モバP「空飛ぶウサミンロボ」 (36)


 書きためてあるので淡々と落としていきます

 突っ込みレスとかは歓迎します


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 シンデレラプロは慢性的な人不足である。
 なにしろ、アイドル達が自主的にレッスン先や仕事場へ移動しなければならないくらいなのだ。

モバP「人手増やしましょうよ」

ちひろ「それくらいの稼ぎはあるんですけどね」

モバP「それじゃあ……」

ちひろ「人事権は社長ですから」

モバP「……」

ちひろ「プロデューサーに相応しい人材がいないそうですよ」

モバP「そこは仕方ないとしても、せめて雑用係とか、皆を送迎する係とか」

 
モバP「アイドルだけだと何かと物騒ですよ、最近は変なファンだっているみたいだし」

ちひろ「ちょっと考えてみましょうか」

モバP「人手を増やすんですか?」

ちひろ「増やさない方向で」

モバP「何故?」


 ……数日後


晶葉「というわけで、ウサミンロボを改造してみた」

 
モバP「日頃から晶葉は凄いなぁと思っていたけれど……」

晶葉「ふむ」

モバP「これ、明らかに地球文明のテクノロジー越えてね?」

晶葉「ウサミンのテクノロジーを提供してもらった」

モバP「パネェな、ウサミン」

 ウサミンロボ。団子を配る機能とバックダンサー能力を持ったお月見専用ロボ。
 しかし、それはあくまでも表向きの話だった。
 某ウサミン星人によって持ち込まれたウサミン科学は、地球の科学者池袋晶葉によって既に解析されていた。
 そのオーバーテクノロジーによって産まれたのが、ウサミンロボである。

 ウサミンロボは多忙な事務員、プロデューサーに代わり、一部の業務をこなすほどの能力を秘めていたのだ。

 
晶葉「武装は竹槍にしておいた」

モバP「なんでだよ」

晶葉「先端を鈍らせてあるから、非殺傷で攻撃が可能だぞ?」

モバP「なんかないのか、スタンガンとか」

晶葉「ウサミン科学を兵器に転用することは固く禁じられてしまったのでな」

モバP「ああ、それで地球製の竹槍……って、地球にだって竹槍以上の武器はいっぱいあるだろ!」

晶葉「そうは言うが、ウサミンロボのスペックだと、下手な銃器刀剣類よりシンプルな竹槍のほうが捗るぞ」

晶葉「例えば……都バスの暴走程度なら、ウサミンロボは竹槍で阻止できるからな」

光「エクシードラフトでも幼稚園バスの暴走を止められなかったのに!?」

 

 ……数日後


ちひろ「最強ウサミンロボ軍団がいる限り、ウチのアイドルの身辺警護は万全ですね」

モバP「というか、事務所の前に竹槍構えたウサミンロボが二機立ってるって絵面が凄いんですけれど」

モバP「時々、『ウサ、ウサ』って呟いてるし……」

ちひろ「警備員ですよ」

モバP「不審者が来たら突くんですか?」


ちひろ「大丈夫ですよ、竹槍の先端は鈍ってますから」

ちひろ「そもそも突かずに、殴りますから」

モバP「竹槍の意味ねーな」

 ウサウサ

文香「それでは、レッスンに行ってまいります」

ちひろ「いってらっしゃい」

モバP「気をつけてな」

 ウサウサ


モバP「……文香の前後を、竹槍担いだウサミンロボがキャタピラできゅらきゅらと……」

ちひろ「万全のボディガードですね」

モバP「そこらの悪党じゃ、太刀打ちできませんよ」

???「フッフフフフフッ! 果たしてそうかしら?」

ちひろ「誰っ!?」

モバP「なんだ、麗奈か」

麗奈「ウサミンロボは空からの敵には弱い。アタシなら、ウサミンロボを空から攻めるね!」

ちひろ「一理ありますね」


モバP「いや、空から襲ってくる悪党って何だよ。一介のアイドルをそこまでして襲ってくる奴が何者だよ」

ちひろ「備えあれば憂いなし、ですよ、Pさん」

楓「」

モバP「なんかショック受けてる人が」

麗奈「備えあればう【れいな】し?」

楓「くっ……」

モバP「そこかよ」

 

