の知り合いからの手紙だった。

その阿笠博士の知り合いの人はあるロッジを経営していて、「せっかくの夏なのでぜひ来てくれ」とのこと。

そこで阿笠博士が暇を持て余してる俺たちを誘って、今に至る…というわけだ。

富士の方にあるロッジらしいし景色は最高だろうな。富士山なんて東京からはほとんど見えない。

だからこいつらも心底楽しそうである。…ま、灰原に関しては眠そうというわけだがな。

~数時間後 車内~

歩美「ねえ、まだなの博士ー?」

阿笠「富士までは遠いんじゃ。新幹線や電車は事故で運転見合わせ中じゃし」

阿笠「それならガソリン代だけですむ車にしようと思ってたからのぉ」

元太「暇だし腹減ったぜー!」

元太「何か暇つぶしはないんですか?」

阿笠「ほっほっほ…じゃあ、ここでクイズじゃ!」

歩美「博士のクイズつまんない!」

元太「他にねえのかよー!」

光彦「そうですよ!」

阿笠「そ、そんなぁ…」

灰原「ふわぁ~…」

コナン「ねみい…」

阿笠「…ん?お!あれじゃ!」

歩美「何が?」

阿笠「あの山にある建物が見えんか?」

灰原「…ああ、あれね」

元太「おー!」

光彦「あれがロッジですか!」

歩美「楽しみ―!」

コナン「…」

~数十分後 ロッジ前~

歩美「すっごいおっきいねー!」

元太「すっげえ…」

灰原「へえ、思ったより見事ね」

阿笠「うむ。彼は親から受け継いだお金でこれを建てたらしいからの」

コナン「へー。金持ちなのか?」

阿笠「その通りじゃ」

歩美「ねえ!早く入ろう!」

阿笠「これこれ、そんなに急かすんじゃない」

歩美「お邪魔しまーす!」


1.誰かいる 2.誰もいない

安価一個下

??「あ、はーい」

元太「誰だお前?」

光彦「ちょ、ちょっと元太くん!」

??「ははは、元気な子だね」

阿笠「久しぶりじゃな黒野君!」

??「お久しぶりです」

灰原「この人が博士の?」

阿笠「うむ。わしの古くからの仲の黒野仁くんじゃ」

黒野「初めまして。黒野仁です」

コナン「けっこう豪華なロッジだね…」

黒野「親から受け継いだお金で作ったものだけどね」

阿笠「でもこんなにいい土地に建ってるわけじゃし、いい収入じゃろう」

元太「なあ!俺たちのほかに客いるのか?」

黒野「えーっとね…」


1.いる 2.いない

安価一個下

黒野「うん。ほかに何人かいるね」

光彦「どんな人がいるんですか?」

1.服部平次 2.安室透 3.世良真純 4.高木刑事

安価一個下(二人選択)

黒野「服部さんに、安室さん…だね」

コナン「(服部に安室…まさか?)」

黒野「それはそうと、東京から富士山まできて疲れてるよね。部屋に案内するよ」

黒野「阿笠さん。部屋に案内するまでに聞いておきたいんですけど、いいですか?」

阿笠「どうしたんじゃ?」

黒野「実は阿笠さんだけ来ると思ってたので部屋が3つしかないんですよ…すいません」

阿笠「なんと。それは困ったのお」

黒野「なのでどういう風に分けるか聞いておきたくて」

阿笠「どうする?」


安価一個下(二、二、三で分けてください)

