霞「いわとかすみ、10歳です!」京太郎「えっ!?」 (178)

代行やで~

京太郎「さて、買い出しは大体こんなもんかな」

京太郎「にしても、色々見てたらすっかり遅くなっちまったぜ」

京太郎「部長、怒ってるだろうな……」

京太郎「まあ、丁度100円セールしてたドーナツ買っといたから、これで何とかなればいいんだがな……」

霞「……」キョロキョロ

京太郎「んっ? あのおもちは……確か二回戦で咲と打った……そうだ、石戸さんだ」ポン

京太郎「うーん、間近で見ると、やっぱ迫力あるよな……」

京太郎「それにしてもどうしたんだ? まさか迷子になってたりして」

京太郎「なんてな。咲じゃあるめえし、そんな訳ない――」


霞「ふえぇぇぇええええええん、迷子になっちゃったよおおお!!!」ビエーン


京太郎「嘘!?」

霞「初美お姉ちゃん!! 巴お姉ちゃん!! 助けてええ!!!」ビエーン

京太郎「な、な、なんだってんだ!? 石戸さんってあんな感じの人だっけ!?」

京太郎「対局見た時は、もっと落ち着いた、大人の女性って感じだったが……」

霞「うえぇぇぇええええん!!!」グスグス

京太郎「んな事言ってる場合じゃねえ!! 大丈夫ですか、石戸さん!!」ダッ

霞「ふぇっ、お、お兄ちゃん誰?」

京太郎(お、お兄ちゃん!?)

京太郎「あの、道に迷ったんでしたら、俺が協力しますよ?」

霞「ひっく、で、でも、巴お姉ちゃんが、知らない人には、ついて行っちゃダメって」グスリ

京太郎「あっ、俺清澄の学生です!! ほら、石戸さんが二回戦で戦った宮永咲と同じ学校の!!」

霞「宮永咲……? あっ、もしかして嶺上のお姉ちゃんのこと!?」

京太郎「そうです、その宮永咲と同じ清澄の学生です! ほら、学生証」ピラッ

霞「本当だ、清澄って書いてある……」

京太郎「だからそんなに警戒しないで下さい」

霞「うん、分かった」

京太郎「ほっ。それで石戸さん、どこに向かってたんですか?」

霞「えっとね……ドーナツ屋さんに向かってたの」

京太郎「ドーナツ屋ですか?」

霞「うん。小蒔ちゃんが甘いの食べたいって言ってたから、買って来ようと思って……」

京太郎「それで道に迷ってしまったんですか」

霞「ねぇ、なんでお兄ちゃんそんな丁寧なしゃべり方してるの?」

京太郎「えっ、だって俺の方が年下ですし……」

霞「えー、お兄ちゃんの方が年上だよ!!」

京太郎(あれ? 確か石戸さんって高校三年生だったような……)

京太郎(それにしても、石戸さんって、大人の女性っていうか、子供って感じだな)

霞「ねぇねぇお兄ちゃん」グイグイ

京太郎「んっ? なんですか?」

霞「お名前教えて」

京太郎「あっ、そういえば自己紹介してませんでしたね」

京太郎「俺、須賀京太郎って言います。清澄高校の一年です」

霞「京太郎お兄ちゃんか……よろしくお願いします!!」ペコリ

京太郎「は、はい……」

京太郎(おかしい……おかしすぎるぞ……どう考えてもこの感じは天江さんと同じだ……)

霞「私は、石戸霞です!!」


霞「いわとかすみ、10歳です!」

京太郎「えっ!?」


霞「えへへ……ちゃんと自己紹介できた」

京太郎「」

京太郎(えっ、嘘だろ?)

京太郎(いやいやいや、冗談きついって)

京太郎(ドッキリなのか!? ドッキリだと言ってくれよ!!)

京太郎(こんな見事なおもちを持った女性が、10歳なんてことある訳がないぜ!!)

霞「京太郎お兄ちゃん? どうしたの?」

京太郎(いや、ちょっと待て)

京太郎(冷静に考えたら、まず10歳はないだろう)

京太郎(これが石戸さんの本来の姿、これもないだろうな)

京太郎(だとしたら考えられるのは……幼児退行!!)

京太郎(それならばすべて辻褄が合う……ふっ、見事な推理だな俺)

京太郎(だがちょっと待て……それなら早く、石戸さんと同じ学校の人に知らせないと!!)

京太郎「石戸さん!」

霞「霞ちゃん」

京太郎「はい?」

霞「霞ちゃんって呼んでくれなきゃ、やっ」プイ

京太郎「え、えっと……」

京太郎(年上の女性の名前をちゃん付けで呼ぶのは恥ずかしいな……)

京太郎「か、霞さん」

霞「『さん』じゃない!! 『ちゃん』!!」

京太郎「は、はい! か、霞ちゃん……////」

霞「なあに、京太郎お兄ちゃん」ニッコリ

京太郎(か、可愛え!!!)キュン

京太郎(って、ときめいてる場合じゃねえ!!)

