城戸真司「学園都市?」上条当麻「ライダーバトル?」 (89)

仮面ライダー龍騎×とある魔術の禁書目録です

・更新は気まぐれです

・当然ですが禁書キャラが死にます

・科学サイドで行う為、魔術サイドの人達の出番が少ないです

・質問、指摘、雑談はどうぞ。

では、始めます。

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  合わせ鏡が無限の世界を形作るように 、現実における運命も一つではない。

     同じなのは欲望だけ…。

 全ての人間が欲望を背負い、そのために、戦っている。

   そしてその欲望が抱えきれないくらい大きくなった時、


     人は…ライダーになる。

科学と鏡が交差する時、戦わなければ生き残れない!

「修正が必要だ」

『Time Vent』

男の声とバイザーの声が響き、時間が巻き戻される。

真司「ぐあぁぁ!」

これで、何度目だろうか。

城戸真司達仮面ライダーは、戦い、仲間を失い、死んでいく事を何度も繰り返している。

今回も、そうなる筈だった。

神崎士郎「城戸真司が……消えただと……」

それは、決して交わる事の無い筈だった、二つの世界の物語。

硬い感触を背中越しに感じた真司は、何事かと目を開ける。

タイムベントの後、必ず真司はベッドで寝ている状態なのだが、およそベッドとは思えない質感に違和感を覚えた。

さては蓮の奴、愛想が尽きて床にでも寝かせたか?等と勝手な予測を立てて真司が次に見たのは、桃色の髪の少女だった。

小萌「城戸ちゃーん?緊張して倒れたんですか?」

心配そうにこちらを覗き込んでいるその少女は、見た目は完全に小学生、下手をすれば幼稚園児なのだが、その口ぶりは、姉や母親のようなものだった。

訳が分からず上体を起こして辺りを見回すと、多数の学生が廊下を歩く光景があった。

明らかに、ここは『花鶏』ではない。

恐る恐る、目の前の少女に聞いてみた。

真司「あのー……ここってどこ?」

小萌「城戸ちゃん。先生は一応先生ですよ?」

先生、という事は、この少女は教師だと言うのか?

