佐天『何かを無かった事にする能力?』 (64)

何番煎じの佐天さん能力物です。
あくまで能力だけで、クロスという訳ではないです。
一応大まかな流れは考えていますが、細かい所までは詰めていないので、のんびりと書いていきたいと思います。
時期的な物等はあまり気にしないで下さい。
では次から始めます。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1376789086



佐天「あっみんなこっちこっち」ブンブン

初春「佐天さーん」タタタ

黒子「こんにちはですの佐天さん」スタスタ

美琴「こんにちは佐天さん」

佐天「いやー急に呼び出してすみません、実はちょっと相談したい事がありまして」

初春「相談ですか?」

佐天「実はこの間なんですけど、私も遂に能力者になれたんです!」

初春「本当ですか!」

黒子「おめでとうごさいますの」

美琴「良かったわね、それで?どんな能力なの?やっぱり空力使い?」

佐天「違うんです、何だか初めての能力らしいんですけど」

初春「初めて!?この学園都市に佐天さんだけなんですか?」

黒子「それはすごいですわね」

美琴「どんなことが出来る能力なの?」

佐天「それが相談なんです」

美琴「え?」

佐天「私の能力……、何かを無かった事にする能力の使い道を一緒に考えて下さい」

初春「何かを?」

黒子「無かった事に?」

美琴「する能力?」



黒子「なんだかちょっと曖昧な感じですわね」

初春「何かをって、どういう意味なんですか?」

佐天「えっとね、実際は対象に出来る物を無かった事にするらしいんだけど、その対象がまだはっきりしてなくて、一応暫定的にそう呼ぶって」

美琴「無かった事にする、……それってつまりなくなるって事?」

佐天「はい多分……、それも踏まえてこの能力の使い道を考えて欲しいんです、どうしたらこの能力が役にたつか」

黒子「それについて、研究者の方々は何と?」

佐天「それは--

 -----

研究者「現状では君の能力は完全に未知数だ、対象効果範囲規模その他諸々、能力自体も発現こそしたが、まだ不安定で上手く扱えていない状態だ」

佐天「はい」

研究者「そこでまずは、君の能力の実態、つまり出来る事を見極めないといけない。
それと同時に君自身が能力の使用に慣れて、自在に制御出来る様になる必要がある」

佐天「私自身が……」

研究者「まずは色々と試してみて欲しい、色々な物を無かった事にしてみて、それと同時に制御にも慣れるんだ」

佐天「分かりました、やってみます」

研究者「とりあえずlevelは1としておこう、何かいい利用法が見つかったり、能力自体が強力な物だと分かれば、もっと上なるかもしれないけどね」

佐天「私が能力者……」

 -----

--とまあそんな具合で、何故かその時々によって、能力自体も使えたり使えなかったりしちゃって、それで相談をと思いまして」

美琴「なるほどね……」



初春「どんなことを試したんですか?」

佐天「えっとまず、シャーペンの芯を無かった事にしようとしたり、ティッシュを無かった事にしようとしたり」

黒子「しようとという事は無理でしたの?」

佐天「はい……ただ、それが無理な事なのか、上手く発動しなかったのかも分からなくて」

美琴「上手くいったのはあるの?」

佐天「あっはい、色々試してる時にうっかりコーヒーをひっくり返しちゃって、服にシミが付いたんですけど、嫌だ無かった事にしたいって思ったら、シミがきれいに消えたんです」

