あなた「ゴキブリ退治?」 (243)



あなたはテラフォーマーとしてU-NASA加盟国の日本から火星に派遣される人物です。

キャラクターメイキング


あなたの能力の元になった生物は>>2

あなたの性別は>>4

あなたの名字は>>6

あなたの名前は>>8

あなたの性格は>>10

あなたが背負った過去は>>12

です。


それでは、キャラクターメイキングが終わり次第あなたは火星に派遣されます。




SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1362320010


お、てらふぉーまーずか


プラナリア

近宮

育郎

心優しい

仲間をミスで全滅させてる

あなたの能力の元になった生物はプラナリア

あなたの性別は男

あなたの名字は近宮

あなたの名前は育郎

あなたの性格は心優しい

あなたが背負った過去はミスで仲間を全滅させる

です。



ベース生物がプラナリアなので、緊急安価

変身用薬の形>>15

フルフェイスマスク



まもなく火星です

まもなく火星です



無機質な電子音が響く。

僕の名前は近宮育郎。

火星でゴキブリ退治の任を負った人間だ。

近宮育郎「進化したゴキブリ相手に人間が苦戦……か。一体どこのSFなんだか……」

半ば自嘲気味に呟く。

本当に、SFみたいだ。

昔古典教育で読んだ、スターウォーやワンピースみたいだ。


いや、ワンピースってSFだったっけ?

うーん、忘れた。




火星に着陸を開始します。




近宮育郎「ん、到着か」


キュイーン、と間抜けな音が響く。

火星だ


火星に到着しました



電子音が告げる。

火星に着いた。

近宮育郎「よし、降りる前に……」


僕はフルフェイスマスクにカートリッジをつけて、被る。






M.O.手術




それは人類の英知。


それは人類の希望。



地球が作り出した不可思議な芸術、ツノゼミを利用した、人間と他種を融合させる禁忌。



火星に向かうに当たり、僕はこのM.O.手術を受けた。


ベースはプラナリア。


僕は、研究者曰わく『最弱にして最悪』のM.O.手術被験者らしい。


TF「じょうじ」

近宮育郎「うおっ! いきなりゴキブリのおでま」



宇宙船から降り立った瞬間、僕は




首を







切られた


























ああ





悲しい





どうして人とゴキブリは




憎み合い




殺し合うのか


此にてオープニング終了です。


これからあなたの火星でのゴキブリ相手が始まります。


此以降、名前欄には視点の主が入力されます。






とある生物の話をしよう






その動物は最強の再生能力を持っていた。

その動物は最速の再生速度を持っていた。


普通に考えれば、その動物は大いに繁栄するはずだった。


だが、その動物は滅びかけている。


1900年代からの工業化、及びに2000年代からの温暖化。

それによってその動物は一気に滅びかけた。


今では彼らよりも弱い『ナミウズムシ』が繁栄している。

彼らは、こう呼ばれている。


動物界Animalia扁形動物門Platyhelminthesウズムシ綱(渦虫綱) Turbellariaウズムシ目(三岐腸目) Tricladidaウズムシ亜目(淡水生三岐腸亜目)Paludicolaプラナリア科 Planariidaeホソウズムシ属 Phagocataミヤマウズムシ P. vivida


日本原産のミヤマウズムシ、彼等こそ近宮育郎のM.O.手術ベースだった。



近宮育郎を殺したテラフォーマーは上機嫌だった。

見たことも無い生物を殺した事に興奮したのだ。


死体を打ち捨てたまま、彼は自分の友人に成果を報告するために帰ろうとした時だった。




『どこに行く?』



二重の声が響いた。


テラフォーマー「じょう?」


テラフォーマーは振り返り、信じられない物を見た



近宮育郎「まだまだ」

近宮育郎「戦いは此からだろ?」


近宮育郎が二人いる

全く同じ顔、性別、DNAを持った人物が並ぶ。

それは異質な光景。

テラフォーマー「じょう?」

テラフォーマーは戸惑い、立ち止まる。


近宮育郎「さて、それでは」


近宮育郎は名乗りを上げる。








近宮育郎「元・第一空挺団、近宮育郎参る」





プラナリアVSゴキブリ。

地球では見ること能わぬ戦いが始まる。


因みにプラナリアの頭を切り落とすと頭の切り口からは体じゃなくて頭が生えるらしい


十分後


テラフォーマー「じ……じょうじ……」


テラフォーマーは、奇術を見ているような錯覚に陥った。

近宮育郎「やっぱりな」


近宮育郎は確信する。




近宮育郎「貴様等の弱点は『数の暴力』か。365体の『プラナリア』相手では、弱るか」


近宮育郎、365人は一体のテラフォーマーを囲む。


確かに、一人の近宮育郎は弱い。

恐らく、マーズランキング最下位を下回る強さしか無い。


だが、もし最弱が100人居たら?

