ライナー「新宿の巨人」クリスタ「中央西口」(210)

エルヴィン「諸君ら104期を呼び出したのは他でもない。明日一日かけて遠征調査に行ってもらう」

一同 ザワ

ライナー(俺たちが初参加する壁外調査は2週間後のはずだぞ?)

エルヴィン「調査と言っても壁外ではない。この世界の外だ」

ライナー(!?)

エルヴィン「昨日、地下の食料庫の荷台に乗り……なんやかんやでつきあたりの壁につっこむと」

エルヴィン「異世界に行けることが判明した」

ライナー(まずいなこれは)

新宿駅周辺を舞台にした調査兵団104期の一日。ライナー視点、主にクリスタとの話。

以下ssと同日の話のはずなのでこちらもよろしく。増えてきた…。
エレン「新宿の巨人」ミカサ「東口」
エレン「新宿の巨人」ミカサ「東口」 - SSまとめ速報
(http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1374319672/)
ベルトルト「新宿の巨人」ユミル「西口」
ベルトルト「新宿の巨人」ユミル「西口」 - SSまとめ速報
(http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1374645426/)
サシャ「新宿の巨人」ジャン「東南口」
サシャ「新宿の巨人」ジャン「東南口」 - SSまとめ速報
(http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1375188446/)
コニー「新宿の巨人」サシャ「南口」
コニー「新宿の巨人」サシャ「南口」 - SSまとめ速報
(http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1375881529/)

時間は目安、会話中なんかも常に流れているとお考えよろしく。

エルヴィン「昨夜、ハンジとリヴァイが荷台で遊んでいた際に発見した」

リヴァイ「エルヴィンお前もだろ」

ハンジ「レースで負けたからって、情報操作はよくないよ~」

エルヴィン「この世界ではない、未来世界に存在する極東の島国に繋がった」

エルヴィン「早急な調査が急務である。この世界にとって有益な情報が得られるかもしれない」

エルヴィン「よって諸君ら104期の中から志願者を募り、スパイを送ることを決定した」

ジャン「なんだよそれ」

コニー「非科学的じゃねえか」

サシャ「コニー、キャラがぶれてます」

エルヴィン「志願者は明日、その荷台に乗り、目標の地域の最重要人口密集地帯に送られる」

エルヴィン「シンジュク駅という巨大なダンジョンだ」

エルヴィン「そこで君たちには現地の人間や文化を偵察してきてほしい」

クリスタ「偵察……見るだけでよいのですか?」

ユミル「戦闘が起こる可能性は?」

ハンジ「私が昨日事前調査に行ってきたけど、基本的に治安はいいし確率は極めて低いと思うよ」

ハンジ「皆格闘術を心得ていないもやしっ子みたいだったしね」

ハンジ「まあ難しいことはさておいて、純粋に未来の異国を楽しんでくるといいよ」

ハンジ「ただ、シンジュクダンジョンは現地の人間でさえ飲み込む迷宮だよ……気をつけてね」

一同 ゴクッ

エルヴィン「以上だ。志願者は明日9時ここに集合」

エルヴィン「約1時間ハンジより向こうの情報を聴講したのち10時出発だ。それでは解散したまえ」

ライナー(戦士としての仕事が増えちまったみたいだな……)


――解散後 ザワザワ

ベルトルト「ライナーちょっといいかい」

ライナー「ああ。未来の異国とは驚きだが……こりゃまずいことになったな」

ライナー「もし発達した技術や知識を人間側が習得してしまったら」

ベルトルト「厄介だね」

ライナー「明日全員行けなくなるというのが一番良いんだが、雨天決行だしな」

ベルトルト「地下だからね。荷台壊すのは……だめか」

ライナー「だめだな。この話を聞いたのは104期だけだ。怪しまれて今後の作戦に支障がでる」

ライナー(だが人類に無駄な情報を渡すわけには……)

ライナー「……明日は行こう、ベルトルト。こちらの利益になる情報もあるはずだ」

ベルトルト「確かにそうだね……」

ライナー「明日は行って、あいつらが有益な情報を持ち帰るのを極力阻止する」

ライナー「知識や経験は難しいが……せめて物資をこっちに持ってこさせないように」

ライナー「向こうで俺たちが任務失敗か何かすれば済むことだ。ノルマはないしな。それで問題ない」

ベルトルト「ああ」

ライナー「ただ……早い時間から物資調達の妨害をしてしまうと」

ライナー「帰還までに何らかの対処をされてしまう可能性がある。何度も妨害すれば怪しまれるしな」

ベルトルト「やるなら帰還間際に物資紛失発覚、ぐらいがちょうどいいね」

ライナー「ああ。しかし誰にも疑われないことが前提だ。少しでも危険を感じたら身を引こう」

ベルトルト「賛成だ」

ライナー「それと、アルミンには注意しろ。あいつは賢いからな。一番効率良く的確な情報収集をするだろう」

ベルトルト「うん」

ライナー「ベルトルト。明日、初めのうちは行動を共にしよう」

ライナー「手分けするかどうかは状況次第。いいな」

ベルトルト「わかった」

ライナー(明日になる前に……ひとつ)


夕食後―――団長の部屋

エルヴィン「アルミン・アルレルトについて、どう思う?」

リヴァイ「レトルト?」

エルヴィン「惜しい」

ハンジ「アルレルト」

エルヴィン「正解」

ハンジ「これでまた1ポイント。リヴァイは本当にクイズに弱いね」

リヴァイ「誰だそれ」

エルヴィン「エレンが駐屯兵団に囲まれた際、一緒にいた」

リヴァイ「……」

エルヴィン「小柄で金髪の」

リヴァイ「……」

ハンジ「愛らしい眉」

リヴァイ「アイツか」

エルヴィン「……」

エルヴィン「彼は報告書、そしてピクシス氏の談から……優秀な頭脳をもっていると思われる」

ハンジ「窮地に立たされてあれだけ頭が回るんだ。間違いなく賢い子だよ」

エルヴィン「明日の104期遠征任務では、彼にだけいくつか特別任務を課した」

エルヴィン「主に先進技術、戦闘技術の情報収集や特殊」

リヴァイ「建前上」

エルヴィン「……そうだ」

リヴァイ「ヅラか」

ハンジ「ヅラだね」

エルヴィン「……」

エルヴィン「やはり隠せないものだな」

リヴァイ「……」

ハンジ「……」

エルヴィン「見るか?」

リヴァイ「いや」

ハンジ「もう見飽きたよ」

エルヴィン「新調したカツ……ウィッグがあれば2週間後の壁外調査は必ず成功する」

エルヴィン「知っているだろう。私の団長としての能力はウィッグひとつでどうとでもなると」

リヴァイ「ああ」

ハンジ「何度振り回されたことか」

エルヴィン「私でさえ振り回されて、と言うより振り向いただけで落ちそうなんだ。今のは」

エルヴィン「このままではおそらく……」

リヴァイ「人類の敗北が目に浮かぶな」

エルヴィン「先進技術のウィッグを手に入れれば調査は上手くいく。断言しよう」

リヴァイ「まあ、お前のヅラのコンディションが調査を左右するのは事実だからな」

リヴァイ「しかしその……レトルトは信用できるのか?」

ハンジ「アルレルト」

エルヴィン「本来ならば、昨日事前調査したハンジに入手してもらうのが最善策だったのだがな」

ハンジ「仕方ないよ。忘れちゃったんだから」

エルヴィン「彼なら難なくやってくれるだろう……しかし」

新宿駅とか田舎もんの俺には全くわからないんだが、何口くらいあるの……?

エルヴィン「秘密をばらされたり任務を失敗したらそれは……それなりの処遇を」

ハンジ「うおっ!」

ガシャーン!

リヴァイ「汚ねえ……あと熱い」

ハンジ「ごめんねリヴァイ!手が滑って紅茶こぼしちゃった!」

ハンジ「あーあーシャツの袖が台無しだ!」

ハンジ「待ってて!今君のパジャマをとってきてあげよう!!」

リヴァイ「おい、どうして今パジャマなんだ」

ハンジ「寝る子は育つ」

リヴァイ イラッ

リヴァイ「自分で行く」スタスタ






タタタ……

あぶねえ。盗み聞きがばれるところだった……。

コニーいつの間にか終わってたw乙でした

>>10 私も攻略者じゃないんだけど、知ってる限りで。

今JR新宿駅の出口は東、西、中央東、中央西、南、東南、新南、サザンテラスの8つ。北口はない。

そしてJRの他にも京王、小田急、西武、東京メトロ、都営地下鉄なんてのの新宿駅もダンジョン内にあって、
その出口もまたいっぱいある。特にメトロと都営地下鉄。

連絡通路などの地下道歩けば、新宿から新宿三丁目、西新宿、新宿西口、都庁前……いろんな線のいろんな駅に出れる。

地下道は細かくて、新宿周辺のデパートや会社のビル、商業施設に地下道通れば直結、またはかなり近くまで行けるほど。

今度遊びに行ってみてね。100%迷子になるよ!

>>12 ありがとう!よかったらまた読んでねー

しかし良い情報が得られた。

カツラで団長の指揮能力が変わる……おかしな話だが事実のようだ。

やはり狙うはアルミンか。すぐに戻ってベルトルトと策を練らなければな……。


「こんばんはライナー」


!?

ライナー「クリスタ?何をやっているんだ?」

クリスタ「食後のお散歩。ライナーも一緒にどう?」

ライナー「ああ!もちろんだ!」

相談はまた後でにしよ。

結婚しよ。

寝よ。おやすみ

ライナーキター!

