ベルトルト「赤いマフラーと」ミカサ「濃紺のハンカチ」(127)

訓練が終わり夕食を済ませ、訓練兵は宿舎で消灯までの時間を各々自由に満喫している。

僕はいつも通り、ベッドの隅で体を丸め、本を読んで過ごすことにした。

ベッドの下は少し騒がしい。
どうやら皆でトランプをするらしかった。

コニーが梯子の隙間から顔だけ出して、僕も仲間に入れと誘ってくれたが、曖昧な笑みと言葉でそれを断った。

本に目を戻そうとした瞬間、楽しそうに机を囲む皆の姿が目に入った。
この部屋はランプの頼りない灯りしかなくて薄暗い筈なのに、その光景はとても眩しく見えた。


そして、それは急にキた。

ズグン、と腹の奥から何かが生まれた。
自分がやけに鼓動をはっきりと聴こえる。

くるしい。
いたい。
いきが、

そのよく分からない感情に押し上げられ、じわじわと目に涙が溜まる。今にも零れ落ちてしまいそうだ。
見られないように顔を伏せながらそっと部屋を出た。
ライナーに声をかけられたが、震える声を抑えながら、トイレ、とだけ答えた。


ベルトルト「…うう、うわぁ、あ」


外へ出て、誰もいない宿舎裏で泣いた。涎と、涙と鼻水が混じったものが次から次へと顔を伝い、暗闇に落ちては消えていった。呼吸が浅く、切れ切れになる。

徐に、ポケットに忍ばせた折りたたみナイフを取り出す。

震える手でナイフを広げ、その先端を手首の皮膚に押し当てる。
徐々に力を込めると、ブツ、と音を立てて冷たい金属が肉に食い込んだ。
そのままナイフを下に滑らせる。

張っていた皮膚の表面が決壊して、そこから溢れる、
血が、血が、血が。

手首に激痛が走り、思わずナイフを落としてしまった。


ベルトルト「いたい、はぁ…いたいよぉ…」


こんなことをしても、自分からは逃げられないことはわかっている。

それでも、感情の逃げ場所を無くした僕は、凝り固まった膿を出すかのように時々こうして手首を切った。

痛みに耐えかねて、どうせすぐに治してしまうのだけれど。


ベルトルト「情けない、な…」



「なにをしてるの?」


ベルトルト「!?」


見られた。こんなところを。
ー誰に?

