ジュリア「あたしがかわいいという風潮」 (6)

ジュリア「プロデューサーとしてはどう思ってんだ?」

グリP「大いにアリだと思います」

ジュリア「くぅ…」

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大いにありだと思います

ジュリア「あたしとしてはもっとこう、かっこいい路線もいいと思うんだけど…」

\そうですよジュリアちゃんはかわいい路線で行っても誰も得しないよ!/

グリP「雪歩は黙ってて!」

ジュリア「確かに手違いとはいえアイドルになったからには、多少はかわいかったりしなきゃいけないのは覚悟してたさ。けど流石にここまで押してくるとは思わなかったよ」

グリP「俺は最初から可愛い路線で行こうとしてたぞ。一目見た時から『この子はかっこいいところを押すよりもかわいいところを押した方がいい』って決めてたしな」

ジュリア「くぅ…そこまで言われると照れるな…」

グリP「それにな、ファンが求めてるのは『かわいい』ジュリアなんだ。初ステージの狼狽えてた姿を見てファンが激増したと言っても過言ではない」

ジュリア「そりゃ狼狽えるさ…。事前に知らされてたとはいえ、初めてのステージでいきなり歌えるもんか…。育と星梨花は年のお陰かあまり緊張してなかったし、エミリーは裸足にブーツ、オマケに歌は正座でステージ成功させてたしな」

グリP「なんかジュリアがマトモに見えてきた」

ジュリア「そりゃ前の三人がホイホイ成功してたらプレッシャーもつくぜ…。まあ楽しかったけどな」

グリP「お陰でファンも増えたことだしな」

ジュリア「って話題逸らすなよプロデューサー。なんでかっこいい路線がダメかって話だろ」

グリP「それは俺がかわいいジュリアを見たいからだ」

ジュリア「…アンタ、言ってて恥ずかしくないのか?」

グリP「正直恥ずかしいです」

ジュリア「言わなきゃいいのに…」

グリP「まあ俺の中にはジュリアトップアイドル計画がだな…初めの方だけある」

ジュリア「へぇ、聞かせてくれるかい?」

グリP「まず初ステージな。初ステージでもクールにビシッとキメる才能のある女の子…のイメージを客に与えたかったが、まあ現実は真逆のおっちょこちょいな面を見られたけど」

ジュリア「わ、悪かったよ…あの時は本当に緊張で…」

グリP「逆に効果覿面だったから結果オーライだ。で、次は春の野外音楽フェスだ。ジュリアにはギターを担当してもらったな」

ジュリア「まあ得意だしな、ギター。ああいう仕事なら大歓迎なんだが。しかし杏奈もよくベース練習したと思うよ」

グリP「楽器経験者からしたらどうだったんだ?」

ジュリア「すごいと思うよ。飲み込みの早さが半端なかった、もう一回組んでやりたいね。あ、でも和太鼓はちょっと…」

グリP「エミリーがどうしてもって言うから…」

ジュリア「っと、そうだった。それで春のフェスではどういうイメージを着けようとしたんだ?」

グリP「かっこいいジュリアだな。丁度初ステージでは恥ずかしがってるところを見せたから一度イメージを変えてファンに『かっこいい』という印象を与える。これは後のアリーナ、サッカーで大きな衝撃を与えるための準備だな」

ジュリア「…なんかいいようにプロデューサーの掌で踊らされてるな…」

グリP「まあまあ、実際ランキングで2位にまで上がれたからいいじゃないか」

ジュリア「で、アリーナではどうしたんだ?聞かなくても分かるけど」

グリP「その前にアイドルキャッスルがあったろ?」

ジュリア「忘れてた…あの衣装はあたしとしてはどうかと思う」

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