うん、ライナーパート気になるw

>>17->>22 >>1です。ありがとう、元気出る。だんだんペース落ちてきてごめん…。コンビニ行って風呂はいったら…つまり深夜中に投下する。

そういえば大事なこと書くの忘れていた。10巻まで読んでない人ネタバレ有り。もう手遅れだけど…


翌日

1000――地下食料庫

エルヴィン「志願者はこれだけか。心より尊敬する」

ハンジ「じゃあ向こうの情報も伝えたところで、出発するよ!荷台に乗って乗って!」

ライナー(かなり古い荷台だ。……これなら至極当然、だな)

ライナー(たとえ帰還時に物資落下事故が起きても、帰還後大破しても)


『さあみんな。

君たちは今荷台に揺られている。この暗がりを抜けたらシンジュクダンジョンに到着するよ。

でも手が滑っちゃって。到着地点がJR中央線、東京行きのホームになっちゃった。ごめんね。

君たちの任務。それはこの世界の情報をなんでもいいから集めてくること。

そして、この国の要である超大型ダンジョン、シンジュク周辺の調査だ。

でもこれは外形的な任務内容。旅行に行ったと思って楽しんできてよ。

緊急のため、立体機動装置は装備、雨具で隠しておくこと。一般人との混乱、戦闘は極力避けてね。

帰還は、2200。JR新宿駅西口、世界時計前に集合だ。帰りの荷台がくるから。

遅れたら最期、戻ってこれる保証はできないから覚悟してね。

それじゃあ良い旅を! ハンジより』


ガタンガタン

ライナー「真っ暗だな。本当に目的地に進んでいるのか?」

アルミン「はは……明るくなってのお楽しみってとこかな」

ミカサ「減速してる、到着するみたい」

サシャ「緊張しますね!」

コニー「俺が一番に降りるからな!」

エレン「はあ?子どもかよコニー。俺が先だろ」

ジャン「どけよ、前見えねえよ」

キキィーッ

エレジャンコニ「わっ」グラッ

エレジャンコニ「うわあああ!」スッテンコロリン

プシュー

クリスタ ピョン

クリスタ「いちばんのり!」ウフフ

ライユミ(結婚)


1005――JR新宿駅 中央線東京行ホーム

ガヤガヤ

エレン「ここが、シンジュクダンジョン!!」

ライナー「すげえ人の数だ!押し流されちまいそうだな」

ユミル「安心しろ、ゴリラは流されねえから」

アルミン「出口へは階段を下るみたいだ」

エレン「なんかすげえのあんぞ!」

アルミン「あれがハンジさんの言ってたエスカレーターって乗り物だね」

エレン「乗ろうぜアルミン!ミカサ!」ワクワク

アルミカ「うん!」

スタスタ

ライナー「甘いなエレンは。ラクしてたら兵士失格だぞ、常に鍛えなければな」クリスタチラッ

ライナー「俺とベルトルトはそこの階段からいかせてもらう」

ベルトルト(変なとこ格好つけないでよ…)

スタスタ


――階段下 ガヤガヤ

ライナー「……」

ベルトルト「……」

ライナー「あ、あれ。誰も来ないな……。エレンたちのすぐ近くの階段下っただけなのに」

ベルトルト「迷宮……」

ライベル ゾッ

ライナー「い、いや。元より2人で行動するつもりだったからな。何の問題もない」

ベルトルト「そうだね……で、どうしよう。とりあえ」

ライナー(!?)

ライナー「しっ!」

ベルトルト「!?」

ライナー「……」

ベルトルト(……?)

ライナー「……おいベルトルト……聞いたか今の会話」

ベルトルト「通行人の?聞いてないけど」

ライナー「今から俺たちは、トウキョウトチョウに向かう」

ベルトルト「トウキョウトチョウ?」

ライナー「なんでも東京都庁とは、この地域の、そしてこの島国の重要な機関らしい」

ライナー「しかもだ」

ライナー「しかもその建物なんだが……国の緊急時にはスーパーロボットとかいう巨大生物に変形するんだそうだ」

ベルトルト「建物が!?それって」

ライナー「ああ。おそらく最高レベルの技術」

ライナー「そして……巨人の力と何か関係があるかもしれない」

ベルトルト ゴクリ

ライナー「目指すべき場所は決まったな。俺達は中央西口を出るぞ!」

ベルトルト「ああ!」


1055――西口 都庁方面 地下通路

トコトコ

ライナー「来る途中にあったヨドバシカメラというところはすごかったな」

ベルトルト「ハイテクすぎて理解に苦しんだね」

ライナー「なぜ離れた所で相手の声が聞こえるのか」

ベルトルト「なぜ枠の中に人がいるのか」

ライナー「なぜ食器を手で洗わないのか」

ライベル「……」

ライナー「……フィルムカメラっていうのを1つずつ買ってきてしまったな」

ベルトルト「これを構えて、ボタンを押すと、押した瞬間の景色が紙に表現されるって言っていたよね」

ライナー「現像ってのに出さなくては見れないのが残念だが……」

ベルトルト「現像する必要はないさ」

ライナー「そうだな。人間たちに情報は渡さない。ふりだけだ」

ライナー「これを持っているだけで情報収集しているようには見えるからな。いいカモフラージュになる」

ライナー「……」

ベルトルト ニコッ ピース

ライナー カシャッ

ベルトルト「面白いね」

ライナー「だな。もう1枚ぐらい撮ろう」フィルム マキマキ

ベルトルト ニコニコ

ライナー「……」

ベルトルト ニコニコ

ライナー「……?」

ライナー「さっきからクリスタの気配がする」

ベルトルト「この通路にはいないよ?勘違いじゃない?」

ライナー「いや確かに……」キョロキョロ

ベルトルト「ほらほら、長い地下通路も終わり。もう出口だ」

ライナー(お、外か……)


ライナー ハッ!


クリスタ「ライナー!ベルトルトー!」フリフリ

ライナー(クリスタ///)フリフリ

ライナー(やはり俺のクリスタレーダーに狂いはなかったようだ)

ライナー(この地下通路は道路を隔てて平行に2つ並んでいて、対岸をクリスタとユミルが歩いていたってわけか)

ライナー(ん、対岸への信号がちょうど青だ。渡って……)

ユミル「待て」

ライベル「?」

ユミル「渡ってくるな」

ライナー「なぜだ?」

ユミル「今日は私とクリスタだけで行動する。だからお前らが近寄る必要はこれっぽっちもない」

クリスタ「ユミルいじわる言わない!おいでよ2人とも!」

ライナー「おい渡るぞ。もうすぐ赤だ」

ベルトルト「う、うん」アセ

トコトコ

ユミル「クソ……何考えてんだクリスタ」

クリスタ「……」

ライナー(小さいかわいい///)

クリスタ「ライナーたちは今からどこへ向かうの?」

ライナー「俺たちはトウキョウトチョウに」

クリスタ「トウキョウトチョウ?」

ライナー「この地域の重要機関らしい。お前らは?」

クリスタ「私達は美術館に」

ユミル「ということだ。じゃあな野郎共」グイグイ

クリスタ「待って待ってひっぱらないでよユミル!」

ユミル「んなデカブツどもに構うな。体感温度が跳ね上がっちまう」グイグイ

ライナー「む」

クリスタ「わ、私!」

ライユミ「?」

クリスタ「ライナーとトウキョウトチョウまでお散歩したいな!」

ライナー「!?」

ライナー(クリスタが俺をデートに……つまり俺達は今日、ついに結ばれるのか!///)

ユミル「はあ!?」

クリスタ「お願い!ユミル!ちょっとだけ。またあとで合流しよ?」

ユミル「オイオイ冗談よせよ。お前は私と美術」

クリスタ「ベルトルト!美術館行ってみたいよね!」

ベルトルト「えっ僕?」アセ

ユミル「私とベルトルさんで行けと?」

ライナー「それがいいな」ウンウン

ベルトルト「!?」

ベルトルト「ラ、ライナー!僕たちにはやるべきことがあるでしょう?」コソコソ

ライナー「ああ。そうだ。さっそくだがここは二手に別れるべきだな」

ベルトルト「べきじゃないよ……」

ライナー「いや、お前は美術館に行くといい。安心しろ。俺は目的通り、トウキョウトチョウを調べる」

ベルトルト「ライナー……」

ライナー「必ず人類の勝利の糧を見つけ出してみせるさ」

ベルトルト「ライナー……」ハァ

ユミル「どういうことだ?クリスタ。私では不足か?」

クリスタ「……違う」

ユミル「……」

クリスタ「……」

ユミル「はあ。さっき言ってた、お前のくだらねえ願い、私は叶えてやるつもりだ」

クリスタ「どっちの話?」

ユミル「どっちもだ。だからまた後で会おう。必ずだ。約束してくれ」

クリスタ「うん……。ありがとうユミル」

ライナー「?」

クリスタ「じゃあ1時間後ぐらいにそっちの建物まで迎えに行くね。ライナー行こう!」

ライナー「ああ」

ユミル「ライナー、そいつはな」

ライナー「?」

ユミル「わがままでおしゃまな天使さま、だ。ついでに賢くはない」

ライナー「どういうことだ?」

ユミル「気を抜くな」

ライナー「? ああ」

ライナー(何のことだ?)

クリスタ「もうユミルったらまた余計なことー!じゃあねー!」グイグイ

ライナー(クリスタが俺の腕を引っ張っている)

ライナー(待て待て焦るな。そんなに引っ張らんでも俺は離れたりせんぞ///)


1105――西口 東京都庁

トコトコ

ライナー「ここら一帯はシンジュク副都心と呼ばれる、高層ビル群らしいが」

ライナー「トウキョウトチョウ……ここは一際でかい」

クリスタ「うさぎの頭みたいな建物だね」クスクス

ライナー(悪いがクリスタ、うさ耳クリスタはもう妄想済みなんだ/// しかし……)

ライナー「本当にスーパーロボットなる巨大生物に変形するのか……?」ジィ

クリスタ「ん?」

ライナー「いや」

ライナー(どうやら巨人の力とは関係なさそうだ。見当違いだったようだな)

クリスタ「第一本庁舎と第二本庁舎があるんだね」

ライナー「知事本局?消防庁、水道、交通局……?教育、公安委員会……?よくわからんが」

ライナー「この地域の様々な組織の運営や管理をしている建物みたいだな」

ライナー(厳しい場所かと思いきや、観光客もいるもんなんだな)キョロキョロ

クリスタ「見て。大きい第一本庁舎には展望台があるんだって。ちょうどうさぎの両耳に」

ライナー「おおなるほど展望台か。行ってみるか」

クリスタ「うん!」ニコ

クリスタ「ライナー早くー!」タタタ

ライナー「待て待てクリスタ走ったりしたら……」

ライナー(行動1つ1つが愛らしい……)

ライナー「!」

ライナー「待て!」

クリスタ「!?」ビクッ

クリスタ「ど、どうしたの?」

ライナー「見ろ、展望台エレベーターの前。荷物検査を行っているようだ……」

ライナー「こんな雨具に身を包んだ者はまず怪しまれる。ブレードも所持してるし、接触は危険だ」

クリスタ「ほんとだ……残念……」シュン

ライナー「ああ。だが仕方ないさ」

クリスタ「うん」

クリスタ「あっ。ねえライナーこの地図見て」

クリスタ「すぐ西に中央公園っていう公園があるみたい。こっちに行ってみてもいい?」

ライナー「ああ構わん。まあ集合の時間も考えにゃならんから……」

クリスタ「集合?」

ライナー「あいつらと約束しただろ?」

クリスタ「……」

ライナー「どうした?」

クリスタ「行かない」

ライナー「え?」

うわあ朝ジャン。おはよう今日も頑張ろう。今夜もやりたい。寝なければ

続きに期待!(ライナーLOVE)

乙。続きに期待!