恐る恐る振り返ると、そこには、夜目にも美しい黒髪をたたえた、1人の少女が立っていた。


ベルトルト「ミ、カサ…?」

ミカサ「…」

ベルトルト「あ、待ってくれ!行かないで」

ミカサ「!」

ベルトルト「…ごめん、その、変なところ見せて…」

ベルトルト「あの…このことは誰にも言わないでくれ。頼む」

ミカサ「…」

ベルトルト「…ミカサ?」

ミカサ「元より、言い触らす気はない。ただ、出血が多いので、誰かを呼ぼうと思っただけ。」

ミカサ「でも、他人に見られたくないと言うのなら、呼ばない…」

ベルトルト「そうしてくれると助かるよ」

ミカサ「…」


彼女は何か思いつたように、自分のスカートのポケットに手を入れ、刺繍の施されている白い布ーハンカチを取り出した。

そして僕の前に膝をつき、そのハンカチをそっと手首に巻いてくれた。

その全ての動作が細工物のように洗練されている、そう思った。


ベルトルト「汚れちゃうよ」

ミカサ「構わない。」

ベルトルト「ごめん…ありがとう」


鮮血は染み渡り、あっという間に白いハンカチを紅に染めた。

沈黙が怖い。何か言わなければと目を泳がせていると、ふと彼女の首元に目がいった。

ベルトルト「は、はは、マフラーとお揃いになったね」

ミカサ「は?」

ベルトルト「…その、えっと…これ、色が」

ミカサ「笑えない」

ベルトルト「ごめん」

ミカサ「早く医務室に行くといい」

ベルトルト「大丈夫だよ。見た目より傷口は浅いから、多分」

ミカサ「…」



ミカサ「なぜ自分で切ったの?」

ベルトルト「…」

ベルトルト「ごめん…気持ち悪いよね、こんなの」

ミカサ「別に。ただ、純粋に疑問なだけ。…自分で自分を切っても、痛いだけで得るものはないから。」

ベルトルト「うん、痛いよ」

ミカサ「うん、痛そう」

ベルトルト「分かっているんだ。切っても、痛いだけだって。でもこうすると、少しだけ楽なんだ。…許されるような気がして」

ミカサ「何が?」

ベルトルト「僕が存在することが、かな…」

ミカサ「あなたは罪人なの?」

ベルトルト「…」

ミカサ「…余計な詮索だった。もうしない」

ベルトルト「…ああ、助かるよ」

ミカサ「それでも、手首を抉ってしまったら訓練に支障がでる。ので、次にやるときは、もう少し切る場所を選ぶといい」

ベルトルト「…」

ミカサ「…何?」

ベルトルト「あ、いや…ごめん、意外だなと思っちゃって…」

ミカサ「意外?」

ベルトルト「君はエレンのことにしか興味がないのかと思っていたから、その、少し驚いた」

ミカサ「それは心外」

ベルトルト「そうだよね。ごめん」

ミカサ「アルミンにもある。アルミンは私の大切な親友」

ベルトルト「その他は?」

ミカサ「…」

ベルトルト「…はは」

ミカサ「…あなたの言うとおり、2人以外にはあまり関心が持てないのは事実。」

ミカサ「エレンは家族、アルミンは親友。そしてその他は」

ベルトルト「家族?」

ミカサ「何か?」

ベルトルト「君とエレンって、恋人同士なんじゃないのか?」

ミカサ「は?」

ベルトルト「そ、そんな怖い顔しないでくれ。いつも一緒にいるから、その、勘違いしてたみたいだ。ごめん…」

ミカサ「…」

ベルトルト「…」

ミカサ「…エレンには、昔、命を救われたことがある。」

ベルトルト「…そうなの?」

ミカサ「ええ、このマフラーはその時もらった」

ベルトルト「それでいつもしてるんだね、それ」

ミカサ「うん」

ベルトルト「大切なものなんだ」

ミカサ「…うん」

ミカサ「…私はここにいる人達を、大切な仲間だと思っている。それでも1番優先すべきはエレン。その次にアルミン。」

ベルトルト「順番があるんだね」

ミカサ「ええ。」

ミカサ「優先すべき命を自分の中で発揮りさせて置かないと、窮地の時に迷いがでる。…一瞬でも迷っては駄目。人は、簡単に死んでしまう」

ベルトルト「…」

ミカサ「…私の目に映る範囲と、この両手で守れるものには限界があるから」

ベルトルト「………そう、か」



ーああ、そうか。

コニー『おい、ベルトルト。1人で本読んでねぇでお前も混ざれよ。』



ベルトルト「そう、だよね」

ミカサ「…ベルトルト?」

ベルトルト「両手に溢れるくらい、たくさん抱えたらさ、抱えきれなくて、零れちゃうのに、ね」



ジャン『俺が勝ったらお前ら、明日朝食のパン俺に献上だからな!』



