久「竹井久の計画」 (23)

【清澄高校 麻雀部部室】

久「…………」

久(インハイが終わって数日……取材やらなんやらで慌ただしかったけどやっと落ち着いてきた)

久(そろそろ、私の計画を実行に移す時ね)

久(よし。そうと決まれば、早速ターゲットに電話よ)ピピピ...プルルルル..ガチャ

久「あ、もしもし?私……うん……実は用事が出来ちゃってさ、今日ちょっと部室まで来てくれない?」

久「……うんうん。休みなのにごめんね……あはは、ありがとう。じゃあ待ってるわね」ピッ..

久「…………」

久(呼び出してしまった……もう後戻りは……いや、まだ出来るけど、このまま突っ走るわ!)

久(今日は学校が休みだから校舎内にいる人はかなり少ないし、この機を逃すわけにはいかない!)

久(神様。どうか……私の計画が成功しますように……)

20分後―――

ガチャ!

優希「ぶちょー!おはよーだじぇ!!」

久(来た!!)

優希「途中でノドが渇いたからジュース買ったじょ!部長も飲むか?」

久「あ、ありがとう。いただくわ」

久(優希、優しい……こんな優しい優希に私は……でも……)

優希「部長?」

久「え?ああ、いただきます」ゴクゴクゴク..

久(……いえ、もう決めたこと…………迷いは捨てる!)カッ!

優希「ところで、私にしか任せられない用事ってなんだじょ?」

久「それは…」

優希「タコスのレシピを後世に残すためのレシピ作成か!?」

久「……違うけど、タコス関係よ」テクテク..

ふむなる

優希「おおっ!さすが私!タコス絡みでは鋭いじぇ!!」アハハハ!

久「……そうね」ガチャリ(部室のドアの鍵を閉める)

優希「それで、タコスの何をどうするんだじょ?」

久「…………」テクテク..

優希「?」

久「………っ」(ベッドに腰掛ける)

優希「部長?」

久「優希は……タコスが……す、好きよね?」

優希「?もちろんだじょ」

久「タコスがあったら、絶対食べるわよね?」

優希「うん」

久「………………」ドキドキドキ..

久(ええいっ!計画実行!!)

wktk

久「じゃあ……食べて」スルッ!

優希「え!ストッキングを足元まで下げ……ええっ!?」

久「っ!」バサッ!

優希「ぶ、部長!?ど、どうしてスカートをめくるんだじょ!?」

久「…………///」

優希「あわわわ……一体何が……」

久「ちゃんと……見て///」

優希「見て、って………………な、何だこれ?マジックでなんか書いて…」

久の太もも『股間にタコス封入』

優希「………………え?」

久「私の……その…………中に…………タコスが入っちゃったみたい」

優希「え?…………………………え?」

久「だから…………優希の口で……な、舐めて……///」

優希「………………」

久「………………///」

優希「そ、それは……」

久「……嫌、なの?」

優希「え、ええと……」

久「じゃあ……あの時の優希は嘘をついていたの?」

優希「あの時?」

久「準決勝先鋒戦が終わった時に『部長の言うことは絶対だじぇ。言いつけは守るじぇ』って言ったじゃない」

優希「…………」

久「だったら……今回のも守ってよ……わ、私の中のタコスを……舐めて」

優希「…………そ、その……今日はタコスの日じゃないというか……日を改めて……」

久「……優希、見て」クルッ

久のお尻『タコスの賞味期限 本日のみ』

優希「…………」

久(これで……優希は私のお願いを断れない。私の計画は成功し、優希と恋人同士になる……)

優希「わ、わかったじょ…………言った事は守るじぇ」スーッ..

久「!」

久(計画通り。あとはこのままなし崩しに肉体関係をもって……)

久「……………………」

久(本当にいいの?…………こんなきっかけで優希と付き合って、私はそれでいいの……?)

優希「ぶちょータコス……い、いただきまー……」

久(…………違う!こんなの恋人同士じゃない!)バサッ!

優希「わぶっ!な、なんだじょー!?シーツが……前が見えないじょ~!!」

久「…………優希、ごめんね」スカート モドシ

優希「え?」バサッ

久「私が間違ってた……こんな………優希が私を信頼してくれてるのをいい事に、ク○ニを強要するなんて……ひどいわよね」

優希「部長……」

久「もし本当にク○ニをしてほしいなら、こんな汚い手段を使わずにお願いすればいい。ク○ニして!ってさ」

優希「…………どうして」

久「……え」

優希「どうしてこんなことをしたんだじょ……」

久「…………ふふっ、単純よ。ク○ニしてほしかったから」

優希「違う」

久「えっ?」

優希「私にはわかるじょ。だから答えてほしいじぇ!どうして……私なんだじょ……」

久「それは……」

優希「…………」

久「………………」

優希「…………」

久「……それも単純よ…………好きなの……私は、優希のことが好き」

優希「!!」

あたまおかしい

久「ずっと前から優希のことが好きで……優希と恋人同士になるために動いてきた」

優希「動いてきた?」

久「……そうよね。無理矢理ク○ニさせようとした罪は、ク○ニで償うべきだけど、恋人以外にク○ニされるなんてク○ニ損よね。じゃあク○ニじゃないけど口を使って説明するわ」