続き期待w

>>42 (ライナーLOVE)か…へたなもん書けない!緊張!
>>43->>45 どもどもー!

クリスタ「私、もう少しライナーといたい。だめ?」

ライナー(!? やけに積極的じゃないか///)

ライナー「だっだめってことでは断じてない、が……あの2人に一言もなしと言うのは」

クリスタ「ユミルならわかってくれてるよ」

ライナー「いやあんなに堅く約束してたろ」

クリスタ「でもわかっているの。本当だよ。お願い」

ライナー「しかし……」

クリスタ「ライナーと一緒に、いさせて……?」

ライナー(///)

クリスタ「あっ、でも、もちろんベルトルトと約束があるなら……私は」

ライナー「いやベルトルトなら心配いらない」キリッ

ライナー(あいつはあいつでなんとかするだろ)ウンウン

クリスタ「本当?」パァ

ライナー「ああ。今日は一緒に過ごそう」

クリスタ「ありがとう!ライナー!」キラキラ

ライナー(結婚しよ)

クリスタ「それにね、ユミルって、ベルトルトのこと好きなんだと思うの!」

ライナー「?」

クリスタ「よくベルトルトのこと目で追ってるみたいだし。だから2人きりにしてあげたくて」

ライナー(なんて可愛らしい照れ隠しなんだ。素直に俺といたいだけと言っていいんだぞ)

クリスタ「ベルトルトはユミルをどう思ってるのかなあ?」

ライナー「ん?ベルトルトならア」

クリスタ「?」

ライナー「いや……ベルトルトは自分のそういう話しないからな。俺でもわからん」

クリスタ「そっかあ残念。でも私はお似合いだと思う」

ライナー「お前は本当にユミルが好きなんだな」

クリスタ「うんっ」ニコ


クリスタかわいい


1130――西口 中央公園

ライナー「公園といっても特に何かあるわけじゃなさそうだ」

クリスタ「緑があるよ」

ライナー「この世界は人工物ばかりだから草木が貴重なのかもな」

クリスタ「道沿いに植木おいたり、お花飾ったり植物に関して工夫してるよね」

クリスタ「わあ!このお花、とてもきれい!」

ライナー「シャシン撮ってもいいか?」

クリスタ「ん?」

ライナー「その花、と、クリスタ」

クリスタ「私?私なんかでよければ……」

ライナー(お前はそろそろ自身の魅力を自覚するべきだ)

ライナー「ほれクリスタ、レンズを見るんだ」

クリスタ「もうっライナーったら!うふふ」

カシャ

ライナー(現像しよ)

ライナー(風景のシャシンも撮っとくか)

ライナー(ハンジ分隊長からは観光気分でいいとは言われたが、少しは任務もしておかないとな)

ライナー(何を調達するべきか……。食料や書物は誰かがやってそうだもんな)

カシャ

ライナー(ん?クリスタどこいった?)キョロキョロ

ライナー(あれ……誰かと喋ってる?)



ライナー「おい、クリスタ!」

クリスタ「あっライナー。えっ、あれ?あのー……行っちゃった」

ライナー「今の奴と何をしていたんだ」

クリスタ「あの、えっと……おしゃべり?」キョトン

ライナー「じゃあなぜ財布を出しているんだ?」

クリスタ「えっと、あの人お金忘れちゃったって言ってて……」

ライナー「いくらかあれば家に帰れるって?」

クリスタ「うん」

ライナー「あとで返すからって?」

クリスタ「うん」

ライナー「はあ。お前は優しすぎる。少しは用心深くなれ」

クリスタ「でも本当かもしれ」

ライナー「じゃあなぜあいつは俺を見て逃げた?」

クリスタ「……」

ライナー「……」

クリスタ「そうだよね……ごめん」シュン

ライナー「いや」

クリスタ「もうしない」

ライナー「え……金渡しちまったのか?」

クリスタ「うん」

ライナー(やはり俺が守らなければな)

ライナー「少しシンジュクダンジョンから離れたみたいだ。戻るか」

クリスタ「うん」

トコトコ

ミーンミンミン

クリスタ「……」

ライナー「……」

クリスタ「……」ハァ

ライナー「……!」

ライナー(お、地図……)

ライナー「クリスタ」

クリスタ「なあに?」

ライナー「そこの階段」

クリスタ「ワンデーストリート地下通路?」

ライナー「ああ。ここ下ればあるようだ。JR南口まで続いている。地上は暑いから通ってくか」

クリスタ「うん。ねえライナー」

ライナー「?」

クリスタ「ありがとう」ニコ

ライナー「当然のことをしたまでだ」

クリスタ「わかりやすかったかな。暑がってたの」

ライナー「舐めてもらっちゃ困る。さっきから頬が真っ赤だ」

ライナー(3年間ずっと見ていた、俺はお前のプロフェッショナルなんだからな)

クリスタ「ライナーには敵わないなあ」

ライナー「だろ」ニッ


――ワンデーストリート JR南口方面へ

トコトコ

ライナー「でだ、この地下道の地図によると」

ライナー「シンジュク駅西口と南口からそれぞれ地下道でトチョウまで直結だったみたいだぞ」

クリスタ「トチョウまで?すごいね!もぐらになった気分」クスクス

ライナー(悪いなクリスタ。もぐらクリスタはもう妄想済みなんだ///)

クリスタ「じゃあ今度は南口を調査だね」

ライナー「ああ。ついでに飯も食おう」

クリスタ「お腹いーっぱい食べようね」ニコニコ

>>49 サンキュー!

悩んで先進まないから相談したい。
例えばの話なんだけど、戦士ライナーがクリスタに告白されたら付き合うのかな?
断るか、全て告白して説得しようとするか、騙しながら付き合うか、故郷捨てて兵士として付き合うか。
…故郷>クリスタだよね?教えてくれー

ベルトルトに思いを伝えろって言ったあとの台詞見てると、戦士としては完全に壁内人類との恋愛は諦めてるふうだったな。
クリスタが全てを知ってライナーのことを理解してくれたら話は別だあ

戦士なら故郷優先で、だけど未練たらたらでベルトルトになんか言われてそう。
責任感の塊だから断るような気がする。
騙しながら付き合ったりしたら、兵士化が急加速するな

アルクリと思ったらライクリなのですね。非常に残念でごわんす

ageてまで荒れそうな発言をするのはわざとなのか

責任感強いし、故郷>クリスタだろうな流石に
原作遵守だとライナーの性格的にも付き合ったりはできないと思う
ただ、SSなんだし>>1のさじ加減で進めていいと思うよ

>>56->>58 実直と言われているからすごく悩んで精神分裂加速する感じかね。やっぱ故郷優先か…。
ありがとう!とっても参考にする!
>>59 例えばの話だよ!例えば!ちなみに次アルミンとクリスタ話やるます。
>>60 SSだもんね。ちょっと考えすぎた…。ありがとう!

トコトコ

ライナー「駅に近づいて、店がでてきたな。京王モールだと」

クリスタ「あ!薬屋さん!見てもいい?」

ライナー「ああ。もちろん」

ライナー「金も出すし、荷物は俺が持つから、気にせず買って来い」

クリスタ「えっそんな」

ライナー「人類の勝利のためだろ」

クリスタ「うん。ありがとう」

タタタ……

クリスタ ジー

ライナー「何見てるんだ?ほしいのか?」

クリスタ「んっ?なんでもないよ!大丈夫!」タタタ

ライナー(? 確かここらへんの商品を……)

ライナー(生理痛鎮静薬……?)ハッ

ライナー(お、おお……これはさすがに買えないな。おっと鼻血が)ダラダラ

ライナー(まさか今日は女の子の日なのか?生理痛なのか?心配だ)

ライナー(将来のためにも彼女の身体を第一にしなければな。……何日目だろうか)

クリスタ「おまたせー!こんなに買っちゃった!ってライナー?」

ライナー「些細なことだ」ティッシュ ツメツメ

クリスタ「?」



1310――洋食屋

クリスタ「ごちそうさまでした」

ライナー「ふー食ったな。こんなにしっかり味の付いた飯が食えるとは……」

クリスタ「オムライスおいしかったね。中のオコメも、ふわふわ卵も、上にかかったデミグラスソースも」

ライナー(お前と2人で食べたから美味さ倍増だったぞ)

クリスタ「あっ。ねえ、フィルムカメラ見せてもらってもいい?」

ライナー「ああ」スッ

クリスタ「この中に風景が記録されるなんてね。すごい」マジマジ

スッ

クリスタ「うふふ、おいしいオムライスを食べおわって幸せそうなライナーが見えまーす」

ライナー「おいおい、俺を撮る気か」

クリスタ「いい?」

ライナー「構わんが、俺なんか撮ったって」

クリスタ「ほらほらライナー、レンズを見て」

ライナー「!?」

クリスタ「?」

クリスタ「どうしたの?」

ライナー「いや」ニヤニヤ

ライナー(ライナー・レンズ……婿に来いということか。それも悪くない)

クリスタ「あっ笑った!えいっ」カシャ

クリスタ可愛すぎる女神か

クリスタ「!? ライナーまた鼻血!」

ライナー「些細なことだ」フキフキ

クリスタ「な……ならいいけど」

ライナー(鼻の粘膜はなかなか鍛えられるものではないからな)フキフキ

クリスタ「……あ。外に歩いてるあの子たち、見える?」

ライナー「?」

クリスタ「あの男の子と女の子」

クリスタ「ここの世界にいる私達と同じ年頃の子たちは、ああいう制服を着て、ガッコウに通っているんだって」

クリスタ「兵士じゃなくて、生産者でもないの。仕事じゃなくて、お勉強を勧められるの」

ライナー「いいな」

クリスタ「いいよね」

ライナー「もし俺らがここの人間で、ああいうふうにガッコウに通っていたなら」

クリスタ「うん」

ライナー「エレンやコニーがテストのたびにアルミンに泣きつくな。訓練所の焼き直し」

訓練生時は戦士なら割りきれそうだから故郷優先前提で付き合えるかもね。

ただ、調査兵団のタイミングのストーリー(エレンが本来リヴァイたちとの生活時?)だからこの時点ではないんじゃないか。エレン略奪について話をつめてるはずだから余裕がないと思う。