ベルトルト「そんなの、自分が辛いだけ、なのに。苦しいだけ、なのに…」



ライナー『ポーカーに1番向かなそうな奴が何言ってやがる。ははは…』



ベルトルト「どうして、そんな、簡単なことも、分からない、かなぁ」

ミカサ「…何の話をしているのか分からない」

ベルトルト「…ご、めん」

ミカサ「分からないから、私には何もできない。ので、泣かないで欲しい」

ベルトルト「ごめん、…」

ミカサ「…もう行く。あなたも、落ち着いたら戻るといい」

ベルトルト「…ああ…」

ベルトルト「あ、ハンカチ!…その、洗って返すよ」

ミカサ「いい。その様では多分洗っても落ちない。そのまま捨ててくれて構わない。特に思入れのある品でもないから。」

ベルトルト「……そう」

ミカサ「では、お大事に。」

ベルトルト「ミカサ」

ミカサ「?」

ベルトルト「ありがとう」

ミカサ「…どういたしまして」

ーーーーーー
ーーーー
ーー

ミカサ「おはよう、エレン」

エレン「おう」

アルミン「おはよう、ミカサ」


ベルトルト「…あ、ミカサ!」

ミカサ「?」

ベルトルト「おはよう、少しいいかな?」

アルミン「おはよう、ベルトルト」

ベルトルト「おはよう、アルミン。エレンも」

エレン「よう。珍しいな、ミカサに用事か?」

ベルトルト「うん…あの、よかったら2人にしてくれないか。少しだけ」

アルミン「いいよ。行こうか、エレン」

エレン「おう」

ミカサ「何?」

ベルトルト「あの、これ」

ミカサ「ハンカチ?」

ベルトルト「新しいのを買ったんだ」

ミカサ「気にしなくていいと言ったのに」

ベルトルト「うん、でも流石にね」

ミカサ「…綺麗な色」

ベルトルト「その…赤色、好きなのかと思って…赤にしようと思ったんだけど」

ミカサ「濃紺」

ベルトルト「ああ」

ベルトルト「汚れて、ボロボロになったら…躊躇なく捨てて欲しいと、思ったから」

ミカサ「…」

ベルトルト「…その」

ミカサ「…ありがとう。使わせてもらう」

ベルトルト「うん。それじゃあね」







ジャン「おい!おいおいおいベルトルト!」

ベルトルト「ジャン、おはよう」

ジャン「おはようじゃねぇよ!どういうこった!?お前もミカサ狙いなのか!?」

ベルトルト「そんなんじゃないよ」

ジャン「本当だな!?嘘ついてないだろうな!?」

コニー「ベルトルトが相手じゃ勝ち目ねぇもんなぁ、お前」

ジャン「んだとぉ!?」

ライナー「ジャンよりいい奴なのは確かだな」

ジャン「てっめぇ!」

ベルトルト「あはは…」



大丈夫。

大丈夫。

僕は


捨てられる。

短くてサーセン。

11巻読んで、躊躇して一発で首を落としきれなかったミカサを見て、やっぱり訓練兵時代に何かしら絡みはあったんだろうなと妄想して書いた。

ミカサかわいいよミカサ。

>>1です

やっぱり誤字ってた。

>>2
自分がやけに鼓動をはっきりと聴こえる×
自分の鼓動がやけにはっきりと聴こえる◯

続きらしきものができたので更新する
でも話してるだけでなんの面白みもない

最近痔になってホモに気持ちが少しわかった。

対人格闘訓練にて




ミカサ「ベルトルト」

ベルトルト「ミカサ」

ミカサ「調子はどう?」

ベルトルト「ああ、手かい?それならお陰様でこの通り」

ミカサ「そう。では私と組んでほしい」

ベルトルト「僕と?いいけど、ライナーは?時々組んでるじゃないか」

ミカサ「彼ならあっちで別の人と組んでいる」

ベルトルト「あ、ほんとだ。何時の間に。」

ミカサ「ライナーは人気。対人格闘においてのみ」

ベルトルト「兵站行進や野営でも人気だよ」

ミカサ「あなたは意外とノリがいい」

ベルトルト「それほどでも」

ベルトルト「エレンとは組まないの?」

ミカサ「あそこ」

ベルトルト「ああ、アニか…」

ミカサ「これは訓練だからエレンが誰と組もうと別に構わない。もしあの女が変なことをしようとしても、この距離なら届く。」

ベルトルト「何が?」

ミカサ「ベルトルトが」

ベルトルト「投げる気!?」

ミカサ「冗談」

ベルトルト「それなら笑って言ってくれ、ほんの少しでいいから」

ミカサ「では、はじめよう」

シュッ バシッ



ミカサ「本気を出していい」

ベルトルト「本気だよ」

ミカサ「ダウト」

ベルトルト「うわっ」


ミカサ「あのハンカチ」

