【メイプルストーリー】【安価・コンマ】おかしな世界で生きる (132)

・人来るまでは様子見、自分のコンマでテキトーに進めます。誰か来て!!!!!!
・アーケインリバー以降の実装地域はやらないかやるとしても当分後、つーかエタるのが先かも
・記憶頼りなのでおかしなことになるけどそういう世界ってことで。覚えてない量産NPCの名前はもちろん各地域のレベル帯も確認したりしないぞ
・当たり前ですが、ゲームじゃできないことをするためのスレです


男「何度思い返しても、たしかに自宅でR1.0のRT3に挑み続けて寝落ちしたはず……なんだが」

男「気がつくと全方位をいい感じの木々に囲まれ、地べたの上に転がされていた」

男「この際ワープしてるのはまだいいとしても、こちとら寝間着だぞ寝間着。現代人に裸足で森を歩けと申すか」

男「でも周りに誰もいないんだもんなあ。何もしないのが一番ヤバかろう」

男「業腹である」


初エンカウントは? このレスのコンマ:
76~00 ポータル
51~75 デンデン
26~50 青デンデン
01~25 赤デンデン

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1660389021

男「おっかなびっくり、水場か人工物が見つからないかとまっすぐ歩いてみたが」

赤デンデン「」ノペノペ

男「あれは……赤デンデン!?」

男「とか冗談言ってる場合じゃないかもしれんな。本物ですよねアレ」

男「ひょっとして今触られたら死ぬのでは?」

赤デンデン「!」クル

男「独り言してたら気付かれちゃったよ。バカだねえ~~」

男「幸いカタツムリらしい足の遅さは健在のようだが、こっちは歩くことさえままならないんだよな」

男「あーもう誰か靴くれ靴」


逃走 このレスのコンマ:
ゾロ目 あったよ武器が!
76~00 開けた道に出た
51~75 どうにか撒けた
26~50 しつこい(1/3)
01~25 デンデンごときに挟み撃ちにされる屈辱

赤デンデン「!……!」ギロ

男「ハハハハハ、そこでよせいをすごすがよかろう」段差の上から見下ろし

男「まさか10センチ少々の段差を越えられないとはなあ」

男「それで無限に湧いてくるんだから大したもんだよ」

男「二度とそのツラ見せないでくれよな!」


男「……まあ、結局まだ歩くんですけどね」


あてもなく歩くとどうなる? このレスのコンマ:
76~00 人に会う
51~75 道に出る
26~50 日が暮れる
01~25 怪我をする

見てる

~FEW HOURS LATER~

男「これだけ歩いて腹が減ってこないのは幸いといったところか……むっ!」

男「これは……人が踏み固めた感がある道ですね」

男「赤デンデンがいたから、ここはメイプルアイランドかリス港付近でいいのかな」

男「開始地点って意味ならメイプルアイランドだと思うんだけど、その割にチュートリアルNPCとかいなかったからわからん」

男「それにつけても」チラ

デンデンたち「」ノペ……ノペ……

青デンデンたち「」ノペノペ

男「この光景を見て浮かぶ言葉が"一寸先は闇"というのも妙な話よ。クソザコナメ……もといカタツムリの分際でよぉ」

男「さて、見た感じ森が深くなる方向があっちだったから」指差し

男「町があるとすればこっちか?」指差し


~30 MINUTES LATER~


男「ありましたねえ分かれ道が」

男「遠目にちらちらっと建物が見えまして」

男「どう見てもアムホストとサウスペリです、本当にありがとうございました」

男「……いい加減人に会いたい。そして靴と食べ物が欲しい。人家のあるサウスペリへ行こう」

男「寝床はこの際安全なら路上でもいいが、とにかく靴が欲しくてたまらん」

男「靴がないとマジで何もできん」

男「……まさか門前払いにされたりしないよな?」



サウスペリで誰に会う? このレスのコンマ:
76~00 ルーカス
51~75 レイン
26~50 ピオ
01~25 夜中なので誰も外に出ておらず

>>4 やったああ あり~~~~~~


~メイプルアイランド北の村 アムホスト~

男「思ったより時間かかっちった……人里には着いたが、もう夜だな」

男「現代風の地域じゃないし、もしかしてとは思ったんだが」

男「だーれも出歩いてねーでやんの」

男「テレビの前のみんなは、夜分に見知らぬ汗まみれの人間が戸を叩いてきたらどう思うかな?」

男「そうだね、そっ閉じだね」

男「……しょうがない、テキトーな木陰で朝まで休むか」

男「幸い危険はない。デンデンや裏手のキノコ共は人里まで上がってこない、はずだ」

男「この辺りは歩きやすくて助かる」


↓1安価 男の実年齢と一人称(※現在の外見年齢はハイティーン)

↓1コンマ 睡眠
76~00 目が覚めると、ルーカスがいた
51~75 目が覚めると、レインがいた
26~50 よく眠れなかった
01~25 目が覚めると、曲刀を持ったマイが……

あ、実年齢っていうのはこの世界に来る前の年齢ってことです。
本人がまだ気付いてないだけで肉体が強制的にハイティーンになってます。
すみませんが再安価で……

↓1安価 真の年齢と一人称(24以上、昔のメイポをプレイしてた)

↓1コンマ ゾロ目出たのでなんかする
76~00 マイに惚れられる
51~75 ルーカスから装備を貰う
26~50 ピオに靴と服を貰う
01~25 実はここに来るまでにメルを拾っていた

~NINE HOURS LATER~


お日様「」ペカー

鳥さん「チチチ……」

男「ハハハ眠れなんだわ。辛い」グテー

男「まあ……現代人がいきなり野宿に適応できるはずもないわな」

男「幸いというべきか、適度に涼しかったから、余計に疲れはせずに済んだ。それだけよしとしよう」ノッソリ

男「さて、起きてきた村人はいるかな?」ペタペタ


~TEN MINUTES LATER~


男「ゲームのマップそのまんまってほど壊滅的に人がいないわけではないのか」

男「人家が思ったより多い」

男「それでいて起き抜けに薪割りとかしてそうな雰囲気がバリバリなんだが……」

男「まだ外に人がおらぬ。早すぎたかな」

男「眠れなかった間も人の動く気配はなかったし、既に村の外にまで出たってこたないと思うが……」

男「村の中はざっと見たわけだ。一旦お外の様子も確認してやろうではないか」

~アムホスト付近の森~


男「しかしねぇ、逆に外へ出るとして、バカ早い時間帯に港へ行く用事というのも恐らくはないのだから……」

男「というわけで、最初来た道とは別の方へ出てみたぞ。……むっ」

男「あれは……第一村民!?」


マイ(この辺りのデンデンたちは狩り尽くしたかしら……)※男の視線数十メートル先

マイ(薪も集まったし、帰りましょう)カゴを背負い


男「赤のチャイナっぽい服、腰に曲刀。そして茶髪のツインテール……いや厳密な髪型の分類は存じ上げないけれども」

男「あれはメイプルアイランドで実質最強と思われる戦士……戦士? のマイ殿とお見受けしたねえ!」

男「初心者案内役のNPCだし、同じ人なれば悪いようにはされまい」

男「……呼ぼうにも喉のコンディション的に大声を出せぬので、歩いて出向くとしよう」ペタペタ


男(……というか、平面でもないし二頭身でもないんだな。こういうのを何と言うんだったか。2.5次元?)

男(作画故のマスコット的かわいさなどが抜けており、いち女性として美形であるといえよう)

男(だがそんなことより乞食ムーブだ)

男「すみません、少しお時間よろしいでしょうか」

マイ「……? 見かけない顔ね。ビクトリアアイランドから来た人?」

男「いえ、信じて貰えるかわからないのですが、気がつけば森の中にいまして、長いこと彷徨ってようやく村を見つけたのです」

男「見ての通り、身を守る物も先立つ物もなく」E:汚れたパジャマ

男「どこか、働きながら衣食住を賄える所などご存知ではないでしょうか?」

マイ「……」ジロ

男(む? こちらを見て考え始めたぞ)

男(チュートリアルの概念はないのか? 冒険者は森から生えてくるものということになってるはずだが)

男(……いや、思えば初期装備になっておらぬ。ゲーム通りならシャツと半ズボン、そして長靴かサンダルに武器を一本のはずだからな)

男(いろいろゲームとは勝手が違うのだろうか。そうなるとますますもって死ぬのが怖いではないか)

マイ「まずは体を綺麗にして、一息ついた方がいいわね。ひどい顔してるわよ、あなた」

マイ「ちょうどこれからお風呂を沸かすところだったから、うちに来るといいわ」

男「お言葉に甘えます。ありがとうございます」

男(よかった、親切なのはそのままだった)



↓1安価 男が名乗る名前
※実名かキャラ名かも添える。実名なら漢字フルネーム
※キャラ名は自由だが、半角12文字まで(全角文字は2文字としてカウント)、アラビア数字不可
※いずれにおいても名前をそのまま「男」にするのも可能

~マイの家~

男「失礼します」

マイ「お風呂はあっちよ。火は起こしてあるから、さっさとそこのスリッパ履いて行きなさい。そのまま上がられると床汚れるし」

男「えっ? 確かにさっき火は起こされてましたが、もう入れるんですか?」

マイ「? そうよ? あ、湯船に入るなら体を洗ってからよ。後でわたしも入るんだから」

男「承知しました」

マイ「じゃ、雑貨屋であんたの着替え買ってくるわ。安い古着だから、期待しないように」スタスタ

男「ありがとうございます」


男「開け冥界の門」ガラッ

男「うーわ湯気立ってるよ。ホントに沸いてやんの」

男「それに、火を焚いて湯を沸かす割には湯船が妙に洗練されている。シャワーまで!」

男「まあツッコみ無用か……おや」

鏡の中の男「」

男「」

男「声に違和感があるのは体調とかそのようなアレだと思っていたのだが」

男「これは拾六、七ぶんの俺ではないか。微妙に世界観フィルターがかかっているが」

男「まあまあよかろう。得をしたと思うことにする」

男「では失礼して」キュッ ザー

男「アットゥイ!!」

~TWENTY MINUTES LATER~

男「長湯するのも悪いと思って早めに出てみた」ガラッ

男「スリッパも洗っておきました。玄関の足拭きマットにも限界というものがある。すまないことをした」

男「そしていい湯であった。このように血の巡りがよくなることで、眠気が薄らぐことがわかります。いやまだ眠いは眠いんだがね」

男「着替えは……この紙袋か」ガサゴソ

男「下着と、動きやすそうなトレーナー上下。古着と聞いたが、下着はどうも新品のようだ。ありがたい……」

男「リビングへ呼びに行こう」ペタペタ


男「マイさん、お風呂いただきました」E:トレーナー

マイ「あら、もう少しゆっくり入ってくれてもよかっ――」

マイ「!!?」ピシッ

マイ(あ、あれ!? 外で会った時は別になんとも思わなかったのに……)

