モバP「二人一緒に誕生日を」 (55)

差出人:プロデューサーさん

宛先:関裕美 西島櫂

件名:明日の午前中のレッスンについて
   8月16日 17:15
   
 明日の午前中のレッスンだけど、いつものレッスンルームじゃなくて、

 別の場所でやるから2人で行ってきて下さい。終わった後には、事務所

 で打ち合わせがあるから一緒に戻って来て下さい。

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「おはようございます」

「おはよー!いやぁ、今日も暑くなりそうだね!こう暑いと……」

「泳ぎに行きたくなる、ですか?」

「そうそう、レッスンも楽しいんだけどさ、泳ぐのも気持ちいいよね!」

「私はそんなに泳ぎには行かないかな……」

「じゃあ今度一緒に泳ぎにいこっか、裕美さん!」

関裕美(14)
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関裕美「え、えぇ!?わ、私はいいよ!水着はその……は、恥ずかしいし」

「そんなこと言わずに、泳ぐのって気持ちいいからさ!水着は持ってる?持ってなかったら、あたしが選んであげるから!」

「やっぱり泳ぎやすいように競泳水着かな?いつものお店に裕美さんに似合いそうな水着あるかなー?」

裕美「か、櫂さん!?み、水着は私持ってますから!競泳水着は止めてください!」

西島櫂「そう?勿体ないなぁ。裕美さん身長もあってスタイルいいから似合うと思うんだけど」

裕美「恥ずかしいですって……」

櫂「一度着てみたらいいのに。クセになるかもよ?」

裕美「その言い方は……ちょっと」

櫂「変に聞こえた?ごめんごめん。でも、水着を持ってるなら、この後一緒に泳ぎに行かない?」

西島櫂(19)
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裕美「この後って……事務所で打ち合わせの後にですか?」

櫂「打ち合わせじゃなくて……っと。なんでもない、なんでもない!まずはレッスンだね!頑張ろうか!」

櫂「(あれだけ分かりやすいのに……。気づいてないのかな?ま、わざわざ言うよりもサプライズの方が楽しいかな)」

裕美「はいっ。櫂さん、一緒に頑張りましょう!」

櫂「それじゃあまずはストレッチからだね!」



「プロデューサー君。パエリアの準備ができたぞ、お皿を頼む」

モバP「ありがとうございます、木場さん。……って、スプーンが人数分あったのに、1本足りないぞ?」

「スプーンなら、ユッコちゃんが……」

モバP「裕子!遊んでないで早く準備しろ!2人が戻ってくるまでそんなに時間無いんだからな!」

堀裕子「遊んでなんていませんよプロデューサーにむつみちゃん!これは裕美さんと櫂さんに私のサイキックぱわーを楽しんでもらうための前準備なんですよ!」

モバP「今大事なのはそこじゃないから!ほら、スプーン返しなさい!全くもう……」

木場真奈美(25)
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氏家むつみ(13)
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堀裕子(16)
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「Pサン、飾り付け終わったよー♪2人が来るまでバドミントンしよーっ!」

「柚さん……飾り、き、きれいだった……。私もカーテン、ち、血まみれに……」

モバP「飾り付けありがとう。悪いけども、今はバドミントンやってる場合じゃないな。……お、みちるも文香さんも戻ってきたか」

大原みちる「モグモグ……ゴックン。っはー、美味しいパン持ってきました!美味しいのでつまみ食いしちゃいましたけど、問題ないですよね!よし、次はこのクロワッサンを……」

鷺沢文香「……みちるさん、あんまり食べると……みんなと一緒にご飯が食べられなくなりますよ……。没収、です」

みちる「あぁっ!そんな殺生なーっ!」

喜多見柚(15)
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白坂小梅(13)
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大原みちる(15)
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鷺沢文香(19)
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文香「プロデューサーさん……頼まれたもの、買ってきました。……準備は終わりですか?何か、手伝えることがあれば……」