ベルトルト「っ!」

ミカサ「とても気にっている」

ベルトルト「気にってほしく、ないんだって、ば」

ミカサ「そうだった、では」

ベルトルト「!」

ミカサ「捨てる時には見る影もない程引き裂いて燃やして、灰は川に流そう」

ベルトルト「まるでお葬式のようだ」

ミカサ「あなたに貰ったハンカチなど毛程も気にってないけれど」

ミカサ「あの色はとてもいい。」

ベルトルト「染料の違いかな。おっと。…一点物の手染め製品が売りのお店なんだ」

ミカサ「今度そのお店を教えてほしい」

ベルトルト「だめ」

ミカサ「どうして?」

ベルトルト「お値段がばれちゃう」

ミカサ「気にしない」

ベルトルト「気にして」

ミカサ「抵抗しないと負ける」

ベルトルト「んっ」


ベルトルト「なら、少しだけっ」

ゴッ


ミカサ「…」

ベルトルト「…?」

ミカサ「あつい」

パタリ

ベルトルト「ミカサ…?」



ベルトルト「ミカサ!」


コニー「おいミカサが負けたぞ!」

アルミン「まさか。そんなことあるわけ」

アルミン「うわぁ」

ーーーー
ーー


ミカサ「…」

ベルトルト「あ、起きた?」

ミカサ「…ん」

ベルトルト「ごめんね、そんなに強くしたつもりはなかったんだけど」

ミカサ「謝らなくていい。訓練だから」

ミカサ「ここまで運んでくれたの?」

ベルトルト「ああ」

ベルトルト「僭越ながらお姫様抱っこというものをさせてもらったよ」

ミカサ「覚えている。重かったでしょう」

ベルトルト「そんなことないさ」

ミカサ「ダウト」

ベルトルト「砲弾の箱を持ったときと似ていた。腰にきたよ」

ベルトルト「いや、僕よりミカサだよ。…熱中症かなぁ。君がが倒れるなんて相当だ」

ミカサ「熱中症もあると思うけれど原因はわかっているので平気」

ベルトルト「え?…病気、とか?」

ミカサ「…心配ない。女は定期的に体調を崩す」

ベルトルト「え?そうなの?なにかの持病?でも性別で差がでる病気なんて…」

ミカサ「女、体、定期的。このキーワードで察して欲しい。」


ベルトルト「…………………あ」

ミカサ「…」

ベルトルト「ごめん、その」

ミカサ「謝らなくていい。」

ベルトルト「…」

ミカサ「…」

ベルトルト「…あの、女の子は凄いよね、その…子供が産めるんだから」

ミカサ「…」

ベルトルト「体の中で別の生命が育つなんて、まったく想像つかないよ」

ミカサ「はぁ」

ベルトルト「え」

ミカサ「謝らなくていいとは言ったが、あまり楽しくお喋りできる題材ではない。男女間では特に」

ベルトルト「すいません」

ミカサ「一度濁したのに、どうしてそこを掘り下げるのか」

ベルトルト「ごめんなさい」

ミカサ「ここはあなたの普段の無口さを発揮すべきところ」

ベルトルト「許して」

ミカサ「悪意はなさそうなので許そう。」

ベルトルト「…」

ミカサ「ベルトルト」

ベルトルト「はい」

ミカサ「こっちにきて」

ベルトルト「怒らないで」

ミカサ「怒らない」

ベルトルト「…え?何?うわぁ」


ギュ


ベルトルト「ど、どうしたの?」

ミカサ「うん、だっこされているときに思った。やはり似ている」

ベルトルト「似てる?」

ミカサ「臭いが」

ベルトルト「に、臭い?」

ミカサ「お父さんと臭いが似ている」

ベルトルト「…それ僕がジジくさいってこと?」

ミカサ「それは飛躍し過ぎ。もっといい意味に捉えていい」

ミカサ「ううん、なるほど。はぁ」クンクン

ベルトルト「嗅がれている」

ミカサ「よくお父さんに肩車されたことを思い出す。うん」

ベルトルト「手持ち無沙汰だから抱きしめ返してもいい?」

ミカサ「どうぞ。」

ベルトルト「あぁ、柔らかい…固定砲みたいだ」

ミカサ「いまここに一つの矛盾が生まれた」

ベルトルト「ねぇミカサ」

ミカサ「何」ゴロゴロ

ベルトルト「男に『抱きしめたい』なんて言われても簡単にOKしないほうがいい」

ミカサ「心配しなくても人は選ぶ。ジャンなら断ってた」

ベルトルト「ジャンには下心があるからなぁ」

ミカサ「あなたにはないの?」

ベルトルト「ないとは言い切れないけれど、僕は妄想型のムッツリだから」

ミカサ「妄想型?」

ベルトルト「想像はしても実行には移れない」

ミカサ「ヘタレ」

ベルトルト「そうとも言う」

やり取りにセンスを感じる
>>1は他に何か書いてる?

