鬼娘「おい、人間!」 男「は?」(198)

鬼娘「お前人間だろう?」

男「人間だけど…どちら様」

鬼娘「どちら様とはなんだ!私は鬼だぞ?」

男「…鬼?」

鬼娘「ほれ、この雄々しくそそり立つ角が見えんか?」

男「うぉっ、なんだこれ!?」

鬼娘「どうだ、思い出したか?」

男「だから知らないって!”鬼”なんて…」

鬼娘「…え?」

みたいな話が見たい、凄く見たい。
人外萌えと言うか

>>3 一理ある 自分より上の存在を知った鬼とかいい

>>4 鬼娘が生娘の耳年増しだったら明日死んでもいいかもしれん

見下げてた人間に純粋な腕力で負ける…

いいと思います

>>1
早く書け

鬼娘「…ふざけるなよ?人間如きが…」ゴゴゴゴゴ

男「あぁ?」イラッ

鬼娘「良いか?鬼が本気を出したらお前なんて」ボゴッ

そこら辺の木「おぼふっ」バキーン

鬼娘「こうだぞ?」ニヤリ

男「・・・・・・」イラァッ

男「そうかいそうかい…」ゴゴゴゴ

鬼娘「ふん、分かったら冗談を言うのをやめなよ」

男「ふんすっ!」バギャッ

そこら辺の岩「誠に遺憾である」メリメリッ

鬼娘「ひゃいっ!?」ビクッ

こうですか分かりません

その展開でいて、さらに男が虫も殺せないような性格だったら完璧

鬼娘「・・・」ポカーン

男「(やべっ…驚かせちゃったか)」

鬼娘「おいお前」

男「なんだよ・・・」

鬼娘「お前、強いな?」ニマリ

男「気味の悪い笑い方だな」

鬼娘「人間にしては不遜な言い方だがいいだろう、今私は気分がいいからな」

男「は?(そもそも鬼って何なんだ)」

鬼娘「人間!お前、私と勝負しろ!」ゴキゴキ

男「やだよ、決闘なんて」

鬼娘「はぁ!?」

男「なんで驚いてるんだよ…訳わからんぞ」

鬼娘「だってお前・・・今のは勝負する流れだぞ?」

男「だって怖いじゃん」

鬼娘「怖い?」

男「決闘とかさ、面倒くさいし。それに暴力なんて嫌だよ」

鬼娘「…そうかそうか」ピキピキ

男「(また怒ってるのか?)」

鬼娘「ええい気に食わん!人間のくせに生意気だぞ貴様!」ドッカーン

こうか

イエス

鬼娘「・・・・・うーっ!」ゴゴゴゴ

男「(面倒くさいのに絡まれたな)」

鬼娘「お前、それだけの力を持って勿体なくないのか!?」

男「無い」

鬼娘「誰かにその力を思いっきりぶつけたいと思ったことは」

男「ある訳ないだろう」

鬼娘「じゃあ、今私と戦ってみたいとか」

男「思う訳がない」

鬼娘「・・・・・・・うーっ!」イライラ

鬼娘「それにだ、お前鬼を知らないといったな?」

男「知らん、そんなもの」

鬼娘「お前の周りもか?」

男「人間でない事は分かる、人間に角は生えていない」

鬼娘「そうだろう、人間如きに角が生えて居る筈が無い」エッヘン

男「まるで獣だな」

鬼娘「なんだと!?」プッチン

男「なんだ?」ギロリ

鬼娘「ぐ・・・」

男「第一、鬼と言ったなお前」

鬼娘「そうだ、鬼だ」

男「お前はどこから来たのだ?」

鬼娘「知らん」

男「そんな胸を張って言う事か…」

鬼娘「鬼にとって大事なのは”酒があるか””強い奴が居るか”それだけだ」

男「えらい野蛮なんだな、鬼は」

鬼娘「そういうものだからな」エッヘン

男「まあ、俺はお前と戦う気はないんだが」

鬼娘「私はお前と戦いたい!」

男「(ほんとうに面倒なことになってるな)」

鬼娘「さあ、今すぐ勝負だ!どうきたって自由だぞ?」

男「えらい自信だな」

鬼娘「さっきは驚いてしまったが岩を砕くぐらい鬼にも容易にできるからな」

男「…分かった」

男「そうだな、お前がもう俺に関わらないと誓えばここで決闘しよう」