男「どうかされましたか?」

マイ「……な、何でもないわ」

男(という台詞を吐いて本当に何でもないことがあろうものか)

マイ「お腹も空いてるでしょう。果物を切っておいたから、わたしがあがるまでに食べておいて」スック

マイ(やば、顔見れない!!)タタタ


男「早口であったのう。顔が赤かったのは気のせいだろうか」

男「こう……なんだろう。お膳立てされすぎた展開は逆に不安になるからやめて欲しいんだけれども」ペタペタ

男「で、確かにテーブルには果物とナイフ、そしてフォークが……むっ」

男「カットされたリンゴに混じってスライスレモン……?」

男「どういう……ことだ……」シャクシャク

男「このリンゴ、HPが回復する味がするね」

~FOURTY MINUTES LATER~


男(流石に手持ち無沙汰のまま待ちすぎて寝そうになったが、風呂上がりのマイに軽く事情を話した)

男(さりとて"メイプルストーリーというゲームが~"などと語れば【おいで病院】の女幽霊とお友達にされかねない。原作知識も口にできぬ)

男(よって話し合いは"元いた場所から突如飛ばされたらしい"ということの再確認と、この世界の地理等を多少教わった程度に過ぎなかった)

男(あとお互い自己紹介もした。俺は本名から"櫂"と名乗っておいた)

男(かってのメインキャラと同じ容姿なら迷ったけど、違うみたいだし)


マイ「それじゃあ、元の世界へ帰る手がかりを探すわけ?」

櫂「そうするつもりです。旅に出る目処が立つまでは、日銭を稼ぐことになるかもしれませんが」

マイ「一人じゃ大変でしょ? わたしも着いて行ってあげるわよ」

櫂「えっ、あの、流石にそこまでご迷惑をおかけするわけには」

櫂「船やタクシーで町から町へ行く分には、お金こそかかれど危険はないんですよね?」

マイ「この世界じゃ、お金を稼ぐのはモンスター退治が一番手っ取り早いの。こう見えても、わたしはそれなりに腕が立つのよ?」フフン

マイ「それに、島はずーっと平和だし。そろそろ村の用心棒もお休みして、旅行ってのも悪くないわ。あなたに戦いの手ほどきもしてあげられるしね」

櫂「は、はあ。ありがとうございます」

櫂(万年初心者島NPCが……妙なことになったな)

マイ「そういえば、さっき説明したこと、覚えてる? 5つの職業のこと」

櫂「細かく分けると14の職業ですね。大丈夫です」

櫂(今となっては馴染みすぎた知識だ)

マイ「今は5つの中からでもいいわ。なりたいと思う職業はある?」

櫂「そうですね……」

櫂(まあ、今のうちから先のことは考えておいた方がよかろうな)

櫂(とりあえず生存力高い職……というと、あれとあれか)



↓1安価 目指す職業を1つ選ぶ(使っていたキャラと同じかそうでないかを併記)
※有利不利なし、単なるキャラ付け程度
※ここにない職業は櫂にとって不安のあるものであり、候補にならなかった
戦士-スピアマン系 名の通り槍などを扱う。HP高めの戦士の中でもリーチと更なる固さを併せ持ち、攻撃力も高い
魔法使い-クレリック系 いわゆる僧侶とか賢者。聖属性攻撃と回復補助、短距離のテレポート、そして固い

↓1安価 かつて櫂のメインキャラはクレリック系(→ビショップ)だった?(特に有利不利はありません)

櫂(DKと聖魔は固い上に死亡時の自己蘇生ができるようにもなる。選ぶとすればそのどちらかになるが……)

櫂(慣れてる聖魔にしとくか。比較的単純な槍といえど、この手で武器を扱うのには不安があるし、聖魔は他者の蘇生もできるのが大きい)

櫂(……ビジターマジシャンシールドプレミアム……頑張って混沌で育てたなぁ……)

櫂「まずは魔法使いですね。二次転職はクレリックを考えています」

マイ「ふーん……? 戦士とか盗賊じゃないんだ」面白くなさそうな顔

櫂「同じく防御・生存能力に優れるスピアマンとで迷ったんですが、即効性のある回復魔法を使えるのが決め手ですね」

マイ「ほう。よく考えているようだね」感心

マイ「しかし、クレリックは攻撃能力が低い。わたしとグループを組んでいるうちはともかく、独り立ちすると厳しいよ」

櫂「承知の上です。頼りのマイさんに愛想を尽かされないよう頑張りましょう」

マイ「うっ……」ドキ

マイ(今の、ちょっと効いたかも)

櫂(いいように使うみたいで気が引けるなあ……むっ眠気)

櫂「ふぁ……っと、失礼」

マイ「そういえば、ろくに寝てないんだったね。来客用の布団……は随分ほったらかしだから、一度干さないとダメか」

マイ「わたしのベッドを使っていいから、ゆっくりお休み。話の続きは起きてからだ」

櫂「承知しました。ありがとうございます」ペタペタ


マイ(さて。布団を干したら、予備の剣と薬も持ってこないとね)

マイ(……旅、か。櫂と会うまで、考えたこともなかったな)


~おひるすぎ~


櫂(快眠にて復活し、マイの手作りビーフシチューに舌鼓を打った後、俺は村の外まで連れ出された。履物は革サンダルを用意してくれていた)

櫂(マイは刃を握らせて、デンデンを殺せと教えしや)E:剣

マイ「デンデンは世界で一番弱いモンスター、訓練にはうってつけだ。それでも、初心者が油断すれば怪我を負わされることもある」

マイ「武器を振るうときは相手から目をそらさず、思い切り振り抜くこと」

櫂「はい」片手で構え

デンデン「」ノペ……ノペ……


↓1コンマ 櫂の戦闘センス
76~00 技巧
51~75 不自由ない
26~50 人並み
01~25 危なっかしい

櫂「えい」ヒュッ

デンデン「」ガッ

デンデン「ピュ……」ドロ

マイ「そうそう、その調子。慣れてきたら青デンデンにシフトするよ」

櫂「はい」

櫂(なんか思ってたより剣が軽いし、普通に振り回せるな。これなら戦士でも案外やっていけたかもしれん)

櫂(とまれ、皆殺しだ)


~TWO HOURS LATER~


櫂(無言の斬撃)ヒュン

赤デンデン「ピュ」ドガッ ドロ……

櫂「あ。上がった」

マイ「おめでとう。これでレベル10だね」

櫂(狩り中にレベルアップしたからか、赤デンデンも普通に倒せるようになった。レベルアップのエフェクトとかは特になかったが、直感的にわかる)

櫂(昔は魔法使い志願者はSTRに振れないせいで1ダメしか出なくて、50回くらい殴らなきゃいけなかったんだけどな、赤……)

櫂(反面、魔法使いも一次転職必要レベルが8じゃなく10になってるらしく、結局この狩りにはそこそこ時間がかかってしまった)

櫂「よっ」殻ポイ

緑・青・赤の殻の山「」ガシャッ

マイ「デンデンの殻は二束三文もいいところだが、これだけあれば、薬代くらいにはなるかな」

櫂「船代じゃないんですか?」

マイ「わたしはこれでも島では偉い方だから。シャンクスに一言言えばタダで乗せてくれるはずだよ」

マイ「港の防具屋でデンデンの殻を下取りに出して、そのまま出発しよう」

櫂「えっ、今!?」

マイ「うむ。準備はちゃんと済ませてあるからね。村長にも挨拶しといたし、善は急げだ」

櫂「俺はしてませんが」

マイ「いいの! ほら」腕グイ

櫂「うおっとと」

~サウスペリ~


櫂(サウスペリまでは徒歩10分強といったところで、2時間程の狩りの直後にそれだけ歩いてもあまり気にならない自分の体力に驚かされた)

櫂(マイが何も言わない辺り、そのくらいは普通ということなのだろうか)

櫂「それにしても……うーん、デカい」

マイ「何が? ……ああ、船ね。初めて見るならそう思うのかしら」

櫂(大きな帆とは別にタルジェット的なものを装着し、船首の金色の女神像が広げた白い翼が空飛ぶ船であることを強調している)

櫂(そう、メイプルアイランドはいわゆる空島。よって船は空を飛ぶ。港から転落したら……などという無粋な考え事はよしておこう)

マイ「わたしたちにとっては船といえばサウスペリのあの船だから、特別大きいとか思ったことはないけどね」

櫂(さて、タラップのそばに来ると、青い海賊……というか貴族っぽい服の青年がひとり)

シャンクス「珍しいな、マイがここに来るなんて。それに、そっちは見ない顔だね」

シャンクス「俺はシャンクス。ルーカス村長よりメイプルアイランドとビクトリアアイランドを行き来する船を任された、船長だ」スッ

櫂「初めまして、櫂と申します」ガシッ グッ

シャンクス「何か訳ありなのかい?」パッ

マイ「そんなところ。あと、ちょっと長い休みを貰って旅行にね」

シャンクス「旅行? 島の静かな暮らしを気に入ってるんじゃなかったのか?」

シャンクス「ビクトリアアイランドに行ったのなんて、転職試験を受けるために2回出ただけだったよな」

シャンクス「どういう心境の変化があったんだ?」

マイ「なっ、なんでもないわよ。たまにはそういう時もあるってだけ」

シャンクス「へーえ」チラ

櫂「……」

マイ「なんでもないって言ってるでしょ! それとも欠航したいのかしら」柄に手をかけ

シャンクス「わかったわかった、そういうことにしといてやるよ」両手のひらを向ける

シャンクス(大人二人で300メルです、とは言えない雰囲気だなこりゃ)

シャンクス「15分の準備の後に船を出す。海に降りるまでは危ないから、船室を出ないようにな」

櫂「ちょうどいいタイミングだったんですね」

シャンクス「うん? ……ああ、違う違う」ハハハ

シャンクス「メイプルアイランドはあれこれの輸入を必要としないから、そんな頻繁には船を出さないんだ」

シャンクス「それで普段ヒマだから、逆にいつ船を出しても困らないってわけさ。気楽なもんだろ?」

櫂「なるほど」

櫂(現代人からすると考えられない労働観である)

シャンクス「さ、上がった上がった。あんまり下を見るなよ」

~シャンクスの船 船室~

櫂(船は中まで上等な木張りで、船室も備え付けのテーブルやベッドなどまで掃除が行き届いている)

櫂(ゲームでは船といえばただ待たされるだけの存在だったが、こうして実際に足を踏み入れて過ごすとなると、結構な贅沢をしている気分になる)

櫂(エリニア・オルビス間の船上でレッサーバルログに殺されたのも懐かしい。こっちにもいるんだろうか)

櫂「……そういえば、なんで相部屋なんですか? 他に乗客がいるわけでもないのに」

マイ「この先一緒に行動するなら、慣れておいた方がいいじゃない」

櫂「なるほど」

マイ(なんか櫂は平気そうだし、慣れたいのは主にわたしの方なんだけどね)