ミカサ「昔は、寂しくて泣いてるときにエレンによくこうして貰った。懐かしい」ゴロゴロ

ベルトルト「君達の関係って本当に家族?」

ミカサ「家族でも抱き合うくらいはする。違う?」

ベルトルト「わからないんだ。家族がいないから。…………あ。」

ミカサ「しまった、という顔をしている」

ベルトルト「しまったかもしれない」

ミカサ「詮索はしない」

ベルトルト「君の無関心さには救われる」

ベルトルト「ああ、でも、寂しいときはライナーに抱きしめて貰ったな。昔の話だけれど」

ミカサ「今は?」

ベルトルト「そんなことしないよ。気持ち悪いだろう、男同士で」

ミカサ「そういうもの?」

ベルトルト「そういうものなんだ。…寂しいけれど。だから僕は手首を切っていたのかもしれない」

ミカサ「笑えない」

ベルトルト「冗談じゃないよ」

ミカサ「ううん、でもエレンに抱きしめられたときとはやはり何か違う。」ゴロゴロ

ベルトルト「それは君がエレンが好きで、僕のことは好きじゃないからだよ」

ミカサ「あなたのこと嫌いとは言ってない」

ベルトルト「『好きじゃない』と『嫌い』は違うんだ」

ミカサ「そうなの?」

ベルトルト「うん、きっと。ニュアンス的に」

ミカサ「難しい」

ベルトルト「好きには色んな種類があるから。僕もそれで困ってる」

ミカサ「そうなの?」

ベルトルト「ああ」

ミカサ「詳しくは聞かない」

ベルトルト「助かる」

>>46
恥ずかしいけれどベルトルト「ユミル、結婚しよ」書いた。
まとめサイトでボロクソだったので沈殿してた。が、ミカサが可愛いので浮上

あと最近痔の手術をした

ミカサ「好きな人がいるの?」

ベルトルト「詳しく聞かないって言ったのに!」

ミカサ「思わず興味が湧いてしまった。これでも年頃の女の子」

ベルトルト「僕に無関心な君が好きだった」

ミカサ「好きだなんて言われると照れる」

ベルトルト「相変わらず表情筋がピクリとも動いてない」

ミカサ「訂正しよう。ニュアンス的には照れてなくはない」

ベルトルト「ややこしい」

ミカサ「ん?照れてなくなくない」

ベルトルト「それは最終的に照れてないと言っている」

ミカサ「なくなくなくなくない?」

ベルトルト「もういいよ」

ミカサ「話が逸れた」

ベルトルト「逸らしたんだよ」

ミカサ「それでベルト」

ベルトルト「君のお父さんの話をしよう」

ミカサ「話が戻った」

ベルトルト「戻したんだよ」

ベルトルト「お父さんは元気?」

ミカサ「両親はすでに鬼籍に入っている」

ベルトルト「それは…すまない」

ミカサ「気にしなくていい。エレンやアルミンのお陰で大方立ち直っている。」

ベルトルト「…よかったらお父さんとの思い出話を聞かせてくれないか」

ミカサ「いいだろう。父とは…最後に何を話したっけ…?」

ベルトルト「いきなりそんなヘビーなとこからいく?」

ミカサ「…ああ、そうだ」


ミカサ「赤ちゃんの作り方を聞いたんだ」


ベルトルト「み、み、みかさ、はなして」

ミカサ「どうかした?」

ベルトルト「僕に下心ないと言ったのは嘘だ。いや、今嘘になった。ドキドキしてきた」

ミカサ「なら離そう」パッ

ベルトルト「ふぅ…びっくりした」

ミカサ「それはこっちのセリフ。青少年の下心の芽生えに立ち会ってしまった。」

ベルトルト「君が変なこというからだ」

ミカサ「変なこと?子作りは変なことではない。子作りしなければ人は生まれない。両親が子作りしたから今ここに私やあなたがいる。違う?」

ベルトルト「子作り子作り言うのをやめてくれ!」

ベルトルト「あと『あなた』って呼ぶのよして、恥ずかしい」

ミカサ「名前が長いからこう呼んでるだけ。他意はない」

ベルトルト「君の発言もだが、シュチュエーションもよろしくない」

ミカサ「医務室が?」

ベルトルト「医務室が」

ミカサ「妄想型の発想はイマイチわからない」

ベルトルト「今君、襲われたって文句言えないよ」

ミカサ「何故?襲う方が悪いに決まってる。襲われた時点で私にはあなたの全身を跡形も無く削ぐ権利が発生する」

ベルトルト「…うん、それはそうなんだけど。でもね、少しは発言に配慮した方がいい。思春期の男の子はタカが外れやすいから」

ミカサ「私の言動によって?」

ベルトルト「そう。シュチュエーション作りの手助けをしてしまうことがあるんだ」

ミカサ「わかった。では私がその要因の一つになってしまったときには、右腕だけ残してあげよう」

ベルトルト「君の優しさって攻撃的」

ミカサ「話していたら調子が戻った」

ベルトルト「そうか。ならよかったよ。」

ミカサ「あなたは落ち着いた?」

ベルトルト「うん、大丈夫だ。大丈夫」

ミカサ「もう少し休んでいく?」

ベルトルト「どうしてそんな優しい声かけながら拳を作っているんだ君は」

ミカサ「医務室で休むには口実がいる」

ベルトルト「口実のために命は張れないな」

ミカサ「そう。では出よう。」

ベルトルト「ふぅ」

ミカサ「どうやら疲れさせてしまったみたい」

ベルトルト「いや、話せて楽しかったよ」

ミカサ「そう」

ベルトルト「ミカサ」

ミカサ「何?」

ベルトルト「もしまた僕のつまらない話を聞いてくれるのなら、今度は肩車してあげてもいい」

ミカサ「それは楽しみ」

ベルトルト「目が笑ってないけどその言葉を信じよう」

ミカサ「エレンもいい?」

ベルトルト「いいよ」

ミカサ「じゃあ、また」

ベルトルト「お大事に」


ーーー
ーーーー


ベルトルト「あ、ジャン。…何持ってるの?」

ジャン「…ミカサは?」

ベルトルト「帰ったよ。もう大丈夫だって。もしかしてお見舞いにきたの?」

ジャン「…まあな」

ベルトルト「お花摘んで?」

ジャン「うるせー」

ベルトルト「後で渡しなよ。喜ぶよ、多分」

ジャン「おい」

ベルトルト「はい?」

ジャン「…なんもしてねぇだろうな」

ベルトルト「ミカサに?まさか。削がれちゃう」

ジャン「だよなぁ」

ベルトルト「下心は芽生えたけれど」

ジャン「はぁ!?」

ベルトルト「怒らないで。肩車してあげるから」

ジャン「いらねぇよ!」



読んで下さってありがとうございます。
あーバラしちゃったよー。何書いた人間かバラしちゃったよー。でも嘘つくのもなぁ…もうこれまとめられちゃったかなぁ。恥ずかしいなぁ

まあいいか。おやすみなさい。
痔には気をつけて

>>49
エレベルって何てスレ?

>>64
エレン「俺お前のこと好きだ」みたいな題名のやつです。自分の処女作

深夜で書いたけどたぶんもうない。その辺のまとめスレで見えるかも

浮上。蛇足のおまけが出来たので

このスレでの更新は本当にこれが最後です

ベルトルト「ミカサ」

ミカサ「ベルトルト…」

ベルトルト「今は?」

ミカサ「問題ない」

ベルトルト「絶好の機会だ」

ミカサ「時は満ちた」

ベルトルト「さぁ、来るんだ」

ミカサ「ええ」

ヒョイ



バーン!