優希「う、うん」

久「私は……初めて見た時から優希に惹かれた」

久「両親の離婚や、清澄の麻雀部で人数が集まらないことでやる気をなくしていた私を、優希の明るさが救ってくれたから……」

優希「…………」

久「だから私は、優希がほしくなった。優希と恋人になりたい、そう思った」

優希「っ」

久「……優希が好きになる人間、優希に恋愛感情を向けるかもしれない存在を排除しようとした」

優希「え」

久「最初は和。中学時代に、優希の嫁になってもいい発言をしたと聞いて、これは見過ごせないと思ったわ」

優希「あー……そういえばそんな話もあったじょ……」

久「だから私は和と須賀君をくっつけるために『同じ学年なら名前で呼び合うべきだ』と適当な理由をつけて下の名前で呼ばせようとした。和は拒否したけどね」

優希「なんと……じゃあ『私も1年だじぇ!』って割り込んだ時、部長は……」

久「……正直、舌打ちのオンパレードだったわ。優希がいないタイミングを見計らって話せばよかったと後悔した」

優希「おぉう……ごめんだじょ……」

久「いいの。結果的に和は排除出来たから」

優希「咲ちゃんだじょ?」

久「ええ。咲の3連続プラマイゼロは麻雀をやる者にとってはかなりの衝撃。だから、和のプライドを刺激してけしかけたの」

優希「『圧倒的な実力差』だったっけ?」

久「そう。結果、和は咲を意識し、そして親密になり、絡めた指を舐めたり休憩室で布団をくっつけて寝たりとやりたい放題……和と咲は排除完了」

久「残るは須賀君とまこだけど……須賀君はお姉さん好きが判明したこともあって安牌」

優希「確かに」

久「まこを残しておいたのは、優希が方言娘を大好きだった場合のため。まこと優希の会話を注意深く聞いても、方言に萌えていた様子はない。となれば安牌」

優希「染谷先輩は結構美人で優しいじょ。それでも安牌?」

久「ええ。昔まこの実家を手伝った際に、まこの部屋に盗聴器を仕掛けて入手した、まこが作詞作曲したらしいロックテイストのオリジナルソングのmp3ファイルが私の手元にある以上、逆らえないからね」

優希「それは恥ずかしいじょ……」

久「これで外堀は埋めた。残るは優希の気持ちを私に向けるだけ……そのためにはなんでもやるつもりだった」

久「まず、合宿所では優希が大好きな足袋ソックスを配置し、割れ目を擦らせた」

優希「なんと!あれは部長の手配だったのか!」

久「ええ。そして副会長に『小さい女の子と大きい女の子の写真を撮る時は、片方が見切れようが小さい子をメインに写しなさい』と教えた上でロリコン疑惑の噂を校内に流し、優希からの悩み相談を待った」

優希「そうだったのか?噂は知ってるけど、相談とか全然思わなかったじょ」

久「そして福路さんと中学時代に対戦していたことに気付いた私は、あえて知らんぷりをし、福路さんからの熱視線を受ける私を優希に見せ、嫉妬心を煽ろうとした」

優希「今言われて初めて知ったじょ。熱視線を送ってたのか」

久「そう、優希は全く気付かなかった……」

久「だから合同合宿でも、策を練った」

久「一晩にしてゆみと下の名前で呼び合うことで、私とゆみの仲を勘ぐる、私を下の名前で呼びたくなる、『このコミュニケーション力で合同合宿を成功させたんだ』と思わせる、という一石三鳥作戦を実行した」

優希「楽しかった思い出しか残ってないじょ」

久「……そう、全く効果なしで落ち込んだわ」

優希「あ……ご、ごめんだじょ」

久「インハイが始まってホテルに泊まってる時も、これからどう挽回するかを考え続けた……そのせいで2回戦は寝不足で頭が働かず、姫松にいいようにやられてしまった」

優希「そうだったのか…」

久「でも……この頃になると優希が私を信頼してくれていると感じられた。だから、私は迷ったの。毎晩私を想像しながらオ○ニーすると雀力が上がると嘘を教えようかどうか……」