すいません!よく考えたら(二、二、二)でしたね

再安価一個下

コナン「よろしくな」

灰原「襲わないでよ」

光彦「よ、よろしくお願いします!」

歩美「うん」

阿笠「よろしく頼むぞい」

元太「おお!」

黒野「決まったようだね。じゃあ案内するよ」

~コナン、灰原の部屋前~

黒野「二人はここだよ」

コナン「ありがとう!」

灰原「ありがとう」

黒野「おっと、地図を渡しておくね」

コナン「地図?」

黒野「あったほうがいいかなって思ったからさ」

コナン「ありがとう」

黒野「夕食の時間になったら呼びにいくから待っててね」

コナン「わかったよ」

黒野「それじゃ、後でね」

~コナン、灰原の部屋~

灰原「これからどうするの?」

コナン「そうだな…」


1.探索 2.灰原と暇つぶし

安価一個下

すいません、メシ食ってきます

安価↓

コナン「気になることもあるし、探索すっか」

灰原「私は寝てるわ…行ってらっしゃい」

コナン「まずは客の正体だな」

コナン「服部に安室…思い浮かぶのはあいつらだ。まあ偶然かもしれねえけどな」

??「コナン君!」

コナン「!こ、この声…!」

服部「やっぱりコナン君やないか!久しぶりやのぉ!」

コナン「服部!」

服部「いやー奇遇やな。まさかお前がこのロッジに来るとは」

コナン「何でさっきからコナン君って…」

服部「アホ。ここには安室がおるんや。お前の正体ばれたらシャレにならんで」

コナン「!じゃあ安室っていうのは…」

服部「せや。安室透…バーボンや」

コナン「そうだったのか…」

服部「まあここじゃなんや。わしの部屋に来いや」

~服部の部屋~

服部「…なるほどなぁ。黒野さんが阿笠博士の知り合いやからお前も招かれたっちゅーわけかいな」

コナン「ああ。そういうことだ」

服部「しっかしお前もついてないやっちゃのぉ。まさか安室がこのロッジにおるとはなぁ」

コナン「安室は何でこのロッジに?」

服部「さあな。わしがこのロッジに来たのはあいつがこのロッジに来たあとや。何も知らんで」

コナン「そうか…そういや、何でお前このロッジに来たんだ?」

服部「わしか?わしは…」


安価一個下

服部「黒野組織を乗っ取りにきたんや」

コナン「…は?」

服部「…冗談やで工藤!お前も純粋なやっちゃのぉ!あっはっはっはっは!」

コナン「はぁ…お前は相変わらずだな」

服部「で?お前はこれからどうするんや?」

コナン「俺は…」


1.安室に会いに行く 2.適当に探索

安価一個下

コナン「流石に本人に聞きに行くのはあぶねえな。今は様子見だ」

服部「せやな。よっしゃ!俺も手伝ったるさかい!」

コナン「え?」

服部「ええやろ。わしかて暇なんじゃ」

コナン「まあ、手伝ってくれんならいいけどよ」

服部「じゃあ行くで!」

コナン「どこに行くか…!」

安室「ん?」

コナン「(あ、安室…!)」

安室「おや、コナン君じゃないか。どうしてこんなところに?」

コナン「じ、実は阿笠博士がここに連れてきてくれたんだ!」

安室「…へぇ。そうなんだ」

コナン「(灰原がここにいるってばれたらヤバい…俺一人じゃあいつをかばいきれねえ!)」

服部「どうも安室はん!」

安室「ん?君は誰だい?」

服部「わしは大阪の名探偵、服部平次や!」

安室「ああ、新聞で読んだことがあるね」

服部「おおきに!」

コナン「(ナイスサポート)」

服部「よっしゃコナン君!わしと一緒に散策や!」

コナン「う、うん!」

安室「…」

~ロビー~

服部「ふー、焦ったで…」

コナン「まさか出た瞬間に本人に出くわすとはな」

コナン「もしかして、あの話聞かれなかったか?」

服部「安心せいや。そないな盗み聞きされるところにわしは案内しないで。ここの部屋は防音性が意外にええんや」

コナン「それならいいけどよ」

服部「一回お前はあの姉ちゃんの傍にいた方がええんやないか?危険やで」

コナン「そうだな…じゃあ俺は部屋に戻る」

服部「わかった。じゃあまたメシの時にな」

コナン「おお」

~コナン、灰原の部屋~

コナン「戻ったぞ」

灰原「あら、もう終わりなの?」

コナン「寝てなかったのか?」

灰原「…安室がいるって考えるとね」

コナン「…そうだよな。俺とお前が相部屋でよかったぜ」

灰原「そうね。他のみんなを巻き込めないわ」

コナン「極力俺はお前の傍にいる。離れんなよ」

灰原「…う、うん」

コナン「どうした?」

灰原「何でもないわ」

コナン「?」

平次が「わし」はおかしいと思う
原作じゃ普通に「俺」だったような……
安価した

コナン「そういや、服部もここにきてたぜ」

灰原「あの大阪少年も?」

コナン「ああ。でも来たのは安室より遅かったらしいけど」

灰原「奇遇ね。ここまであなたの知る人がいるなんて」

灰原「おまけにここは雨が降ったら陸路で帰ることができない。空路で帰ることもできない」

灰原「ある意味、絶海の孤島なのかもしれないわね」

コナン「んな不吉なこと言うんじゃねーよバーロー」

灰原「冗談よ」

コナン「…」

コナン「絶海の孤島、ね」

>>35
「わし」の時も「俺」の時もあるらしいんで、「わし」ということで

~数十分後 コナン、灰原の部屋~

黒野「夕ご飯ができたよー」コンコン

コナン「お、できたか」

灰原「行きましょう」

~食堂~

コナン「ここか」

元太「おっせーぞコナン!」

歩美「二人ともー!こっちだよー!」

光彦「早く食べましょう!」

阿笠「ほっほっほ!焦っても料理は逃げんぞい!」

服部「お、コナン君!」

安室「やあ」

黒野「席に料理があるから食べちゃって」

コナン「んじゃ、食うか」

灰原「そうね」

コナン「ほー。中々うまそうだな」

元太「うなぎが無くて残念だぜ…」

光彦「普通ありませんよ」

歩美「おいしー!」

灰原「そうね」

阿笠「このサラダもうまいのう」

服部「これも食うか?くd」

コナン「!ば、馬鹿!」

服部「!ちゃうちゃう!コナン君!」

安室「…」

黒野「おかわりの人は言ってくださいね」

灰原「…特に異常はないわね。私の杞憂でよかったわ」

コナン「そう、だな…」

~数時間後 コナン、灰原の部屋~

コナン「お前はどうする?」

灰原「正直寝たいわね…寝不足だから」

コナン「しゃーねーな。じゃあ俺がそばで見張っててやる」

灰原「ありがとう。セバスチャン」

コナン「誰がセバスチャンだバーロー」

灰原「うふふ、お休み」

コナン「おう」

ポタポタポタ…

コナン「?」

ポタポタポタ…ザーーーーー

コナン「雨か…」

灰原『おまけにここは雨が降ったら陸路で帰ることができない。空路で帰ることもできない』

灰原『ある意味、絶海の孤島なのかもしれないわね』

コナン「…まさかな」

マジキチじゃないコナンなんて珍しすぎるwwwww
これで光彦になにもなかったら完璧だなwwwww

…まさかじゃなかった。灰原の杞憂であってほしかった。

でも、"それ"は起きた。"それ"は起こってしまった。

この雨と共に。


~事件前日 了~

これで犯行前日は終了です。
今までのところで私が思い至らなかったところや、質問があったらお願いします。

マジキチじゃない?
コナンssじャスゲー珍しいんだけどwwwww

>>47
若干シリアスに傾きつつありますね

21:00から投稿始めます

~事件当日~

~7:30 コナン、灰原の部屋~

灰原「工藤君。起きて」

コナン「ん…朝、かぁ?」

灰原「そろそろ朝ごはんの時間よ」

コナン「しゃーねー…起きるか…」

灰原「ずいぶんぐっすり寝てたわね、セバスチャン」

コナン「う…」

灰原「冗談よ。ありがとね」

コナン「おう」

コンコン

黒野「朝ごはんだよー」

灰原「行くわよ」

コナン「あいよ」

~7:40 食堂~

服部「お、起きたかコナン君」

コナン「あれ?他のみんなは?」

黒野「安室さんは「朝ごはんはいい」って言ってたけど…あの部屋だけ返事がないんだよなぁ」

コナン「どの部屋?」


1.光彦、歩美の部屋 2.阿笠、元太の部屋

安価一個下

黒野「阿笠さんと元太くんの部屋だよ」

コナン「…」

黒野「どうしようかな…」

服部「しゃーないのぉ。全員で迎えたろうやないか!」

灰原「まあそうした方がいいんじゃない?」

黒野「それじゃあ行こうか」

~7:50 阿笠、元太の部屋前~

黒野「ここだよ」

コナン「博士ー?」コンコン

灰原「…返事が無いわね」

服部「まだ寝てるんちゃうか?」

コナン「おい博士!めしだぞ!」

灰原「…ま、さかね」

コナン「お、おい!ろくなこと言うんじゃねえよ!」

安室「どうしたんですか?」

コナン「!」

黒野「あ、安室さん。実は阿笠さんと元太君の部屋から返事が無くて…」

安室「…」

灰原「どうするの?」

黒野「どうしようかな…合鍵はあるけど」

服部「もしかしたら腹でも壊しとるんかもしれんで」

コナン「入ろうよ」

黒野「それじゃあ、開けるよ」ガチャッ

コナン「…」

…嫌な予感はしていた。

でも外れてるに決まってる。そんなわけない。

ドアを開けたら博士はいびきをかきながら寝ていて、元太はうな重とか寝言で言ってるんだろう。

そうに決まってる。何を不安になっているんだ。自分らしくない。

なのに…何でこんなに不安なんだ?