京太郎「あの、霞ちゃん。霞ちゃんの泊まってる場所って分かりますか?」

霞「泊まってる場所? えっとね、確か○○旅館って所」

京太郎「○○旅館か……(スマホで検索中)よし分かった。ココなら近いな」

京太郎「霞ちゃん、今から○○旅館に戻りましょう」

霞「で、でもドーナツまだ買ってない……」

京太郎「ドーナツか……そうだ、俺が買ったやつあげますから!」

霞「いいの!? ありがとう、京太郎お兄ちゃん!!」

京太郎「だから早く戻りましょうね!!」

霞「うん、分かった」

京太郎(少しでも早く知らせないと。病院にだって行かないといけないしな)

――――――――――

京太郎「もう少しで着きますからね」

霞「ドーナツ、ドーナツ、ドーナッツ♪」ルンルン


?「霞ちゃーん!! 霞ちゃーん!!!」


京太郎「あれ、石――霞ちゃん呼ばれてないですか?」

霞「あれ、本当だ」

?「霞ちゃーん!! どこにいるの!!」

霞「あっ、巴お姉ちゃんだ!! 巴お姉ちゃーん!!」タッタッ

巴「霞ちゃん!? 良かった無事で」ホッ

霞「うん、無事だよ」

巴「もう! 一人で外に出ないでって言ったじゃない!!」

霞「ご、ごめんなさい……」シュン

京太郎「あの、すいません……」

巴「えっと、あなたは……?」

霞「京太郎お兄ちゃんだよ!! 私をここまで連れてきてくれたの」

京太郎「どうも、須賀京太郎って言います」

巴「そうでしたか。ありがとうございました」ペコッ

京太郎「いえ、気にしないでください! そ、それより大変なんです!!」

京太郎「石戸さんがなんか子供みたいになっていて、幼児退行してしまってるんですよ!!」

巴「幼児退行……? あぁ」

京太郎「だから早く病院に行かないと、取り返しのつかないことに!!」

巴「いえ、その必要はありません」

京太郎「必要がないって、そんな訳ないじゃないですか!! 現に石戸さんは10歳って――」


巴「ですから、霞ちゃんは、正真正銘10歳なんです」

京太郎「」

な、なんだってー?!

巴「団体戦も終わりましたし、お話します」

巴「私たち永水高校は、実はメンバー不足で本来なら団体戦には出られなかったんです」

京太郎「そんなはずないですよね? 永水は昨年のベスト4ですし、部員不足なんて……」

巴「学校は有名になっても、元々うちは麻雀に興味を持ってる生徒が少なかったんです」

巴「加えて永水は巫女や神道系が専門ですので、麻雀部に入る為に受験する人もいないんです」

巴「幸い部員は本家である小蒔ちゃん……姫様と分家の者たちでなんとか団体戦に出場できる数は揃っていました」

巴「しかし県大会のメンバー申請の直前に出場予定の部員の子がケガで入院してしまい、その子が出場ができなくなりました」

京太郎「で、でも他の分家の方や分家以外の部員がまだいるのでは?」

巴「いえ、他の分家の子は中学生、そして小学生の霞ちゃんですから、分家で出れるのは私たち三人だけでした」

巴「分家以外の麻雀部員も、入院中の子以外にはいないので……」

京太郎「人数ギリギリとか、ウチみたいですね」

京太郎「それで、なんで石戸さんが出場することに?」

巴「先ほどもお話した通り、本来なら団体戦は出れないため、個人戦のみに出場する予定でした」

巴「しかし、霞ちゃんがエントリー用紙に自分の名前を書いてしまい、そのまま出してきてしまって……」

京太郎「……それで石戸さんが出場することになったと」

巴「はい……」

霞「てへ」ペロ

巴「申請されたことに気づき、出場を辞退しようにも、周りが永水の団体戦出場で盛り上がってしまい……」

巴「今更辞退するとも言えず、やむなく霞ちゃんを高校生として出場させることになりました」

京太郎「いや、普通に違反ですよねそれ」

巴「はい……ですのでこの事は内密に……」

京太郎「まぁ、事情は分かりましたので、黙っときますけど……」

京太郎「ところで、石戸さん対局中とずいぶん雰囲気が違いませんか?」

巴「いくら見た目が大人でも、中身は子供ですからね。そのまま出したら違和感が出て、そこからバレる可能性がありましたから」

巴「全国大会までに徹底的に見た目に合った話し方、仕草、立ち振る舞いを教え込みました」

巴「幸い、県予選は霞ちゃんまで回ることなく終わりましたので、なんとかなりましたが」

京太郎「でも、今はそんな感じはこれっぽっちもないみたいですが……」

巴「そうなんですよ……出来れば個人戦が終わるまではバレないように演技してもらいたかったんですけどね」

巴「団体戦を敗退した後に、その演技を続けるよう言ったら――」

霞『やっ!! あれ疲れるからもうやだぁ!!』

巴「――こんな感じで嫌がってしまい、極力人前に出さないようにしてたんですが……」

巴「姫様が甘い物を食べたいと言うのを聞いて、自分が買ってくると飛び出してしまい……」

京太郎「それで迷子になったと。なるほど」

京太郎「うーん、でも本当に石戸さんが10歳だなんて、正直信じられませんね……」

巴「当然でしょうね」

京太郎「見た目はもちろんですけど、何よりあのおもちが……」

巴「小学生であれですから、末恐ろしいですよ。まったくもって羨ましいです」

京太郎「でも10歳にしては、少し子供っぽ過ぎませんか? ほら、しゃべり方とか仕草とか」

巴「そうなんですよ。見た目は大人、頭脳は幼児って感じなんです」

京太郎「それなんて小学生探偵ですか? 逆ですけど」

巴「ともあれ、大事になる前に霞ちゃんが戻ってきてくれて助かりました。本当にありがとうございます」

京太郎「気にしないで下さい」

巴「お時間あればお茶でもどうですか? 炎天下歩かれてお疲れでしょうし、お礼も兼ねてどうですか?」

京太郎「いいんですか? それじゃいただきます」

京太郎(ん? 何か忘れてるような……どうせ大したことじゃねえし、いいか)

霞「京太郎お兄ちゃん、一緒にドーナツ食べよ!!」キャッキャッ

京太郎「あ、ああ。いいよ石――霞ちゃん」

霞「やったっ!!」

京太郎「……」

京太郎(話を聞いた後だと、本当に10歳なんだなって思うわ……見た目以外は、だけどな)

