フレンダ(プリニー)「学園都市……私は還って来たって訳よ!」 (114)

これは新訳とある魔術の禁書目録と魔界戦記ディスガイア4のクロス。

独自解釈や設定改変が多々あると思います。

主人公は、フレンダ――のハズ。たぶん。きっと。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1372395743

金色の皮かな。
フーカみたいな帽子は許さん。

プリニー

生前に罪を犯し、魔界に落ちた人間の魂を、腐った牛の皮で作られた着ぐるみへと封じられた存在。

地獄においてプリニー教育係が、徹底的に再教育を施したプリニーは、天界、あるいは魔界へと出荷される。

天界の場合は強制ボランティア。

地獄の場合は一日二十時間労働、それに対する賃金がイワシ1匹は当たり前。
主が望めば、どんな無理困難な命令も従わなければならない。

罪の重さと同じ金を貯めて、転生をするその時まで――。

>>2
学園都市だとプリニー姿は目立つので、フーカと同じにした。
だから、タイトルのフレンダの台詞に「ッス」がない


フレンダ=セイヴェルン

元「アイテム」の構成メンバーであった彼女も、例外ではなかった。

学園都市の暗部としての活動は、どう考えてもプリニーへ一直線の行動であり、罪に対する対価は約4億8500万ヘルにも及ぶ。

ただ運が良かったのか悪かったのか。

フレンダが地獄に落ちた時は、ちょうど政腐がプリニーの廃棄処分を決定した時で、本来であればぬいぐるみのようなペンギンに、
魂を封じられるのだが、皮不足もありプリニー帽子だけとなった。

それ故に似た境遇の風祭フーカとは気が合った事で友達となり、良好な関係が続いていた。

ある日、フレンダはふと妹であるフレメア=セイヴェルンの事が気になった。

レベル0ながら愛くるしいフレメアは、自分が死んだ後も学園都市で平和に過ごしているだろうかと……。

とはいえプリニーの教育を受けることになっているフレメアが、地獄から脱出することは不可能である。

だが、時同じくして地上にて第三次世界大戦が勃発。

直前に地獄に落ちてきたプリニーになるハズの神の右席・ 左方のテッラが、
プリニー教育係であるヴァルバトーゼに勝負を挑むと言った騒ぎが起きた。

たまたま地獄に帰ってきていたフーカは、フレンダに地獄を出るなら今がチャンスだとフレンダへ教えた。

少し考えたがフレメアの事が気になっていたフレンダは、それに乗った。

地上に戻るに辺りフーカから友情の証にと、幾つかのアイテムをフレンダに渡した。

そして時空の渡人に賄賂を渡し、フレンダは学園都市へと戻ってきたのである。

学園都市第七学区にあるとある公園。
背後に噴水があるベンチに座り、フレンダは思い悩んでいた。

フレンダ(――学園都市に帰ってきたのはいいとして、これからどうしたら良いのか分からないって訳よ)

フレンダ(私って死んだ事になってるだろうし。――アイテムの場所には)

生きていた時、最後に見た麦野沈利の表情。
それを思い出し思わずフレンダは、身体を震わせた。

フレンダ(アイテムには帰れないって訳よ。――麦野はともかく、滝壺と絹旗には会いたいけどね)

フレンダ(後はフレメアの所に行くって選択肢もある。でも……)

フレンダ(ヴァルバトーゼの事だから、追ってくる可能性がある以上は、妹に迷惑は掛けれない)

フレンダ「……せっかく地上に来たのに、どうすればいいか分からないって訳よ」

フレンダ「ほんと、どうしよう」

CプリニガーX・轟『…………』

フレンダは赤い外套をまとった黒鉄のプリニーを、ギュッと強く抱きしめた。

このC(カオス)プリニガーX・轟は、友達である風祭フーカの父親、風祭源十郎が地獄に現れたプリニガーX・轟のデータを元に、
改造および改良を施して、新たに造り出した物である。

その実力はオリジナルと較べても、遜色がないほど。

地獄を去る際にフーカからフレンダへと渡された物の一つである。

公園のベンチに座っていても、何も進展はしない。
フレンダはベンチから立ち上がり、公園を出ようとする。
すると公園の出入り口に車道を挟んだ向こう側の歩道に、ピンク色のジャージを着た顔見知りの少女――滝壺理后が歩いていた。
滝壺の横には、一人の男は確か浜面仕上だったとフレンダは記憶している。
無表情に近い滝壺だが、それなりに付き合いがあったフレンダから見れば嬉しそうにしているのが伺えた。

フレンダ(滝壺。そっか。出来たんだ、『アイテム』以外に、滝壺は、自分の居る居場所が……)

フレンダ(それに比べて私は――)

今、フレンダには自分のいるべき居場所は無かった。
地獄からは逃げ出し、「アイテム」には帰れず、妹のフレメアの所にもいけない。

フレンダ「……っ」

滝壺たちが向かっている方向とは、逆へと足を向けて走る。
どこにもいる場所がない自分が、とても惨めに思えた。

必死に走り、感情を紛らせようとした。
どこをどう走ったかも分からない。ただただ必死に走った。
大きく息を切らせながら、スカートが汚れる事を気にせずに、地面へと座り込んだ。

フレンダ(フレメア……、元気かな)

ここまで走りながら思ったのは、妹であるフレメアのことだ。

フレンダ「――お姉ちゃんとして何もしてあげれなかったけど。死んでいる以上、会っても何もしてあげられないかもしれないけど」

フレンダ「それでも、会いたいな」

ポツリと呟いた。



今回はここまでになります

フレンダプリニー投げて真っ二つ爆死

ヒーローがアップを始めました

そげぶされて魂滅する模様

閣下は魚強で吸血殺しに勝てるのだろうか

フレンダ(プリチー)に見えた
何も間違ってないな

期待せざるを得ない

>>13
インデックスさんが「吸血鬼殺し」を封印する前なら、たぶんこうなってたと思う。


姫神秋沙の目の前には、黒い短髪に赤い瞳、胸元には螺子のような物が刺さっている青年――ヴァルバトーゼがいる。
一歩一歩近寄るヴァルバトーゼ。それに対し、どこか達観した姫神秋沙。
彼女の能力は「吸血殺し」
この誘惑の効果範囲内に入ってしまった吸血鬼は、たとえ吸血殺しの恐ろしさを知っていたとしても、 誘惑に耐え切れなくなって、自ら吸血殺しの血を吸い、灰に返ることになる。
対吸血鬼にとってはこれ以上にない能力であった。
この効果は、吸血鬼族の王であるヴァルバトーゼにも効果があり、姫神秋沙の前まで行くと、犬歯を覗かせる。

秋沙「……。」

ヴァルバトーゼ「――ゥ」

次の瞬間。姫神秋沙は、鮮血を浴びた。それは自身の血ではなく、ヴァルバトーゼの血だった。
ヴァルバトーゼは自分の剣を、胸元へと刺したのだ。
激痛で己を律するために。

秋沙「……。うそ。そうな。私の能力に逆らった?」

ヴァルバトーゼ「俺は――約束を、したのだ。アルティナと。そして、誓ったの、だ! 二度と約束は破らぬと!!」

ヴァルバトーゼ「約束を違え、死ぬぐらいであれば――。俺は、己を、[ピーーー]!」



的なことになるんじゃないかな?
速攻で思いついた事を書いただけなので、勿論、本編とは関係ありません。
これだと姫神秋沙がヒロインとなるのかもしれない。

■■さんが脚光を浴びるとか超絶レアだな

吸血をするぐらいならイワシを食べろっ!イワシの血をすえばいいではないかっ!人間の借りにくさに比べて圧倒的なコストパフォーマンスのよさ!加えて美味!さぁ吸血鬼どもよ、イワシを食べろ!

魔界の最下層にある地獄。
罪を犯した人間の魂をプリニーに加工するプリニー工場や教育施設に、
特殊な技法により罪を犯した悪魔がレベル制限され収容している刑務所がある。

現在、獄長であったアクターレが魔界大統領になっているため、フェンリッヒの計略もあり、ヴァルバトーゼが地獄のトップへと君臨している。

しかし地獄のトップになろうと、ヴァルバトーゼはブレることなく、プリニー教育係の努めを全うしていた。

ヴァルバトーゼ「さて、今日はどのようにプリニーを教育してやるか」

クッククと笑いながらヴァルバトーゼは廊下を歩く。
そこにヴァルバトーゼの執事であるフェンリッヒが現れる。

フェンリッヒ「閣下。少しご報告が」

ヴァルバトーゼ「どうした?」

フェンリッヒ「はっ。実は閣下が教育するハズのプリニーが一匹。人間界へと逃走したとのこと」

ヴァルバトーゼ「なんだと――!」

ヴァルバトーゼは、外套を翻し、大声を上げた

フェンリッヒ「どうやら閣下に愚かしくも楯突いたテッラとの勝負の隙に、逃げ出したようです」

ヴァルバトーゼ「あの時か……。だが、よく俺の管理する地獄から脱出できたものだ」

フェンリッヒ「――それには、どうやら小娘が関与しているようです」

ヴァルバトーゼ「小娘が?」

フェンリッヒ「はい。どうやら逃げ出したプリニーは、かつて小娘が率いていた部隊に所属していたらしく、その縁もあり小娘とは親友だったと」

ヴァルバトーゼ「――小娘の友を思い、行動する事に関しては、俺は口を挟むつもりはない」


かつてプリニーであった風祭フーカは、ヴァルバトーゼの必殺更生プラン「絶対プリニー改造計画」を受けた。
その厳しいプランを一つ一つ乗り越えたフーカは、最後にプリニー教育係であるヴァルバトーゼと戦い、見事に勝利をした。
その結果、風祭フーカは、プリニーではなく「風祭フーカ」として生きる事が許されたのである。

ヴァルバトーゼ「だがッ!! それがプリニーならば、話は別だ!」バサッ

ヴァルバトーゼ「地獄に送られてきた人間の魂は、プリニーとして罪を償い、転生し、イチから人生をやり直す」

ヴァルバトーゼ「これは絶対の掟だ! 例え小娘の親友だとしても、プリニーである以上は、この掟に従ってもらう」

ヴァルバトーゼ「罪を償いをせず、自由気ままに生きるプリニーなど、俺は認めんッ!!」

ヴァルバトーゼ「フェンリッヒ。逃走したプリニーが、何処に行ったか掴めてはいるか」

フェンリッヒ「はっ。超能力の開発などを行なっている、人間共の科学の最先端がある学園都市へ向かったようです」

ヴァルバトーゼ「そうか――」

ヴァルバトーゼ「では、往くぞ! 学園都市へ――ッ!」

ヴァルバトーゼ「そして脱走したプリニーを捕縛し再教育を施す!」

ヴァルバトーゼ「そう! 小娘が受けたプランを反省し、更に強化をした「圧倒的絶対プリニー改造計画Z」を!!」

フェンリッヒ「御意に。すべては我が主のために……」

魔界の地獄にてそんな会話が繰り広げられている同時刻。
捕縛対象となったプリニーことフレンダは、トボトボと気力のない感じで歩いていた。
妹であるフレメアが住んでいる寮へと行ったが、ここ何日か帰って来ていないらしく、また携帯も繋がらない。

フレンダ(フレメア……。まさか「闇」と関わってないよね)

自分の場合は、自ら進んで暗部へと入り好き勝手してきた。
だが、フレメアは闇と関わること無く、表で普通の生活を送っている――ハズだ。
だから自分が死んで居なくなった事で、「闇」に堕ちたとは考えたくもなかった。
しかし現状では、フレメアが今どこで何をしているのか。それに関する情報は何一つ無いのである。

フレンダ(やめやめ! こんな昏い考えは私らしくない訳よ!)

