レイ「・・・碇くんの頬っぺた、プニプニしてみたい・・・///」 (161)

エヴァSS
お題は某スレから

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1376493346

シンジ「えっ」
シンジ「あ…綾波?…急にどうしたの?」
レイ「生地の…」
シンジ「えっ?」
レイ「生地の固さを確かめたかったから」
シンジ「生地?」

行間空けると読みやすくなる

>>4
ありがとう

3まで既出
以下、続けてみます。

>>3つづき

シンジ「…あのさ、綾波」

レイ「何?」

シンジ「何の生地かわからないんだけど…それってふつう耳たぶじゃない?」

レイ「知ってるわ」

シンジ「??…じゃあ何で?」

レイ「耳たぶの硬さには、個人差があるから」

シンジ「…」

シンジ「ま、まあ厳密にはそうだろうね」

レイ「そう言ったら葛城一佐が…」

シンジ「ミサトさん?」

レイ「ええ」

シンジ「(ミサトさん…頬っぺたの硬さだって個人差があるじゃないか…)」

シンジ「(だいたい料理のことをミサトさんに聞いちゃだめだよ、綾波…)」

レイ「迷惑?」

シンジ「えっ?…い、いや迷惑じゃないよ///」ポリポリ

レイ「よかった」

レイ「頬っぺた…つまんでみてもいい?」

シンジ「いっいいよ///」ドキドキ

レイ「…」プニプニ

シンジ「あ…あやにゃみ(あやなみ)?」

シンジ「(指…細いんだな…)///」ドキドキ

レイ「ありがとう」

シンジ「ど、どういたしまして」

レイ「耳たぶ…」

シンジ「えっ?」ドキッ

レイ「念のため耳たぶも…ダメ?」

シンジ「ダ、ダメじゃないよ///」

レイ「…」プニプニ

シンジ「…」ドキドキ

レイ「ありがとう」

シンジ「も…もういいの?」ドキドキ

レイ「ええ。わかったから」

シンジ「そ、そう。よかったね」ホッ

レイ「私のより少し固い…」

シンジ「なっ!…///」カァァ

レイ「何?」

シンジ「ななな何でもないよ!」

シンジ「(か…感触を想像しちゃったじゃないか…)」

シンジ「じゃ、じゃあ僕はこれで…」

レイ「ありがとう。送ってくれて」

シンジ「ううん、いいんだ。また明日」

レイ「ええ。また明日」

=====
数日後 ネルフ本部にて

ゲンドウ「シンジ」

シンジ「あ、父さん」

ゲンドウ「お前に渡すものがある」スッ

シンジ「…手紙…」ペラッ「…綾波から?」

ゲンドウ「そうだ」スッ

シンジ「それも?」

ゲンドウ「葛城一佐と弐号機パイロットにだ。お前から渡しておけ」

シンジ「わかったよ」

シンジ「(これって…また食事会…なのかな?)」

シンジ「(はっ!この前のあれは…そのため?)」

=====
同日 葛城邸

シンジ「ただいま~」

ミサト「あらシンちゃん、おかえりなさい。遅くまで大変だったわね」

シンジ「ただいま、ミサトさん」

ゴソゴソ

シンジ「あの、これ父さんから預かってきたんですけど」スッ

ミサト「司令から?」ペラッ「あら、レイからじゃない。なになに・・・」カサカサ

アスカ「エコヒイキがどうしたって?」

シンジ「あっアスカ。ただいま」

ミサト「ふ~ん。今度は手作りのお菓子でお茶会ですって」

アスカ「あ…アイツお菓子なんか作るの!?」

ミサト「ずいぶん研究してるみたいよん」

シンジ「アスカにも来てるよ、招待状」

アスカ「『も』って何よ!いいからさっさと寄越しなさいよ!」バッ「……あっ…」

シンジ「フフ…気が付いた?」

アスカ「(『式波・アスカ・ラングレー様江』…って…)///」

アスカ「(この前は『2号機パイロット様江』だったのに…)」

ミサト「へぇ~。松代のときのこと、レイなりに感謝してるんじゃない?」

アスカ「かっ…感謝されて当然よ!それに今までの呼び方が失礼だっただけじゃない!!///」

ミサト「フフフ…」

アスカ「も…もう寝る!明日は久しぶりに実機でテストなんだから!」

シンジ「あ…3号機の塗り替え終わったんだ」

シンジ「よかったね…でも、なんでピンクにしたの?」

アスカ「私は赤がよかったのよっ!コネメガネが…」

シンジ「マリさん?」

ミサト「そう。マリがね、3号機ピンクにしてくれなかったら2号機を塗り替えると言って聞かなかったのよね」

シンジ「ハハハ…マリさんらしいや」

アスカ「あ~ムカつく!ホントに寝るわよっ!」

ミサト「おやすみ~」

シンジ「おやすみ」

バタン スタスタ…

シンジ「あっそうだ、ミサトさん」

ミサト「なあに?」

シンジ「綾波に変なこと吹き込んだでしょう」

ミサト「変なこと?」

シンジ「何かの生地の固さを見るのに…僕の頬っぺたつまんでみろって」

ミサト「あ…」

シンジ「恥ずかしかったですよ、もう///」

ミサト「…ふ~ん。そぉ…」ニマー

シンジ「な、何ですか?」

ミサト「あたし、そんなこと教えてないわよ」

シンジ「えっ?だって…」

ミサト「ウソだと思うならレイに聞いてごらんなさい」フフッ

シンジ「で、でも綾波は…」

ミサト「さ~て、あたしも寝よっと」

シンジ「あ…ちょっと」

ミサト「おやすみ~」

バタン スタスタ…

シンジ「(…何だよ、もう…)」

シンジ「(でも楽しみだな…父さん…今度も来られるかな…)」

シンジ「(ありがとう、綾波…)」

====
翌日 レイのマンション 402号室前にて

レイ「ありがとう、送ってくれて」

シンジ「いいよ。じゃあ、また」

レイ「待って」

シンジ「何?」

レイ「すぐ、持ってくる」ギィ…ガチャン

シンジ「(?何だろ…)」

ガチャッ

レイ「これ」スッ

シンジ「何これ?…開けてみてもいい?」

レイ「ええ」

シンジ「…」ガサガサ「あ…クッキー?…もしかして綾波の手作り!?」

レイ「…」コクッ

シンジ「あ、ありがとう!嬉しいよ!」

レイ「よかった」

シンジ「あの…お茶会も楽しみにしてるね」

レイ「ええ」

シンジ「そうだ、この前のあれだけどさ」

レイ「あれ?」

シンジ「僕の頬っぺた…ミサトさんに言われたんじゃなかったの?」

レイ「………違うわ」

シンジ「え??じゃあ何で…」

レイ「葛城一佐は」

シンジ「うん」

レイ「一番に食べてもらいたい人の頬っぺたで確かめてみたらって」

シンジ「あ……えええ!?///」カァァ

レイ「ごめんなさい…迷惑だった?」

シンジ「そ、そんなことないよ!///」

レイ「そう…よかった」フフッ

シンジ「(はめられた…だからニヤニヤしてたんだなミサトさん…)///」

シンジ「(でも、そんなのでよく上手く焼けるようになったね綾波…)」

レイ「碇くん」

シンジ「は、はい?」

レイ「もう一度…つまんでみてもいい?」

シンジ「えっ?」

レイ「碇くんの頬っぺた…」

シンジ「…いっ…いいよ///」カァァ

レイ「…」プニプニ

シンジ「…///」ドキドキ

レイ「…」プッ

シンジ「!?…にゃ…にゃんれわらうの(何で笑うの)?」

レイ「ごめんなさい…可笑しかったから」

シンジ「(な…何だよもう…///)ひょ…ひょれなら(それなら)…」

レイ「!」

シンジ「おひゃえひ(お返し)」プニプニ

レイ「…いひゃいふん(碇くん)…」

シンジ「(や…柔らかい…)///」カァァ

レイ「…ふひゅぐっひゃい(くすぐったい)…」

シンジ「…」プッ

レイ「…」クスッ

シンジ「ハハハ…」

レイ「フフ…」

シンジ「じゃあ、そろそろ帰るね」

レイ「ええ。気を付けて」

シンジ「おやすみ。また明日」

レイ「おやすみなさい」

=====

おしまい :||

続けてみます。

>>27つづき

茶話会当日 レイの部屋

ゲンドウ「では、私はそろそろ本部に戻る」

レイ「司令…」

ゲンドウ「ご苦労だったな、レイ」

レイ「きょうは…ありがとうございました」

ゲンドウ「…礼を言わなければならないのは私だ」フッ

ギィ…

ゲンドウ「今度は…」

レイ「?」