マイ(……今晩ちゃんと寝られるかしら)

~夜~


櫂(船はびっくりするくらい無事に海上へ降りた。海が穏やかだからか、それとも船がすごいのか、不快な揺れは感じない)

櫂(日が暮れるまでは甲板でマイに戦闘の手ほどきを受けたが、もう暗い)

櫂(シャンクス曰く、あえて時間をかけて進み、朝に到着するよう調節するらしい。船がゆっくりなので、釣りをする船員などもいた)

櫂(というか、今もいる。船室内はもちろん、外にも、多分魔法で光っているのであろう白いランプが備え付けられているので、それなりには明るい)

櫂(さて、驚くべきことに船内に入浴設備があったので、我々はホカホカ状態である。今はベッドに腰掛けて話などしている)E:パジャマ

マイ「櫂の元いた世界ってどんなところ?」

櫂「メイプルアイランドとは真逆ですね。忙しなくて、目がチカチカするかと思えば灰色で……」

櫂「物的な豊かさと心の豊かさは別だということを痛感するようなところです」

マイ「でも戻りたいんだ?」

櫂「家族や友人がいますからね」

マイ「家族……って、もしかして結婚してるの!?」ガタッ

櫂「いえ、所帯持ちという意味ではなく。両親です」

マイ「な、なーんだ……」ホッ

マイ「でも、確かにそうよね。櫂は何もかも元の世界に置いてきちゃってるんだ」

マイ「帰りたいのは当たり前かぁ」

マイ(帰れなければいいのに……なんていうのは勝手よね)

櫂「しかし、まずはこの世界でうまくやっていくことを考えるべきだと思っています。足元を疎かにしては先がありませんからね」

マイ「しっかりしてるのねぇ。わたしが同じ立場だったらきっと気が気じゃないのに」

櫂(現代人特有の現実逃避で培った悲しい適応能力であることを彼女は知らないのであった)

~朝~


櫂(朝、起こしに来たシャンクスに促されて甲板から行く先を望めば、もう陸が見えていた。高い山と、山以上に高い狂った森が突き出ている)

櫂(西の方にはビルなども建っているはずなのだが、まあ霞んでいる)

マイ「んー、何年かぶりでも変わらないねぇ」手をひさしにして欄干から身を乗り出し

櫂(ビクトリアアイランド……島と言うが、ちょっとした大陸だ。少なくともプレイヤーにとっては、主要な都市は5つしかない。加えて空白の一角は正義の海賊の根城になっている)

櫂(まあ他の地域もそんな感じなんやけどなブヘヘ)

マイ「お、どうしたの? 言葉も出ないって感じ?」ツンツン

櫂「そうですね。こうして船でどこかへ行くという工程のおかげか、今になって遠くへ来た実感が強くなってきました」

マイ「怖くなった?」

櫂「少し」

マイ「ふふっ。正直でよろしい」

櫂(それから程なくして、船はビクトリアアイランド南西の港――島の玄関たる"リス港口"に到着した)

櫂(青い海から線一つ跨げば、地中海沿岸風の真っ白な建物が立ち並ぶ港町だ)


~リス港口、船の前~


シャンクス「さあ、ここからが正真正銘、お前たちの旅の始まりだ」

シャンクス「世界は驚くほど広い。疲れたら、たまにメイプルアイランドまで顔を出しに来るといい」

シャンクス「櫂。その時お前がどんな冒険者になってるか、楽しみにしとくよ」

櫂「はい。ありがとうございました」

シャンクス「マイも達者でな。しっかりやれよ、いろいろと」

マイ「はいはい」

櫂(海沿いは漁師たちが大小様々な獲物を引きずり回している)

櫂(陸に目を向ければ、プレイヤーとして目にしたバカでかい看板の防具屋・雑貨屋の他、魚介系のレストランやホテルなどが目立つ)

櫂(ゲーム的な役割の薄い町だが、都市としての活気は結構なものだ)

マイ「それじゃ、エリニアへ向かおうか。転職しないままじゃ、ビクトリアアイランドのモンスターと戦うのはちょっと危険だし」

櫂「徒歩で……ですよね」

マイ「そう。といっても、人の通る道を伝っていけばポータルもあるから、見た目ほど長い道のりじゃない」地図パラッ

マイ「島の南半分は小さな村や町も多いし、食事や宿には困らないかな」

櫂「エリニア到着まではどのくらいかかる見通しなんですか?」

マイ「そうだな……スリーピーダンジョンに近づくとわたしでも櫂を守りきれないかもしれないし」スッ

櫂(メイプルアイランドで聞いたが、どうもこの世界にもリーフロードはあるものの、安全地帯ではないらしい。まーた過去と未来の鎌田が一つになってるよ)

櫂(仕様がまったく掴めない掴めない今宵)

マイ「ちょっと南の方に寄って……こうやって東のエリニアに着く感じだから」スー

マイ「櫂の足に合わせても10日ないくらいかな」

櫂「そ、そんなに」

櫂(タクシーでショートカットするのは味気ないのも確かだとガイアが囁いてはいるが……お現代人さまの歩く距離じゃない)

マイ「遠目にこの島を見た時から覚悟してたでしょ?」

櫂「まあ、はい。でも、マイさんが想像以上に軽く言ったので」

マイ「初めて一人でペリオンまで行った時は流石に苦労したけど、2回目は楽なものだったからね」

マイ(……それに、町に着くまで櫂と二人きりでいられるし)♪

櫂(人生楽しそうな顔だなぁ)

櫂「慣れるまでの辛抱ですね」

マイ「よろしい。さあ、出発だ!」オー



↓1コンマ 道中のイベント
76~00 寄り道してエウレルへ
51~75 レベルが上がった(2桁のうち小さい数字の分アップ)
26~50 ヘネシス郊外でピグの群れが……
01~25 エリン森で盗賊が……

↓1安価 ゾロ目出たのでなんかする
1.威力キープ(次のゾロイベントの威力を倍くらいにする)、盗賊出現なし
2.イベントキープ(しばらくすると特殊な盗賊イベントが発生する)、盗賊出現なし
3.エリン森で盗賊が落としたガシャチケを拾う櫂(1等1%・2等4%・3等25%・その他粗品のガシャを回す。粗品もそれなりの高級品)

櫂(こちらがピグやメイプルキノコ相手に一対一で対処するのがやっとのところ、マイの剣一振りで間合いのモンスター全てが沈む)

櫂(俺の足に合わせると言うだけのことはある。スキルも火力もない初心者には、たかがスラブラでさえ眩しい)

櫂(道の中途を切り開いたり均したりしたであろう小さな村を駅にして、俺たちは順調へ東へ歩を進めた)

~エリン森前~


櫂(そして今、俺たちは暴力的な高さの木々に圧倒されていた。その高さたるや、東京タワーなんざ目じゃないぜというものである)

櫂(幹が蔓のような緑色をしている木も多くて、葉がそれほど多くはないのに森全体が緑色をしている)

櫂(そこへ切れ間から陽の光が差し込む様を見てしまうと、秘境と表現する他ない)

櫂(にしても、どうしたことだろう。俺はともかく、マイが真上まで見上げて目を丸くしているのは)

櫂「マイさんもこちらに来るのは初めてなんですか?」

マイ「え? ……ああ」

マイ「ほら、ペリオンへ行くのには、西から北へ行く方が近いだろ。2回目はタクシーでリスから直行だったし」

マイ「昔はあんまり外に興味もなかったからね」

櫂「ストイックというか欲がないというか」

マイ「櫂や外の人にとってはそういうことになるのかな? 島育ちはみんな大体そうなんだけど」

マイ「そうそう。ここに住んでる妖精たちは、別の意味で外に隔意があるって話だから、あんまり近寄らない方がいいかもね」

櫂(人間嫌いの妖精に対するマイの懸念をよそに、エリン森の樹上村落はどこも落ち着いたものだった)

櫂(というか、単純に妖精の個体数が少ないのと、妖精の村と人間の村で分かれがちだった)

櫂(木の幹から直接水を汲む生活様式、バカみたいに高い場所で幅2メートル以上の木の枝を頼りに作られた生活空間などには面食らったが……)

櫂(2日目にはもう慣れていた)

櫂(それとなくエウレルへの道を探すなどしてみたりもしたが、何の成果も……得られませんでした!!!!)

~リス港口を出て9日後の昼、エリニア~


マイ「あれだね、ハインズ様のいる魔法図書館」

櫂「周りが周りなので、相対的に小さく見えますね」

マイ「いや、実際そこまで大きくないと思う。戦士の殿堂もそうだったし、転職官のいる施設はどれも大した規模じゃない」

マイ「エリニアは広さに対して住人が少ないみたいだしね」

櫂(確かに、外を出歩いている者はあまりいない)

櫂(が、エリン森の中心都市にあたるだけあり、人間も妖精も見られる)

櫂(……マルがおらぬではないか。昔なつかし隠しポータルか?)

マイ「そっちに何かあるの?」

櫂「いえ、何でも」

櫂(樹上ゆえに立体的な広さを持つ町を、吊り橋や縄梯子など使って上がっていく)

櫂(小さな村ではこのようなことにならないし、飛べる妖精には関係なかろうが、人間でここに住んでいるのは結構すごいのではないだろうか)

櫂(町のてっぺん近く……といっても森の木のてっぺんを思えば誤差の高さだが、そこに魔法図書館はありき)

櫂(マイに目で促され、俺が両開きの門を開いて、中へ踏み入った)

櫂(内部は、いかにも中世の図書館……というよりは大きな書斎という感じだった)

櫂(暗い色の木張りに、柔らかく薄明るい魔法のランプ。埃臭さはない)

櫂(吹き抜け二階建てであることを加味しても天井はかなり高く、それでいてお約束のように壁面は全て書架になっていて、こぼれ落ちたように床に積まれた本がそこかしこにある)


櫂(が、何より目を引くのは――)


ハインズ「おや、ようこそ。君は……魔法使いの道に興味があるのかな?」


櫂(その空間のど真ん中、空中に浮遊している小さな老魔法使いだ)

ハインズ「いや、失礼。初対面だったな」

ハインズ「私はハインズ。エリニアの長老で、志ある者が魔法使いになる手助けをしている」

ハインズ「隣のお嬢さんは……ほう、中々優れた戦士のようだな」

マイ「はい。わたしはメイプルアイランドから来たマイといいます」

櫂「同じく櫂です」

ハインズ「メイプルアイランドから! それは珍しい……」

櫂(珍しいのか)

櫂「魔法使い志望なんですが、大丈夫でしょうか?」

ハインズ「ふむ、レベルは足りている。既に気持ちは固いようだな。その熟慮や理知は、魔法使いに必要な素質の一つだ……」

ハインズ「しかし、今一度問おう。一度転職すれば、他の職業になることはできない。それを承知で、君は今魔法使いになることを選ぶのだな?」

櫂「はい。お願いします」

ハインズ「いいだろう。さあ、私の力の欠片を受け取りたまえ」櫂へ手をかざし、光らせる

櫂「……!!」ビクッ

櫂(カッと胸が熱くなり、風船が膨らむようにその熱が体の末端へ移動していく感覚)

櫂(それに続いて、俺は直感的に自分が魔法使いとなったことを理解した)

本「」ヴン……シュッ

櫂(同時、俺の目の前に一冊の本が浮かび、そして消えた)

櫂「今のは……?」

ハインズ「スキルブックが見えたようだな。それには、魔法使いの第一段階"マジシャン"として君が身につけうる技能、すなわちスキルが記されているはずだ」

ハインズ「君の意思一つで手元に呼び出すこともできるし、君の心の中で開くこともできる。それを読めるのは君自身だけだ」

ハインズ「私たち転職官の力で転職した者は、その多くが似通ったスキルを得る。魔法使いの第一段階であるマジシャンならば、"エネルギーボルト"が代表格だ」

櫂(スキルブック……ショートカットキーを押してウィンドウを開く感覚でいけるか?)