フレンダはネガティブに陥る思考を、首を横に振り、振り払おうとする。
とはいえ、一度考えついた、フレメアがもしかしたら学園都市の「闇」に関わっているかもしれない、という考えは簡単には拭う事は出来ない。

フレンダ(でも、やっぱりフレメアの事は凄く気になる訳よ)

フレンダ(フレメアは私に似て可愛いから、もしかしたら何かトラブルに巻き込まれてるかもしれない)

フレンダ(もしトラブルに巻き込まれていても、この子がいれば大抵はなんとかなる訳よ)

CプリニガーX・轟『…………』

フレンダ(よしっ! フレメアを探そう。私は死んでるから会わないほうがいいんだろうけど――)

フレンダ(トラブルに巻き込まれていたら、見つからないように手助けするぐらいは構わないよね。うん!)

これは期待

縦横の長さがおよそ20kmに及ぶ巨大な十字架型の建造物。

イギリス清教から『ラジオゾンデ要塞』と呼ばれるモノである。

空気の薄さから揚力を得る事の出来ない飛行機や、 接舷手段を持たないロケット等の科学的な手法では到達できず、
魔術的手法では『撃墜術式』の存在があるため干渉が難しい、非常に厄介な存在。

ヴァルバトーゼ「……フェンリッヒよ。アレが地上に落ちれば、どうなる」

フェンリッヒ「高度5万2000メートルにあるアレだけのものが地上に落ちれば、地上は氷河期突入ですね」

ヴァルバトーゼ「クッ――。ならば、魚強は、魚強はどうなる! チバで水揚げされている魚強はッ」

※(魚強でイワシと読みます)

フェンリッヒ「チバで水揚げされているイワシに限らず、イワシは間違いなく死滅するでしょう」

ヴァルバトーゼ「なん……だと」

時空の渡人・メーヴェルによれば、何かしらの影響により、学園都市に送るハズが、数千キロ離れた今の位置へと送ってしまったとのこと。
頭上を通り過ぎる巨大建造物を、ヴァルバトーゼを睨む。

ヴァルバトーゼ「クッ、クククク。いいだろう。この地球から、魚強を無くそうとする愚行。断じて許さんッ!!」

フェンリッヒ「しかし、今の閣下の魔翌力では、あの建造物を完全に破壊するのは――」

フェンリッヒ「ここは人間を血を吸っていただき、全盛期の力に戻っていただければ、あの程度のモノは瞬時に破壊できるでしょう」

吸血鬼族の王にして、「鮮血の絶対悪」「破壊と暴虐の帝王」「血染めの恐怖王」などの異名を持ち。

恒星を破壊するほどの無限の魔翌力。

銀の弾丸を4発受けた状態で魔王クラスの悪魔を複数相手にしても勝ってしまい、
魔王クラスの力に耐えられる建物の天井を結界ごと拳でぶち抜く圧倒的な力。

相対した者を無条件で平伏させる圧倒的なカリスマ性。

それが、暴君ヴァルバトーゼである。

――ただ、今は吸血行為をしなくなり、イワシが中毒レベルで好きな、プリニー教育係を天職だと思い込む吸血鬼の青年なのだが。
恐怖の大王等の一件で、真の姿である「フルークフーデ」まで戻れるぐらいの力は戻っているが、全盛期には遠く及ばない。

ヴァルバトーゼ「――アルティナを恐怖に染めるまでは、血は吸わぬと言ったはずだ」

フェンリッヒ「しかしあの天使は、閣下に血を吸わせようとしたではありませんか。――あの雰囲気は、私としては少々不本意でしたが」

ヴァルバトーゼ「恐怖の大王により与えられた恐怖で血を吸うなど、俺のプライドが許さん!」

ヴァルバトーゼ「俺が恐怖を与え、畏れさせた時点で血を吸う――。それが、アルティナとあの時に交わした約束だッ!」

フェンリッヒ「……プリニー教育係にまで堕ちて、今更プライドもないと思いますが、その頑固さと一途さは、さすがは我が主でございます」

恐怖の大王の時でさえ、血を吸わなかったヴァルバトーゼだが、イワシの一大事ならば血を吸うかもしれないと、
フェンリッヒは淡い期待を抱いていたが、期待はずれに終わった。

とはいえ、フェンリッヒも「ラジオゾンデ要塞」を放置する気は更々ない。
人間が滅べば、必然的に畏れエネルギーは無くなり、魔界の消滅に繋がるからだ。

フェンリッヒ「それでは、ヴァル様は脱走したプリニーを捕らえるため学園都市へ向かって下さい」

フェンリッヒ「この巨大なガラクタは、新党・地獄の党員が、破壊しましょう」

ヴァルバトーゼ「そうか。――では、こっちは頼んだぞフェンリッヒ!!」

フェンリッヒ「はい。全てはすべては我が主のために……」


本日はここまで。
次はフレンダのメインのターン。……の予定


メ欄にsaga入れた方がいいと思う
魔力とか殺すが普通に打てるようになるよ

とある公園。
そこにあるベンチにフレンダは座り、近くのとあるスーパーで買ったイワシの缶詰を開けて腹ごしらえをしていた。
死ぬ前は鯖の缶詰が好物であったが、地獄に堕ち、イワシ好きのプリニー教育係が居たことで、好物が鯖から鰯へと変わったのである。

フレンダ(やっぱり天然物より、人口物の方が美味しい訳よ)

そう思いながら、一缶を平らげて、二缶目の蓋を開けて食べようとすると、一人の少女がフレンダへと近寄って来た。
背格好からして中学生ぐらいか。
ロングのスカートに、髪には何故か大量の花飾りをしたモノを被っている。
フレンダ自身も頭にはペンギンを模したプリニー帽子を被っているため、花飾りについては触れないことにした。
しかし、フレンダはそれよりも気になることがあった。
少女からは神々しいまでの光の波動発しているからだ。
プリニーとなったフレンダは、謂わば魔に近い状態であり、目の前にやってきた少女は天敵に近い存在である。

??「あのー、こんな場所で鰯の缶詰なんか食べてて良いんですか?」

フレンダ「……どういう意味よ」

??「別に深い意味はないですけど……。妹さんが殺されるかもしれない時に、呑気に食べる鰯の缶詰は美味しいですか?」

フレンダ「フレメアが殺されるかもしれない!? どう言う意味な訳よッ」

座っていたベンチから勢い良く立ち上がると鰯の缶詰は地面へと落ちる。
またフレンダが怒鳴ったことで、ベンチの横に置かれていたCプリニガーX・轟は、少女へ向けて威圧感の籠った真紅の目を向けた。

??「説明してもいいんですけど、まずはその物騒な兵器を下げてくれませんか?」

??「この肉体はちょっと借りてるだけなんですよ。耐性は普通の人間並ですから、それの一撃でも受けたら、冗談抜きで消し飛びます」

フレンダ「プリニガーX。ちょっとだけ大人しくおいてほしい訳よ」

CプリニガーX・轟『…………』

主であるフレンダから命令を受けたCプリニガーX・轟は、少女へ威圧的な視線を送るのを止める。

フレンダ「話をする前に、まずは何者か教えて欲しい訳よ」

??「私ですか? 風紀委員(ジャッジメント)をしている、初春飾利です。以後、宜しくお願いします」

フレンダ「それは乗っ取ってる身体の名前でしょう。私が知りたいのは、乗っ取ってる方の名前な訳よ」

初春?「言っても良いですけど……。信じてもらえるかどうか」

フレンダ「それはコッチが判断するわ」

初春?「私は神の一部。ヴァルバトーゼ達が強制終了した「恐怖の大王」システムから、偶発的に生まれた存在なのです」

数ヶ月前。地上で第三次世界大戦が起こるよりも少し前。
魔界では断罪者ネモの計略により、魔界に畏れエネルギーが入らず、崩壊の危機を迎えていた。
そこからヴァルバトーゼ率いる「新党・地獄」の躍進は始まった。
政腐への反逆。
地上で真のラスボス、デスゼットとの戦い。
宇宙人による月破壊計画からの、月を地上へ落とす計画。
そして、神が造った「恐怖の大王システム」の発動である。

「恐怖の大王システム」は、対象となる星の悪意の総量が基準値を超えると自動的に発動することになっている。
地球の発動の以前にも7回。別の星々で発動が確認されており、その全ての星々の住民は滅びているという。
「恐怖の大王」は最も悪意の多い者に取り憑き、世界中の悪意を糧に成長していく。
ヴァルバトーゼ達は、断罪者ネモの悪意を生む原因であったアルティナと共に、中枢へと向かい、ネモと対話。
だが、神の意志がネモを核から切り離すことに抵抗。それをヴァルバトーゼ達は打ち倒すことで、「恐怖の大王」を止めることに成功した。