永水高校 宿泊部屋


巴「ただいま戻りました」

初美「あっ、巴ちゃん丁度よかったのですよー!!」

巴「どうしたの、ハッちゃん?」

初美「姫様が迷子になった霞ちゃんを探そうと、神様を降ろそうとして……」


小蒔「……」ゴゴゴゴゴッ


初美「間違って全く関係のない、強力な神様を降ろしてしまったのですよー!!」

巴「あぁ、これはマズイわね……」

霞「うわっ、小蒔ちゃん大変!!」

京太郎「一体全体どうなってんだよ!!!」

初美「祓おうにも、巴ちゃんじゃないと無理で、連絡しようとしてたところなんですよー!」

巴「分かったわ、今すぐ祓うわ。ごめん須賀君、少し席を外してくれるかな?」

京太郎「えっ、いいですけど、なんで?」

巴「神様を祓う時は、対象者が一糸纏わぬ姿でないと出来ないので……その……」

京太郎「一糸纏わぬ姿って……裸!? す、すいません、すぐ出て行きます!!////」ダッ

霞「京太郎お兄ちゃん、顔真っ赤っかだったね」

巴「まあ、健全な男性でしたら当然の反応だと思いますが」

初美「そんな呑気に話してないで、早く姫様を戻して下さいよー!!」

巴「そうだったわね。それじゃいくわよ!!」

――――――――――

巴「……ふぅ、祓いました」

小蒔「……あれ、私……」ポー

霞「小蒔ちゃん元に戻った!!」

小蒔「あっ、霞ちゃん……良かったです、無事帰ってきてくれて」

霞「もう、みんな心配し過ぎ!! 私一人で大丈夫だもん!!」プンプン

巴「迷子になって須賀君に連れてきてもらった子の言う言葉ではないですね」

初美「かーすーみーちゃーん」ゴゴゴ

霞「はぅっ!! は、初美お姉ちゃん……?」カタカタ

初美「今日という今日は許さないのですよー」ゴゴゴ

霞「と、巴お姉ちゃん!! 初美お姉ちゃんに憑いてるモノも祓って!!」

巴「残念ながら、私には祓えないですね」

霞「嫌あぁあああ!!!」

京太郎(……俺は、今不思議な光景を目にしている)

初美「まったく、霞ちゃんの軽はずみな行動で、一体どれだけみんなが心配したと思ってるんですかー!!」ガミガミ

霞「ごめんなさーい!!」グスグス

京太郎(それはまるで、娘に怒られて正座で大泣きしてる母親のような、そんな光景だった……)

