エルフ「この焦げたやつ、ロニが食べればいいのに」 (89)

ファイター「失敗したのか。それなら俺にくれてよかっ」

エルフ「ロニが私のフライパンしっかり見ててくれたら焦げなかった!」

ロニ「何で俺に責任押し付けるんだよ。自分で作った奴なんだからやめろよなぁ~」

エルフ「やだ!ロニ食べて!」

ファイター「おい、だから俺が食うって言ってr」

エルフ「はい、あーん」  ロニ「仕方がねーなぁー……w」

ファイター「……チッ!」

エルフ「美味しい? ねぇ、ロニー?」  ロニ「焦げた料理が美味いわけあるかよー」

ファイター「何だアイツら……人前でふざけやがって……!」

ファイター「いい。俺には関係ないことだ。…へへっ、そろそろレッドドラゴンの肉が焼けた頃だな」

フライパン「」

ファイター「あぁ!?」

アマゾン「ガツガツガツガツ…」

ファイター「お前、誰の肉食ってやがんだ!?」  アマゾン「ほえ?」

アマゾン「だって早く食べないと不味くなっちゃうだろう? 絶品だったわよ」

ウィザード「ファイター、私の料理を取ると良い。皿によそおうか?」

ファイター「ウィザード……」

君たちは 無事迷宮から帰還して、町へ帰ってきた

ファイター「」ブンブンブン…ッ

ロニ「ぎゃああぁ!! 何しやがる!?」

ファイター「ロニの周りにオーク共が見えた気がして」

ロニ「バカじゃねぇのか! さっきから帰ってきて早々俺のこと攻撃しやがって!」

ロニ「旦那、あんた今日は様子がおかしいぞ…」

ファイター「気に食わねぇんだ」

ロニ「……な、何に」

ファイター「お前が俺のエルフと目の前でイチャついてんのが気に食わねぇんだ!」ブンブン

ロニ「危ないから振り回すのは勘弁してくれよぉ! また町民に当たって独房に突っこまれるぞ!」

ロニ「大体あんた、エルフとは何の関係もないだろ。エルフからも聞いてねーぞ」

ファイター「お前……プライベートでもエルフと付き合いがあるのか」

ロニ「旦那 あんた、もしかして妬いてんのかい?(笑)」

ファイター「今度 キラーラビットの所に置き去りにしてやる」

ロニ「へへっ、旦那も結構可愛いとこあるもんだ。もう長い付き合いになるが、ただの堅物ってわけでもねーな」

ロニ「で、どうしてエルフに拘るよ?」

ファイター「慎ましい胸、太巻き、ブーツ。良い」

ロニ「そうかねぇ。あいつのブーツかなり臭ぇぞ?」

ファイター「え?」

ロニ「だって冒険中はずーっとあのブーツに足突っこんで、魔物どもを蹴り殺してるんだぜ?」

ロニ「脱いだ後の足はもう、酷いのなんのって」

ファイター「だから何でそういう情報をお前は把握してるんだクソッ」

ロニ「まぁ、俺に開けられない鍵は無いからね」

ファイター「この野郎!」

ロニ「ま、待てって! OK、わかったわかった、暴力は止めようぜ…俺も旦那とここでお別れは惜しい…」

ファイター「チッ……で、臭ぇのか エルフは?」

ロニ「ああ、臭ぇ」

ロニ「ありゃ近くで嗅げたモンじゃないね。レッドドラゴンも尻尾巻いて逃げ出しちまうさ」

ファイター「……良いな。臭ぇのか、エルフの足」

ロニ「あん?」  ファイター「なんか良いだろ。エルフ臭ぇの」

ロニ「…あんた気でも違えたかい? 旦那ァ」

ファイター「良いだろ!見た目はあんなに可愛らしい娘のブーツの中は激臭。宝ならSだぜ」

ロニ「お、おう」

ロニ「ていうか、エルフって長寿の種族だぞ? もしかしたら俺たちの誰よりも歳食ってるかも知れない」

ファイター「いいじゃねぇか」

ロニ「え、エルフの何があんたをそんな引きつける……」

ファイター「可愛いだろ、エルフは」

ロニ「まぁ、顔は悪くねーのは俺も認める。だが、女ってのは結局中身が大切なんだぜ?」

ファイター「俺のエルフは中身も綺麗だ。足は臭ぇらしいが」

ロニ「恋は盲目にさせるったぁよく言ったもんだな。……旦那、よく周りを見てみな」

ロニ「良い娘なんぞ 町中にわんさかいやがる! 見ろ、あそこ歩いてるの しょっちゅう旦那が悪戯してる乳のデカい娘だぜ!」

町娘「……」ユッサユッサ

ファイター「乳が弾んでいる」  ロニ「ああ、違ぇねェ」

ロニ「他にもいるだろう? 竜の天国亭に戻ればソーサレスやアマゾン姐さんが待ってるしよぉー」

ファイター「そいつらはダメだ。俺には無理だと踏んでる」