ただ強制終了させた誤作動により、永遠の次回作の主人公・朝霧アサギが生み出す悪意に、恐怖の大王は反応してしまい、
別魔界の連中が、勝手に魔界大統領になり、魔界を支配しようとした異変が起きたりもした。

ここまでの事は、親友であるフーカとその妹であるデスコから聞いており、魔界の異常事態はフレンダも体験をした。
正直、アクターレのダークライブに感動をして泣いたり、「ラブ&ピース」と叫んだ事は、フレンダの中では黒歴史である。
そんな事があった以上、目の前にいるのが神の一部と名乗った所で、驚くことはない。

フレンダ「で、その神の一部が私に何の用がある訳よ」

初春(神の一部)「実は第三次世界大戦が起こって思ったんですよ。幾らヴァルバトーゼが救っても、これはダメだなって」

初春(神の一部)「とはいえ、「恐怖の大王」を取り憑けるほどの悪意を持つ人物も、直ぐにはいません」

初春(神の一部)「居たにはいましたけど、第三次世界大戦中に死んだり、悪意が薄まったりしましたから使い物になりませんよ。まったく」

フレンダ「……」

初春(神の一部)「そこで、「恐怖の大王」を取り憑けるほどの悪意を、保持してそうな人物を見つけて再び「恐怖の大王」を発動させようと思ったわけなんです」

初春(神の一部)「ま、ここまで言えば分かりますよね。次期・恐怖の大王の候補は貴女です。フレンダ=セイヴェルン」

パチパチと手を叩きながら、初春(神の一部)は宝クジの当選を発表するかのようなノリで言った。
だが、フレンダは別に世界を憎んでいる訳ではなく、麦野の事に関しても、「恐怖の大王」を発動できるほどの悪意は抱いていない。

初春(神の一部)「そうですよ。今のフレンダさんでは、恐怖の大王の候補としては悪意が全く足りません」

フレンダ「――まさか、フレメアに手を出す訳じゃないわよねッ!!」

初春(神の一部)「う~ん、何か勘違いをしてるようですね。私は、何もしません。するのは、人間たち自身です」

初春(神の一部)「今、学園都市に存在する暗部――「新入生」が、貴女の妹であるフレメア==セイヴェルンを狙ってます」

初春(神の一部)「その理由は、傑作なことに貴女が原因なんですよ。フレンダさん!」

フレンダ「え――。な、なんで、私の所為な、訳よ」

初春(神の一部)「現時点でフレメア=セイヴェルンの価値は0です。将来は分かりませんが」

初春(神の一部)「ただ、フレメアちゃんの人脈が重要なんですよ」

フレンダ「フレメアの……人脈?」

初春(神の一部)「ま、貴女は死んで地獄に居たので知らないのは、仕方ないです」

初春(神の一部)「フレメアちゃんは、スキルアウトの元リーダーで駒場利徳関連で、彼を殺した一方通行と接点を持ち」

初春(神の一部)「そして姉である貴女――フレンダさん関連で、浜面仕上と「アイテム」の麦野さん辺りと接点を持っているんですよ!!」

初春(神の一部)「つまりはですね。一方通行と浜面仕上を結ぶラインとして、フレメアちゃんは犠牲になるんです」

初春(神の一部)「あーあ、可哀想なフレメアちゃんです。姉が暗部なんてのに関わったために、殺されることになるなんて」

初春(神の一部)「――でも、仕方ないですよね。昔、フレンダさんも言ったじゃないです」

初春(神の一部)「『コイツは私に殺されるために生まれてきたんだ』って」

初春(神の一部)「だから、フレメアちゃんも、一方通行と浜面仕上を結ぶラインとして殺されるために生まれて……グァッフ」


フレンダは初春(神の一部)の胸元の制服を掴み上げると、苦しそうに呻き声をあげる。

初春(神の一部)「ク、くる……し、い。うぅ、この、からだは、なま、み――」

フレンダ「……」

舌打ちをしてフレンダは、胸元を掴みあげている制服を離した。
初春(神の一部)は、ケホケホと咳をしながら、膝を地面に付ける。

初春(神の一部)「ゲッホ、ッホ、酷い目に合いました。ゲホッ、行き成り、締め上げ、られるなんて」

フレンダ「自業自得な訳よ。もしそれが本体なら、今すぐにプリニガーXで殲滅するつもりだったのに――」

初春(神の一部)「――でも、私なんかを構っていていいんですか? フレメアちゃんが、刻一刻と死に近づいてますよ」

フレンダ「フレメアはどこに居るの……」

初春(神の一部)「――ここから西へ行った所にある地下街付近です」

フレンダ「正直に答えるなんて、ちょっと予想外な訳よ」

初春(神の一部)「ああ、それはですね。死体を見るよりも、息を引き取る所を見た方が、より深い絶望と悪意を抱くでしょう?」

フレンダ「……フーカが言ってたけど、本当に神ってロクな存在じゃない訳よ」

初春(神の一部)「神は宇宙の秩序を保つことが役割ですからね。そのためなら、なんでもしますよ」

その言葉を無視して、フレンダはベンチにいるCプリニガーX・轟を腕に抱くと、走って公園を後にする。
フレメアを乗っ取り「新入生」の前に行けば簡単なのだが、そうはできない。
あくまで人間が人間を恨む形式にしなければ恐怖の大王は起動しない。
初春飾利の肉体を借りたのも、今回の一連の事件には関係ない事が大きい。後、フレンダの近くを通っていたからである。
とりあえず頭の上に乗っている割りと重い花飾りを除けるために、手を伸ばし、外そうとすると

初春「……。…………。………………。ほえ。あれ、なんで、私はここにいるんでしょう」

佐天「おーい、初春ぅー」

初春「あ、佐天さん」

佐天「もぅ、探したよ。行き成り居なくなるんだもん」

初春「ご……ごめんなさい。自分でも、なんで移動したのか、ちょっと……」

佐天「え、それって大丈夫?」

初春「――たぶん。特に具合は悪くないです」

佐天「そっか。でも、なんかあったら言ってよ。初春って直ぐに一人で抱え込むんだから」

初春「はい」


神の一部(信じられない。まさか花飾りをのけようとして瞬間に、肉体の外へ追い出されるとは――ね)

神の一部(ま、しばらく静観といきましょうか)

神の一部(フレンダが駄目なら、また他の人物を核に据えればいいこと。どうせ人間がいる限り、悪意が尽きることはない)

神の一部(ただ探すのが面倒なので、制約上、「新入生」に力は貸せませんが、是非「新入生」には頑張って欲しいね)

駆動鎧。
八本脚。全高5メートル。右腕には機関銃。左腕には滑腔砲。
それがフレメア=セイヴェルンと、それを守る半蔵は対峙していた。対峙とはいえ、一方的に狙われているに過ぎないのだが。
必死で逃げようとするが、そう簡単にはいかない。半蔵達は無能力者であり、今は駆動鎧に対抗できる武器は何一つ所持していない。
騒ぎを聞きつけ駆けつけて来た警備員が、駆動鎧へ攻撃を仕掛けるが、効果はあまりなく、警備員達は攻撃は一時止め、避難を優先させる。

半蔵「くっ。……フレ、メア。大丈夫か?」

フレメア「――」

涙目になりながらも、フレメアは半蔵の言葉に頷く。
二人は、駆動鎧から逃げるために走り出そうとするが、半蔵は膝を地面へ付けてしまう。
駆動鎧の攻撃は、フレメアや半蔵に致命傷になる攻撃は与えてはいないが、体力を消耗させ、平衡感覚を失わせることに成功した。
動かなくなった二人に対して駆動鎧は、対人用である機関銃を狙いを定める。
とっさに半蔵はフレメアを守るように庇う。だが、もし機関銃が火を吹けば、半蔵の身体を貫通し、フレメアにも届くだろう。
駆動鎧の右腕にある機関銃が火を噴こうとした瞬間。

青白い光の閃光が、駆動鎧を縦に斬り裂くように奔った。

駆動鎧はバチバチと音を立てながら、真っ二つに折れ、大きな音を立てて爆発。黒煙を上げながら燃え始めた。
半蔵は一瞬。何が起こったのか分からなかったが、直ぐに自分たちが助かったのだと理解する。
しかし誰が助けてくれたのか。警備員が駆動鎧に対抗できる武器を用意するには早すぎる。
燃え盛る駆動鎧とは逆方向。青白い閃光が奔ってきた方向を半蔵は見た。
プリニー帽子から靡かせる金髪のロングヘアー。ミニスカートから伸びる美脚は黒タイツに隠され、それが官能さを上げている。
手にはペンギンのような黒鉄の銃が握られているが、一瞬まばゆく光ると、銃は消えて、目付きの悪い黒鉄のペンギンのような物が現れた。
半蔵に守るように覆い被さられたフレメアは、その少女を見ると、瞳に涙を溜め、半蔵の元から少女の元へ走って向かう。

フレメア「お姉ちゃん! フレンダお姉ちゃん!!」

フレンダ「――フレメア」

向かってくる妹に一瞬、複雑な表情を覗かせるが、それを引っ込めて、愛しい妹をフレンダは抱きしめた。

浜面「おい、半蔵! 無事か!? ――って、そこに居るのは、まさか、フレ、ンダ……なのか?」

フレメアと抱き合うフレンダを見て、まるで幽霊でも見たかのように呟いた。
麦野により上半身だけとなったフレンダの姿を見ている浜面は、そこにいるフレンダが本物だとは思えなかった。
だが、フレンダの妹であるフレメアが泣きながら、久々に会った姉に抱きついている姿を見ると、浜面は偽物とも思えなかった。



第01話[フレンダ=セイヴェルンの帰還 【終】]

【次回予告】(※これはディスガイア式の次回予告です)



絹旗「突如、死んだはずのフレンダが、浜面の前に現れる!」

フレンダ『浜面……』

浜面『フレンダ……』

絹旗「そう! この二人、実は超付き合ってたんです」

絹旗「再会を喜ぶ二人の元に、今の恋人、滝壺さんが現れます!」

滝壺『……はまずら。どういう、こと? これって浮気?』

フレンダ『滝壺。実は、私たち、付き合ってた訳ね』

滝壺『……っ』

浜面『フレンダ……、滝壺……、俺は』

絹旗「仲間同士で繰り広げられる超三角関係!」

絹旗「超浜面は誰を選び、そして選ばれたもの、選ばれなかったものの、行く先は――っ!」

絹旗「次回、世紀末ハーレム帝王・浜面仕上、第02話」

絹旗「『フレンダ死す』」

フレンダ「ちょっと! なんで私が死ぬわけよ」

絹旗「えっ? フレンダって、そういうの、超宿命じゃないですか」

フレンダ「うぅぅ。私よりも仕事ができて、スタイルもいいからって、絹旗はちょっと生意気な訳よ。年下のくせにっ」

絹旗「今時、年功序列なんて超古いです」

麦野「――まぁそれは兎も角? 私だけ出さないとは良い度胸してるじゃない」

絹旗・フレンダ「……あっ」

麦野「とりあえずお前ら屋上だな」



今回はここまでです。


ディスガイアは知らないが面白い
あと
初春は花が本体か?