優希「それはさすがに嘘だと気付くじぇ」

久「ええ。私もそう判断した。だからやめたわ……それで今に至るの」

優希「…………」

久「……間違いなく成功すると思った。優希は準決勝を経て、私に絶大な信頼を寄せてくれたから」

優希「うん、その通りだじょ。今だってそうだじぇ。だから部長のタコスを舐めようとした。なのにどうして……途中でやめたんだじょ」

久「……良心が痛んだのよ。騙クンしていいのかってね」

優希「?だまくん?」

久「ああ、騙してク○ニさせるの略よ」

優希「なるほど」

久「……とにかく、優希に騙クンさせるのは嫌になったの。本当に直前も直前だったから、嘘と思われても仕方がないけどね」

優希「……いや、信じるじょ」

久「ありがと」

優希「…………」

久「…………さて、じゃあ私はもう行くわ」

優希「行くって……どこに?」

久「優希のご両親のところよ」

優希「え?」

久「驚くことないわ。娘さんに騙クンしようとしたんだもの、ご両親に謝罪しないと。『おたくの娘さんに騙クンしようとしました』ってさ」

優希「そんな……」

久「まだ心配してくれるの?ありがとう。でも、もういいのよ。私の勝手な片想いが色んな人を傷付けてるんだから」

優希「…………」

久「副会長は、子供たちの集まる公園には立ち入り禁止だし、児童館の前も通れない。県内じゃ遊戯王カードも買えないみたいよ」

優希「…………」

久「……全部話したのは、罪滅ぼし。優希に嫌われることで私は新しく生まれ変わるのよ。卑怯なことをせずに、恋愛をするようにね」

優希「…………」

久「それじゃあね」テクテク

優希「……部長は勝手だじょ!!」

久「!」

優希「勝手に1人で話して……勝手に結論を出して……勝手すぎるじょ!」

久「……そうね」

優希「部長は……私がどうして毎日タコスを食べるか、知ってる?」

久「ええ。大好きだからでしょう?」

優希「もちろん好きだじょ。でも、それだけじゃない!」

久「えっ!?」

優希「……部長が……部室でオ○ニーした時のエッチな匂いを消すためだじょーーーーー!!!!!」

久「!!!!!!」ガガガッガーーン!

優希「タコスのソースの匂いで……部室に漂う部長のオ○ニーの証拠を隠滅したんだじょぉおお!!」

久「じゃ、じゃあ……私が優希を想ってしてたのを……」

優希「……知ってたじょ」

久「でも……優希の態度は全然……」

優希「最初は戸惑ったじぇ……でも私だって女の子。足袋ソックスで……したりする日もあったじょ」

久「!!!!」

優希「だから……部長もそういうことをするって知って、嬉しかったじょ!家に帰ってカレンダーに印をつけたくらいだじぇ!」

久「優希……」ウルウル..

優希「それからというもの、タコスの味はエッチな部長の味に思えた。かぶりつくたび……ドキドキしたじょ」

久「優希っ!!」

優希「部長が格好良くしてればしてるほど、タコスが美味しいんだじょ~~~~~!!!!」

久「優希ぃっ!!!」

優希「部長…………好きだじょ!!」

久「私も!好き!!」







久(私たちは……遠回りをしてきたのかもしれない……)

久(最初から自分の気持ちに素直になっていれば、もっと早く結ばれていた気がする)

久(でも、そんなことどうだっていい。今は……優希と一緒にいられる喜びを…)

久(そして、これから先も優希と一緒に生きていける幸せを噛みしめよう……―――)

翌日

久「ってなわけで、優希と恋人同士になりました~♪」

優希「わーい!」

まこ「……正直、意味がわからん」

久「え?ど、どうしてよ」

まこ「恋は盲目と言うが、見えてないにもほどがあるじゃろ。バカップルがアホな価値観でアホな会話しとるようにしか聞こえんわ」

久「うーん、心外だわ」

まこ「まあ、ええ。で?わしに話って何じゃ」

久「あ、そうそう。私と優希の愛の歌をまこに作って欲しいのよ」

まこ「人の隠してた趣味を勝手に調べておきながらよく言うのぉ」

久「ええ。でもまこの歌は好きだから。お願い」

まこ「ふん……わかった」

優希「おお!さっすが染谷先輩だじぇ!」

まこ(……わしの恋は終わった……優希、部長を頼む)

1年後―――

【清澄高校 体育館】

観客「」ガヤガヤガヤガヤ..

まこ「……次が最後の曲じゃ。文化祭を締めくくるにふさわしい曲…」

観客「きゃー!まこロックさーん!」

まこ「こりゃぁ、わしの好きな人の恋愛を綴った曲じゃ」

まこ「今思い出しても胸が苦しゅうなるが、それでも忘れとぉなぃんじゃ」

観客「」グス..マコロックサン..

まこ(部長、どこかで聞いとってくれとるやろか?)

まこ(………いや、どちらでもかまわん。わしゃぁただ歌うだけじゃ)クスッ

まこ(ここであんたの曲を歌い終えたら、わしゃぁ新しい恋を求めて動き出す!)

まこ「…………それじゃ行くぜ!最後の曲……」

まこ「部室とク○ニとタコス!!」

観客「」ワァーーッッ!!!

終わり

以上
下品ですまん

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