 ……数日後


晶葉「ウサミン推進システムの解析と複製が先日完了した」

モバP「その推進システムを使えば空が飛べるんだな」

晶葉「空飛ぶウサミンロボが、背中からアイドルを掴んで飛んでいくことになる」

晶葉「これから最終実験、その後、実際に人間と一緒に飛んでみる予定だ」

幸子「なんでボクが呼ばれてるんですか?」

モバP「可愛いからだ」

幸子「それは仕方ないですね、ボクはカワイイですからね!」


ちひろ「あ、最終実験場の映像が入りましたよ」

幸子「あの、それからですね。どうしてボクはパラシュートを背負わされているんですか?」

モバP「幸子にはこの後、空飛ぶアイドル第一号としてウサミンロボと一緒に飛んでもらう」

幸子「え」

ちひろ「最終実験が始まりますよ」

晶葉「実験は、推進システムの稼働実験だ。実験場にスタンバイしているウサミンロボには既に推進システムが装備されている」

幸子「背中に翼がありますね」

晶葉「ウサミンジェットスクランダーだ」


モバP「ウサミンロボの前にマネキンが置いてあるな」

晶葉「実験だからな、ダミー人形を準備してある」

幸子「マネキンにボクの写真が貼ってあるんですけど、アレは一体」

モバP「幸子はカワイイからな!」

幸子「それは仕方ありませんね!」

晶葉「ウサミンロボが幸子を掴んだぞ」

幸子「今、幸子って言いましたよね?」

晶葉「3、2、1、0! ウサミン推進システム作動!!」






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幸子「フギャーーーーー!?」

晶葉「待て! よく見るんだ!」

モバP「おお、あれは!」

ちひろ「まあ」

幸子「え?」

晶葉「ウサミンロボは無事だ!」

モバP「さすがウサミン科学!」

ちひろ「凄いですね」


幸子「ダミーは!? マネキンは!?」

モバP「無惨に木っ端微塵だな」

幸子「フギャーーー!!」


 ……数日後


 幸子は無事飛んだ。

幸子「これ、スカートの中見えちゃいますよ! Pさん!! Pさんっっっ!!!」

 
 空飛ぶウサミンロボは二機編隊となった。
 一機はアイドルを飛ばす。
 もう一機は、アイドルの下を飛んでスカートを抑える係。 

晶葉「……ズボンを穿けばいいだけのような気がするんだが」

モバP「!!」

ちひろ「!!」

幸子「!!」

晶葉「まあどっちにしろ、一機は移動用、もう一機はボディガード用だからな」

 
 二機目は竹槍を構えて飛ぶことになった。

モバP「竹槍好きだな」

晶葉「ウサミンロボの標準装備にしようと思う」

 空飛ぶウサミンロボに対するアイドル達の意見は……

 思ったより乗り心地(抱かれ心地?)が良い。
 空を飛ぶのは気持ちいいのでごぜーます。
 愚民が小さく見えるのサイコー!!
 にょわ〜☆

 など、存外に好評だった。
 
 しかし、一部アイドルからはクレームが。


かな子「ウサミンロボに運ばれていると、カラスに襲われます」

みちる「ふもっ……ハトにも……ふごっ」

法子「アレは何とかしてください」

モバP「……ということらしいが」

晶葉「心優しいウサミンロボは野生動物には手を出さないからな」

モバP「この前、卯月に近寄ろうとした行きすぎたファンが30機くらいに囲まれてタコ殴りされてたぞ」

晶葉「それは、ほら」

 
 
 


   悪漢共に

         ウサミンロボの慈悲は

                       無用

 
 
 
 


