幼馴染お姉ちゃん「プリーズ!金を出せ!」男「礼儀正しいっすね」(11)

幼馴染お姉ちゃん(以下、幼姉)「余裕だねえ、少年。このデザートイーグルがお前には見えないのかい?」
男 「…指鉄砲にしか見えませんね」
幼姉「ふっ。ばかね。ポイントはそこじゃないわ」
男 「はい?」
幼姉「銃口だろうと、指先だろうと、あたしが君にロックオンしてる事実には変わりないのよ、ふっふっふ」
男 「殺傷力も重要なポイントだと思いますけど」
幼姉「いや殺しちゃまずいでしょ」
男 「…ここで素に返りますか」

幼姉「いいから金出せー。出さないと、この指が君のおけつをズドンするぞー」
男 「やめてください」
幼姉「するぞ~」
男 「マジやめてください」
幼姉「はーい。――で、マジに今金欠なんだ。だから、お願い。このとーり!」
男 「(調子いいんだから…)で、いくらですか?」
幼姉「はい(人差し指を立てて見せる)」
男 「千円……何に使うんですか?」
幼姉「いやね、さっきテレビ見てたらね、美味しそうなケーキが出ててさ」
男 「食べたくなったと?」
幼姉「そうそう。それで、今から買い物に行くの」
男 「ケーキを?」
幼姉「ううん。材料」
男 「その発想はなかった」

男 「材料って、幼姉先輩って料理できるんですか?」
幼姉「うん、多分できる」
男 「経験は?」
幼姉「イメトレで10分」
男 「…脳内じゃなくて、脳外経験は?」
幼姉「あっと…」
男 「どうなんです?」
幼姉「呆れないでね?」
男 「はいはい」
幼姉「その、ね」
男 「…………」
幼姉「はじめて、なんだ」
男 「………………………………」
幼姉「だから、男があたしに、いつもみたいに優しく教えてくれたら、嬉しいかなー、なんて。…どうかな?」
男 「………………………………………………………………………………………………」
幼姉「? 顔赤いよ、男?」
男 「………夏、ですから」


男 「ミズクサイデスネー。ソンナノOKニキマッテルジャナイデスカー」
幼姉「まじで! よっしゃ、やった、ありがと!」
男 「イエイエ」
幼姉「ところで、何でうつむき加減? 声も変」
男 「オ気ニナサラズ」
幼姉「それじゃあお金の方も」
男 「それは駄目です」「
幼姉「おいおい、このデザートイーグルがおm」
男 「ループ禁止。…というか、料理についてのお願いは結構神妙だったのに、どうしてお金のお願いはそんなぞんざいなんですか」
幼姉「いやだって、金は奪い取れるけど、心は奪い取れないでしょ」
男 「また妙な理屈を…」

男 「材料、何が必要なんです」

幼姉「え、なに買って来てくれるの」

男 「そこまで世話しません。欲しい材料が、俺の家にあるなら買わなくていいでしょ」

幼姉「なるほど。えっとね、まず燕の子安貝、それに火鼠の皮ごろも…」

男 「月に帰ってください」

幼姉「ひどい!求婚者失格だよ!」

男 「強盗犯が何を言いやがりますか」

幼姉「あはは。ノリだよ、ノリ」

男 「というか、それゲットするに必要なのは、金じゃなくて命では」

幼姉「…命が惜しくば、命を差し出せ?」

男 「それなら死ねの一言で済みますね」


男 「……薄力粉、粉砂糖、無塩バター。――大丈夫です。それなら全部揃ってます」

幼姉「冷蔵庫の中身、全部覚えてるの?」

男 「まあ大体は」

幼姉「はー。いいお嫁さんになるよ、男は」

男 「ついでに言えば、幼姉先輩の家の冷蔵庫の中身もわかりますよ」

幼姉「ぶっ」

男 「いくら好きだからって、アイスを5個も一気食いするのは感心しませんね」

幼姉「なんでそんなことまで」

男 「おばさんがいない時、誰が先輩の料理作ってると思ってるんですか」

幼姉「ぷ、プライバシーの侵害!」

男 「侵害されるのが嫌なら、自分で作ってください」

幼姉「ううう。おのれこわっぱ、足元を見おってからに」

男 「どちらかというと、見てあげてる、に近いんですけどね」

幼姉「憎い! 立つことができない自分の足が、この両足が!」

男 「はいはい。手ぇ貸してあげますから、一緒に自立しましょうね」

幼姉「私のが年上なのにぃ」

男 「というか何を今更言っているんですか」

幼姉「…………」

男 「幼姉先輩?」

幼姉「…だよね。確かに、今更なんだよね」

男 「?」

とりあえずここまで書いたんだけど、続きいる?

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