それは最強を超える最悪。


近宮育郎のコンセプトはたった一つ




数の暴力




それを体現したM.O.手術である。

近宮育郎「さて、そろそろ終わらせよう」

近宮育郎は呟く。


近宮育郎「蛭間さんから与えられた任務を早く果たさなきゃいけないし……やれやれだ」


その言葉と共に、プラナリアは本気を出す。



近宮育郎「行くか」


365人の元・第一空挺団による一斉リンチ。


テラフォーマーは、数の暴力に殺された。

誰が勝てるんだよwwwww燈やミッシェルさんだって押しつぶされるわこんなんwwwwww



近宮育郎「ふぅ。とりあえず、何とか倒したか」

近宮育郎は胸をなで下ろす。


近宮育郎「苔、食い尽くしたから……此処での増殖は無理だな……」


近宮育郎のM.O.手術。無論此にも弱点は有る。


それが『水問題』と『食料問題』だ。


プラナリアが増えるにはある程度の栄養と、水が必要である。


近宮育郎はその栄養と水を『火星の苔』から得ているのだ。


プラナリアは雑食であり、また体表に口を出し、摂食する。


近宮育郎のM.O.手術は、プラナリアの摂食能力を全身にも活用させているのだ。




近宮育郎「そうだ」


近宮は思い出したかのように、肉片となったテラフォーマーに近づく。


繰り返し言おう。




プラナリアは『雑食』である。







近宮育郎「いただきます」




ミッシェルさん「お前、自分ちの台所でゴキブリ見つけたら拾って食うのか」

近宮「はい。意外と栄養豊富なんで」

ミッシェルさん「えっ」



近宮育郎「んー、第一空挺団訓練時代に食べたゴキブリよりは味にコクがあるなぁ。火星の苔と一緒に食べたらエビサラダって感じがするなぁ」


近宮育郎は感想を呑気に述べる。


リリリ

リリリ


通信機が鳴る。


近宮育郎「ん? ああ、蛭間さんか」

近宮は通信機を取った。




通信してきた人物の名前は『蛭間一郎』。

バグズ計画第一世代、ネムリユスリカのバグズ能力者だ。

蛭間一郎『火星に着いたか、近宮』

近宮「ええ、到着しましたよ。今丁度ムキムキゴキブリ一匹倒したばかりです」


蛭間一郎『そうか、それなら良かった。では、もう一度、日独米共同の極秘任務を言うぞ』

近宮育郎「ええ」


蛭間一郎はゆっくりと、近宮育郎に伝えるべき任務を言う。






蛭間一郎『10日後にするアネックス一号が火星に到着するまでに、火星表面を制圧。及びに、もし10日後までにU-NASA内部の裏切り者を日独米が見つけられなかったら、日本が独自発射した帰還艇に、アネックス一号の乗組員を安全に誘導する事、だ』






近宮育郎「わかってます。それでは蛭間さん、また地球で」


蛭間一郎『おう』


通信を切る。




近宮育郎「さて、今僕は365人いるわけだが、今日は増殖に専念しよう。大体>>70あたりを目安に増やすか」



(1000以上は無効安価)

安価遠すぎたorz

安価>>67

きりよく500


近宮育郎「500人増やすなら、テラフォーマーと戦闘しながらだな」



近宮一郎は宣言する。




近宮一郎「僕達よ。これから火星を制圧しながら増殖する。散れっ!」


近宮一郎×364『応!』


こうして、火星に大量の近宮一郎が放たれた。


というかプラナリアって熱に弱いんじゃ……対リーゴキ大丈夫か?そもそもウイルスのサンプル取りに来てるアネックスが到着する前にゴキを一掃して大丈夫なのか?