スレタイで吹いちまったwwディスガイアは2しかしらんのよねぇ…

乙ー

ディスガイア4も禁書もあんまり知らないが読ませてもらってます

プレイしてた同時友達から中ボスに負けたらいいことあるよwww
何て言われたから負けてみたら絶句した

そんな気はないのにたまたま負けたらエンディングってたまにあるよね

絹旗がエトナポジションか

ビューティー男爵バイアスの出番はまだですかっ!

育児放棄男爵は座ってろ

幼い頃に父が亡くなり、母は再婚もせずに俺を育ててくれた。

       J('ー`)し
        (  )\('∀`)
        ||  (_ _)ヾ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

学もなく、技術もなかった母は、個人商店の手伝いみたいな
仕事で生計を立てていた。
┌─────────┐
│  個 人. 商 店  │
└─────────┘
 │  J('ー`)し     |
 │   (  )    ┌─|
 │   ||    │ i|
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

それでも当時住んでいた土地は、まだ人情が残っていたので
何とか母子二人で質素に暮らしていけた。

   │
   │
   │
   │  J('ー`)し_____________
  / ̄ ̄ (  )  ('∀`)  
/      ||  (_ _)ヾ




ある日、母が友人から中古のパソコンをもらってきた

||||\   J('A` )し ウォン売り ウォン売り
 ──┐ヽ(   )
    │くく□
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

          ビルが建った

             r'''~`i`''、

              iJ('ー`)し'ュ,i_
          ._,,r''' ,,r'''i.||'|  ''‐,,
        ,,,r''' .,,r'''i,,r'''i:||'| []. : |

        l,,r'''i ,,r'''i,,r'''i:||'|  .:.::|
        l,,r'''i ,,r'''i,,r'''i:||'| []. : |
        l,,r'''i ,,r'''i,,r'''i:||'|  .:.::|
        l,,r'''i ,,r'''i,,r'''i:||'| []. : |
        l,,r'''i ,,r'''i,,r'''i:||'|  .:.::|



まだー?

少しですが、投下します



フレンダが私用で借りているマンションに、フレメア、浜面、半蔵はやって来ていた。
口座から直接引き落とされるため、フレンダが死んだ後も、そのまま手付かずの状態である。
長期間そのままなら何かされるだろうが、フレンダが死んだのは十月九日。今は十一月の五日。
まだフレンダが死んでから一ヶ月ほどしか経っていない。

CプリニガーX・轟『…………』

部屋にあるバスルームの前に、黒鉄の怪鳥はジッと立っている。
今、フレンダはフレメアと共にお風呂に入っている最中で、覗きを防止するために、扉の前にCプリニガーX・轟を配置していた。
浜面からすれば、あまりに酷い濡れ衣だ。
あくまで浜面の好みは、滝壺のようなスタイルの持ち主であり、中学生の絹旗に劣るスタイルのフレンダや、幼女のフレメアの入浴を覗く理由はどこにも存在しない。
因みに、その事を勇気と無謀を履き違え、フレンダへと言ってしまい思いっきり殴られたのは当然の処置と言えるだろう。

CプリニガーX・轟『……』

浜面「そんなに睨むなよ。覗いたりしねぇから」

CプリニガーX・轟『……』

人語機能が備わっておらず、会話が出来ないCプリニガーX・轟は、その鋭い目付きで浜面を睨んでいるようだ。
――ただCプリニガーX・轟に感情があるかは不明であり、睨んでいるように見えるのも浜面の気の所為かもしれない。
肩を竦め、浜面はソファーへと座り、携帯を開来、電話帳を見た。

載っているのは『アイテム』のメンバー。
滝壺理后。
絹旗最愛。
麦野沈利。
それぞれの電話番号が登録されている。
浜面は、彼女たちに電話をするか悩んでいた。
その大きな理由となっているのは、フレンダが本物か偽物か、未だに判断できない事が大きい。
本物であれば「アイテム」のメンバーに電話して教えたいと言うのが、浜面の率直な気持ちである
しかし、逆に偽物であれば会わせない方が良いと思っていた。もしかしたら「アイテム」に対する何かしらの罠の可能性があるからだ。
浜面が真面目に考えていると、バスルームの扉が開いて、フレンダとフレメアが出てきた。
衣服は変わりないが、湯船に浸かったためか、肌が僅かに赤く、湯気が分かる。

フレンダ「……麦野たちに連絡したわけ?」

浜面「いや、してない。まだお前が本物か、確証を得れてないからな」

フレンダ「ま、仕方ないわけね。私は一度――」

フレメア「にゃあ?」

フレンダ「ううん。なんでもない。フレメアが気にする必要はないわけよ」

部屋にあるテーブルを挟むようにソファーが二つある。
それぞれのソファーに、浜面と半蔵、フレンダとフレメアが座る。
CプリニガーX・轟は、メレンダではなくフレメアの膝の上に乗っていた。
テーブルの上にはコーヒーとジュースが置かれている。
フレンダ達が入浴している時に、半蔵が近くにある自動販売機から買ってきた物だ。
まずフレンダが話したのは、妹であるフレメアがなぜ狙われているかを浜面と半蔵へ聞かせた。

フレンダ「……つまりフレメアは線なわけよ。浜面を含む私が元いた「アイテム」の面々と、駒場利徳って人を殺した第一位と言った点を結ぶ、ね」

フレンダ「私もロクでもない奴から聞いたけど、嘘はついてないと思うわけよ。アレが嘘を吐いても利得はないわけだしね」

フレンダ「――そこで浜面に一つお願いがあるわけよ」


フレンダは、少し迷いながらも、フレメアを見て改めて決意をした。


フレンダ「麦野を呼んで欲しいわけよ。――もしかしたら、麦野はあの時の事を、まだ許してくれてないかもしれない」

フレンダ「それで、また麦野に――されても自業自得。受けるべき罰だと思うわ」

フレンダ「でも、私の所為でフレメアが危険な目に会うのだけは我慢できないわけよ」

フレンダ「だからお願い浜面。麦野にここに来るように連絡して」


あまり見たこと無いフレンダの真面目な表情。
それはとても偽物には思えなかった。
浜面はしばし考え、果たして麦野に連絡を入れるべきかと悩んだ末に、浜面は答えを出す。

麦野沈利はビルの壁に背を預けた状態で立っている。
現在、「アイテム」のメンバーは浜面を捜索するために別々に行動をしていた。
捜索に辺りビリで浜面を見つけた者は、罰ゲームでバニーの格好をする羽目になるという美味しいシチュエーション付き。
今、麦野は義眼から伸びたケーブルを監視カメラへ接続。警備会社のネットワークにハッキングし、映像アーカイブを漁っている。
そこで携帯を弄る手がピタリっと止まった。
第七学区の地下街で起きた駆動鎧の暴走。
映っているのは、探している標的である浜面と、どこかで見たような少女、その子を庇うように覆っていた少年
そして行き成り現れ、暴れ回る駆動鎧を一瞬で破壊した少女。
金髪、ミニスカ、黒タイツ。
かつて「アイテム」のメンバーであり、この手で粛清をした、


麦野「フレンダ……」


フレンダと思われる少女は、浜面たちへと近寄る所で、防犯カメラは煙により視界を遮られ、それからの事は分からない。
防犯カメラの映像では、アレが本物か、偽物か、その区別はつかない。
あの時、フレンダは「原子崩し」で真っ二つにして殺した。それは紛れもない事実。
故にあそこに現れたフレンダと思われる少女は、偽物と言うことになる。
しかしなぜか麦野は、絶対にあのフレンダが偽物であると、確信をすることは出来なかった。
何度も繰り返しその場面を見ても、何も答えが浮かばない。
そこへ麦野の携帯へメールが一件届く。
メールの送信者は浜面で有り、そこには来て欲しい場所が書かれと、画像が添付されていた。
添付された画像を迷いを見せながらも、麦野は開く。
映っている画像には、あの防犯カメラよりもかなり鮮明に、ハッキリとフレンダの姿が写っていた。

今日はここまで。

乙!



(このスレの存在を忘れかかってたなんて言えない‥)

…ageとくか

あげなくていいから

もうすぐ1ヶ月か

前回投下から一ヶ月
そろそろ来てくれないかな

本編ではなく外伝ですがもう少ししたら始めようと思います
本編はとある魔術寄りですが、外伝はディスガイア寄りです
>>5と、少し矛盾があるかもですが、あまり気にしない方向でお願いします。

【外伝1】


フレンダ「はぁはぁはぁ――。クッ、私もここまでな、ワケよ」


フレンダは地面に腰を降ろして呟いた。
今いる場所は、フレンダが元々いた魔界とは別の魔界。魔王ラハールが統治する魔界である。
その魔界の名所の一つゲヘナの海。
マグマが川の水のような流れる場所で非常に熱いが、大型のコンサート会場や、エトナの大好物であるゲヘナの海限定の超プリンなどが有名な場所である。
そんな場所になぜフレンダがいるかというと、割と簡単な話で、


エトナ『そこのプリニー。ちょっとゲヘナな海まで行って超プリンを買ってきてくれる?』

フレンダ『な、なんで、私がお使いみたいな真似をしないといけないわけよ!』

エトナ『そんなのプリニーだからに決まってるでしょう。財布は渡すからちゃんと買ってくるのよ?』

エトナ『あ、そうそう。もし私の財布を持ったまま逃げるような真似をしたらどうなるか……分かってるわよね』


と、言ったやりとりの後。フレンダはゲヘナの海までやってくる事になった。
そしてゲヘナの海へとやってきた直後に、そこにたまたま居たイフリートと遭遇した事でピンチへと陥った。

フレンダという獲物を目の前にいたイフリートは、大声を上げ吼えた。
口に炎を溜め大きな火の塊を、フレンダへ向けて放つ。
ヒッと小さく悲鳴をあげるフレンダだったが、バランスを崩しながらもなんとか回避する事が出来た。
炎の塊は、そのまま地面に当たり大きな爆発が起きる。
フレンダは学園都市でレベル4にあたる能力者であったが、あまり戦闘向きの能力ではなく、戦いではトラップ等の仕掛けがメインであった。
そのため今のように、突発的なイベントで、満足な装備がない状況下では圧倒的に不利だ。
イフリートはギロリと鋭い目付きで、フレンダを睨む。イフリートの周りに8つの炎の塊が現れ、それぞれに曼荼羅の文字が浮かび上がリ、それがイフリートの口へと収束された。
今まで必死で逃げたことで、体力が限界で、ゲヘナの海特有の熱で、精神的に追い詰められていた。
フレンダは身体を震わせながらも、目を閉じ、瞼には最愛の妹――フレメアの姿が浮かぶ。


フレンダ(フレメア……っ!)