小萌「それに、ここは城戸ちゃんが転校して来た高校じゃないですか」

真司「高校生?」

素早く立ち上がり、廊下の窓ガラスを見た。

そこには、確かに高校時代の自分が映っていた。

半ば信じられないようで、ガラスを覗いて手を顔や体に這わせる。

しかし、いくら手で触ろうと鏡の中の自分が戻る事はなく、幻想をぶち殺せはしなかった。

真司「そんな……だって俺また巻き戻されてやり直しの筈なのに……何で高校生に……」

小萌「早くしないと授業始まっちゃいますよー」

狼狽える真司を、幼い見た目の教師は手を握って教室へと導いた。

小萌「みなさーん。今日からこのクラスに転入してきた、新しい仲間でーす」

小萌にズボンの裾を引っ張られ、慌てて真司は自己紹介をした。

真司「えっ……と、東京から来ました、城戸真司です。宜しくお願いします!」

特に凝った言葉は思いつかなかったものの、自分の存在はこの教室の生徒に伝わった筈だ。

小萌「じゃー城戸ちゃんは、上条ちゃんの左の席に座ってください」

上条ちゃんは分からなかったが、これ見よがしに空いてる席を見つけ、着席している生徒のざわめきの中を進んでいった。

ちょっと風呂入ってきます

午前の授業を終え、真司は深い溜め息をついた。

一度は高校を卒業しているので、もしかしたらいい線いけるんじゃないか?
と思い授業に臨んだが、今では机に突っ伏して愚痴る始末だ。

やっぱり、お前は馬鹿だな。

真司「うるせえよ……蓮」

いつぞやに蓮に言われたのを思い出し、ひとり悪態をつく。

真司「大体よー。絶対俺の高校のより難しいって!」

おまけに、能力開発などという意味の分からないカリキュラムのせいで、頭はパンク寸前だ。

体を起こし、椅子にもたれかかった真司に、一人の少年が声をかけてきた。

上条「城戸……だっけ?良かったら昼飯食わねえか?」

少年の名は、上条当麻。

真司の、右隣に座る少年だ。

真司「学園都市?」

購買で買ったパンを頬張り、真司は上条から聞いたその言葉を繰り返した。

確かに、屋上から見渡した街の景色は、真司の世界の科学力を越えているのが一目で分かった。

もしかして俺は、とんでもない所に来たんじゃないか?と、今更ながら思った。

しかし、青春時代をもう一度謳歌できる楽しさも、自然と感じていた。

目の前には、二人の少年。

一人は上条当麻。ウニのような頭の、気だるそうな少年だ。

もう一人は、青い髪にピアスの少年。
名前は知らないが、上条が青ピと呼んでいるので、自分もそう呼ぶことにした。

「あと一人、金髪サングラスの土御門って奴がおってな……」とは、青髪ピアスの紹介だ。

とにかく、その日の昼休みは最高だった。
学校の事、恋愛の事など、色々馬鹿みたいに話しあった。

上条「土御門がくれば、デルタフォースならぬスクエアフォースの誕生だなぁ」

戦いに身を投じていた真司にとって、友というのは蓮位のものだった。

しかし、今は少なくとも二人の友がいる。

その事が、真司にとってはたまらなく嬉しかったのだ。

今日はここまでで。

投票イベントもありますのでお楽しみに

午後の授業も散々だったが、入学初日にして真司はすっかりこの別世界に慣れてしまっていた。

路上を掃除するロボットに驚きながら、上条達と下校している。

パン屋に下宿している青髪ピアスと別れ、真司と上条は学校の寮に向かっていた。

誰が手続きしたのかは知らないが、上条の隣の部屋に入居する事になっているらしい。

二人で他愛の無い話をしながら歩く。


ふと、何かの気配がした。

正確には『何か』ではない。真司はこの感覚を知っている。

まさかと思い、通学路こ横にあるショウウインドウへ目を向けた。

そこには、あるはずのない二つの姿。

仮面ライダーが、戦っていた。

上条「城戸!どこ行くんだ!」

無意識の内に、真司は走り出していた。

分からないことは多々あるが、今はそれよりも走らなければならないと思ったのだ。

真司「ここでも戦いがあるなら……」

何秒か走った後、誰もいないのを確認して、真司はいつの間にか握っていた左手のカードデッキを鏡にかざす。

真司「俺が止めてみせる!」

鏡の中から変身ベルト、Vバックルが現れ、真司の腰に巻きつく。

右手を左斜め上に伸ばして、叫んだ。

真司「変身!」

カードデッキをベルトに装着させると、いくつもの幻影が真司の体を包み込んだ。

瞬く間に赤の仮面ライダー、龍騎が姿を現した。

龍騎「しゃっ!」

いつものように気合いを入れて、真司、もとい龍騎は、眼前の鏡へ飛び込んだ。

_____________________
ミラーワールド。ライダーしか認知出来ない鏡の中の世界。

見た目は現実世界と大差ないが、ここではあらゆるものが反転する。

看板の文字や、利き腕までもが反転しているのだ。

ここに人間は存在せず、ライダーとモンスターの世界となっている。

その世界で戦うライダーが二人。

一人は黒を基調とした、騎士の兜のような頭のライダー、ナイト。

もう一人はオレンジの体に、左腕に大きな鋏を装備したライダー、シザース。

『Sword Vent』

電子音声が響き、ナイトの手に大型の槍、ウイングランサーが召喚された。

ナイト「たぁっ!」

槍を構え、素早く敵に向かって疾走する。

しかし、それを見越していたかのように、シザースはカードを左手の鋏、シザースバイザーの接合部にセットした。

『Guard Vent』

蟹の背甲を模した盾が、バイザーに装着された。

こちらに一直線に向かう黒槍を、その堅牢な盾でいなしていき、反撃のチャンスを狙う。

シザース「そこだ!」

鋭い叱声と共に、ウイングランサーが弾かれがら空きになったナイトの胴を、鋏状のバイザーで突く。

隙を突かれ、後方へ倒れたナイトを、シザースは続けて攻撃しようと、左腕を突き出した。

しかし、その攻撃は思わぬ妨害によって阻止される。

突如として、右手側から火球が飛んで来たのをいち早く察知して、シザースは後ろへ跳び退いた。