鬼娘「本当か!?ああ約束するとも!」

男「嘘じゃないよな?」

鬼娘「鬼が嘘をつくものか、もし嘘をついたなら針の一万本ぐらい飲んでやるさ」

男「よし分かった、じゃあ後ろを向け」

鬼娘「うん?まあいいが」クルリ

男「そのまま前に向かって歩け」

鬼娘「随分と変な注文だな」スタスタスタ

男「俺がいいと言ったら振り向くんだぞ?」

鬼娘「分かってる!」

鬼娘「・・・まだか?」スタスタスタ

鬼娘「おい人間、もういいのか?」クルリ

鬼娘「・・・居ない?」

鬼娘「・・・・・・」ゴゴゴゴゴゴゴ

男「面倒くさい事からは逃げるに限る」

男母「あら、おかえりなさい」

男「ただいま」

男父「もうじき飯だぞ、座れ」

男「うん分かったよ親父」チラッ

 ・・・・・・

男「(まあ、捲けただろ)」

その夜

男「さて、もう寝るか」カチッ

男「面倒くさい事もあったが…あれは夢だ、きっと白昼夢の一種だな」

………コンコンコン

男「……?」

………オイ、人間

男「!?」

………外を見ろ、外

男「…まさか」ソローッ

鬼娘「えへへ、キチャッタ」ニンマァ


ここまでが限界だった

決闘シーンだけ書いてみるわ

鬼娘「・・・・」ゴゴゴゴゴ

男「どうしてここが分かったんだ(やっべぇなこりゃ)」

鬼娘「お前の強さに免じて暴れないでおいてやったんだぞ?」

男「だからどうしてここが分かったんだと」

鬼娘「もう限界だ!今にも暴れてしまいそうだぞ人間!勝負だ!」

男「だから嫌だと言っているんだが」

鬼娘「鬼は身勝手だ、お前の都合など知らん・・・が、お前がどうしてもやらんというなら」

男「・・・暴れるのか」

鬼娘「それだけじゃない、沢山殺す、目一杯壊す、略奪の限りを尽くしてやる」ニヤリ

男「・・・・・・」バッ

鬼娘「ようやくやる気になったか人間!さあやるぞ!」ズァッ

男「・・・ふんすっ!」ガシィッ

鬼娘「なぁっ!?離せ!」ジタバタ

男「誰も決闘をやるとは言っていないぞ・・・っと」グィッ

鬼娘「くっ、抜け出せん・・・ってどこ触ってるのだ!」ジタバタジタバタ

男「お前が暴れるからずれるんだ」

鬼娘「ぐっ・・・」

男「お前が暴れないと言うまで抑えてるからな」

鬼娘「・・・・・・」

男「・・・・・・」バッ

鬼娘「ようやくやる気になったか人間!さあやるぞ!」ズァッ

男「・・・ふんすっ!」ガシィッ

鬼娘「なぁっ!?離せ!」ジタバタ

男「誰も決闘をやるとは言っていないぞ・・・っと」グィッ

鬼娘「くっ、抜け出せん・・・ってどこ触ってるのだ!」ジタバタジタバタ

男「お前が暴れるからずれるんだ」

鬼娘「ぐっ・・・」

男「お前が暴れないと言うまで抑えてるからな」

鬼娘「・・・・・・」

鬼娘「・・・分かった、約束しよう」

男「本当か?」

鬼娘「ああ、破ったらこの舌を切って死んでやる」

男「そこまでしなくていい」

鬼娘「鬼にとって約束は重要だ、約束を破るなら死んだ方がましだ」

男「・・・そういうものか」

鬼娘「ああ、鬼は人間と違って誇り高い生き物だからな」

男「誇り高い?」

鬼娘「人間は粗暴だ、誇りが無い」

男「いきなり闘いを挑んで来たり脅してきたりするやつが言う言葉か?」

鬼娘「ふん、お前は人間の本性を知らんのだ」

男「人間の本性?」

鬼娘「…今日は帰る」バッ

男「おいどこに行くんだ、泊まるところは」

鬼娘「鬼にとっては、今いる場所が自分の住処だからな」ニカッ

男「おい、おに・・・消えた?」

翌日

男「・・・・・・」ムクリ

男「昨日は散々な目にあった気がする」

鬼娘「それは私の台詞だと思うが」

男「……」チラッ

