淡「サキー昨日変なコイン拾った」 (49)

淡「お金だと思ったらコインだった」

咲「どんなコインなの?」

淡「えーと、これこれ」

咲「うわー淡ちゃんすごいよ! このコインは願い事を三つだけ叶えてくれるコインだよ!」

淡「そんなコインあるわけないじゃん!」

咲「だってこの本に書いてあるよ?」

淡「ほんとだー。じゃあ試しに一個だけお願いしてみよー」

咲「どんな願い事するの?」

淡「んー、どうしようかなー……悩むなー」

咲「自分が欲しいものでいいと思うよ?」

淡「今はサキが欲しい!」

咲「……何も起きないね」

淡「ほらー!やっぱなにも起きないじゃん!」

咲「おかしいなー本に書いてあるのに……」

淡「もーいいから買い物行こうよ!」

咲「それもそうだね」

淡「よーっしプリクラとるぞー」

咲「プリクラとか初めてとるなぁ」

淡「そうなの? いまどきの子にしては珍しい」

咲「だって私基本外出しないから」

淡「あー、そういえばなんかあれでしょ? 東京に来てご飯食べて寝て一日過ごしたらしいね!」

咲「それは言わないでよー」

淡「まぁプリクラなら私がしっかりと教えてあげるよ!」

咲「期待してるよ?」

淡「お任せあれ!」

咲「うわーうるさいねー」

淡「ゲームセンターなんてそんなものだってば!」

咲「早くプリクラ撮って終わろうよ」

淡「えーほらあのUFOキャッチャーにある人形かわいいよ?」

咲「確かにかわいいけどうるさいところは嫌いなの!」

淡「サキは甘えん坊だなー」

prrrrr prrrrrr

咲「あっ、電話だ。ちょっと待っててね」

淡「早くしてね」

咲「今からプロとの試合ですか?」

淡「えー遊ぼうよー」

咲「お姉ちゃんの代役? 私しかいないんですか?」

淡「え? なになに? 試合行っちゃう系女子なの?」

咲「あ、わかりました。すぐ用意します。ってことになったんだけど」

淡「もーサキのバカー!」

咲「あっ淡ちゃんちょっと待ってよ」

淡「待たないよバーカ!!」

咲「あー行っちゃったよ……」

咲「確かに私も悪いことしたと思うけど生活かかってるし……」

咲「試合いこ」

咲「うん、うん試合終わってから謝ろ……」

淡「むぅ……少しくらい引き留めてもいいのにさー」

淡「この後どうしよっかな」

淡「あーもーイライラするー! サキのバカー! バカたれー!」

菫「おい、何を道の真ん中で叫んでるんだ」

淡「あっ菫……先輩」

菫「全く元・白糸台の大将が恥ずかしいと思わないのか?」

淡「いいんですー! 別にもう白糸台じゃないんで関係ないんですー!」

菫「お前な……」

淡「なによ? なにか文句でもあるの?」

菫「あーわかったわかった。文句なら聞いてやるから飲みに行くぞ」

淡「別に文句なんてないけど……」

菫「じゃあ私の文句でも聞いてくれ。主に照関係のな」

淡「なに? 捨てられたの?」

菫「捨てられるわけないだろ……多分」

淡「よっし! 菫の失恋話でも聞いてあげるよ!」

菫「だから失恋してないって言ってるだろ!」

淡「うんうん、そういうことにしといてあげるよ」

菫「っち。お前だって咲ちゃんに捨てられてるだろ」

淡「は、ハァ!? 別に捨てられてないし? 別に捨てられてないし?」

菫「なんで二回言ったかは知らんが動揺しすぎだろ」

<ナンヤアイツラサワイデンナー

<ミチバタデサワグノハスバラクナイ

菫「……飲み屋行くぞ」

淡「うん」

淡「プハー! もう一杯!」

菫「おいおい、飲みすぎだろ」

淡「いいのいいの! それでねーサキったらねーホラー映画見たら寝るときいつも一人だと怖がるんだよ?」

淡「それがかわいいのなんのって!」

菫(なんで私こいつのノロケ話聞いてんだろ)

淡「でも、最近サキが冷たいんだよねー……」

菫(お? やっと愚痴か? ノロケ話終わったのか?)