ロニ「へぇ? 旦那ほど逞しい男がそんな謙遜しちゃって……どっちも上物だぜ?」

ファイター「いや なんというか…アマゾンは臭ぇんだよ」

ロニ「ああ」

ロニ「確かにちょいと女捨ててるとこあるし、肉ばっか食うしな」

ファイター「腋も臭ぇんだ!」

ファイター「アソコもスゲェ臭いんじゃないかと思う。アイツ、やばい」

ロニ「俺ァ旦那の性癖がよく分かんなくなってきたよ」

ロニ「アマゾン姐さんはひとまず置いておこう……。ソーサレスはなぜ?」

ファイター「怖いんだよ…」

ロニ「怖いって。いつも魔物に鬼神の如く向かって行くあんたが ただの魔女ていどに」

ファイター「魔女が怖いわけじゃねぇ。ソーサレスが怖い、恐ろしい」

ロニ「……ど、どこが」

ファイター「触れられただけで搾り取られちまいそうでな…」

ロニ「は?」

ファイター「分からないか? 奴は存在するだけで男を破滅させる」

ファイター「そんな女だと俺は思っている」

ロニ「旦那、そいつは随分勝手な話じゃねーか……」

ロニ「ソーサレス良いだろう。なんてったってあのおっぱいの見事っぷり!」

ファイター「ああ、尻も良い。足もだ」

ロニ「何だよ、部分部分は旦那も気に入ってるじゃないか。エルフ以上の評価だ」

ファイター「……ロニ、お前だけに話すぜ。俺、この前ソーサレスがダウンした瞬間、スカートの中に目が行ったのさ」

ロニ「ほう! ほうほう……」

ファイター「男としちゃあ普通だろ。こんなの。可愛いあの子はどんな素敵パンティーを穿いてるのかってよ」

ファイター「俺は魔物との戦いの中、一瞬、一瞬だけソーサレスを見た!するとどうだ……」

ファイター「穿いてねぇんだ…」

ロニ「ぶっ」

ロニ「穿いてないってのは……アレかい? その、ノー」

ファイター「そうだ。俺の目にあの時映ったのは具だよ」

ロニ「マジかよ! やべー、あの女……すげー……」

ファイター「俺も母親以外のアレを見るのは初めてでな、その日はショックで仕事にならなかったぜ…」

ロニ(そのナリで未経験か)

ファイター「ソーサレスはよく魔法で冒険者の遺体を骨の戦士に作り変えてるだろう」

ロニ「ああ、アニメイトな」  ファイター「で、奴はその骨によくおぶって貰っているんだよ」

ファイター「いつもなら「ああ、いつものか」と気にせずにするが、その時は違った。奴が穿いていない事を知った後だったからな…」

ファイター「それで俺は気になったわけだ。で、チラっと……再び一瞬だぜ」

ファイター「奴ァ自分の股 骨にゴリゴリ押し当てて顔赤くしてやがった!」

ロニ「お、おう……」

ファイター「俺はそれからあの女を飯を振り撒く弁当ババアとしか思えなくなったわけだ」

ロニ「あんまり過ぎるじゃねーか」

ロニ「そ、そんな男でも女でも時々ムラッとくる時あるだろ。ソーサレスもその時は気分だったに違いねぇ」

ファイター「生死がかかった冒険の最中に、しかも迷宮内でそんなバカな真似する奴がいるか!」

ファイター「奴ァ、痴女だ……俺は知ってる……」

ロニ「べ、別にいいんじゃねーの。中身はどうあれ、容姿はグンパツだぞ」

ファイター「そう外見はかなり良い女なのは俺も分かる。だがな、さっきも言ったように迷宮で変態じみた行為をする痴女だ」

ファイター「きっとあの容姿を武器に子どもから年寄りまで手をかけた筈だろうよ!」

ロニ「んなバカな……ルカインの爺さんにもだってかい?」

ファイター「違いねぇ、「私の膣内にあるルーン文字をクリックして」とか誘ったぜ…」

ロニ「ティキが聞いたらブチ切れそうな話だな」

ファイター「ロニ、もうここまで来たら分かるだろ? 俺の周りの女なんざ碌な奴がいねぇ」

ロニ「別にそこから選ぶ必要はないんじゃねーのかな…」

ロニ「そうだ。モルガンとか割と」

ファイター「何? ババアに見惚れるほど俺は年老いてねぇぞ!!」

ロニ「じゃあエルフだって……あ、なら旦那。ここはビビアン王女が狙い目じゃないか?」

ロニ「上手くいけば玉の輿だ! ディーンの野郎は行方知れずだしな」

ファイター「あぁ? 王女はどうせ既に宰相辺りに犯されてガバガバだろうよ」

ロニ「おい、やめろてくれよ そういうの……」

ファイター「先に言っておくが人魚やら女聖霊も無しだからな。俺は人外は抱かねぇ」

ロニ(エルフ人外じゃん…)