巴「すいません、お待たせしてしまって」

京太郎「いえ、それはいいんですが……あの、お聞きしますが、あの子も10歳ってことは……」

巴「残念ながら、ハッちゃんはれっきとした高校三年生です」

京太郎「マジかよ……」

初美「それに、もし霞ちゃんの正体がバレれば、姫様に迷惑が掛かるんですよー!!」ガミガミ

霞「うぅ……分かってますぅ……」グスリ

初美「失礼したのですよー。霞ちゃんを助けてくれて、ありがとうなのです」

小蒔「元を正せば、私が甘い物を食べたいなどと言わなければ……」

初美「いえ、姫様は悪くないのですよー。……悪いのは、自分勝手な行動をしたこのおバカさんなのですよー」ギロッ

霞「ひうぅっ!! きょ、京太郎お兄ちゃん助けて!!」ムニュルン

京太郎「ちょ、か、霞ちゃん!? お、おもちが……溢れんばかりのおもちが俺の腕にいぃい!!!////」

巴「霞ちゃん、須賀君が困ってるから離れなさい」クイ

霞「巴お姉ちゃんまでいじめる」ブー

春「……ドーナツ美味しい」モグモグ

初美「……はるる、いつ戻ってきたんですかー?」

春「……霞ちゃんが怒られてる途中くらい……かな?」

巴「そういえば祓ってる時にいなかったわね」

春「……黒糖、切れたから買いに行ってた」

巴「それよりドーナツって、買ってきてないはずよね?」

霞「あっ、それ私が小蒔お姉ちゃんの為に買ってきたんだよ!」

初美「ふーん、霞ちゃんがですかー」

霞「すごいでしょう!!」フフン

初美「お金も持たずに、どうやって買ってきたんですかねー?」

霞「あっ……」

京太郎「あー、それ俺があげたんですよ。丁度買ってたんで」

巴「そうだったんですか。すみません、代金は支払いますんで」

京太郎「別にいいッスよ、こんくらい」

初美「それにしても、貰った物を自分で買ってきたなんて嘘付くなんて、霞ちゃんー」ゴゴゴッ

霞「ひゃっ、ご、ごめんなさい!!」

京太郎「神代さんの為に買いに行ったんですから、自分の手で買って渡したかったんですよね、霞ちゃん?」

霞「京太郎お兄ちゃん……」

京太郎「そういうことですから、薄墨さん、霞ちゃんを怒らないであげて下さい」

初美「まぁ買ってきてくれた須賀君がそう言うのでしたら、いいですけどー」

京太郎「ありがとうございます。良かったですね、霞ちゃん」

霞「京太郎お兄ちゃん、ありがとう!! 大好きー!!!」ダキッ

京太郎「だ、だからお、おもちがあぁあ!! たわわに育ったおもちが当たるううう!!!////」

巴「はいはい、離れましょうね」グイ

霞「ぶーぶー」

初美「気になったんですけど、須賀君はどうして霞ちゃんに敬語使ってるんですかー?」

京太郎「えっ、それは……いくら実年齢が10歳でも、この見た目の相手にタメ口なのは、どうも抵抗がありまして……」

初美「名前は『ちゃん』付けなのにですかー?」

京太郎「そ、それは……か、霞ちゃんって呼ばないと話してくれなかったので……」

初美「なるほどなのです。でも少しずつでいいので、普通に話してあげて下さいねー」

京太郎「努力します」

小蒔「ところで京太郎さん。何か他に用事があったのではないですか?」

京太郎「? いえ、別に」

小蒔「そうなんですか? 持ち物が何やら買い物に行かれた後のような気がしましたので」

京太郎「買い物…………!?」ハッ

京太郎「し、しまった!! 買い出しの途中だったのすっかり忘れてた!!」

京太郎「す、すいません。俺帰ります!!」

霞「えー、京太郎お兄ちゃん、もう帰っちゃうのー?」

京太郎「ご、ごめんなさ――ご、ごめんね霞ちゃん」

霞「……また遊びに来てくれる?」

京太郎「ああ、また遊びに来るから」

霞「本当!? 約束だよ!!」

小蒔「今日は霞ちゃんを助けて下さって、ありがとうございました」

巴「気を付けて帰ってくださいね」

初美「いつでも遊びに来て下さいねー」

春「……久によろしく」

京太郎「はい! それでは失礼しますね!!」

清澄高校 宿舎


久「すーがーくーん」ゴゴゴ

京太郎「……はい、申し訳ありませんでした」(←正座中)

久「買い出し頼んで、何でこんなに時間が掛かるのかな~」

京太郎「はい、おっしゃる通りです」

優希「まったくだじぇ!! 頼んだタコスが冷え冷えだじぇ!!」プンプン

久「さーて、どんなお仕置きしようかしら~?」

京太郎「お、お手柔らかにお願いします……」ガクガク

咲「京ちゃん……」

和「須賀君なんかほっといて、あっちで私とイイコトしましょう」

まこ「和……アンタどさくさに紛れて何言うとるんじゃ……」

久「ぷっ、ごめんごめん。お仕置きなんて冗談よ、冗談」ケタケタ

京太郎「えっ、いいんですか?」

久「だって、人助けしてて遅くなったんでしょ? それで怒ったりしないわよ」

京太郎「ちょ、なんで知ってるんですか?」

久「春から電話があってね、迷子の部員を送って遅くなったって言ってたわ」

京太郎(おい、滝見さん!? まさか霞ちゃんが迷子になったこと言ったんじゃないだろうな!?)

久「でも薄墨さんも見た目通り子供ね。迷子になってワンワン泣いてたなんて」

京太郎(あ、薄墨さんが迷子って説明したんだ。良かった)

久「だから遅くなったお咎めはなし! 買い出しお疲れ様、須賀君」

清澄高校 宿舎(京太郎のみ)


京太郎「なんとか助かったぜ……」

京太郎(それにしても今日は色々と驚いたな……)

京太郎(まさか永水の石戸さんが10歳の小学生だったなんて、信じられるかよ……)

京太郎(……でも、事実なんだよな、これが)

京太郎(はぁ……咲との対局見てて、良いなって思ってたんだけどな)

京太郎(さすがに小学生を好きになるとか、犯罪だろうし)

京太郎(ただ、あのおもちの破壊力は凄まじい)ウンウン

京太郎(おもち力53万……それくらいあるだろうな)

京太郎(ただ、見た目以外は本当に無邪気な子供なんだよな……)

京太郎「よし、約束したし、明日また遊びに行ってみるか」

翌日 永水高校 宿泊旅館


京太郎「確か、ここだったな」

京太郎「昨日はそれどころじゃなかったが、改めて見ると高そうな旅館だな」

京太郎(さすが昨年のベスト4、うちとは比べもんにならないぜ)

京太郎「さてと、どうすっかな」

京太郎(遊びに来ていいとは言われたが、そのまま部屋に入っていいんだろうか?)

京太郎(いや、向こうも予定があるかもしれないし)

京太郎(それに女性が泊まってる部屋に断りもなく入るのはマズイだろうしな)

京太郎「あー、連絡先聞いとくの忘れたのは痛かったな」

京太郎「とりあえず、旅館の人にお願いしてみるとすっか」

――――――――――

京太郎「えーと……」

春「……」ポリポリ

京太郎「あの、滝見さん……?」

春「……うん」ポリポリ

京太郎「狩宿さんや薄墨さんは?」

春「……姫様と三人で買い物に出てる」バリボリ

京太郎「あー、まずったな」

春「……何か用なの?」ボリベキ

京太郎「いや、暇だったし、ちょっと遊びに来たんッスけどね……」

京太郎「みなさんいらっしゃらないようなんで、出直してきます」

春「……いや、いてほしい」

京太郎「えっ!?」

京太郎(まさか滝見さん……意外だな、てっきり部長狙いだと思ってたんだが……)

霞「あーーー!!! 京太郎お兄ちゃんだーーー!!!」ダッダッ ダキッ

京太郎「か、霞ちゃん――どわあっ!?」ドテン

霞「みんないなくて退屈だったから、京太郎お兄ちゃん遊んでー!」

春「……霞ちゃんの遊び相手に、いてほしい」

京太郎(……ですよねー)

霞「ねぇねぇ京太郎お兄ちゃん。何して遊ぶ?」

京太郎「か、霞ちゃん……まずは俺の上から離れてほしいな」ムニュッ

霞「やぁん……////」

京太郎「や、やべっ!?」

京太郎(離そうと伸ばした手の先に霞ちゃんのおもちがああああ!?)