さて、これから365人の近宮一郎の中の誰かが次のうちのどれかに出会います。


次に僕が来るまでに最も多い意見に決定されます。


選択肢は以下です。


1 蟷螂型テラフォーマー

2 ゲンゴロウ型テラフォーマー

3 ミイデラゴミムシ型テラフォーマー

4 飛蝗型テラフォーマー


1

服は再生してないんだよな

>>75

はい、真っ裸です

投票の締め切りは10時とします。

また、なるべく多くの投票による結果の方が面白そうなので、ちょくちょく上げるのはOKです。


また、近宮が今後どのように行動するのか、皆さんの意見や感想で微妙に変わっていきます。


それでは、また夜に。

1で
この分身達って一人一人が自我を持ってるの?
それか劇場版00のELSやファフナーのフェストゥムみたいに一つの意識で統合されてるの?

>>79

一体一体自我を持っています。

>>69も言ってますけど、火星でのAEウイルスサンプルの回収はどうなるんですか?コケのみ?


近宮育郎はバラバラに別れ、走っていた。

そのうちの一人、唯一服を着ている近宮育郎は奇妙なテラフォーマーに出会った。

近宮育郎「何だ?」

テラフォーマー「じょうじょう」

近宮は目を見張った。


近宮育郎「手が鎌になってる……だと?」

テラフォーマー「じょうじ」

近宮育郎「……成る程」


近宮育郎は瞬時に気がついた。






近宮育郎「バグズ二号の能力を奪ったか」




近宮育郎は頭に血が上るのを感じる。


が、それを無理やり抑えて冷静になる。


近宮育郎(周辺に苔はない……か)

周りは荒野。

不利だ。


近宮育郎(苔が有るのは……東か)


近宮育郎は走る。




近宮育郎(さて、増援を呼ぶか?)


>>86のコンマ以下が60以上ならば増援呼ぶ事が成功。

うや

ジョウジ!



近宮育郎(集合フェロモン……分泌)


ミヤマウズムシは集合フェロモンを発する。


それにより、周辺の自己を呼び寄せる。



近宮育郎「誰かが呼んでいる?」

近宮育郎「誰かが呼んでいる?」

近宮育郎「誰かが呼んでいる?」

近宮育郎「誰かが呼んでいる?」

近宮育郎「誰かが呼んでいる?」

近宮育郎「誰かが呼んでいる?」

近宮育郎「誰かが呼んでいる?」

近宮育郎「誰かが呼んでいる?」

近宮育郎「誰かが呼んでいる?」

近宮育郎「誰かが呼んでいる?」

近宮育郎「誰かが呼んでいる?」

その集合フェロモンは11体の近宮育郎を呼び寄せる。



近宮育郎が来るまで、近宮育郎は考える。


アネックスが来るまでに、火星表面をできる限り制圧する、という『意味』を。


アネックス一号の目的はウイルスのサンプル入手だ。



だからこそ、自分が送られた。


そう近宮育郎は思っていた。


テラフォーマーズを全滅させずに制圧出来るのはなかなかいない。

恐らく、プラナリアという生物が適任だ。


だから今自分はここに居る。


近宮育郎は自らの立ち位置を再確認した。


再開は夕方以降になります



近宮育郎×11「とりあえず間に合ったか」

腕が鎌のテラフォーマーに出会った近宮育郎は安堵する。

11人の自分が現れたからだ。

近宮育郎「よし、行くぞ僕達! 反撃開始だ!」

近宮育郎×11『応!』


バグズ二号副艦長の能力、蟷螂を得たテラフォーマーと近宮育郎の戦闘が此処に始まる。




蟷螂型テラフォーマー。最強クラスの殺傷力を誇る彼は戸惑っていた。


近宮育郎「どうした? 自慢の鎌も欠けたか?」

おかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしい



蟷螂型テラフォーマーズは恐怖する。


切っても切っても死なない事、『ではない』


切っても切っても増える事に対してテラフォーマーは恐怖する。

蟷螂型テラフォーマー「じょうじ……」


蟷螂型テラフォーマーズは近宮育郎に対して感情を抱く。








気持ち悪い







それは奇しくも、人がゴキブリに抱く感情と同じ感情。


今此処に、近宮育郎とテラフォーマーの立ち位置は、人とゴキブリの関係から、ゴキブリと人の関係へと変化した!