クリスタ「あはは、私も教えてもらっちゃうな。ライナーは……」

ライナー「とりあえず席は一番後ろだろ」

クリスタ「ベルトルトとワンセット」

ライナー「一番後ろって意外とよくさされるんだよな。居眠りもばれる」

クリスタ「しちゃだめだよー。クラスをまとめ役は……マルコがいい」

ライナー「……ああ。きっと安泰だ」

クリスタ「きっとサシャの早弁をこっそり注意してくれるはず」

ライナー「あとは……ミカサの帰宅中にはなぜかジャンが偶然現れるだろうな、わりと頻繁に」

クリスタ「アニとユミルは、きっと、そんな私達にまきこまれちゃうタイプ」

ライナー「ああ」

クリスタ「ね。想像しちゃう」

クリスタ「ああやって皆で寄り道して帰るの。またねってバイバイして、明日また必ず会える」

ライナー「幸せってやつだな」

クリスタ「巨人に怯えなくていいし、食料不足に悩まされないしね」

>クリスタ「あっ笑った!えいっ」カシャ
なんだ天使か

ライナー「ああ」

クリスタ「……」

ライナー「だが俺たちは俺たちの世界で、やらなければならない使命がある」

ライナー「ここで穏やかに暮らす想像はすれど……憧れは禁物だ」

クリスタ「使命」

ライナー「そりゃもちろん、壁の中の人類の勝利に貢献することだろ」

クリスタ「うん。ライナーは真面目でしっかり者だね」

ライナー「それにな、ここはここで悲しい思いをすることはたくさんあると思うぞ」

ライナー「何が辛いか苦しいかは、世界や時代によって変わるからな」

クリスタ「うん」

ライナー「俺たちは壁と巨人の存在する世界の人間だ。だから向こうで幸せになるべきだ」

ライナー「さっさと巨人に勝って、あのガッコウに通うやつらのように、平和に暮らしちまおう」

クリスタ「そうだね」

ライナー「俺は、お前が幸せになれるように最善を尽くすつもりだ」

ライナー「お前は誰より心優しいから、誰より幸せになるべきなんだ」

ライナー(つまり俺が将来的に結婚して幸せにしてやる。という意味だな)ウンウン

クリスタ「……そんな資格ないよ」

ライナー「?」

クリスタ「私はね、ライナーの思うようないい子じゃないんだ……」

クリスタ「本当の私は違うの。いい子じゃなくて、とてもわがまま」

ライナー「……」

クリスタ「……」

ライナー「まさか。クリスタはいい子だ。俺が保証する」

クリスタ「……」

クリスタ「ありがとう。ちょっとこの世界にあてられちゃったかな。任務頑張ろうね」

ライナー「ああ」

クリスタ「ごめんね、変なこと言って」

ライナー「いや。構わんさ」


1350――南口改札付近 甲州街道

テクテク

クリスタ「あそこなんだろう?宝くじ?」

ライナー「金を賭けて金を当てるのか?」

ライナー「かなり高額まで当たるようだ。まあ当たる確率なんて」

クリスタ「その場で当たるくじもあるみたい。やってくるね」

ライナー「えっ」

タタタ

カランカラーン

タタタ

クリスタ「ねえライナー」

クリスタ「1000万当たっちゃった」

ライナー「えっ」

クリスタ「でもね、50万円以上は受け取りに身分証明とギンコウコウザ?が必要なんだって」

クリスタ「だから30万円狙ってもう一度やってくるね」

ライナー「えっ」

タタタ

カランカラーン

タタタ

クリスタ「ねえライナー」

クリスタ「やっぱり当たっちゃった」エヘ

ライナー「!?」

女神に金運の神様の加護が

>>67 原作だったらこの頃はきっとライベル内心ぴりぴりしてたろうね!センキュー!
>>65 >>70 >>75 (結婚したい)よね

今日は変なこと聞いてすまんでした。気楽にやります。また明日。

>>1 の人はきっとすごく真面目ないい人なんだろうなあ。
受け答えが誠実そうだもの。

乙!

>>78
そんな私は(>>1、結婚しよ)とか思ってみる。

>>77->>79 新参者だからそう見えるんだよきっと。でもありがとう!
進撃はどのキャラも魅力的でいいよね。特に104期好き。こんな群像劇始めてしまうくらい全員好き。
よさぬか>>79。相変わらず子鹿云々…ピクシスシレー! にっしっし!


1430――東南口付近 甲州街道陸橋上

トコトコ

ライナー「本当に30万を当ててくるとはな……しかも3枚チケットを買って」

ライナー「30万3つで総額90万だと……」

クリスタ「あは、あはは……」

クリスタ「90万円は現金でもらってきたけど、この1000万円のチケットはどうしようね?」

ライナー「ああ。困ったな」

ライナー(クリスタ強運すぎるだろ。まあ女神だからって説明でいいか)

ライナー「ギンコウ員、かなり驚いていたな」

クリスタ「私はライナーが怪しい人と勘違いされてて、笑いそうになっちゃった」クスクス

クリスタ「ライナーはとってもいい人なのにね」

ライナー(女神にはお見通しだな///)

ライナー「なあクリスタ」

ライナー「その金、どう使うつもりだ?ほしい物あったりするのか?」

クリスタ「ううん。特には」

ライナー「? じゃあなぜくじ引いたんだ?」

クリスタ「……運試し?」ハテ

ライナー「そ、そうか。強運でなにより」

クリスタ「うん」

ライナー「その金で贅沢三昧していいんだぞ?自分で当てた金なんだからな」

クリスタ「……」

ライナー「さっき公園でとられた金が何十倍にもなって戻ってきたわけだ。何でも買える」

ライナー「よかったなクリスタ」

クリスタ「……」

ライナー「……」

クリスタ「……」

ライナー「……?」

クリスタ「ライナー」

ライナー「ん」

クリスタ「使い道が決まった」

ライナー「?」

クリスタ タッ

ライナー「!?」

ライナー(陸橋の欄干に乗り出した!?)


クリスタ「下の広場の皆さん!!私はここから!!」

クリスタ「90万円落とします!!」


ライナー(は……?)

クリスタ「あげます!!どうか受け取ってください!!」

バラバラ

ライナー「どうしたクリスタ!」

ライナー(何考えてる!?金撒き始めたぞ!?)

ライナー「ちょっ……おい!よせ!」ガバッ

クリスタ「受け取って!!私の!!」バラバラ


ザワザワ

ライナー「やめろ!そんなに乗り出すな!落ちる!」グイグイ

クリスタ「離して!」バラバラ

ライナー「!! 待てそれは落とすな!そのチケットは1000万円の……!」バッ

クリスタ「!」

クリスタ「ライナー!チケットとらないで!返して!」ジタバタ

ライナー「返すから!!まずは落ち着くんだ!クリスタ!」

ライナー「使い道が決まらないなら兵団の金にすればいいだろ!?」グイグイ

ライナー「!」

ライナー(南口改札の方にアルミンが見える!)

ライナー「ほ!ほらアルミンだ!」

クリスタ「!?」

ライナー「そうだ!アルミンんとこ行って有効的な使い道を教えてもらおう!」

クリスタ「……!」

ライナー「な!?そうしよう!」

クリスタ「はあ……はあ…………」

ライナー(う、動きが収まった……)

ライナー「それでいいな?」

クリスタ「……うん」

ライナー(はあよかった)ホッ

クリスタ「ライナー……」

ライナー「おう」

クリスタ「ごめんね。私どうかしてた……」

ライナー「いや。落っこちなくてよかった」

ライナー(いきなり金を撒き始めるなんて驚いた。とりあえず早く移動しよう)

ライナー「そ、そんなことよりアルミンとこ行くぞ。お、ちょうどコニーも合流したようだ」アセ

クリスタ「……うん」

――

トコトコ

ライナー「コニー!アルミン!」

コニアル「!」

コニー「ライナーとクリスタじゃねえか」

アルミン「どうしたの?なんか2人とも息切らしてない?」

ライナー「い……いや、まさか」アセ

クリスタ「そ、そんなことないよ」ニコ

ライナー(金撒いた理由は聞かないほうがいいよな……また後でだ)

ライナー「お前たちこそ、任務か?」

アルミン「うん」

クリスタ「私たちも手伝っていい?」

ライナー「なんでもするぞ」

アルミン「ありがとう!西口改札前にロッカーを借りているから、そこまで一緒に行ってもらってもいいかい?」

コニー「ロッカー?」

アルミン「持ち物を一時的に保管することができる場所のこと」

アルミン「そこに物資をためておけば、わざわざ持って移動しなくてすむだろ?」

コニー「頭いいな」

ライナー(!)

ライナー(さすがアルミンだ。そのロッカーとやらに昨日盗み聞きした団長のヅラも積んでいるだろう……)

ライナー(結局ベルトルトにはヅラのことは話してないから、俺がなんとかしなければ)

ライナー(とりあえず注意深くアルミンを観察する)

アルミン「じゃあこれ、よろしく」ヨイショ

ライナー「おう」

ライナー(そういやさっきのクリスタの金……へたすりゃ兵団のもんになるところだったな。助かった)

ライナー(人間側に有利なことは極力阻止せねば)


――西口世界時計前ロッカー

ライナー「で、ここが西口ロッカーか」

アルミン「うん。あ、皆点呼の話はまわってきたかい?」

コニー「ああ。えっと5時に……どこだっけ?」

ライナー「ん?」

クリスタ「点呼?」

アルミン「ライナーとクリスタにはまだだったかな。5時に一旦点呼集合を呼びかけているんだ」

アルミン「僕はさっき会ったベルトルトとユミルには伝えてある」

コニー「俺とジャンとサシャも聞いたぞ。昼メシんときミカサとエレンに会ったからな」

アルミン「じゃあこれで全員に伝わったことになるね。よかった」

クリスタ「どこに集合なの?」

アルミン「集合場所は西口改札、ちょうどこのロッカーの向かい、世界時計。そこだよ」

クリスタ「わかった!」

アルミン「よろしくね。それで……言い出しっぺが申し訳ないんだけど」

アルミン「僕は集合にいけないかもしれない。でも必ず帰還時間には行くから」

ライナー「何か大切な用事があるのか?」

アルミン「ああ」

クリスタ「気をつけてね」

アルミン「うん。ありがとう。じゃあ作業に戻ろうか」

アルミン「ロッカーはここらへんを使わせてもらっている。518番から522番」

コニー「へえ」

アルミン「あ、見てコニー。521番。ごーにーいちで、“コニー”だね」

コニー「ホントだすげえ!天才か?」

アルミン「あはは。ここの鍵はベルトルトとユミルが持ってくれているはずだ」

ライナー「ベルトルト?任務をやっているのか?」

アルミン「うん。ありがたいことに」

ライナー(でかしたベルトルト!預かった鍵をなくしちまえば完璧だ!)