突然 妖精のティキがあらわれ、君の周りを 愉しげに飛び回った

ティキ「~♪」リンリン

ロニ「げっ、今の話聞いてなかっただろうなコイツ」

ロニ「にしてもティキってば旦那好きだよなぁ~」

ファイター「コイツ、助けてからはすっかり俺に懐いたようだぜ。まぁ、ルカインのジジイに比べりゃ俺のが良いだろう」

ティキ「~♪」リンリン

ロニ「…そうだ。もうこの妖精で手を打ったら」

ファイター「ぶっ殺されてぇのかお前はッ!?」  ロニ「ひっ」

ファイター「ティキを……お前はティキを今まで色目で見てやがったのか!見損なったぞ!」

ロニ「そ、そんなんじゃねーよ!冗談に決まってるだろう!」

ロニ「……いやでも、ぶっちゃけエルフも妖精みたいなもんだしよ。いいんじゃねぇ?」

ファイター「いい加減に…」  ロニ「OK、わかった。だからタックルを構えないでくれ…」

ファイター「はぁ……ロニ、もし俺がティキを抱くような事になったらどうする? 腹ボコォだぞ?」

ロニ「わ、悪かったって…」

ファイター「もういいだろう、ロニ。俺にはもうエルフちゃんしか見えちゃいねぇ」

ロニ「エルフちゃん ってあんた……」

ロニ「エルフで思い出したけどよー!前に依頼してきた黒エルフも中々…」

ファイター「待て、話を逸らすんじゃねぇぞ」  ロニ「お、おう」

ファイター「……好んで聞きたい話ではないが、ロニ。お前はエルフとどんな関係が?」

ロニ「えっ、遂に聞いちゃうのかい? 俺としては話してもデメリットしか予想つかないから遠慮願いたいよ」

ファイター「今切り刻まれて微塵になるのと、あとでクラーケンに酷い目に合わされるのを選べ」

ロニ「…………エルフとはただ仲が良いだけだぜ、旦那ァ? 友達、仲良しこよしさぁ、それ以上はねーよ」

ファイター「俺は男女の間に友情は生まれないと知っているぞ!」  ロニ「はっ、ドーテイが何を!」

ロニ「いいか? 言わせてもらうけどなっ、例え俺とエルフが恋仲だとしてもあんたに何の害があるんだ!?」

ファイター「腹が立つぜ…」

ロニ「嫉妬結構。じゃあもういいな? 一々 あんたの恋愛相談に乗るのはバカらしくてアークデーモンも呆れるぜ」

ファイター「ロニ、落ち着け……。俺はお前をイラ立たせるために話をしてやっているわけでは」

ロニ「無自覚なのが一番性質悪ィな!えぇ!?」

ファイター「頼むぜ、ロニ……行かないでくれ……」  ロニ「だ、旦那……」

ロニ「なら、俺にどうして欲しいかここで頼んでみろよ」

ファイター「俺に対するエルフの閉じた心をお前の腕でこじ開けてくれ」

ファイター「ほら、コレでエルフをクリックしたらいいんだろう……」 ~(1P)ニア

ロニ「いや……そういうのは……」

ファイター「頼む!! 俺とお前の仲だ!! 橋を渡してくれ!!」

ロニ「そこまで旦那に頭下げられちゃあ……うーん」

ロニ「わかったぜ。それなら早速冒険に出よう! 旦那は口で落とすより、行動で女を落とすべきだ!」

ファイター「俺はそんなに話が下手か」  ロニ「正直、俺といる時か 飯時ぐらいしか面白くはねェ」

ファイター「チッ……わかったぜ、お前がそう言うなら早速『竜の天国亭』でみんなを」

ロニ「あっ、待ちな 旦那ァ! その前に……」

カポッ

エルフ「こんにちは エルフの友人。それで? 今日はどこへ冒険に向かうの?」

ファイター「今日はゲートから行くぞ。当て無き旅だぜ(エルフちゃん長耳かわいい)」イケメン

ファイター「お前たち、支度は終えているな。そろそろ……」イケメン

ドワーフ「あんた誰じゃあ……」  ファイター「は?」

ソーサレス「や、やぁね! ファイターでしょ。でも、いつもと違うから…分かりづらいわね…」

ドワーフ「ワシの知ってるファイターとは何か違うが」

エルフ「きっと装備を変えたのよ!」 ドワーフ「あーなる」

ファイター「……え、エルフ。どこか俺に変わったところがあるの、気づかないのか」イケメン

エルフ「え? 確かに変わったところはあるかもしれないけれど、よく分からない。エルフだから」

ドワーフ「ワシもドワーフだから人間なんぞ皆同じ顔に見えるわい。ドワーフだしな」

ファイター「そ、そうなのか……じゃあ仕方がねぇんだろうな……」イケメン()

ロニ(なぜ全員兜を取っていることに触れないのか)

エルフ「いつ来てもココはあまり好きに慣れない場所ねー…」

ドワーフ「確か、またヴァンパイアどもが村娘をさらったとか聞いたが」

ファイター「なら目的は決まりだな。奴らの毒牙にかかる前に救出してしまうぞ。ギルドに報告すれば報酬も頂けるぜ」

ソーサレス「…………」ポー

ファイター「……ロニ、ロニちょっとこっちに」  ロニ「はぁ?」

ロニ「何だよ。コソコソしてるとエルフから変な目で見られちまうぞ、旦那」

ファイター「いやな……さっきから弁当ババアが俺から視線を逸らそうとしねぇんだ……」

ロニ「マジかよ。でも、あんたのことだ。それは勘違いって奴じゃねーのかい」

ファイター「そんなワケがあるか! 見ろ……まだ俺を追っているぜ……」

ソーサレス「……」モジモジ

ロニ「マジか。旦那、あんた、ありゃあ…惚れられたぜ」  ファイター「止せよ…」

ファイター「と、とにかく エルフしか俺は眼中にねぇ。頼むぞロニ」

ロニ「頼むも何も、あんたが俺の教えをしっかり守って実行すりゃあエルフなんぞイチコロよ」

エルフ「ロニー? おそーい!」  ロニ「へへっ、今行きますよぅ」

ファイター「」イラッ

ドワーフ「うおーりゃあ!! グールなんぞ抱きつき返し、ぶん投げてやるわい!!」ポイポイ

ファイター「せっかく集中攻撃しているところに一々敵を投げて分散させるなァーッ!!」

ソーサレス「ああっ///」 グール「オオォ…///」ギュッ

ファイター(悩ましい…!!)