イフリートが口から業火を放とうとした直前。岩でも砕くような音がして、更に巨大な物体が落ちた音がした。
フレンダはそろりと目を開けた。頭蓋骨を砕かれたイフリートが溶岩へと沈んでいく。


フーカ「危機一髪だったみたいね」

フレンダ「あ、フーカぁ!」

フレンダと同じようなプリニー帽子を頭につけ、セーラ服を来た少女……風祭フーカがフレンダの目の前に居た。
手にはお馴染みの強化バットが握られており、それでイフリートの頭を潰したのである。
フーカは地獄に堕ちてすぐに出会い、プリニー殲滅部隊に属していた仲間だ。
一先ずフレンダとフーカは、屋台が並んでいるペースへ行き、近くにある無料休憩所へ入り休むことにした。


フレンダ「フーカ、助けてくれてありがと」

フーカ「別にいいわよ。デスコと一緒に宇宙征服をしている途中での偶々だった訳だし」

フーカ「でも、今回は私が偶然居たから良いけど、ドラゴン一匹に手こずるようだと、魔界での生活は厳しいわよ?」

フーカ「なんならヴァルっちの『絶対プリニー改造計画』を受けて、プリニーじゃなく「フレンダ=セイヴェルン」と生きれるように頑張ってみるとか」

フレンダ「私はフーカと違いわけよ。それに、それを下手に受けたら最悪の場合、魂が消滅されるから、結局は今のままが良いわ」

フレンダ「それに……フレメアの事が心配なのよ」


『絶対プリニー改造計画』は、プリニー教育係であるヴァルバトーゼが考案したプリニーの更生プランだ。
このプランを受けた者は、どんな性格の悪いプリニーも、従順になり、自ら爆弾として投げられる事を志願するほどだと言われている。
再生プランを受けた者が取るべき道は二つに一つ。更生か消滅のみ。
ただ例外的にヴァルバトーゼに勝ったフーカは、プリニーではなく「風祭フーカ」として生きられることが許されたのである。

フーカ「フレメアちゃんって、確かフレンダの妹さんだっけ」

フレンダ「そうよ。レベル0の無能力者だったけど、アイドル並みに可愛いんだから」

フレンダ「まさかこんな事になるなんて思っても見なかったから、お別れも言えなかったし、今はどうしてるのか、ちょっと心配なわけよ……」

フーカ「なら、地上へ行ってみれば? ここでグスグスしても何も前進しないわよ」

フーカ「……でもドラゴン一匹に逃げるようだと、ちょっと不安かしら?」

フーカ「地上に行かせて、何かあったら責任を感じちゃうし」

フーカ「別魔界で手に入れた量産型デスコは目立つのよねー……。あ、そう言えばちょうど良いのがあったわ」


そう言ってフーカはある物を取り出した。
赤い瞳は鋭く釣り上がり、真紅の外套を纏った黒鉄のホディ。

フーカ「パパが超魔王バールや色々な悪魔の戦闘データを、プリニガーX・轟にインプットして創りだしこの『C(カオス)プリニガーX・轟』、私にプレゼントしてくれたけど、
     正直言って私にはデスコもいるし、プリニカイザーもあるから必要ないから、友情の証にフレンダにあげるわ」

フレンダ「……いいの?」

フーカ「いいわよ。これなら地上で強敵と出会っても、この子さえいれば大抵の事はどうにかなるハズよ」

フーカ「未練があるのなら、それを解消しておくことに越したことはないわ」

フレンダ「……フーカ。本当にありがと。私、フレメアに会いに行こうと思うわけよ」

フーカ「なら、今の内に地上に行くべきね。なんか学園都市ってところと何処かが第三次世界大戦をしたらしくて、地獄の監視が甘くなってるから行くなら今のうちよ。ただ第三次世界大戦は終わったみたいだけど」


フレンダはそれからゲヘナの海から魔王城へ移動をする。
そして時空の渡人・メーヴェルに頼み込み、学園都市へと向かったのだった。

フレンダが学園都市へ戻ったのと入れ違いにフーカの元へ、未来のラスボス(予定)でフーカの妹に当たるデスコがやって来た。


デスコ「おねえさまー。いきなり居なくなるから心配したデスよ」

フーカ「……。……………。あれ、デスコ? って、ここは魔王城? なんで私、ここに居るの?」

デスコ「おねえさま……大丈夫デスか? 魔界病院で見てもらうデスか?」

フーカ「う~ん、なんか頭に霧がかかったみたいに、どうして私がここに居るのか思い出せないけど。ま、問題ないでしょう」

フーカ「それよりもデスコ。宇宙征服を始めるわよ! 手始めに200億の星々が加盟している汎銀河連盟よ!」

デスコ「はいデス!!」



神の一部(これでフレンダを恐怖の大王かするパーツは揃いました)

神の一部(恐怖の大王システムを少し用いれば、ある程度の洗脳が出来るのは朝霧アサギで実験済み……)

神の一部(風祭フーカに仕掛けたのは『フレンダを地上へと送る』と言う単純なことだったので、C(カオス)プリニガーX・轟を渡すのは想定外でしたが……)

神の一部(そちらはなんとかしないと、「新入生」では対処が難しいでしょうね。ま、そちらへの対処は追々考えましょう)

神の一部(さて、それではしばしどうなるか静観をしますかね)




次回は本編の更新になります。

やっと来たか!
乙!

乙ー

乙ッス

待ってたぞ~

いつの間にか来てた

来ないなー‥


――トントン――

フレンダが借りているマンションの一室。
その部屋の扉から、手で叩く音がする。

フレンダ「! 麦野かな?」

浜面「……どうだろうな。ちょっと誰か確認してくる」

そう言って浜面は、ソファーから立ち上がり玄関へと向かった。
しかし浜面は直ぐに引き返して来た。

浜面「麦野じゃなかった。何か変な格好をしたヤツが、『プリニーがここにいるハズだ』って言いながらドアを叩いてる」

フレンダ「……っ! 浜面、それって黒い外套に赤い目をした――」

浜面の言葉に反応をしたフレンダは、慌ててその人物の特徴を聞いた。
もしフレンダが思っている通りの相手だった場合、ここにいるメンツで対抗できるのは『C(カオス)プリニガーX・轟』しかいない。
いや、『C(カオス)プリニガーX・轟』と謂えども彼に勝てる可能性は極めて低い。
フレンダが特徴を言おうとすると、鋭い得物で玄関扉を断ち切る音がして、ユックリとリビングへと足音が近づいてくる。

ヴァルバトーゼ「クックックク。見つけたぞ、地獄より脱走したブリニーよ!」

現れた青年――ヴァルバトーゼに対して、真っ先に動いたのは浜面だった。
拳を握り、顔面へ向けて思いっきり殴り掛かる。
だが、ヴァルバトーゼは浜面を一瞥することなく拳を交わし、無意識に反撃をした。
咄嗟に防御をした浜面だったが、あまりのパワーに隣の部屋まで飛ばされてしまう。

フレンダ「浜面――!」

半蔵「ちっ」

半蔵は舌打ちをして懐から銃を取り出し、ヴァルバトーゼへ向けた。
その瞬間、

ヴァルバトーゼ「邪魔をするな、小僧」

ギンッと真紅の瞳で睨まれ、半蔵は取り出した銃を床へと落とした。
吸血鬼たるヴァルバトーゼには、眼には魔眼としての機能も備わっている。
全盛期と比べると魔眼の質も魔力と同じように低下しているが、それでも金縛り程度の事は動作もないことだ。

ヴァルバトーゼ「さぁ、俺と共に地獄へ帰り、再教育を受けてもらうぞっ」

ヴァルバトーゼ「その名も『圧倒的絶対プリニー改ぞ――」

ヴァルバトーゼは途中で言うのを止め、剣を慌てて振るう。
重い金属音が鳴り響く。
ヴァルバトーゼに攻撃をしたのは、青い髪に触手のようなのが二本出ている少年。とある魔界を統べる魔王・ラハールだ。
だが、ここにラハールがいる可能性はなく、ましてやヴァルバトーゼに攻撃を仕掛けてくる理由もない。
その事を疑問に感じていたが、それは直ぐに氷解した。
ラハールの姿にノイズが走った。そしてノイズが治まると、そこには『C(カオス)プリニガーX・轟』の姿を現した。

ヴァルバトーゼ「……。ほぅ、プリニーの分際で俺に逆らうか」

ヴァルバトーゼ「だが! 俺に抗おうとするその根性……却下だ!!」

C(カオス)プリニガーX・轟『…………』

C(カオス)プリニガーX・轟の身体に、再びノイズが走る。
そして次に変化したのは、

暴君ヴァルバトーゼ『……』

ヴァルバトーゼ「今度は昔の俺に化けたか……」

ヴァルバトーゼ「だが! 今の俺は全身栄養満点のイワシで出来るいる!」

ヴァルバトーゼ「故に『暴君』と評された時以上に、俺は確実に進化をしているのだ!」

ヴァルバトーゼ「イワシパワーを持たぬ昔の俺に化けた所、俺に勝てるととは思わないことだな!!」

互いに剣を構え、次の瞬間、
『暴君』ヴァルバトーゼと『プリニー教育係』ヴァルバトーゼの剣が、ぶつかり合った。

同時刻。
フレンダが借りているマンションの前に麦野、滝壺、絹旗は来ていた。
とりあえず今やっていた浜面を見つけると言ったゲームは中断。フレンダの真偽を確かめることを優先した事で集まった。

麦野「で、どう滝壺。フレンダのAIMの反応は?」

滝壺「ん……。なんだろ。フレンダには間違いないような……ちがうような」

絹旗「なんだか超曖昧ですね」

滝壺「フレンダになんか混ざってる気がする。何かわからないけど」

絹旗「?」

麦野「なら、とりあえず行くしかなさそうだな」

麦野が呟くと同時に、麦野達がいるマンションの一室から破砕音が鳴り響いた。
ガラス片やコンクリート片が、地面に向けて落ちてくる。それを麦野は原子崩壊で、絹旗は窒素装甲で防いだ。
その音に反応した野次馬が携帯を取り出して徐々に増えて来た。
舌打ちをした麦野達は、急ぎ破砕音がした部屋へと向かったのだった。



今回はここまで。




月一更新か?

