スザク「いっそセシルさんあたりに頼んで去勢手術でも……」

スザク「いや、だめだ。そしたら僕が僕でなくなる気がする」

スザク「どうにか処理する手段は……」

ｺﾝｺﾝｯ

スザク「はい？　どちら様……」

シュナイゼル『ゼロ様。今後のスケジュールの連絡に参りました』

スザク「……わかった。少し待ってくれ」ｶﾎﾟｯ

ゼロ「よし。入っていいぞ」

シュナイゼル「失礼致します」ｶﾞﾁｬｯ

シュナイゼル「…………というような流れで……」

ゼロ「…………」

シュナイゼル「……ゼロ様？　どうされましたか？」

ゼロ「え？……いや、なんでもないよ」

シュナイゼル「もしやご気分が優れないのでは？」

ゼロ「私はゼロだ。そんな事はありえないよ」ｶﾀｶﾀｶﾀｶﾀ…

シュナイゼル「ですが、先程から随分椅子と机に振動が走っているのですが……」

ゼロ「いや、なんでもない！！　なんでもないぞ！？」ｶﾀｶﾀｶﾀｶﾀ…

スザク（どうしよう……ゼロ・レクイエム前夜に抜きまくったはずなのに）

スザク（永遠の賢者になる覚悟でいたはずなのに！！）

スザク（ものの1ヶ月で！！　どうしようもなく性欲が湧いて来る！！）ｲﾗｲﾗﾑﾗﾑﾗ

シュナイゼル「…………少し、失礼致します」ｺﾞｿｯ

ゼロ「何をしている！？　何でもないと……」ｶﾀｶﾀｶﾀｶﾀｯ

シュナイゼル「やはり気のせいではありませんね。どうしたのです、貧乏ゆすりなど？　ゼロ様らしくもない」

シュナイゼル「やはり貴方も人間……心労やストレスが溜まっているのでは？」

ゼロ「……溜まって……溜まってなどは……」

シュナイゼル「……そうそう、忘れるところでした」ｺﾞｿｺﾞｿｯ

ゼロ「ん？……なんだ」

シュナイゼル「ゼロ様に贈り物を預かっていたのです。玉置真一郎と藤堂鏡志朗、この二人の連名で」

ゼロ「ほう？」

シュナイゼル「検閲させて頂きましたが……特に無害そうなものではありました。ゼロ様の趣味に合うかはわかりかねますが」

ゼロ「前置きはその辺にしよう。見せてもらえるか？」

シュナイゼル「こちらです」ｽｯ

ゼロ「！！」ｶﾞﾀｯ

スザク（こ、これは！！　エロ本、しかも無修正！！）

休憩

ゼロ「…………」ﾊﾟﾗｯ

シュナイゼル「藤堂幕僚長曰く、『今の貴方に必要なものだろう』との事です」

ゼロ「…………」ﾊﾟﾗｯ

シュナイゼル「内容は彼等の趣味嗜好で選んだとの事です。多少の偏りがあるのは否めないでしょう」

ゼロ「…………」ﾌﾑﾌﾑ

シュナイゼル「ですが選別にはまさに厳選を重ねたと聞き及んでいます。もっとも、無欲な私にはその価値はわかりかねますが」

ゼロ「…………」ﾊﾟﾗﾊﾟﾗｯ

シュナイゼル「……ゼロ様？」

スザク（藤堂さん……さすがです……！！）

スザク（僕の趣味のド真ん中ストライク……さすが、さすがは僕の師匠です！！！）

スザク（ああ、いいなぁ……お姫様プレイ、ネコ耳娘、スク水その他諸々！！）

スザク（やはり道場の頃から変わってないんですね、僕にエロ談義をしてくれたあの頃と！！）

スザク（ん？　こっちの方は……）ﾍﾟﾗﾍﾟﾗｯ

スザク（……陵辱モノか。あまり好きじゃないんだけどな～強引なの）

スザク（って気のせいかな。このモデルの娘、カレンにそっくりだ……髪色違うけど）

スザク（ははぁ、さては玉城さんの趣味かな。こうしてみると悪くないかも……）ﾆﾏﾆﾏ

スザク（……うん。たまに見るからいいんだよな、こういうの）

スザク（しかし……しかし！！）

スザク（こんなものを見たところで、今や僕には何も出来ない！！　しちゃいけないんだ！！）

スザク（どれほどエネルギーを供給されようと、枢木スザクのヴァリスは最早封じられたんだ！！）

シュナイゼル「……ゼロ様？」

スザク（このやり場のない暴発寸前のエネルギーは……どこに放てばいいというんだ！？）

スザク（藤堂さん！！　貴方の優しさが今は痛い！！　何よりも痛いんです！！）

シュナイゼル「ゼロ様」

スザク（た、耐えるんだ……これは罰、そう僕自身への罰なんだ！！　若い精力を持て余す事は！！）

シュナイゼル「ゼロ様、御気を確かに」

ゼロ「ん？……ああ、すまない」

シュナイゼル「よほど御気に召さなかったのですか？　まさか腰から下丸ごと使って貧乏ゆすりに至るなど……」

ゼロ「」

シュナイゼル「やはり疲れなど溜まっておられるのですね……少しお休みになった方が」

ゼロ「そ、そんな事はないぞ！！　見ろ、この通りだ！！」ﾊﾞｯ!!

シュナイゼル「……おや」

ゼロ「ん？」

ぎんぎんっ

シュナイゼル「……なるほど。確かにお元気な様子で」

ゼロ「ち、違う！！　あなたが思っているような事では！！」

シュナイゼル「隠さなくても結構ですよ。貴方も人間、そういう生理反応を示すのも不思議ではありません」

シュナイゼル「理解しました。溜まっていたのは疲れではなく性欲だったのですね」

ゼロ「」

シュナイゼル「このままでは公務にも支障をきたすかもしれません。取り急ぎ解消を」

ゼロ「解消だと？」

シュナイゼル「ええ。私でよければ一助となりますが」

ゼロ「」

ゼロ「シュナイゼル……何を言っている！？」

シュナイゼル「申し上げた通りです」

ゼロ「あなたは男！！　私も男だ！！」

シュナイゼル「男女の個体差などは些細な問題にすぎません」

ゼロ「そうじゃなくって！！　おかしいとは思わないのか！！」

シュナイゼル「私個人の意思は関係ない。貴方が……人々が望むのなら、私は受けになろう」

ゼロ「いや、望んでない。絶対に望まない……望むものか」

シュナイゼル「……左様で御座いますか」ﾁｯ

シュナイゼル「しかし本当にお辛そうな様子。どうにかするべきでは？……そうだ、紅月嬢を呼びましょうか？」

ゼロ「なぜだ」

シュナイゼル「彼女は兼ねてより貴方に心酔している。貴方の不調とあれば、己を捨てても貴方を癒すでしょう」

ゼロ「だめだ」

シュナイゼル「何故です？」

ゼロ「彼女にこれ以上の重荷は課せられない。ずっと傷ついてきたのだからな……『彼』との約束でもある」

シュナイゼル「はぁ」

ゼロ「この苦しみは甘んじて受ける。これはそう……罰なのだから」

シュナイゼル「罰？」

ゼロ「そう、罰だ。世界に変革の痛みを与え……そのために命を奪った事に対する、だ」

シュナイゼル「しかし……自分を慰める程度はしてもよいのでは」

ゼロ「言っただろう。罰なんだ……慰めなど、あってはならない」

シュナイゼル「……そうですか。では私が責めに回りましょうか？」

ゼロ「断る」

シュナイゼル「そうですか」ﾁｯ