男「司法が超能力に対応してからもう五年か……」 (13)

後輩「なんだかずいぶんと安っぽい世界になっちゃいましたね。警察官なんか目指さずにニートでもしてれば良かったです」

男「ったく。今回の俺達の相手はかなり危ない奴なんだから、気を引き締めていけよ」

後輩「はいはい、わかってますって」

後輩「……ところでどんな奴でしたっけ」

男「わかってないじゃないか」ハァ

後輩「てへへ、人の話聞くの苦手なもので」

男「能力者連続人の容疑がかかってる。つーか、上部が占いで見たから確実らしいが……【蠅の女王】と呼ばれている女だ」

後輩「へーえ、能力者に恨みでもあるんですかね」

男「ふぅッ!ふぅッ!」
蠅の女王「あんッ!あんッ!」

男「能力について詳しくはわかっていないが、なるべく生かして捕らえろとのことだ」

後輩「えー……じれったれい」

男「仕方ないだろ。その女、偉いさんが欲しがっているような情報をたんまりと持っているらしい」

後輩「情報……?」

男「さあな、詳しくは知らんよ」

男「とにかく、先手を取って確実に無力化するぞ。まともに戦ってたら命がいくつあっても足りない」

男「お前の第六感、使えるか?」

後輩「ん……ちょっと待ってください」
「あー、あっちの路地裏ですかね」

男「意外と近くにいたんだな」

後輩「……」ゾワッ

男「どうした?」

後輩「いえ、なんだか悪寒が」

男「やだなぁ……お前の第六感は当たるんだから」

後輩「せ、先輩。この仕事は降りましょう」

男「心配いらねーよ。わかってるだろ、俺の能力。先手さえ取れれば問題ない」

男「まあ、先制攻撃にミスったら泣きながら逃げてくっから、お前はこの辺で逃げ道でも探しておいてくれ」

後輩「では御言葉に甘えて!」

男「……ちょっとは食い下がれよ」

男「……あの女で間違いないな」

男「【タイムストップ】」ズズズ

男「一発、二発」ダンッダンッ

男「三発、四発」ダンッ ダンッ

男「よし、これで両手と両足は……」

キンッ キンッ キンッ キンッ

男「見えない壁……?」

女「……」ニヤッ

男「ちっ、時間切れか」タッ

女「……重力波」キンッ

男「ぐぅっ……」ドサッ

女「フフッ」

男「……」

女「もう終わり?」

男「ああ、降参だよ。煮るなり焼くなり好きにしな」スッ

女「あら、ずいぶんと諦めが……」

男「【タイムストップ】」ズズズ

男「撃ってもムダだろーし、今の間に距離稼いで逃げるか」タタタッ

男「おい後輩っ!」

男「……後輩がいない? いや、そもそもさっきと景色が違うぞ」キョロキョロ

男「おかしい……ほぼ一本道だったってのに」

男「くそっ! とにかく後輩を見つけてさっさと逃げないと」

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