鬼娘「どうした、アホな目でこっちを見て」ジーッ

男「……………!!!?鬼!?」

鬼娘「いかにも、私は鬼だ」

男「どうして、というかどうやってここに」

鬼娘「ふん、鬼を舐めるでない」

男「決着は昨日付いたはずだが」

鬼娘「『今日は帰る』といっただろう」

男「確かに言ったけど」

鬼娘「人間、私は今まで負けた事が無かった」

男「そりゃすごい事で」

鬼娘「昨日初めて負けたのだ、お前が私に物にしたのだ」

男「語弊を招く言い方はやめてくれ」

鬼娘「私は悔しいぞ人間、これ以上ない程の屈辱だ」

男「ああ、そうですか」

ミス
お前が私に物にしたのだ

→お前が私を傷物にしたのだ

鬼娘「人間、昨日はたまたま油断したから負けてしまっただけだぞ?」

男「ああさいですか、分かったからそこからどいてくれないか?」

鬼娘「こんな事はあってはならないのだ、人間に負けるなぞ鬼の名折れだ」

男「(完全に人の話を聞いてないなこいつ)」

鬼娘「だから人間!今こそ昨日の決着をだ・・・」

男「えいっ」ギュゥ

鬼娘「しまったぁ!」ジタバタジタバタ

男「ええい動くな、ベッドが乱れる」

鬼娘「人間の寝床のことなぞ知るか!今すぐ離して拳で勝負だ!」

男「やだ」

鬼娘「この・・・卑怯者がぁ!」

力尽きた

 かゆ

    うま

男「第一、どうやって部屋に入ってきたんだ」

鬼娘「正面からに決まっておろうが、鬼が盗人の真似をするわけないからな」

男「んな馬鹿な・・・」

鬼娘「なんだ、疑うのか?」

男「そうだ、親はどうしたんだ?殺したとかしたらお前・・・」

鬼娘「だから約束は破らんと言っただろうが、疑り症だな人間」

男母「男ー?ご飯よー?」

男「じゃあどうやって」

鬼娘「普通に説明したら入れてくれたぞ?お前の両親は話が早くて助かった」

男「…ちょっとまて、果てしなく嫌な予感がするんだが」

男母「男ー?冷めちゃうわよー?」

男「鬼、お前どうやって母さんに説明したんだ?」

鬼娘「そりゃお前決まっておるだろう、『男とはただならぬ仲だ』と正直に言ったぞ」

男母「男ー、”彼女さん”の分も朝飯作ってあるわよー?」


って所まで考えた

で、続きは?

男母「いただきまーす」モグモグ

鬼娘「おう、いただくぞ!」ガツガツガツ

男「・・・いただきます」モッキュモッキュ

鬼娘「おほ、美味いなこの浅漬け」モグモグ

男母「良い食べっぷりねー」ウットリ

鬼娘「良い母を持ったな人間!料理が上手い人間に悪いのはいないぞ」モグモグガツガツ

男「・・・どうしてこうなった」

鬼娘「どうした人間、食え、食わんとこの後の試合に身入れまい」

男「また戦うのか?」

鬼娘「当然だ、お前に勝てねば鬼の名折れだ」

男母「まあまあ、デートの約束?」

男「あれ、母さんってここまで鈍かったっけ」

男母「この子は誰よりも優しいんだけど、見た目と強さのせいで周りから煙たがれてきたの」
  「あなたがあの子の支えになってくれたらうれしいんだけどね…」

鬼娘「…」

的な展開になったら明日全財産寄付してもいい

男母「鈍い?」

男「いや、おかしいだろどう考えても」

鬼娘「どこがおかしいのだ?」

男「ただならぬ仲ってほら…他に当てはまるのあるじゃん」

鬼娘「おい、無視するな人間」

男母「恥ずかしがることないのよ?今まで隠してたことがばれて恥ずかしいのは分かるけど」

男「いやいや、こいつ角生えてるし」

男母「斬新な格好よね」

男「斬新すぎるだろ」

>>42 貴殿なぜ展開を読めた 尻を貸そう
だがそのまま書くとなんかあれかな?とか思ってしまったじゃないか

お願い、そのまま続けて(土下座)