アルミン「コニー。ちょっとこの箱持ってもらっていいかい?」ヨイショ

コニー「ああ」

コニー「これだけ兵団の風呂敷に包んでんな。大事なもんなの?」

アルミン「そんな気がする」

ライナー(? アルミンにしては変な言い方だな)

ライナー(あれだけわざわざ兵団の袋に包んであるし……あの中身が団長のヅラか)

コニー「ハンジさんの言ってた通り、俺も大事なもんはちゃんと包んでるぜ!」

アルミン「僕らのものだって目印になるからね」

コニー「おー」

アルミン「で、その箱は522番に入れてくれるかい?」

コニー「おー」

ライナー(狙うは522番のロッカー)

ライナー(鍵の紛失はおそらくベルトルトがやるだろうから、何か別の策を考えねばな……)

ライナー(ん?これは……)

ライナー「……」

アルミン「ライナー?」

ライナー「ん……いや。別に」

明日は盛り上がるとこまで進めたいな。おあすみ

おつおつ!


答え合わせエピソードが増えてきたな
この先も楽しみ

乙!
段々ピースはまってきた感じだな
群像劇っぽくて好きだわ

新宿駅の構造写真を見つけたが、これは迷子になりそう。
http://livedoor.blogimg.jp/kaikaihanno/imgs/9/6/96a45f7e.jpg

>>92 >>93 >>95 がんばって埋めてくぜ!
>>96 ね!描かれてない通路もあるし、常にどこか工事してるし巨大生物みたいだよ。

>>96の画像を参照させてもらうと…おしりみたいな8の字みたいなのがあるじゃん。そのすぐ右あたりが西口世界時計前(地下です)。
前半でライベルとユミクリが遭遇したのは8の字からのびてる2本の地下通路を抜けたとこ。という設定。

ライナー(ロッカーの使用方法が書いてあるな。鍵の紛失について……か)

ライナー「それより、さっきクリスタと買った医療医薬品だ。これも一緒に入れていいか?」

アルミン「もちろん」

クリスタ「ありがとうアルミン」ニコ



1530――うどん屋外

アルミン「皆ありがとう。僕のご飯付き合ってもらっちゃって」

コニー「時間的にゃおやつだったが、うまかったぜ」

ライナー「ああ。お前達これからの予定は?」

コニー「俺はジンジャ」

アルミン「僕は任務の続きを」

ライナー「アルミン。お前は本当に頼りになる奴だ」

ライナー(将来偉くなったらこいつを参謀にしたいくらいだな)

アルミン「あはは、ライナーに言われるなんて、光栄この上ないよ」

ライナー「クリスタ。俺たちはどうする?」

クリスタ「ライナー私……急用ができちゃったの」

ライナー「!?」

クリスタ「だから今から私、ひとりで行動しなきゃ」

ライナー「なっ、なぜだ……?」

クリスタ「ごめんなさい!私考えたの、余った現金の使い道……ちょっとしかないけど」

クリスタ「ライナーにも、みんなに喜んでもらえるように頑張るから」

ライナー「兵団の資金にするんではなくてか?」

クリスタ「うん。私達のために、今日使う。少しは贅沢してもいいかなって」

ライナー「ほう」

コニー「えーなになに?何をするんだ?」ズイッ

クリスタ「秘密!皆を驚かせたいの」ウフフ

ライナー(やっぱりクリスタは誰よりいい子だ。抱きしめたい///)

コニー「へー楽しみだ!んじゃライナー!俺と一緒にジンジャ行ってくれよ!」

ライナー「お、おお」

ライナー(男同士の珍道中もまたありだよな)

ライナー「気をつけろよ」

クリスタ「うん。ライナー」

クリスタ「とっても楽しかった」ニコ

ライナー「ああ。シャシンは現像しておく。あとで一緒に見よう」

クリスタ「ありがとう。楽しみにしてるね。じゃあねー!」フリフリ

アルミン「僕はこっち行くねー!」フリフリ

ライナー「おお!」

コニー「じゃあなー!」ブンブン

ライナー「……」

コニー「……」

ライナー「と、別れたものの……クリスタが1人で別行動なんて危険だろ……」ワナワナ

コニー「超笑顔で秘密ー!って言われたな。まあ大丈夫じゃねえの」

コニー「チビの俺とアルミンが1人で平気だったんだぜ?」

ライナー「クリスタは女子だぞ。しかも世界一かわいい」

コニー「う、うん」

ライナー「そしてお人好し……ずれた所大胆だしな。それがまた愛らしいんだが」

コニー「兵士だから大丈夫だろ。ほら、ついてきてくれんだろジンジャ」

ライナー「ああ。そうだったな」

コニー「はいよ地図」ペラ

ライナー「お前自力という言葉を知らんのか」



――靖国通り 花園神社方面へ

ガヤガヤ

「……」

ジンジャへ向かう途中、兄貴らしいイイ話してたはずなんだが……

話をぶった切るようにコニーが便所に行ってしまった。まあコニーらしいからいいけどな。

しかし……やはりコニーはサシャ狙いだったか。自覚してるのか微妙だが、応援してやろう。ニヤニヤ

サシャは好きな奴いるんだろうか。食い物以外で。……いなさそうだな。

トントン



誰だこいつ……?

「なんすか?」

「え?金髪の小さい少年の仲間かって?」

(アルミンのことか?)

「はいそうですが」

「ヅラ屋?オプションの忘れ物?」

(ん!?団長のヅラの話か!?)

「俺が似た装束だったんで届けてくれたと……。わざわざご苦労さんです」

(……これだ!)

「あのすんません。さっき金髪のやつが買ってったやつの、サイズ違いがもう1つ欲しいんですけど」

「店の場所教えてもらっていいすか?あ、すぐそこが店っすか」

「はい。お願いします。じゃあすぐ行きます」

(サイズ違いを購入し、ロッカーの中の本物と交換すればいいんだ。それだけでいい)

(団長は昨夜、振り向いただけで落ちそうとかなんとか言っていたからな)

(ぶかぶかのヅラにしてしまえばいいだけだ)

(アルミンには悪いが……代わりに団長からお叱りを受けてもらうとしよう)

コニー「ライナー!」

タタタ

コニー「わりいな!いやーチビるとこだったぜ!チビだけに!」

ライナー「おう」

コニー「じゃ行こーぜ!さっきの話のつづ」

ライナー「俺はやらなきゃいけねえことができた。悪いがジンジャへは1人で行ってくれ」

コニー「はあああ!?なんでなんで!?どーした?」

ライナー「すまんな……。地図によると、もうすぐでジンジャのはずだ」

コニー「えー……そーか……わかったよ……ちぇっ」シュン

ライナー「本当に悪いな。それじゃ行くからな」

コニー「ライナーのぶん買っといてやるよ」

ライナー「?」

コニー「恋愛成就のお守り」

ライナー「……」

コニー「天才だからな」

ライナー「悪いな、頼んだぞ天才」ナデナデ



1605――西口 どっかの物陰かなんか


ゴソゴソ

「ほんとすんませんね、拘束しちまって。22時前に必ず解放しに来ますんで」

「ちょっとの間静かに寝ててくださいね」

トコトコ


ふう。予想外だった。

さっきロッカーの使用方法のところに、鍵紛失の場合は業者が開けてくれると書いてあった。

だからヅラ屋でサイズ違いのヅラを手に入れてから、それを利用して開けてもらう手はずだった。

中身の確認と代金でなんとかなると思ったが、身分証明が必要だったとは。

俺達は身分証明書もパスポートもない身だからな。

そんで騒ぎそうだったんで……思わずロッカー業者の人間を拘束してしまった。

通報されたら面倒だろうから、22時までは大人しくしててもらう。

ここの人間に手を出すつもりはなかった……だがまあ仕方ない。

ジャラ

この鍵があれば、サイズ違いのヅラを本物と交換できる。



1610――西口 世界時計付近 ロッカー前

キョロキョロ

よし、誰もいねえな。522番っと……。

ガチャ

この袋の中にヅラが……

ゴソゴソ

ん?

中身がヅラじゃないぞ!?

これは……菓子か?トウキョウ土産?

はっ……アルミンのやつずいぶん能天気な任務やってるんだな……。

間違えた……?いやそんなはずはない。

ヅラ屋の話によると、アルミンがヅラを買ったのは俺達たちに会う前だ。

それならさっきここに来た時点でロッカーにヅラをしまっているはずだよな。

ジャラ

他の番号も開けてみるか。

ガチャ

ゴソゴソ

違うな。

ガチャ

ゴソゴソ

これも違うな。

……どの番号にもヅラがない……だと?

なぜだ?

いや……。

ないものは交換のしようがない。

はあ。

……帰還前後になんとかするとしよう。

ロッカーの中身をへたに漁れば足がついてしまうからな。今は辛抱だ。

バタン

ガチャ

鍵だけは業者の手元に置いておくか。

トコトコ


1640――西口から南下 甲州街道

トコトコ

もうすぐ点呼集合の時間だな。

シャシンを現像に出すために、もう一度ヨドバシカメラを目指してみたものの……

いくつも店舗があったんだな……どの建物だっけか?キョロキョロ

現像したシャシンを見せたらきっとクリスタ喜ぶぞ。ニヤニヤ

しかし……なぜ俺は午前中にデンキ屋でフィルムカメラしか買わなかったんだ?ハテ

もっと巨人の殲滅に繋がる優れた機械や情報があったはずだ。着いたらもう一度見て回って……

あれ?

ここは甲州街道か?どうやら南に来すぎてしまったようだな……キョロキョロ



おお!少し遠いが、対岸にアルミンとクリスタがいるぞ!

さっき2人は別々の方向に行ったはずだ。また偶然会ったのか?

なにはともあれ、また会えたなクリスタ///

ん?

2人の横にクルマが止まった……?


!?


何者かがアルミンの頭を殴ったぞ!?

どうした!?何が起きてるんだ!?

「おい……っ!」


!!

まずいぞ!

アルミンとクリスタがクルマの後方におしこまれた!!

まさかあいつらは……


人さらいか!?


「くそ……ッ!!」ダッ

ブロロロ……!!

「!!」

クルマが発進しちまった!


「おいっ……待て!!」ダダダ

助けなければ!俺が!!


ガヤガヤ

くそっ!人もクルマも多すぎる!邪魔だ!

このままでは……あのクルマを見失ってしまう!


どうする!?

いや決まってるだろう!!

こっちの人間とのいざこざは避けろとは言われたが……仲間の命を守るためだ!!


立体機動装置を!


バシュー!!

風呂後再開予定

ライナーかっこよすぎィ!