エルフ「やぁーあー!」 グール「」ドスッ

ソーサレス「はぁ、あ、ありがとう エルフ……お陰で助かったわ」

エルフ「お礼はいいから早くお弁当だして!」

ソーサレス「え、ええ……」

ファイター(エルフの矢の蓄えが切れた。今だ!)

ファイター「え、エルフ……お前、矢を切らしているだろう。俺が新しいの拾ってやったぜ…へ、へへ」

エルフ「ううん、ロニがきっと拾ってるから大丈夫だよ! ありがとう!」

ファイター「は?」

ロニ「だ、旦那ァ……俺はまだ何も、睨むなっ」

ファイター「お前よっぽどエルフに信頼置かれてるようだな。えぇ?」

ロニ「そうは言われてもよぉ~……」

エルフ「ねっ!ロニ! 矢あるでしょう?」

ロニ「い、いやぁ!すまねぇ! お宝開けるのに集中して、今回は見逃しちまったよ!」

エルフ「えぇー! ロニのうっかり者め! 次は私のリスが黙ってないよ!」

ドワーフ「ウサギでないだけまだマシじゃのぉー ハッハッハッ」

ロニ「ほ、ほら…ファイターの旦那がお前の為に次の矢を手に入れたんだぜ。受け取ってやれよ」

ファイター「……」  エルフ「……」

エルフ「……どうも、エルフの友人」スッ

ファイター「お、おお……」 ロニ「旦那、アイツも悪い奴じゃねぇんだ。許してやれよ」

ファイター「ちょっと、今ドキドキしちまった! ハハッ!」

ロニ(ドーテイ拗らしてんなぁ)

ドワーフ「ひぃ、ひぃ、ひ~~~……中々手強いのが揃ってたわい」

ファイター「今のうちに回復をしておこうぜ。みんなは手持ちの食物があるからな」

ソーサレス「……ね、ねぇ? ファイター?」

ファイター「……」

ソーサレス「良かったら、あなたの分の食べ物を魔法で出すわ。差し支えさえなければだけれど」

ファイター(何だこの弁当ババア……)

ソーサレス「どう、かしら……?///」  ファイター(痴女臭ぇ!!)

ドワーフ「オラ、大将!何を照れとるか。ここは道具の節約のために出してもらわんか」

ファイター「あ、ああ……じゃあ……」

ソーサレス「本当!? うれしいっ、わかったわ!」パァァ

ソーサレスが魔法を唱えると 彼女の周りに 食べ物があらわれた。君のお弁当だ

ファイター「じゃあ遠慮な―――」

エルフ「わぁーい! ありがとうソーサレス! お腹ぺこぺこだったよ!」パパパッ

ファイター「……」

エルフ「いつもありがとうソーサレス!リスの分まで出してくれるなんて! えへへっ、あなたは命の恩人よ」

ソーサレス「い、今のはファイターの為に出した食べ物なのに……」

ロニ「エルフお前なぁ……こいつぅ!」ツンツン  エルフ「きゃあ、ロニやめてよー」

ファイター(お腹ぺこぺこエルフかわいい)

ファイター「いいんだ、ソーサレス。それよりお前も魔法を温存しておけよ。後が困るからな」

ソーサレス「え、ええ……そうね……///」

ファイター「え、エルフもいま回復して温存しておけ……そしてお前のことは この盾でかならず俺が守るぜ……」

エルフ「ありがとう、エルフの友人」

ファイター「み、見たか ロニ! あれは脈ありだろうが! ハハーッ!」バンバンバンッ

ロニ「お、おう。違いねーぜ。あんまり叩くなよぉ…(脳筋ともなると色々恐ろしい)」

村娘「助けてぇ……何でもするから、ここから出して」

ドワーフ「大丈夫だったかのぅ。なぁーに、後はワシらに任せておけい!」

村娘「たくましいお方…」

ロニ「なぁ、旦那。結構囚われた村娘どもも良い線行ってると思うぜ」

ファイター「ヴァンパイアに噛まれたら超変身するから怖いだろう。俺はダメだ、ああいうのは」

ロニ「あんたが守ってやりゃイイだけじゃねーか」

ソーサレス「……ねぇ、ファイター。私が襲われていても守ってくれるかしら?」

ファイター「あ、ああ(弁当をな)」

ソーサレス「嬉しいわ。ありがとう。あなたみたいな逞しい人に守られるって、とても……わたし」

ファイター(コイツ、噛まれてヴァンパイア化すればスゲェ乳に化けるだろうな)

ファイター(エルフちゃんは…)チラ

エルフ「ロニー、矢がもうないよー」 ロニ「ヘイヘイ……」

ファイター「……え、エルフちゃん 割と胸があるじゃねぇか」

ファイター(あの野人や弁当に挟まれて今まで気づけずにいたとは……)

ファイター(慎ましいとは言ったが、アレは着やせするタイプと見た! 脱ぐとヤバいぜありゃあ)

エルフ「ロニ、ロニ……」 ロニ「は? どうしたんだよ?」

エルフ「あの人、さっきから私の胸ずっと見てるのだけれど…」

ファイター「ふーっ、ふーっ……」チラチラ  ロニ(Oh…)