モバP「ありがとうございます、文香さん。準備はもう大体終わりです、飾り付けも柚と小梅が頑張ってくれたから、後は細かいところですね」

文香「そうですか……、その箱は、2人への……?」

モバP「はい、その……まぁ、贈り物と言うか、プレゼントですね。皆を代表して選んだものです。まぁ、それ以外にも皆用意してるんですけどね。由愛とか……、ほら、立派なもんでしょ」

成宮由愛「あ、見たらだめです……プロデューサーさん。これは、2人へのプレゼント……だから」

文香「素敵……ですね。2人とも、喜んでくれると思います……」

モバP「そうだといいですね。さて、と。最後の仕上げに入りますか。2人の笑顔の為に!」

成宮由愛(13)
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裕美「お疲れ様でした」

櫂「お疲れーっ!」

裕美「やっぱり櫂さんのダンスは凄いなぁ……」

櫂「日々のトレーニングを欠かさないからね!それに、裕美さんも凄いって、流石アイドルの先輩だって感じのさ!」

裕美「ありがとうございます。アイドルの……先輩かぁ」

櫂「何か含みあり気だね、裕美センパーイ!」

裕美「もう、茶化さないでっ。ちょっと考えたんだ、目つきが悪くて、可愛くもない。そんな私がアイドルになって、お仕事して、素敵な後輩さんがいて……。昔の私じゃ考えられないなって」