ゲンドウ「どこか屋外でも悪くないな」ボソッ

レイ「!」

シンジ「父さん!」

ゲンドウ「…」ガチャン…カツカツカツ…

マリ「へぇ~ゲンドウくん、可愛いトコあるじゃん」

アスカ「そうねぇ…ってアンタ、なんで司令にタメ口聞いてんのよ!」

リツコ「まさか司令の方から次回をほのめかすとは思わなかったわね」

ミサト「でも司令の言うとおり外でぱぁ~っとやるのも悪くないじゃない?」

アスカ「どうせミサトは飲むことしか考えてないでしょ」

ミサト「何よ、いいじゃない」

リツコ「レイ、頑張った甲斐があったわね」

レイ「はい…」

ミサト「それもシンちゃんが実験台になってくれたおかげよね~」

アスカ「実験台って何よ?」

シンジ「ひ、人聞き悪いですよミサトさん!」

ミサト「あら、だってレイが生地の加減覚えるのに…」

シンジ「わぁっ!ちょっとミサトさんその話は…」

アスカ「ハイハイ…勝手にやってなさいよ…」

リツコ「ねえ、レイ?」

レイ「はい」

リツコ「せっかく人が集まる機会ができたんだから、あなた思い切ってもっと綺麗なところに引っ越す気はない?」

レイ「綺麗なところ…」

アスカ「綺麗って…どんなとこでも、大概ここよりはキレイなんじゃないの?」

リツコ「マリが入ってる本部宿舎の独身用が、いくつか空いてるわよ。」

リツコ「学校から遠くなるし部屋はここより少し狭いけど、集会室や調理室もつかえるから、食事会やるにはいいんじゃなくて?」

レイ「…」

ミサト「本部宿舎ってジオフロントにあるやつ?」

リツコ「ええ。」

ミサト「じゃあ、そんなとこに引っ越したくないわよねぇ、レイ」ニマー

リツコ「あら、どうして?」

レイ「…」

ミサト「だってシンちゃんに送ってもらえなくなっちゃうじゃない」

シンジ「な…何言ってるんですかミサトさん!」

リツコ「…そう言われてみればそうね」フフ

シンジ「リツコさんまで!」

リツコ「この話は保留にしとくわ。気が向いたら言ってね、レイ」

レイ「はい…」

リツコ「あら、こんな時間。私もそろそろ本部へ戻らなきゃ」

ミサト「あんたも仕事の虫ね~」

リツコ「明日の再テストまでに3号機の調整をしときたいのよ」

ミサト「先週、アスカとマリのシンクロ率が安定しなかった原因はわかったの?」

アスカ「まさか、あのカビみたいな使徒の欠片が残ってたなんて言わないでしょうね?」

リツコ「違うわ、むしろその逆。マギ2号の駆除は完璧だったわ。」

リツコ「ただ完璧すぎて、通常の手順では補修しきれない微細な傷がコアの正常な部位に残ってたのよ。」

アスカ「そ…そんなの動かして大丈夫なの?」

リツコ「今度は原因がわかったし、ちゃんと直しておくから大丈夫よ。」

マリ「すごいじゃん姫~?あんなのでも起動レベルクリアしたんだから」

アスカ「あ…あったり前でしょ!?アタシはエースよエース!」

リツコ「フフ…明日はマリも起動できると思うわよ」

リツコ「さてと…ミサト、本部まで頼める?」

ミサト「いいわよん。マリも本部でいい?」

マリ「もっちのろ~ん」

ミサト「アスカは?」

アスカ「乗ってくに決まってるでしょ?ミサトと同じとこに帰るんだから」

ミサト「シンちゃんはレイと図書館だっけ?」

シンジ「はい。あ、ミサトさん…夕ご飯、綾波にも来てもらっていいですか?」

ミサト「ええ、いいわよ。」

リツコ「さあ、みんな行きましょ」

マリ「合点承知ぃ!」

ミサト「レイ、ごちそう様。またあとでね」

アスカ「ちゃんとシンジ連れてきなさいよ?レイ」

レイ「…アスカ…」

アスカ「何よ?」

レイ「…来てくれて…ありがとう」

アスカ「よ、よしなさいよバカレイ!呼ばれといて礼まで言われたんじゃアタシの立場ないでしょうがっ!」

レイ「…ごめんなさい」ニコッ

アスカ「ああもう、行くわよ!」スタスタ

マリ「へええぇ~。レイくん、そんな顔もするんだー」ニマー

レイ「 …マリさん?」

マリ「案外オリジナルより可愛げがあるかもね」ボソッ

レイ「!!」

アスカ「コネメガネ!遅~い!」

マリ「あー姫、メンゴメンゴぉ」スタスタ…ガチャン

レイ「…」

シンジ「こっちは終わったよ、綾波」

レイ「…」

シンジ「…綾波?」

レイ「…何?」

シンジ「何って…片づけ終わったし、そろそろ行かない?」

レイ「…そうね…」

シンジ「ど、どうしたの?大丈夫?」

レイ「…ええ…平気…行きましょう…」

シンジ「??」

レイ「(あの人…知っているの?…何故?)」

レイ「(誰かに聞いたの?…司令?…違う…)」

レイ「(私は…誰かに言ったことはない…碇くんにも…)」

レイ「(碇くんは知らない…知ったら…どうするの…)」

レイ「(私は…知られたくないの?…何故?)」

レイ「(私は…碇くんに嘘をついている…)」

レイ「(この気持ちは何?…とても嫌な気持ち…)」

とりあえずここまで

>>39から続きます

=====
翌日 第壱中学校2年A組

キーンコーンカーンコーン

ヒカリ「きりーつ…れーい…ちゃくせーき」

教師「綾波はまた休みか。…まあいい。授業を始める。…」

シンジ「(どうしちゃったんだろ綾波…)」

シンジ「(無断欠席は前にもあったけど…昨日はあれから様子がおかしかったし…)」

=====
同日 ネルフ本部 LCLプラント

シュオー

ゲンドウ「レイ」

レイ「…はい…」

ゲンドウ「食事にしよう」

レイ「…はい…」

=====
同日 ゲンドウ執務室 食卓

ゲンドウ「…」カチャカチャ

レイ「…」

ゲンドウ「…どうした…食べないのか」カチャン

レイ「…」

ゲンドウ「最近のお前にしては珍しいな」

レイ「…申し訳…ありません」

ゲンドウ「…無理はしなくていい」

レイ「…」

ゲンドウ「気分がすぐれないなら下がっていい」

レイ「…ありがとう…ございます」

ゲンドウ「…」

レイ「…あの…」

ゲンドウ「何だ」

レイ「…」

ゲンドウ「…」

レイ「…いえ…」

ゲンドウ「そうか」

レイ「…」

ゲンドウ「…」

レイ「…司令?」

ゲンドウ「ああ」

レイ「…この戦いが終わったら」

ゲンドウ「…」

レイ「私は…どうなるのですか」

ゲンドウ「!…」

レイ「…」

ゲンドウ「…」

レイ「…いえ…申し訳ありません」

ゲンドウ「…」

レイ「…失礼します」カタン トボトボ

ゲンドウ「…」

レイ「…」プシュー

ゲンドウ「…レイ…」

=====
数日後 第壱中学校

ヒカリ「ねえ碇くん」

シンジ「なに?委員長」

ヒカリ「プリント、また綾波さんに届けてくれないかしら?」

シンジ「う、うん。わかった」

ヒカリ「そう。じゃあ、お願いね」

シンジ「(…ホントにどうしちゃったんだろ綾波…)」

アスカ「ちょっとバカシンジ」

シンジ「な…なんだよアスカ」

アスカ「アイツどうしちゃったのよ。」

シンジ「知らないよ。電話しても出ないしメールしても返事こないし」

アスカ「そうなの?…アンタ何かしたの?」

シンジ「なっ!何でそうなるんだよ!」

アスカ「ふーん…まあいいわ」

シンジ「あの、アスカ?」

アスカ「何よ」

シンジ「これから綾波のとこへコレ届けに行くんだけど…一緒に来てくれないかな」

アスカ「何だらしないこと言ってんよ!そんなの一人で行きなさいよ」

シンジ「うん…でも、気になるんだ。この前のお茶会の後、様子がおかしかったから」

アスカ「そう?別にいつもと変らない感じだったけど」

シンジ「ダメかな?」

アスカ「しょうがないわねぇ。そのかわり今夜はハンバーグにしなさいよ」

シンジ「…わかったよ…」

アスカ「じゃあサッサと行きましょ」

シンジ「う、うん」

ケンスケ「おーい碇。ゲーセン行こうぜー」

シンジ「ごめん、今日はちょと…」

トウジ「何やセンセ、綾波が休んどるスキに式波とデートかいな」

シンジ・アスカ「ちっ違う(わ)よっ!」

=====
同日 レイのマンション付近

ガコーン ガコーン