長風呂だな
溺れてなければよいが

>>112->>114 どもー。炭酸ガスのバブしてた



ライナー「……っ!」

ダン!!

ライナー(なんとかクルマの上に着地できた!)

キャーザワザワ

ライナー(やはり注目の的、か。無理もない……。速やかに救出せねば!)

ライナー「クリスタ!アルミン!」ドンドン

アルミン「ライナーか!?」

ライナー「ああ俺だ!無事か!」

アルミン「うん!なんとか!」

ライナー「今出してやるから待ってろ!」ジャキン

クリスタ「やめてライナー!!」

ライナー「!?」

アルミン「え!?」

クリスタ「開けたらライナーは私のこときっと嫌いになる!」

クリスタ「大嫌いになる!だから開けないで!」

アルミン「状況を考えるんだクリスタ!そんな場合じゃないだろ!」

ライナー「そうだ!開けるぞ!?」

クリスタ「ライナーは……私はわがままと言ったとき、そんなはずないって言った!」

クリスタ「でもそんなはずあるの!わがままで醜いの!だからだめ!」

ライナー(……?)

ライナー「大丈夫だ!どんなクリスタだって俺は引いたりしない!」

ライナー「俺はどんな姿でも、クリスタを嫌いになったりしない!」

ライナー「待ってろ!」スッ

アルミン「待って!僕らかなり窮屈に閉じ込められているんだ!上からはだめだ!」

ライナー「どこをやればいい!」

アルミン「いいか!クルマの背中側にまわっ……」

ライナー「……?」

アルミン「……」

ライナー「……なんだ?」

ライナー(声が聞こえなくなったぞ……?)

ライナー「アルミン!聞こえないぞ!背中側がなんだ!」

アルミン「ラッ、ライ…………」

ライナー「どうした!?指示をくれ!クリスタ!?」

ライナー(2人とも……なぜ喋らない?指示が出せなくなったのか?)

ライナー「なんか言ってくれ!」

キャーザワザワ

ライナー(!!)

ライナー(まずい。立体機動を街中にさらしっぱなしだ……)

ライナー(指示を待っても仕方ない……クルマを壊す!!)

ガキィィンッ!!

ライナー(!? 刃が……折れた……!?)

ライナー(うそだろ……もう一度!)

ガン!!

ガン!!

ライナー(傷がつかないだと!?)

ライナー(西口ロータリーに入ってさらに人目が増えてしまった、早く!)

ガンッ!


「ライナー!!」


ライナー(声!?)

キョロキョロ

ライナー(ベルトルト!!)

ベルトルト「何をやっているんだ!」

ライナー「人さらいだ!クリスタとアルミンがこの中にいる!」

ベルトルト「!?」


ライナー「中の様子がわからないから、うかつにブレードを使えない!」

ベルトルト「乗り物を壊せ!」

ライナー「やっている!全く傷がつかない!」

ライナー(くそ……クルマのスピードが速い!もうあいつから離れちまう!)

ライナー「定期的に煙弾を撃って場所を示す!」

ライナー「もう5時だ!あいつらと合流次第に応援に来てくれ!!」

ブロロロロ

ライナー(くそ!増援はベルトルトに頼んだとして……)

ライナー(どこにも全く刃が立たんぞ!?ありえんだろ!)

アルミン「ライナー!」

ライナー「アルミン!?」

アルミン「僕がなんとかする!」

ライナー「!」

アルミン「ライナーは逃げろ!もうじき騒ぎを聞いたケイサツが来てしまう!」

ライナー「馬鹿野郎!仲間を見捨てられるか!俺はお前たちをなんとしてでも助けるぞ!」

アルミン「危険だ!」

クリスタ「ライナー逃げて!」

ライナー「!」

クリスタ「お願い!」

ライナー「クリスタ!」

ライナー「このまま連れ去られちまったら22時には間に合わない!」

ライナー「お前がこの世界に取り残されてしまう!」

ライナー「そんなことさせてたまるか!お前を失いたくない!」

クリスタ「ライナー……」

ライナー「シャシンを一緒に見てくれるんだろう!?1000万円のチケットも俺が持ったままだ!」

クリスタ「でも!」

ライナー「クリスタ!俺は!」


ライナー「お前が好きだ!」


クリスタ「!」


ライナー「誰よりも好きだ!わがままで醜かったとしても好きだ!」

ライナー「俺と結婚してほしい!」

ライナー「俺はお前のために、偉くなって、金稼いで、誰より幸せにしてやる自信がある!」

ライナー「巨人に怯えねえ、食い物に困らねえ世界をつくってやる!」

ライナー「クリスタ!俺は!」


ライナー「お前を残したまま!」

ライナー「元の世界には帰れない!」

ライナー「もしこのまま取り残されるくらいなら俺も」

アルミン「待つんだライナー!!」

ライナー「!?」

アルミン「僕にして!」

ライナー「ア……アルミン!?」


アルミン「僕を選んでくれクリスタ!」


ライナー「は……おい待てアルミン!お前もクリスタのこと!?」

ライナー「どういうことだアルミン!」ガンガン

ファンファンファン

ライナー(!?)

ライナー(ケイサツ!俺を追ってるのか!人さらいの方をどうにかしてほしいってのに!)

ライナー(逃げるしかないのか……!?)

ライナー(だが……俺が追尾をやめれば2人の行方は分からなくなっちまう)

アルミン「ライナー逃げろ!」

ライナー(アルミン!)

ライナー「ああ!お前たちを助けだしてからな!」

ガン! ガン!

ライナー「それに話が終わってない!」

アルミン「あとその話はまたあとだ!」

アルミン「それより逃げろ!ケーサツは遠距離からの攻撃技術を持っている!殺傷能力も高い!」

アルミン「へたに抵抗すれば死ぬ!巨人ではなく、人間に!殺されるぞ!」

アルミン「ここで死んでる暇なんてないだろう!」

ライナー「!!」

ライナー(そうだ……)

ライナー(何をやっているんだ俺は……こんなところで死ぬわけにはいかない)

ライナー(俺は……戦士だろ?生きて!故郷に帰るはずだろう!!)

ライナー「くっ……煙弾を撃つ!あとは他のやつらがくるだろう!待ってろよ!」

ライナー「アルミン!クリスタを頼んだぞ!」

アルミン「ああ!」

ライナー(立体機動はもう見られちまってるからな……)

ライナー(あそこの道にさしかかったら陰に飛び込んで、煙弾を打ち)

ダンッ

ゴロゴロ


パーン!!


ライナー(一気に跳ぶ!)

バシュー!!


ライナー(そして走れ!繁華街だ!とにかく人ごみへ走れ!)

ダダダ……

かなり進んだ!満足!おやすみ!



ズルッ


!?

は……何か踏んで……滑っ?

缶、コーヒー缶で……


ドサッ


!!

ズササッ

「ぐっ……うっ……クソ!」

すっ転んだところを押さえられちまった!4人がかりはやばい……!

道端に缶捨ててんなよ!糞野郎!ジタバタ

「!?」

「……は!?」

大型書店で刃物振り回したのも、カラオケ店で迷惑行為したのも、地下道走り回ったのもお前かって?

「知らねえよ!」

なにぬかしてんだこいつらは!

「はなし……やがれ!……ぐうっ……っ!」

動けねえ……っ!

ちくしょう!


俺はここで終わるのか?

こんなくだらねえ世界を観光して終わりなのか?

いや、

ここで死んでる暇なんてないとさっきも言ったろ!

故郷に帰るまでは死ねないと!

そうだ。

ためらう必要ないはずだ。

故郷に帰るためにならなんだってしてきたんだ。

今日だってロッカー業者拘束しただろ。

今更だ。


人通りは少ない。

腕一本、一瞬でいい……それでこいつらは十分やれる。


俺は、人間より強い!

俺は、戦士……巨人だ!!


……ッ!!


「ちょっと待ちなさいアンタたち!!」


!?

白に花柄のワンピースの……お、女……?

いや……いいケツしてるが、髪短いよな……図体もでかいぞ?

黄昏時でよく見えん……。


「さっきからアタシの店の前でうるさいのよ!」

「ほらほら早くどきなさい!素敵なコたちが他に取られちゃうじゃない」シッシッ

「責任とりなさいよ。ねえ?」

「あら」

「ケイサツのお兄様いい筋肉してんじゃなあい。ここにホクロがあるのね」

「たくましいくせに、腰つきも中々きれい……」

「そこらへんの女の子より……キモチイと思うんだけど?」

「ねえ……?」


なんだこいつ!?ケイサツを誘ってんぞ!?

オイオイどうなってんだこの異様な空気……


パーン!!

パーン!!


今度は何だ!?


パーン!!

煙幕!?まさか兵団の信号弾か!?連続で……

パーン!!

!!

ケイサツの拘束力が弱まった!!

今しかない!!


ライナー「ぐうっ……うぉぉおおお!!」

ダッ!!

オカマが最強と言うことはクレヨンしんちゃんとボンちゃんで学びました

オカマのかっこよさは以上

ダダダ!!

あの女性と目眩ましのおかげで逃げ出せた!


「ライナー!」


ライナー「誰だ!?」キョロキョロ

ユミル「おら早くしろ!」クイクイ

ライナー「ユミル!?煙幕はお前が!?」

ユミル「こっちだ!」


ダダダ……!!

>>140 >>141 何でだろうね。確かにクレしんのオカマ様活躍率はすごい。


1730――新宿2丁目脱出 どっかの物陰

ドサッ

ライナー「はあっ……助かった……」ゼェハァ

ユミル「ふう……この借りはでけえぞ」

ライナー「ああ。あそこ一帯は雰囲気が違ったな……急いてて見てなかったが」

ユミル「シンジュク2丁目だからな」

ライナー(だからなんだってんだ?)