アルミン「なにやってるの?」

エレン「肩車だろ」

アルミン「そうなんだけどね」

ベルトルト「乗り心地はどうだい?」

ミカサ「なかなか」

エレン「いいなぁ」

ミカサ「目線が高い。巨人になった気分だ」

アルミン「ミカサが巨人だったら勝てる気しないな」

エレン「俺は負けねぇぞ!」

ベルトルト「売られてもない喧嘩を買わないで」

アルミン「血の気が多いから」

ミカサ「重い?」

ベルトルト「重い」

ミカサ「なんの捻りもなく言われると流石に傷付く」

ベルトルト「ごめん」

ミカサ「満足した」

ベルトルト「よかった」

ベルトルト「屈むからしっかり掴まっててね」

ミカサ「うん」


ベルトルト「はい、次はエレン」

エレン「え、俺?」

ベルトルト「嫌?」

エレン「うーん…」

ミカサ「エレンもしてもらう約束なので」

エレン「そうか、約束ならしかたないな」


ヒョイ

エレン「おお!」

ベルトルト「暴れないでね」

エレン「かかってこい!」

アルミン「誰に向けて言ってるの?」

エレン「気分だよ」

ミカサ「かかっていい?」

エレン「ダメだ落ちる」


エレン「アルミンもやって貰えよ」

アルミン「僕はいいよ、怖そうだし」

ベルトルト「そんなこと言わずに」

ミカサ「今後の参考になるかもしれない」

アルミン「何の?」

ミカサ「人類の勝利に役立つための?」

アルミン「ならないよ」

ベルトルト「ならないこともないかもよ」

アルミン「え?」

ベルトルト「まあその、なに、一夏の経験としてさ」

エレン「そうだそうだ」

ミカサ「人はいつ死ぬか分からない」

アルミン「そんな話しだった?」


ベルトルト「よいしょ」ヒョイ

アルミン「こ、こわい」プルプル

エレン「怖がりだなぁアルミンは」

アルミン「だって高いよ」

ベルトルト「降りる?」

アルミン「うん…」


ベルトルト「ふぅ」

ミカサ「お疲れ様」

ベルトルト「さて、アルミン」

ベルトルト「僕は君に肩車をしてあげたね?」

アルミン「ちょっと違うと思うけど結果的にはね」

ベルトルト「ならば僕に其れ相応のお礼をすべきじゃないのかな」

アルミン「なんだよそれ!」

ベルトルト「君はリンゴを買うときお金を支払わないの?」

アルミン「僕が悪いみたいに言う」

エレン「俺はいいのか?」

ベルトルト「それはそういう約束だったから」

アルミン「ずるいよ!」

ミカサ「すまない」

ベルトルト「ええい、心臓を捧げよ!」

アルミン「!?」バッ

ベルトルト「よし」

ギュッ


エレン「お礼ってこれか?」

ベルトルト「うん」

アルミン「だ、抱きつかれた…」

ミカサ「アルミンはどう?」

ベルトルト「びっくりするくらいいい匂いがする」

ミカサ「でしょう」

エレン「なんでお前が誇らしげなんだ」

ベルトルト「ドキドキしてきちゃった」

アルミン「びっくりのドキドキだよね?そうだよね?」


アルミン「ふぅ」

ミカサ「お疲れ様」

アルミン「何だったんだこれは」

ベルトルト「強いていうなら抱き心地比べかな」

エレン「なんか今日は積極的だなベルトルト」

アルミン「僕は消極的な君が好きかもしれない」

エレン「ついでだから俺ともやっとくか?」

ベルトルト「うん!」

ギュッ

アルミン「積極的なベルトルトはどう?」

エレン「と、父さん…」

ベルトルト「それ流行ってるの?」


サシャ「ベルトルトォ!」

ベルトルト「なんだいサシャ。それとコニー」

コニー「なぁなぁ、お前今あっちでエレン達に肩車してたよな?」

ベルトルト「ああ」

コニー「俺にもしてくれ!」

サシャ「私にも!」

ベルトルト「いいとも」


ヒョイ

コニー「おお、たっけぇー!すっげぇー!」

サシャ「おお!コニーが私より大きいです!」

コニー「ベルトルト、発・進!」

ベルトルト「しないよ、腰もげる」

サシャ「次!変わってください!」

コニー「おう」


サシャ「うひょー」

ベルトルト「暴れないで!」

サシャ「おお…力が…漲ってくる…」

コニー「おお!」

サシャ「今の私に…不可能はない」

ベルトルト「そんな効果はないはずだけど」

サシャ「これで食糧庫に入ったら向かうところ敵なしですかね」

ベルトルト「目立つからだめだよ」

コニー「格好の標的だな」

サシャ「じゃあ囮につかえますかね」

コニー「それだ」

ベルトルト「どれだ」


ベルトルト「さて、君達は僕に肩車をしてもらったんだから、僕にお礼をしなければならないよね」

コニー「ん?…おう、なるほどな」

サシャ「明日のパンですか?」

ベルトルト「君は少しパンと心の距離を置いた方がいいかな」

コニー「でもあんまり難しいことは無理だぞ。俺たちバカだし」

ベルトルト「簡単なことだよ。ほんのちょっとでいいから、抱きしめさせて欲しいんだ」

コニー「なんだよそんなことか。いいぞ」

サシャ「私も構いませんよ」

ベルトルト「ううん、すんなり事が運んでしまう」

サシャ「いけないんですか?」

ベルトルト「ファーストコンタクトから肩に乗せ、お礼までのやり取りを含めて『KATAGURUMA』だからね」

コニー「分かるよ」

サシャ「本当に?」

ベルトルト「よし、2人まとめてこい!」

コニー「よっしゃ!」

サシャ「とお!」


ギュギュッ


ベルトルト「うん、元気があってよろしい」

サシャ「結構楽しいです!」

コニー「なぁ!」

ベルトルト「あはははっ!」


ベルトルト「ジャン!」