アスカ「あいっかわらず殺風景なところねー」

シンジ「そうだね」

アスカ「司令もお気に入りのくせに何でこんなところに置いとくのかしらねー」

シンジ「…」

アスカ「部屋だって、まあ小奇麗だけど、なーんか素っ気ない感じだし。」

シンジ「ハハ…あれでも前に比べたらずいぶん綺麗になったんだよ。初めてプリント届けに行ったときなんか、ホントに人が住んでるのかって感じだったし」

アスカ「…そ、そうなの?まあ、アイツらしいって言えばアイツらしいわね」


ガコーン ガコーン

アスカ「ちょっとシンジ、どこまで行くのよ」

シンジ「えっ?」

アスカ「もうここから先、取り壊し中のやつしかないわよ」

シンジ「あ…ごめん。ぼーっとして行き過ぎちゃったかな」

アスカ「しっかりしなさいよ、もう!」

シンジ「………あれ……おかしいな…」

アスカ「?何よ」

シンジ「2…3…4……あっ!!」

アスカ「ちょっと!どうしたのよシンジ!」

シンジ「ここだよ!」

アスカ「えっ?」

シンジ「間違ってなかったんだ!ここが綾波のマンションなんだよ!」

アスカ「えっ…えっ!?ちょっと!どういうことよ!」

シンジ「僕だってわかんないよ!」ゴソゴソ ピッピッピッ トゥルルルル

トゥルルルル…ブツッ

ミサト『シンちゃん?どうしたの?』

シンジ「ミサトさん!綾波が!」

ミサト『ちょっとシンちゃん!?レイがどうしたの?』

シンジ「綾波のマンションが壊されてるんです!」

ミサト『えっ?…なーんだー脅かさないでよ』

シンジ「だって、あの…」

ミサト『もう始まったの。早かったわねー』

シンジ「早かったって…綾波はどうしたんですか!?」

ミサト『何言ってんの、レイなら一昨日から本部宿舎よ』

シンジ「へっ?」

ミサト『へっ…て、シンちゃん知らないの?』

シンジ「…知りません…でした」

アスカ「ねえ!どうしたのよ!」

シンジ「え?…あの…本部宿舎に引っ越したんだって…」

アスカ「引越し?何よそれ?」

ミサト『シンちゃん?』

シンジ「すみません、アスカと一緒にプリント届けに来てたんです」

ミサト『そう。とっくにレイから聞いてると思ってたわ。」

シンジ「…いえ…」

ミサト『…レイと何かあったの?』

シンジ「よくわからないんです…お茶会のあとから様子が変で…学校も休んでるし」

ミサト『そう…こっちでも見かけないのよね。それこそ引越しのときリツコのところに来てたのを見かけたくらい』

シンジ「そうなんですか?」

ミサト『まあ、あんまり心配しなくてもいいんじゃない?こっちにいるのは間違いないし、レイにしては慣れないことが続いたから疲れたんじゃないの?』

シンジ「それならいいんですけど…」

ミサト『元気出しなさいよ。訓練のときにはまた会えるわよ』

シンジ「…そうですね。ありがとうございます。」

ミサト『じゃあね。あ、今夜は遅くなるから晩御飯いらないわよ』

シンジ「わかりました。それじゃ」ピッ

アスカ「何やってんのよアイツ…本部宿舎じゃシンジに送ってもらえないってミサトに冷やかされてたくせに」

シンジ「…」

アスカ「アンタ避けられてんじゃなの?」

シンジ「えっ?…そっ…そうなのかな…」

アスカ「ホントに何もしてない?」

シンジ「してないよ!」

アスカ「まあねえ…アンタにそんな度胸ないか…」

シンジ「なんだよ人の気も知らないで…」

アスカ「(それはこっちの台詞よバカ)フン、事情は分かったんだから帰るわよ」スタスタ

シンジ「うん…………(あれ?)」

アスカ「ほらシンジ、行くわよ!」

シンジ「うん…すぐ行く」ガラガラ

アスカ「ちょっと!何やってんのよ!」

シンジ「やっぱり…」

アスカ「…何それ…ハンカチ?」

シンジ「スカーフ…綾波が料理する時かぶってた」

アスカ「ふーん。持ち出すときにでも落としたのかしらね。よかったじゃない、会う口実ができて」

シンジ「何だよ、口実って」

アスカ「いいじゃない。ほら、行くわよ」

とりあえずここまで

乙。あのほのぼのムードからここまでシリアスに移行するとは思わなかった。これからの展開に期待


これでLASだったら許さない

>>50
>>51

ありがとうございます。

正誤表

>>47

×アスカ「何だらしないこと言ってんよ!そんなの一人で行きなさいよ」
○アスカ「何だらしないこと言ってんのよ!そんなの一人で行きなさいよ」

×シンジ「ごめん、今日はちょと…」
○シンジ「ごめん、今日はちょっと…」

>>48

×アスカ「アンタ避けられてんじゃなの?」
○アスカ「アンタ避けられてんじゃないの?」

>>48から続きます

=====
翌日 実験場 管制室

マヤ「作業員の退避完了しました」

リツコ「じゃあ始めましょうか。シンジ君、いいわよ」

シンジ『了解です』

ミサト「リツコ、話って何?」

リツコ「ああミサト、悪いわね。ちょうど始まったところだから見てもらえる?」

ミサト「え、ええ。いいけど」

リツコ「マヤ、続けてちょうだい」

マヤ「はい先輩。…12…13…13.2…安定しました」

リツコ「シンジ君、どう?」

シンジ『まだ変な感じです。布か何かの上から触ってるような…』

リツコ「了解。シンジくん、お疲れ様。あがっていいわよ」

シンジ『はい』

リツコ「マヤ、計測値は?」

マヤ「速報値で出力35%、応答速度56%、追従性48%です。」

リツコ「そう…ミサト?結論から言うわ。初号機はしばらく武器運用は無理ね」

ミサト「無理って…ちょっと、それどういうこと?」

リツコ「厳密に言うと指先の動きを要求される道具。ライフルとかナイフとか」

ミサト「そんな…主要なものは全部だめじゃない。何でそんなことになったの?」

リツコ「第八の使徒を受け止めたときに掌から肘にかけて貫通されたのが原因ね」

ミサト「腕は肘からそっくり換えたじゃないの。それで直ったんじゃないの?」

リツコ「少なくとも表面上はね。でも実際は体幹部の神経系にもダメージが及んでいた。それを今までエヴァ側の補償機構がカバーしていたってわけ」

ミサト「いつわかったの?」

リツコ「さっきよ。テストの最中。パイロットが乗ってたからすぐ追加テストできたのは不幸中の幸いね」

ミサト「どれくらいで直るの?」

リツコ「いまのデータを解析すれば場所は特定できるから、パーツの交換と調整、再テストで10日ってところかしらね」

ミサト「そんなにかかるの!?何とかならない?」

リツコ「まあ何とか一週間で仕上げられないか、やってみるわ」

ミサト「それでも一週間か…その間に使徒が来たらどうすんのよ?武器を腕に直接くくりつけるとかできないの?」

リツコ「エヴァが全力で戦ってる時の腕の動きに追従できる強度のアタッチメントを一から造るくらいなら、今の不具合を直した方が早いわ」

ミサト「両肩のウェポンラックはずして中距離砲をつけたら?」

リツコ「重心が上がって不安定になるわよ。下半身を重くすれば足回りが遅くなるし。それにしても一週間以内じゃ無理ね、訓練も含めて」

ミサト「まいったわね。いよいよなら初号機は肉弾戦か後方支援か…3号機の方は?」

リツコ「アスカは極めて良好。2号機よりいいくらいだわ。マリも起動指数は十分クリアしてる。コアの修復後は二人とも順調にシンクロ率を伸ばしてるわ。それと2号機は…」

ミサト「ちょっと、2号機は凍結中よ?」

リツコ「テストまで凍結されてるわけではないわ、葛城一佐殿?2号機は、アスカは相変わらず良好。マリはアスカに迫る勢いね」

ミサト「2号機塗り替えろってのも口だけじゃなかったってわけね…でも、なんでマリはそんなに2号機と相性いいのかしら?ほとんどアスカ専用だったはずなのに。」

リツコ「さあ?加持君なら何か知ってるかもね。ユーロ支部ではマリの面倒見てたみたいだから」

ミサト「加持が?…なんか怪しいわねー。一度問い詰めてやらなきゃ。…そうすると、2号機の代わりに初号機を凍結して、零号機、2号機、3号機の3機態勢も考えとく必要があるわね」