初春「良かったですね佐天さん」

黒子「……佐天さん、その染み付いたコーヒーはどうなりましたの?」

佐天「え?さあ?多分消えて無くなったんだと思いますよ?床に落ちてたりはしませんでしたし」

黒子「そうですの……」

美琴「シミが消せるなら、やっぱり制御が上手くいってないのかしら?演算はどうなの?」

佐天「それもよく分からなくて、こう何となく-(マイナス)がいっぱい頭に浮かぶ感じで」

美琴「-がいっぱい?」

初春「何か発動しやすい条件とかがあるんでしょうか?」

佐天「条件?何だろう?」

すみません、ちょっと人に呼ばれてました。
1人になれそうにないので、一旦中断します。

お待たせしました、やっと時間が少し空いたので、再開します……多分。


美琴「まあとりあえず、この砂糖とか紅茶を無かった事に出来る?」スッ

佐天「むむむ……、うーん……、ダメですね」ガクッ

黒子「ふむ……、能力の使用にはある程度の集中力と、具体的なイメージが必要ですの、発現したばかりでその辺りが上手くいかないのかもしれませんわね」

初春「無かった事にするイメージ?ただ消そうとするだけじゃダメなんでしょうか?」

佐天「うーんよく分からない、自分の能力なのになぁ」ハァ

美琴「まあ能力があるのは間違いないんだし、あとは実践あるのみよ」

黒子「お姉様の言う通りですわね、まずはイメージを掴む事を目標にしましょう」

初春「私たちが出来る事があったら、遠慮なく言って下さいね」

佐天「みんな……ありがと、私頑張る!」

美琴「それじゃあそろそろ、とりあえず河原辺りにでも行きましょう」



佐天「小石を無かった事に……、雑草を無かった事に……、初春のスカートを無かった事に……」

初春「佐天さん!?何でこんな時にそんな事言ってるんですか!」

佐天「あーつい」

美琴「なかなか上手くいかないわね?」

黒子「何か理由があるんでしょうが、その理由が分かりませんの」

佐天「はあ……、せっかく能力者になれたのに、使えないなんて」

美琴「まあまあ、まだなったばかりだし、これからよ」

黒子「そうですの、じっくりと能力を鍛えればいいんですの」

初春「暗くなってきましたし、今日の所はこの辺にして、また明日にしましょう」

佐天「そうだね、よいしょっとととときゃっ」ズデッ

初春「佐天さん!?」

美琴「大丈夫!?」

佐天「いたた……あっ」ズキッ

黒子「転んだ時に擦れたんですのね、私がテレポートで病院に」スッ

佐天「痛い……嫌だ……、痛いのはこんなのは……」


佐天『怪我なんてやだ、消えてよ』スゥゥ


初春「えっ?」

美琴「傷が」

黒子「消えましたの」

佐天「あれ?これって私の能力?怪我を無かった事にしたのかな?」



初春「すっすごいです佐天さん!怪我を治せるなんて!」

美琴「そっか、何も物を消すだけじゃないのね、怪我を無かった事にすれば元に戻るわけだし」

佐天「そっかこんな使い方が、コーヒーのシミを消したのも同じなのかな?」

美琴「シミを無かった事に、怪我を無かった事に、他にも色々出来そうね」

初春「良かったですね佐天さん」

佐天「あはは、ありがと」

黒子「……」

美琴「ん?どうかしたの黒子?」

黒子「いえ……何でもないですの」

美琴「?」

黒子(怪我を無かった事に、それはつまり……、いえ考えすぎですわね)

初春「頑張りましょう佐天さん」

佐天「うん!」



佐天「おはよう初春」

初春「おはようございます佐天さん、昨日はあの後どうでした?」

佐天「それなんだけどさ、やっぱり上手くいかないんだよね、何をやれば上手く使えるんだか」

初春「じゃあ今日も練習ですね」

佐天「そうだね、御坂さんと白井さんは?」

初春「白井さんは風紀委員です、御坂さんはちょっと用事があるから、後で行くって言ってました」

佐天「そっか、じゃあ今日も1日頑張るぞ!」

初春「おー」

 -----

美琴「あっ佐天さん初春さん、遅くなってごめんね」

初春「御坂さんこんにちは、全然大丈夫ですよ」

佐天「はぁ」

美琴「佐天さん?」

佐天「御坂さーん、全然上手くいかないです」ガクッ

美琴「うーん何でだろ?シミや怪我は消せるのに」

初春「能力を使う時に、何か変な事を考えているとか」

美琴「逆かもしれないわね、能力の使用に必要な物を、普段は意識できてないとか」

佐天「うーん……、シミと怪我の共通点?何だろ?」

初春「ダメージを受けたものを無かった事に出来るんでしょうか?」

美琴「それだけじゃない気もするわね」

佐天「うーん……ダメだ分からない、今はとりあえず、もう少し練習してみます」

美琴「そうね」

初春「きっと上手く使えるようになりますよ」

佐天「ありがとう初春、よっしやるぞ!」



佐天「結局ダメかぁ」ハァ

初春「気を落とさないで下さい、まだ慣れてないだけですから」

佐天「ありがと……あっ」

初春「どうしたんですか?」

佐天「そうだった、今日はご飯ないんだった、私ちょっと食べる物買って帰るね」

初春「じゃあ待ってますね」

佐天「いいって別に、もう寮の目の前なんだし、また明日学校でね」

初春「分かりました、また明日佐天さん」

佐天「じゃーね」タタタ

 -----

佐天「思ったよりも遅くなっちゃった、どうしようかな?」キョロキョロ

佐天(こっちの路地裏を通れば早いけど、危ないよね?)