ジャン「あ?なんだ?」

ベルトルト「約束の肩車!」

ジャン「は?」

マルコ「なんか本の題名にありそうだね。『約束の肩車』」

ジャン「ねぇよ」

ベルトルト「それ人死ぬ?」

マルコ「サスペンスよりヒューマンドラマ派かな僕は」

ベルトルト「君らしいね」

ジャン「なんだよマジで本の話なのか?」

ベルトルト「違うよ?」

ジャン「違うのかよ」

ベルトルト「約束したじゃないかあの日あの時あの場所で、僕は君に肩車をしてあげると」

ジャン「ドラマチックに言うな」

マルコ「ジャン、僕の知らないところでそんな破廉恥な」

ジャン「のるなマルコ!」

ベルトルト「さ、どうぞ」

ジャン「どうぞって言われてもなぁ」

ベルトルト「今ならミカサと間接肩車だよ!」

ジャン「なんだよ間接肩車って」

マルコ「間接キスみたいな?」

ベルトルト「そう」

ジャン「適当なこといいやがって…」

ジャン「…」

マルコ「ちょっと惹かれてる?」

ジャン「うるせぇ」

ベルトルト「わかるよジャン。間接って直接より、なんかいいよね」

マルコ「響きがね」

ジャン「お前ら仲いいな」

ベルトルト「のるの!?のらないの!?」

ジャン「急にでけぇ声出すな!わかったよ乗りゃいいんだろ!?」

ヒョイ

ベルトルト「どう?」

ジャン「高ぇ」

ベルトルト「なんて面白みもない。好きな子が跨った肩に君は今は跨ってるんだよ?」

ジャン「妙な言い回しをするんじゃねぇ」

マルコ「そう言えばさっきコニー達を肩車してなかった?」

ベルトルト「うん」

ジャン「間接じゃねぇじゃん!」

ベルトルト「30分ルールだよ」

マルコ「長いね」

ジャン「おろせ!」


ベルトルト「はい、次マルコね」

マルコ「僕もいいのかい?」

ベルトルト「もちろん」


ベルトルト「ふんっ!」ヒョイ

マルコ「わあ、やっぱり眺めがいいね」

ジャン「そんくらいの高さならいつも飛び回ってんだろ」

マルコ「いやあ、立体起動は景色を見ている暇がないからさ」

ジャン「景色を見るためのもんじゃねぇしな」

マルコ「人はいつか景色を楽しむために空を飛べるかな」

ジャン「さぁな」


マルコ「ありがとう、楽しかったよ」

ベルトルト「はい、それではマルコには肩車のお礼をしてもらいます」

マルコ「え」

ジャン「勝手にやっといてなんて奴だ」

ベルトルト「勝手じゃないし。マルコも乗り気だったし。」

ベルトルト「それでお礼なんだけど」

マルコ「お金?」

ベルトルト「お礼と聞いて即現金に直結させるなんて僕びっくりだよマルコ」

ジャン「いい子振ってるが意外とリアリストだからなこいつ」

ベルトルト「お金なんていらないから少し抱きしめさせて」

ジャン「体でってやつ?」

ベルトルト「違うよ!」

マルコ「びっくりした」

マルコ「よくわからないけどそれ位なら」

ベルトルト「ありがとう」

ギュッ

ジャン「…熱苦しい光景だ」

マルコ「汗臭くない?」

ベルトルト「おひさまのにおいがする」

ジャン「嗅ぐな」

ベルトルト「そしてなんという包容力。全てを投げ出して、この身を君に預けてしまいたい。」

マルコ「照れるなぁ」

ジャン「照れるな」


ベルトルト「余は満足じゃ」

ジャン「俺はしなくていいのか?」

ベルトルト「ジャンは約束だったからいい」

ジャン「そうか」

マルコ「したいの?」

ジャン「しねぇよ!」


ベルトルト「あそこにいるのはクリスタとユミル」

ベルトルト「クリスタか…」

ベルトルト「…」



ベルトルト「へい彼女!」

ユミル「!?」

クリスタ「び、びっくりした…ベルトルト?」

ベルトルト「うん」

ユミル「テンション高けぇな。てんとう虫でも見つけたか?」

ベルトルト「へい彼女、今暇?」

ユミル「無視かよ」

クリスタ「特に用事はないよ」

ベルトルト「そうか。僕も暇なんだ」

ユミル「急に素になるな」

ベルトルト「だから君達がどうしてもしたいっていうなら僕が肩車をしてあげてもいいけど?」

ユミル「上から目線だな。肩車はどこから出てきた」

クリスタ「え!?いいの?」

ベルトルト「うん」

ユミル「ダメだクリスタ。肩車とか言ってお前に変なことする気だぞこいつ」

ベルトルト「変なことなんてしない。僕は純粋に肩車がしたいだけだ。」

ユミル「純粋に肩車がしたいってなんだよ、そんな衝動があるのか」

ベルトルト「あるさ。僕は純粋に君達を肩車したい。クリスタは僕に純粋に肩車されたい。だよね?」

クリスタ「うん、されたい」

ベルトルト「ほら、これが健全な青少年に相応しい素直な反応というものだよ」

ユミル「そうかな」

ベルトルト「さ、どうぞ」

クリスタ「重くない?」

ベルトルト「大丈夫だよ。さっき男も担いだから全然余裕」

ユミル「本当になにしてんだベルトルさんよ」

ヒョイ

クリスタ「たかーい!」

ベルトルト「やはり今までの中で1番軽い。うっかり振り落としてしまいそうだ」

ユミル「落とすなよ」

ユミル「…」

クリスタ「ユミルもしてもらえば?」

ユミル「はぁ!?」

ユミル「い、いいよ私は」

ベルトルト「そういうのいいからホラ」

ユミル「いいからってなんだよ!?」

クリスタ「いいからいいから~」

ユミル「うう…」


ユミル「…」

ベルトルト「ご感想は?」

ユミル「別に」

クリスタ「ユミル顔笑ってる」

ユミル「笑ってねぇ!」

ベルトルト「肩車の不完全な所は乗ってる人の顔が見えないとことだな」

クリスタ「とっても可愛い顔してるよ」