京太郎「ごごごごめん霞ちゃん!!////」

霞「もぉー、京太郎お兄ちゃんの、エッチスケッチワンタッチ」

京太郎(あれ……あまり嫌がってる感じしないな……)

京太郎(それにしても、なんて柔らかい感触なんだ)

京太郎(生まれて初めて女性(?)のおもちに触れたが……)

京太郎(なんというか、その……感動だな)シミジミ

春「……」ポリポリ

春「……ロリコン」ボソッ

京太郎「はぅあ!!??」ガバッ

霞「うわっ!?」ゴテン

京太郎「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい」ドゲザ

霞「京太郎お兄ちゃん!? なんでそんなに謝ってるの!?」

春「……綺麗な土下座」パシャ

――――――――――

霞「それで京太郎お兄ちゃん、何して遊ぶ?」

京太郎「そうだな。霞ちゃんは何がしたいかな?」

霞「うーんとね、あっ、ファッションショーごっこしたいな!」

京太郎「ファッションショーごっこ?」

霞「今度宮守のみんなと海水浴に行くんだけどね」

霞「私はそんなこともあろうかと思って水着を持ってきたんだ」

京太郎「うん、それで?」

霞「いくつか持ってきたから、ファッションショーみたいに着てみせるからね」

霞「その中から、京太郎お兄ちゃんが私に似合うの選んでね!」

京太郎「み、水着を着る!?」

京太郎(ボンキュッボンの霞ちゃんの水着姿が見れるとか最高じゃないか!!)

京太郎(今日は最高の一日になりそうだな)

春「……もしもし警察ですか? 10歳の子供を狙う変態がここに」

京太郎「ごめんなさい反省してますだから警察だけは!!」

春「……間違えた。110番じゃなくてこれ117番だった」

京太郎「時報かよ!!」

京太郎(ダメだダメだ!! 霞ちゃんは10歳だ、変な目で見たらいけない!!)

京太郎(ここは冷静に……そう、妹の水着を選ぶ兄のような気持ちで行こう!!)

霞「京太郎お兄ちゃん……嫌…かな?」

京太郎「ははは、いいよ。可愛いの選んであげるね」

霞「本当!? やったー!!」ピョン プルルン

京太郎「うおっ!? い、いかんいかん」

京太郎(思わずおもちの縦揺れに目が行ってしまった……自重しろ俺!!)

東京都内 繁華街


内木「ふむ……会長の応援をするために単身東京に来たはいいが……」

内木「試合会場がどこにあるのかさっぱりだな」

内木「さてどうしたもんか……」


小蒔「水着買えて良かったですね」

巴「一応霞ちゃんの分も新しいの買っておきましたし」

小蒔「それにしても霞ちゃん、お留守番させて申し訳ないですね……」

初美「仕方ないのですよー。これ以上霞ちゃんの正体がバレるわけにはいかないのですからー」


内木「あ、あ、あ、あれは……!!」ズキュン

巴「これからどこ行きましょうか?」

小蒔「霞ちゃんが可哀想ですし、お土産買って旅館に戻りませんか?」

初美「まったく、姫様は霞ちゃんに甘々なのですよー」

内木「そこのお譲さん」

巴「はい?」

内木「初めまして。僕は内木一太という者です」

小蒔「はあ」

内木「よろしければ僕とお茶でもしませんか?」

巴「お茶でもって……もしかしてナンパですか?」

初美「姫様はモテモテでうらやましいのですよー」

小蒔「えっ、いきなりそんなこと言われても!?」アタフタ


内木「いえ、僕がお誘いしてるのは、あなたです」

初美「えっ?」

巴「こ、これは予想外というか……驚きですね」

小蒔「初美ちゃん可愛いですものね」

内木「ダメ……でしょうか?」

初美「い、いや、ダメというわけではないのですけど……」ドキドキ

初美(うわー、ナンパなんて生まれて初めてですよー!!)