目標を失った火球は、向こう側の壁へ激突し、焦げ跡を作る。だが、焦げ跡の位置から考えるに、あれは自分を狙った攻撃ではないと推測した。

目的は、自分と相手の分断。

つまり、相手を助けたのだ。

もしかして奴の味方か?と、危惧したが、火球を放った赤いライダーから聞いた言葉は、その不安を杞憂に終わらせた。

龍騎「お前ら!戦いを止めろ!」

ナイト「何なのアイツ……」

言葉から察するに、仲間ではないようだ。
しかし、自分の仲間という訳でもない。

ならば、倒すまでだ。

『AdVent』

シザースは自分の契約モンスター、ボルキャンサーを召喚した。

シザース「やれ」

手短に命令すると、餌を与えられて喜んだのか、オレンジの蟹のモンスターは真っ直ぐ龍騎の下へ走っていった。

龍の頭を模した手甲、ドラグクローを右手に装備した龍騎と、ボルキャンサーの戦いが始まった。

ボルキャンサーが龍騎を捕らえようと左腕の鋏を叩きつけるが、

龍騎「うおっ!」

すんでの所でかわし、距離を空ける。
このままでは間に合わないと悟った龍騎は、
左腕の己の召喚機、ドラグバイザーにカードを挿入した。

それは、ゆうもう

龍騎「」

このままでは間に合わないと悟った龍騎は、 左腕の己の召喚機、ドラグバイザーにカードを挿入した。

それは、勇猛な赤い龍が描かれたカード。

『AdVent』

瞬く間に、龍騎の契約モンスター、ドラグレッダーが現れた。

誤爆したんでうまく編集よろしくお願いします。

ボルキャンサーをドラグレッダーに任せ、龍騎は戦う二人のライダーへと駆ける。

しかし、その間に状況は一変し、今度は三人のナイトがシザースを追い詰めていた。

龍騎「あれはやっぱり蓮の……!」

トリックベント「シャドーイリュージョン」

ナイトの持つカードの一つで、何体も自分の分身を作るカード。
その効果を使い、数で押し切る作戦に出たのだ。

龍騎「くそっ……止めろ!」

『Sword Vent』

ドラグレッダーの尾を模した、青竜刀のような剣、ドラグセイバーが召喚された。
意を決して乱戦の中へと突入し、ナイトの一人と剣を交える。

龍騎「蓮!お前何やってんだよ!」

この中の誰が本物なのかは分からない。だが、叫び続ける事で、何か起こってくれるかもしれない。
そんな考え、と言うか願いを持って、精一杯叫ぶ。

龍騎「蓮!返事してくれ!蓮!」

ナイト「うっさいわね!」

突如、剣を交えていたナイトが反応して、土手っ腹に蹴りを見舞った。

ナイト「さっきから蓮蓮蓮ってやかましいのよ!」

倒れた龍騎に、剣型の召喚機、ダークバイザーを向けながら主張する声。
それは、龍騎の知っているナイト、秋山蓮の声ではない。

ナイト「いい?私には御坂美琴ってちゃんとした名前があんのよ!」

それとは全く異なった、少女の声だった。

龍騎「女の子………?」

ナイト「戦いの途中で何うろたえてんのよ!」

訳の分からない龍騎に、御坂美琴と名乗ったナイトは容赦ない剣撃を浴びせる。
真上からの圧倒的に自分に不利な攻撃を、龍騎は何とかドラグセイバーで防ごうとする。

金属のぶつかる音が何度も響き、戦いは激しさを増していく。

龍騎「何で俺達が殺し合わなきゃいけないんだ?!」

ナイト「叶えたい願いがあるのよ!私には!」

強いが迷いの見える戦い方、願いへの執念など、どこか蓮を思い出させる彼女を攻撃することを、龍騎はためらっていた。

龍騎とナイト、シザースと分身、ボルキャンサーとドラグレッダーの三つの戦いを終わらせたのは、

『AdVent』

龍騎「くっ!」

ナイト「きゃっ!」

シザース「何!?」

くぐもった電子音声で召喚された漆黒の龍、ドラグブラッカーと、

龍騎「黒い……龍騎?」

黒龍と契約したライダー、リュウガの登場だった。

ナイト「また……アンタが邪魔するの!?」

先程から龍騎に滅多打ちを浴びせているナイトが、肩で息をしながらリュウガに言う。
口ぶりからして、以前にも因縁があるらしい。

リュウガ「何度も言っただろ!あれはお前の責任じゃない!こんな事しなくたって……」

ナイト「それでも私は……インデックスを!」

標的をリュウガに変え、ダークバイザーを構えて突撃していく。

『Sword Vent』

リュウガも、黒いドラグセイバーを召喚し、応戦の体勢をとった。

シザース「……面倒な事になったな」

シザースはそう呟いて、近くの鏡から現実世界へ帰っていった。

この状況で取り残された龍騎は、ただ戦いを見ているしかなかった。

次回、 仮面ライダー龍騎×とある魔術の禁書目録!

   お前もライダーなのか!

 君は、こことは別の世界の人間だ。

     この子が……御坂の願い……

   俺は勝ち残り、日常を取り戻す。

 科学と鏡が交差する時、戦わなければ生き残れない!

一話終了。

時間かかってすいませんでした。

二話

ナイト「何で!当たら!ないのよ!」

黒のライダー同士の対決は、リュウガが圧倒する形となった。

ダークバイザーによる剣撃を巧みに剣でいなす戦い方は、まるで子供の相手をしている様に見えた。
また、ナイトが冷静さを欠いて攻撃が単調になっていることも、リュウガが優位に立っている要因の一つだ。

リュウガ「そろそろ時間の限界じゃないのか?」

ナイト「まだ……私は……」

構わず突っ込んでくるナイトの剣を弾き、その力を逆に利用して、近くのショウウインドウにナイトを押し込んだ。

ガシャン!というガラスの砕ける音はせず、吸い込まれるようにナイトは鏡の世界から姿を消した。

リュウガ「ふぅ……」

ナイトが現実世界へ戻ったのを見届けた後、一息ついてリュウガもショウウインドウの中へ入っていった。

龍騎「おい!待てよ!」

我に帰った龍騎も、黒い自分を追いかけて現実世界へ戻る。
_____________________
ミラーワールドから抜け出した真司の目に飛び込んだのは、さっきのナイトであろう一人の少女と、