ロニ「き、きっとソーサレスに比べてお前のが小さいから珍しいんだろう! 気にしてやるなよ!」

エルフ「そんな事ないよ! ロニも見たでしょ、私の胸! 小さくない!」

ロニ「あっ」

ファイター「…………」

ロニ「旦那、違う。待ってくれよ。今のは違う。誤解だ」

ファイター「……ああ、そうだな。分かっているぜ」

君は 瞳に涙を浮かべて 彼らから 視線を逸らした

ヴァンパイア「ウフフフフ……」

ファイター「お前らァーッ!2分以内にこの女どもを殲滅するぞォーッ! チクショ…」

ドワーフ「何だかいつも以上に大将が張り切っておるのぅ。ワシにもその熱伝染ったわい!」ブンブン

エルフ「ダガーでバックスタッブやるから援護お願い!」

ソーサレス「きゃあ! 数が増えだして…攻撃が…」

ファイター「うおおおおぉぉぉーーーォッ!!」サクリファイス ハツドウ

ヴァンパイア「キィーッ!」  エルフ「えいっ、えいっ」

ファイター「ぐわあああああぁぁぁ……」HP0

ソーサレス「ああっ、ファイターが!」  ドワーフ「まぁた あの男、紫に光ってすぐ死におったわ…」

ファイター「……お、俺のことは気にするな! 全員で魔物を叩いて村娘どもを」

エルフ「あうっ」 ヴァンパイア「キィーッ!」ビシッ

ファイター「ぐわあああああぁぁぁ……」HP0

ロニ(旦那ェ……)

ファイター「み、みんな 無事か? 村娘たちも……」

ソーサレス「ええ、何とか無事よ。ファイター、あなたのお陰ね」

村娘「ありがとうございますぅー」

ドワーフ「礼なら酒で頼むぞ! ワシはもう酒に餓えたドワーフだ!ガッハッハッ!」

ファイター「良かったぜ……え、エルフは」

エルフ「うん」

ファイター「そ、そうか……俺も身を呈して守った価値があった……」

エルフ「ねぇ、エルフの友人。とても言いづらいことなのだけれど、この際言わせて欲しい」

エルフ「あなた、毎回死にすぎだと思う」

ファイター「  」

ドワーフ「うむ、それについてはワシも同じ意見じゃのう。大将、もっと体力つけんか!」

ファイター「  」

ソーサレス「ち、違うのよ みんな! ファイターは全員のダメージを……」

ファイター「いや、いいんだ。気にしないでくれ……ハハ」

エルフ「もっとがんばろう、エルフの友人!」

君は町へ戻ると さっそくロニに掴みかかった

ロニ「だ、旦那……分かっているよ……」

ファイター「……ロニ、お前いつからだ」

ロニ「つい最近の話さ。あの日は、ちょっと酒も入っていたから……魔が差して」

ファイター「良かったか」  ロニ「……良かったが「んあー」は止して欲しかった」

ファイター「……そうか。分かったぜ、ロニ」パッ

ロニ「旦那、いいのかい? 俺を一発殴るどころか切り刻んで魚のエサにするつもりじゃ」

ファイター「エルフちゃんはお前の女だよ。認めようじゃねぇか」

ファイター「俺も男だ。そしてみんなの盾なんだよ。……潔く引くしかねぇさ」

ロニ「あ、あんた」  ファイター「皆まで言うな、相棒」

ファイター「エルフは長寿だが、お前はジジイになっても一生お前が彼女の盾となってやれ……末永く幸せにな」トン

君は どこか吹っ切れた顔をして ロニから離れていった

ロニ「旦那……」

ロニ(エルフとはただの遊びだったって知ったら どう思うだろうか)

ファイター「……」ドン

ウィザード「……珍しく荒れているな。酔っているのか」

ファイター「ああ、今まで自分に酔っていたぜ。俺ならエルフと添い遂げることもできると信じていた…」

ウィザード「そうか。つらいな、良ければ私に愚痴ってみろ。気分も多少は晴れる事だろうさ」

ファイター「ウィザード……」

ファイター「俺は、あんたのことずっと陰気なナルシストとばかり思っていたがよぉ」

ファイター「すまなかったぜ……。あんたほど仲間のことを考えている奴もいない。カッコいいな」

ウィザード「フッ……誉めても何もでないぞ」

ファイター(マジでカッコいいじゃねぇか…)

ウィザード「女性を前にしての心得? 私は魔法については得意分野ではあるが、女性は苦手だ」

ファイター「冗談吐いてくれんな。お前ほどの色男ならば経験の一つや二つはあることだろうよ…」

ウィザード「お前は今までにそういうアレは?」  ファイター「皆無と言っていい。知っているのは母の裸一つだぜ」

ウィザード「…なるほどな。そうは思えなかったが、まぁ気にする必要もないだろう」

ウィザード「お前にもいつか良い女性が現れるさ。私が保障しようじゃないか……あそこのアマゾンとかは」

ファイター「止せ」  ウィザード「すまなんだ」

ファイター「俺はな、ウィザードよ。女ならば誰でも良いとかじゃねーのさ……エルフちゃんが良かったんだ」

ウィザード「確かにエルフちゃんはかわいい。リスもかわいい」 ファイター「あんたもイケる口かい?」

ウィザード「だが、ファイターよ。私もお前と同じ考えを持っているのだぞ。私が生涯愛する女性はたった一人だけさ」

ファイター「お前にもそんな女が……まさかエルフちゃんでは!」

ウィザード「違う。我が妹だ……」

ファイター「え?」

ファイター「イモウトってのはどこの女だ……町の娘か……」

ウィザード「生まれてこの方そんな抽象的名前の人間を見たこともないし、聞いたこともない」

ウィザード「『妹』と言えば、家族の妹のことを指すぞ……ファイターよ」

ファイター(な、なにを言っているんだこの男は)