初美「私みたいなチンチクリン誘ったってしょうがないですし……」ドキドキ

内木「何を言ってるんですか!?」

内木「その小柄で華奢な体、男として守ってあげたくなりますし」

内木「少しはだけた服装には色気があって、思わずドキッとしてしまいます」

初美「そ、そんな風に言われたのは初めてですよー」テレテレ

内木「僕はそう――」


内木「ランドセルが似合うあなたに恋をしたんです!!」

初美「」

内木「その成長期を過ぎたにも関わらず、つるぺたな容姿」

内木「あどけなさが残ってる幼女のように可愛らしい顔」

内木「まさに合法ロリ!! ぜひ僕と付き合ってください!!」

初美「断固断るのですよー」イラッ

内木「な、なぜ……」

初美「これ以上その口開けると、警察に通報するのですよー」イライラ

小蒔「初美ちゃん、そんなにきつく言わなくてもいいですのに……」

巴「いや、ハッちゃんがキレるのは当然だと思いますが」

内木「僕の何がいけないんですか!? こんなにも幼女のようなあなたを好きなのに!!」

初美「幼女幼女うるさいのですよー!!」ウガー

初美「私だって、あと数年もすれば姫様や霞ちゃんみたいにボンキュッボンになるんですからー!!」

巴「それは絶対にありえませんが」

内木「ならせめて番号交換だけでも!!」

巴「この状況でまだ食いついてくるのですか!?」

初美「えっと……警察の番号は……」ピッピッ

小蒔「初美ちゃん、ダメです警察は!!」


久「てい、シャイニングウィザード」ダッ

内木「ぐへっ!!??」ゴキリッ


久「ごめんなさいね、うちの副会長が迷惑かけちゃって」

内木「」ピクピク

巴「あなたは……確か清澄の部長さんでしたよね?」

初美「その失礼男は、清澄の方だったんですかー!?」

久「そうよん。何やら嫌な予感がして来てみたら、案の定またやらかしてたみたいだし」

初美「まったく、いきなり人をランドセルが似合うだの、幼女だの散々失礼な事言ってきますしー!!」プンプン

久「それは失礼よね。否定はしないけど」

初美「してくださいよー!!」

久「まあコイツに関しては後でたっぷり罰を与えとくから、それで見逃してくれないかな?」

巴「まあ、ハッちゃん以外には実害ないですし、私たちは構わないのですが」チラッ

初美「絶対に嫌なのですよー!!」

久「そう」

初美「当然です!!」プンプン

久「……そういえば、高校生の大会に小学生が出るのってマズイわよね」

初美「うっ!?」ビクッ

久「もう一度聞くけど、見逃してくれるかな?」

初美「ま、まあ今回は大目に見るのですよー」ガクガク

久「ふふ、ありがとうね」

巴「あ、あの……もしや須賀君から聞いたんですか?」

久「いやいや。須賀君はそういうこと言いふらす子じゃないしね」

巴「で、ですよね……ではなぜ?」

久「うーん、最初は仕草や言葉がなんか作られてる感じがして違和感があったんだけどね」

久「気になって聞いたら、小学生だって教えてくれたわよ――春が」

初美「はぁああるぅううるぅうう!!!」ゴゴゴ

小蒔「初美ちゃん落ち着いて!!」

久「大丈夫よ、秘密にしておいてあげるからさ」

巴「助かります」

久「さーて、このバカにお仕置きしないとね」

小蒔「あの……あんまりひどいことしないで下さいね」

久「大丈夫よ、小鍛治プロや瑞原プロのところにしばらく放り込むだけだからさ」

巴「それはロリコンの彼にとって地獄ですね」

永水高校 宿泊部屋


京太郎(霞ちゃんは10歳霞ちゃんは10歳霞ちゃんは10歳)ブツブツ

霞「おまたせ、京太郎お兄ちゃん!!」ガラッ

京太郎「うおぉっ!?」

霞「えへへ、どうかな……?」

京太郎(す、スク水だと……!?)

京太郎(霞ちゃんのスタイルでピタッと張り付いて、そこが妙にエロい)

京太郎(さらにおもち付近の『5-2 石戸霞』と書かれたゼッケンがさらにヤバい)

京太郎(はっ!? ダメだダメだ、邪なことは考えるな!!)

京太郎「うん、すごく似合ってるよ」ニコッ

霞「本当に!? わーい」ピョンピョン

京太郎「こら霞ちゃん、あんまりはしゃぐとケガしちゃうよ」

霞「大丈夫だよ――うわぁ!?」プルン

京太郎「ぶふぅ!?////」ブッ

京太郎(まさかのポロリだとおおおおお!!??)ダクダク

霞「あはは、またやっちゃった」

京太郎(一瞬だけど見えちまった……大きなおもちに控えめなピンク……)ダクダク

春「……京太郎、刑務所に行っても元気でね」

京太郎「いや待って、今のは事故ですから!?」

霞「じゃあ、次のに着替えてくるね」バタン

京太郎「……な、なあ、滝見さん……」

春「……春でいい」

京太郎「そうか……春、霞ちゃんあれで授業受けてんだろ?」

春「……そうみたい」

京太郎「周りの視線とか、大丈夫なのか」

春「……霞ちゃんの小学校、女子校だから」

京太郎「そうか……それは良かったよ……」

京太郎(あれは小学生の男子諸君には刺激が強すぎるからな……)

霞「じゃーん、次の水着はこれだよ!」ガラッ

京太郎「おおぅ!?」

京太郎(オーソドックスな黒のビキニタイプ……本来10歳には似合わないのだが)

京太郎(霞ちゃんのスタイルにはドンピシャでピッタリだな)

京太郎「うん、いいんじゃないかな。動きやすいだろうし」

霞「そうかなそうかな?」ピョン

京太郎「わー!? ダメだって飛び跳ねたら!! また水着がずれちゃうでしょう?」

霞「そっか、ごめんなさい」

京太郎「ほっ……」

霞「次のに着替えてくるね!」バタン

京太郎(それにしても、あのおもちはすばらだな……)

京太郎(ビキニになってさらに分かるが……あれはおもち力53万は軽く超えたな)

京太郎(あぁ……これで霞ちゃんが10歳じゃなかったらな)

春「……!! 邪悪な気配!!」サッ

京太郎「おぅ!? どうしたんだ春、いきなり?」

春「今、霞ちゃんのおもちのことを考えてる邪悪な気配を感じた」

京太郎「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい」ドゲザ

春「……なぜ京太郎が謝るの?」

霞「じゃじゃじゃじゃーん!! 最後はこれだよ!!」ガラッ

京太郎「おー!」

京太郎(さすがに三度目は大分慣れたから大丈夫だな)

京太郎(さっきと同じ黒のビキニか……ん? 心なしか布面積が少ない気が……?)

霞「どうかなどうかな?」クルッ

京太郎「がはっ!!??////」ブッ

京太郎(て、て、ティーバックだとおおおおおお!!??)ダクダク

霞「京太郎お兄ちゃん、鼻血出てるよ!?」

京太郎「だだだ大丈夫だから、これ以上近づかれるとおもちの谷間がああ!?////」

霞「ふぇ?」

京太郎(落ち着け京太郎! ここは心を無にして、煩悩を捨てるんだ!!)ダクダク

京太郎「……」

霞「わっ、京太郎お兄ちゃんが風越の人みたいな糸目になってる」

春「……とおらばリーチ(笑)」

京太郎(……よし、なんとか鼻血は止まったな)

京太郎「霞ちゃん、その水着はまだ早いから止めとこうね」

霞「えー。せっかく大人っぽく行こうと思ったのにー」

京太郎「二つ目の水着が一番可愛かったよ」

霞「そう? 京太郎お兄ちゃんが可愛いって言ってくれるなら、二つ目のにしーよっと」

京太郎(ほっ、良かった)

霞「えへへ。京太郎お兄ちゃんと遊ぶの、すっごい楽しいな」

京太郎「そ、そうか?」

京太郎(あんまり遊んだって感じしないけどな)