上条「城戸!?」

友人の、上条当麻だった。

真司「上条!お前もライダーなのか!」

上条「残念ながら……な」

溜め息をつき、ポケットから黒一色のカードデッキを取り出してみせた。

中央の紋章は、龍騎のそれより少し禍々しいものとなっているが、ぱっと見瓜二つだ。

真司「っていうか、そっちの子は大丈夫なのか?」

真司が目を向けた少女、御坂美琴は、壁にもたれかかって苦しそうに息をしている。
美琴が、真司を見返して言った。

美琴「アンタ……あの赤いライダーね?
何がしたいの?私を助けたと思ったら……今度は敵を助けるし……そこの馬鹿と同じで……訳わかんない……」

吐息混じりの言葉の後、美琴は自ら立ち上がり、歩き出した。

上条「御坂! 傷は大丈夫なのかよ!」

美琴「アンタに心配される程酷くはないわ……学園都市三位をなめんじゃないわよ…」

シザースにつけられた傷は決して浅くはない筈だが、歩調は自然としっかりしている。

仮面ライダーナイト、御坂美琴は去っていった。

今日はここまで。
続きは明日書きます。

上条「やべえ!特売セールが!」

近くの時計を見た後、目の色を変えて上条は走っていった。
彼についていかなければ、寮の場所が分からない。
それに、今日の自分の夕飯も確保しなければならない。

少し遅れて、真司は必死で上条の後ろ姿を追いかけた。

「ライダーの内三人は奴ら……ならば、各個撃破が得策か」

その男の言葉は、走るのに夢中な彼らに届く筈もなかった。

スーパーからの帰り、真司は思い切って聞いてみた。

真司「なぁ、あの子……御坂の願いって何なんだ?」

マイバッグを左手にぶら下げた上条が急に立ち止まり、後ろで歩いていた真司を振り返った。

上条「知りたいか?」

戦いの時と同じような真剣な声に真司は多少驚いたが、迷わず首を縦に振った。

上条「じゃあ、俺の部屋に来てくれ」

それだけ言うと、上条はまた歩き出した。

そこに、何があるというのか。

上条「ただいまー」

ドアを開け、誰も居ない筈の自室に向かって帰宅の挨拶をすると、奥から純白の修道服を着た少女が駆け寄ってきた。

インデックス「おかえりとうまー!」

少女の頭を撫でて、上条は真司の方を振り向いた。

上条「こいつはインデックス。訳あってウチに居候してんだ」

簡単に説明し、インデックスへ向き直る。

上条「インデックス。こいつは城戸真司。俺の友達だ」

屈託のない笑顔で、インデックスは手を差し出した。

インデックス「よろしくなんだよしんじ!」

真司も微笑んで、手を握り返す。

上条「すぐ夕飯作るから、城戸も食べてけよ」

夕飯という単語を聞いて、インデックスは素早くテーブルに移動し、上条はキッチンの方を向く。

少女の柔らかい手の感触が残ったまま、真司は呟いた。

真司「この子が……御坂の願い……」

__ライダーバトルの始まりの日

上条、美琴、インデックスの三人は、何者かの招待で学園都市某所の実験施設を訪れた。

第三位の美琴は分かるが、何故無能力者の自分と、インデックスまで呼ばれたのか、上条には分からなかった。
人はおらず、全て電光掲示板の案内で、ある一室へと三人は足を踏み入れた。
部屋の中にはびっしりと鏡が置かれており、使用している者は相当のナルシストだと上条は勝手に推測する。

その時だった。

上条「インデックス!」

突然、先頭のインデックスが糸の切れた人形のように倒れた。
それを見計らったかのように、数多の鏡の一つから、巨大な黒い蝙蝠が出現した。

ただの蝙蝠ではなく、どこか機械を思わせる怪物の出現の後、今度は漆黒の龍が鏡から姿を現した。

上条は迷わず右手を振るい、目の前の黒龍を打ち払おうとし、御坂はコインを弾き、超電磁砲を蝙蝠に放つ。

しかし、黒龍は消えはせず、逆に上条を剣のような尻尾で打つ。
衝撃で上条は壁に激突し、割れた鏡が切り傷を創る。

一方の超電磁砲も、浮遊する蝙蝠にいとも簡単に避けられ、壁に掛けてある鏡を粉々に砕くだけだった。

黒龍と蝙蝠は、倒れたインデックスの周りをうろついていた。
鏡の魔物、ミラーモンスターの糧は人間である。

このままでは、インデックスだけでなく、自分たちも殺される。

直感した上条は、再び鏡の怪物に挑もうとするが、それを止めたのは見知らぬ、いや聞き知らぬ声だった。

「契約しろ。助かるにはそれしか無い」

いつの間にか二人の手には、黒色無地のカードデッキと、 『CONTRACT』と書かれたカードがあった。

「カードをモンスターにかざせばいい。早く契約したまえ」

謎の声は相手の意志も聞かず、平坦な口調で契約を促している。
しかし、こうでもしないと助からないのは、二人共しっかりと理解していた。

今にも喰われそうな少女を救う為、上条は暗黒龍ドラグブラッカーに、美琴は闇の翼ダークウィングへと、契約のカードをかざした。

これが、仮面ライダー、並びにライダーバトルの始まりである。
_____________________
上条「それから俺達は仮面ライダー、ミラーワールド、ライダーバトルの説明を受けて、今こうして戦っているって訳だ」