ファイター「……妹が好きなのか、ウィザード?」

ウィザード「ああ、愛しているよ。とても大切に思っている」

ファイター(こいつは……まさか……)

ファイター「あんたにはウンザリしてきたところだぜ ウィザードッ!!」ドン

ウィザード「……? いきなりどうしたのかね。何をいきり立っている」

ファイター「最低だぜ、あんた! 実の妹をそんな目で……俺はそんなの認めねぇ!! あばよっ…」

ウィザード「……妹を愛していて何がおかしいのだろう。不思議な男だ」

ドワーフ「女ぁ!? ガッハッハ、ワシに女を紹介してくれるのか!大将!」

ファイター「……」

ドワーフ「だがのぅ……申し訳ないがワシにその気は起きん。正直言うとあまり興味が沸かぬのじゃが」

ファイター「いや、だからそういう話では―――何だって?」

ドワーフ「大将、耳を貸せ。もちっと近くに顔を……そそっ」 ファイター「お、おう」

ドワーフ「…ワシぁ男色好みじゃぞ」

ファイター「うおおぉぉっ!?」ビクゥ

ドワーフ「ガッハッハッハァーッ!! どうだ、驚いだろう!!」

ドワーフ「冗談、冗談…ドワーフなりのジョーク……どうじゃ 大将、今日一晩ワシの酒でも付き合え……」

ドワーフ「あり? 大将、どこに行きおった? おぅーい」

ドワーフ「まさか 奴さん…今の真に受けたわけじゃああるまいなぁ……ガッハッハ!」

ファイター「信じられねぇ、ドワーフのオヤジが……そんなバカな」

ファイター「まさか今までも俺たちを後ろから狙っていたのか!?」

ファイター「俺は魔物の攻撃から仲間を守るだけではなく、己のケツをも守らなければならないのか…」

ファイター「くそっ、俺の周りにはまともな奴はいねぇのか……それとも俺が一人狂ってやがんのか……」

アマゾン「何あんた、一人でブツブツ言ってるんだい? 気味悪いわよ?」

ファイター「お、お前か……」

アマゾン「らしくないじゃない。男ならいつでもシャキってしていな!」ドン

ファイター(男よりも男らしい女が言うと説得力が増す…)