ユミル「この駐車場で休んでくぞ。もうすぐジャンも来るはずだ」

ライナー「煙弾が連続発砲だったんで、複数人だとは思っていた。もう1人はジャンか」

ライナー「お前らが目眩まししてくれなかったら……俺はとっくにお縄だった」

ライナー(頼りになる仲間がいることに感謝しなければな)ウンウン

ユミル「……」

ライナー「?」

ユミル「それはさておきだな。お前……クリスタはどうした?」

ライナー「アルミンと一緒にクルマでさらわれた……」

ユミル「おいおいライナーさんよ。私はお前に気を抜くなと言ったろ」

ライナー「ああ。だから早く行かにゃならん」

ユミル「いやお前は動くべきじゃない。またケイサツと追いかけっこしたいなら別だが」

ライナー「……」

ユミル「行ったところで……もう決着はついてんじゃねえの」

ライナー「どういうことだ?」

ユミル「予感だ」

ライナー「無事だろうか……。まだ答えを聞いていないってのに」

ユミル「は……告白でもしたのか」

ライナー「ああ。しかしまさかアルミンもクリスタに惚れていたとは」

ユミル「まじかよ」

ライナー「大まじだ。クリスタに惚れた時点で恋敵は大勢いると覚悟していたから、別段どうってこともないが」

ユミル「私も恋敵だぞ」

ライナー「お前はベルトルトに惚れてんだろ」

ユミル「クリスタか。だから言ったろって。あいつは賢くはない。聞き分けの悪い天使なんだ」

ユミル「まあなんだ。暇つぶしに観察してるのがベルトルさんってだけで」

ライナー「度を越さんようにな」

ユミル「もう度越して死にかけたけどな」

ユミル「でだ。話を戻すが、ふられたなお前」

ライナー「まだ答えを聞いてないって」

ユミル「いやふられた。クリスタはアルミンを選んだだろうな」

ライナー「? つまり俺は失恋したと?」

ユミル「お互いにな」

ライナー(いや冷静に考えて俺を選ぶと思うが……どう考えてもクリスタは俺にだけ特別優しいからな)

ライナー(ようやく2人は結ばれるのか。将来は結婚して、子どもたくさん育てて……そのためにも早く偉くならねば)

ライナー(とにかくクリスタに会って早く答えを……)

ユミル「お、来たぜ」

ジャン「……」トボトボ

ユミル「お疲れサン。ワンピースはどうした?」

ジャン「もうサシャには渡せねえだろ……」

ユミル「そりゃそうだな」

ジャン「……」ズーン

ライナー「ジャン?」

ユミル「プッ……ダハハハハ!!」

ジャン「……」ゲッソリ

ライナー「どうしたってんだ?ジャンのやつ抜け殻みてえだ」

ユミル「アハハハ!そりゃあプレゼントひったくられ、ゲリした上にオ」

ジャン「てめえ!!約束したもんな、な!?」

ユミル「アハハハ!!」

ユミル「お前の冴えねえ人生逆転大成功だったな!いっそ逆転したままでよかったんじゃねえか」

ジャン「ざけんなよ!お前がこれしかねえっつうから!つか他のやり方があったろ!?」

ユミル「お前才能あるはずだぞ!いっそ目覚めたらどうだ!」ゲラゲラ

ライナー(何のことだかさっぱりわからん。あ)

ライナー キョロキョロ

ユミル「おいゴリラどうした?」

ライナー「さっき俺をかばってくれた女性……いねえよな。礼を言いたかったんだが」

ライナー「かなり短髪でガタイがよかったが、いいケツしてた」

ユミル「やめとけ。掘られるぞ」

ジャン「掘らねえよ。あと男に褒められたくねえ」

ライナー「は?何言ってんだジャン」

ジャン「……いや」

ライナー「危険をかえりみずに俺をかばってくれた……あの女性は女神だった……」コウコツ

ライナー(女神様ってのはクリスタと、もう1人いたんだな……///)

ユミル「ダハハハ!!」

ジャン「……」ゲッソリ

ユミル「とりあえず落ち着いたら西口世界時計前まで行くぞ」

ユミル「世界時計付近にコウバンがあったから、様子を見つつな」

ライナー「おう」

ユミル「ライナーお前は雨具と立体機動没収だ。ベルトもはずせ。全部ジャンが持つ」

ライナー「ケイサツ対策だな。頼んだジャン」

ジャン「ちくしょう……俺だって精神的ダメージがあんだぞ!労れよ!」

ライナー「ジャン?何かあったのなら……俺で良ければ話聞くぞ?」

ジャン「すまんが黙っててくれライナー」グスン

ライナー「お、おう……」

ユミル「ライナー。あとでけえ図体どうにかしろ。ゴリラが街にいたらケイサツが捕獲するに決まってんだろ」

ライナー「む」

ユミル「ということでゴリラはこれでも持ってろ」

ライナー「俺のフィルムカメラ」

ユミル「観光気分で歩けよ。せいぜい人間らしくな」

帰宅時間にもよるけど、今日の夜終わりたい。おやすみ。

乙でした!おやすみなさい!!


1820――西口 世界時計前

ライナー「あれは」

ユミル「クリスタ」

ライナー「だな。ここの人間の装束をまとっているが」

ジャン「そこのコウバン対策ってとこか」

ライナー(よかった!無事だったのか!)スッ

ユミル「待てライナー」

ライナー「?」

ユミル「大切な感動の再開シーンだ。お前は私の後な」

ライナー「いや俺が先だろ。愛の告白をしたんだ」

ユミル「いや私は元々クリスタと相思相愛だ。よって私が先だ」

ジャン「ガキみたいな争いすんなよ」

ユミル「プレゼントひったくられた位でだだこねるお前よりましだ」

ジャン「うっせえ」

ユミル「ジャン。あのことバラされたくなかったら、ライナーどうにかしとけ」

ジャン「おう」ガシッ

ライナー「ジャンお前!ユミルに弱みでも握られてんのか!?」ジタバタ

ユミル「クリスター!」タタタ

クリスタ「!」

ユミル「会いたかったぜー!」ダキッ

クリスタ「ユミルー!」ギュー

ライナー(俺にもぎゅっとしてくれ。ぎゅっとしながら結婚しよう///)

クリスタ チラッ

ライナー「!」パチッ

クリスタ ニコッ

ライナー ドキ

>>151 ありがとう。あと2つだけやっちゃった。今度こそおやすみなさい。


最近このシリーズを時間経過進行と共に同時並行で読むのが楽しみ

乙。どんな終わり方するのか期待

>>155 どの感想も嬉しいけど、そのお言葉が今までで一番グッと来た!ありがとう!
>>156 深夜中に片付ける!


1920――西口 カラオケ

エモノヲホフル イエーガー!!

アハハ!!

ライナー「あいつらの声、外まで聞こえるな」

ベルトルト「うん」

ライナー「馬鹿騒ぎなんて久々だからな。皆やりたい放題だ」

ライナー「幾つになってもこうでいられたらいいよな」

ベルトルト「……」

ライナー「で、なんだ話って。早く戻らねえとサシャに飯食われるぞ」

ベルトルト「そこの階段にでも座ろう。立ち話でさえ威圧感あるんだから僕ら」

ライナー「階段にたむろの方ががら悪いぞ」

ベルトルト「膝抱えて」ヨイショ

ライナー「得意だもんなお前」ヨイショ

ライベル「……」

ベルトルト「ライナー……。クリスタに告白したんだって?」

ライナー「ああ」

ベルトルト「結婚しようって言ったってね」

ライナー「ああ。てんやわんやでまだ返事は聞いていないが」

ライナー(ついに俺たちは結ばれるのか……。感慨深い)ニヤニヤ

ライナー「それがどうした?」


ベルトルト「クリスタがもし……君に好意を抱いていたらどうするんだ?」


ライナー「は?」

ベルトルト「……」

ライナー「付き合うに決まってるじゃねえか。そんでもって将来的には結婚だな」

ライナー「俺がどんなにクリスタを好きかは知ってんだろ」

ベルトルト「もちろん知ってるよ……。だからこそなんだ」

ベルトルト「このタイミングを逃すとまずそうだから……1つ確認させてくれ」

ライナー「何をだ?」

ベルトルト「君の、戦士としての決意について」

ライナー「戦士?」

ベルトルト「ああ」

ベルトルト「僕らは兵士じゃない。戦士なんだよライナー」

ライナー「何を言っているんだ?」


ベルトルト「つまり、僕らは人間を殺す側。そして……クリスタは人間側」

ベルトルト「彼女は近い将来裏切ることになる人間だ」


ライナー「……!」

ベルトルト「ライナー君は……自分は戦士で、この先彼女を裏切る者なのだから」

ベルトルト「いくら彼女が好きで結婚したくても、気持ちは伝えないと誓っていたはずだよね……」

ライナー「!!」

ベルトルト「もう……そのことも忘れてしまった?」

ライナー「……っ」

ライナー(そうだ……何考えてんだ……俺は戦士だろ)

ライナー(ベルトルトとアニと3人で故郷に帰る。これが唯一、絶対の目的だったはずだ)

ライナー(だからクリスタに惚れちまった時から……決めてたじゃねえか)

ライナー(思いは伝えないと!俺が、自分で……!)

ベルトルト「もし割り切って、正体を隠しながら付き合うと言うなら僕は……口出ししない」

ベルトルト「その時が来て、彼女を切り捨てて、戦士として目的を果たせるのであれば」

ベルトルト「僕はライナーの恋の応援をするよ」

ライナー「正体を隠しながら……?」

ベルトルト「……彼女を裏切る覚悟はある?」

ライナー「……」

ベルトルト「……」

ライナー「そんなこと……」

ライナー「できねえ、だろ……」

ベルトルト「……」

ライナー「ただでさえ騙してるってのに、嘘ついて愛し合う……なんて」

ライナー「そんなことできねえ……これ以上、俺は……」

ライナー「クリスタに嘘を重ねることはしたくない……」

ライナー「……」

ベルトルト「……」


ライナー「そうだ……俺は」


ライナー「告白してはいけなかった……」


ベルトルト「……そう言うと思った」

ベルトルト「君はこういうことに……真摯で、真面目な人だから」

ライナー(ベルトルトに言われなければ、今頃俺は……)