真司「ちょっと待てよ!じゃあインデックスは何で普通に生活していられるんだ?」

インデックスが眠りについた夜遅く、黙って話しを聞いていた真司が突然言った。
ダークウィングに襲われた人を、真司は知っている。昏睡状態の蓮の恋人を思い出して、真司は上条に問い詰めた。

上条「それは……俺にも分からない。ただ、あの時確かにインデックスの心臓は止まっていた。……けど、少し経ってみると、何事も無かったみたいにインデックスが起き上がったんだ」

上条「あの声が言うには、『期限付きの命』らしいけどな……」

不可解な出来事に、真司は頭を抱えた。
謎の声に、期限付きの命。
だが、話している上条の顔は至って真剣である。

真司「だから、御坂は勝ってインデックスに『本当の命』をあげるつもりなのか?」

上条「ああ……でも話した通り、あいつには何の責任も悪い所も無いんだ。でも御坂は

「……私がアンタ達まで言われた通り連れて来たからよ」

って言って聞いてくれねぇんだ……」

上条のトーンが低くなる。それだけ彼女の事を心配しているのだと、付き合いが1日の真司でも理解できた。
下を向く上条を慰めるように、真司が声をかけた。

真司「とりあえず、御坂は悪い奴じゃ無いんだろ?
俺の友達にもそういう奴がいるけど、そいつも結局良い奴だったし」

上条「そうか……ありがとな城戸。こんな遅くまで」

真司の言葉で、多少は心が晴れたのか、口元には笑みが出ていた。

真司「何てことねぇよ。だって俺達、友達だろ?」

こちらも笑い返し、ごちそうさま!という言葉と共に、真司はドアを開けて帰っていった。

自室のベッドに寝転がり、真司は決意を新たにした。

真司「そうだ……皆それぞれ叶えたい夢があるんだ……」

真司「でも、自分の願いの為に、人を殺して良い訳無い!」

真司「エゴって言われようと、俺が止めてやる。ライダーの戦いを……」

暗闇の部屋で、その決意は淡く光っていた。

「城戸真司。異世界から来た君が私のプランを乱すか……」

突然聞こえた声に驚き、真司は部屋の明かりを点ける。
黒に染まっていた視界が、色彩を取り戻した。

そして、部屋の窓ガラスの中に逆さに映っている、謎の人物を見つけた。

一目見ただけでは、身分は愚か、性別すらもわかりはしないが、鏡の中を行き来できる人物を、真司は一人知っていた。

真司「神崎……士郎?」

「違うな」

内心違うだろうとは思っていたが、真司の読みは外れた。
そもそも、神崎は鏡に逆さに映るというふざけた真似はしない。

真司「まさか……お前が上条の言ってた……」

「そうだ。私がライダーバトルを仕掛け、あの二人をライダーとした」

真司「ふざけんな!」

まるで感情の籠もらない言い方に、真司は怒りを露わにした。
そんな事は歯牙にもかけず、鏡の中の男は話し続ける。

「城戸真司、一つ教えよう。ここは君のいるべき世界ではない」

真司「……どういう事だよ」

「あの男のタイムベントの影響で時空が歪み、君はここへ来てしまった。」

「君は、こことは別の世界の人間だ」

またしても衝撃的な事実を、しれっと口に出す。

「運命を、君は変えられるかな」

その言葉を残し、微かな笑みを浮かべながら、男は鏡から消えた。

茫然とした真司は、しばらく床へ座り込む。
無理もない。今日一日で、起こった出来事は多過ぎたのだ。

しかし、何を思ったか突然フローリングの床を一発、殴りつけた。
だがそれだけで床が割れる訳もなく、真司の拳だけが痛む。

真司「ふざけんな……なら変えてやる。俺が運命を……!」

静かに、力強く呟いた。

外は、まだ夜が支配している。

更新再開します。

遅れたのは全部乾巧って奴の仕業なんだ。

真司「やべえ遅刻だ!」

高校生になった事をすっかり忘れていた真司は、学校へと続く複雑な通学路を走り回る。
校門を通って昇降口を抜けて、教室のドアを開けて席に座るまで、10分。

時計が遅刻タイムリミット3分前を指しているのを確認して、溜まった疲れを押し出すように、真司は大きく息を吐いた。

青ピ「何や城戸クン。えらい遅かったなぁ」

軽い調子で声をかける青髪ピアスの横には、金髪にサングラスという変わった風貌の少年。
彼が昨日欠席していた土御門元春らしく、簡単に自己紹介を済ませた後、突然、真司が閉めた筈のドアが音を立てて開いた。

机から乗り出さなければ見る事は出来なかったが、担任の月詠小萌が入室したのだ。

時計は、始業の時を刻んでいる。

睡魔が邪魔をする事も度々あったが、つつがなく午前の授業は終わった。
昨夜の話のせいで寝不足気味の真司は、空腹を紛らわすように机に突っ伏して眠ることを選んだ。
意識が段々と深く吸い込まれる感覚に浸り、いよいよ眠ろうかという時に、

耳を裂くような、警告音が頭に響いた。

反射的に顔を上げて教室の窓ガラスを見ると、そこにはレイヨウの姿の二足歩行モンスター、メガゼールがいた。
モンスターもこちらに気付いたらしく、慌てるように素早く真司の視界を横切った。