リツコ「その零号機なんだけど…」

ミサト「やめてよ…零号機も何かあるの?」

リツコ「ミサト…あなたレイにまた変なこと言ったんじゃないでしょうね?」

ミサト「な、何よ藪から棒に」

リツコ「レイのシンクロ率が不安定なのよ。平均すると良くなってるんですけどね。新記録を叩き出したと思ったら起動指数ギリギリだったり」

ミサト「それは問題ね。特に後の方は。」

リツコ「ホントに何も言ってない?レイったらいきなり本部宿舎に移りたいなんて言ってくるし、最近学校にも行ってないみたいだし」

ミサト「あ、あたしは何も言ってないわよ。それにレイの保護者役はリツコじゃないの。引っ越しの件だって、またリツコが薦めたのかと思ってたわ」

リツコ「あら、私はそんな野暮なことしないわよ。」

ミサト「レイ、引越しのこと、シンちゃんに言ってなかったみたいなのよね」

リツコ「そうなの?何かあったのかしらね。この間まであんなに仲良さそうだったのに」

ミサト「何だかんだ言っても中学生だしねー。少なくともシンちゃんは原因がよくわからないみたい。引っ越したって聞いて落ち込んでたわ」

リツコ「そうするとレイのほう?まあ、レイもレイなりに複雑な事情はありますけどね」

ミサト「そうなの?浮世離れした子だから、わからないことはないけど」

リツコ「(あなたがわかる一万倍は複雑だと思いますけどね…)シンジくんのシンクロにも影響するようだと問題ね。いいわ、様子をみてレイにも話をきいてみる」

ミサト「お願い。こっちも少し気にかけて見てみるわ」

とりあえずここまで

>>62 ありがとうございます。

>>61から続きます

======
同日 パイロット更衣室前

プシュー

レイ「…」

シンジ「綾波?」

レイ「…」

シンジ「あの…こんなところでごめん、なかなか機会がなかったから」

レイ「…」

シンジ「これ…委員長から…」ゴソッ

レイ「…」

シンジ「綾波、しばらく休んでたから渡してくれって」

レイ「…」

シンジ「本部宿舎に引っ越したんだってね」

レイ「…」

シンジ「リツコさんが綺麗なところって言ってたし、前のマンション、いい加減古かったから、よかったね」

レイ「…」

シンジ「綾波が引っ越したの知らなくってさ。それ持って前のマンションに行ったんだ。そしたら丸ごと無くなっちゃっててさ。ハハハ…」

レイ「…」

シンジ「それから、あの、これ…」ゴソゴソ

レイ「碇くん」

シンジ「な、何?」

レイ「…今までありがとう」

シンジ「いや、そんな………え?…」

レイ「送ってもらったり食事会の準備手伝ってもらったり…楽しかった」

シンジ「…あの…何言って…」

レイ「でも、もういいの」

シンジ「もういいって…」

レイ「さよなら」クルッ

シンジ「!…待って!」

レイ「…何」

シンジ「あの…マンションの前に落ちてたんだ。いや、下敷きになってたっていうか…」ゴソゴソ

レイ「…何が」

シンジ「綾波、使ってただろ?水色のやつ…一応洗ってきたから、だから…」ゴソゴソ

レイ「…要らない」

シンジ「要らないって…」

レイ「ごめんなさい、洗濯までさせて…」

シンジ「…」

レイ「私には…必要ないから」

シンジ「そんな!…だってあんなに一生懸命…」

レイ「必要…ないの」

シンジ「…」

レイ「もう、私に構わないで」

シンジ「あ、ちょっと…」

レイ「さよなら」タッタッタッ…

シンジ「…綾波…」



アスカ「…」

とりあえずここまで

これはいいものだ

>>69 ありがとうございます。

同日 ネルフ本部宿舎 レイの部屋

ザーーーー……

レイ「…」

ピンポーン

レイ「…」キュッ スタスタ

レイ「誰?」

アスカ『アタシ』

レイ「…アスカ?」

アスカ『あがってもいい?』

レイ「…構わないわ」ピッ プシュー

アスカ「悪いわね…って、ちょっとアンタ!なんて格好してんのよ!!」ピッ プシュー

レイ「?」

アスカ「バスタオルくらい巻きなさいよ!!ホラ早く!!」

レイ「ごめんなさい…」ゴソゴソ

アスカ「まったく…まさかシンジが来た時もそんな格好で出たりしてないでしょうね!?」

レイ「…」

アスカ「…出たの?」

レイ「一度…」

アスカ「だっ!!…アンタねぇ~!バカシンジだって一応男よ?何かされないとは…」

レイ「…」

アスカ「…されたの?」

レイ「床に倒されて…」

アスカ「ちょっ…」パクパク

レイ「胸を…さわられた…」

アスカ「…」プルプルプル…ハッ

レイ「…」

アスカ「ま、まあアンタ達のことだから、どうせアンタがろくに戸締まりもしないでシンジがのこのこ上がり込んだところへアンタがその格好で出てきてシンジがアワくって逃げようとして蹴つまずいてアンタにのし掛かってシンジがたまたま手をついたところにアンタの胸があったとか、大方そんなトコなんでしょうけどねっ!」ハァハァ

レイ「…ええ」

アスカ「(図星なの…)」ガクッ

レイ「?」

アスカ「だいたい何で今頃シャワー浴びてんのよ?更衣室で浴びてきたんじゃないの?」

レイ「…」

アスカ「?…アンタ…もしかして泣いてた?目が真っ赤よ」

レイ「私はもともと…」

アスカ「バカ、白目の話に決まってるでしょ!!」

アスカ「(コイツは~!!何で真面目なところでこういうボケかますのよっ!)」プルプル

レイ「…」

アスカ「アンタ、バカシンジに何か」

レイ「碇くんは悪くないわ」

アスカ「されたんじゃないの…って、そ、そう…(そこは即答かい…)」

レイ「…」

アスカ「じゃ、じゃあ何でシンジを遠ざけようとしてんの?ついこないだ『ポカポカする』(声マネ)とか言ってたくせに」

レイ「…」

アスカ「…アタシがどんな気持ちで松代の実験引き受けたかわかる?」

レイ「…」

アスカ「レイ…アンタ何か隠してない?」

レイ「!」ハッ

アスカ「アタシが首突っ込むような話じゃないんだけどさ…聞いちゃったのよ、さっきの」

レイ「…」

アスカ「べべ別に立ち聞きしようとしたわけじゃないわよ!?シンジが遅いんで様子見に行ったら、声が聞こえたから…」

レイ「…」

アスカ「あの時アタシに言ったわよね?アタシにはエヴァに乗らない幸せがあるって」

レイ「…」

アスカ「あ、あんまり言いたくないんだけどさ…アタシはあれでいくらか吹っ切れたとこがあるのよ。そう言うアンタ自身は」

レイ「無いの」ポツン

アスカ「どうなのよ…って………え?…」

レイ「あなたにはある」

アスカ「…」

レイ「私には…無いの…」

アスカ「…どういうことよ?」

レイ「…」

アスカ「…ねえ…」

レイ「…」ポロッ

アスカ「!ちょっ…ちょっと!どうしたのよレイ!?」

レイ「…」ポロポロポロ

アスカ「あ…アタシ何かマズいこと言った?」

レイ「私は…私は、エヴァでしか人と繋がれない…」

アスカ「レイ…」

レイ「私は…エヴァに乗るだけ…それから…」ブワッ

アスカ「わかった!わかったから!いや、わかんないけど、もういいから!」

レイ「…」ポロポロポロ

アスカ「そのへんにしときなさいよ!もう無理に言わなくていいから」

レイ「…」グスッ

アスカ「と、とにかく!アンタが無駄にシンジを邪険にしてるんじゃないってことだけはわかったから」

レイ「アスカ…」

アスカ「今日は帰るわ」スクッ

レイ「…」

アスカ「一人で抱え込んで潰れるのだけはやめなさいよ!?いいわね!?」ピッ プシュー

レイ「…アスカ?」

アスカ「何よ?」

レイ「…ありがとう…」

アスカ「か…勘違いするんじゃないわよ///」カァァ

アスカ「アンタに潰れられたらアタシたちの負担が増えるから…それだけなんだからねっ!」ピッ プシュー




アスカ「(何なのよアイツ…よくわからないけど重症ね…)」

同日 葛城邸

アスカ「ただいまー…」

シンジ「…お帰り…」

アスカ「きゃあっ!ななな何よ!電気くらいつけなさいよ!」

シンジ「…あ…もうこんな時間…ごめん、ご飯の支度するから…」フラ…

アスカ「いいわよ!今日はアタシがつくるから」

シンジ「……え?」

アスカ「どうせ今日はアンタは使い物にならないだろうと思ったから、材料は買って来たわよ」

シンジ「…作れるの?」

アスカ「そ、そんなに驚かなくてもいいでしょうが!アタシだって味噌汁くらいは作れるわよ!練習したんだから」

シンジ「そ、そうなの?」

アスカ「アンタ喧嘩売るつもり!?(こいつは~!誰のために練習したと思ってんのよ!)」プルプル

シンジ「…ごめん、そんなつもりじゃ…」

アスカ「…まあいいわ。おかずはお惣菜ですからね」

シンジ「それで遅かったの…てっきり先に帰ってるのかと思ったよ」

アスカ「…」ガサガサ

 :