鬼娘「母殿!おかわり!」ズイッ

男母「本当に言い食べっぷりね、惚れちゃいそう」

男「こいつ鬼だぞ?鬼」

鬼娘「おお、お前も私に怖れを持つようになったか?」ムッシャムシャ

男母「鬼ちゃんって名前なの、なんだ格好いいわね」

男「えー・・・」

鬼娘「ごちそうさまだ!」

男母「はいはい、ごちそうさま」

男「・・・ごちそうさま」

男母「で、これからデート?」

男「だからなんで唐突にそうなるのさ」

男母「いいじゃない、行ってきなさいよ」

鬼娘「でぇと?新しい決闘方法か何かか?」

男「もうやだこの脳筋」ゲッソリ

男母「天気もいいからほらほら、さっさと家から出なさいって」

男「あー・・・はいはい、分かったよ」

鬼娘「ふっ、今日こそは勝ってやるぞ人間」グッ

男「はいはい」

男母「仲のいい事ね~」ホンワカ

男「先に行くぞー」バタン

鬼娘「それじゃ行ってくるぞ母殿、今日こそはあの人間に勝つ!」

男母「…鬼ちゃん、一ついいかしら」

鬼娘「なんだ?貢物か?」

男母「ううん、男君の事だけど…」

鬼娘「(ほほぉ、弱点の伝授か?)」

男「(なんか今あいつが変な事を考えてる気がする)」

男母「あの子ね、実は力が物凄く強いのよ」

鬼娘「ああ、強いな…わくわくするぞ」

男母「知ってるの?なら安心した」

鬼娘「ああ知っているとも母殿」

男母「…鬼ちゃんは、あの子の強さを知っていても男君を受け入れてくれるのね」

鬼娘「強くなければ私が勝負を挑む意味はないからな…ふふ」グッ

男母「あの子は、あの強さのせいで仲良くなる事が出来ないの」

鬼娘「仲良くなれなければ従えてしまえばいいと思うのだが」

男母「それも出来ないわ…あの子、優しいから」

鬼娘「………」

――――――
―――

鬼娘「人間!さっさと勝負しろ!」

男「やだ」

―――
―――――

鬼娘「…優しい?」

男母「鬼ちゃん、あの子の優しさを分かってあげて」

鬼娘「(ふむ、確かに敵を倒すにはまず理解しろとの言葉があるからな)」

男母「あの子には心のよりどころが必要なのよ、それになってあげて」

鬼娘「あい分かった!心配せずこの私に任せるがいい!」

男母「ありがとう…鬼ちゃんは優しいのね」

男「(なんだか余計な方向に話が進んでる気がする)」

鬼娘「おう、待たせたな!」ガタン

男「放置しようかと思った」

鬼娘「逃げなかった事は感心したぞ」

男「あーはいはい」

鬼娘「では早速」

男「はい確保ー」ムギュゥ

鬼娘「畜生!離せ!勝負しろ!」シタバタ

男「どっかいかないと母さんうるさそうだなー…面倒くさい」


一段落

男「繁華街に来たわけだが」

鬼娘「人間がたくさんいる・・・ところで男よ」

男「あぁ?」

鬼娘「なんでこうみょうちきりんな帽子を私に被せるのだ、角が出せんではないか」

男「角が見えると厄介なんだよ、母さんと同じ人間ばっかじゃないんだ」

鬼娘「ふん・・・まあここは人間の言うとおりにしておいてやろう」

男「はいはい」

男「(適当になんかして帰るか・・・)」

不良A「おーい、男君じゃーんwwwwwwww」

不良B「おっ、良い所に居たwwww」

男「(げっ、今一番会いたくない奴らだ)」

鬼娘「おい人間・・・なんだあの不愉快な男どもは」

男「黙っていろ、絶対手を出すなよ」

鬼娘「?・・・まあ、分かったが」

不良A「男くぅーんwwwちょっと今お金足りないんだよねぇーwwwww」ゲラゲラ

不良B「ちょっとだけ貸してよー、なっ?俺ら友達だろ?」ポンッ

男「・・・・・・」

不良B「友達だよな?さっさと寄越せよ、持ってんだろ?」ギロッ

不良A「うはwwwwお前ひどいwwww」ゲラゲラ

不良B「こいつ抵抗しないんだぜwwwいい財布は使わないと駄目じゃん?www」ゲラゲラ

男「・・・・・」ギリィッ

不良A「お?抵抗すんのか?どうせ弱い癖に」

不良B「素っ裸にして晒してやろうかwww」ゲラゲラ

不良A「写メってクラス中に回すとか?」www

男「・・・・・・・・」ギリギリギリッ

鬼娘「・・・・・」

不良A「お?そこに居るのお前の彼女?」