裕美「プロデューサーさん……Pさんのことも最初はアンタなんて呼んでて、きっと可愛くなかっただろうな、昔の私」

櫂「あたしは事務所に入ってまだ日が浅いけど……、昔の裕美センパイってそんな感じだったんだ、意外だね!」

裕美「意外でもないよ。自分に自信が持てなくて、でもそんな自分を変えたくて……そんな時に、プロデューサーさんにスカウトされたんだ」

櫂「ふふっ。裕美センパイ、スカウトされた経緯が何だかあたしに似てるね!」

裕美「そうなの?櫂さんも自分を変えたかった……とか?」

櫂「んー……。あたしが水泳やってたのは知ってるよね?」

櫂「記録も伸び悩んでいて、自分の実力じゃプロの水泳選手になるのも微妙だって分かってて、それでも諦めきれなかったんだよね」

櫂「そんな時かな、プロデューサーがいきなりやってきてアイドルにならないかってスカウトされたんだ」

櫂「おかげで吹っ切れたよっ!新しい目標ができたから、それに向かって頑張ろうって決めたんだ!」

裕美「そうなんだ……櫂さん、やっぱり凄いなぁ……」

櫂「プロデューサーさんは、あたしだけじゃなくて裕美センパイもすくってたんだね。すくわれたからにはアイドル界の日本記録を狙わないとね!」

裕美「すくわれた……うん、そうかも。私もプロデューサーさんにすくいあげられたから、ここまで来れたんだと思う」

櫂「でもまぁ、最初は怪しい人かと思ってたんだよねー。プロデューサーのこと」

裕美「いきなり声をかけられたら、確かに怪しい人かな……」

櫂「いやー、関係者以外立ち入り禁止のプールにスーツ着た男の人がいたから、危うく通報しかけたよ!」

裕美「プロデューサーさん何してるの!?」



モバP「へっくし!……何故か急に寒気が」

木場真奈美「大方、誰かが噂話でもしてたのだろう。さて、準備は終わったが2人はまだか?」

モバP「レッスン場からここまでの時間を考えると、そろそろですね」

真奈美「そうか……。しかし、誕生日を祝う側というのも、楽しいものだな」

モバP「ちょっと前は木場さんが祝われる側でしたからね」

真奈美「歳は取りたくないものだが……Pや皆に祝われて嬉しかったよ」

モバP「そう言ってもらえると、こちらとしても嬉しいですね……っておい、みちる!つまみ食いするなって!」

みちる「いやー、美味しいものを食べてる時って幸せですね!プロデューサーさんも一口どうぞ!はい、あーん!」

モバP「食べないから!口元に持ってくるな!」

喜多見柚「小梅チャン、そっちいったよー♪」

白坂小梅「え、えいっ」

柚「上手上手ー♪いやー、ラリーが続くと楽しいねっ」

モバP「そこっ!室内でバドミントンをしない!」

裕子「見てくださいね、むつみちゃんに由愛ちゃん。私のサイキックぱわーで今からこのお皿が宙に浮きます……むむむっ!」

氏家むつみ「超能力……。お宝の場所とかも、分かったりするんでしょうか……?」

由愛「が、頑張って裕子さん……」

モバP「料理の入ったお皿で遊ばない!こぼしたら作ってくれた木場さんに悪いだろ!」

真奈美「賑やかだな。文香君は、喧噪は嫌いか?」

文香「いえ……、この賑やかさは、嫌いではありません」

真奈美「主役が登場すれば、さらに騒がしくなるさ」

文香「皆さん、とても楽しげで……私もつられてしまいそうです」

真奈美「好きなだけつられるといい。笑顔と言うのは、それだけで女の武器となる」

文香「そう……ですか。私は……笑顔は……まだ、その……」

真奈美「ふむ。今日の主役の一人だが、君と同じように笑顔が作れないと悩んでいたよ」

文香「それは……、裕美さん……ですか」

真奈美「彼女も、今では笑顔を武器にしている。文香君も、顔を上げて俯かずにいればいい、そうすれば、自ずと自分に必要なものがついてくるさ」

文香「そう……ですか。私は、事務所に入ってまだ日が浅いので……、裕美さんは、最初から明るい方かと……」

真奈美「事務所に入りたての頃は、自分を卑下することが多かったよ。多くの仕事を経て、アイドルとしての自分を確立していったんだ」

文香「アイドルとしての……自分、ですか。……今でも、私がアイドルというのが、信じられない時があるんですが……」

真奈美「ふふっ、プロデューサー君はどこから人を拾ってくるのやら」

文香「叔父の書店で店番をしていたら……突然……。あ、そういえば、櫂さんも……」

真奈美「櫂君もか?」

文香「関係者以外立ち入り禁止のプールで……スカウトされたと言っていました……」

真奈美「何をやっているんだ、プロデューサー君は……!」

文香「あ、怒らないであげてください……。櫂さんは、プロデューサーさんに、感謝している、と」

真奈美「文香君と櫂君はユニットを組んでいたな。後、そこで首根っこを掴まれている彼女も」

文香「私が聞いたのは……。水泳選手としての未練を、断ち切る切っ掛けをくれた人……だと」

真奈美「断ち切る、か」

文香「……水泳のプロ、というのは、狭き門だと、言っていました。自分では、プロにはなれない。自覚はしていても、認めたくはない……」

文香「そんな自分に新しい道を指し示してくれた人……。金魚すくいの金魚になぞらえて、プロデューサーさんにすくわれた、と……」

真奈美「すくいあげる……ふむ。実にプロデューサー君らしい」

文香「掬われることで、救われた……。洒落としては、使い古されたものですね」

真奈美「今度ある人に言ってあげるといい、目を輝かせて、使い古された洒落を愛おしく思うだろう」

文香「誰だか……予想は、できました。あ……誰かが階段を……」

真奈美「2人がレッスン場から戻ってきたかな、さて、本番だ」

文香「はい……。クラッカーの準備は、できています」

ある人(25)
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ある人2(20)
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ある人3(14)
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『へくちっ!』