グツグツ トントントン…

アスカ「…レイんとこ寄ってきたの」

シンジ「…え?」

アスカ「シンジ…アイツ、病気なのかな…」

シンジ「病気!?綾波が?」

アスカ「よくわかんないけど…先が無いようなこと言ってたから」

シンジ「そんな…」

アスカ「アンタを避けてるのも、それと関係があるんじゃないかって気がする」

シンジ「…」

アスカ「アイツ、前にアタシに言ったんだ。アンタといるとポカポカするって」

シンジ「…ポカポカ?」

アスカ「要するにアンタのこと好きなのよ、アイツは!(何でアタシがこんなこと言わなきゃなんないのよ…)」

シンジ「!」

アスカ「でも…病気だか何だかもあって…アンタに迷惑かけたくなくて板挟みになってるんじゃないの?」

シンジ「…」

アスカ「アイツ…泣いてた…」

シンジ「なっ…」

アスカ「詳しいところは聞きそびれちゃったけど…別にアンタに愛想をつかしたわけじゃないみたいよ」

シンジ「そう…」

アスカ「…」

シンジ「でも…どうしたらいいか、わかんないよ…」

アスカ「アンタ…責任とりなさいよ」

シンジ「え?」

アスカ「当ったり前でしょ!?味噌汁すすめたりお弁当作ってやったり…最初にちょっかい出したのはアンタの方じゃないの」

シンジ「…」

アスカ「ちゃんと最後まで面倒見るのよ?」

シンジ「…アスカ?」

アスカ「何よ?」

シンジ「…ありがとう…」

アスカ「や、やめなさいよ!アンタが潰れてアタシ達に皺寄せが来るのはイヤだから言ってるだけなんだから!(こいつらは揃いも揃って~!)」

コトコト…

アスカ「あちっ!…うん、いいわね。ご飯にするわよ。運ぶの手伝いなさい」

シンジ「う、うん」カチャカチャ



アスカ「(はぁ~…何でこういう役回りなのかしらねアタシは…)」

翌日 ネルフ本部 ゲンドウ執務室

ゲンドウ「シンジか。どうした」

シンジ「ごめん、父さん。忙しいのに」

ゲンドウ「構わん…何か飲むか?」

シンジ「ううん、すぐ行くから」

ゲンドウ「そうか」

シンジ「…父さん?」

ゲンドウ「何だ」

シンジ「もし今日、綾波に会うようなら…これ、渡してくれないかな」ガサ

ゲンドウ「…これを?」

シンジ「綾波…何か悩んでるみたいでさ…また前みたいに、ちゃんと食事してないんじゃないかと思って」

ゲンドウ「…自分で渡さないのか」

シンジ「僕が行くと…かえって綾波の負担になるみたいだから…」

ゲンドウ「…そうか…」

シンジ「会う機会がなかったら処分してもらっていいからね」

ゲンドウ「…わかった」

シンジ「…」

ゲンドウ「どうした」

シンジ「ねえ父さん…」

ゲンドウ「ああ」

シンジ「綾波は…病気なの?」

ゲンドウ「…」

シンジ「もしそうならさ、何とかしてあげられないかな…」

ゲンドウ「!…」

シンジ「父さんは僕より綾波との方がずっと長いから…父さんなら何とかできるんじゃないかって…」

ゲンドウ「シンジ…」

シンジ「ごめん、変なこと言って…」

ゲンドウ「…いや」

シンジ「もう行かなきゃ…それ、頼むね」

ゲンドウ「…ああ。問題ない」ガサ…

シンジ「…」スタスタ…

プシュー

ゲンドウ「(病気…か……そうかも知れんな…)」

 :

ビーッ ガチャ

ゲンドウ「私だ」

マコト『申し訳ありません、司令。先ほど未確認飛行物体が新第三東京市上空に出現しました。現在調査中…あっ分析結果出ました!パターン青、使徒です!』

ゲンドウ「わかった、すぐ行く。総員、第一種戦闘配置」

マコト『了解』

とりあえずここまで

乙!次回も期待してます!

>>90 ありがとうございます。

投下漏れ投下しときます。

======
ネルフ本部廊下

館内放送「総員、第一種戦闘配置。エヴァンゲリオン全機発進準備。繰り返す…」

アスカ「バカシンジー!」タタタ…

シンジ「アスカ!」

アスカ「何ぼさっとしてんの!更衣室へ行くわよ!」

シンジ「あ、待って!」タタッ…

マリ「姫~!わんこく~ん」タタタ…

アスカ「コネメガネ!」

シンジ「マリさん!」

マリ「やっとみんなと一緒に実戦だにゃ!わっくわくするなぁ~!!」

アスカ「アンタバカァ!?何のんきなこと言ってんのよ!」

シンジ「あの…マリさん…ハァハァ…綾波は一緒じゃないの?」

マリ「レイくん?『不在』って出てたよ~?」

アスカ「何ですって?」

マリ「てっきりわんこくんとデートだと思ってたよ?」

シンジ「えっ?いや、あの…」

アスカ「アイツ…最近ふさぎ込んでたのよ」

マリ「へ~??何で~?…」ハッ…

アスカ「…何よ?」

マリ「(もしかしてアレ…聞こえてたのかな?まっず~…)」

マリ「ううん!ちょっと他のこと考えてたにゃ!」

アスカ「アンタねぇ~!同じとこに住んでるなら少しは気にかけなさいよ!」

マリ「ごめ~ん」ニマー「やっぱり姫は優しいコだね!」

アスカ「ばっ…バカメガネ!アタシたち一蓮托生なんだから気にして当たり前でしょうがっ!(何で最近こういうパターンなのよ~!)」

シンジ「(宿舎にもいないなんて…こんなときにどこ行っちゃったんだろ綾波…)」

アスカ「ハァハァ…ほらっ!さっさと着替えてケージへ行くわよ!」

シンジ「う、うん!」

マリ「合点承知ぃ!」

プシュー

今度こそとりあえずここまで。

おつ

おつんぼ

>>97 >>98
ありがとうございます

>>95から続きます

======
ネルフ本部 発令所

ミサト「火力を目標の前面に集中させて!…司令?」

カツカツカツ・・・ギシッ

ゲンドウ「構わん、続けろ。目標は?」

シゲル「現在、侵攻中です。旧小田原防衛線を突破されました。N2誘導弾第2波、発射準備中」

ズズズズン・・・

シゲル「地表、全装甲システム、融解!」

マコト「二十四層すべての特殊装甲が一撃で…」

冬月「最強の拒絶タイプか…予想以上の破壊力だな」

ミサト「総力戦よ!要塞都市すべての迎撃設備を特化運用!わずかでもいい、食い止めて」

シゲル「第2波、発射を確認」

======
地表 第壱中学校付近 道路上

グワッ

生徒たち「うわぁっ!」「きゃああああっ」

ドオオオォォォ

教師「…怪我をした者は無いかっ!」

トウジ「イインチョ!いけるか?」

ヒカリ「え、ええ…ありがと…」

ケンスケ「ペンペン、だいじょぶかっ!?」

ペンペン「クワアアア」

トウジ「頼むでぇ、センセ!」

======
ネルフ本部 発令所

シゲル「目標健在!…第2波攻撃、効果なし」

ミサト「エヴァの地上迎撃は間に合わないわ!全機ジオフロントに配備。ユーロにも協力を要請して。2号機も出撃準備」

マコト「了解!」

ミサト「初号機は?」

リツコ「修理作業を中断、現在胸部装甲板を復旧中。かろうじて出せるけど、武器運用はまだムリね」

ミサト「くっ…やむを得ないわね。初号機は後方支援に当たらせて。ほかの各機の移動に追随して武器弾薬を運搬補給させること。攻撃に間断を開けさせないように」

マコト「了解」

ミサト「各パイロットの状況は?」

シゲル「アスカ、シンジくんはケージに到着、マリは2号機の拘束ピットに向かっています。」

ミサト「レイは見つかった?」

シゲル「ダメです。依然、所在不明」

ミサト「こんなときに…」

ゲンドウ「…私が行こう」ギィッ

ミサト「司令!?」

ゲンドウ「心当たりがある。赤木博士」

リツコ「はい?」

ゲンドウ「零号機にはダミープラグを搭載して発進準備。無人でも出撃できるようにしておけ」

リツコ「了解…マヤ、後を頼むわ。私はケージへ行く」

マヤ「ハイ、先輩」

ゲンドウ「…15分たって私からの連絡がなければ無人で出撃させろ」

ミサト「了解」

ゲンドウ「冬月先生…」

冬月「うん?」

ゲンドウ「少し頼みます」カツカツカツ…

冬月「…ああ」

ゲンドウ「…」プシュー

冬月「(碇…お前も人の子の親だったか…)」

======
月面 タブハベース

ピッ プシュウウウゥッ

カヲル「時が来たね…」

======
ジオフロント 3号機プラグ内

シンジ『アスカ、ライフルの予備』

アスカ「ダンケ!そこへ置いといて」

マリ『姫~お待たせ~』

アスカ「遅い!何やってんのよ!」

マリ『そりゃないよ姫~。拘束状態から超速攻で起動してきたんだよ?』

シンジ『マリさん、これのマリさんの分』

マリ『サンキュー、わんこくん』

シンジ『じゃあ僕、次の取りに行ってくるから。二人とも思う存分やって』

アスカ「アンタ、機体が完璧じゃないんだから無理すんじゃないわよ」

シンジ『わかってるよ』

マリ『ん~姫の匂いがするエヴァもワルくないにゃ~』

アスカ「なっ///何バカなこと言ってんのよ!アタシの2号機に傷つけたら承知しないからね!」

マリ『…ねえ姫~?』

アスカ「何よ」

マリ『わんこくん、手首に何か巻いてたけど…あれ何?おまじない?』

アスカ「…レイのスカーフよ、多分ね」

マリ『ひゅ~!わんこくん、やるぅ~!』

アスカ「(こんなときにどこ行っちゃったのよバカレイ!)」

ガラガラガラ ズズズーン

ビーッビーッ

シゲル『目標、ジオフロント内に侵入!』

マリ『うっひゃー!第5次防衛線を早くも突破。速攻で片づけないと本部がパーじゃん』

アスカ「そういうこと。行くよコネメガネ!」

マリ『合点承知ぃ!!』

ネルフ本部 LCLプラント

(無数のレイが浮かぶ水槽の前で膝を抱えるレイ)