モバP「パネェな、ウサミンロボ」

晶葉「パネェんだよ」

モバP「しかし、どっちにしてもその野生動物にアイドルが襲われる事態は避けたいんだが」

晶葉「とにかく、状況を確認してみよう」

モバP「どうやって」

晶葉「ウサミンロボにはドライブレコーダーが装備されているから、その映像を確認するんだ」

モバP「なるほど」

晶葉「では早速。かな子を運んだウサミンロボ、ちょっと来てくれ」


 ウサウサ
 キュラキュラ

晶葉「この子のレコーダーを見てみよう」

モバP「……」

晶葉「……」

モバP「おい」

晶葉「ん?」

モバP「これ、明らかに第三者視点なんだが。ウサミンロボとみちるが同時に写ってるじゃないか」

 
晶葉「凄いなぁ、ウサミン科学」

モバP「ウサミン科学なのか」

晶葉「ウサミン科学だ」

モバP「じゃあ、仕方ないな」

晶葉「うん」

モバP「……」

晶葉「……」

モバP「みちる、パン食ってるな」

晶葉「ウサミンロボに抱っこされて、優雅に空中食事してるな」

 
モバP「……そりゃ、ハト来るわ」

晶葉「あと二人のも見るか?」

モバP「かな子と法子か……」

晶葉「見るまでもないような気がするが」

モバP「どう考えても、ケーキとドーナツだよな」

晶葉「うむ」

 ビンゴでした。

 【ウサミンロボによる移動中は飲食禁止令】が出ました。


 そして、ウサミンロボによるアイドル警護が一般化した頃……

晶葉「隕石?」

モバP「ああ、テレビで言ってたな、地球の近くを通るらしい。かなりの天体ショーになるってさ」

モバP「天体ショーに合わせたライブってのを今企画中だ」

菜々「宇宙と言えば、ウサミン星。ウサミン星と言えば菜々ですね」

モバP「まあな」

菜々「菜々はいつでも準備万端ですよ」

モバP「そうだな、菜々を中心に……」


ちひろ「た、たいへんですよ!」

モバP「どうしました?」

ちひろ「隕石が!」

モバP「ああ、それなら今話していたところです。天体ショーの演出でライブを……」

ちひろ「それどころじゃないんですよ!!」

 隕石が爆発した。そこまでは単なる、希ではあるが単なる自然現象だ。
 しかし、それによって隕石の、一部が欠けた。
 割れたことによって、進路が変わってしまい、欠片が地球衝突コースに乗ったというのだ。

 現在各国が総力を挙げて隕石迎撃を協議中とのことである。

 しかし、地球の科学力で隕石回避が出来るのか、それもこんな短期間で。


晶葉「ウサミン科学なら……」

菜々「でも、さすがに時間が……」

晶葉「急ピッチでウサミン推進システムを量産、隕石に運んで軌道を変えよう」

モバP「間に合うのか?」

晶葉「間に合う間に合わないじゃない、間に合わせるんだ、なんとしてでも」

 ウサウサ

菜々「ん? どうしたの、ロボ? え? 握手? いいけど」

 ウサウサ


晶葉「ん? 私にも握手? どうしたんだ、一体」

 ぱしゅん
 ぱしゅん
 ぱしゅん

 菜々と晶葉、そしてちひろやモバPと握手を終えたウサミンロボが次々と飛んでいく。

菜々「どうしたの? みんな?!」

晶葉「……まさか!」


 同じ頃……

幸子「どうしたんですか? え? ボクと握手ですか? ふふふ、カワイイボクと握手をしたがるなんて、ロボもわかってきましたね」

きらり「にょわ? 握手だにぃ……ロボちゃん、きらりは応援してるにぃ」

杏「……んん? まだ早いよ、どうしてこんな時間に……んん? 握手? なんだか知らないけど……ん……」

仁奈「ロボさん、握手ですよ」

蘭子「星々の眷属よ、我と約定の拳を交わすか」(ウサミンロボさん、握手ですか?)

 ぱしゅん
 ぱしゅん
 ぱしゅん
 ぱしゅん
 ぱしゅん


晶葉「……各地のウサミンロボが次々とウサミンジェットスクランダーを展開している」

モバP「なんだって」

晶葉「……目標は……宇宙……例の隕石だ」

ちひろ「あの、皆から連絡が。ウサミンロボが握手をしては飛んでいってしまったと」

菜々「お別れの挨拶……?」

晶葉「……確かに、現状のウサミン推進システムを全て使えば隕石の軌道を逸らすことが出来るかも知れない」

晶葉「しかし、そんな無茶をやって、無事に戻ってこられるわけがない!」


ちひろ「そんな……」

菜々「ウサミンロボ……」

モバP「くっ……」

 隕石の軌道がかわり、地球は救われた。

 だけど、菜々は泣いた。晶葉も泣いた。モバPも。アイドル達もみんな泣いた。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 




 
 
 
 
 
 
 
 
  
 
 
 翌週、ウサミンロボたちはみんな無事に帰ってきた。


 ちょっと焦げてたけれど。

 ウサミンロボたちは今日も元気です。

以上お粗末様でした



ダミー幸子の爆発とハトにたかられるみちるが書きたかった

満足した

ウサミンロボにより地球は救われたのであった。


ウサミンロボ……素材はサイコフレームか何かか?



世界中のスパイに狙われることになりそうだな、ウサミンロボ

おつ
何回かウサミンロボが登場するSS見たことあるけど
もしかして同じ人かしら

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