真司「こんな時に!」

廊下を走って、真司はトイレに向かった。
無論、用を足すのが目的ではない。
鏡の前に立ちデッキを突き出すと、ベルトが現れて真司の腰に巻きつけられる。

真司「変身!」

龍騎へと変身した真司は、迷わず鏡の世界へ飛び込んでいった。

同じ頃、屋上で一人昼食をとっていた上条もミラーモンスターの気配を感じ取り、ドアのガラスへとデッキをかざした。

ポーズをとる真司とは対照的に、上条は目を瞑り、デッキを持つ左手を下ろす。

これが、上条なりの覚悟の決め方だ。

上条「変身!」

漆黒のカードデッキをベルトへ差し込み、ライダーの幻影が上条を包む。
リュウガに変身した上条も、モンスターを倒すべくミラーワールドへ入り込んだ。

鋏状の刃がついた刀と、ドラグセイバーが火花を散らす。
誰もいない学校の廊下で、メガゼールと龍騎が鍔競り合っていた。
メガゼールが振り下ろした刀を打ち払い、胴へ袈裟斬りを叩き込み、返す剣で突きを極めた。

廊下の端まで転がったメガゼールに追い打ちをかけようと龍騎が走る。

龍騎「がっ?!」

しかし、攻撃を喰らったのは龍騎の方だった。
背中に痛みを感じて振り向くと、そこにはもう一体のレイヨウのモンスター、ギガゼールが二又槍を携えていた。
メガゼールも、それに応じて刀を構える。

挟み撃ちの状況。前には槍、後ろには刀。

龍騎「………しゃっ!」

意を決してドラグセイバーを構え、敵に向かって斬りかかった。

後ろの、メガゼールに。

龍騎「だぁぁぁ!」

リュウガ「らぁ!」

突如ギガゼールの後ろから現れたリュウガと龍騎の声が重なり、二体のモンスターに襲いかかった。

龍騎はメガゼールを横に薙ぎ、吹き飛んだメガゼールの体は窓ガラスを割り、校庭へ放り投げられた。
しかし、体勢を整えたメガゼールは、強靭な脚力で難なく地面へ着地した。

リュウガ「城戸!そいつを頼む!」

ドラグクローを装備したリュウガが、ギガゼールと戦いながら言った。

龍騎「おう!」

了解と同時にカードを装填する。

『Final Vent』

腰を落とした特徴的な構えをとり、ガラスの割れた窓を蹴って、空へ跳んだ。

腰を落とした特徴的な構えをとり、ガラスの割れた窓を蹴って、空へ跳んだ。
上空にはドラグレッダーがおり、跳んだ龍騎を見るなり燃え盛る火球を放った。

だがそれは、龍騎への攻撃ではない。
火球の勢いと共に、凄まじい速さで飛び蹴りを遥か下のメガゼールへ打ち込んだ。

龍騎「だあぁぁぁぁー!」

炎をまとった右足のキックは、外れる事なくメガゼールへとヒットした。

爆炎に包まれたモンスターの体から出た光球を、宙を舞っていたドラグレッダーが喰らう。

力を与える代わりに、倒したモンスターの生命エネルギーを提供する。
これが、『契約』の正体である。

一方、上条ことリュウガは、校舎でギガゼールと対峙していた。

力任せに振られる槍を紙一重でかわし、右手のドラグクローでひたすら攻める。
ライダーになる前から数々の敵と渡り合ってきた彼にとっては、ベクトル操作に比べれば槍などさほど恐くはなかった。

リュウガ「はあっ!」

腹にストレートを極め、ギガゼールを廊下端に殴り飛ばす。

かなりのダメージだったらしく、ギガゼールは立ち上がるのに苦労している。
その間にリュウガはベルトのカードデッキからカードを一枚引き、ブラックドラグバイザーに装填した。

『Final Vent』

リュウガがその場に浮き上がると共に、召喚されたドラグブラッカーがリュウガの周りを回る。

空中でキックの構えをとると、後方のドラグブラッカーの口から黒い炎が放たれた。
黒炎で加速されたキックは、正確にギガゼールを狙いうつ。

慌てて避けようとするギガゼールだが、立ち上がったまま動かない。

否、動けないのだ。

吐き出された生気の無い炎の影響で、茶色のレイヨウの体はたちまち灰色の石像と化した。

リュウガ「うらあぁぁ!」

突き出した右足が、石像を跡形もなく砕いた。

ギガゼールだった光るエネルギー体を、首を伸ばしてドラグブラッカーが飲み込む。

それを見届けた後、リュウガは鏡の世界から抜け出した。

真司「また、助けられたな」

帰り道、隣を歩く上条に言った。

上条「気にすんなって。ライダー同士が助け合うのが、俺の願いだから」

頭をかきながら、照れくさそうに上条は言った。
無論その願いは、勝者になって叶えようとは思っていない。

上条「それに……」

考えるように少し間を置いた後、言葉を続けた。

上条「俺、放っとけないんだ。誰かが困ってたりすると、咄嗟に体が動いちまうっつーか、そのせいで不幸になっても仕方ないのかなっつーか………」

一息に喋った後、「何言ってんだ俺」と頭を抱えた上条とは裏腹に、真司の心は感極まっていた。
この少年の爪の垢を、浅倉をはじめ他のライダーに煎じて飲ませたい位だ。

しかし、彼等は知らない。

この戦いの運命は、既に決まっていた事を。

その日の夜、ミラーワールドにて。

宵闇に紛れた紫の体の縞馬が、入り組んだビル群を駆け回る。
勿論その縞馬は人の形をとるモンスターなのだが、動きには焦りが見え、飛び跳ねる様は何かから逃げているようだ。