シュオー

レイ「…」

ゲンドウ「レイ」

レイ「…」

ゲンドウ「やはりここだったか」

レイ「…」

ゲンドウ「レイ…私を恨んでいるか」

レイ「…」

ゲンドウ「私は…夢中だった…ユイのことも…使徒のことも」

レイ「…」

ゲンドウ「夢中で…普通の娘にさせるようなことを、お前には一切させてやらなかった」

レイ「…」

ゲンドウ「レイ…私は、ユイにもう一度相見えたい気持ちに変わりはない」

レイ「…」

ゲンドウ「だが…お前が悲しむのを見るのは、やりきれん」

レイ「…」

ゲンドウ「特に最近は…お前がよく笑うようになってからは…な」

レイ「…」

ゲンドウ「お前を悲しませてもユイが喜んでくれるものだろうかと…よく考えるようになった」

レイ「…」

ゲンドウ「私は…どうするのが一番いいのか…今はよくわからない」

レイ「…」

ゲンドウ「だが、使徒を倒さなければ我々に未来はない。それは間違いない」

レイ「…」

ゲンドウ「すべての使徒を倒すまでに…どうすべきか決めなければならん」

レイ「…」

ゲンドウ「それまでの間でいい…力を貸してくれんか」

レイ「…」スクッ

ゲンドウ「レイ…」

レイ「…司令…」

ゲンドウ「…」

レイ「ありがとう…ございます」

ゲンドウ「…いや」

レイ「…」

ゲンドウ「いま上でシンジ達が戦っている」

レイ「!」ハッ

ゲンドウ「行ってくれるか」

レイ「…はい!」

ゲンドウ「…行こう」カツカツカツ…

レイ「はい」スタスタスタ…ピタ

ゲンドウ「…どうした?」

無数のレイ「フフフ…アハハ…」

レイ「(あなたたち…私に力を貸して)」

ゲンドウ「…」

レイ「いいえ…問題、ありません」スタスタスタ…

ゲンドウ「…そうか」カツカツカツ…

カツカツカツ…ピッ

ゲンドウ「私だ。赤木博士に連絡、零号機パイロットの搭乗準備」

ミサト『了解』

ゲンドウ「主モニターの映像と音声をエレベーターの情報パネルに出せるか?」

ミサト『お待ちを…青葉くん?…ええ、それでいいわ。…司令、オーケーです』

ゲンドウ「私もすぐ戻る。何かあれば随時知らせろ」

ミサト『了解』

プシュー ズイイイイイイイーーーー…

ゲンドウ「レイ、私は発令所へ行く。途中で降ろすから、お前はケージへ行け」

レイ「了解」

ゲンドウ「それから…出る前に少し胃に入れておけ」ガサ

レイ「?…」ガサガサ「おにぎり…」

ゲンドウ「シンジからだ」

レイ「!」

ゲンドウ「お前が食事をしているか気にかけていた」

レイ「…」ハムッ

ゲンドウ「…」

レイ「…」モグモグ

ゲンドウ「…」

レイ「…」ジワーッ

ゲンドウ「…」

レイ「…おいしい…」ポロポロポロ

ゲンドウ「お前が今の様になったのは…シンジのおかげだったな」

レイ「…」モグモグ ポロポロポロ

とりあえずここまで

シンジやるじゃん

今日初めてこのスレ読んだ
綾波かわいい
続き楽しみにしてる

このままLRSのSSになったらいいな

>>114 >>115 >>116
ありがとうございます。

>>>112から続きます。

======
ネルフ本部 発令所

ミサト「マリ、大丈夫!?」

マリ『ててて…今のはきつかったにゃ…』

マヤ「2号機中破、左腕と腹部を損傷!」

シゲル「目標、依然健在」

冬月「エヴァの獣化第2形態…ヒトを捨て闘争に特化させても勝てないとは…これが我々の限界なのか」

======
ジオフロント

アスカ「くっ…どうすりゃいいのよ!」

シンジ『アスカ!動ける?』

アスカ「何とかね…って、シンジ!?」

シンジ『よかった。ちょっと離れてて』

アスカ「…な…何よそれ…」

======
ネルフ本部 発令所

マコト「N2誘導弾!いつの間に…」

ミサト「シンジ君!何をする気!?」

シンジ『指が使えなくったって…これを直接コアにたたきこめば…』

ミサト「直接!?」

シンジ『おおおおおおっ』ズンズンズンズン

ミサト「シンジくん!やめなさい、シンジくん!」

シンジ『このぉ!』ガキィィィィン

使徒「…」ウズズズズ

シンジ『A.T.フィールド、全開!』

ゴオオオオォォォ バリバリバリ

アスカ『シンジ!』

=======
ジオフロント 初号機プラグ内

シンジ「綾波が…また…」

フオオオォォォ

シンジ「食事会をできるようにするんだ!」

ゴゴゴゴゴゴ

シンジ「父さんやみんなと…」

グォォォォォォ

シンジ「青空の下でやるんだ!だから!」

メキメキメキ

======
ネルフ本部 直通エレベーター内

レイ「…碇…くん…」

ゲンドウ「…」

======
ジオフロント 3号機プラグ内

アスカ「(マイク入ってるわよ、バカ…)」

=======
ジオフロント 初号機プラグ内

シンジ「くっ…」ゴオォォォ ミシミシミシ

ミサト『エヴァ単機ではあのA.T.フィールドを破れない…アスカ!マリ!動ける?』

アスカ『わかってるっちゅうの!』ギギギギ・・・

マリ『2号機!最後の仕事よっ!』ダッ

シンジ「アスカ!?マリさん!?」

アスカ『このっ!このっ!』バリン バリン 

マリ『あと…いちまい~~~っ!』バリーーン

シンジ「入った!」

グァシャッッ

シンジ「逃げて、二人とも!」バッ

アスカ『きゃっ!』

マリ『わっ!』

シンジ「ありがとう…」

グワッ…

=====
ネルフ本部 発令所

グヴオオオォォォ

マコト「…初号機は?」

マヤ「パイロットの生存確認…機体は…両腕損傷、装甲板融解…活動不能!」

シゲル「モニタ、回復します!」

使徒「…」ヌォォォォ

シゲル「!も…目標健在!」

ミサト「何あれ…何をする気」ハッ!

使徒「…」グオオッ 

ミサト「マヤ!プラグの射出を…」

バクッ!

ミサト「シンジ君!」

冬月「(ユイ君!!)」

=====
ネルフ本部 直通エレベーター内

ゲンドウ「シンジ!」

レイ「碇くん!」

=====
ジオフロント 2号機プラグ内

マリ「初号機と融合してる…わんこくんごと吸収してしまったんだ…」

アスカ『そんな!バカシンジはどうなるのよ!』

=====
ネルフ本部発令所

冬月「まさか…使徒がエヴァを捕食するとは…」

マヤ「変です…目標の識別信号が初号機に切り替わります!」

ミサト「やられた!これで奴がドグマに侵入しても自爆しない…リリスに苦も無くたどり着けるわ!」

=====
ネルフ本部 直通エレベーター内

ゲンドウ「…シンジ…」

レイ「…まだ…」

ゲンドウ「何?」

レイ「…使徒から初号機の反応があるなら…」

ゲンドウ「…」

レイ「私は…あきらめません」

ゲンドウ「…レイ…」

=====
ジオフロント

使徒「…」ヴュン!