春「……私も、京太郎で遊ぶの、すっごい楽しい」

京太郎「おいコラそこ、意味変わってんじゃねえか!!」

霞「それじゃ巫女服に着替えてくるね」バタン

京太郎「ふぅ……なんとか乗り切ったぜ……」

春「……おっきした?」

京太郎「してねえよ!!」

京太郎(少ししか)

春「……それより京太郎、服血だらけ」

京太郎「ん? って、マジだ!? あー、鼻血出しまくったからな」

京太郎「まあ畳には血が飛んでねえのがせめてもの救いだな」

春「……露天風呂、入って来たら?」

京太郎「露天風呂? んなもんあんのかよ?」

春「……ある。混浴だけど」

京太郎「おいおい、混浴って嬉し――じゃなくてマズイだろ?」

春「……大丈夫。この旅館は私たちの貸切」

春「みんなには京太郎が入ってるって言っておく」

京太郎「んまあ、このままじゃ帰れねえし、せっかくだし入ってくるか」

春「……ごゆっくりどうぞ」


?「ふむふむ、これはこれは、おもちな予感がするのです!」

露天風呂


カポーン

京太郎「ふぅ……」ゴシゴシ

京太郎「こんな豪華な露天風呂一人占めできるんだから、最高だよな」

京太郎「欲を言えば、神代さんとか狩宿さんとかとご一緒したかったけどな」

京太郎「霞ちゃん……はさすがにダメだよな……」

京太郎「いくら見た目は大人でも、10歳だしな」

京太郎「俺はロリコンじゃねーし、それに10歳だったら異性と風呂とか嫌だろうし」

京太郎「でも、一度でいいから美人と混浴してみてーな」

京太郎「まあ、今日のところは贅沢な一人風呂ができるってことで良しとしようか」

京太郎「さーて、湯船に浸かるとすっか」

咲「みやながさき、十歳です!」

京太郎「うん、違和感ねーな」

ゴッ

ガラガラ

京太郎「へっ?」

霞「京太郎お兄ちゃん、一緒に入ろー」

京太郎「ぶっ!!??////」ブシュ

京太郎(一糸纏わぬ姿の霞ちゃんがああああ!!??)

霞「京太郎お兄ちゃん、また鼻血なの!? 大丈夫!?」

京太郎「……か、霞ちゃん……な、なんでここに……?」ダクダク

霞「えっとねー、春ちゃんが京太郎お兄ちゃんがお風呂に行ったから、一緒に入っておいでって」

京太郎(はぁああああああああるぅうううううううううううううう!!!!!)

京太郎「で、でも男と一緒に風呂なんて、嫌じゃないのか?」ダクダク

霞「うーん、ちょっと嫌かも」

京太郎「な、なら俺は上がるから、一人でゆっくり――」

霞「でも京太郎お兄ちゃんとなら、嫌じゃないよ」ニコッ

京太郎「うっ!?////」ドキッ

京太郎(やべぇ、めっちゃ可愛い)

霞「京太郎お兄ちゃんは、私とお風呂、や?」

京太郎「……い、嫌じゃねえよ……」

霞「やったー。それじゃ京太郎お兄ちゃんのお背中流してあげるね」

京太郎「……お、お願いね……」

京太郎(見ちゃダメだ見ちゃダメだ本当は見たいけど見ちゃダメだ)

京太郎(あんなに純粋な気持ちで来られたら、断れねえよ……)

京太郎(と、とにかく邪なことは考えず、早く終わらせよう)

霞「ごしごし、ごしごし」

京太郎「……」

京太郎(3.14159265358979323846……)ブツブツ

霞「京太郎お兄ちゃん、気持ちいい?」

京太郎「あ、ああ。気持ちいいよ」

霞「そっか。良かった」

京太郎(26433832795028841971……)ブツブツ

霞「はい終わったよ」

京太郎「ほっ」

霞「それじゃ今度は私の背中お願いね」

京太郎「あ、ああ……分かったよ」

京太郎(69399375105820974944……)ブツブツ

京太郎「はい、終わったよ」

霞「ありがとうね、京太郎お兄ちゃん」

京太郎「それじゃ、湯船に浸かろうか」

京太郎(よし、これで少なくとも身体は隠れるぞ)

霞「うん――ってうわぁあ!?」ゴテン

京太郎「霞ちゃん!? 大丈……夫……」パチクリ

霞「えへへ……ころんじゃった」テヘ

京太郎(ややややばい、まさかのM字開脚!?)

京太郎(しかもそれを隠す物が一切ないだと!?)

京太郎「ぐはっ!?」ブッ

霞「だ、大丈夫京太郎お兄ちゃん!? ――やっ!?」ゴテン

むしろ死んでも悔いなし

京太郎「~~~~~////」モゴモゴ

京太郎(霞ちゃんのおもちがあああ、俺の顔にいいいい!!??」

京太郎(あ、やっぱ柔らかいな……おもちって……)

京太郎(人肌でほんのり温かくなったおもちが、俺を楽にしてく……れ……る……)