俺はその部屋を見た。

…。


そこにいたのは


二人の人間ではなくて




二人の"血にまみれた"人間だった。



コナン「…え?」

灰原「!!!?」

黒野「!?」

服部「なっ…!?」

安室「…!」

コナン「…嘘、だろ?」

灰原「…い、や…」

黒野「な…ど、どういう…ことなんだ…」

服部「な、なんちゅーことや…!」

安室「…」

コナン「…!!灰原ぁ!!歩美と光彦を呼んでこい!!」

灰原「い、いや…いやぁ…!」

コナン「灰原ぁ!!!!」

灰原「!!」

コナン「返事がなかったのはあとあの二人だ!!!もしかしたら…!!」

灰原「!!」

黒野「ぼ、僕もいくよ!!」

~8:00 光彦、歩美の部屋~

灰原「吉田さん!!!!!円谷くん!!!」ドンドン

黒野「今鍵を開けるよ!!」ガチャ

灰原「…!」

歩美「ど、どうしたの?」

光彦「な、何かあったんですか?」

灰原「…っ!!」ガバッ

歩美「うわぁ!ど、どうしたの!?」

光彦「は、灰原さん!?」

灰原「よかった…よかったぁ…っ!!」

~8:10 阿笠、元太の部屋~

灰原「…」

コナン「!は、灰原!!!二人は!!?」

歩美「コナン君。どうしたの?」ヒョコッ

光彦「何か事件でも…」ヒョコッ

コナン「…この、バーロー」

コナン「心配かけさせんじゃねえよ!!」

歩美「!え、ご、ごめん…」

光彦「すいません…」

コナン「…あ、わ、わりい」

灰原「…」

コナン「…灰原。二人を連れて俺たちの部屋に連れて行ってくれ。そこなら近い」

コナン「何かあったら大声をあげろ。いいな?」

灰原「…わかったわ」



コナン「…」

服部「…」

黒野「あ、がささん…」

安室「…」

コナン「…服部」

服部「…なんや?」

コナン「手伝ってくれ」

服部「…よっしゃ」

服部「二人はこの部屋の前にいてくれ。何かあったら呼んでくれや」

黒野「わ、わかった」

安室「わかったよ」

服部「まずは遺体から調べるで」

コナン「わかった」

服部「…阿笠博士」

コナン「…」

服部「見たところ、死因は…安価一個下や」


安価一個下

服部「心臓を一突きや。まあ出血多量かもしれんがな」

服部「…元太も同じや」

コナン「凶器がない…」

服部「せやな。見渡す限りないで」

コナン「…」

服部「気をおとすんやない。犯人をつかまえるんや」

コナン「…そうだな」

服部「何か事件につながるものはないか…」

コナン「…服部。あれは?」

服部「ん?…これか?」

コナン「ビニールのパックの上の部分…?」

服部「切り取ったあとみたいやな。…赤い液がついとるの」

コナン「血か?」

服部「現場に血もあるし、そうかもしれんな」

服部「今の所こんなもんやな」

コナン「…」

服部「次はどうする?」

コナン「…聞き込みだ。何かつかめるかもしれない」

服部「じゃあ聞き込みするで」

服部「一旦終わったで」

黒野「服部君…阿笠さんと元太君は?」

服部「…だめや」

黒野「!そ、そんな…」

安室「…」

服部「とりあえず話聞きたいねん。ええか?」

黒野「わかった…」

服部「安室はんもええか?」

安室「うん。いいよ」

第一の事件

事件現場:ロッジ 阿笠、元太の部屋
被害者:・阿笠博士・小嶋元太
死因:刺殺(出血多量の可能性あり)
特記事項:・凶器発見されず
     ・切り取られたビニールのパックの上の部分を発見

>>72
死亡推定時刻:昨日の夜?(詳しい時間特定できず)