淡「あーあー……サキなんて私の目の前からいなくなればいいのに……」

菫「おいおい、それは言っちゃいけないだろ」

淡「冗談に決まってるじゃん! まぁいいや、話せてすっきりしたし帰る!」

菫「あ、おい! まだ私の話を聞いてもらってないぞ!」

淡「少し遅くなったなー」

淡「ただいまーってあれ? 真っ暗? サキー居ないのー?」

淡「まだ帰ってきてないのかな? まぁいいや帰ってくるまで待っとこうと!」

淡「さてさて、面白い番組ないかなー」

<今日の九時頃20歳前後と思われる女性が通り魔に襲われ……

淡「うっわー……サキ大丈夫かな? 電話しよっと」

淡「……あれ?出ない?」

淡「えっと、今日サキが行った試合はテルーの変わりだから」

淡「あっもしもし?大星だけどサキはもう帰りました?」

淡「え?帰った?わかりましたー」

<女性は意識不明の重症で意識を取り戻さないようです

淡「ど、どどどどどうしよう! サキじゃないよね?」

淡「もう一回電話! 電話しないと!」

prrrr prrrr

淡「もしもし大星ですけど!」

憩「やっと繋がったわー……すぐ荒川病院きてな」

淡「もしかしてサキ? サキのことなの?」

憩「あーせやね……詳しくは病院来てから話すわ」

淡「サキは生きてるよね?」

憩「まぁ何とかって感じやね。はよ来てね」

淡(もしかして私があんなこと言っちゃったからな……)

淡(なんでよ……私冗談って言ったじゃんか……)

憩「大星さんはよしーや」

淡「サキー……」

憩「まぁ、今は絶対安静ってことやから病室から出ようか」

淡「……うん」

憩「あんまり気ぃ落とさんようにな? 別に淡ちゃんのせいやないんやから」

淡「私のせいだよ! 私がサキに目の前から消えてほしいって言ったから!」

憩「ちょ、ちょっと落ち着きーな。 今日は家に帰ってゆっくりしとき?」

淡「ゆっくりなんてできる訳ないじゃん!」

憩「それでも焦ったってしょうがないやろ? ほら、家に帰ってはよ寝とき?」

淡「ぐぬぬ……」

淡「何が願い事叶えるコインなのよ。 私の願ってないことばっか叶えちゃってさー」

淡「ふざけんじゃないわよ……こんなコイン海に捨ててやる!」

淡「……帰ろう」

淡「あーあ、これ全部夢だったらうれしいなー」

淡「朝起きたらサキがいて、ご飯作ってくれて笑顔で笑いかけてくれて」

淡「それでいっぱい楽しい時間過ごすんだ」

淡「朝か……」

淡「現実ってわかると辛い」

淡「はぁサキのお見舞い行こうっと」

淡「封筒? 誰からだろ?」

淡「は? なんで? なんでなんでなんで? なんでコインが入ってるの?」

淡「捨てたでしょ! 海に捨てたじゃん!」

淡「なによ……3つ願い事叶えないと消えないわけ?」

淡「あーじゃあいいわよ。叶えてよ私の最後の願い」

淡「何でも願い叶えれるなら戻してよ。私がサキと遊ぶ時間まで戻して見せてよ」

淡「……なんだ、やっぱり無理じゃない」

prrrrrrr prrrrrrr

淡「もしもし?」

咲「淡ちゃんー、今どこにいるの?」

淡「あ、あれ? サキ? 怪我治ったの?」

咲「怪我なんてしてないよ? それより淡ちゃんが外で待ち合わせしたいって言ったからファミレスで待ってるんだけど」

淡「えっと、今何時何分?」

咲「えーっと、午前9時過ぎだよ」

淡(あれ? 戻ってる?)

咲「おーい、どうしたの淡ちゃん」

淡「何でもないよ! それじゃ今すぐ出かけるね!」

咲「もー早くしてよ? 一時間過ぎてるんだから」

淡「わかってるってば!」

淡「そういえば私財布にコイン入れてたよね……」

淡「……ある? ある!」

淡「ちょっと待って……このコインの力をもっとうまく使えば……」

淡「サキと永遠にいちゃいちゃできるじゃん!」

淡「でもやっぱりもう疲れたし願い事は適当に叶えよー」

淡「えーと

この後も私とサキは幸せに暮らしました!

めでたしめでたし

カン!」

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