『Shoot Vent』

静寂の夜に無機質な電子音声を鳴らしたのは、機械的な緑のライダー。
召喚された巨大な大砲を構えて、遠方のモンスターに向けて発射した。

迫り来る砲弾に気付いたモンスターは、胴体をバネのように伸ばしてかわそうとする。

しかし、砲弾はあまりに強く、縞馬はその威力を軽減できずに諸に喰らい、そのまま爆散した。
_____________________

「ライダーになってからというもの、戦いに積極的になったな」

現実世界に戻った緑のライダーに、鏡の中の男は声をかけた。

「ああ。俺は負けられない。あいつの為にもな」

彼の名は、浜面仕上。

浜面「俺は勝ち残り、日常を取り戻す」

またの名を、仮面ライダーゾルダ。

次回、 仮面ライダー龍騎×とある魔術の禁書目録!

 イライラするンだよ………

  あのオレンジのライダーには気をつけることね。

    『Confine Vent』

本当に裏切ったのかよ!

科学と鏡が交差する時、戦わなければ生き残れない!

二話終了。

蓮と美琴はツンデレ繋がりです。

閑話休題

城戸真司の状態について

真司がタイムベントされたのは49話の現実世界にモンスターが現れる前という設定で、断片的に元の世界の記憶を維持しています。

また、あくまでテレビ版の真司を意識しているので、リュウガやベルデ、ファムの記憶はありません。

アイツが眠ってから、何日経っただろう。

ソファに座り缶コーヒーを飲み干して、一方通行は思案に暮れていた。
黄泉川家に「探すな」とだけ書き置き、現在は雨風が凌げる程度のコンクリート造りの粗末な隠れ家に住んでいる。