ライナー「すまん……」

ベルトルト「いいさ」

ライナー「迷惑かけたな……」

ベルトルト「大丈夫だから」

ライナー「いや……俺は」

ベルトルト「……?」

ライナー「ベルトルト俺は……」

ライナー「今日一度、使命を放棄したんだ」

ベルトルト「……」

ライナー「クリスタとアルミンがさらわれた時」

ライナー「クリスタがこの世界に取り残されるくらいなら……俺もここに残ると言おうとしたんだ」

ベルトルト「……」

ライナー「糞野郎だよな」

ライナー「戦士なのにな」

ライナー「すまん……」


ベルトルト「……」


ライナー「……」


ライナー「好きだ」


ライナー「結婚したい」

ライナー「あいつを連れて故郷に帰りたい」

ライナー「死んじまうその日まで一緒に暮らしたい」

ライナー「ちくしょう」

ライナー「俺は誰よりクリスタを幸せにする自信があるってのに」


ベルトルト「……」

ライナー「だが……俺達は使命を遂行する。最初から、これ以外の選択肢はない」

ライナー「全ては故郷へ帰るためだ」

ベルトルト「ライナー……」

ライナー「俺はもう大丈夫だ。心配かけたな」

ベルトルト「うん……」

ライナー「にしても」

ライナー「自分から告白して、自分から断らねばならんとは……」

ライナー「こんなに惚れてるのにな」

ベルトルト「いや……第一まだ付き合えると決まったわけじゃないし」

ライナー「む、聞き捨てならん」

ベルトルト「ご、ごめん」アセ

ライナー「……そういやお前……今日ユミルと寝たんだって?」

ベルトルト「誤解だよ」

ライナー「そうか」

ベルトルト「いや……えと、正直彼女に欲情してしまった。かなり」

ライナー「やっぱりな」

ベルトルト「ごめん。僕は彼女がとても嫌いで怖いはずなのに、おかしいよね」

ライナー「謝ることはないさ。なにせ俺たち思春期なんだ」

ライナー「お前も、裏切ることができるなら……好きにすればいいさ」

ライナー「俺にはそれができないからそうしないだけだ。遠慮は無用だぞ」

ベルトルト「……」

ライナー「ま、情事については後ほど聞くとして……そろそろ戻るか」

ベルトルト「そうだ」

ベルトルト「ロッカーの鍵、“コニー”は捨てておいたよ。帰還間際にアルミンに打ち明けるつもり」

ライナー「よくやった。団長のヅラは帰還前後のどさくさに交換する」

ベルトルト「ヅラ?なにそれ」

ライナー「まああとで話すさ」


2120――西口 センタービル展望台

カシャ

クリスタ「現像しなかったの?フィルムカメラ」

ライナー「時間なくてな。すまん。シャシン一緒に見ようって言ったのにな」

クリスタ「謝ることないよ。でも、現像しないのに撮るんだね」

ライナー「何でだろうな」

クリスタ「さっきもカラオケで皆のシャシン撮ってた。嬉しそうに」

ライナー「ああ」

ライナー(敵なのに、撮ってしまった。あまりに楽しくて……)

クリスタ「そういえば展望台、トチョウのリベンジができたね。荷物検査なかったから」

ライナー「ああ。さすが先進技術国ともあって、どこまでも人工物で溢れてる」

クリスタ「うん。キラキラしてて、とってもきれい……」

ライナー(ああきれいだ。お前が一番きれいだ)

ライナー(もし許されるのなら、お前を連れて故郷に……。いやよせ。そんな期待は抱くな)

ライナー「なあ」

クリスタ「うん」

ライナー「さっき俺はクリスタに告白をしたな」

クリスタ「うん。嬉しかった」

ライナー「……そうか」

クリスタ「……」


ライナー「あれを撤回したい」


クリスタ「……え?」


ライナー「すまない……」

クリスタ「えっと……」

ライナー「なかったことにしてほしい……」

クリスタ「……そ」

クリスタ「そっか!……そうだよね。私なんか……」アタフタ

ライナー「!」

ライナー「ちっ、違う!」

クリスタ「?」

ライナー「俺はクリスタが好きだ!誰より好きだ!」

ライナー「本当はお前を故郷に連れて帰りたいくらいだ!!」

ライナー「きっとアルミンと二股かけられたって好きだ!!」

クリスタ「え」

ライナー「ん」

クリスタ「ひどいライナー!私二股なんてしないよ!」ポカポカ

ライナー「いてて……す、すまん!例えが悪かったな、いやすまんて!」

クリスタ「もう」プスー

ライナー「……いや……その、しかしな」オロオロ

クリスタ「どっちかにしてよライナー」

クリスタ「私……どう接すればいいかわからなくなっちゃう」

ライナー「……」

クリスタ「……」

ライナー「撤回だ……」

クリスタ「うん……。わかった。撤回ね」

ライナー「すまん……」

クリスタ「……ううん。違うよ……」

ライナー「?」

クリスタ「本当に謝らなくちゃいけないのは私の方なの」

ライナー「なぜだ?」

クリスタ「理由は内緒にさせて。でも、ごめんなさい」ペコ

ライナー「?」

クリスタ「……」

ライナー「俺はな」

クリスタ「?」

ライナー「クリスタが思うような人間じゃないんだ」

クリスタ「“どんなクリスタだって俺は引いたりしない”」

クリスタ「“クリスタを嫌いになったりしない”」

ライナー「!」

クリスタ「今日、ライナーが私に言ってくれたことだよ?」

ライナー「……」

クリスタ「どうしても言えないんだ」

ライナー「ああ」

クリスタ「しょうがないよ。私も、隠してること、あるもん」

クリスタ「引き分けで……おそろいだね」ニコ

ライナー「……」

クリスタ「いつか私は、その、本当のライナーを知るのかな?」

ライナー「かもしれん」

クリスタ「そっか。じゃあ楽しみにしてるね」

ライナー「やめてくれ」

クリスタ「うふふ。一方的に告白と撤回されちゃったんだもの。ちょっとだけいじわるさせてよ」

クリスタ「納得できない理由だったら、怒るからね」

ライナー「ああ」

クリスタ「……」

ライナー「クリスタ。明日からも俺と、変わらず接してくれるか」

クリスタ「うん」

ライナー「よかった」

クリスタ「そのかわり。ねえ、私にもシャシン撮らせて」

ライナー「? ああ」スッ

クリスタ ニコ

ライナー「?」

クリスタ「私に告白してくれた、とっても素敵なライナーが見えまーす」

ライナー「おいおい、また俺を撮るのか」

クリスタ「いいでしょ?」

ライナー「別に構わんが……」

何でアルミンとクリスタ攫われたんだろ?
クリスタが原因っぽいが
まだ次があるなら、そこらへんも解るんだろうか・・・

クリスタ「んー、どう撮ろうかなあ。こうかな?こう?うふふ」

ライナー「クリスタ……」

クリスタ「ん?」

ライナー「アルミンに告白されてたろう。お前」

クリスタ「!」

ライナー「……俺のことは気にしなくていいからな」

クリスタ「……」

ライナー「気にせず、アルミンを選べ。あいつはいい奴だ。お前をきっと幸せにしてくれる」

ライナー「お前は誰より幸せになるべき、優しい人間だ」

クリスタ「……ライナーこそ。ライナーは優しい人だから、きっと幸せになれるよ」ニコ

ライナー「そりゃあよかった」

クリスタ「うんっ。それじゃあライナー、レンズを見て」

ライナー「ああ」

クリスタ「ほらほらっ」

ライナー「ああ」


クリスタ「……」


ライナー「……」


クリスタ「うつむいてたら撮れないよ」

ライナー「そうだな」



クリスタ「……」


ライナー「……」


クリスタ「ライナー」

ライナー「なんだ」


クリスタ「泣いちゃやだ」


ライナー「泣き顔もイケてんだろ」ズズ

クリスタ「うん。でもやっぱり笑ってほしいな」


ライナー「ははっ、今日のクリスタは、わがままだ」ニコ


クリスタ「あっ、笑った!えいっ」


カシャ

>>173 次の104期トリで判明するつもり。そういうふうに考えてくれてとても有り難いです。

乙です
次で終わってしまうのか(´・ω・`)
このシリーズのせいで新宿いきたくなったぜちくしょう!
アニとかもでること期待!


切ないじゃないかちくしょう

>>178 >>179 ちょっとまって…まだ…!笑、あと2つ。遅くてごめんなさい。


――

帰還間際、拘束していたコインロッカー業者を解放しに行ったが、いなくなっていた。

嫌な予感がした。通報云々ではなくて……何か……。

エレンたちは俺の落としたという信号弾の銃を渡してくれたが、俺落としたっけか……?

しかしなぜコニーが団長のヅラ持ってんだ!おかげで骨折ったぞ!

コニーに自覚はないだろうが……ほんの少し叱責させてもらった。すまんなコニー。兄貴失格だが、八つ当たりだ。

あと、ケイサツに疑われた内容についてだが……、

書店で刃物振り回したのはエレンとミカサ。カラオケで迷惑行為したのはベルトルトとユミル。

地下道を駆けまわったのはサシャとジャン。お前ら何やってんだよ全く……。

――

やるべきことはまだ残っている。

タイミングを見計らって、俺の持っている偽物のヅラを本物のヅラと交換、

そして可能であれば帰還途中で物資落下事故を起こし、帰還後に荷台を破壊する。

やるぞベルトルト。全ては故郷に帰るためだ。


俺は戦士だ。俺は人類の敵。

クリスタ。

お前がそれを知ったとき、何を思うだろうか。

その瞳で俺を、どう見るだろうか。


「ほらほらライナー、レンズを見て」


おそらくこの愛らしい一言は望めまい。

ただ俺はそれでも、どうしたって、お前のことが好きだろう。



(結婚したい)



ライナー「新宿の巨人」

クリスタ「中央西口」



おしまい

>>178>>179が最後の2つを読んでくれるのを祈って…あらためまして、ありがとうでした。

少し長くなってしもうた。また悲しくなってしもうた。今回は「まだ故郷へは帰れない」って曲が元ネタ。
以下おまけつらつら書きます。

乙。ライナーツライナー!でも戦士だからな
次も期待。しかし終わってほしくない


ほろ苦くて良い終わりだ

――

以下ライナーおまけ

本編と関係なし

――


ライナー

ん。なんだクリスタ

おいしい?

ああ

どんな味?

どんなって

教えて

うまい

具体的に

難しいな

ほらほらっ

蜂蜜の味だな

蜂蜜?

ああ。蜂蜜の甘い味だ

甘いんだ

甘くてやみつきになる

やみつきになっちゃうの?

一度食べたらおしまいなくらいな

じゃあライナーは

もうおしまいだ

大変

もうこれ以外のもんは食えん

どうしよう

それでいいんだ

いいの?

もちろん

本当に?

何を言っているんだ



これ以上幸せなんてないぞ

ふふ。おかしなライナー

お前もくってみるか?

いじわる

届かないか

届かないよ

はは

……

……

待って

ん?ああ

わかってくれた?

ワイシャツは下敷きにするな、だろ

すぐしわになっちゃうから

ああ モゾモゾ

ライナー

ながら食べはだめ

それだけ

やみつきなんだ、でしょ?

ああ

この前もそうごまかした

すまんな

もう クスクス

モゾモゾ




ハッ!

ゆ、夢か……。


(結婚しよ)




おしまい

オマケなのにおもしれぇ

>>184 >>185 ありがとう!次も読んでくれたら嬉しい。

次は104期トリ、アルミン視点のサザンテラス口。
単体で読んでくれた方ももちろんですが、シリーズで読んでくれている方、本当に助かっています。
あの意味不明のエレン視点からよくぞ…笑。ありがとうございます。
おやすみなさい。

>>191 サンキュー!

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