追加で

コナン「まず黒野さんからでいい?」

黒野「あ、ああいいよ」

服部「じゃあいくで。さっきの遺体を見たんやが、死んだのは昨日の夜あたりなんや」

服部「昨日の夜、何してた?」

黒野「僕は一人で管理人室にいたよ。予約の確認をしていた」

服部「今回使われた凶器は刃物なんや。心当たりはないか?」

黒野「うーん…僕がみんなの料理を作る包丁とかならあるけど…」

服部「全部あったか?」

黒野「いや、確認しなかったな…」

服部「なんか事件について気付いたことはないか?」

黒野「いや…とくには…」

コナン「合鍵ってあれ一個なの?」

黒野「うん、あれだけだよ」

コナン「実はこんなものが落ちてたんだ」切り取られたビニールのパックの上の部分

コナン「これって何か知ってる?」

黒野「食べ物とかを保存するもの…かな?」

コナン「そっか」

服部「他にあるか?」

コナン「いや、俺はねーよ」

服部「ありがとな、黒野はん」

黒野「うん…」

服部「じゃあ安室はんや」

安室「よろしく」

服部「昨日の夜、何してたんや?」

安室「部屋にいたよ。窓から景色を見てた」

コナン「どんなものが見えたの?」

安室「そうだね。星とか、富士山とか。…気付いたころにはもう日をまたいじゃったかな」

服部「使われた凶器は刃物なんや。心当たりはあるか?」

安室「ないね。僕は刃物なんて持ってきてないから」

服部「なんか事件について気付いたことは?」

安室「…」

服部「?なんかあるんか?」

安室「あ、いや。ないよ」

コナン「…どうしてこのロッジに来たの?」

安室「…」

安室「実は、ある人と会う約束をしていたんだ」

コナン「ある人?」

安室「まあ、もう会えなくなっちゃったらしいけどね」

服部「会えなくなった?」

安室「しょうがないさ。こっちの都合だったからね」

コナン「…」

安室「もういいかな?」

服部「ないで」

コナン「僕もいいよ」

~10:00 阿笠、元太の部屋の前~

服部「とにかく黒野はん。この部屋に鍵を頼むで。あと警察も」

黒野「わかった…」

服部「お前はあいつらの所にいったれ」

コナン「…わかった」

~10:05~

コナン「…灰原。俺だ」

灰原「!今開けるわ」ガチャ

歩美「コナン君…」

光彦「何があったんですか?」

コナン「…」

コナン「…いや、博士と元太が寝込んじまっただけだ」

光彦「えぇ!?」

歩美「か、看病してあげなきゃ」

コナン「バーロー。黒野さんはこういうことに慣れてんだ。任せてやれ」

歩美「でも…」

コナン「…治ったら、会いにいこうぜ」

歩美「…わかった!」

光彦「そうしましょう」

灰原「…江戸川君」

コナン「…なあ、おめーら何か昨日の夜気付かなかったか?」

歩美「昨日の夜?」

コナン「ああ。何でもいい」

光彦「うーん…」

歩美「…あ!そういえば!」

コナン「何かあったのか?」

歩美「昨日の夜、阿笠博士と誰かが話す声が聞こえたよ」

コナン「誰だ?」

歩美「うーん…よく聞こえなかった」

コナン「…そうか」

コナン「灰原。とりあえずロビーに行こう。そこでこれからの事を話す」

灰原「わかったわ。行きましょう」

歩美「わかった!」

光彦「了解です!」

~10:10 ロビー~

服部「…来たか、コナン君」

コナン「?どうしたんだ?」

服部「…まずい事態や」

コナン「何?」

黒野「この雨で土砂崩れが起こって…警察も来れないそうだ」

コナン「!何だって!?」

黒野「空路も無理らしい…」

コナン「…」



灰原『ある意味、絶海の孤島なのかもしれないわね』


灰原の言葉は現実となった。

陸路は無理。空路も無理。…もう打つ手がない。

この雨の中下山するなんて正気の沙汰じゃない。不可能だ。

つまり…。

俺たちは犯人がいるこの孤島の中に閉じ込められたんだ。

灰原「…」

コナン「…」

服部「ここに来れるのは良くて明後日…それ以上は無理らしい」

コナン「…チッ!」

歩美「私達、帰れないの?」

光彦「だ、大丈夫ですよぉ。僕がいます」

黒野「…」

安室「…」

服部「とにかく、これからどうするか考えんとな」

コナン「…服部、いったんこのロッジを探索しよう」

服部「?何でや」

コナン「このロッジ、隠れる場所は限られる。だから探索しやすい」

服部「!」

コナン「みんなで固まって行動しよう。バラバラだと狙われる」

服部「せやな。じゃあみんな行くで」

俺たちは全員で捜索をした。このロッジにある部屋、食堂、屋根裏、地下室…全部探した。

服部「…いない、な」

コナン「…」

灰原「この中の誰でもない人…それがいないならまだ安全ね」

黒野「これからどうしましょうか…」

服部「こうするで。大人は一人ずつ分かれる。一緒にいたんじゃ危ないしのぉ」

服部「子どもは…せやな…二人ずつで固まった方がええな」

服部「固まりすぎるといざという時に動けんし、分散しすぎるとそいつが危ないしのぉ」

服部「これでどうや?」

コナン「…うん」

灰原「それで…いいわね」

歩美「いいよ」

光彦「僕も」

黒野「僕は…大丈夫だよ」

安室「はい」

服部「よし。黒野はん。合鍵はここにいる全員に配るんや」

黒野「え?」

服部「次に何かあったら、全部の合鍵を持っとるアンタが疑われるで。誰かに悪用されるのも困るしのぉ」

黒野「じゃあどうする?」

服部「元いた部屋の鍵をそれぞれのやつに配ればええ。それでいきわたるはずや」

黒野「わかったよ」

コナン「…」

服部「とにかくこれからどうするか…コナン君」

コナン「…」

服部「?」

コナン「すぅ…すぅ…」

灰原「…寝てる」

服部「ショックがあるんやろうな。わしがあとで部屋に連れてったる」

灰原「…ありがとう」

服部「言われるほどでもないで!」

服部「みんな。誰かが呼んでも簡単にドアを開けるんやないで。食料は今から配る」

服部「辛いと思うが、耐えるんや」

歩美「はーい」

光彦「わかりました」

黒野「わかった…」

安室「了解」

服部「じゃあみんな。気ぃつけえや」

こうして、この事件は一段落を迎えた。

それぞれが部屋に戻り、外に出れない日々を迎える。

みんなただ、死にたくないという一心なのか。それとも…。

~コナン、灰原の部屋~

灰原「…」

灰原「…っ…ひっぐ…」ポロポロ

~光彦、歩美の部屋~

光彦「大丈夫ですか?」

歩美「大丈夫だよ」

光彦「博士と元太君、大丈夫かなぁ」

歩美「終わったらお見舞いに行こう!」

~管理人室~

黒野「…一体、どういうことなんだ…」

黒野「…」

~安室の部屋~

安室「…」

安室「…何を考えているのかな、一体」

~ロビー~

コナン「すぅ…すぅ…」

服部「…」

コナン「すぅ…すぅ…」

服部「辛いな…工藤」

~???~

??「…」チラ

ザーーーーーーーー!

??「この雨が止む前までに…」

??「…いくか」

~???~

??「!」ザシュ

「がぐふっ!!?…ぁっ…ぁ…」

「ぃ、ゃだ…し、にたく…」バタッ

??「…」



~事件当日 了~


事件当日は以上になります。
事件当日と書きましたが、安価の影響で「事件当日」→「事件一日目」ということで。
何か質問とかあったらどうぞ。

次の投稿は明日の12:00くらいになりそうです。

~事件二日目~

~6:00 コナン、灰原の部屋~

きゃあああああああああ!!!

コナン「!!?」

灰原「い、今の声…吉田さん!?」

コナン「くそっ!!」

~6:05 光彦、歩美の部屋~

服部「おい!どうしたんや!?」

コナン「服部!!何があったんだ!?」

服部「わからん!とにかく中に入らんと…!」

コナン「歩美!!いるか!?」

歩美「こ、コナン君…!!助けて…!!」

コナン「入るぞ!」ガチャ

コナン「(鍵が閉まっている…博士と元太の時みたいだ…!)」

コナン「中から鍵を開けてくれ!!」

歩美「う、うん…!」ガチャ

コナン「入るぞ!!」

コナン「歩美…!?」

歩美「ひっぐ…えっぐ…」

灰原「そん、な…」

服部「な、なんで…!?」

黒野「また…」

安室「…」

歩美は無事だった。

歩美"は"無事だった。



もう一人は物を言わないものと化していた。

コナン「光彦…」

灰原「…」

服部「くそ!何でや!」

歩美「あ、歩美が起きたら…み、光彦君が…」

服部「どういうこっちゃ…」

コナン「畜生…畜生!」

灰原「…」

服部「とにかく…今からこの部屋を調査するで。みんなこの部屋の前で待ってろや」

コナン「…」

服部「コナン。調べるで」

コナン「…」

服部「お前が調べるんや!あいつらの無念を晴らすんや!!」

コナン「…わかった」

コナン「突き止めてやる。こんなことしやがった野郎をな」

服部「…その意気や」

服部「まずは遺体からや」

コナン「ああ」

服部「死因は…あの事件と同じや。せやけど、今回は首を切られとる」

コナン「…声を出させないためだろうな」

コナン「何か事件につながるものは…」

服部「…!鍵があったで!」

コナン「何!?ってことは…」

服部「…今回も、完全なる密室だったっちゅーことやな」

コナン「…」

コナン「さっきから思ってたんだけどよ、この部屋のドアから光彦まで血が続いてるよな」

服部「つまり、ドアの所で光彦を殺した。っちゅーことか?」

コナン「そう見て間違いない」

服部「しっかし、どうやったんや?賢い光彦がドアを開けるなんて…」

コナン「それはわからねえ。一体どうやって…」

服部「…」

コナン「光彦の遺体からして、死亡推定時刻は昨日の夜…真夜中だな」

服部「あの事件と似てるな」

コナン「…」

第二の事件

事件現場:光彦、歩美の部屋
被害者:円谷光彦
死因:出血多量(首からの出血)
死亡推定時刻:昨日の夜
特記事項:・部屋から鍵発見
     ・ドアから遺体にかけてまで血痕あり