>>75
もう少し更新頻度を増やしたいけど、中々リアルが忙しく……。
とはいえ、4rが発売されるまでには完結する予定。

本日も少し更新

C(カオス)プリニガーX・轟の特殊技の一つ【幻影(イリュージョン)】により化けた暴君ヴァルバトーゼは、ヴァルバトーゼとの激戦の末に膝を地面へと付けた。
この特殊技は、インプットされた者へと化け、その者が持つ能力や魔ビリティを使用できる。ただし、ステータスやレベルはCプリニガーX・轟と変わることはない。
暴君ヴァルバトーゼにノイズが走り、姿は再びCプリニガーX・轟へと変わる。

ヴァルバトーゼ「クックク。まだ抗うか」

ヴァルバトーゼ「いいだろう! 貴様の心が折れるまで、何度でも打倒してやる」

CプリニガーX・轟『……』

CプリニガーX・轟にノイズが走る。
今度、姿を化けたのは、長身の男だ。
燃え盛るような赤い髪に白い瞳、尖った耳、そして圧倒的な存在感。
この漢の名前はゼタ。宇宙最強の魔王として数多の魔界にその名を轟かせている魔王である。
神に喧嘩を売ったヴァルバトーゼ達に興味を持ち、そしてヴァルバトーゼ達と激戦を繰り広げた結果、敗北を認め、ヴァルバトーゼをライバルと認めた。
どうやらCプリニガーX・轟には、魔王ゼタの情報もインプットされていたようだ。
ゼタの白眼から、白い極太の閃光が放たれた。


――ゼタビィィム・ネオ――


白い極太の光はヴァルバトーゼを包み込み、そのまま夜空へ向けて奔った。
このビームの影響で、地球を回っている人工衛星が幾つか消滅した。

ヴァルバトーゼ「……この程度か」

ヴァルバトーゼ「物真似は物真似か。本物のゼタが放ったビームならば、俺を倒せずとも、吹き飛ばすぐらいは出来ただろうがな」

ヴァルバトーゼ「これで分かったか、CプリニガーX・轟! 何人を真似たとしても、今の貴様のレベルでは、俺を倒すこと――」

ゼタに向けてそう言い放つヴァルバトーゼに向けて、緑色の光がヴァルバトーゼを襲う。
咄嗟に手に握っていた剣で、緑色の光を斬り裂く。

フレンダ(ビクッ。あ、あの、緑色の光は)

見覚えのある光を見てフレンダは、身体を僅かに震わせる。その光は、死ぬ間際に見た光であり、それをする相手を良く見知っているためだ。
出入口がある廊下から疾走してきたのは、ショートカットの少女――絹旗最愛である。
拳を握り締め、ヴァルバトーゼの腹部へと一撃を入れた。
彼女の能力はレベル4「大能力者」に区分される窒素を操る超能力者であり、「アイテム」の中でも前線で戦うことが多い少女だ。
一撃を入れた絹旗は、後ろへ向けて飛んだ。紙一重の差で、ヴァルバトーゼは剣を地面へ向けて振り下ろした。
地面には亀裂が走り崩落が起きた。

絹旗「……。フレンダ。どうして貴女が生きているのかは、今は超聞きませんが、アレはナニモノですか?」

フレンダ「きゅ、吸血鬼」

絹旗「――超ふざけてますか?」

フレンダ「別にふざけてないってわけよッ」

麦野「吸血鬼だろうと、なんだろうと、今フレンダを連れて行かれる訳にはいかないわ」

滝壺「はまずら……大丈夫?」

浜面「ツッッゥゥゥ。あ、ああ、なんとか、な」

今、ここにかつての暗部のグループの一つ「アイテム」メンバーが勢ぞろいした。

ヴァルバトーゼ「――フッ。どうやら、そのプリニーには良い仲間がいるようだな」

ヴァルバトーゼ「だがっ! 俺のプリニー教育の邪魔をするなら容赦はしないぞ」

剣を構えたヴァルバトーゼは、絹旗、麦野、浜面、CプリニガーX・轟に向けて宣言をする。それに応えるように、それぞれが構えを取った。
その様子を見ている事しか出来ないフレンダは、焦っていた。
自分が死んでから一ヶ月余り。「アイテム」メンバーが、自分が死ぬ前と同じ強さでは、ヴァルバトーゼと互角に戦うどころか、まともに相手にもされないだろう。
実際に、先ほどまでのCプリニガーX・轟との戦いを見た時点で、フレンダの中では確信に変わった。
しかし神の一部が言っていた事が気になる事もあり、今の状態ではとてもではないが、地獄へと還る気にはならない
フレンダは無意識の内に、フレメアを抱き締める。

フレメア「にゃあ? お姉ちゃん?」

フレメアは心配そうにフレンダを見た。
その様子を見ていたCプリニガーX・轟は、ある決意をする。
今のレベルにステータスでは、例え誰に化けたとしても、ヴァルバトーゼに対抗することは不可能なのは、暴君ヴァルバトーゼと魔王ゼタに変化したことで理解していた。
だが、ある人物の能力ならば、勝てずとも、この圧倒的なピンチの状況を先延ばしにする事はできる。
CプリニガーX・轟の身体にノイズが再び走り、姿が大男のゼタから、可愛らしい赤い髪をした少女へと為る。
彼女は魔王ゼタの娘であるペタだ。

ヴァルバトーゼ「? 今度はゼタの娘に化けたか。しかし、その娘では俺には勝てぬぞ」

ペタ(CプリニガーX・轟)『……』

ペタ(CプリニガーX・轟)『でも、引き分けに持っていく方法はありますわ』

ヴァルバトーゼ「なに……?」

CプリニガーX・轟はヴァルバトーゼへと接近する。
そしてヴァルバトーゼに触れると、二人は淡い光に包まれる。

ヴァルバトーゼ「……この感じは時間移動か。なるほど、確かに引き分けへと持ち込めるな」

ペタ(CプリニガーX・轟)『自分より高レベルの人を、未来へ送るのは……最大でも1時間以内が限度ですけどね』

ペタ(CプリニガーX・轟)『それでも、ご主人(マスター)の時間を稼ぐことが出来ますわ』

光が強烈に光った瞬間。
ヴァルバトーゼとCプリニガーX・轟は、その場から姿を消した。

同時刻。
学園都市某所。
『新入生』である黒夜海鳥とシルバークロース=アルファは敗北していた。
シルバークロースはコレクションである数々の駆動鎧を投入。
黒夜海鳥もサイボーグ化した腕を用意た破壊力のある窒素爆槍を最大限に使用。
だが、それでも相手を倒すどころか、傷一つ負わせる事が出来てはいなかった。
相手は今回の件のもう一つの標的である一方通行ではない。彼女たちとすれば、データがある一方通行の方が幾分かやり易かったはずだ。

プリニー「うわぁ、エトナ様。だいぶ過激ッスね」

プリニー「お宅らもさっさとゲロった方が楽ッスよ? エトナ様も素直に吐けば、命まではとらないハズッス。……たぶんッス」

黒夜「……ッ」

哀れみに満ちた腐った眼でプリニー達に同情され、黒夜は頭が沸騰するほどの怒りを覚える。
黒夜は全ての義手から発射させる窒素爆槍を集約させ、数百メートルにも及ぶ窒素爆槍を作り出した。
しかしエトナのエルダースピアが、ビームと錯覚を起こすぐらいのスピードで、黒夜の腕を斬り落とす。これにより「掌から放つ」という特性を喪ったことで窒素爆槍は霧散する。

エトナ「正直さ、ガトリング・レールガン? 窒素爆槍? だっけ? これっっっっっぽっちもダメージないけど、塵は舞って髪は汚れるし、音が五月蝿い」

エトナ「へんてこな玩具の方は、プリニー爆弾で爆発させて片付けたから、次はアンタの番よねぇ」

エトナ「ま、アタシとしてはアンタなんてどーでもいいんだけど?」

エトナ「ただねー、アンタがオトナしくフレンダって名前のプリニーがどこにいるかって情報さえ提供してくれたら、こんな事にはならなかったのよ」

エルダースピアを喉元に突き付け、エトナはフレンダの居場所を言うように急かした。

黒夜たち「新入生」は、フレンダの居場所はだいたい見当がついていた。
地下街の戦闘にフレンダが乱入してきたことから、フレメアや浜面達と一緒に行動している可能性が高い。そして彼女たちがとあるマンションへ行ったところまで見当がつき、襲撃計画を練っている最中に、魔神エトナが強襲して今に至る。
黒夜はエトナに向けて言った。

黒夜「だいぶ、フレンダの方にご執着のようだけど、アイツが、アンタに何をした」

エトナ「……」

エトナ「プリニーの分際で、アタシの命令したおつかいをしてこないばかりか、渡したヘルをそのままクスねたのよ。もう殺されても文句は言えないわ」

青筋を立て禍々しいまでの魔力を放出しながらエトナは怒りに震えた。
因みにゲヘナの海限定のスイーツは、プレミア価格と言う事も有り、それなりの金額となっている。
エトナの理由を聞いた黒夜は呆れ果てはしたが、これ以上、エトナを敵に回すのは得策でないと判断した。
実際に、まだ計画は道半ば。一方通行と浜面仕上は接触すらしてないのだが、このイレギュラーを相手取り、戦力をこれ以上減らす訳にはいかない。