スキルブックの留め金のイメージ「」パチッ

スキルブックのイメージ「」バッ

櫂(我ながらやばい本開いちゃうかな)



↓1コンマ 一次スキル
91~00 安価でオリジナル魔法を追加
81~90 既に聖属性魔法が本に出ている(奇数で現代ヒール、偶数で旧ホーリーアロー獲得)
36~70 現代マジシャン(エネルギーボルトが小範囲攻撃、マジッククローを覚えない)
01~35 初期マジシャン(エネルギーボルト・マジッククローが単体攻撃)

知らない間に冒険者改変来てたのか……
ミスがあったので、このレスのコンマが51以上なら再判定します

エネルギーボルトのページ「単体攻撃魔法です。非力です」

マジッククローのページ「単体攻撃魔法です。エネルギーボルトの半分の威力で二回攻撃します」

櫂「うわっ……」

櫂(私の魔法、弱すぎ……?)例のポーズ

マイ「? 櫂?」

櫂(パッシブのリラックスやベネフィットがないが、これは完全に最初期のマジシャンだな)

櫂(あとSPの概念もない……のかこれは?)

マイ「どうしたの?」

櫂(エネルギーボルトが使えるようになったのはなんとなく理解できるが)

櫂(まあ、まあまあ……気を落とす程のことじゃないはずだ。うん。MGが消えてたりはしないし)

マイ「カーイー!」肩を掴み大きく揺らす

櫂「オッハァ゛」グワンッ

櫂「なななななななんですか」

マイ「一次転職のスキルなんてそんなに難しいことないのに、急に黙り込んでどうしたのよ」

ハインズ「ふむ……もしかすると特別なスキルがあったのか?」

櫂「いえ、特には。エネルギーボルトとマジッククローとマジックガードと、まあ見た感じ普通の魔法でしたね」

ハインズ「とすると、肩透かしだったかね?」

櫂「恐縮ながら、そのようなところです」

ハインズ「ハハハ、構わないさ。魔法使いに限らず、一次転職の時はそう感じる者も多いからね」

ハインズ「だが、君がメイプルアイランドから出てきたばかりであるように、魔法使いとしてもこれからだ」

ハインズ「マジシャンの櫂よ。君の求めているものは、君が正しく求めればいずれ見つかるだろう。焦らず、その賢明さの中にありたまえ」

櫂「はい。まずは頑張ってみます」

ハインズ「うむ。では行きなさい、まずは外のスライムを相手に魔法の力を試してみるといい」

櫂「はい。ありがとうございました」

マイ「ありがとうございました!」

~魔法図書館の外~


櫂(あれ、修練ワンド貰ってないような)E:剣

マイ(あれ、一次転職した時って武器が貰えるはずじゃ……)ハッ

マイ「ええと、それじゃあ杖を買いに行きましょうか。転職記念に奢ったげる」

櫂「そうですね」

櫂(変な所厳しい世界だなぁ)

マイ(取りに戻っちゃ気分台無しでしょうし、ここは黙っとかないと)

「ありがとうございましたー!」


~武具屋の外~


櫂(ねんがんの つえを てにいれたぞ!)E:ウッドワンド

櫂(ウッドワンド。いわゆるハリー何ッター的な短く真っ直ぐな杖だ)

櫂(棒……ロッドも片手武器ではあるんだが、取り回しは未知数だな。どのみち今はレベル的に装備できるものがないが)

櫂「武器屋の妖精さん、人当たりはよかったのに、これを注文した途端怪訝な顔になりましたよね」

マイ「き、気のせいじゃない?」

マイ(普通は同じような杖をハインズ様から貰うしねぇ)

マイ「……ごほん。それより、これから同じ冒険者としてビクトリアアイランドを巡る前に、一つ言っておきたいことがある」

櫂「なんでしょうか」

マイ「そう、それ! 歳も変わらないみたいだし、敬語もさん付けもやめにしない? 上下の別なんてない方が楽でしょ?」

櫂「あー」

マイ「あー、とは何よ」

櫂「まあ、そうだな。他ならぬマイ本人がそう言うのであればそうするのが筋であろう。すなわちそれによって起こること全ての責任はマイが負う」

マイ「えっ」

櫂「往くぞ、北の森へ――」スタスタ

マイ(誰あれ……いや、強引な感じもこれはこれで)

~エリニアを出てすぐのところ、「北の森」~


櫂「どこであれ、町の外にはモンスターが跋扈している。それがここの場合は」

スライム「~♪」ピョンピョン

スライム「~♪」ピョンピョン

櫂「透き通った黄緑色のこやつらというわけだ。えー、非常にかわいいですね」

マイ「実物は初めて見るけど、確かにかわいいかも」

櫂(キノコがメイプルストーリーの顔だが、人気投票をやればスライムが勝つと思う。マジで)

櫂「まあ悲しいかな、これから我がエネルギーボルトの餌食となるのだが、それも世の理であると受け入れていただきたい」

櫂「なお、背中の守りを担当していただけるということで、インストラクターのマイ先生に来ていただきました。マイ先生、本日はよろしくお願いします」

マイ「うむ。マジックガードや薬があるとはいえ、魔法使いは打たれ弱いからね」

櫂「このノリについてきていることに驚きを隠せない。あなた"向いて"ますね」

マイ「そ、そう?」照れ

櫂(照れるところか……?)真顔

櫂「それでは、立ち合いは強くあたってあとは流れでお願いします。日が暮れるまでのスライム殺戮ショーをお楽しみください」


↓1コンマ 狩りの成果(適正レベルの狩場)
76~00 狩り尽くした! 1桁目*1.5レベルアップ
51~75 移動用のロープや吊り橋でもたつく。1桁目レベルアップ
26~50 スライムの跳ねる動きに苦戦。1桁目*0.5レベルアップ
01~25 おっと足が滑った

~エリニアを出てすぐのところ、「北の森」~


櫂「雑兵!」ビッ

スライム「ミッ!」ベシッバシャァ

櫂「雑兵ォ!!」ビッビッ

スライムたち「ミッ」「ミッ!」バシャバシャァ

スライム「ワッ!」ピョンッ

櫂「ふぅん、愚かな――」

櫂「ウッド・ワンド・クラッシャー!」ボグシャア

スライム「ミッ!」バシャァ

櫂「I have a dream」杖を突き上げ

櫂(通常攻撃が魔力計算になってる感じとはいえ、殴り一発で倒せるようになってしまった)

櫂(レベル19までスライム狩りとか常軌を逸した効率の低さだが、移動の手間があるから仕方ないな)

櫂「むっ、森が赤い。夕……陽か。どうやら切り上げ時と見える」

マイ「うん。この辺りのスライムは狩り尽くしちゃったみたいね」曲刀を血振りし、回して鞘に納める

マイ「櫂ったら、スライムを見つけてはサッと間合いを詰めて仕留めるんだもの。複雑な狩場は初めてなのに、すごいセンスだわ」♪

櫂「それほどでもない。勝つのではなく勝ってしまうのがナイト」

マイ「いやマジシャンでしょ」

櫂(うーん、夕方もいい眺めだな)横を向き

櫂(日の出入り際、差し込む光が赤くなったり薄青くなったりする時のこの森はどこをどう切り取ってもベストショットになるだろう)遠くを見て

櫂「……綺麗だ」

マイ「え? ……ええ、そうね」同じ方を見て

マイ(あれ? もしかして今っていい感じ?)ドキドキ


↓1コンマ
01~99 マイはヘタレた(次の日へ)

マイ(えーと、えーと……)

マイ(手とか……繋いじゃったり……)ソロ……

櫂「狩りに出たら暗くなる前に帰ること。それが サカの掟」スタスタ

マイ「あ、ま、待って!」

櫂「ダメです」スタスタ

マイ(せっかくのチャンスが……ううっ)

櫂(日が暮れるまで狩りに没頭していたが、ズンと来るような疲れはない)

櫂(我ながらいい体である)


~翌朝、エリニアの宿屋~


櫂「ナイスモーニング、マァイ」

マイ「おはよう、櫂」

マイ(次こそチャンスを逃さないようにしないと……)

マイ「今日はどうしようかしら。もうスライムじゃ櫂の相手にはならないわよね」ウーン

マイ「少し遠出してみる? それとも町を回ってみる?」

櫂「なあに、明日は明日の風が吹くさ」

マイ「まだ朝でしょ!」


↓1安価 櫂はどうする?
1.森の奥へ(レベル上げ)
2.エリニアを見て回る(クエスト)
3.帰還の手がかりについてハインズに尋ねる
4.北へ移動、ペリオンを目指す(5日経過、道中イベント判定)
5.南へ移動、ヘネシスを目指す(5日経過、道中イベント判定)
x.西へ移動、スリーピーを目指す(レベル不足)
6.その他(自由記述、あんまりな内容なら却下するかも)

櫂(ここは効率重視で行くか。なによりレベルを上げれば死ににくくなるし損はない)

櫂(南の深みはルーパンがいる。確か当分キツかったはずだ)

櫂「狩場を探す。北東方面はどうか」

マイ「北東だと、木のダンジョンか」地図を見て

マイ「……うん、いいんじゃないかな」

マイ「櫂は昨日たくさんレベルアップしたから、新しい武器に変えてから出発しよう」

~翌日、木のダンジョン内部~


櫂(かくて我々は1日近くかけて木のダンジョンへ移動し、近くの村で夜を明かしてきた)E:メタルワンド

櫂(ここはいくつもの木にうろがあり、それぞれの前に立て看板で出現モンスターへの注意書きがされている。ミニダンジョン集中地帯という風情)

櫂(俺たちが入ったのは緑キノコやツノキノコが湧く低級な木だ)