蟷螂型テラフォーマー「じょうじょう」


蟷螂型テラフォーマーは見つめる。

彼の敵を


目の前の荒野を埋め尽くしているプラナリアと云う名の強敵を。


蟷螂型テラフォーマー「じ……じょうじ」


蟷螂型テラフォーマーは息を整えた。


そしてまた始まる


死なない戦士と斬り殺す戦士の戦いが


これからこの蟷螂型テラフォーマーを捕獲するか、それとも倒して夕飯にするか、次に僕が来るまでに投票してもらい、多かった意見を採用します。



近宮育郎「そろそろサンプリングをするか」

僕はアネックス一号の負担を減らすためにサンプリングを行う。



蟷螂型テラフォーマー「じょうじ」


こいつを捕獲する!



まずは捕獲する為に火を起こす。

近宮育郎『おおぉぉぉっ!』


一斉に僕達全員でかかる。

蟷螂型テラフォーマーは戸惑いながら僕達を切り裂いた。





隙有り





一体の僕が蟷螂型テラフォーマーに絡みつく。


蟷螂型テラフォーマーは瞬時に首を落とした 正にその時。




僕達は僕の切り口を焼いた。





死後硬直


それは全ての生物の死後に起こる現象


プラナリアにも無論、死後硬直はある。


近宮育郎はそれを拘束に利用する!



自らを殺し、自らの死後硬直で拘束。


現在の火星の外部温度ならば、この拘束は十日保たれる


蟷螂型テラフォーマーは、死後硬直に敗れたのだ。


近宮育郎「ふぅ……疲れるなあ」


蟷螂型テラフォーマーを捕獲した290体の僕は一息つく。


近宮育郎「ん? 夜か……」


僕達は、散り散りになる。


そう、今から始まるのは夜だ。


ゴキブリが多いに動く時!


注意しなくては。


>>123のコンマ以下二桁×>>125のコンマ以下一桁の数のテラフォーマーが夜襲にきます!


判定、スタート








360匹のテラフォーマーズは蠢き、迫る。



最強のプラナリア、即ち唯一、プラナリアの特性を生かした武器を持った近宮育郎の元へと。






さて、ここで少し余談を挟もう。


本来、火星には武器の持ち込みは不可能である。

その武器がテラフォーマーズに利用され、悪用される恐れが有るからだ。

しかし、マーズランキング15位以上ならば、その特性を十全に生かし、尚且つその武器が単体では脅威にならないと云う条件ならば持ち込みを許可される。


近宮育郎はマーズランキング番外。

しかし、彼はその武器が『余りにも』無害過ぎるが故に持ち込みを行えたのだった。



近宮育郎「……ちぇっ」


野営をしようとしていた近宮育郎(唯一のnot全裸)は気配に気がつく。


近宮育郎「……ざっと300くらいか」

周囲をぐるりと囲まれている、事だけはわかる。


近宮育郎「やばいな」


近宮育郎は薬が切れかけていたから継ぎ足す。


近宮育郎「さぁ、始めよう」


一日目の夜戦が始まる。



テラフォーマーズは近宮育郎(not全裸)が野営している洞窟を包囲していた。

テラフォーマー「じょうじょうじ」

テラフォーマーズ「じょうじ」

彼ら包囲部隊の耳にも既に入っていた。


敵は増える


という事実は。


だからこそ彼等は目的を持つ


即ち近宮育郎の捕獲


テラフォーマーズ達は一斉に掛かる 筈だった。






近宮育郎「こんばんは。ゴキブリ諸君」






瞬間!