黒夜「……フレンダは――にいる」

プリニー「その場所って、ここから見えるマンションッスよね」

プリニー「確かさっきから妙な音がしたり、ビームが空に向かって放たれた所ッス」

エトナ「ふぅん、どうやら嘘は言ってないようね」

エトナ「ヤロー共。これから、その場所に行って、アタシの命令を無視して、ヘルを奪ったプリニーに、死んだほうがマシってぐらいのお仕置きをお見舞いするよ!!」

プリニー隊『ラ、了解(ラジャー)ッス!!』



第02話[『アイテム』全メンバー再集結 【終】]

【次回予告】(※これはディスガイア式の次回予告です)

絹旗「死んだはずのフレンダが現れたことで、麦野は複雑な気持ちになっていた」

フレンダ「まっ、麦野に真っ二つにされたから仕方ないワケよ」

絹旗「そこに突如として「アイテム」の前に現れたのは、フレンダを病んでいるほど超愛している少女・エトナだった」

エトナ「はぁ?」

絹旗「しかし、フレンダは、エトナの超貧乳ではなく、麦野の超巨乳に魅せられていた」

麦野「……」イラッ

エトナ「……」イライラッ

絹旗「超嫉妬したエトナは、麦野の殺害を企てながら、フレンダの妹・フレメアを手なづけ、外堀と内堀を埋めていく」

絹旗「そして学園都市で起こる、超回避不可避な魔神と超能力者の超愛憎劇!」

絹旗「次回、BLOODY DAYS 第03話」

絹旗「『みんなのフレンダ』」

エトナ「とりあえず真っ先に、アンタをどうにかしたい」

エトナ「誰が、ペチャパイで、超貧乳で、露出が高いのは胸がないのを露出の多さでカバーしてるだってぇぇぇぇぇぇ」

絹旗「ちょ、誰もそこまで超言ってません!」





今回はここまで。
次回は本編か、また番外編かも。
番外編(フレンダ地獄時代)でなにか見たいのがあればリクを受け付け。(幾つもあった場合は、絞らせてもらいます)

妙な時間に更新乙
(朝っぱらからss見てる奴のセリフではない)

おつおつにゃあ

乙。

フレンダ、愛マニアに捕まるみたいな
フロンちゃん登場する話

乙ッス

微妙に関係ないけど今度Vitaでディスガイア4の移植出るみたいね
携帯機とディスガイアは愛称いいからありがたい

1ヶ月ルールが適用されかかってんじゃねえか

最近、時間が経つのが早いわー。あっという間に一ヶ月過ぎる。
少しだけ投稿します。
今回は本編となります。番外編は少しお待ちを

真紅に染まった月が、学園都市を照らしている。
とある学区では至るところで炎と煙が見え、人々の悲鳴が木霊する。
無残にも破壊され、ただの瓦礫の山と化した場所に、光が一瞬輝くと、そこにヴァルバトーゼとペタが姿を現した。
ペタの姿は直ぐにノイズが奔り、姿形は可愛らしい少女から、黒鉄色をした目付きの悪いプリニーへと変わった。

ヴァルバトーゼ「なんだ、この禍々しく重々しい魔力は」

CプリニガーX・轟『……』

ヴァルバトーゼが周りを確認する。そこは元の面影は無いが、確かにCプリニガーX・轟がペタに化けて、時間移動をした場所に相違ない。

CプリニガーX・轟『……!』

赤い瞳からレーザーを放った。
目標地点にいた黒髪長髪の少女は、手に持っているバッドをフルスイングして、レーザーを弾き飛ばす。
ヴァルバトーゼは、CプリニガーX・轟の攻撃した相手を見た。
腰の上辺りまで伸びた黒髪。ロングスカートの制服。手にはバッドが握られている。

佐天「ひどいな~。幼気な女子中学生に、いきなりレーザー攻撃なんて……。信じられない」

ヴァルバトーゼ「……フーカといい、最近の女子中学生とやらは、バッドを標準装備しているものなのか?」

佐天「アハハハ。いやいや、あの子と一緒にしないでくださいよ。私は世界征服の野望も無ければ、ラスボスの妹なんて欲しいとも思いません」

ヴァルバトーゼ「ふん。それで何のようだ、神の一部よ!!」

佐天(神の一部)「あー、さすが。やっぱり貴方クラスになると、気配が察知されるかぁ」

ケラケラと可笑しそうに笑う佐天(神の一部)。
すると佐天(神の一部)の周りに、魔界でも天界でもない言語で、ヴァルバトーゼでも解読できない幾何学的な文字列で構成された魔法陣が幾つも現れ、そこから高レベルの者達が出現した。

佐天(神の一部)「銀河に犯罪者として名を届かせるヴァルバトーゼさんに、朗報です」

佐天(神の一部)「もう少ししたら、この惑星「地球」は、悪意により滅びます」

佐天(神の一部)「その前に、最高評議会の決定に尽く反逆した貴方に、汎銀河連盟に加盟する200億の星々から選びぬかれた者達と戦って死んで下さい」

ヴァルバトーゼ「断る」

ヴァルバトーゼ「ふん。汎銀河連盟に加盟する200億の星々から選びぬかれた者が、どれほどの者かは知らんが、イワシの力を得た俺に敵うハズがないっ!!」

佐天(神の一部)「イワシの力云々はどうでも良いですけど、この者達に勝ったとしても、あの子を止めない限り、この星に未来はないですよ?」

佐天(神の一部)が指さした方向。
そこには一人の少女が、空中へ浮いていた。
フレンダ=セイヴェルン
ドス黒いほどの悪意。禍々しいほどの圧倒的な魔力。右手には真紅の魔槍「エルダースピア」。髪は元々は金髪だったが銀髪に。白かった肌は褐色へと変化している。

佐天(神の一部)「あれこそが、最終最強の兵器。『神・恐怖の大王』です」

ヴァルバトーゼ「『神・恐怖の大王』……だと」

佐天(神の一部)「はい。どうしてこうなったかを、時を超えて分からないでしょうから、説明してあげます。滅びるまでの余興ですね」

ヴァルバトーゼ「ふん。相変わらずだな、神よ! ならば、ここに宣言してやる」

ヴァルバトーゼ「目の前にいる者達を打ち破り、必ず貴様たちが造った「神・恐怖の大王」を止め、地球を救って見せる!!」


全ての発端は、遡る事、十数分前のことになる。



今回はここまで

お疲れ!

来たのね


佐天さんの二次での使いやすさは異常

サテンさんはレイポ要員からチートキャラまでこなせるからな

ヴァルバトーゼとCプリニガーX・轟が戦い、不利と悟ったCプリニガーX・轟が、ヴァルバトーゼと共に未来へ飛んだのとほぼ同じ時刻。
縦横の長さがおよそ20kmに及ぶ巨大な十字架型の建造物が浮かんでいる。
それはイギリス清教から『ラジオゾンデ要塞』と呼ばれるモノである。
学園都市へ向かうラジオゾンデ要塞の進路上に、人影があった。

ラハール「ふん。アレを破壊すればいいのだな」

ラハールは呟くと、両手を上げ魔力を溜めた。そして溜めた魔力が爆ぜ、辺りに赤い魔力の球体が何十も浮かび上がる。
魔王玉と名付けたラハールが得意としている魔法の一つだ。
ラハールは出現した魔王玉を、全てラジオゾンデ要塞に向けて放つ。
魔術的防御がないラジオゾンデ要塞は、魔王玉をどうすることも出来ず、ただただ直撃するしかなかった。魔王玉が全弾命中して、轟音を上げて爆ぜた。
20kmもある巨大なラジオゾンデ要塞は、大小の塊になり、地上へ向けて落ちていく。

落ちていく大きな塊に向けてアデルは突っ込み、拳を叩きつけて大きな塊を小さくしていく。
その作業をしているのはアデルだけではない。
ラハールの父親で、大天使の力によって全盛期の姿となったクリチェフスコイもいた。
クリチェフスコイは4体に分身。それぞれが次々と大きな塊を破壊していった。

アデル「……ん!」

アデルは下へ落ちている塊を足場にして飛び上がると、元々のアデルがいた場所に、剣閃が一閃した。
その剣閃を放ったのはロンドンでも十指に入る実力者かつ世界に20人と居ない『聖人』の一人でもある神裂火織だ。

アデル「誰だ、お前?」

神裂「……。このラジオゾンデ要塞を浮かべたのは、貴方達ですか?」

アデル「違う!」

クリチェフスコイ(分身)「ええ。私達は、ただこの要塞を破壊するように、所属している所から言われて破壊しているだけですよ」

アデルやクリチェフスコイの拳による破砕に、上空にするラハールの魔王玉により、ラジオゾンデ要塞は完膚なきまでに粉々になり、海中へと沈んでいく。

神裂「……。この要塞を上げたのが貴方達ではないとして、貴方達は何者ですか? どこに所属しています?」

質問をしながらも、神裂は一向に気配を緩めない。
それもそのハズだ。
この場には魔王クラスでも、上位に位置するラハールとクリチェフスコイ。更に魔王クラスに近い戦闘能力を持つアデルもいた。
神裂火織は確かに最強クラスの実力者だが、このメンツを相手にする場合は、自分の生存を無視して立ち向かわなければならないため、警戒するのは当然のことであった。

アデル「俺達が所属しているのは、「新党・地獄」だ」

神裂「新党・地獄? 聞いた事がありません」

クリチェフスコイ「魔界のことですから、人間界で知っている者がいなくても、不思議ではないですよ」

勿論、一部の勢力のトップからは所属しているメンバーがメンバーの為、要注意勢力として認識されている。
神裂と対峙しているアデルとクリチェフスコイの元に、空中からラハールがやって来た