コナン「…」

灰原「…大丈夫?」

コナン「ん?…ああ」

灰原「ネクタイが曲がってるわよ」

コナン「あ、本当だ」

灰原「…はい」

コナン「サンキュ」

灰原「…辛かったの?」

コナン「…まあな」

灰原「…」

コナン「でも、俺はやらなきゃいけねえ。犯人をとっつかまえなきゃ、あいつらに顔向けできねえ」

灰原「…」

服部「コナン君!みんなに聞いたんやが、部屋からは一歩も出てないらしいで」

服部「当然、嘘の可能性もあるんやがな」

コナン「…なあ。歩美に話は聞いたのか?」

服部「今聞くのは酷やったからのぉ。聞いてないで」

コナン「…」

灰原「…聞くの?」

コナン「今はそれしかねえ。あいつはつらいだろうけど、あいつの証言が今回の事件の大きなカギになるはずだ」

服部「…今呼んでくるで」

歩美「…」

コナン「歩美ちゃん。話を聞いていいか?」

歩美「…わ、私」

コナン「頼む!今回の事件を解決したいんだ!!」

歩美「…」

歩美「…わかった。私、頑張る」

コナン「!」

歩美「何を聞きたいの?」

コナン「起きたら光彦がいたって言ってたけど、寝る前はどうだったんだ?」

歩美「私、眠くなっちゃっから光彦くんより先に寝たの」

コナン「そうか…(これじゃ何もわかんねえか?)」

歩美「…ね、ねえ哀ちゃん」

灰原「どうしたの?」

歩美「昨日の夜…私たちの部屋に来た?」

灰原「え?」

歩美「寝てるときに、ぼんやりだけど…哀ちゃんと光彦君の声が聞こえた気がするの」

灰原「私の、声?」

歩美「うん…気のせいだったのかなぁ?」

コナン「…他に気付いたことはないか?」

歩美「うーん…ないよ」

コナン「わかった。ありがとう」

コナン「終わったぜ」

服部「なんかわかったか?」

コナン「いや、今の所ははっきりしないな」

服部「そか。これからどうする?」

コナン「…なあ服部。歩美を俺たちと同じ部屋にしないか?」

服部「…」

服部「せやな。一人じゃ危険やしのぉ。頼むで工藤」

コナン「ああ。わかった」

コナン「っておい。何さり気無く工藤って言ってんだバーロー」

服部「冗談や冗談。…そんな返事できるくらいやから、大丈夫やな」

コナン「…ああ」

コナン「そういやお前、俺を運んだんだよな?」

服部「せや。あらかじめ姉ちゃんからお前の部屋の鍵をもらってたからのぉ」

コナン「その時に何か見なかったか?」

服部「いや、普通に行っただけやからなぁ。何もないで。あん時起こして悪かったのぉ、姉ちゃん」

灰原「仕方ないわ。こんな事態だもの」

コナン「じゃあ今も灰原が俺たちの部屋の鍵を持ってんのか?」

灰原「ええ、これよ」鍵

コナン「そうか…」

服部「せやから、心配する必要はないで」

コナン「さっきの事件からして犯人は一人の確率が高いしな」

灰原「どういうこと?」

コナン「光彦はドアのあたりで首を切られた。そして歩美は無事」

コナン「おそらくこの狙いは二つだ」

灰原「二つ?」

コナン「一つ目は、犯人が光彦と親しい人間であるとみせかけるため」

コナン「あいつがドアを開ける相手。それは相当親しいやつしかいない」

コナン「二つ目は、歩美の犯行だとみせかけるため」

コナン「これは密室殺人に見える。歩美しかあいつを殺せる奴がいないように見える」

コナン「もし多数の犯人だったらそんなドアを開けてもらうっていう手を使わない

コナン「俺か灰原あたりを誘拐して、ドアを開けてもらうようにするはずだ」

コナン「しかし全ての部屋は鍵がかかっている。黒野さんの言う通り"合鍵が一つ"なら、誰にも鍵は開けられない」

灰原「彼が嘘を言っていたら?」

コナン「ここの管理人だぜ。今一番疑われてるのは歩美か、合鍵を持っている黒野さんだ」

コナン「だったら最初の事件の時、合鍵なんて使わねえよ。合鍵の存在をごまかし、ドアをぶち破ったりする」

コナン「"自分が合鍵を持っている"という情報は彼にとって不利だからな」

灰原「なるほど…」

コナン「そんな鍵がかかっている部屋を開けるには多人数でぶち破るのが一番だ」

コナン「しかし光彦がドアを開け、首を切られる…これは慎重な考えだ」

コナン「それに中にいる歩美も一緒に殺せばいい。最初の事件みたいにな」

灰原「そうね…ドアをぶち破ったら音で気付かれるのは確実」

灰原「光彦君にドアを開けてもらうのなら私たちを使うはず」

服部「でものぉ、ならどうやって光彦にドアを開けてもらったんや?」

コナン「それはわからねえ。今は…」

灰原「とにかく、今は部屋にこもりましょう」

コナン「…そうだな」

~14:00 コナン、灰原の部屋~

歩美「今日からここにいればいいの?」

コナン「ああ。絶対守る」

灰原「安心して」

歩美「うん」

コナン「…」

灰原「…」

歩美「…静かだね」

コナン「…ああ」

灰原「…ええ」

歩美「…少年探偵団も減っちゃったね」

コナン「…」

灰原「…」

歩美「新聞にのって、テレビにも出て、色んなパーティーに出て…楽しかったなぁ」

歩美「名探偵を超えるって言われて、うれしくて…でも…」

歩美「みんながいたから、うれしかったのにっ…ひっぐ…えっぐ…」ウルウル

灰原「吉田さん…」

歩美「うわぁあああああああああん!!」ポロポロ

コナン「…」

コナン「(犯人の野郎…絶対許さねえ!)」

灰原「休みなさい。いろいろ辛かったでしょう」

歩美「…うん」

灰原「…誰が犯人なのかわかってるの?」

コナン「…なんとなくだけどな」

灰原「!だ、誰なの!?」

コナン「だけど、そのためには光彦のトリックを暴かなきゃいけねえ…それにその証拠も…」

灰原「…」

コナン「…(…光彦が、ドアを開ける相手…)」

コナン「!そうか!!」

灰原「!わかったの!?」

コナン「…ああ」

コナン「犯人は、あの人だ」


~事件二日目 了~

事件二日目はこれで終わりです。次で事件の真相を明らかにする感じです。
質問等あったらお願いします。

続きは21:00から投稿します。

クビ切れてるから光彦って証拠はないんだよな…

>>131
これは首の頸動脈を切ったって感じですので、首は繋がってます。
書き方が悪くて申し訳ございませんでした。

~事件三日目~

~1:00 コナン、灰原の部屋前~

??「…」コンコン

「はーい…」

??「…」

「あ、今開けるね!」

??「…(これで、最後)」ジャキ

ガチャ

??「(今だ!)」サッ!