裕美「一緒にくしゃみが……」

櫂「汗の始末はちゃんとしたと思ったんだけどなー。そろそろ事務所だね!」

裕美「打ち合わせって、一体何のことなのかな……?」

櫂「それはまぁ、お楽しみって奴かな!」

裕美「お楽しみ……うん、アイドルのお仕事楽しいから、次はどんなお仕事なのかな……!」

櫂「次は、喜んであげるのがお仕事だと思うな!」

裕美「喜ぶ……?どんなお仕事なんだろ?うーん……」

櫂「(本当に気が付いてないんだね……でも、これでなーんにもなかったらあたしが自意識過剰ってことになっちゃうなー)」

裕美「どんなお仕事でも、やってみないと、だねっ」

櫂「うん、うん。……事務所着いたけど、裕美センパイ、お先にどーぞ」

裕美「だから、センパイなんてくすぐったいってば!……あれ?事務所に皆いるのかな?中から話し声がたくさん……」

櫂「ほらほら、気にしない気にしない。事務所に人がいるのは当然だってば!」

裕美「そうだね、じゃあ……。おはようございま 『2人とも、誕生日おめでとう!』

裕美「……へ?」

櫂「おめでとう!裕美センパイ!それと、あたしもかな?」

モバP「2人とも、誕生日おめでとう!今日が誕生日の2人の為に、サプライズパーティーの準備をしてたんだ!さ、主役の2人はこっちへ!」

裕美「誕生日って……、あ、今日私の……」

櫂「誕生日だよ!そういうあたしもだけどねっ。ばればれだったけど、こんなに大がかりなパーティーなんて、思ってなかったよ!」

真奈美「ふふっ。悪くはないだろう?料理も用意した、存分に味わってくれ」

柚「飾り付けもがんばったからねー♪ほら、小梅チャンとの共同作業だよーっ」

小梅「か、飾り付けだけじゃなくて……で、デザートもが、頑張った……。め、目玉を……乗せた、木苺のソース……、赤くて、血まみれ……!」

みちる「私からは美味しいパンも用意したよ!ちょっと減ってるけど、私のお勧めだから!」

裕子「ふふんっ、余興として2人に私のサイキックぱわーをお披露目してあげますね!」

由愛「2人に……私の描いた……風景画……。よければ、貰ってください……」

むつみ「文香さんと選んだ、冒険小説を贈ります。これで、一緒に冒険の世界にいきましょう!」

文香「裕美さん、櫂さん。誕生日、おめでとうございます……。これは、私達からの……気持ちです」

モバP「裕美も櫂も、そこで立っていないで席に座ってくれ。一緒に木場さんの料理を食べよう。……みちるの我慢もそろそろ限界みたいだから」

裕美「えっと……、誕生日、お祝いしてくれるの?」

真奈美「その為の集まりだ。誰かさんは、サプライズといって正確には知らせてなかったがな」

櫂「正直ばればれだったけどね。でも、ありがとう木場さん!プロデューサーさんも、皆もありがとう!」

モバP「やっぱりばれてたか……。でも、こういうのもいいものだろ?ほら、座った座った」

裕美「なんだか悪いな……ううん、こういう時は遠慮したら逆に失礼だよね」

櫂「こういう時は、素直にありがとうって言えばいいんだよ!」

裕美「あの……ありがとう」

モバP「……!あぁ!こっちも、裕美と櫂が喜んでくれて嬉しいよ!」

櫂「いやぁ、さりげないフォローとか、あんたも中々やるやん?」

櫂「最初はプールを覗いてる怪しい奴かと思ったけど、意外としっかりしてるんだね!」

真奈美「そうそう、その件だが……犯罪は犯していないよな。詳しく聞かせてもらおうか、プロデューサー君」

モバP「いや、あの、それには事情があって……」

真奈美「事情?情事の間違いではないか、プロデューサー君……!」

モバP「ひっ……」

櫂「まー、まー。怪しい人じゃないってのは木場さんも分かってるでしょ。それより早く、みちるちゃんがおあずけくらった犬みたいな目でこっちを見てるよ」

真奈美「私には獲物を狙う猟犬に見えるが……。さて、主役も到着したことだ、プロデューサー君への詰問は後にしよう」

モバP「詰問はあるんですね……」

文香「冗談ですよ……きっと」

モバP「だと、いいんだけど……。それじゃあ皆、グラスは持ったかー?」

『はーい』

モバP「では、裕美と櫂の誕生日パーティーをはじめます……。グラスを掲げて……かんぱーい!」

『かんぱーい!』



モバP「裕美に櫂も、楽しんでるかー?」

裕美「うん、木場さんの料理も小梅ちゃんのデザートも、みちるちゃんのパンもとっても美味しかった!」

櫂「あたしは裕子ちゃんの手品に柚ちゃんが悪乗りしてたのが面白かったかなー。サイキックぱわーで物を動かすって言ってるのに、これがサイキックぱわーだって手で小梅ちゃんの前髪かきあげてたりとかさ!」

モバP「あの後、爆発しそうになってたけどな。……そうそう、2人にプレゼントだ」

裕美「?さっきプロデューサーさんからも、皆からも貰ったよ?」

モバP「それとは別のだ。はい、この箱を開けてみてくれ」

櫂「どれどれ……って、これ……!」

裕美「新しい衣装!?」

モバP「2人に大きな仕事をとってこれた。誕生日だから、いい機会だと思って……」

櫂「うわー!本当にこの衣装、あたしが着てもいいの!ありがとうプロデューサー!」

モバP「櫂もレッスン頑張ってるからな。裕美も、どんどんアイドルらしくなって、本当に嬉しいよ」

裕美「あの……プロデューサーさん、さっき、プレゼントなんてもらえないよって言ったよね……?」

モバP「言ってたなぁ。俺からたくさんもらってるから、って」

裕美「うん。Pさんからはいつもたくさんもらっているから、なのに、こんなに素敵なプレゼントまでもらって……」

裕美「私……今までPさんからもらったたくさんを、笑顔でお返しできるように頑張るからっ!」

櫂「裕美センパイ!あたしも一緒に頑張るよ!」

裕美「櫂さん……!うん、一緒に、頑張ろう!」

櫂「でも、あたしはまだまだアイドルはじめたばっかりだからね!プロデューサーさん、これからもガンガン頼るから!」

裕美「わ、私もアイドルとしてはまだまだだから……、Pさん……」

『これからも、よろしくお願いします!』

おわり

おまけ

櫂「そうそう、裕美さん水着持ってるっていってたけど?どんな水着なの?」

裕美「え?ふ、普通のだよ」

櫂「だって、競泳水着なんてそんなに恥ずかしいものじゃないのに、恥ずかしいなんて言うからさ。もっと際どいのかと思って!」

裕美「そ、それは……!あんなにピッチリしてて、色々と隠れてなくて……!」

櫂「肌を出すと気持ちいいのに……あ、そーだ、プロデューサーさーん、それに皆ー!」

モバP「お?どうしたー?」

櫂「素敵なパーティーをありがとうね!早速だけど、あたしから皆にお返し……。よし、あったあった。近くのプールの優待券!これでみんなで泳ぎに行こう!」

裕美「お、泳ぎに行くの!?」

モバP「確かにこの後は皆レッスンもないけど……、木場さん、片付けは?」

真奈美「パーティーと並行してやっていた。直ぐにでも出れるさ」

柚「お、プールいくの?いーねーっ、最近あっついからさー♪」

文香「水着……ですか、私は……持っていませんね」

櫂「そこはレンタルもあるから大丈夫!何なら、あたしが文香さんに似合うの選んであげるから!」

文香「眩しいのは……少し……小梅さんも、眩しいのは、嫌ですか?」

小梅「ひ、陽の光当たりたくないけど……、み、皆が行くなら……。ぷ、プールの排水溝から……か、絡み付く手が伸びてきて……」

みちる「プールの屋台でチェロス売ってるかな!」

由愛「水着……。学校のしか……ない、です……」

むつみ「由愛ちゃん、よかったら、私のがあるけど……。冒険譚と海は欠かせませんからね……」

櫂「反対はないみたいだね!それじゃあ、準備したらみんなでプールに行こうか!泳げない人がいたら言ってね!あたしが教えてあげるから!」

モバP「年少組からは目を離さないでくれよー。万が一事故が起きると大変だから」

櫂「え?プロデューサーさんも行くんでしょ?」

モバP「いや、俺はまだ仕事が……」

真奈美「バースディパーティーの為に仕事を終わらせたと言っていたのは、誰だったかな?」

モバP「うっ……。いや、男の俺が行くのも……」

真奈美「保護者は多い方がいいだろう?それに、堂々と水着の女性を眺めるいい機会じゃないか」

モバP「木場さん!だから櫂の件は誤解ですってば……」

真奈美「ふふっ、冗談さ。さて、行くのなら、準備をしないとな……。私は片づけを終わらせてしまおう、他の皆は必要なものを取りに行ってくれ」

文香「私は……泳ぐのは……」