「やあ。一方通行」

下がっていた目線を正面に戻すと、見慣れた男が立っていた。
学園都市統括理事長、アレイスター・クロウリー。

アレイスター「体の調子はどうだい?」

一方通行「問題ねェよ。……しっかし何なンですかァ?俺の脳を治すなンて馬鹿げた真似しやがって……」

吐き捨てるように答える一方通行に、質問を返す。

アレイスター「その答えは、とうに知っているだろう?」

一方通行「戦えばいいンだろォ?そうすりゃあ、願いが叶う。違うか?」

アレイスター「ああ、だから……」

口元に微かな、それこそ一瞬で消えた笑みを浮かべた後、アレイスターはその場から姿を消した。
残された一方通行の頭の中に、声が響く。

「戦え……戦えば、君は彼女を救える……」

コーヒーの入っていた空き缶が、カランコロンと音を立てて転がってゆく。
だが次に聞こえたのは、その音とは全く異なるミラーモンスターの警告音だった。

一方通行はおもむろに立ち上がり、自らが転がした缶の方へ歩き出して、

缶を、踏みつけた。

何度も、何度も、原型を無くしても、まるで親の敵のように力の限り踏み続けた。
遣りようのない苛立ちと怒りを、何かを壊して鎮める事を、彼は覚えたのだ。

一方通行「イライラするンだよ……」

再び動き出し、何故かその隠れ家にあった鏡の前に立つと、ポケットからカードデッキを取り出した。

紫のカードデッキには、コブラの紋章があしらわれている。
鏡にかざしてVバックルを出現させて腰に装着すると、ポーズをとって叫んだ。

一方通行「変身!」

左手のデッキをベルトに挿入すると、幻影が重なり、やがて一人のライダーが現れる。

仮面ライダー王蛇。デッキと同じく紫の鎧を纏った彼は、右手を首の後ろに回して首を鳴らす。
まるでチョーカーのスイッチを入れるこの動作は、彼の戦闘準備だ。

緩慢な足取りで、王蛇は鏡の中へ入っていった。

更新再開

本当に楽しいよなぁ……バトライド・ウォーってのは……

一方通行がモンスターを察知した同時刻、午後五時。

恋人と二人暮らしのマンションの一室で、浜面仕上も頭に直接流れてくる警告音に気付き、テーブルの上の緑のカードデッキを手に取った。

窓ガラスにデッキをかざしてベルトを出現させ、ポーズをとる。

浜面「変身!」

左手のデッキがベルトに挿入され、浜面の身体は緑のライダー、ゾルダに変わった。

まるで戦車のようなイメージを持つそのライダーは、獲物を求めてミラーワールドへ侵入する。

彼は直感的に感じとっていた。

この先に、ライダーがいる事を。

ビルの立ち並ぶ街の中、戦いが繰り広げられている。

王蛇の振り回すドリル状の剣、ベノサーベルを縞馬型のモンスター、ゼブラスカル・アイアン(以下ゼブラスカル)は身軽な動きでかわしてゆく。

息もあがり始め、これ以上は体力の無駄と考えた王蛇は、今までの苛烈な攻撃が嘘のように膝を着いた。

モンスターには基本的に知能が備わっていないが、それでも『狩り』のノウハウは本能として体そのものに刻まれている。

思い切り跳躍して両手の剣を構え、その体を斬り刻もうと襲いかかった。

そしてゼブラスカルが剣の間合いまで接近した瞬間、

王蛇「ラァ!」

踏み込みと同時に凄まじい勢いで剣を横に薙いだ。

しかし剣に手応えはなく、虚しく風切り音が鳴るだけだった。

ゼブラスカルは剣が胴に吸い込まれる寸前、体をバネのように分離し、王蛇のカウンターをかわしてみせたのだ。

何が起こったのか分からず硬直した王蛇を、容赦なく二本の刃が襲う。
まともに喰らってしまった王蛇は後方に転がるが、すぐに立ち上がって剣を構えた。

『黄金の突撃剣』の異名をとる王蛇のベノサーベルと、ゼブラスカルの名も無き二本の剣がぶつかる。
ガキィン、という金属音が積み重なり、戦いをさらに激化させた。

その様子を陰から覗くライダー、ゾルダが動いた。

拳銃型の召喚機、マグナバイザーにカードを装填し、ギガランチャーと言う名の大砲を召喚した。

鍔競り合う一匹のモンスターと見知らぬ紫のライダーに狙いを定めて、

ゾルダ「あばよ」

砲弾を打ち出した。

吹き荒れる爆風と炎からして、直撃すればかなりのダメージなのが伺える。
それはモンスターを仕留められる程だったのだが、炎の中から出てきた王蛇には何故か傷を負った様子は感じられなかった。

王蛇「テメェか?このオレに不意打ちなンざ仕掛けやがったのは……」

ゾルダは何も答えず、再びギガランチャーを構えた。
直後、砲弾が発射される。

王蛇は素早く横に転がって回避し、剣を構えてゾルダの元へと突っ込んでいく。

続けて二発目が発射されるが、それを読んでいたかのように地面を蹴って高く跳び上がった。

ギガランチャー程の大きさでは取り回しが悪く、撃った後に空中に発射は出来ないであろう。
更に落下のエネルギーを斬撃に加算するカウンター攻撃は、単純ながら合理的であった。

ゾルダの武器が、大砲だけならの話だが。

ギガランチャーを置き、右腰のマグナバイザーの標準を定めて連発する。

秒間 20連発の弾丸を受けて王蛇だが、それでも急降下からの一撃を当てる事に成功した。

胸を押さえて呻く紫のライダーに倒れながらゾルダはマグナバイザーの銃口を向ける。

ゾルダ「お前……まさか一方通行か?」

王蛇「大正解だァ。そういうテメェは三下二号じゃねェかよォ」

くかか、と短く笑った後、ベノサーベルを引き摺ってゆっくりとゾルダに近付いていく。
窮地に立たされてなお、ゾルダの弾丸には正確さが残っていた。
しかし、金色の剣を振りながら、王蛇は次々と放たれた弾丸を撃ち落として進んでいく。

王蛇「イライラするンだよォ!」

そして、王蛇がベノサーベルを振り上げたその時、

リュウガ「止めろぉぉぉぉぉ!」

聞き覚えのある声の方を振り向くと、王蛇の体は宙に浮かんだ。
地面に背を打ちつけて、王蛇は初めて「殴られた」事を理解した。

こんな無鉄砲な真似をするのは、自分の知っている中で只一人。

王蛇「三下ァ……!」

リュウガ「その声、一方通行?!」

かつて学園都市最強であった自分を倒した男、上条当麻。

ゾルダ「ありがとよ大将!」

王蛇の攻撃の矛先が突如現れた黒いライダーに向けられた事を察したゾルダは、そのライダーの正体であろう上条に感謝の言葉を残して、ビルから飛び降りた。

適当な窓を見つけて飛び込み、戦闘から離脱するゾルダを尻目に、二人は睨み合う。
リュウガの右手にはドラグクローが装備されており、パンチ主体の彼の戦闘方法を示している。

何秒か時が過ぎ、王蛇が対面のリュウガへと歩き始めた。
足は段々と早まり、トップスピードに達した瞬間サーベルを振り下ろす。

ギリギリで見切ったリュウガは右手を伸ばしてカウンターを極めようとしたが、

王蛇「甘ェよォ!」

王蛇の叱声と共に訪れた灼けるような傷みによって、ドラグクローの右手を伸ばしたままリュウガは屋上の柵に激突した。

ごめんなさい。

時間の都合上HTML化してまた書き直します。

多分いないだろうけど待っていた人いたらすいません。

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