櫂「木のダンジョンとは言い得て妙だな。このバカでかい木の中を、ロープを頼って上り下りすると」

櫂「木の奥までがヒカリゴケで明るいのはわかるが、この……蜘蛛の糸をぶっとくしたような足場はなんなのかね? 鮮やかな緑色をしてけつかるが」

マイ「そういう木なんじゃない?」

櫂「全くエリニアの木は度し難いな」


↓1コンマ 狩りの成果(適正レベルの狩場)
76~00 狩り尽くした! 1桁目*1.5レベルアップ
51~75 まあまあだ。1桁目レベルアップ
26~50 ツノキノコにぶっ飛ばされた。1桁目*0.5レベルアップ
01~25 横やめてください

緑キノコ「キュォーン」バシィ バタッ
ツノキノコ「キュォーン」バシィ ドサッ

ツノキノコ「!!」タタタ

櫂(抜けて来た!? だがマジックガードが……)腕を交差させ

ツノキノコ「!!」グワッ

櫂「いってれぼ!」ドカッ ゴロゴロ……

マイ「櫂!? このっ!」ズバンズバン

ツノキノコ「」ドシュゥ

櫂(MP切れ……青い薬からマナエリに切り替えたせいで飲み忘れたか)

マイ「はあああああっ!!」ダッ


櫂(その後、マイは退路を確保するために周囲のモンスターを一掃した)


↓1コンマ マイのスキル
91~00 ファイター→ソードマンだが職業は「マイ」である(DBとかパスファみたいな感じ)。安価で方向性決定
71~90 ハイブリッドソードマン(新ブランディッシュからエクストラアタックに派生する。コンボ系スキル未獲得)
56~70 現代ソードマン(新ブランディッシュ、コンボアタックで戦う。ファイナルアタックなし。新スラブラはレベルの離れた格下用)
01~55 初期ソードマン(パワスト・旧スラブラ・エクストラアタックで戦う)

~木のダンジョン付近、安全地帯の小屋~

櫂(無人の山小屋みたいな感じで、最低限のあれこれが揃っている)

櫂(食料は予め買っておいたので問題ないし、薬を飲んで体も癒えたのだが)

マイ「レベルが2つも上がったんだからもういいわ。今日一日はもう狩りに出ず休むこと」

櫂「えー」

マイ「えーじゃない! 反省なさい」

櫂「とほほ」


櫂(ツノキノコのタックルを受けた時、痛みは感じたが痛くなかった)

櫂(……もとい、ダメージの多寡は認識できたが、本能に訴えかけるような"痛い"というショックを受けなかったとでもいえばいいのか)

櫂(要するにメタルギアライジングなんだが、そんな感じだった)

櫂(MPの減りも意識すればわかるんだが、気を抜くと忘れそうになる)

櫂(マイの言う通り反省が必要だな)

櫂(……早いところ二次はしておきたい。明日も狩りに出るか)


↓1コンマ 山小屋で何が起こるか
76~00 盗賊現る
01~75 平和な朝を迎えた

櫂「ええい、さっさとレベルを上げるぞ。行動範囲を広げねば話にならん」

マイ「十分すぎるくらいハイペースだと思うけどなぁ」

マイ(転職して3日と経ってないのに。10から30まで上げるのに1年以上かかったわよわたし)

マイ「というか、その口ぶりだと行きたい場所とかあるの?」

櫂「いや決めてない」

櫂(時間の神殿辺り行きたいけどいつ行けるんだって話だしな。四次しなきゃ無理じゃねえかな……)

櫂(エレヴとかエーデルシュタイン行くにもスリーピー経由だからどのみちレベル足りないし)


↓1コンマ 狩りの成果(適正レベルの狩場)
76~00 カズアイにちょっかいを出してみた。1桁目*2レベルアップ
51~75 狩り尽くした! 1桁目*1.5レベルアップ
26~50 お礼参りだ! 1桁目レベルアップ
01~25 横やめてください

櫂「ガン・キャノン・ショットォ!」ビッ

ツノキノコ「キュォーン」バシッ バタッ

櫂「むっ。上がった」

マイ「また!? これでレベル27……20になるまでならともかく、その後もこんなペースで上がり続けるなんて」

マイ「まだ日も高くないし。ホントに一日で30まで上がっちゃうかもしれないわね」

櫂「もう何も怖くない」ダッ

マイ「あっ、櫂!? いきなりどこに……!!」ダッ

マイ(あっちの木の中にはカズアイが!)タッタッタッ



カズアイ「シィ……」ニタニタ

櫂「キリサケ!」スッ!

青白い光の爪「」ババッ

カズアイ「ゲッ」ザクザクッ

櫂「ヒエンリューブ!」ビッ

カズアイ「ゴァ」バシィ ビターン

背後に回ってきたカズアイ「シャアッ」バッ

櫂「なにっ」振り向き

櫂(これは被弾覚悟か――)

マイ「パワーストライク!」ジャッ

カズ/アイ「ギ」ズンバラリン

マイ「」クルッ

オーラを纏った曲刀「」ヴンッ

マイ「もう一つ!」シュッ

更なるカズアイ「グェーッ」ザンッ ブシュゥ……

櫂「この援護超助かる!」

マイ「無茶しないでって言ったでしょ!」

櫂「今のは無茶ではない……」

櫂「背伸びだ」杖クルッ

マイ「一緒よ!」チャキ

マイ(……でも、わたしも調子上がって来たかも!)

櫂(テンションの上がった俺とマイは積極的にカズアイを狩り、夕飯はカズアイテールステーキになった)

櫂(無論、到底消費しきれない大量の尾肉が残ったので、それらはキノコの傘などと一緒にインベントリに入れた)

櫂(そして、俺たちはその日で狩りを切り上げ、エリニアへ戻ることにした。なぜなら……)


~翌々日、エリニア魔法図書館~


ハインズ「レベル……37とな!」

ハインズ「ふむむ、君のような成長の速い魔法使いを見るのは初めてだ」

櫂「そんなわけで、二次転職試験とやらを受験したいんですがね」E:ミスリルワンド

ハインズ「もちろんいいとも。早速始めよう」



櫂(試験の内容はゲーム通り、専用の区域でモンスターを狩るだけだった)

櫂(オーバー気味のレベルで武器も慎重した俺が、レベル30相当のモンスターに遅れを取るはずもなかった。ゥ楽勝!)

ハインズ「冒険者の力は自由の力。故に、一人で戦えるウィザードを希望する者が多いのだが……」

櫂「クレリック以外ありえない」

ハインズ「決心は固いようだな。それに、頼れる仲間がいるのなら、クレリックの道を選ぶのも頷ける」

ハインズ「だが、二次転職者というのは誰もが認める一人前の冒険者だ」

ハインズ「人々の君を見る目も変わろう。……いい意味でね」

ハインズ「その期待を裏切らないようにしなさい」

櫂「プロというわけか……いいでしょう、受けて立ちますよ」

ハインズ「うむ。その気概に、私も応えるとしよう」手をかざす

櫂「……!!」

櫂(数日ぶり2度目の、体の中から温かい枝が生え広がるような感覚が来た!)

スキルブック「」カッ! バサッ

櫂(さて、二次転職も旧クレリックってことになるのか……?)

櫂(それはそれでヒールが無制限に使えるから悪いことばかりじゃないんだが)

櫂(なんか面白みが欲しいよな)



↓1コンマ 櫂の二次スキル(一次:初期マジシャン)
91~00 安価でオリジナル魔法を追加(完全オリジナル)
81~90 安価でオリジナル魔法を追加(聖属性)
71~80 三次スキル先取り(奇数でミスティックドア、偶数でシャイニングレイ獲得)
01~70 初期クレリック(ヒールCTなし、ホーリーアローは弱い単体攻撃。火力不足気味に)

櫂(……)パラパラパラ

櫂(旧クレリッ!!!!!!!!!)パタン

櫂(このまま初期レパートリーのまま行ったらご禁制の無限ジェネ覚えたりするのか……? マジモンの禁術だぞいいのかオイ)

櫂(……まあ、そんなものはレベル100になってからの話。取らぬ火狸のなんとやらか)

櫂(目下やるべきことは……)

櫂「老師、相談があります。↓1についてなんですが……」



↓1安価(聞いて成果が得られるのは選んだひとつのみ)
1.異世界とかそういうことに詳しい人
2.クレリック向けの強い武器
3.仲間の集め方
4.その他(自由記述、あんまりな内容なら却下するかも)

櫂「ここエリニアで買える武器ではミスリルワンドが最高ですが、これ以上の武器はどこで探せばよいのでしょうか?」

櫂(運が悪いのか、今んとこモンスターが装備をドロップするところは見てないんだよな……)

櫂(おかげでメルの貯まりが想像より遅い)

ハインズ「武器か。そうだな――」


↓1コンマ 武器の話
76~00 光を失った杖
51~75 自分で作る
26~50 職人に頼む
01~25 市場で探す

ハインズ「オシリア大陸やルダスレークは、ビクトリアアイランドよりもモンスターの力が強い。それに対抗するため、比較的強力な武具が多く流通しているし……」

ハインズ「あるいは、職人に頼んで作るという方法もあるだろう」

ハインズ「だが、君の成長は実に目覚ましい。その時のレベルに合った武器を手に入れたとしても、そう長くない内に、武器の方が君についていけなくなりかねない」

ハインズ「短期間で武器を買い換えると懐も痛むはずだ」

ハインズ「そこで、個人営業の職人や同じ冒険者などが自由に出品するフリーマーケットを探すことをおすすめしよう」

ハインズ「装備の力不足を感じるようになったら、市場へ行ってみるといい。目的のものがなくとも、思いがけない出会いがあるかもしれない」

櫂(フリマ……この世界にもあるのか)

櫂(そーいやヘネに寄ってないからチェックしてなかったな。盲点だったゼ)

櫂「分かりました。ありがとうございます」

ハインズ「どういたしまして」

ハインズ「……そうそう、ビクトリアアイランドで大きなフリーマーケットが置かれているのはヘネシスとペリオンだが、他の大陸は大きな都市なら大抵ある」

ハインズ「もしビクトリアアイランドを出たいなら、ここエリニアの飛行場から飛行船に乗るか、リーフロードを目指すといい」

~魔法図書館の外~


マイ「合格おめでとう、櫂」

マイ「試験のモンスターもあっさり倒しちゃうんだもの。なんだか夢を見てるみたいだわ」

マイ(どんどんレベル差がなくなってきてるし)

櫂「冒険者ならもっとデカい夢を持ってみてはいかがかな」

マイ「その夢じゃなくて……いえ、ふふっ。そうね」

マイ(こんなことでショックを受けてるようじゃ、それこそ櫂に相応しくないわよね)


マイ「……それで、これからどうするの? 今のわたしたちなら、スリーピーにも行けなくはないけど」

櫂(レベル28のミスリルワンドでも戦えないことはない。レベル30~35の杖はあればいい程度かな)

櫂(今なら島の反対側の街へ行くのにも、迂回せずまっすぐ進んで行けるわけだ。テレポートも込みでかなり短縮できるが……)