京太郎「……」

霞「よいしょっと。大丈夫、京太郎お兄ちゃん?」


京太郎「」チーン


霞「京太郎お兄ちゃん、死んじゃやだーーーー!!」エーンエーン

玄「大丈夫なのです! まだ間に合うのです!!」サッ

霞「ふぇ? お姉ちゃん誰?」グスグス

玄「そんなことより、早く誰か助けを呼んでくるのです!!」

霞「う、うん!!」

――――――――――

京太郎「……う、うーん」

巴「あっ、気が付きましたか?」

小蒔「大丈夫ですか、京太郎さん」

京太郎「あ、あれ……狩宿さんに神代さん? お、俺どうしてここに……?」

小蒔「京太郎さん、お風呂場で血だらけで倒れてたんですよ。私驚いて失神しそうになりました」

巴「帰ったら霞ちゃんが泣きながら全裸で『京太郎お兄ちゃんが死んじゃう』って言って大変だったんですよ」

京太郎「えっ…………あっ!!」

京太郎「いや、けっして俺は霞ちゃんに欲情したとか、変なことをしたとか、ないですから!!」ワタワタ

巴「大丈夫です、分かってますから」クスクス

小蒔「霞ちゃんのスタイルは、殿方にとって刺激が強いみたいですね」

京太郎「は、はあ……お恥ずかしながら」

巴「でも大事に至らないで良かったです」

京太郎「あの……さっきから気になってたんですけど……」

巴「? 何か?」

京太郎「あそこで正座させられてる三人はいったい……」


霞「ごめんなさーい!!」エグエグ

春「……反省はしてる。後悔はしてない」

玄「私は京太郎君の命の恩人なのですよ!!」


巴「ああ、今回須賀君が死にかけた原因を作ったこと、それと不法侵入に対する説教ですね」

京太郎「ってかなんで玄さんがいるんですか?」

巴「何やら『強大なおもちの気配がするのです』って言って露天風呂に忍び込んだらしいですよ」

京太郎「なにやってんだあの人は……」

初美「いいですか霞ちゃん!! あなたは自分の身体のことを考えて行動するのですよー!!」ガミガミ

霞「だってだって、京太郎お兄ちゃんと一緒にお風呂入りたかったんだもん!!」エグエグ

初美「だからと言って、タオルも巻かずに裸で入る子がありますかー!!」

霞「ご、ごべんなざいいい!!」グスグス

初美「それからはるる!! 霞ちゃんをけしかけたり、清澄の部長さんに霞ちゃんのこと話したりして!!」ガミガミ

春「……ごめんなさい」

初美「まったく、ちゃんと反省するのですよー!!」

春「……次からはバレないように上手くする」

初美「全然反省してないじゃないですかー!!」

玄「なんで私まで怒られないといけないのですか、薄乳さん!」

初美「薄墨ですよー!! 誰が薄乳ですか!!」

玄「私がいなかったら京太郎君は死んでたかもしれないんですよ!!」

初美「それについては感謝してますよー」

初美「でも、貸切の旅館に侵入したのはどうなんですかー!!」

玄「そこにおもちがあるからです」キリッ

初美「カッコよく言っても不法侵入は不法侵入ですよー!!」

玄「だって石戸さんのあのおもち、一度は生で見たいと思うじゃないですか!!」バンッ

初美「なんであなたの方が怒ってるんですかー!!」

――――――――――

霞「」チーン

春「」チーン

玄「」チーン


初美「まったく、三人ともしっかり反省するのですよー」

巴「はあはあ……だからといって姫様に神様を降ろさせないで下さいよ……」ゼェゼェ

小蒔「……ん……あれ……?」

京太郎「あ、あの……どうもご迷惑おかけしました」ガラッ

初美「いえ、迷惑をかけたのはこっちなのですよー。本当にごめんなさいなのです」

京太郎「そんな、謝らないで下さ――うおっ、どうしたんですか三人とも!?」

初美「少しばかりキツ目のお仕置きをしただけなのですよー」ニコッ

京太郎「そういえば今日霞ちゃんから聞いたんですけど、今度海水浴に行くんですって?」

巴「はい。個人戦まで日はありますし、その間に宮守の方々と一緒に行こうかと」

京太郎「いいですね」

小蒔「よろしければ京太郎さんもご一緒にどうですか?」

京太郎「えっ!? お、俺もですか!?」

小蒔「はい。大勢で行った方が楽しいでしょうし」

京太郎「あ、ありがたい話ですけど、宮守の人たちも男が一人来たら嫌でしょうし……」

巴「それについては大丈夫です。今姉帯さんに連絡したら『いいよー』との返事がありましたので」

京太郎「はやっ!?」

初美「それに須賀君が来てくれたら、今日みたいなナンパ男を撃退してくれるでしょうし」

京太郎「ははは、あまり争い事は得意じゃないッスけどね」

小蒔「どうですか?」

京太郎「それじゃ、お言葉に甘えて行かせてもらいますね」

霞「京太郎お兄ちゃんも一緒に海行くの!? わーい!!」ダキッ

京太郎「どわあっ!? か、霞ちゃん、嬉しいけど抱きつくのは勘弁して!!////」

霞「やー」

春「……久に写メール」パシャ

京太郎「お願いだから春、部長には送らないで!!」

玄「楽しみなのです、海水浴!!」フンスッ

京太郎「ってか玄さんも来るつもりですか!?」

玄「当たり前なのです!! 京太郎君にばかりおもちで美味しい目に会わせませんから」

小蒔「わあ、海水浴がますます楽しみになってきましたね」

巴「そうですね。須賀君にはますます大変になってきましたけど」

春「……久から返信だ。何々……『ロリコン乙』だって」

初美「霞ちゃん、またお仕置きされたいのですかー!!」

霞「きゃー、京太郎お兄ちゃん助けてー」

玄「ずるいのです京太郎君。私と代わるのです!!」

京太郎「誰か助けてくれーーーー!!!」




霞「いわとかすみ、10歳です!」京太郎「えっ!?」  カン

代行、支援ありがとうございました。

過去に『霞「初美ちゃんの服装ってナウいわよね」』というSSを書いた者です。
この時に近い内に別の霞さんSSを投下すると言って早数か月……。
忙しいやら気が乗らないやらでこんなに遅れるとは。
その結果がすでにやっているネタを使用してしまうという痛恨のミス……マジすんません。

前は見た目相応の霞さんでしたが、今回は真逆にしてみました。
元ネタは、リコーダーとランドセルです。

機会があれば海水浴編も書いてみたいですね。
最近徐々に咲SSが減ってるので、少しでも貢献できたら嬉しいです。

次からはネタが被らないように調べてから書きます。
最後までありがとうございました。

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