パシュッ!

??「!…く…ぁ…」バタッ

「…よし」

「だ、大丈夫?」

「ああ。何とかな」

「どうするの?彼」

「しょうがねえから縛っとくか。登山用のロープあったよな?」

「わかったわ」

~数分後 ロビー~

??「う、うう…!こ、これは!」

コナン「もう動けねえぞ。大人しくしろ」

??「…」

灰原「あなたが…犯人だったのね…」

歩美「…」

コナン「もうお前のやったことはわかってんだよ」


コナン「服部」


服部「な、何のことや!?」

コナン「…まだしらばっくれるつもりか?」

服部「せや!お前らが心配で部屋に行っただけやないか!」

コナン「じゃあこれは何だ?」ゴトッ

服部「!」

コナン「何でこんなナイフ持ってたんだよ。それも、血がついてるナイフを」

服部「ちゃうて!部屋に行く途中で見つけたんや!」

コナン「…」

服部「それともなんや!?わしが犯人だっていう証拠でも…!」

コナン「その凶器を警察に届ければ指紋が出る。お前だけの指紋がべったりついてるだろうさ」

服部「犯人は手袋かなんかをしてたかもしれへんで?それなら説明もつくやろ?」

コナン「ま、そういうだろうと思ってたけどな」

服部「それだけで犯人っちゅーのはおかしいんちゃうか?コナン君?」

コナン「じゃあ、今回の事件の全貌を明らかにしようじゃねえか。行くぞ」

服部「行くって、どこや?」

コナン「最初の現場だよ」

~1:30 阿笠、元太の部屋~

コナン「ここだ」

服部「一体何をするんや?」

コナン「灰原。頼まれてたものあるか?」

灰原「ええ。はい」手袋

コナン「サンキュ。これをはめて…」カチカチ

コナン(服部ボイス)「もうええで。出てこいや」

阿笠「わかった」ガチャ

灰原「!?」

歩美「え?博士?」

阿笠「これでいいんじゃな?…!?な、何故新一達がおるんじゃ!?それにその姿は!?」

服部「…チッ」

コナン「博士。黙ってついてきてくれるな?」

阿笠「…わかった」

~数分後 ロビー~

コナン「今回の最初の事件…この事件は本当は密室なんかじゃなかった」

灰原「え?」

コナン「じゃあ、今回の事件の顛末を言うぜ」

コナン「まず博士。アンタは服部と組んでいたな?」

阿笠「…」

コナン「今回の事件の密室…鍵は確かにかかっていた。でも、それは犯人がかけたものじゃない」

コナン「アンタがかけたんだろ?博士」

阿笠「!」

灰原「ちょ、ちょっと待って!何でそんなことを!?」

コナン「密室殺人と聞いて、お前は誰が鍵をかけたと思う?」

灰原「犯人に決まってるじゃない。死体が鍵をかけるなんて不可能よ」

コナン「そう。俺もそれが気にかかっていた」

コナン「現場を検証してみた結果、どこにも鍵はない。その時俺は犯人が鍵を持ってると考えちまった」

コナン「でもそれは違かったんだ。鍵を持ってるのはおそらく…アンタだ、博士」

阿笠「…」

灰原「え?でもあなたは現場を見たんでしょ?」

コナン「ああ。…遺体以外はな」

コナン「まんまとやられたよ。初めて大事な知り合いが殺されたんだ。そいつの検死なんて俺には出来ない」

コナン「その心理を悟って服部…お前は進んで遺体の検視をしたんだ」

服部「…」

コナン「お前は博士だけ"嘘の検死結果"を俺に伝えた。その遺体の調査もな」

コナン「当然遺体の所持品も誤魔化せる」

灰原「何で博士が持ってると言い切れるの?」

コナン「もし服部が鍵を持っているとしたら、それは危険な賭けだ」

コナン「もしそんな鍵を持っていることがばれたら、完全に怪しまれるだろ?」

灰原「なるほど…」

コナン「それもあって博士が持ってると言えるんだ」

灰原「でも博士には血痕がついていたのよね?それはどうして?」

コナン「それはこいつだ」切り取られたビニールのパックの上の部分

コナン「これには血液がついていた。だが、これは博士の血液じゃない。元太の血液だ」

灰原「…血糊のような役割だったっていうこと?」

コナン「ああ。現に今博士が無傷なのがその証拠だ。血液の黒ずみ具合からして事件の夜あたりに出た血液だ」

コナン「元太が刺されたのは心臓だ。血液も当然多量に出る」

コナン「それを用意してあったビニールのパックに移したんだろう」

コナン「殺害したのは博士だろうな。血がついても怪しまれないし、服部は服を着替えてもいない」

コナン「だから事件の流れはこんな感じだろう」

~事件当夜~

阿笠「元太君、ちょっといいかの?」

元太「何だよ博士…」グサッ

元太「…え?」

阿笠「よし!」ビニールのパック

元太「い、いてえ…いてえよ…ぉ…かあ、ちゃ…」バタッ

阿笠「…こんなもんでいいじゃろう」

まず博士が元太を殺害。

阿笠「…」トゥルルル…

阿笠「もしもし?終わったぞ」

携帯で連絡したか、あらかじめあった計画通りかわからねえが、服部を呼ぶ。

服部「よっしゃ。じゃあ血を心臓あたりにつけるんや」

阿笠「わかった」

そして現場をある程度整理させる。

服部「遺体の検視の時、間違っても声を出すんやないで。わしが見るさかい」

阿笠「うむ」

服部「凶器は預けろや。これから使うかもしれん」

服部「食料はあるな?」

阿笠「安心せい」

服部「じゃあ、またな」

~~

これが事件の全貌だ。

コナン「何か反論はあるか?」

阿笠「…」チラ

服部「…はっ。さっきからわけのわからん推理やのう」

服部「凶器はお前の部屋に行くまでに見つけた。検死は…不十分やったなぁ、すまん」

服部「わしの呼びかけに応えたのは何でやろうな?さっぱりやで」

阿笠「!!お、お前…!!」

服部「きっとこの爺さん頭イカれてるんやないか?」

コナン「…」

服部「それともなんや?わしがその事件に関わったっちゅー確かな証拠他にあるんかい?」

コナン「後から調べりゃ博士とお前のつながりははっきりするさ」