ベルトルト「それは是非とも拝見したい。ユミル、僕が上を向くから君は下を向いてくれないか」

ユミル「死んでもヤダ」


ベルトルト「さて、恒例のお礼タイムです」

ユミル「なんだそれ」

ベルトルト「僕に肩車してもらったんだから、僕にそのお礼して」

ユミル「聞いてねぇぞ」

クリスタ「お礼って?」

ベルトルト「ちょっとだけギュッと抱きしめさせて欲しい」

ユミル「やっぱり下心ありじゃねぇか」

ベルトルト「あくまで純粋にだ。純粋に」

ユミル「見返り求めてる時点で純粋ではねぇだろ」

ベルトルト「もう、君うるさい。ジャンみたい」

ユミル「一緒にすんな!」

ベルトルト「だいたい、ハグ位なら挨拶みたいなものじゃないか。現に君達だって毎日のように抱き合っている。あれは何、そういう下心があってやってるの?」

クリスタ「な、ないよ。純粋だよ!」

ベルトルト「ホラ見なさい。汚れているのは君の心ではないのかね。」

ユミル「今日元気だなベルトルさん」


クリスタ「少しならいいよ」

ベルトルト「わーい」

ユミル「3秒な、3秒」


ギュッ

クリスタ「わ、あったかい」

ベルトルト「ほ、細い」

ベルトルト「君ちゃんとご飯食べてる?」

クリスタ「食べてるよ!」

ベルトルト「多分もう少し力入れたら折れるよコレ」

ユミル「なんでさっきからクリスタに対して攻撃的なんだよお前は」

クリスタ「こ、困るよ」

ユミル「困るってなんだよお前も。折れたら困るじゃすまねぇよ」


クリスタ「ふぅ、ドキドキした」

ユミル「恐怖の意味でか?そうだよな?」

ベルトルト「次は君だよ」

ユミル「ちっ、しゃあねぇなぁ…」

ベルトルト「カモン 」

ユミル「変なところ触るなよ」


ギュッ

ベルトルト「…」

ユミル「ご感想は?」

ベルトルト「ふむ、なるほどなるほど」

ユミル「女の体を触った感想がなるほどってなんか嫌だな」

ベルトルト「匂い嗅いでいい?」

ユミル「ダメ」

ベルトルト「けち」

ユミル「満足したなら離せよ」

ベルトルト「うん、…ごめんね」

ユミル「だから急に素になるなって」

クリスタ「どうして謝るの?」

ベルトルト「楽しかった?」

クリスタ「楽しかったよ」

ユミル「まぁ暇潰しにはなったな。だからあんまし気ぃはんなよ」

ベルトルト「ありがとう」



クリスタ「…私、何かしたかな?」

ユミル「あ?」

クリスタ「元気なくなっちゃったから」

ユミル「ああいう奴は元気ない位が丁度いいんだよ」



ベルトルト「ライナー!アニ!」

ライナー「ベルトルト」

アニ「…」

ベルトルト「2人で何話してたの?」

アニ「別に…世間話だよ」

ベルトルト「僕に話せないこと?」

ライナー「どうした?少し落ち着け」

ベルトルト「平気だよ」

ベルトルト「今日ね、みんなに肩車して回ってるんだ」

アニ「はぁ?」

ライナー「…珍しいな」

ベルトルト「2人で最後」



アニ「あのさ」

ベルトルト「…」

アニ「…あんた分かってんの?」

ライナー「アニ」

ベルトルト「…」

アニ「…」

ベルトルト「あ…」

アニ「…」

ベルトルト「…」

ライナー「……はぁ」


ライナー「んで?どうしたいんだ?」

ベルトルト「肩車」

アニ「もう…」

ベルトルト「お願いアニ。少しだけ、少しだけだから」

ライナー「やってやれよ」

アニ「……いいけど」

ベルトルト「アニ、もっと前きて」

アニ「…」

ベルトルト「中途半端に乗られると落としてしまう」

ライナー「恥ずかしいがってんのか」

アニ「私はやめてもいいんだよ」

ライナー「すまん」

ベルトルト「立つよ」

アニ「…っ」

ライナー「はは、お前らいい感じだぞ。親子みたいだ」

アニ「なんなのこれ?」

ベルトルト「…もう降りて」

アニ「は?もうちょっと頑張りなよ」

ベルトルト「…」


ベルトルト「…」

アニ「…」

ベルトルト「屈むね」

アニ「ああ」


ベルトルト「…」

アニ「…何?」

ベルトルト「お礼」

アニ「は?」

ベルトルト「…なんでもない」

アニ「?」

ベルトルト「次はライナーね」

ライナー「お前が?俺に?無理だろ、体格差考えろよ」

ベルトルト「どうしてもしたいんだ」

アニ「我儘言わないで」

ベルトルト「…」

ライナー「しょうがねぇな、俺がしてやるよ。それでいいか?」

ベルトルト「うん!」


ベルトルト「高い!」

アニ「そんくらい慣れてんだろ」

ライナー「おいあんまり伸び上がるな。流石にふらつく」

ベルトルト「楽しい」

ライナー「そうか」

ベルトルト「楽しい?」

ライナー「ん?…ああ」

ベルトルト「降ろして」

ライナー「?おう」

ベルトルト「ありがとう」

ライナー「おう」

ベルトルト「お礼に僕を抱きしめさせてあげよう」

ライナー「お前がしたいだけだろう」

ベルトルト「ばれた?」

ライナー「お前は分かりやすい」

ギュッ


アニ「なんだかねぇ…」

ライナー「まぁいいじゃねぇか、たまには」

アニ「これっきりにしてほしいよ」

ライナー「懐かしいな。昔はよくこうやって泣きついてきたよなお前。なぁ?」

ベルトルト「………」

ライナー「ベルトルト?」

ベルトルト「………」

アニ「なんか言いなよ」

ベルトルト「………」

ライナー「おい?」

ベルトルト「………」

アニ「変な奴」





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