佐天「……まあいっか、少しだし」タタタ

佐天「あの角を回れば……!」

不良1「あっれー?こんな所でどうしたのかな?お嬢ちゃん?」ニイ

不良2「ここら辺は危ないよ、こわーいお兄さんがいっぱいいるからね」ニヤニヤ

不良3「まあ俺らだけどな」ギャハハ

佐天「あ……」ジリジリ

不良1「まあそんな訳でさあ?俺らと遊ぼうぜ」ニタニタ

佐天「いっ嫌だ!」ダダッ

不良2「待てよ!いきなり逃げなくてもいいだろ!」ダッ

不良3「鬼ごっこかい?俺ら得意だぜ」ダッ



佐天「ジャ、風紀委員に連絡……あれ?携帯がない?もしかして落とした?」タタタッ

不良達「逃げんなよ!」「何もしないって」「まあ嘘だけど」タタタッ

佐天「はぁはぁ、えっとこっちに行けば、あっ」

不良1「はい行き止まりー」

不良2「残念だったなぁ」

不良3「……おう俺だ、今可愛いお嬢ちゃんが一緒でよ、せっかくだからお前らも来いよ」

佐天「あ……あ」フルフル

不良1「そんなに怖がんなくていいって」ニヤニヤ

不良2「ただ俺らと楽しい事して欲しいだけだからさ」ニタニタ

不良3「みんな来るってよ、良かったなお嬢ちゃん、あと4人も増えるぜ」ケラケラ

佐天「あ……嫌……、こんなの嫌……」カクカク

不良1「そんじゃお楽しみは揃ってからにするか、まずは胸でも揉んで」スッ

佐天「嫌……嫌……嫌……」カタカタカタ

不良2「はーい大人しくしててね」

佐天(嫌だ……こんなの絶対に嫌だ……、止めて……消えてよ、こんなの)ガタガタ

佐天『嫌だ!助けて!消えて!』

不良達「あ--

佐天(……嫌だ……嫌だ……嫌……?あれ?)スッ

佐天「……いない?どこに行って……」キョロキョロ



佐天「助かったの?でも何で?……あっそうだ!さっき仲間が来るって、今のうちに逃げなきゃ」タタタッ


佐天「はぁはぁ……ここまで来れば」ハァハァ

佐天「ふー助かったぁ、いきなりいなくなってビックリしたけど、まあいいか」スタスタ

佐天「でも何でいきなりいなくなったんだろ?何だか急に消えたみた……いに?」ピタッ

佐天「急に消えた?人がいきなり?……いやまさかそんな、だって私の能力は……あれ?でも」

 ~~~~~

佐天「あっコーヒーが!お気に入りの服だったのに、……嫌だよ消えてよ」

佐天『こんなシミ嫌だ!消えてよ!』

 ~~~~~

佐天「痛い……嫌だ……、痛いのはこんなのは……」

佐天『怪我なんてやだ、消えてよ』スゥゥ

 ~~~~~

佐天「……嫌だ……?私が嫌がったものを無かった事にした?私が嫌だって思うものが対象?じゃあ」ガタガタガタ

佐天「さっきの3人はまさか……、本当に私が……?」ガクガクガク



佐天「あ……ち……違うよ、私は別にあの人達を消すつもりなんて、そもそも上手く使えもしないのに、そんなの……」ガタガタガタ

佐天「私はただ怖くって、あんな状況女の子なら誰だって怖いでしょ、だから私も怖いって嫌だって、それだけだよ?それだけなんだよ?」ガクガクガク

佐天「いくら能力者になったって、まともに使えない能力なんだし、私は無能力者といくらも変わらない訳で」

佐天「そもそも人が消せるなんて思わない訳だし、私は危なかった訳だし、悪いのはあの人達の方なんだし、私は……私は」ガタガタガタ

佐天「そうだよ、私じゃない、私のせいじゃない、私が自分の意思でやった訳じゃない」ハハ




佐天『私は……悪くない』アハ・・ハハ・・ハハハ



 -----

??????「ふむ……これは」

???「おいアレイスター!理由も言わずにいきなり来いとはどういう事だ」ガチャ

アレイスター「来たか土御門、実は少々困っていてね」

土御門「お前が困る?一体何があったんだ?」

アレイスター「想定外……いや、そもそも有り得ない、起こり得ないはずの事が起きた、そのせいでプランが大幅に崩れてしまいそうなんだ」

土御門「お前のプランが?一体何が起きたっていうんだ?」

アレイスター「有り得ないはずだった、到達し得ないはずの人間が、その資格に手をかけた……」



アレイスター「新たなlevel5候補の誕生だ」

とりあえずここまでです。
本当は昨日のうちにここまで書きたかったんですが、まあこれからもちみちみ続きを書いていきます。
所で気が早いですが、皆さんはハッピーエンドとバッドエンドは、どっちが好きですか?良かったら教えて下さい。
ラストを4つほど考えたらどうするか迷いまして、まあ参考にするだけで、反映はしないかもしれませんが。
ではまた。

本家は虚数大嘘憑きが使えるようになってたな
あと攻略法も明らかになった

本家がいい感じに卒業してたんで
SSもハッピーエンドでお願いします

ふむふむ、ご意見感謝です、全体的にハッピー多めと、まあのんびり書いていって決めてみます、もしかしたらどこかで安価を出したり、いっそ全部やるかもですが。
>>32本家は連載分しか読んでないので、安心大嘘憑きまでしか知らないです、虚数大嘘憑きって何?

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom