穏乃「明日最初に会った人と結婚…?」 (93)

穏乃(小6)「あはは、何か変な指令書引いちゃったよ」

憧(小6)「そうね」ピクン

桜子(小2)「守れなかったら別の指令書を2枚引くんだからね!」

ひな(小1)「ワクワクしてきましたー」

綾(小3)「いや、それ今日明日じゃ絶対守れないんじゃ」

穏乃「細かいことは言いっこなしッ! 明日最初に会った人にプロポーズする!」


憧(よし、明日はしずを起こしに行こう)

翌日・午前0時――

憧(小6)「…日付が変わったわね。ここからは一瞬たりとも目を離せない」

憧「楽しみにしてたドラマを見逃してでも手に入れたいものがここにはある!」

憧「…」

憧「しずの寝顔…可愛いなあ…」ウットリ



午前6時――

憧「寒い寒い寒い寒い寒い」ブルブル

憧「は、春先とはいえしずの部屋がよく見える木の上に7時間も張り続けるのはキツいわ」カタカタ

憧「しかしこれはしずとあたしの未来のために避けられない道」

憧「…」ブルッ

憧「ちょっとだけ…ちょっとだけ家に帰ってトイレ…」

憧「5時…まだ早いしイイよね…」

穏乃「うー…ん。いい朝!」

穏乃「こんな朝は山まで走りに行かなきゃもったいない! よーし行くか!」


憧「ふー…。流石にお腹冷えたわ」

憧「ちょっと目を離しちゃったけど大丈夫よね。そんじゃしずの寝顔を見守る作業に戻りますか…」

憧「…」

憧「しずがいない」

憧「しずのしず圧が…消えた?」

午前7時――

穏乃「やっぱり朝の山はいいね! 誰もいないし走りやすい!」

穏乃「…って、もうこんな時間だ! ああもうここから家に帰ってちゃ学校に間に合わない…」

穏乃「そのままバス停まで行っちゃうか!」


憧「しず…どこにいるの…?」ゼエハア


午前8時――

穏乃「なんとか到着っ!」ガサッ

??「きゃあっ!?」

??「ビックリしました…そんな草むらから出てくるなんて」

穏乃「あ…」


穏乃「おはよう、転校生!」

和(小6)「私は『転校生』なんて名前じゃありません…原村和です!」

穏乃「そっか。それじゃあ和…」ハッ

穏乃(そういえば昨日の――)


穏乃『細かいことは言いっこなしッ! 明日最初に会った人にプロポーズする!』


穏乃(思い出した! 指令書…最初に会った人と結婚!)

穏乃(今日は朝から山に行ってたし誰とも会ってない…つまり)

和「??」


穏乃「結婚しよう――和!」

憧「」ブフッ

和「…は?」

穏乃「だから結婚しよう! 和!」ズイッ

憧「ちょ、ちょ…」プルプル

和「何を突然プロポーズしているんですか…」

和「まず第一に女の子同士では結婚できませんよ。…あくまで日本では、ですが」

和「次に小学生同士では結婚できません。16歳以上になってようやく結婚できるのが今の日本の法律です」

和「そして最後に私たちはまだ会ったばかりで…」


穏乃「そんなの関係ない! 結婚しよう!」ドン!

和「えっ…?」トクン

憧「ええええええええっ!?」

午前8時10分・バス内――

和「な、なんだ…そういう遊びですか」ホッ

憧「そういうことなのよ。ほらしず、和を驚かせたんだから謝りなさい」

穏乃「いやだ! 私は和と結婚する!」

和「ええっ!?」ドキィッ

憧「ふきゅ!?」ガーン

憧「ちょ、ちょっとしず…そんなにあの指令書2枚引くのイヤなの?」

和「…」ドキドキ

穏乃「いやぁ…そういうのじゃなくってさ」

穏乃「こんな風に出会ったのって何かの運命なんじゃないかと思って」

和「し、穏乃…」ポッ

憧「くっ…!」

穏乃「憧は昨日見たんじゃない? 昨日放送された人気のドラマ!」

憧「え…」

穏乃「あれ? 見てないの?」

憧(しまったああぁぁぁ! しずと最初に会うために見るの我慢してたのよそれ…)

穏乃「おっかしーなー。憧なら絶対見てると思ったのに」

憧「い、いやぁ昨日は早くに寝ちゃったのよ」

憧(ドラマを放ってしずの家を張ってたなんて言えない…!)

穏乃「そのドラマを見てて思ったんだ…。私も“恋”をしてみたいって」


穏乃(小6)「ドラマみたいな…運命の人との恋を!」

和(小6)「///」

憧(小6)「ぬわーーっっ!!」

午後3時半――

穏乃「和! 学校も終わったしデートしよう!」

和「ええっ!? で、デート…ですか?」

憧(まさかこんな展開になるとは…新子憧一生の不覚!)

憧(このままでは和が宇宙さえ凌駕するしずの魅力にオチるのも時間の問題…)

憧(結婚秒読み)

憧(でもさせないわ…! ポッと出の転校生ごときにこのあたしが遅れを取るわけがない)

憧「ほら落ちつきなさいよしず。和がビックリしてるじゃない」

和「え、ええ…まあ流石に」

穏乃「えー?」

憧「和は転校生だからこの辺のことまだよく知らないでしょ? あたしとしずで色々紹介してあげるわよ」

憧(そう…しずと結婚するのはあたしなのよ!)

午後4時――

晴絵「ようこそ、阿知賀こども麻雀クラブへ」

和「こどもがいっぱい…」

桜子「あ゙ご゙ぢ゙ゃ゙ん゙だ゙ア゙ア゙ァ゙゙ァ゙ア゙~~~~~」

綾「あれ? その人…この前言ってた転校生?」

ひな「何やら気になる所存」キラン

穏乃「うん、この子が和。件の転校生で…私の結婚相手!」

憧「」ブフッ

和「し、穏乃…///」

晴絵「おおっ!?」キラキラ

綾「本当に昨日の指令書守ったんだ…」

ひな「すごーい」

晴絵「そっ…かあ。まさか穏乃に先を越されちゃうなんて思ってなかったよ」

晴絵「しかも相手はなかなか将来が楽しみな上玉…やるね」ヒュー

和「どこ見て言ってますか…」

桜子「しずちゃんおめでとー!」

穏乃「えへへぇ…」

憧(くっ…!)

憧(…しかしジェットコースターみたいな出会いもこれで終わりよ)

憧(麻雀で和を倒し…しずの興味を削ぐ!)

憧(しずは典型的な子供思考。雑魚キャラより強いヒーローを好きになってしまう)

憧(だからこそここで和を倒し、あたしの強さを見せつける!)

憧(ふふふ…都会のモヤシっ子ごときにあたしを倒せるはずが無いわ)

晴絵「それじゃせっかくだし麻雀打とうか」

和「ツモ。2000・4000」

憧「」

晴絵「やるね」ヒュウッ

穏乃「すごい…! 私や憧…練習とはいえ赤土さんさえ倒すなんて…!」

和「いえ、半荘一回で強い弱いなんて測れないかと…」

憧「…」カタカタ

穏乃「すごいや和! 惚れ直したよ!」ダキッ

和「きゃあっ!?」

憧(まさかここまで強いとは…)カタカタ

憧(どうする? 今のあたしじゃまず勝てない…)ハッ

憧(そうだ! そもそもあたしが勝たなくても誰かに負ければ強いというイメージは消えるハズ)

憧(呼ぶか…ここのナンバーワン!)

玄(中1)「…」グスン

憧「」

穏乃「すごいや和! 2連勝だよ!」

和「い、いえ…それよりドラが一度も来なかったことの方が」

玄「穏乃ちゃんの奥さん…とっても強いや」

玄「あとおもちが大きい」ワキワキ

憧(全く役に立たないじゃないのーーーー!)

憧(所詮はドラ置場…和了れなければただの焼き鳥)

憧(くっ…! 今ここで和に勝てるのはレジェンド状態のハルエくらい…それではしずのイメージを覆せない)

玄「私もあんな大きなおもちの子と結婚したいなあ…」

憧「――!?」

憧「ふ、ふふ…」

憧(そうよ…。失念していたわ)

憧(重要なのは麻雀の強さじゃない。如何にしてしずと和を引き離すか)

憧(あたしとしたことがこんなことを忘れているなんて…一旦落ちつきましょ)

玄「おもち…」ワキワキ

憧(今、ここにはアホの手駒が一人…)

憧(玄は狂信的な巨乳マイスター。彼女の胸への拘りは常軌を逸していると言っていい)

憧(東京に巨乳のプロ(28)がいれば触りに行き、鹿児島に爆乳(年齢不詳)がいれば揉みに行く)

憧(その姿、まさに乳に飢えたドラゴン)

憧(玄に和をNTRせる…これでみんな幸せになれる)

アホの手駒「おもち…」ワキワキ

憧「ねえ玄? 実はね…」

玄「へぇー、穏乃ちゃんと和ちゃんはあくまで遊びの一環で結婚してるんだね」

憧「そう。つまり二人の関係はまだまだただのお友達ってことよ」

玄「そうなんだ…。と、いうことは」

憧「そうよ。玄にもあの胸を手に入れるチャンスがあるのよ」

玄「…」ニヤリ

憧「…」ニヤリ

玄「あの大きなおもちを自由に…揉んでもいいし舐めてもいいし顔を埋めてもいいんだよね」

憧「ええ。結婚すればそのくらい当然よ」

玄「憧ちゃん、私…ヤるよ」

憧「幸せになるのよ、玄」ニッコリ

憧(勝った…!)

玄「ねえ、和ちゃん…」ユラァ…

和「玄さん? どうしたんですか?」

玄「和ちゃんのおもち…」

和「??」

玄「OMOCCHIYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYY!!」ピョイーン

和「きゃあああ!?」モミュッ

穏乃「玄さん!?」

憧(さあっ…! 貪りつくすのよ!)

玄「おもちおもちおもちおもちおもちおもちおもちおもちおもちおもちおもちおもちおもち」モミモミモミモミモミモミ

和「きゃあああああああああ!」モミモミモミ


桜子「あ゙れ゙れ~? 何も見えないよ~?」

晴絵「子供にはまだ早いからね」

玄「ほらほら! すぐに私のテクニックで溶かし尽くしてあげるからね!」モミモミモミモモミモミ

和(小6)「や、やめてください…!」モミモミモミモミモミ

玄「大丈夫だよ! 私のドラゴンフィンガーにオマカセアレ!」モミモミモミモミモミモミ

和(小6)「いやっ…! そんな強引に…! ひゃあっ!」モミモミモミモミモミモミ

綾(小3)「す、すごいなぁ…///」

憧(さあ玄のいやらしいハンドテクニックに悶えなさい。めくるめく官能の世界に溺れていくがいいわ!)

ひな(小1)「楽しそう…」ワクワク

和「だ、誰か…!」モミモミモミモミモミモミ

玄「そろそろ服の上から揉むのも飽きてきたなあ…直接揉んだらどんな感触になるのか剥いて確かめてみよう!」モミモミモミモミ

和「助けて――!」


穏乃「やめろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!!!」ドンッ

玄「きゃあっ!? な…何者!?」

穏乃「やめてください玄さん…。これ以上和をいじめないで」

憧「し、しず…?」

玄「邪魔しないでよ穏乃ちゃん。今、いいところなんだからさ…」ユラリ

和「ひっ!?」ビクン

穏乃「…いやだ」


穏乃「和は私のお嫁さんなんだッ! これ以上和を困らせるなら…たとえ玄さんでも許さないッ!!」ビシィッ!


和「穏乃…///」ポッ

憧「…」

憧(おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおう!)

玄「そんなこと知らないよ…。和ちゃんのおもちは私が手に入れるんだからさ…!」

穏乃「玄さん…覚悟ッ!」シンフォギアアアアアアアアアアアアアアアアッ!

玄「臨むところだよ――!」

晴絵「ストップ」

穏乃「!?」

玄「このオーラ…阿知賀のレジェンド!?」

晴絵「こんな狭い部屋ではしゃいじゃって…喧嘩するなら外でやレジェンド」

玄「うっ…!」ゾ…ゾクッ

穏乃「…はい」

和「助かりました…」

憧「…」

晴絵「あ、玄は和に謝ってね」

玄「ごめんなさい」ペコリ

晴絵「しっかし穏乃があんなに怒るなんてねえ。ビックリしちゃったよ」

綾「どれだけ指令書を守るのに必死なの…」

穏乃「…いや、指令書はもうどうでもいいんだ」

憧「へ?」

穏乃「玄さんが和の胸を揉んでる時…すごく嫌な気分だったんだ」

穏乃「なんていうか心の奥底がドロドロして、苦しくて切なくて悔しかった」

憧(そ、それってあれじゃん…嫉妬じゃない…!)

憧(遊びから始まったしずの想いは僅か10時間足らずでここまで来ちゃってると言うの!?)ガビーン

穏乃「そして…どうしてか分からないけど私も和の胸を揉んでみたくなった」

和「え…」

穏乃「和…。私も、和の胸を揉んでいいかな…?」

憧(ぎにゃぁぁぁぁ!!)

和「そ、そこまで言うなら…///」コクリ

憧「いいの!?」ガーン

穏乃(小6)「じゃあ…」ムギュッ

和(小6)「んっ…///」

穏乃(小6)「すごい…! こんな感触初めてだ…」モミュ…

和(小6)「あっ…///」

穏乃(小6)「手が和の胸に吸いついて離れないみたいな…やみつきになる感触」ギュ…

和(小6)「やっ…! そんなに強くしないでください…!///」

穏乃(小6)「あ、ごめんごめん…もっと優しく…優しく…」

和(小6)「なんだか変な感じ…さっきの玄さんよりずっとずっと…身体が熱くなってきます…///」

穏乃(小6)「うん…私も…胸のドキドキが収まらないんだ」

和(小6)「穏乃…///」

穏乃(小6)「和…///」

憧「す…ストーーーーーーーーーーーーーーーーーーーォォォップ!」

和「はっ!」

穏乃「憧!?」

憧「そ、そろそろ終わりにしたら? ほらみんな見てるわよ?」ドキドキドキ

綾(小3)「///」

桜子(小2)「なんだか楽しそうだったねー」

ひな(小1)「いいものを見た気分ー」

玄(中1)「うわわ…なかなかのなかなかにドキドキしたよぅ」ドキドキ

晴絵(21)(大人だ…)ドキドキ

和「そ、そうですよね! 私ったら今日友人になったばかりの人になんてことを…」

穏乃「うん…。でもちょっとだけ残念…」

憧(うわわわわわわわうわわわうわわわわわわわわわわ!)

憧(ヤバいヤバい! 止めてなかったらマジでヤバかったわよ!)ドキドキ

午後6時――

桜子「それじゃねー」

ひな「今日は非常に有意義な一日でしたー」

綾「///」

和「では私もここで…明日またお会いしましょう」

穏乃「うん! 明日も一緒に遊ぼう!」

和「穏乃…はい!」

憧「…」

憧(しかし…どうする?)

憧(麻雀では和に敵わない。顔もスタイルも勝てたものではない。おまけにしずと運命的な出会いをしている)

憧(あたしにあるのは『幼馴染』というステータスのみ。しかし昨今のラノベ・アニメ業界的にはそれすらディスアドバンテージ)

憧(他にあたしにあるものといえば…)ハッ

次の日、午前8時――

穏乃「おはよう! 和!」

和「穏乃…! おはようございます」

憧「いや、あたしもいるんだけど…」

穏乃「ふえ?」

和「憧もいたんですね。おはようございます」

憧「…」

憧「ま、まあいいわよ。そんなことより今日は確認テストがあるけど勉強してきた?」

穏乃「げっ」

和「そういえば…昨日は色々あったので忘れていました」


憧(ふふ…東京から来たフリフリお嬢さんとはいえ成績であたしを抜くことは至難…!)

憧(小6)(偏差70を超えるあたしの頭脳の前にひれ伏すが良いわ!)

午後3時半――

穏乃「よ、45点…」フルフル

和「私は90点です。昨日ちゃんと勉強しておくべきでしたね」

憧「ふふふ…あたしは100点よ!」

憧(勝った…!)フフン

穏乃「どうしようどうしよう! このままじゃ先生に怒られちゃうよ…和!」

憧「ん?」

和「落ちついて下さい穏乃。勉強なら教えますから」

憧「あれ?」

穏乃「本当!? 良かった…和が勉強できて!」

和「いえ。穏乃の役に立てるなら私も嬉しいです」

憧(あれー? ここは100点のあたしに勉強教わるところじゃないのかなー?)

憧「あ、あの…しず? 勉強なら100点のあたしが…」

穏乃「え? でも憧って私たちとは学力が違いすぎるし…」

穏乃「小学生レベルの勉強を憧に教わるのは申し訳ないよ。憧の時間を奪う訳にもいかないし」ニコッ

憧「」

和「大丈夫ですよ、憧。この内容くらいなら私でもちゃんと教えられます」

和「だから憧は安心して、もっと上のレベルの勉強をして下さい」ニッコリ

憧「」

穏乃「それに…和と二人きりになれそうだし」ポッ

和「穏乃…/// 勉強はちゃんとしないとダメですよ」

憧「…」


憧(は、はは…)

午後4時――

穏乃「手、繋いでもいいかな…?」

和「え、ええ…。そのくらいなら別に」キュ…

憧「…」フラフラ

憧(ダメだわ…。これもういつどうなってもおかしくないわ)

桜子「あー、しずちゃんとのどちゃん夫婦だぁ゙ァ゙ー」

綾「今日もラブラブなんだね…///」

ひな「今後の二人の足取りを聞いてみたい所存ー」

憧(ああ、神様はあたしにしずを諦めろと言うのね…)キラキラ

穏乃「それより今日は何して遊ぼうか? 赤土さん5時くらいにしか来れないって言ってたけど」

ひな「それじゃ一昨日の占い…もとい指令書のやつを希望ー」

憧「――!?」ガタッ

憧( そ れ だ ! )

穏乃「そんじゃ混ぜるねー」

憧(ふふふふふふ…! この手があったことを忘れていたわ)

憧(思えばしずが和と結婚するとか言いだしたのは全てこの指令書が原因…)

憧(つまり! この指令書を逆に利用し破談にしてやるのは容易)

憧(あわよくばあたしとしずを再びくっつけることも可能。すなわちあたし大勝利)

和「これが例の遊びですか…」

桜子「せっかくだしのどちゃんから引きなよ!」

和「私からですか? では…」スッ

憧(さあ――あたしの入れた指令を守ってもらうわよ!)


和「『二人の慣れ染めを話す』」

綾「ごめんなさい。それ入れたの私…!」

憧「」

和「え、ええっと…」

ひな「私も聞きたい所存ー」

玄「実は私も詳しく聞いてみたかったんだよねー」

綾「言いづらかったらいいんだけど…」

和「い、いえ…別に困ったことは特にないんですけど」

和「昨日の朝…バスを待っていたら急に穏乃が草むらから飛び出て来たんです」

和「そ、そして…そのまま突然プロポーズされました///」

ひな「おおー」

綾「ぷ、プロポーズ…、ちなみになんてプロポーズされたの…?」

和「…ストレートに『結婚しよう――和!』でした…///」

玄「それはなかなかのなかなかに格好いいね! 想いが真っ直ぐに伝わってきちゃうよ」

穏乃「えへへ…」

憧「…」

憧(思えばここには7人…あたしの指令書が和に渡る確率は僅か7分の1! そりゃ当たらないわよ…)

憧(ん? でもということは…)

玄「じゃあ次は私が引く番だね!」スッ

憧(あたしが書いた指令が全然違う誰かに渡ってしまう――!?)


玄「えーとなになに? 『しずとさよならする』」

玄「…」

穏乃「…」

玄「…さよなら?」

穏乃「はい…また明日」

憧「…」

桜子「今の指令なんだったんだろうねー?」

ひな「くろちゃん帰宅ー」

桜子「くろちゃんも帰ったことだしまた新しく始めよっかー」

綾「そうだね」

憧(…ま、まあ人は失敗するものよ。その失敗を次に生かせばいいの)

憧(2度目は無いわよ…。玄がいなくなったことで確率は6分の1!)

憧(それに1度目の指令はヌルかったわ。今度はガチで別れてもらうわよ…!)

穏乃「じゃあ今度は私から引こうかな!」スッ

憧(そして――次のターゲットはあなたよ! しず!)


穏乃「『子供は何人くらい欲しいか言う』」

ひな「それは私が入れましたー」

憧「…」

穏乃「うーん、子供かあ。そんなこと考えたこともないや」

綾「それはそうだよね」

桜子「子供ー!? しずちゃん赤ちゃん生むのー?」

穏乃「うん。いつか和とちゃんと結婚したらね」

和「ええっ!? た、確かにあいぴー…いえ、何でもないです…///」

ひな「iPS細胞ー」

桜子「夫婦が一緒に寝たら次の日にコウノトリさんが赤ちゃんを運んでくるってハルちゃん言ってたよー」

穏乃「あれ? 私はキャベツ畑って聞いたけど…」

綾「///」

穏乃「まあ、きっと人数多い方が楽しいからいっぱい欲しいかな!」

和「///」

憧(…)

憧(でもってあたしの入れた奴が別の子のトコに行くのよね…)

憧(あたしの指令は『和と別れる』…今これをあたしが引くと玄みたく帰らないとならなくなる。それは避けないと)

憧(運命の…ドロー!)


憧「ご…『ゴリラダンス』…」

桜子「それ私が入れたんだよ!」

憧(ぬわああああああああああああああああ!)


憧「はあ、はあ…」

和「次は私の番ですね。…『和と別れる』」

和「…」

和「あの…どうしようもないんですが」

桜子「無理な場合は次に引く時2枚引いてね!」

憧(まあいいわ…。確率はまだまだ低いままなんだから)

憧(しかし次はそうはいかないわよ。次は和は2枚引かなければならない!)

憧(今度こそ年貢の納め時よ…和!)


和「一枚目…『セクシーポーズ』」

綾「…ごめんなさい」

和「二枚目…『穏乃が好きですって言う』!?」

穏乃「やった! 和が私の指令を引いてくれた!」

憧(なんでまた回避するのよおおおおおおおおおお!)

憧(これはあれね? リッツ神に愛されてるってことなのね? 聖域だから運も当然良いワケね?)

憧(この箱入り娘…!)

ひな「はーい、それじゃお姉ちゃんもっと胸よせてー」

和「こ、こうでしょうか…?」

ひな「いいよいいよー。でも元々胸大きいから寄せる必要なかった模様ー」

綾「あ、あとはこっちを見て下さい」

和「はい…」

穏乃「こっちだよ! 私の方向いてよ!」

和「そ、そんな…面と向かって言うのは恥ずかしすぎます…!」

桜子「また2枚引くのー?」

和「うっ…」

ひな「そうそうそんな感じー」

綾「それじゃ…アクション!」


和「穏乃が好きです…///」

晴絵「やあ! みんな遅レジェンド!」

穏乃「赤土さん!」

桜子「ハルちゃんだ゙ア゙ア゙ァ゙゙ァ゙ア゙~~~~~」

晴絵「みんな何してんの? …特に和はえらいセクシーなポーズだけど」

和「放っておいて下さい…///」

ひな「この前の占い…もとい指令書」

晴絵「ああ、あれか…」

桜子「せっかくだからハルちゃんも引いてきなよ!」

晴絵「ええ~? テストで100点とか無理だからね~?」スッ


晴絵「『好きな人と別れる』」

晴絵「…」

憧(ああ、ごめん…)

晴絵「これっ…てさ、指令を実行しないと増えるんだったよね」

桜子「そうだよー!」

晴絵「うぅ!」

晴絵「もしもし望? 私たち…別れよう?」

晴絵「いやいや違うんだって! 別に浮気とかそんなんじゃなくって! 望!?」

晴絵「望ーーーーーー!」

晴絵「今日は帰る…」ショボーン

和「帰ってしまいました…」

綾「私たちも解散かな」

穏乃「和! 一緒に帰ろうよ」

憧「はあ…。やっぱり二人を別れさせるのは無理なのかな」

望「おかえり、憧。…ちょーっとお話いいかしら?」

憧「へ?」


望「さっきの電話…あんたも何か関係してるんでしょ?」

憧「うっ…」

望「だって晴絵が突然あんなこと言うなんておかしいもの。この前やってた指令書がどうとかなんでしょ?」

憧「な、なんでそこまで…」

望「それで自分と穏乃ちゃんをくっつけようとして失敗した。でもってそれが晴絵にも飛び火した。間違ってる?」

憧「…いえ、正解です」

望「やっぱり…一昨日の夜も家を飛び出してどこかに泊ってたみたいだし。あなたはやりすぎなのよ」

憧「ごめんなさい…」

望「はあ…! 話しなさい、全部ね」

望「なるほど、ね…。それは確かに辛いわね」

憧「でしょ…?」

望「だからって穏乃ちゃんたちや他のみんなを傷つけるような真似は許されるものじゃないわよ」

憧「…はい」

望(…まあ、2人の恋路の邪魔をする、ことについてまで私は否定しないけどね)ボソッ

望「あくまで正攻法で挑みなさい。卑怯な手は神社の娘として認めません」

望「そしてダメだった時は諦めることも必要。あまりしつこいと友達にすら戻れなくなるんだからね」

憧「はい…」


憧(…)

次の日・午前8時――

憧(言おう)

憧(今日…言うんだ。しずのこと好きだって)

憧(そして麻雀の強豪校――しずと一緒に晩成に行くんだー)



和「穏乃…」

穏乃「和…」


穏乃「私の想い…受け取ってくれてありがとう」

和「キスって…こんな味なんですね」


憧「…」

午後4時――

晴絵「みんな昨日はゴメン! でも今日はいいことあったし大丈夫!」

ひな「復縁ー」

晴絵「…ってあれ? まーた指令書やってんの?」

穏乃「はい。じゃあ次は私…」スッ

穏乃「『近況報告』…綾?」

綾「私です…」

ひな「どきどき、わくわく」

桜子「きんきょー?」

玄「最近あったことだよー」

穏乃「え、えーと…コホン」

穏乃「今日から、正式に和とお付き合いすることになりました!」

憧「…」

晴絵「おおー! やったな、穏乃!」

玄「いいなあ…」

綾「きゃー!」

桜子「わー!」

ひな「なー!」

和「そ、そういうことです! これ以上は聞かないでくださいね!」

綾「こ、これ以上!?」

晴絵「これ以上って!?」

和「変な勘繰りはやめて下さい…! ほら、次は私の番なので引きますよ…」

憧「…」

和「これ…」


和「『しずを幸せにする』…」

和「もしかして…憧?」

憧「そうよ。そろそろあたしが書いた指令が和に行くんじゃないかと思ってね」

穏乃「憧…この内容って」

憧「文字通り。和はしずをこれからずっと幸せにするのよ」

憧「できないなら2枚引いてもらうけど…どうする?」

和「そ、そんな必要ありません! 私がきっと穏乃を幸せにしてみせます!」

穏乃「の、和…///」

憧「…そっか」


憧(昨日言ってた通りだ)

憧(ダメだった時は諦めることも必要。そうでないと…余計に辛い)

憧(だからせめて――)


憧「幸せになりなさいよね! …和! しず!」

3年後――

優希「のどちゃん、バイトの方はどうなんだー?」

和「調子はいいですよ。主人の透華さんがとってもいい人なんです」

優希「へー。けどあともう少しでのどちゃんともお別れか」

優希「なあのどちゃん。長野に残る気はないのか? 無理して奈良に戻るのと私の嫁のポジション、どっちがいいかは明白だじぇ!」

和「申し訳ないですがお断りします」

優希「即答!?」

和「奈良に単身戻ることは両親の反対を押し切って決めたことです。第一私はもう推薦入試を終えているんですよ」

和「それに…奈良には、結婚を前提とした恋人がいますから」

優希「おおっ! 例のしずちゃんか!」

和「ええ。そして親友もいるんです」

和「とても大事な…一番幸せになって欲しい親友です」

和「そういえばちょっとだけ、優希に似ていますね――憧は」

カンですよー

狩宿巴ちゃんのねんどろいど欲しい

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