上条「壊滅のッセカンドブリッ・・ぐわぁっ!?」 (36)

それが異能の力であれば、触れるだけで掻き消す事が出来る右手『幻想殺し』。

その右手を持つ彼……上条当麻は死んだ。

正確には、脳に十万三千冊の魔導書を保管する少女『禁書目録』を救うために、彼は『竜王の息吹』の余波に 当たって記憶を失った。

・・・故に、上条当麻は七月二十四日を最後に死んだのだ。



ならば、それ以降の『彼』は何者なのか。
いったい『彼』には何が足りなかったと言うのか…?



その答えを虚ろな夢の中で問われた時、新たな上条当麻は静かに応えた。






【速さが足りない】、と。







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上条「……うぅ…ん?」

八月二十日、上条当麻は目覚めた。


上条(なんだ今の意味深な夢は・)



先日の『三沢塾』事件から数日、病院から退院して数日。

それだけの事があったのだから妙な夢を見てもおかしくはない、そう彼は考える。
少なくとも、何となく共感できるからだ。

上条(まぁ確かに、何事も速く動けたら良いよなー)

上条(今となっちゃ姫神も助けられたから良いけどよ、それでもやっぱり……)


・・・『速さ』があれば良いとは思う。


そうポツリと頭の中で呟いてから、上条当麻は午前6時半過ぎにも関わらず二度寝というミステイクを犯したのだった。



・・・同日午後10時20分。


上条当麻は風呂桶の中で携帯を弄っていた。
この風呂桶で寝ている理由は、同居人でもある脳に10万3000冊を持つ『禁書目録』…即ちインデックスがベッドを占領しているからだった。

もっと言うなら、ベッドに撒かれた三毛猫のスフィンクスから出たノミがまだ多少残っているからだ。


上条(……お、出てきた)


なぜ、1日の終わりに携帯を弄っているのか。
それは今日もまた『以前の上条当麻』の愉快な知り合いに遭遇したからだ。





・・・が、別にそこは問題ではない。

愉快な知り合いなど既に何人か強烈なのがいる事は確認済みなのだ。


上条(……学園都市でも七人しかいない『超能力者』、第三位…)


彼は薄暗くなり始める午後6時15分頃に、二人の少女と会った。
その一方は、かつての上条当麻と何度もぶつかり、最終的に敗北した(とは言ってもそれは全て相手の言葉なので確証はないが)。

『超電磁砲』の、『御坂美琴』・・・。


上条(……アイツ、超能力者だったのか)

上条(さて…ビリビリの家庭について何かないかな、と)

目的の人物について探るべく、上条は携帯を操作する・・・


・・・携帯を操作するが、さすがにプライベートな点はどこにも無い。



上条(…ま、いくら学園都市のネットワークでも載ってるわきゃないか)

上条(………)

ゆっくりと携帯を閉じ、バスタブの中に布団と共に身を沈める。


目を閉じて静けさに包まれ始める上条の頭の中、彼はふと考えていた。

そもそも今知りたかったのは御坂美琴ではなく…その『妹』だった。
恐らく一卵双生児だろうか、御坂妹はとにかく美琴に容姿が似ている少女である。

今現在、上条家の冷蔵庫にたんまりと入っているジュース群は訳あって大量に仕入れたのだが。

それらを道中運ぶのを手伝ってくれたのが、御坂妹でもある。



上条(…しっかし…似てたなー、双子っているんだな)


……彼が気になったのは、妹を名乗るその少女が余りにも『同じ』だったのもあった。
しかし、上条当麻は遠退いていく意識の中でふと思った。




・・・・・それだけではないのではないか、と。




いつも通りの日常の中で、いつも通りの周囲の人々。

そう感じているのは間違いないのに、『以前』とは違う何かが今の彼に教えようとしている。

まるで、急ぐように。


上条(……何、か…見落とし…………)


・・・かくして、上条当麻の八月二十日は終わりを告げた。

一部の疑問も、違和感も、眠りに堕ちていくうちに霞んで消えていく。
何もかも、彼にとっていつも通りの日常として終わった。

<(^o^)> とうまとうまー  
( )
 \\

..三    <(^o^)> とうまー
 三    ( )
三    //

.    <(^o^)>   三  ねーとうまー
     ( )    三
     \\   三

 \    
 (/o^)  とうま聞いてるの!?
 ( /
 / く

  ..三<(^o^)> <(^o^)>  <(^o^)>  <(^o^)> <(^o^)>  三
 ..三   ( )    ( )    ( )    ( )   ( )  三
..三   //   //   //   //  // 三

とうまー おなかすいたよー とうまー   とうまー

..三    <(^o^)> <(^o^)>  <(^o^)>  <(^o^)> <(^o^)> 三
 .三    ( )    ( )    ( )    ( )    ( )    三 
  ..三   \\   \\   \\   \\    \\    三
とうまー     とうまー とうまが首まで埋めたー   とうまー

  ..三<(^o^)> <(^o^)>  <(^o^)>  <(^o^)> <(^o^)>  三
 ..三   ( )    ( )    ( )    ( )   ( )  三
..三   //   //   //   //  // 三

とうまが首絞めたー とうまー とうまがドアに挟んだー

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