アマゾン「ん? なんだい、まーだクヨクヨしちゃってさぁー……そんなあんたレイスと戦った以来だよ」

ファイター「レイスは仕方がないだろう……」  アマゾン「まぁ、そこは重ね同感ね」

アマゾン「どーれ! 少しあたしに話してみな! きっと悩みがあるんだろう?」

ファイター「この流れは既にウィザードとやった後なんだが」

アマゾン「はぁ?」

ファイター「……なぁ、アマゾン。お前は俺のことをどう思っている?」

アマゾン「どうってそりゃあ……紫に光って勝手に死んでる?」

ファイター「  」

アマゾン「アッハハハ!冗談よ!変に真に受けないで!」バンバンッ

ファイター「俺はお前をいつもグルグル回っているライダーキック女だと思っているぜ」

アマゾン「さ、最近気をつけているよ。許して……」

アマゾン「あんたはみんなの盾さ!いわばメインだね!」

ファイター「メイン盾……」

アマゾン「いつもあんたが光って、敵を引きつけたり、攻撃を受けてくれたりしてるの、あたしは知ってるよ」

アマゾン「だから安心してあたしも魔物を相手にできんのさ。感謝しているわ」

ファイター「お前……俺を見ていてくれたのか……! いつも迷宮内じゃ暴れっぱなしの、走りっぱだから俺はてっきり」

アマゾン「しつれいねぇ、ルーンとお宝のときは待つわよ」  ファイター「飯食ってる時も少し待ってほしいぜ」

アマゾン「ていうか、今の質問は何の意図があってのもの? …わかった。好きな女がいるんだろー?」

ファイター「ああ、撃沈した後だが」

アマゾン「Oh…」

アマゾン「相手は? まさか エルフ?」

ファイター「どうして分かるんだ、アマゾン」

アマゾン「女戦士の勘って奴。……ウソ、実はエルフからあんたについて先に相談された後なのよ」

ファイター「何ぃ!?」

ファイター「エルフちゃん……エルフは俺をどう言っていたんだ!まさか好意を持ち始めたか!」

ファイター「ハハーッ!! やったぜ、俺の勝ちだ ロニィーッ!!」

アマゾン「いや、自惚れるのは勝手だけれどね…」  ファイター「え?」

アマゾン「あんたさ……今はあまりエルフに関わらない方があんたの為よ。少し距離置いてからまた仲良くしましょう」

ファイター「待て……待ってくれ、アマゾン……言っている意味が理解できねぇんだ!」

アマゾン「ファイターこっちの椅子に座りな、今日はあたしが飯代出すから…」

ファイター「理解できねぇ……アレぇ……」

ファイター「俺は……俺はゲイザー以下のクソ野郎だ、ゲイザーのバカ野郎…」

アマゾン「元気だしなよ。エルフは結構気まぐれな奴なんだし、どっちみちあんたとはきっと反りが合わなかったよ」

ファイター「好きだったんだ」  アマゾン「うんうん、分かってるわ」ポンポン

アマゾン「別にいいじゃない。今は恋愛ごとよりも優先すべきものもあるでしょ?」

ファイター「まだ混沌の迷宮3階層で止まっている……」  アマゾン「そっちか」

アマゾン「じゃあこれからもみんなの盾としてしっかり頑張んなきゃねぇ、あんたは!」

ファイター「そいつは慰めなのか、どうなのか」

アマゾン「じゃあ、あたしそろそろ行くわ。……ねぇ、ファイター?」

アマゾン「あ、あたしで良ければ…仕方がないし あんたの女になってやっても構わないんだけど……し、仕方が無いからよ!慰めだから!」

ファイター「」チラ

アマゾン「うっ……な、何よ……///」

ファイター「アマゾン、お前 風呂に少し入ったらどうだ…腋臭 サイクロプス級だぜ…」

アマゾン「キエエェェエエーーーエエェッ!!」ブンブンッ

ファイター「」

アマゾン「あんたがそんなデリカシーのない男だと思ってもなかったよ!混沌の迷宮にでもどこでも行っちまいなッ!」

ファイター「わ、悪かったから……謝るぜ、アマゾン……」

アマゾン「もう知らないわよ!!」

アマゾンは 君を八つ裂きにして 竜の天国亭を後にした
突然、君の背後から 聞き覚えのある 忌々しい声が呼んだ

ロニ「旦那ァ、しばらく振りだな」

ファイター「ロニ……エルフとは調子はどうだ。俺は見ての通り最悪の絶好調にあるぜ…ハハッ」

ロニ(見る陰もなくなってきたわな)