櫂「良き朝だからな。手始めに↓1だ」



↓1安価 櫂の行動
1.ペリオンに移動(2日経過)
2.カニングシティーに移動(3日経過)
3.ヘネシスに移動(2日経過)
4.ノーチラスに移動(1日経過)
5.リス港口に移動(3日経過)
6.スリーピーウッドに移動(2日経過)
7.スリーピーウッドとは別方向で森の奥へ(ハイリスクな狩場、1日かけて移動)
8.エウレルを探す(1日経過)
9.その他(自由記述、あまりにも変すぎると却下するかも)
※ペリー(ジパング行きNPC)はカニングシティーにもリーフロード=スリーピーウッドにもいる扱い
※エリニア飛行場から直接行けるのはオルビスのみ、リーフロードから直接行けるのはエレヴとエーデルシュタイン

~魔法図書館の外~


櫂「カニングシティーに行く。それしか道はない」

マイ「え、武器はいいの?」

櫂「あれは今後困った時の話であって火急の用事ではないのだ」

櫂「わかったか」

マイ「は、はい……?」クビカシゲ


櫂「じゃあほら、背中に乗りたまえ」カガミ

マイ「えっ!?」

櫂「テレポートの魔法で大股に進むからだよ。マイってば移動系スキル持ってないじゃん」

マイ「あ……い、いいの?」

櫂「何がか知らんが、いいぞ」

マイ「そ、それじゃ失礼します……」

櫂「よいしょ」おんぶして立ち上がる

マイ(うわっ、揺れる!)グワ ギュッ

マイ(……!!)カーッ

櫂「ドアが閉まります ドアが閉まります(女声)」シュンッ シュンッ シュンッ……

マイ「……!!」ギューッ

櫂(やわらかい)



↓1コンマ 男子3日会わざれば何が起きたか
76~00 誰かの視線を感じる……
51~75 通りがかりにクロコやカズアイを狩った。1桁目*0.5レベルアップ
01~50 無事到着

うわっ

???「……」ジーッ


~何者かの視線の先、木々の切れ間から見える場所~


櫂「水! 飲まずにはいられないッ!」ミネラルウォーターグビグビ

マイ「見てて不安になるからゆっくり飲んでちょうだい」

櫂「ッケイ!」瓶ポイー

マイ「こら」


↓1 櫂を見ているのは?(ゾロ目効果での盗賊エンカ、00効果で即加入+好感度MAX)
1.ファントム(女性。封印以前から怪盗としての活動時は男を演じていた)
2.カデナ
3.ゾロ目効果での遭遇のみに留める(00効果をストック、別の機会に使用する)
※3を選ぶ場合、ファントム(男)、ファントム(女)、カデナから遭遇キャラを択一で選んで書き添えること

↓1安価 カデナの過去
※どちらを選んでも性格は原作通りのチンピラのままだし、過去に関して回収するタイミングがあるかは不明
1.原作そのまま
 (マグナスの侵攻に際して生死を彷徨い、偶然居合わせたゲンに拾われてサベッジターミナルへ。
  角・翼・尾は自分の意思で切り落とした。パンテオン王家はもうない)
2.ちょっとおかしい
 (何者かの策略で偽の王女とすり替えられた上、角・翼・尾を切り落とされてしまう。
  その後頼るものなく奪われ続けるも命だけは残り、流れ着いたサベッジターミナルでゲンに拾われた。
  パンテオン王家は見かけ上健在だが中身が丸ごとすり替わっており、どの道カデナは帰れない)

元王女・現不良が料理を……?
胸についてはまあ多分ハイティーンだし、角翼尾落としたのは意思表明(ノヴァ王女の身分を捨てる)のニュアンスが強いからまあ……

↓1安価 カデナの料理の腕
76~00 店出せるレベル(奇数なら王女時代に進んで花嫁修業してた、偶数なら天稟一本)
51~75 一通りできる(幼いながらに王宮教育でやってた)
26~50 男の料理(影の商人団入団後、身軽な暮らしの中で習得)
01~25 食い物なんざ買うか拾うかさもなきゃ奪えばいいんだよ!!!!

↓2安価 カデナの胸
76~00 とてもおおきい
51~75 おおきい
01~50 ふつう

盗賊らしさが溢れているものの、さすがに新キャラの扱いとして忍びない……

↓1コンマ 振り直し(このレスのコンマが奇数なら料理、偶数なら胸の判定に結果反映。ゾロ目なら両方に反映)

~エリニア出発から2日。深い森、カニングシティー方面~


櫂「げふっ」トン

青い薬やミネラルウォーターの空き瓶たち「」ガラガラ

櫂「ごめんちょっとトイレ」スクッ スタスタ

マイ「はいはい。気をつけてね」


櫂(テレポートを連打しては薬でMPを回復、というやり方自体は成立してるんだが)スタスタ ピタッ グイ

櫂(スキルレベルが低い状態みたいな感じで燃費が悪い。そこんところ感覚でしかわからないのが厄介だったりする)ジョロロロロ…… ピッ グイ

櫂(おかげですっかりトイレが近い。丸薬が欲し――)

謎の手「」バッ

櫂「!? む、ぐっ」ガシッ ドッ

櫂(口をふさいで膝裏を……手慣れてやがる)膝立ち

背後の女「つ・か・ま・え・たぁ」ググ ギュッ

櫂(抱きつくようにして両腕も止めに来てる。振りほどくのは……ちょっときついか)

櫂(ヤバそうなら自傷リスクを負ってマジッククローを使わざるを得ないが、通じるか……?)

背後の女「大丈夫だって、怪我はさせないよ。ちゃんと小便終わるまで待ってやったろ?」

背後の女「だからほら、落ち着いて話をしようぜ」

櫂「……」コク

背後の女「よし。こっち向きな」

櫂(腕の力が緩んだ。まず振り向きつつ杖を……)クルッ

櫂「!?」

赤髪の女「私はカデナ。さあ、取引の時間だ」

櫂(髪、パンクファッション、武器のチェーン。要素は間違いなくカデナだと言ってるんだが)

カデナの胸「」BIGBANG

櫂(おもてたんとちゃう……なんやこのスーパースライムは)

櫂(ゲームドットや公式イラストがデフォルメされてるから、頭身上げたら体つきも変わるだろうなとは理解してたけど、ちょっと度を越してない?)

櫂(元絵でもキャラごとに胸はあったりなかったりするしカデナは別に大きくなかっ……いやどうだっけ覚えてねーや)

櫂(とりあえず危険な相手じゃなくて安心しましたよと)

櫂「闇討ちを仕掛けた相手に取引とな」

カデナ「悪かったよ。あのマイって女が近くにいるとうるさそうでな」

カデナ(見たところあいつも櫂のこと好きらしいし、反対されると困るからな。この取引は失敗できないんだ)

カデナ「まあ聞けよ。あんた、別の世界から来たんだろ? それで、元の世界に帰りたがってる……」

カデナ「似たような話でな、ここメイプルワールドから別の世界に通じるポータルが現れたって情報がある。こいつを買わないか?」

櫂("現れた"……ならディメンションゲートとは違うのか)

櫂(カデナが偽物で俺を騙そうとしている、というには動機不足)

櫂(俺は今のところ無名の冒険者で、ブラックウィングに狙われたりする理由もなかろうものな)

櫂「でもお高いんでしょう?」

カデナ「いいや? メルも物もいらないさ」

カデナ「ただ、私をグループに加えて、旅に連れてってくれればいい」

カデナ「レベルはあんたと同じくらいあるし、市場に行くなら値切りでも役に立つ」

カデナ「そっちからしちゃ、タダで情報と戦力が手に入るんだ。いい話だろ?」

櫂「では、そちらは何の得をするんで?」

カデナ「あんたが首を縦に振るまでは言えないね。だが、損をさせないのは確かだと言っておこう」

櫂(ちょうど戦力が欲しかったのも確かだし、情報も気になる)

櫂(影の商人団が取引って言葉を出した以上、アンフェアな条件はご法度。なんだが、どうも話がうますぎる気がするな)



↓1安価 櫂の返事
1.その情報買った!
2.いや、まだ訊きたいことがある(自由記述)

櫂「俺が異世界から来たことをどこで知った?」

カデナ「あんたのことはエリニア入りする辺りからずっと見てたからな」※盗賊イベントゾロ目が出た>>29からいた

カデナ「道々のお喋りはもちろん、魔法図書館でハインズとしてた話も聞かせてもらった」

櫂「ストーカーじゃん」

カデナ「全部この取引のためさ。そこは準備を怠らないとか忍耐強いとか言って欲しいな」

カデナ「他に何かあるか?」


↓1安価 櫂の返事
1.いいだろう、その情報買った!
2.まだ訊きたいことがある(自由記述)
※想い人相手の取引中なのでカデナはとても真剣で、色仕掛けとかそういうことはしません。
 どうでもいいゲス野郎とか敵を騙す時ならやってたかもしれない。

櫂(マイもいることだし、これ以上警戒しても無駄な気苦労で終わりそうだな)

櫂(そのマイがどうなるかも問題だけれども……まあ、実力があるからカデナが噛みつくことはないか)

櫂「いいだろう。その情報買った」

カデナ「……!」目を見開く

櫂「これからよろしく、カデナ」右手スッ

カデナ「……ああ。よろしく」ガシッ

櫂「……」

カデナ「……」ニギニギ

櫂「カデナくん。この手はいつ離すのかね」

カデナ「」ハッ

カデナ「わ、悪い」パッ

櫂「うむ」

カデナ「……」右手で櫂の左手に触れる

櫂「おっと?」

カデナ「ダメか?」

櫂「……」

櫂(マイといい何が起きてるんだ? それとも単にカデナがおちょくってきてるだけとか?)

櫂「ダメなことがなくなくなくなくもなくなくなくもなくなくない」

カデナ「え……っと」

櫂「隙あり」ギュッ

カデナ「!!」ビクッ

櫂「我々はカニングシティーに向けて進軍中だ。作戦行動に時間の無駄は許されないのだ」歩き出す

カデナ(あ、ああああ)感情の整理がつかないまま手を引かれる

足音「」ザッザッ


マイ(戻って来たようね。って、他に誰かいる?)クル

マイ(な――!?)