近宮育郎は何かを飛ばした。


テラフォーマー「じょうじ?」


近宮が飛ばした何か、をテラフォーマーは拾った。

それは小さな団子だった。

テラフォーマー「じょうじょう」

そして、いきなりテラフォーマーは抗えない衝動に駆られ、団子を食べた。


近宮が投げた団子は20個

何れも同じようにテラフォーマーが食べた。


テラフォーマーズ「じょう?」


彼等はその不気味な行動に怯んだ。




近宮育郎「さて、逃げるか!」


近宮育郎はテラフォーマー達が団子を食べたのを見届けると、逃げた。


テラフォーマー「じょうじ!?」


テラフォーマー達は慌てて近宮育郎を追いかけ始めた。



近宮育郎の無害でおぞましい武器の真価は此から発揮される。




近宮育郎「ゴキブリか……まさかあんなに群れるとはなぁ」


ある程度逃げ切った近宮育郎はため息を吐く。



近宮育郎「さて、ここは苔が大量にある」

近宮育郎は午前中に自作したテラフォーマーの甲殻が素材のナイフを取り出す。

すぱぱ、と近宮育郎は指を切る。


指の破片、二十個




うじゅるうじゅると指の破片から二十人の近宮育郎が生成される。



近宮育郎「さて、僕達には此処でテラフォーマーの足止めを頼みたい」

近宮育郎「了解」


近宮育郎はまた走り去る。


同時刻、近宮育郎が放った団子を食べたテラフォーマーに異変が起きていた。


テラフォーマー「じ、じょうじ!? じょうじょう!」

テラフォーマーズ「じょうじ!?」

テラフォーマーズ「じじじじじじ……」


じじじじじじ……、と呻くテラフォーマーの体は異常に肥大していた。

風船みたいに巨大になっていた。


周囲のテラフォーマー達は心配そうに膨れたテラフォーマーを見る。


ピキピキ、と甲殻が軋む。



ピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキ


甲殻が細かく割れて行く



テラフォーマー「じょうじー!!?」


テラフォーマーが叫ぶ。


崩れ落ちた甲殻の中から、人影が現れる。





近宮育郎「ふぅ」

近宮育郎「ふぅ」

近宮育郎「ふぅ」


三人の近宮育郎が、テラフォーマーの中から現れた。





近宮育郎が所有する武器。

それは『増殖安定促進ペースト』である。

ゴキブリが好むふかしジャガイモをベースに、通常では有り得ない速度で近宮育郎を成長させる成長剤が含まれている。


そのペーストの中に自らの肉片を埋め込んで、テラフォーマーに食わせる。

すると、テラフォーマーの中で近宮育郎が成長する、という結果に終わるのだ。


では、普通に近宮育郎の肉体を食べさせた場合は、テラフォーマーの中で近宮育郎は増殖出来るのか?



答えは否、である。




このペーストに自らの肉体を接触させた場合のみ、ミヤマウズムシの細胞に近い細胞を持つ近宮育郎の細胞は、テラフォーマーの体内で増殖する事が出来る。

即ち、アネックスの中にある非常食では、意味がないのだ。


近宮育郎の武器であるペースト、恐らく、最も無害で最も鬼畜な武器であろう。











さて、無粋かもしれないが此処で少し話を脱線させよう。





奇妙奇天烈な近宮育郎の攻撃に対して、テラフォーマー達にある物が芽生えた。




感情



本来ゴキブリから進化したテラフォーマーには有り得ないものだ。


近宮育郎という、今まで出会った事がない異常、それにテラフォーマー達は恐怖する。


皮肉にも、近宮育郎という存在がテラフォーマー達の進化を今現在促してしまっているのだ。


さぁ、これが如何に転ぶのか?


テラフォーマー「じょうじ」

テラフォーマー「じょう」

テラフォーマー「じょうじ!」



感情が芽生えた340体のテラフォーマー達は散り散りに逃げる。


近宮育郎の強さを恐れ、彼等は逃げ出した。







二十年前の侵入者達と同じ



そう高をくくっていたテラフォーマー達は、認識を改める必要性を感じるのだった。


近宮育郎「やれやれ、全員敵前逃亡か」


近宮育郎はそう言いながら、夜営に適した洞窟の中に入る。



近宮育郎「後九日……か」



アネックスが来るまでの日日を口走り、近宮育郎は眠る。





一日目 終了


アネックス到着まで後九日




明日から君も味わえる! 簡単、『増殖安定促進ペースト』の作り方!



特別講師 蛭間七星



蛭間七星「あ、初めまして。蛭間七星です。今日はアネックス一号を助けるため、単身火星に乗り込んだ近宮育郎の武器、『増殖安定促進ペースト』の作り方をレクチャーします」


蛭間七星「まず用意する物は、ふかしたジャガイモ2000g、塩110g、しんなりキツネ色になるまで炒めた玉ねぎ1000g、そして近宮育郎の生育を促進させる薬を300gです」

蛭間七星「もし万一御家庭に近宮育郎の生育を促進させる薬が無ければ、代用品としてプロテインを使う事をお勧めします」


蛭間七星「これらの材料を全てミキサーに入れ、滑らかになるまでミキサーにかけます」


蛭間七星「滑らかでトロトロに成ったら完成です」


蛭間七星「是非とも御家庭で作ってみて下さい」


蛭間七星「今日のU-NASA三分クッキングはこれでおしまいです。有り難うございました」





続く?

明日の朝の行動は?