グワッ! ズヴオォォォォ

=====
ネルフ本部 発令所

シゲル「本部地上施設、消滅、第3基部に直撃!」

マコト「最終装甲板、融解!!」

ミサト「まずい!メインシャフトが丸見えだわ!」

ズズズズズ・・・

ミサト「零号機は…レイはまだなの!?」

=====
ネルフ本部 ケージ

リツコ「パイロットが来るわ!急いで!」

レイ「赤木博士!」ハァハァハァ

リツコ「…レイ!」

レイ「私を…」ハァハァ「私を…この零号機に乗せてください!」

リツコ「あなた…大丈夫なの?」

レイ「赤木博士…私は…」

リツコ「…」

レイ「エヴァンゲリオン零号機パイロット、綾波レイです!!」

リツコ「レイ…」

レイ「…」ハァハァ

リツコ「…いいわ、レイ、始めましょう」

レイ「はい」

グイイイイイン

リツコ「あなた制服のまま来たのね」

レイ「はい」

リツコ「チェックリスト固定用のバンドがシートの太腿のところにあるはずよ。それでスカートの裾を留めておきなさい」

レイ「?」

リツコ「戦闘中にめくれ上がったら困るでしょ?」

レイ「了解」

リツコ「レイ…シンジ君が…」

レイ「わかってます」

リツコ「…」

レイ「使徒を倒して…救出します」

リツコ「レイ…」

レイ「(私が死んでも…代わりはいるもの!)」

プシュー

リツコ「…ミサト?零号機、発進準備完了よ!」

=====
ケージ 零号機プラグ内

レイ「葛城一佐、状況をおしえて」

ミサト『目標はメインシャフトに侵入、ターミナルドグマ第七層を降下中よ』

レイ「了解」

ミサト『もうすぐここに…発令所にくるわ!』

レイ「了解…そこで食い止めます」

ミサト『ここで!?どうするつもり!?』

レイ「隔壁をエヴァで破ります。近くにいる人を退避させてください」

ミサト『了解…青葉君?ここが戦場になるわ!非戦闘員、緊急退避!』

とりあえずここまで。

おつん

正誤表

>>105

×シンジ『マリさん、これのマリさんの分』
○シンジ『マリさん、これマリさんの分』

>>128 ありがとうございます。

>>126から続きます

========

ネルフ本部 発令所

館内放送『非戦闘員は緊急退避!繰り返す…』

ドドォオ バリーン ガチャーン

ミサト「来た!」

使徒「…」ヌヌヌヌヌ

ミサト「~~~~!!」

バッグワァァァァァン ガラガラガラ ドゴォォ

ミサト「エヴァ零号機!…レイ!」

ズドドドド

レイ「くっ!」

========
ネルフ本部 ケージ

使徒「…」ギュン!

ブチッ! ビシャッ

リツコ「きゃああああっ!」

マヤ「左腕損傷っ!!」

レイ「くううううぅぅっ!」

ドカッ ドカッ ガシッ

レイ「葛城一佐!」

ミサト「固定ロック、全部はずして!」

ガシャン バシュ!!

マヤ「射出を確認!ジオフロント到達まで10秒!」

ミサト「第2発令所の起動急いで!私たちは目視で指揮をとるわ。行くわよ!」

マヤ「はい!」

=======
ジオフロント

バシュッ!!

レイ「ううううううっ!」

ドドォォォン バラバラバラ…

レイ「くっ!くっ!…」ドカッ ドカッ

ブヒュウウウウゥン…

レイ「…エネルギーが切れた!?…きゃあっ!」

グォッ 

=======
ネルフ本部 エレベーター内

マヤ「零号機、活動限界です!予備も動きません!」

ミサト「まずいわ!」

=======
ジオフロント 本部地上施設通用口付近

ミサト「レイは!?…あああああっ!」

グアシャアアアアァン ブシューーーー

ミサト「プラグを強制射出!急いで!」

マヤ「ダメです!作動しません!」

ミサト「そんな!…レイ!手動で点火して逃げて!」

========
2号機プラグ内

レイ『…マリさん』

マリ「いててて…レイくんか…早く逃げないと、死んじゃうよ…」

レイ『教えて』

マリ「…あ?」

レイ『こんなときオリジナルなら…どうするの』

マリ「キミのオリジナルは…」

レイ『…』

マリ「…迷ったりしないよ」

レイ『…ありがとう』

アスカ『何やってんのレイ!早く脱出すんのよ!』

========
本部地上施設通用口付近

マヤ「!…も、目標、活動を再開!」

ズズズズズズ

ミサト「レイ!機体を捨てて逃げて!」

レイ『碇くんを…』

ミサト「…えっ?」

レイ『返してっ!』

零号機「…」ギンッ!

マヤ「…動いてる…活動限界のはずなのに…」

ミサト「暴走!?」

リツコ「わからない…いったい何が…零号機に起こっているのか…」

マヤ「左腕復元!…すごい…」

零号機「…」カッ!

ドゴオオオオィ

ミサト「使徒を圧倒してる…エヴァにこんな力が…」

リツコ「零号機がヒトの域を超えている?」

マヤ「プラグ深度、180をオーバー!もう危険です!」

リツコ「やめなさいレイ!あなたの体は…」

レイ『私がどうなってもいい…世界がどうなってもいい…でも碇くんは!』

零号機「…」ズシャッ

レイ『せめて碇くんだけは…絶対助ける!』

零号機「コオオオオオ」ヴュン!

ドゴォォォォ

リツコ「行きなさいレイ!」

ミサト「リツコ!?」

リツコ「誰かのためじゃない、あなた自身のために!」

零号機「…」シュオオオオ

リツコ「あなたの…初めてのわがままだもの…」

ミサト「リツコ…」

レイ『碇くん!どこ!?』

======

シンジ「(ここは…)」

シンジ「(僕は…どうなったんだろう…)」

シンジ「(使徒が来て…初号機は手が使えなくて…)」

シンジ「(爆弾を抱えて…それから…)」

シンジ「(僕は…死んだのかな…)」

・・・「…くん…いかりくん…」

シンジ「(誰?…あやなみ?…)」

レイ「碇くん…どこ?…碇くん!!」

シンジ「綾波…綾波!?」

レイ「碇くん!?どこっ!?」

シンジ「綾波っ!ここだっ!」

レイ「碇くん!!」

======
マヤ「そんな…形状制御のリミッターが消えています!解析不能!」

リツコ「ヒトの枠にとどめておいたエヴァが本来の姿をとりもどしていく…」

リツコ「ヒトのかけた呪縛を解いて…ヒトを超えた神に近い存在へと変わっていく」

リツコ「天と地と万物を紡ぎ、相補性の巨大なうねりの中で…自らをエネルギーの凝縮体に変身させているんだわ」

リツコ「純粋にヒトの願いをかなえる…ただそれだけのために…」


=====
レイ「碇くん!…手を…」

シンジ「綾波!」…ギュッ…

レイ「くっ…うううううう!」

ググググ

レイ「くっ!」

ザバアアァッ

=======
マヤ「使徒が!形象崩壊します!」

ミサト「あれは…コア?初号機のコアなの!?」

======
加持「まさか零号機をトリガーとするとは…碇司令…ゼーレが黙っちゃいませんよ…」

=====
マヤ「破片が…再集積します…あれは…」

ミサト「ヒト…レイ?…」

=====
ゲンドウ「(…いや…ユイ…お前なのか?…)」

冬月「やれやれ…一時はどうなることかと思ったが…何とか初号機の覚醒は成ったな」


=====
レイ「碇くん…おにぎり…おいしかった…」

シンジ「ごめん…僕は…君のことを何もわかってなかった…」

レイ「いいの…もう」ギュッ

レイ「これでいいの…」

=====
マリ「なるほど…都合のいいコね…」

アスカ「何これ…どうなってんのよ一体!?」

マリ「やっぱオリジナルとは違うからかなぁ…」

アスカ「なに訳の分かんないこと言ってんのよ!アンタ知ってるなら教えなさいよ!」

マリ「別にー…へっくしゅん!」

アスカ「きゃあ!汚い!手で押さえなさいよ!」

====
リツコ「この世界の理を超えた、新たな生命の誕生…代償として、古の生命は滅びる…」

ミサト「翼!…15年前と同じ…」

リツコ「そう…セカンドインパクトの続き…サードインパクトが始まる」

リツコ「世界が…終わるのよ…」

======
ヒュン! ガキィィィン

マヤ「零号機が!」

ミサト「いったい何が!?」

======
カヲル「やれやれ…間に合ったみたいだね…」


======
ゲンドウ「ゼーレのパイロットか…」

冬月「エヴァ6号機…完成していたのか…」


======
ミサト「サードインパクトを…止めたというの!?」

リツコ「わからない…」

ミサト「!…日向君!パイロットの救出急いで!」

マコト「えっ…あ、はい!」
 :