櫂「はいちゅうもーく、今日から皆さん(約二名)の新しい友達になるカデナちゃんです」

櫂「さ、挨拶しなさい」

カデナ「盗賊のカデナだ。たった今から櫂の旅についていくことにした。仲良くしてくれよ」ニヤ

二人の手「」ギュッ

マイ「え、あ」脳にヒビが入る音

櫂「ちなみに初対面です。下衆な勘繰りはよすように」パッ

マイ「……そ、そうよね」

マイ(そう、わたしだってその気になれば手くらい繋げるし。このくらい大したことないわよね)

マイ「わたしはマイ。これからよろしくね」

カデナ「ああ」軽く手を挙げ

カデナ(危ない危ない、からかうのも程々にしないとな)

カデナ(今夜にでも話つけとくか)

櫂「挨拶も済んだところで、速やかに移動を再開奉る。ゲットライドしろマイ!」屈み

マイ「え、歩かないの?」

櫂「カデナは高速ジャンプで着いてこられるからな。というか多分抜かれる」

マイ「そうか、盗賊だものね。なら遠慮なく」おぶられ

カデナ(いいよなあ、あれ)

櫂「行くぞカデナ、スリップストリームで着いてこい!」シュンッ

カデナ「っと、了解(スリップストリーム?)」タッ ボウッ



櫂「……」シュンッ シュンッ シュンッ

カデナ「……」タッ ボウッ タッ ボウッ

カデナの胸「」タユン バルンッ

櫂(めっちゃ揺れてる……)チラ

マイ(ものすごく揺れてる……)ジーッ

~移動2日目の夜、カニングシティーの外れ~


櫂(レンガレンガレンガコンクリコンクリレンガレンガ)

櫂(影が薄くなる頃合いからは寒々しい印象を与えてくるのも、"夕焼けの町"の二つ名の所以であろうか)

櫂(ジパング除いてメイプルワールドで最も現代に近い世界観の地域だけあって、雰囲気が身に馴染む)

櫂(たまに見かける電話ボックスまで行くともう逆に違和感を覚えるくらいだが)


櫂(さて、カニングシティーというのは存外広く、ゲーム上の街扱いのマップひとつは一角を切り取ったに過ぎない)

櫂(まあカニングタワーとかあるし、街の内側を移動するのに地下鉄とか使うしな)

櫂(そんなわけで、目的地はまだまだ遠いものの一応生活圏)

櫂(夜半、俺たちはこじんまりしたビジネスホテルのドアをくぐった)

カデナ(へえ、思ったより内装綺麗だな)キョロキョロ

受付「いらっしゃいませ」

マイ「3人で泊まれる部屋ってある?」

受付(えっ)

受付「申し訳ありません。入室は可能ですが、ご予約されていない場合エキストラベッドは用意いたしかねます」

カデナ「いや、いい。セミダブル(ベッド)なら2人でも寝られるし、ツイン(ルーム)に3人で入ろう」パンフを見ながら

櫂「じゃあそれで。マイも合意と見てよろしいですね?」

マイ「ええ、大丈夫よ」

受付「かしこまりました」

受付(どうみても未成年だしどうみても家族じゃないんだけど……というか家族でもダメだと思うんだけど……)

~深夜~


櫂(無言の熟睡)

マイ「……」

カデナ「……」モゾ ムクリ

カデナ「……」ススッ

マイ「」パチ

カデナ「……」シー 

カデナ(外で話すぞ)クイ

マイ「……」コクン

~ラウンジ的なスペース~


マイ「櫂の話?」着席

カデナ「ああ」着席

カデナ「先に確認しておくけど、お前も櫂のことが好きなんだよな?」

マイ「っ……ええ、そうよ」

マイ(やっぱりこの子もそうなんだ)

カデナ「くく、睨むなよ。別にそれで宣戦布告しようってわけじゃない」

カデナ「というか逆でね。私は別に、他に何人いようが構わないんだ」

マイ「えっ?」

カデナ「態度に出ないよう取り繕ってるけどさ……」

カデナ「櫂のそばにいるだけで、ずっと心臓が鳴りっぱなしなんだよ」胸を押さえ

カデナ「手を繋いでた時なんか、嬉しすぎて、あのままじゃ多分頭がどうにかなってた」

カデナ「これじゃ、もし私が櫂を独り占めしても、すぐいっぱいいっぱいになっちまう。それでダウンしたら、その時櫂はひとりになるわけだろ」

カデナ「私は櫂と一緒にいて幸せになりたい。そしてそれと同じくらい、櫂が幸せじゃないと何もかも許せない」ギュッ

マイ(……本気みたいね。それなりに鍛えているとはいえ、これほど強く鋭い意思を発せるなんて)

マイ(初対面って言ってたのは嘘じゃないはずだけど、それでもこの子はもう櫂のことを心底から愛しているんだわ)

マイ(でも、わたしは……)

カデナ「だから、おつむがマトモで本心から櫂のことが大好きな女……櫂を幸せにできる女なら、歓迎する。そういう話さ」

マイ「!! それって……」

カデナ「ああ、普通じゃないよな。男一人に女が二人、もしかしたら沢山。それがおかしいのはわかってる。わかってるよ」

カデナ「でも、私からするとそれが一番で、それしかないんだ」

マイ「……」

カデナ「……やっぱり、櫂を一目見た時から、私はとっくにどうにかなってるのかもな」

カデナ「ついこの間までは、誰かを愛するとか、そんなこと考えられなかったんだぜ?」くくく

カデナ(過去やノヴァの血を捨てて、復習のために半分くらいは女も捨てたつもりだったんだけどな……)

カデナ(今じゃ逆に、櫂のこと以外ろくに考えられない)

カデナ(櫂に尽くしたい。褒められたい。受け入れられたい。求められたい――)

カデナ(相手は、たった一目見ただけの男なのに! 全くおかしな話だ)ふっと小さく息をつく

カデナ「で。お前はどうなんだ? マイ」

マイ「……」



↓1コンマ マイの気持ち
81~00 カデナの提案に賛成する。告白には至らないものの、櫂に対してそこそこ積極的に
01~80 カデナの提案を受け入れる。櫂に対して少し積極的に

マイ「櫂を争いの原因にしたくないし、櫂にこの気持ちを受け止めてもらえる自信もまだない。でも……」

マイ「この世界で櫂が初めて出会ったのがわたしで、わたしはその日に櫂のことを好きになった」

マイ「島を出て旅をするきっかけにもなった」

マイ「わたしは今でも、あれは運命の出会いだったんだと思ってる」

マイ「だから、櫂の隣を諦めるなんて、きっとできない。いい加減で勝手な話だって自覚はあるけどね」

マイ「あなたの考えが正しいかどうか、わたしが、あなたが言うように彼を幸せにできるのかどうか。それはまだわからない」

マイ「でも、あなたが櫂のことを強く強く想っていることはよくわかる」

マイ「自分だけのためでなく、櫂と共に幸せになることを真剣に考えているカデナのことを、わたしは信じる」

カデナ「……」


カデナ「よく言った」フッ

カデナ「私も、伊達に張り付いてたわけじゃない。ここ一週間くらいで、マイがどのくらい本気なのかくらいはわかってたつもりさ」

カデナ「協力の申し出……ええと、淑女協定って言えばいいのか? 今んとこ仮だが、それに賛同してくれて安心したよ」

カデナ「ありがとな」

マイ「うん。こっちこそ、ありがとう。これからは自分でも色々考えてみないとね」

マイ「……それで、具体的にすることってあるんだっけ?」

カデナ「ん? 問題が起きない限り特にないだろ。もしも見る目のある誰かが櫂に惹かれたら勧誘するとかかな」

カデナ「そうそう、当たり前だけど抜け駆けで告白なんてするなよ? やるなら一緒にだ」

カデナ「マイや私の告白を受けるかどうか以前に、櫂自身がそのおかしな関係を肯定するかどうかわかんないんだから」

マイ「あはは、それはしばらく心配いらないかな……」

カデナ「おいおい……お前が告白するまで私も告白できないし、過激なスキンシップだって自粛しなくちゃいけないんだぞ」

カデナ「これがアプローチを競う恋のライバルならともかく、同盟なんだぜ。早いところ体張る覚悟を決めてくれよな」

マイ「ぜ、善処します……」

マイ(そんなことしようとしてたんだ……)

カデナ(やれやれ。こっちは何日もかけてようやくその覚悟を決めて出てきたのが、これでおあずけになっちまったわけか)

カデナ(こうして先達を尊重してやってるんだ。恵まれた出会いをふいにするような、勿体ないことはしてくれるなよ)

カデナ(はあ……この、カデナ様が、率先して獲物を分け合おうなんて! サベッジターミナルの連中が聞いたらひっくり返るだろうな)

~翌朝、ビジネスホテルの部屋~


櫂「それで、異世界に関係する情報というのは?」

カデナ「ああ。なんでも、ヘネシスのとある空き家に突然――」


↓1コンマ 突然……何?
81~99 ○○に似ている十代後半の少年/少女が現れた(安価で決定)
51~80 ○○に似ている十代後半の少年/少女が現れた(コンマで決定)
01~50 タンスと十代後半の少年が現れた(フレンズワールド・神獣国際学校の学生。原作通り)

カデナ「"キノコ町"ってところから来たって言い張る男が現れたらしい」

カデナ「似たような地名は数あれど、そいつの言うような町は誰も知らないし、どうもその空き家に現れたタンスを通じて行き来できるんだとさ」

カデナ「未成年だけど、今はヘネシスの住民の助けを得てどうにか暮らしてる」

カデナ「誰に注意されたのか、今は余計なことを触れ回らないようにしてるみたいだ」

櫂(あー、フレンズストーリーかぁ……)

櫂(スマホ拾ったりしてないし、そもそも行けるんだろうか。疑問……ですね)

櫂「了解。気が向いたら行ってみようということでいいんじゃないですか?」

カデナ「なんだよ、リアクション薄いな。その分じゃ、少なくとも故郷とは違うんだろうけど」

櫂「元々ダメ元だったからしゃーない。切り替えていく」

櫂「まずはカニングシティーに往かねばならぬ」

マイ「そういえば、カニングシティーには何をしに行くの?

櫂「それはだな――」



↓1 カニングシティーに行く理由
1.久々に文明に触れたい(観光)
2.カニングタワーに行きたい(買い物と偵察)
3.ジパングに行きたい(夜狐狩りに挑戦)
4.自由記述

櫂「音に聞くカニングタワーとやらを見に行きたくてな」

マイ「あら。じゃあ普通に観光?」

櫂「そうなる」

櫂(それと、生息モンスターのレベルを確かめたいんだよな。ゲームじゃ140代とかだったはず)

櫂(本当にそのままだったらパワーバランスがおかしいということがわかるだろう?)

カデナ「カニングタワー……カニングシティーのランドマーク、複合商業施設、だっけか」

カデナ「売り物には興味あるけど、金は足りるのか?」

櫂「衝動的にあれこれ買えるほど余裕があるわけじゃないが、多少なら問題ない」

櫂「物価にもよるけれども……カデナは?」

カデナ「こっちも同じようなもんだよ」

カデナ(サベッジターミナルは貧民街だからなぁ……ゲンに認められてアジトを出るまでの稼ぎもそんなにないし)

カデナ(雑多な市場ならともかく、管理が行き届いた場所じゃ、値切りをやるとマークされるよな)チッ

マイ「わたしが出そうか?」

櫂「しかしねぇ、流石にマイの貯金を娯楽に使うわけにはいかないのだから……」

マイ「そう? 櫂のおかげで薬代もほとんどかからないし、大丈夫だと思うけどなぁ」

カデナ「今大丈夫でも後で困りたくないって話だろ」

櫂「そういうこと。では、これよりチェックアウトを行うッ」

~カニングシティー地下鉄 カニングタワー駅出口~


エスカレーター「」ウィーン

櫂「くっ、俺としたことが……なんてザマだ」ジンジン

マイ「大丈夫?」

櫂「大事ない。いやちょっと響いてるけど」

櫂(この世界の地下鉄、改札機が韓国式なんだよな……まさかバーの動作不良に当たってしまうとは)
※切符を入れた後、回転式の金属バーを胴で押して通過する作り。事故ると悲惨なので手で押そうね!