>>167

捕獲罠設置にチャレンジ



二日目


アネックス到着まで後八日




近宮育郎「朝、か。よし、今日は一度罠でも作ってみるか」


今日の目標を定めた近宮育郎は動き出す。



近宮育郎「さて、>>172に行くか」


安価は水辺か平野か山の中から選んで下さい。

山の中



火星の山中。



近宮育郎「さて、とりあえず団子八個を落とし穴の中に入れた自己養殖場と、深さ八メートルの捕獲用落とし穴は完成、か」



30人の近宮育郎は溜め息を吐いた。


近宮育郎「さて、どれだけのテラフォーマーがかかるか、だなぁ」


近宮育郎は背伸びした。



>>176が書いたトラブルが起きます。(明らかにむちゃくちゃなのは下に移行)



テラフォーマー「じょうじ」



近宮育郎「!!?」


瞬間、近宮育郎は振り向く。


近宮育郎「」


テラフォーマー「じょうじ」
テラフォーマー「じょうじ」
テラフォーマー「じょうじ」
テラフォーマー「じょうじ」
テラフォーマー「じょうじ」
テラフォーマー「じょうじ」
テラフォーマー「じょうじ」
テラフォーマー「じょうじ」
テラフォーマー「じょうじ」
テラフォーマー「じょうじ」


見渡す限りテラフォーマーの子供子供子供子供子供子供子供子供子供子供子供子供子供子供子供子供子供子供子供子供子供子供!



近宮育郎「くっ!」


近宮育郎は瞬時にペーストと、非成長処理を施した自らの肉片を団子にし、テラフォーマーに喰わせる。


因みに、非成長処理とは乾燥させる事である。


非成長処理された肉片は、ペーストと組み合わせる事により、生物の体内のような高栄養価条件で成長する。


急造した団子をテラフォーマーが喰らう。




近宮育郎「さて、僕が増えるまで時間を稼ぐか」


近宮育郎は構える。


戦いが始まる。



近宮育郎「やっ!」


殴り、締め、くびる。

それによってテラフォーマーの子供の甲殻が砕かれる。

近宮育郎の力で砕かれる、即ちテラフォーマーの子供の硬さは柔らかいのだ。





諸君等は生まれたてのゴキブリを潰した事が有るだろうか?

生まれたてのゴキブリは成体より柔らかい。


それはテラフォーマーも同じ



近宮育郎は十分に渡り、子供テラフォーマーと戦う。







そして近宮育郎の切り札は完成する。






ピキピキピキピキピキピキピキピキ




テラフォーマー「じょうじ!?」




近宮育郎「ふぅ」


近宮育郎、新たに誕生!


近宮育郎「……さぁ、脅威は早めに潰すに限る」


一方的な殺戮は続く。




三十分後




近宮育郎「どうやら此処はテラフォーマーの子供が集まる場所か」



近宮育郎、テラフォーマーの子供の殲滅完了!


増加数 130体。


現在火星在住近宮育郎、2300体。






さて、此処で重要な事を空かそう。



近宮育郎の『本体』についての話である。

一体どの近宮育郎が指揮を執っているのか、という話である。

答えは単純。





誰も居ない、である。




それでは、近宮育郎は何故に統率がとれているのか?


その理由を簡単に説明すると、双子の共感覚に近しい物が原因である。


双子は時として、連絡を取り合わなくても、互いを理解する。


DNA、育った環境が似通っているだけで、この現象は起きる。


ならば、DNA及び育った環境が全く同じならば、どうなるか。



無論、その共感覚は強化され、あたかも一つの意志を持つかのように動く群体が完成する。


これが近宮育郎の絡繰りである。







しかし、無論この共感覚には欠点も有る






テラフォーマー「じょうじ」

テラフォーマー「じょうじじょう」


近宮育郎「っ!?敵襲か!」




テラフォーマー「じょうじ」

テラフォーマー「じょうじじょう」


近宮育郎「っ!?敵襲か!」




テラフォーマー「じょうじ」

テラフォーマー「じょうじじょう」


近宮育郎「っ!?敵襲か!」




テラフォーマー「じょうじ」

テラフォーマー「じょうじじょう」


近宮育郎「っ!?敵襲か!」




テラフォーマー「じょうじ」

テラフォーマー「じょうじじょう」


近宮育郎「っ!?敵襲か!」




火星各地でおなじような情景が広がる。


テラフォーマー達は組織された。

つまり、包囲殲滅。


再生能力がキレた近宮育郎に為すすべはない。


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