真奈美「何、泳ぐだけが楽しみではない。単に涼しさを求めるのも悪くはないだろう?」

文香「……裕美さんは……?」

裕美「わ、私も泳ぐのは遠慮しておこうかなっ」

櫂「そんなこと言わない!ほら、誕生日なんだから、楽しまないと!」

裕美「わわっ!か、櫂さん!か、肩に担がないでください!」

櫂「よっ……と。それじゃあ、水着を取りに行きますよー、裕美センパイ!」

裕美「ふ、文香さん……Pさん、た、たすけー」

櫂「よーい……どんっ!」

文香「……裕美さんを抱えて、走っていきましたね……」

モバP「はぁ……俺も行くのか……」

文香「プロデューサー……さんも、眩しいのは……嫌ですか……?」

モバP「そこは嫌じゃないんだ……ただ、問題を起こしそうなのが何人かいてな……」

裕子「問題児は私のサイキックぱわーで、どどーんと懲らしめちゃいますから!」

モバP「な?」

文香「はい……」

裕子「むむっ、2人して私のサイキックぱわーを疑ってますね!プールに行くというのなら、私の超能力を見せてあげます!その名も水面走り!」

モバP「沈む姿が見えるから止めとけ」

裕子「ふふんっ!エスパーユッコの超能力プールVerは、まだまだ何種類もあるんですよ!」

文香「それは……凄いですね……」

裕子「エスパーユッコの奇跡を見るには、私と一緒にプールへ行きましょう!では、私はこれで!」

裕子「テレポーテーション!……は、練習中なので、部屋までだーっしゅ!」

モバP「あいつも変わらないというか何というか……」

文香「でも、それが裕子さんらしさ……では」

モバP「そうなんだけどなぁ……。あぁ、文香さん。嫌なら無理に来なくても」

文香「いえ……私も……行ってみます」

文香「折角……櫂さんが誘ってくれたんですから……。無下には……できません」

モバP「そうか……。それじゃあ、みんな準備を、俺は事務所の戸締りをしてきます」



文香「ん……裕美さんの部屋から……これは、櫂さんの声……ですか?」

文香「裕美さん……準備は、終わりました、か……?」

裕美「ど、どうかな……?ちょっと派手な気も……」

櫂「似合ってるよっ!いやー、裕美さんって着やせするタイプなんだね!」

裕美「そ、そうなのかな?こんな風に水着着ることなかったから……」

櫂「やっぱり競泳水着が似合いそうな……うーん、残念。サイズがないんだよねー」

文香「裕美さん……似合っていますよ……」

裕美「あ、文香さん……ありがとう。何だか恥ずかしいなぁ……」

櫂「文香さんはあたしが似合いそうな水着選んであげるから!」

文香「ありがとうございます……でも、あまり……露出が激しいのは……」

櫂「レンタルだから、そんな派手なのはないって!それじゃあ、準備もできたし、プールへ泳ぎに行こー!」

裕美「ま、待って!着替えさせて!」

櫂「え、水着の上に上着すれば楽なのに」

裕美「恥ずかしいから……ちょっと待って、着替えるから!んしょ……」

文香「(裕美さんが……、最初は自分に自信がなかった……)」

文香「(私も……、変われるんでしょうか……)」

文香「(それも大事だけど……、今は……)」

裕美「着替え終わったよ!ごめんなさい、待たせちゃって!」

櫂「大丈夫!それより、着替えはちゃんとあるよね!」

文香「あの……裕美さん、櫂さん……」

文香「改めて、誕生日、おめでとうございます」

文香「(友人の誕生日を、素直な気持ちでお祝いすること、ですね……)」

裕美「……うん!ありがとう!文香さん!」

櫂「文香さんの誕生日も、しっかりお返しするからね!それじゃあ、みんなで泳ぎに行こうか!」

おまけもおわり

これで終わりです。後でHTML依頼を出します。お付き合いくださりありがとうございました。

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