櫂(やはり韓国式改札機は……悪!)

カデナ「テキトーな場所で休んだ方がいいんじゃないか?」

マイ「列車に乗り込んだ後も目立ってたしね」

櫂「いや目立ってたのはあんたらが両隣にいたせいでしょ。特にカデナ」

カデナ「そうだな」

マイ「認めるんだ……」

カデナ「自分の強みに自覚を持ってるんだよ」

カデナ「……っと、もうロビーに出るぞ」

~カニングタワー ロビー~


通行人たち「」ガヤガヤ


マイ「わ、人がたくさん……」

カデナ「これ全部客か……都会ってのはとんでもないんだな」

カデナ(ヘリシウムの都も人口密度はそうでもなかったからなぁ)
※王家があったのはパンテオンじゃなくヘリシウムでした。許して

カデナ「マイ、はぐれるなよ」

マイ「う、うん」

櫂(なんか結構仲良くなってるなこいつら)

櫂「さて、案内板は……と」

櫂(想像してたより色々あるな。衣類や美容グッズ、家電辺りは知ってたが)

櫂(書籍やスポーツ用品、工具なんかまであるのか)

櫂(さて、ここでスマホが買えるといざって時便利なんだが……)



↓1コンマ スマホの販売
76~00 ある(値段をコンマで決定)
51~75 あるけどなんかめちゃくちゃ高い(ジパング製品のローカライズド。値段をコンマで決定)
01~50 ガラケーしかなかった(消費者向けはジパング・フレンズワールドにしかない)

~携帯電話売り場~


櫂「う~~~~む」展示ジロジロ

マイ「どうしたの? 難しい顔して」

櫂「いや、大したことちゃうから気にせんとって」

カデナ「確かに通信機としては小型だけど、こんなに高いのか……」手に取って

櫂(……スマホが存在しない)

櫂(PCや家電も若干昔味がするから、全体的な技術レベルが下ってことでいいのかこれは)

櫂(少なくともここでは手に入らないわけだし、一旦諦めるか)

カデナ「別行動する予定でもなきゃいらないよな」戻す

櫂「よし、服見に行こう服」

~衣類売り場~


櫂「今から皆さんには服を選んでもらいます」

櫂「特にマイの服は目立ちすぎるかもっさりしてるかの二極しかないから、こういうところでも違和感のないやつを持った方がいい」

櫂(もしフレンズワールドとかジパングとか行くことになったらチャイナ服は遠慮頂きたいし)

マイ「え、この服って変なの?」E:チャイナっぽい服(旧デザマイの服)

櫂「時と場合によるってことよ」

カデナ「郷に入らば、だな」E:パンクファッション(初期服)

カデナ「……櫂はどういうのが好みなんだ?」

櫂「大事なのは似合うことだと思うが――」ジーッ

櫂(カデナは髪型髪色が派手だから、抑える感じにはできない)>KaiはCadenaをじっと見つめた。

櫂(かといって身の上を考えると軽率に下ろせとは言えないし)>KaiはCadenaをじっと見つめた。

カデナ「……」じんわり赤面

櫂「むっ。すまぬ、不躾であった」

カデナ「い、いや、いいよ」慌てて手を振り

櫂「カデナは方向性を変えない方がいいだろうな。その服は自分で?」

カデナ「ああ」

櫂「ならやっぱり、自分で決めた方が間違いない。少なくとも俺よりはセンスあるだろ」

櫂「そうだ、マイの服もカデナが選べばいいのでは?」

マイ「えー? わたしは櫂に選んで欲しいけどな」

カデナ「本人がこう言ってるんだ、選んでやれよ」

櫂「よかろう。この俺がファッションセンスにおいても頂点に立つ男だということを教えてやる」

カデナ「いやどっちだよ」


↓1安価 マイの服
1.白Tシャツとジーパン
2.空色のワンピース
3.自由記述(町中で目立ちすぎる服装は却下)

櫂「櫂くん3分クッキング~~~~~~」

櫂「えー材料はこちら、白地にプリントがついた半袖Tシャツ、普通のジーパン、黒の野球帽」ポイポイポイ

櫂「最後にマイです。ツインテは予めローポジションのポニーにしておきましょう」ササッ

櫂「あとはこれらを試着室に放り込んで待つだけ」グイ

マイ「わっ」

櫂「早く着替えたまえ! 次の番組がケツカッチンなのだよ」

マイ「ケツカッチンって何!?」

~3分後~


マイ「着替えたけど……これでいいの?」シャー

櫂「やはり俺の目に狂いはなかった」

櫂「下げざるを得なかったテールも一つにすることで首周りのさっぱり加減を維持できている」

櫂「いいぞマイ、無難でありつつクールな仕上がりだ」

カデナ「ああ。これなら外の連中から悪い方の視線を集めることはないな」

マイ「そ、そう? ありがとう」照れ

櫂「……しかし、自分でやっておいてなんだが……」二人を見る

マイ「?」←背がやや高め、野球帽と前髪で遠目に表情がわかりづらい

カデナ「?」←袖なしファージャケットに指ぬきグローブ

櫂(女子二人いて二人ともボーイッシュサイドになってしまったな……すまんマイ)

櫂(別にそういう趣味があるわけじゃないんだけど、テキトーに選んだら完成してしまった)

櫂「まあまあよかろう。この一式を買って、しかるべき場所やたまの気分転換に着ていただくとする」

櫂「代金は俺が持つッッッ」

マイ「ありがとう、大切にするね」

櫂「気持ちは嬉しいが、そこまで高いものでもないし、服というのは所詮消耗品」

櫂「瞬間を永遠にするような"大切"扱いはよしてやってくれ」

櫂「旅がいつまで続くかもわからないわけだし、服ならまた買う機会もあろう」

マイ「ううん、それでも大切にするよ」

マイ「櫂から貰った初めてのプレゼントだもの」

櫂「……まあ、程々にな」

マイ「うん!」


他の客「何だあのカップル」ヒソヒソ

他の客「ていうかもう一人いない?」ヒソヒソ

他の客「三人は何の集まりなんだっけ?」ヒソヒソ


カデナ「精算してさっさと出るぞ、面倒なのが来たら厄介だ」

櫂「ん、カデナの分は?」

カデナ「いや、いい。面白そうなのもパッと見なさそうだ」

櫂「カデナ程の実力者が言うならそうするか。店員さーん」

~会計後、エスカレーター付近~


シンプルな掛け時計「」

櫂「昼時か……カフェフロアに飲食店がいっぱいあったな」パンフペラッ

カデナ「この分じゃ、いいとこはどこも混むんじゃないか?」

櫂「そうだな。なら、二人にはテーブルの確保を頼んでもいいか? ちょっと確認したいことがあってな」

マイ「確認したいこと?」

櫂「まあ、大したことじゃない。すぐ戻るから」

マイ「わかった。どこのお店にするの?」

櫂「先に二人の意見を聞こう」

カデナ「私は肉とか魚がいいな。最近食べたのはカズアイの肉に塩振って焼いただけだし」

マイ「わたしは……どれも気になるから、どれでもいいかな」

櫂「では二人の意見を尊重して、このドーナツ屋にしますね」

マイ「なんで聞いたの!?」

櫂「多分ミートパイとかホットドッグとかあるから大丈夫大丈夫。席取りよろしく」ダッ

マイ「あっ逃げた!」

カデナ「まあ私も櫂が選ぶならどこでもよかったし。列が長くなる前に店に行くぞ」

~二人から離れたところ~


櫂「あの、すみません」

インフォメーションセンターの受付「はい、どうされましたか?」

櫂「ここってモンスターが出る場所とかあります?」

インフォの受付「はい。当該エリアの出入り口は警備を配置しておりますため、危険はございません」

櫂「いやそうじゃなくて、そのモンスターってどのくらい強いのかなって」

受付「ああ、そちらでしたら――」



↓1コンマ カニングタワーのレベルテーブル
下1桁が4 原作通り。レベルにして140代~150代(モンスターが中に留まって出てこようとしないだけ)
91~00 冒険者等だろうと無許可では立ち入れない。レベルにして70代(エリア封鎖そのものが強力)
61~90 非常に危険。レベルにして50代~60代(エリア封鎖そのものが強力、警備はほぼ太刀打ちできない)
31~60 危険。レベルにして30代から40代(エリア封鎖そのものが強力、警備員も一部強い人が対応できる)
01~30 警備員が対処可能。レベルにして10代から20代(モンスター自体もそこまで問題にならない)

受付「カニングタワーの立入禁止区域に分布するモンスターは非常に危険で、入場にはダークロード様の許可が必要となります」

櫂「はぁ!?!?」

受付「」ビクッ

櫂「あ、すみません大声出しちゃって」

櫂「その許可ってどうすれば貰えます?」

受付「許可を得ている方がほとんどいないので、なんとも……」

受付「聞いた話では、その方たちは三次転職されているとのことでしたが」

櫂(となるとレベル60以上……いや、ダークロードがわざわざ噛むならもっと上か?)

櫂(なんにせよ、手が届かないことは確かか。それでいて元の通りではないのがよくわからんが)

櫂「わかりました。ありがとうございます」

受付「どういたしまして」


櫂「さて、モンスターチェックはこれでOK」

櫂「もう一つの懸案を見に行くとするか」下りエスカレーターに乗り

櫂(一階で音楽が聞こえてこなかった辺り、オチは見えた気もするけれども……)


↓1コンマ ヒョギの事務所
下一桁が5 ないが……
それ以外 ない

低確率にしたのは原作のカニングタワーシナリオが本当にどうしようもないからで、正直当たるとは思っていなかったので……


↓1安価 そこにあるもの
1.事務所閉鎖の張り紙と色あせたガシャポンチケット(1等1%・2等4%・3等25%・その他粗品のガシャを回す。粗品もそれなりの高級品)
2.誰かの落とし物(エンジェリックバスターまたはジェットとの遭遇フラグ入手。どちらになるかはコンマ再判定)
3.警備員と話しているディア(カニングタワーのストーリーやNPCの設定が完全に別物に)
 ※うろ覚えとかいう次元じゃなく、ディアたち5人は名前と姿を借りただけのオリキャラと化します

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