ラハール「……(なんだ、この胸騒ぎは?)」

ラハール「オヤジ。オレ様は少し用事ができた」

そう言い残し、ラハールはラジオゾンデ要塞が向かっていた方向、学園都市へ向けて飛んで行った。

クリチェフスコイ「ラハールではないですが、私も少し妙な感じが……」

クリチェフスコイ「とりあえずフェンリッヒから言われた事はすみました。そろそろ戻りましょうか」

アデル「あ、ああ」

神裂「ま、待ちなさい! まだ、訊きたい事が――!!」

神裂はクリチェフスコイ達に向けて迫るが、それよりも速くクリチェフスコイはアデルと共に空間転移をしたのだった



今回はここまでです。

更新に気付かなかったが乙

乙です

今更だが乙

ヴァルバトーゼが来た事で壊れたマンションから3つほど上の階にある部屋にフレンダ達はいた。

絹旗「どうして別のところじゃなく、同じ場所に部屋を取ってるんです?」

フレンダ「襲撃された時に下手に移動して逃げまわるよりも、同じ場所にいた方が安全だからよ。相手もまさか同じ所にいる筈がないって思うはずがないってわけよ」

絹旗「その超浅知恵……。麦野、どうやら本物っぽいですね」

麦野「……」

フレンダ「……ぅぅ」ビクビク

麦野の視線にフレンダは身を震わせた。
一目で分かるほど機嫌が悪い。それでいてジィィィとフレンダを観察するようにしている態度が、余計に恐怖心をフレンダに抱かせた。
一度、麦野はため息を吐き、浜面の方へ顔を向ける。

麦野「浜面。怪我の具合はどうよ」

浜面「ちょっと痛みがあるが、問題ない」

滝壺「はまずら。無茶はしないでね」

浜面「あ、ああ」

浜面「それにしても、アイツ……強かったな」

フレンダ「ヴァルバトーゼの強さはそんなモノじゃない。もし本気だったら、浜面は死んでたってわけね」

浜面「……だろうな」

CプリニガーX・轟とヴァルバトーゼの戦いを見ていて浜面は、相手とのレベルの差を感じ取っていた。

麦野「で、なんでフレンダ。あんたは生きてるの。確かあの時、私はアンタを「原子崩し」で真っ二つにしたハズだけど?」

フレンダ「……麦野。確かに私は麦野に殺されて死んだわけよ」

フレンダ「麦野に殺されてから、さっきまでの事を話すわ」

そしてフレンダは話し始めた。
麦野に殺され、アイテムでして来たことにより地獄に落とされプリニーへ加工されたこと。
ちょうどプリニーの皮不足で、偶々知り合った風祭フーカと共にプリニー殲滅部隊に参加したこと。
そこからヴァルバトーゼ達と出会い、3軍の扱いだったが、魔界大統領府、人間界、月、恐怖の大王まで行ったこと。
別魔界から来ていたエトナの下僕となりプリニー生活を送っていたこと。
しばらくして風祭フーカの手助けもあり、フレメアの事が気になり、地上へ脱出したこと。
神の一部から聞かされた、フレメアが殺されるような目にあってる理由。
なぜ先ほどヴァルバトーゼが強襲してきたのかを。
フレンダはポツポツと、思い出しながらユックリと話した。

絹旗「魔界とか地獄とか、超信じられません。まだ学園都市の科学力で復活したと言う方が超納得いきます」

絹旗の意見は、学園都市に住む者からすれば当然の反応だ。
科学が発達したため、オカルトを削ぎ落したのが学園都市とも言える。そのため、この都市にいる者で、オカルトを信じるものは極限りある少数である。

フレンダ「……麦野。そこでお願いがあるってわけよ」

麦野「何よ」

フレンダ「フレメアの事を絶対になにがあっても守ってほしいの。そして、私を殺して欲しいってわけよ」

浜面「! おい、フレンダ!! 何言ってるんだ!」

フレンダが突然言い出したことに驚き浜面は勢い良く立ち上がる。

フレンダ「神の一部を私を「恐怖の大王」にするつもりなわけよ。――フレメアの死がキッカケって言ってたけど、それも怪しいからね」

フレンダ「万が一、フレメアが生きているのに「恐怖の大王」になって、フレメアを傷つけたり、アイテムのみんなを傷つける真似はしたくないから」

フレンダ「だから、麦野……。お願い!」

麦野「イヤよ」

フレンダ「……え。ど、どうして?」

麦野「当然でしょう。アンタは死んだとはいえ……」

麦野が言おうとした瞬間。窓側から、青色をしたペンギン――プリニーがミサイルのように数体が飛んできた。
舌打ちをした麦野は緑色の光線で撃ちぬいたが、二体ほどは部屋の箇所にあたり爆発をした。
爆発により轟音と火の手が上がる。
その音と熱で、ベダンダ側が背にあるソファーで寝ていたフレメアは目を覚まし身体を起こす。
ちょうど外から金髪色の髪が見えた。

フレメア「ん。にゃあ。なにご、え……」

???「みーつけた♪」

フレメアの幼い身体から真紅の魔槍が現れ、口元と傷口から鮮血が流れる。
後ろには、赤い髪を左右で括り、露出度の高い黒い服をきた少女……エトナが、青筋を浮かべ、残虐な笑みを浮かべて立っていた。

エトナ「よくも私の金をプリニーの分際で持ち逃げしてくれたわね!」

プリニー「あの~、エトナ様? その娘は別人みたいっスよ。エトナ様の標的はアッチッス」

エトナ「あ、そうなの? 後ろ姿が似てるから間違っちゃったじゃない」

そう言いエトナは、フレメアの身体からエルダースピアを抜いた。
抜いたことでフレメアの身体は地面に倒れ、鮮血が床を濡らしていった。

フレンダ「――あ、ああ、フレメア、フレメアァァァァァ!!」

フレンダは慌ててフレメアの元へと駆け寄る。
呼吸は僅かにしているが、致命傷には間違いなかった。急ぎ手当をしないと、確実に死ぬ。
フレメアを刺した張本人であるエトナを、フレンダは殺意を持って睨みつける。

エトナ「なにその目。言っとくけど、その子が死んだのはあんたの自業自得よ」

フレンダ「自業自得! なにを……っ」

エトナ「プリニーの分際でまともにお使いができずに私の金を持ち逃げ。きちんとお使いをして、お金を持ち逃げしなければ、こんな事にならなかったわ」

フレンダ「――っ」

そこでフレンダは思い出した。
公園であった時、神の一部に言われたことを、思い出した。
――可哀想なフレメアちゃんです。姉が暗部なんてのに関わったために、殺されることになるなんて――
フレメアが暗部に狙われたのも、フレメアが殺されたのも、全部は……。

浜面「ふっざけるな!!」

浜面は果敢にもエトナに素手で立ち向かおうとする。
手に持つエルダースピアでエトナは、浜面を突き殺そうとする一瞬。
絹旗は浜面を殴り、エルダースピアが突かれる位置から退かした。だが、絹旗の脇腹付近を掠った

絹旗「ッッッッ」

滝壺「はまずらっ。きぬはたっ」

絹旗「……窒素装甲が刃物で破られるなんて、どれだけの。あ、ッッう」

麦野「テメェェ――」

「原子崩し」で麦野がエトナを殺そうとした時。異変が起きた。
突如として現れた黒い靄のようなものがエトナを包み込み、フレメアの死で呆然としたフレンダはゆっくりと立ち上がる。
そしてエトナへ手を向けると、黒い靄は徐々に小さくなりフレンダの身体の中に入っていった。

プリニー「え、エトナ様が――吸収された、ッスか?」

フレンダ「あは、あはは、アハハハ――ハハハハハハ。こんな、こんな世界!」

フレンダ「あああああああああああああああああああ!!」

絶叫。
同時に、フレンダの身体から禍々しいまで魔力が噴出した。
そしてフレンダの身体は少しずつ変わっていく。
金髪の髪は銀髪へと変色
白い肌は褐色の肌へと変色。
まるで反転したようだった。
伸ばした手には、光の粒子が集まり、エルダースピアを現れる

麦野「フレ……ンダっ!」

フレンダは麦野達の方へ向くと、狂気な笑みを浮かべ、掌に野球のボールほどの大きさの混沌の塊を出した。
そしてそれを地面に向けて落とす。
目が眩むほどの閃光と衝撃、そして強力な爆発が起きたのだった。

同時刻。
500メートルほど離れた学生寮に佐天涙子は、パジャマから私服へと着替えていた。

佐天(神の一部)「花飾りの子よりも、この子が馴染む。やはり名に、天を佐けるの文字があるからかな」

カーテンと窓を開け、フレンダ達がいるマンションの方を見た。

佐天(神の一部)「予定とは少々違うことになりましたが、……無事に恐怖の大王が起動したように何より何より」

佐天(神の一部)「とはいえ、ヴァルバトーゼ君や新党・地獄の面々が黙っているとは思えない」

佐天(神の一部)「しかし世界(モノガタリ)は、終幕へと近づいているのは確か」

佐天(神の一部)「確実な終わりを迎えるために、恐怖の大王システムが起動した以上、少しは表に出るとしようか」


第03話[神・恐怖の大王 -覚醒- 【終】]

【次回予告】(※これはディスガイア式の次回予告です)

フレンダ「絹旗。生意気なところもあったけど、アイテム時代は助けてくれたこともあって嬉しかった」

絹旗「フレンダ……」

フレンダ「滝壺。浜面とずっと仲良くしてほしいわけよ」

滝壺「……うん」

フレンダ「浜面。もし滝壺を泣かせたら祟ってやるわけよ」

浜面「――あ、ああ。滝壺は絶対に泣かせない!」

フレンダ「麦野。ごめんね。あの時、裏切ろうとして。それを謝りたかったわけよ」

麦野「……フレンダ。私は、」

フレンダ「……」フルフル

フレンダ「絹旗。滝壺。浜面、麦野。また会えて、本当に嬉しかったわけよ!!」

フレンダ「これからも、元気で、ね」

フレンダ「次回」

フレンダ「フレンダ(プリニー)「学園都市……私は還って来たって訳よ!」 最終回 」

フレンダ「世界は終わり。そして始まる世界」

今回はここまで。

魔界戦記ディスガイア4Returnが発売になるまでに終わらすとか太い事言っておいてなんですが、終わりそうにないです。
3月までには終わらせる予定なので、もうしばらくお付き合い下さい。
リクエストの分は、フロン登場時にしたいと思います

鮭派鯖派鰯派で抗争起きそう

乙です

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