=====
数週間後 ネルフ附属病院

レイ「…」

レイ「(…まだ…生きてる…)」

レイ「(…体が重い…)」

ゲンドウ「気が付いたか」

レイ「…司令?」

ゲンドウ「よくやったな、レイ」

レイ「使徒は…」

ゲンドウ「心配するな。お前が倒した」

レイ「…」ハッ!「…碇くんは!?」

ゲンドウ「無事だ」

レイ「…よかった…」

ゲンドウ「何か体におかしなところはないか?」

レイ「?…問題ありません」

ゲンドウ「そうか…ならいい」

レイ「司令?」

ゲンドウ「あのとき、お前とシンジは零号機のコアに取り込まれてしまっていた。人の形をしたものは何も残っていなかった」

レイ「!」

ゲンドウ「赤木博士がサルベージを試みたが…うまくいかなかった」

レイ「…でも…それなら何故…」

ゲンドウ「失敗の原因は不明だ。だが気づいたらお前たちがコアのそばに倒れていた」

レイ「…」

ゲンドウ「ユイが…手助けしてくれたのかも知れん」

レイ「…」

ゲンドウ「レイ…すまなかったな」

レイ「司令…私は…」

ゲンドウ「まだ起きない方がいい…シンジが目を覚ましてしまう」

レイ「…!」

シンジ「…」スー…スー…

ゲンドウ「お前が目覚めるまでここにいると言って聞かなかった。おかげで肝心なときに起きていられなかったようだが…な」

レイ「…」

ゲンドウ「私は戻る」スクッ

レイ「司令…」

ゲンドウ「シンジは…もう少し寝かせてやってくれ」カツカツカツ・・・

レイ「…はい」

プシュー

レイ「(体が重いのは…これだったのね…)」

シンジ「…」スー…スー…

レイ「(ちょっと苦しい…でも…嫌じゃない)」

シンジ「…」スー…スー…

レイ「(碇くんの…髪…)」ソッ…

シンジ「…?」ス…

レイ「!」

シンジ「…あやなみ?…」ムクッ

レイ「…ごめんなさい…起こしてしまった」

シンジ「…よかった」ニコッ

レイ「ごめんなさい」

シンジ「いいよ…別に」

レイ「そうじゃない…私は…碇くんに話さなければならないことが…」

シンジ「…僕の母さんのことや…綾波がどうやって生まれたかってこと?」

レイ「!」

シンジ「…僕の目が覚めた後…父さんが話してくれた」

レイ「…」

シンジ「当面誰にも言うなと言われたけど」

レイ「…」

シンジ「アスカから…綾波が難しい病気なんじゃないかって聞いて…父さんに相談したんだ」

レイ「…」

シンジ「まさかこんなすごい話だとは思ってもみなかったけどね…ハハハ」

レイ「そう…」

シンジ「…綾波?」

レイ「あの時…きちんと言えばよかった…」

シンジ「…」

レイ「もう大丈夫だから…」

シンジ「…」

レイ「今まで本当に…ありがとう…」

シンジ「…」

レイ「私は…大丈夫…」ポロッ

シンジ「あ…綾波?」

レイ「ごめんなさい…こんなつもりではないのに」ポロポロポロ

シンジ「あの…綾波…これ…」カサッ

レイ「…何?」グスッ

シンジ「開けてみて」

レイ「…私が?」

シンジ「うん」

レイ「…」カサカサ「…スカーフ…」

シンジ「あの…新しいやつだよ」

レイ「…」

シンジ「前のはさ、あの時返し損ねちゃって…僕が勝手にエヴァに持ち込んだりしたから…」

レイ「…」

シンジ「また…手伝ってもいいかな?」

レイ「…どうして…」

シンジ「えっ?」

レイ「…どうして…だって…私は…」

シンジ「…」

レイ「私が…そばにいない方が…」

シンジ「そんなことないよ!」

レイ「…どうして…」

シンジ「そっ…それは…」

レイ「…」

シンジ「ぼっ僕は!…///」

レイ「?…顔が赤いわ?」

シンジ「…(言え!言うんだ!)」ゴクッ

レイ「碇くん?」

シンジ「僕は…綾波と一緒にいると…ポカポカするんだ!」

レイ「!」

シンジ「…だから!」

レイ「…」

シンジ「(言ったぞ!)」ハアァァ

レイ「///」カアアアァ

シンジ「…」

レイ「…アスカね?」

シンジ「…」コクッ

レイ「顔が…熱い…」

シンジ「僕たちには…未来なんて無いのかも知れない」

レイ「!」

シンジ「使徒に負けて死んでしまうかもしれない。綾波は…消えてしまうのかも知れない」

レイ「…」

シンジ「それでもいい…その時まででいいから…僕は…綾波と一緒にいたいんだ」

レイ「…」

シンジ「ダメかな?」

レイ「…///」フルフル

シンジ「よかった」

レイ「…私も…同じ…」ポロッ

シンジ「!…ああ綾波!?」

レイ「嬉しいときにも…涙は出るのね…」クスッ

シンジ「だ…大丈夫!?」

レイ「…ごめんなさい…こればっかり」ポロポロ

シンジ「綾波…」

レイ「でも…嫌じゃない」ポロポロ

シンジ「…そうだね」ニコッ

  :
  :

=====
廊下

マリ「姫~!レイくん目が覚めたんだって~?」バタバタバタ

アスカ「…」シイィィーーーー!

マリ「何やってんの姫?入らないの?」

アスカ「空気読みなさいよバカ!」

カヲル「やあ、式波さんに真希波さん」

アスカ「(またややこしいヤツが来たわね…)」

カヲル「お揃いで何の相談だい?」

アスカ「…本部食堂の新メニューの話よ。ホラ、アンタ達行くわよ!」

マリ「やりぃ!姫のおごり?」

アスカ「アンタバカァ!?んなワケないじゃないの!!」

カヲル「悪いね、僕まで」

アスカ「違うっつってんでしょーがっ!!」

  :
  :

=====
ある休日 新第三東京市内 とある公園

一同「カンパ~~~イ!!」

ミサト「くううううぅぅっ!!やっぱり青空の下での一杯は格別ねえぇ!」

マコト「やっと実現しましたね」

シゲル「まあ、あのあとは市街地にも被害が続いて酒盛りどころじゃありませんでしたからね」

加持「おいおい、酒盛りなんて言ったらレイに怒られるぞ?」

マヤ「はい、副司令」

冬月「おお、伊吹君、すまんな」

アスカ「ミサト!アタシにも!」

ミサト「ハイハイ…」

リツコ「ちょっと!未成年に勧めちゃだめじゃないの!」

ゲンドウ「葛城君…子供たちに飲ませたら降格処分だ」

ミサト「そっ…そんなあ…」

アスカ「え~~!司令~~カタいこと言わないでよ~」

ゲンドウ「いかんものはいかん」

加持「まあまあ司令…それよりどうです?これ」

ゲンドウ「何だそれは」

加持「タブハベースからの厳封直送品…だそうです」

カヲル「差し入れですよ。議長からのね」

リツコ「…毒見はしたんでしょうね…」

マリ「わんこく~ん、枝豆とポテトサラダは~?」

シンジ「あれ?車に置いてきたかな…僕、見てくるよ」

マリ「うむ!すまんね!」

レイ「私も手伝う」

  :
  :
シンジ「あ、やっぱりあった」ガチャ

レイ「ひとつ持つわ」

シンジ「ありがとう」

レイ「行きましょう」

シンジ「…」

レイ「どうしたの?」

シンジ「いや…夢みたいだなと思って」

レイ「…」

シンジ「使徒はもう来ない…綾波も消えなくていい…」

レイ「…」

シンジ「結局母さんは戻らなかったけど…こうやってみんなとまた食事会をできる日が来るなんて」

レイ「…」

シンジ「夢なら…覚めないで欲しいなって…思ったんだ」

レイ「碇くん…」

シンジ「お、おかしいかな…」

レイ「いいえ。そういうときは…」

シンジ「?」

レイ「こうするの」プニッ

シンジ「…いひゃいよ…(痛いよ)」

レイ「なら…夢ではないわ」クスッ

シンジ「…おひゃえひ(お返し)」プニッ

レイ「…ふひゅぐっひゃい(くすぐったい)…」

シンジ「…」プッ

レイ「…」クスッ

シンジ「ハハハ…」

レイ「フフ…」

アスカ「こらぁ!何やってんのよそこぉ!」

シンジ「あっ…ごめん!」

シンジ「…行こう!」

レイ「ええ!」

  :
  :

今度こそおしまい:||

覚え書き
・お題は某LRS総合スレの書き込みから借用しました。勝手に続きを書き放題書いてすみません。
・新劇(Qまで)準拠ですが不足部分は旧世紀版設定で補完してます。あしからず。

覚え書き追記
>>155は↓のようにしようかと悩んだ末、中学生だし「森村くん」「早川」でいいやと思い↑のようになりました。

===
>>155 没バージョン(参考)

レイ「どうしたの?」
シンジ「いや…夢みたいだなと思って」
レイ「…」
シンジ「使徒はもう来ない…レイも消えなくていい…」
レイ「…」
シンジ「結局母さんは戻らなかったけど…こうやってみんなとまた食事会ができる日が来るなんて」
レイ「…」
シンジ「夢なら…覚めないで欲しいなって…思ったんだ」
レイ「シンジ…」

このSSまとめへのコメント

1 :  新世紀メガネさん   2014年08月05日 (火) 02:53:12   ID: qzsEsYnb

乙〜!
ゲンドウ優しいしかっこいいですね!

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