服部「…」

服部「はぁ…よっしゃ、わかったで。わしがその事件で怪しいっちゅーのはわかった」

服部「でも、第二の事件はどう説明するんや?」

コナン「…」

服部「あのボウズは頭がええ。警戒心も強いで」

服部「わしが犯人ならわしが呼んだっちゅーことやな?」

コナン「ああ、そうだな」

服部「わしはあのボウズとそないに仲良くないで?少なくとも、こないな状況でドアを開けるほどやない」

服部「それはどういうこっちゃ?」

コナン「なあ服部。お前昨日俺を灰原の部屋に連れて行ったんだよな?」

服部「ああ」

コナン「どんな風に俺を連れて行ったんだ?」

服部「どうやってって…まあ、お姫様だっこに近いのう」

コナン「触れたのは俺の背中とか足だけなんだな?」

服部「なんや!さっきからしつこいやっちゃのぉ!」

コナン「わかった…」

服部「一体なんなんや…」

コナン「服部。お前でも光彦は呼べるんだよ」

服部「…どういうこっちゃ?」

コナン「これがお前を犯人と決め付ける根拠となった」

服部「はよう言えや!どうやって光彦を呼んだっちゅーねん!」

コナン「…俺だよ」

服部「は?」

コナン「お前は俺を使って、あいつを呼んだんだ」

服部「何を言っとるんや…さっぱりわからん」

コナン「正確には俺じゃない。俺の持ってるこいつだ」蝶ネクタイ型変声機

服部「!」

コナン「歩美の証言がトリックを教えてくれたよ」



歩美「寝てるときに、ぼんやりだけど…哀ちゃんと光彦君の声が聞こえた気がするの」

灰原「私の、声?」

歩美「うん…気のせいだったのかなぁ?」

灰原「…ま、さか…」

コナン「服部…おまえは…」

コナン「灰原の声であいつを呼んだんだ!」

服部「!」

コナン「お前がとった行動はこういうことだ…」

~事件当夜~

コナン「すぅ…すぅ…」

服部「…」

コナン「すぅ…すぅ…」

服部「辛いな…工藤」

服部「でも、もうじき終わる。そのために借りるで」

俺が寝てる時を見計らって…お前は俺の蝶ネクタイ型変声機を盗んだ。

服部「あー、あー…」カチカチ

服部(灰原ボイス)「あー…よっしゃ。これでええな。関西弁ださんようにせんとな」



歩美「すぅ…すぅ…」

光彦「なんだか不安ですねぇ…服部さんがあんな剣幕で「部屋から出るな」って…」

光彦「一体何が…」

コンコン

光彦「!誰ですか?」

服部(灰原ボイス)「私よ」

光彦「!灰原さん」

服部(灰原ボイス)「歩美ちゃんは寝てる?」

光彦「ええ、寝てますけど…」

服部(灰原ボイス)「…そう」

光彦「あの、どうしたんですか?」

歩美「(…?光彦くんに…哀ちゃん?)」

服部(灰原ボイス)「あなたが心配で来たの…」

光彦「え?」

歩美「…すぅ…すぅ…」

光彦「だ、大丈夫ですよ…コナン君が、いますし…」

服部(灰原ボイス)「あなたじゃなきゃ不安なの…お願い」

光彦「は、灰原さん…」

服部(灰原ボイス)「…ダメ?」

光彦「あ、開けます!ちょっと待っててください!」

服部「(…馬鹿やなあ。頭がよくても色気に弱いで)」

ガチャ

光彦「灰原s…」ズバッ

光彦「ごふぅっ!?が、かっ…あぁ…な、んで…」ヨロヨロ

光彦「は…っとり…さん…」バタッ

服部「…」

光彦を殺害した後、お前は蝶ネクタイ型変声機を俺に戻した。そして部屋にいる灰原に連れて行った。

~~

コナン「反論はあるか?」

服部「そ、それなら姉ちゃんにもできたやろうが!!」

コナン「灰原なら俺の変声機を使う必要はない!!」

服部「その編成機を使った前提自体が間違いやないか!!?」

コナン「これが使われたなら血液反応が出るはずだ!!」

服部「わ、わしが使ったっちゅー証拠はなんじゃ!?」

コナン「…さっき、お前は俺を運んだ時触れたのは背中、足ぐらいだと言ったな?」

服部「それがなんなんや…っ!!」

服部「く…く、そぉ…!!」

コナン「俺がさっきから手袋をしている理由わかるか?」

コナン「もしこれからお前の指紋が出たら…お前が間違いなくこれを使ったことになる」

コナン「もし血液とお前の指紋が一緒に出たら、それは確定的な証拠だ」

コナン「…もう、お前の負けだよ。服部」

服部「…」

コナン「事件の結果を握る検死の時に手袋をしてなかったお前だ」

コナン「手袋なんて持っていないはずだ。だからあの凶器も素手で持っていたんだ」

コナン「指紋は間違いなく出る」

服部「…」

灰原「…」

歩美「…」

阿笠「…」

服部「…はぁー!わしも負けかいな!」

服部「お前もやるのぉ。工藤」

コナン「…」

灰原「あなたが…あなたがみんなを…!!!」

歩美「最低!!」

服部「チッ…本当にウザいガキ共じゃのう…!!!」

服部「お前らがおらんかったら!!こんなことはせずにすんだんじゃ!!」

歩美「え?」

灰原「どういうことよ?」

服部「新聞を見ても、テレビを見ても、中継のパーティーを見ても…」

服部「見るたびに『少年探偵団』、『少年探偵団』、『少年探偵団』!!」



歩美「新聞にのって、テレビにも出て、色んなパーティーに出て…楽しかったなぁ」



服部「まあガキは世間からちやほやされるからのぉ。流してたで」

服部「でも…あの言葉だけは許せんかった!!!」



歩美「名探偵を超えるって言われて、うれしくて…でも…」



名探偵を超えるって言われる


名探偵を超える

服部「ふざけんなボケ!!!!!」

服部「工藤に全部引っ張ってもらってるガキどもが!!!」

服部「わしみたいに推理力があるわけでもないのに!!!」

服部「名探偵を超える…わしを超える!?」

服部「冗談もたいがいにせえやあ!!!!!」

これが高木と安室の組み合わせまたは他に止まっている客がいなかったらどうなってたんだろう?