ロニ「いいか、旦那。俺は確かにエルフとは仲良いが、もうそんな関係じゃ」

ファイター「止せぇ! もう、聞きたくないぜ……俺は諦めたんだよ……」

ロニ「まぁ、そう言わず元気出しなよ。ほら、ティキだって旦那のことを心配してこのザマさ」

ティキ「……Zzz」

ファイター「気持ち良さ気に寝ているが」 ロニ「空気読めねぇ妖精だ、相変わらず…!」

ファイター「なぁ、ロニ。俺もドワーフのオヤジのようにあっちの世界へ行ければ 楽になれると思うか?」

ロニ「何を言ってるかは分からんが、たぶんダメだ。あんた色々ダメになる…」

ファイター「ハハッ ロニ、お前どうだ?」  ロニ「何をだよっ…!?」

ロニ「腐るにはまだ早ェってば…あんた、兜取ればかなりの色男なんだぜ?」

ロニ「その甘いマスクで女どもはイチコロだ。ホント旦那にはもったいねぇー」

ファイター「だけどエルフを虜にできなかったぜ!?」

ロニ「エルフは俺の顔好みなんだろ?」

ファイター「……」  ロニ「旦那、ここは酒場だ。剣は止せ…ダメだって…」

ロニ「去り際にカッコいいこと言ったと思えば 完全に未練たらたらだ。旦那、あんたかなり情けないぜ」

ファイター「お前が俺からエルフを奪わなければ……はぁ、もういい」

ロニ「どうした……俺としても張り合いなくなってきたぞ? 大丈夫かよ?」

ファイター「なぁ、ロニ。エルフの里にはエルフちゃんのようなかわいい子が溢れているのだろうかな」

ロニ「あんた……まさか……」

ファイター「相棒、俺に付いて来い。宝探しの時間だぜ……!」

ロニ「いやぁ! そんなこと言ってもやろうとしてることは屑だぜ あんた!」

ロニ「つまりそれってよぉー、エルフ族なら誰でもいいって魂胆じゃねーか…」

ファイター「俺はエンシェントドラゴンをたった一人で潰した男だ……大丈夫だ……」

ロニ「聞いちゃいねぇよ この男……」

ファイター「そうと決まれば急ぐぜ、ロニ!俺たちの冒険は今日再び新たに始まる!」

ロニ「バカじゃないのか!?」

ロニは思った 君と出会い、手を組んだ記憶を消して真っさらになりたいと

ファイター「俺たち二人が組めば何も怖いものはねぇのさ。だろう? 相棒」

ロニ「よせって、今の旦那とは肩組み合いたくねーよ……」

ロニ「悪いが旦那、俺はそろそろあんたとは手を切らせてもらおうかと思い始めたよ」

ロニ「つまり……俺たちの旅の始まりじゃねぇ、あんたたった一人の旅が始まって、俺との旅はここで終わる」

ファイター「おい、何を釣れないことを言い出しやがる…ロニ…」

ロニ「俺とあんたとのコンビはここで終いだ。スッパリってな」

ファイター「ロニ…!!」  ロニ「コンビ解消! はい、コンビ死んだ!」

ロニ「いいかい旦那? 俺の中の輝いていた旦那は死んだ。いやー、女って怖ぇなぁ……人生狂わすんだもん」

ファイター「ロニ待て! 黙って俺の言うことを聞いておけ! 悪いようにはしないぜ!?」

ロニ「次に会うときは、お互い良い人生歩めてることを祈っておくぜ。教会にも行くよ、俺ァ……」

ロニは 君の前から姿を消した。どんな鍵をも開ける男の心を 君は施錠したのだ

ファイター「クリックしてもロニが出てこねぇ……」 ~(1P)ニア カチカチッ

サミュエル「本当にこの街を去るのか。お前は優れた戦士だったのに……惜しいな」

ファイター「新しい目標を、冒険を見つけたのです ギルド長。俺にこの街ですべきことは もう残されてはいない」

サミュエル「英雄は人知れず去る、か。いつの時代もそうだ。これからは寂しくなるぞ」

サミュエル「……もう何も言うまい。さぁ、古の竜を討ち滅ぼした 我々の誇るべき英雄よ……お前の新たな旅の無事をギルドは祈っていよう」

ファイター「ありがとう、ギルド長……。そして、さらばだ……」

こうして 君は所属していたギルドを自ら脱退し、街から飛び出そうとする

だが、突然 君を呼び止める女があらわれた

ソーサレス「ファイター……出て行くのね、この街を」

ファイター(弁当ババア……)

ファイター「こんな所で一人どうした。まさか俺を待ち伏せていたのか?」

ソーサレス「ええ、ごめんなさい。風の噂であなたが街から離れると聞いたら……いてもたっても いられなくなって」

ソーサレス「その様子を見れば分かるわ。噂は本当だったのね……」

ファイター「そうだ。俺はこの地を離れて、新たな冒険へ赴くぜ」

ファイター「夢があるんだよ……俺はその夢を諦めきれねぇんだ、だから追いかけに行き、この手で掴んでみせる!」

ソーサレス「そう……ロマン家なのね、嫌いじゃないわ そういう話」

ソーサレス「……ねぇ、ファイター。その冒険のお供に魔女はいかが?」

ファイター「は?」  ソーサレス「私を連れていかないかしら」

ソーサレス「そ、そりゃあ いつも食べ物を出すぐらいしかサポートできない出来そこないの魔女だけれど」

ソーサレス「あなたの為なら、私は全力で努力するし、役に立ってみせる! きっとかならずよ!」

ソーサレス「だ、だから……お願い」 ファイター「……」

ファイター(動くたびに胸が弾んでいる…)

ソーサレス「後悔はさせないから! 私、あなたが好きなのよ ファイターのことが……!」

ファイター「なにっ…どうしてだ!? お前、今までは俺のことをそんな風に見ているようには感じられなかったぜ!?」

ファイター「最近だ……つい最近……お前から熱烈な眼差しを背中に感じるようになって……」

ファイター「はっ」

ファイター「弁当バッ…ソーサレスッ!! 俺のどこが好きなのか言ってみろッ!!」

ソーサレス「顔♪」ニコ

ファイター「……」

ソーサレス「兜を取ったあなたの素顔が あんなに良い物だったなんて想像もしなかったわ、私」

ソーサレス「あなたのような人に私、目が無いの……。ねぇ、私たち上手くやっていけそうよ? このまま過程飛ばして結婚もいいと思うっ」

ファイター「そうすれば、お前の体を俺が滅茶苦茶にしても良いってかい」

ファイター「帰れハーピーも食わねぇ雌犬が!! 一瞬でもお前に心揺らいだ俺が阿呆だったぜ!!」

ソーサレス「えぇー……///」

ソーサレス「…ねぇ、ファイター。またあなたに会えるかしら。付いていけないのなら、いつかは何処かで顔を会わせるだけはしたいわ……」

ファイター「どうだろうかな。俺としては二度とそうするつもりはねぇ……!」

君はソーサレスに別れを告げ、新たな冒険へ旅立った

君が旅立ち 数ヶ月のときが経った。街はビビアン王女や冒険者ギルドのお陰もあって、豊かに、平和な時が訪れている

だが、冒険者たちは 平和を元も子もせず 変わらぬ日々を 過ごしていたのだ

ドワーフ「だいぶ深いところまで潜れたようじゃのう。皆、気を抜くにはまだ早いからな」

ソーサレス「問題ないわ。私たちも素人じゃないもの、迷宮に入って油断するなんてヘマはしない」

ウィザード「……アサシンには遭遇したくないものだ。厄介極まりない」

アマゾン「この辺りの人骨は全てアサシンどもに殺られた冒険者たちのものかもしれないねぇ、怖い怖い」

ロニ「ひぇー……ゾッとしねぇや」

ウィザード「丁度いい。ソーサレス、お前の魔法でここらの骨を味方に加えてはくれないかね?」

ドワーフ「それがいい! ワシらの負担が少しでも減るってならぜひお願い頼む!」

ソーサレス「えぇ……仕方が無いわね、でも全部は無理。二つまでよ? どれか良さ気な遺体はある?」

アマゾン「コイツなんかどうだい? あたしたちの良い盾になってくれそうだ」

遺体『エルフちゃんのムレムレブーツに顔突っこんで死にたかった』

ロニ「ん?」 

ウィザード「ロニ、どうした? 何か問題でもあったのか」

ロニ「……い、いやぁ、別に……何でもねぇよ」

ソーサレス「この骨でいいわね? じゃあ始めるわよ、強い戦士ができますように!」アニメイト

アマゾン「さっ、このまま次の階層まで突っ切るわよ!」

骨戦士(ファイター)『カタカタカタ……』

ロニ(旦那、今頃はエルフの里にいるのかねぇー……元気してるといいが)


君の冒険はここで幕を閉じたようだ。あの日の英雄は静かに去ってゆく   END

お前ら、俺のエロフの遺骨を見かけたらよろしく頼むよ
じゃあな

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