男「また赤点だった」 (47)

「オイ、オマエナンテンダッタヨ」

「80テン」

「ナンダテメエカシコスギルダロ」

「オマエハドウナンダヨ」

「92テン」

「オレヨリタケージャンカヨ」

男「はぁ…」   

カーン

「オイ男ボールイッタゾ」

男「え?」ヒューーン

男「ぐわぁ」

「ハハハ」「オイオイ」「チャントミトケヨー」

先生「おい男、この頃練習に身が入ってないんじゃないか」

男「……」

先生「おまえは補欠なんだからしっかりアピールしないと」

先生「レギュラーにはなれんぞ」

男「……」

…………

ガチャ

男「ただいま」

母「お帰り」

母「あんた今日テスト帰ってきたんですって?」

男「えっ、あっ、うん」

母「あれだけテスト前余裕だったんだから」

母「さぞかし良い点だったんでしょうね」

男「あんまり良くないかなー」

母「ふーん、あ ん ま り なだけで良かったのね」

母「何点だったの」

男「38点…」

母「今日こそはお父さんにきっちり怒ってもらうからね」 
男「……」

母「シャワー浴びて、すぐ勉強始めなさい」

男「はい」

……シャワー後…

男「とりあえず明日やることを決めよう」

男「青チャート2bと、基礎問題精講を10ページずつだな」

男「これ毎日やれば俺天才になれんじゃね」

遅くてスマン

男「だから今日は存分に遊ぼう」

男「うはっ、このコピペなんだよ」

男「くっそ、笑いがとまらねぇ」

男「やっぱこいつら天才だわ」

「タダイマー」

「オカエリナサイ」

「ドウシタウカナイカオシテ」

「男ノテストガカエッテキタンダケド」

「マタワルカッタノカ」

「エエ、アナタタマニハオコッテアゲテ」

「ウーン、オコルノハニガテナンダガナ」

昨日の幼馴染スレに感化されたのか

……夕食…… 

父「おい男、今日テストが帰ってきたらしいな」

男「うん…」

父「おまえはその点に満足しているか」

男「……して」

父「何、聞こえないぞ」

男「してない」

>>13後でみてみる 

父「じゃあどうしてそんな点を取ってしまったんだ」

男「努力不足」

父「どこに対する努力が不足したんだ」

男「勉強」

父「勉強のどんなところにだ?」

ゼミじゃねぇ

男「時間をかけられなかった」

母「かけられなかったぁ?あんたよく」

父「君は黙ってなさい」

父「どうしてかけられなかったんだ?」

男「諸々の理由で」

父「諸々じゃ分からんだろう」

父「例えば何だ?」

男「うーん、クラブかなぁ」

父「じゃあクラブやめるか」

男「えっ」

男「ちょっとそりゃないよ」

父「何がないんだ、おまえがクラブが原因で勉強ができないって言ったんだぞ」

男「理由ならほかにもあるよ。そっちやめるからクラブだけは」

父「じゃあ他のものというと」

男「ゲーム」

父「そうか。じゃあ明日からゲームなし」

父「明日は父さんも休みだから一緒に売りにいこう」

男「(ふぅ、これでパソコンの取り上げはなさそうだ)」

男「(パソコンさえあれば)」

父「わかったか」

男「うん」

……翌日…

父「まさかゲームソフトだけで段ボール一箱分になるとは」

男「なかなかいっぱい買ったんだなぁ」

父「母さんの手前ああ言ったが俺が預かっておいてもいいんだぞ」

父「たまには息抜きも必要だ」

男「いや、いい」

男「売った方がすっきりすると思うし」

父「そうか」

父「俺もちょうどおまえぐらいの時だ」

父「好きなバンドに夢中になって成績がドンドン落ちていったんだ」

父「それで親からこっぴどくおこられてなあ」

父「父さんはそれほどだったんだが母さんがすごかった」

男「あの優しそうなばあちゃんが」

父「そうだ今でこそ丸くなったが、昔は本当に怖かった」

父「それである日小遣いを全部取り上げられたんだ」

父「その頃は俺も大人じゃないから電車と自転車しか移動方法がなかった」

父「おまえも知っての通りうちは田舎だ」

父「だから親は電車に乗るための金さえ取ってしまえば勉強に専念すると考えたんだろう」

父「しかし俺もそこであきらめるほど柔じゃない」

父「いろんなところから金を借りまくってライブにいき続けた」

父「だけどある時ふと思ったんだ」

男「このままで自分は良いのかって?」

父「違うよ、借りた金がいくらになったのかなって」

父「それで今まで借りた奴等に聞いて回ったら1万もあることがわかった」

父「その頃の学生にとっては大金だ」

父「そんでどうやって返したらいいか考えた」

男「バイトは?」

父「できなかった」

男「何で?」

父「親の了承がとれなかった。それどころかその日から丸三日家からもでられないようにされた」

父「親はそこまですれば勉強するようになると思ったんだろう」

父「お前だったらどうする?」

男「いや、絶対しない」

父「だろ、俺もしなかった」

父「ま、そっから一ヶ月はずーっとダラダラして過ごした」

父「俺はずっとこのままこんな風に人生を生きてくんだろうな、なんて考えたりもした」

父「だけどある時おれはものすごいショックを受けた」

父「あるテストで俺の小学校からの友人が学年一位をとったんだ」

父「そいつは昔からお世辞にも頭の良いとはいえない奴だった」

父「それで俺は聞いたんだ。どうやったらそんな点がとれんだって」

父「なんとそれは『こつこつする事』だった」

父「バカなことに俺はそれを信じなかった」

父「絶対に何か新しい勉強法を見つけて教えるのが惜しいのだと決めつけた」

父「それで俺はそいつと一緒に勉強をすることにした」

父「おれはそいつが勉強している間勉強するふりをしてずっとそいつのことを観察した」

父「気づいたことと言えば一心不乱にその教材に向かっていることだけだった」

父「そこで俺はようやく気づいた」

父「真面目に続けることが一番の方法なんだろうって」

男「そこから頑張り始めたの?」

父「まあ、そういうことだな」

男「そっか」

男「俺も、まあ、頑張ってみるよ」

父「はははお前にできるかな?」

男「そこは励ますのが親だろ!」

父「あっそっか」

男「はははは」

父「あははは」

……数日後… 

先生「おい男、このごろ動きが良いな」

男「ありがとうございます」

先生「その調子で頑張れよ」

男「はい」

「ナンカアイツコノゴロタノシソウダナ」「ナンカイイコトアッタノカナ」「キイテミヨウカ」

A「おい男なんかいいことあったのかよ」

男「えっ何で?」

B「楽しそうな顔してるからだよ」

男「良いことはないなあ」

男「でもなんか毎日が充実してるかな」

A「その顔でそんなこと言うなよ」

B「なんかむかつくなあ」

男「分かった分かった真顔にするよう努力する」

A「授業中笑顔で勉強してるのはマジでキモイから気をつけろよ」

男「おう」

…さらに数日後…

母「せっかく何日か真面目に勉強してたのに」

父「まあまあ」

母「でも頑張らないといけないじゃない」

父「そうやって一回一回気づいて段々頑張れる日が増えていけば良いんじゃないか」

母「まあ、最後は本人ですからね」

父「我々は見守るしかないんだろうなあ」

オチなし
ヤマなし
イミなし

いきなり終わってすんません
初めてだったのでなかなか感覚がつかめませんでしたがどうでしたか?

>>44
努力します

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