服部「わしは新聞で読まれるだけの存在!!」



服部「わしは大阪の名探偵、服部平次や!」

安室「ああ、新聞で読んだことがあるね」



服部「黒の組織のメンツにもその程度しか思われていない!!」

服部「こんなのおかしいやろ!!!」

>>169
投稿終了したら説明しますです

コナン「まさか…そんなことで…!?」

服部「お前はええのう!!黒の組織に小さくされても脚光を浴びる!!」

服部「そんなお前にこの気持ちがわかるわけないやろ!!」

服部「…わしは、なんでガキ共が有名になるか考えた。…多くの事件との遭遇…そしてお前がいるからや、工藤」

服部「わしはもっと考えたで…どうしたら多くの事件がわしに出会うか」

服部「…そこで、その爺さんに会ったんや」

阿笠「!!」

~数か月前 阿笠宅~

服部「(工藤はおるか…ん?あれは…)」

阿笠「…」

服部「何を話しとるんや?」



阿笠「…なるほど。ジンとバーボンがわしを狙っている、と」

『はい。ですので、奴らの誘いは受けない方がいいかと…』

阿笠「わかった。ご苦労」

『お疲れ様です。ボス』ピッ

阿笠「ふう…」

服部「…久しぶりやな、爺さん」

阿笠「!!?」カチャ

服部「おっと。わしは誰にも言う気はないで。…ただ、協力してほしいんや」

阿笠「…協力、じゃと?」

服部「せや。まず…」

わしはこう持ちかけた。「お前の死を偽装してやる。その代わり、あのガキどもを殺す手伝いをしろ」とな。

せやけど、普通の場所でやったんじゃ足につく。そこで…爺さんの部下が経営しているロッジに行くことにしたんや。

やつらは必ずこのチャンスを逃さない。雨が降れば警察も来ない、他にいるのはガキだけ…。

わしはここで計画を実行することにした。名前を付けるとしたら…せやな。

『少年探偵団殺人事件』や。

服部「ゆくゆくは、ボスのいない組織にわしが癒着…適当に事件を起こさせるっちゅー計画や」

服部「今夜成功したらのぉ…すべて終わったんや」

服部「せやけど、それももう終わり…わしの負けや」

コナン「…」

灰原「…」

歩美「…」

服部「わしが甘かっただけっちゅーことか…」

コナン「服部…」

服部「警察に行くで。もうわしは…」

阿笠「そうはさせん」ピッ

プシューーーーーーー!!!

コナン「!?」

灰原「こ、これはガス!?」

歩美「な、何!?」

服部「な、何さらすんや爺さん!?」

阿笠「悪いが眠ってもらう…」

コナン「く、く、そ…」バタッ

灰原「ゲホッ…う…」バタッ

歩美「げほっ…ぁ…」バタッ

服部「ごほっげほっ…く…」バタッ

阿笠「…眠ったか」ピピピ

阿笠「…」トゥルルル

阿笠「…わしじゃ。全員連れて入れ」

??『了解、ボス』

~数分後~

??「お待たせしましたわ…」

ベルモット「ボス」

阿笠「よし。奥の部屋にジンとバーボンがおる。始末しろ」

「はっ!」タッタッタッ…

ベルモット「…彼らはどうしますか?」

阿笠「わしの正体に気付いておる。始末しろ」

ベルモット「了解、ボス」カチャ

パァン!

阿笠「…どうした?ガキ共も殺さんか」

ベルモット「…シルバーブレットは多い方が良いんですよ」

阿笠「何を言っている?早く始末しろ」

ベルモット「…了解、ボス」カチャ

阿笠「!!?な、何故わしを狙う!!?」

ベルモット「ジンとバーボンはもう用済みです」

阿笠「!ま、まさかお前がやつらを!?」

ベルモット「Yes.やっとあなたを殺す機会ができましたよ」カチ

阿笠「ま、待ってくれい!!わしはまだ死にたくn」

パァン!

阿笠「…」バタッ

ベルモット「…」

「ベルモット様!二人は始末しました!」

ベルモット「お疲れ。この二つの死体も始末していおいて」

「はっ!」

ベルモット「…またね、"シルバーブレッツ"」

~~

~翌日 病院~

コナン「…う…?」

灰原「!目が覚めたのね!!」

歩美「コナン君!!」

コナン「灰原に歩美!?ここは…」

灰原「救助隊の人がきて私たちを見つけたそうよ。ここは病院」

コナン「…他のみんなは?」

灰原「…行方不明」

コナン「…」

灰原「実質、もう…」

歩美「?」

コナン「…生きて出られたのは、俺たち三人か」

灰原「…ええ」

歩美「…」

コナン「…」

灰原「でも…私たちは生きてるわ」

コナン「…ああ」

歩美「うん」

灰原「…生きてるの」

コナン「…」

歩美「…」

~~

~エピローグ~

あの忌まわしい事件からもう数日経った。

俺たち以外のみんなはまだ見つかっていない…それは、死んでいるということなのだろう。

黒の組織のボスの正体を知った俺たち。それなのに生かされているということは…言わなくてもわかるだろう。

服部が起こしたことは露見されずとも、許されない。俺はあいつを許すつもりはない。

…だから、俺たちはある組織をつくろうと思っている。

社会の闇、そして黒の組織に立ち向かえるような力を持つ組織。二人欠けても、それは滅びることはない。

『少年探偵団』っていう組織だ。



~終わり~

お目汚し、失礼しました。
何か質問とかあったらどうぞ。

>>169
もし高木、安室がいたら…高木が黒の組織の手掛かりをつかむ→殺される→…という感じでした。
泊まってる客がいなかったら…サイコサスペンス、マジキチのどちらかでした。

最初のところで誰もいないを選択しなかったり、他に客がいないことを選んだらストーリーはどう変化した?
あと話を見ると安室じゃなくて世良を選んだら平次&世良ペアが犯人になったりした?
もし安室と高木とかだったらどうなった?平次&高木または高木&世良の場合も気になる
あとは部屋分けが違ったらの場合も

>>186
誰もいない…サイコサスペンス、マジキチのどちらか
客がいない…サイコサスペンス、マジキチ、サスペンスのどれか
世良を選択…世良が生還者の中の一人に加わる
安室&高木…高木が黒の組織の手掛かりをつかむ→殺される→…
※平次&高木…平次が死なずに警察に逮捕される。高木も生還
高木&世良…安室&高木のストーリーと同じ。両者生還
部屋分違い…・元太と光彦がペアだったら…一日で事件解決。
       ・阿笠とコナンがペアだったら…事件が起こらず終了。

※…今回の話と同じストーリー


黒野さんがオリジナルだったから客もオリジナルかと思ったらから客いるにしちまった……

>>188
黒野仁→くろのじん→黒のジン

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2013年12月22日 (日) 20:35:29   ID: ut1ES0UQ

服部は「俺」でも、「わし」でもなくて、「わい」だろ!

2 :  SS好きの774さん   2014年02月17日 (月) 09:14:34   ID: t4nJfdik

服部は名誉欲のために人殺したりしません

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