不良B「ねーだろwwwこいつに彼女とかwww妹とか?」

不良B「ってかめっちゃ上玉じゃね?」

不良A「そうだな・・・おい男、財布は良いからそれ貸せよ」

男「・・・・・・」

不良A「大丈夫だって、ゴムはつけっから」

不良B「そう言ってお前あの女孕ませただろ?www」

不良A「だっけ?忘れたwww」ゲラゲラ

不良B「ひっでwww」ゲラゲラゲラ

男「・・・・」プッチン

鬼娘「・・・・・おい」ギロリッ

不良A「!?」ゾワッ

不良B「なんだ!?」ゾクッ

男「鬼・・・?」ゾゾッ

鬼娘「・・・貴様ら、黙って聞いていれば何をほざくか」ゴゴゴゴ

不良A「お、おい、なんかやべーぞ!?」

鬼娘「人の痛みも知らず、迷惑をかけ、女に対し責任も取らず」

不良B「どうなってんだおい、やべえよやべえよ」ダラダラ

鬼娘「貴様らは人間ではない、ただの屑だ、屑以下の以下だ、生きる価値も無い塵芥だ!」

男「おい、鬼!」

鬼娘「・・・っ」

不良A「おい男、あいつ止めろよ!」ガシッ

不良B「ふざけやがって!」ドンッ

鬼娘「黙れ小僧共!」

不良A・B「ひぃっ!?」

鬼娘「・・・失せろ」

不良A「あ・・・あ・・・」ガクガク

鬼娘「お前らには殺す価値も無い、不愉快だ」

不良B「ひぃ」

鬼娘「さっさ失せろ!」

不良達「逃げろ!逃げろぉ!」ダダダダッ

男「・・・鬼」

鬼娘「言っただろう、鬼は約束を破らぬと」

男「・・・すまん」

鬼女「何を謝るのだ?」

男「・・・すまん」

鬼娘「恥ずかしくないのか、人間」

男「なんだよ急に」

鬼娘「あんな下衆共に好きなように言われて、恥ずかしくないのか」

男「・・・仕方ないんだよ」

鬼娘「仕方ないもあるか!お前は優しくない、ただ臆病なだけだ!」

男「・・・・・・っ」

鬼娘「ふん、だがまあ安心したぞ」

男「安心?」

鬼娘「お前は卑怯ではない、鬼は憶病は嫌いだが卑怯はもっと嫌いだ」

男「嫌いじゃない、か」

鬼娘「ふふん、分かったらさっさと勝負だ!」バッ

男「だから、すぐそうするのやめろって」ガシッ

鬼娘「だから私に勝負させろー!」ジタバタ

男「鬼」

鬼娘「ん?」

男「アイス、買ってやる」

鬼娘「あいす?なんだそれは」

男「冷たくて甘いお菓子だ」

鬼娘「ほう!美味そうだな」キラキラ

男「一本だけだぞ、勝ったら帰ろう」

鬼娘「ふん、この勝負はお預けだな」

男「・・・」ギュゥ

鬼娘「さっさと離せ」

男「・・・やだ」

鬼娘「離せ!離せって!」ジタバタ

大分恋愛物らしくなった気がする 気がする

いいぞ、そのまま続けてくれ

数日後の朝

男「・・・・・・・おはよう」ムクリ

鬼娘「おう人間、挨拶とは感心だぞ」ニカッ

男「すっかり慣れている自分が怖い」

鬼娘「ふふん、今日という今日はしっかりと勝負をだな」

男「はいはい勝負勝負」ギュゥッ

鬼娘「だーかーらー!」

男「思えばこの数日間色々な事があった・・・」

――――――

鬼娘「人間!昨日ははぐらかされたが今日こそ勝負!」

男「アイス美味かったか?」

鬼娘「うむ、あのような氷に甘味がついたものはかきごおり以来だ!」

――――――

鬼娘「やぁやぁ!今日こそは正々堂々と勝負だ!」

男「今日は繁華街に行く予定なんだが」

鬼娘「ほほぉ・・・衆目の中雌雄を決すると、中々の意気込みだ」

男「いや、それはおかしい」

―――――

鬼娘「どうだ、そろそろお前もこう・・・拳の1つでも交えたくなったろう」

男「いや、全然?」

鬼娘「くっ・・・こうなればいっそひと暴れして」

男「あぁ?」ギロリ

鬼娘「・・・冗談です」シュン

――――――

男「ああ、勝負しか挑まれてなかった」

男母「男君、ちゃちゃっと朝食食べちゃいなさい」

鬼娘「今日は『そーせーじ』か!」バクバク

男母「鬼ちゃんはお肉好きなの?」

鬼娘「鬼は何でも食うがな、肉も無論好きだ」ムシャムシャバリバリ

男「(いつの間にかなんか仲良くなってるし)」

男「(なんだかいつの間にか生活の一部になってるんだよなぁ・・・)」

鬼娘「うむ、うむ、美味い」

男「そう言えば、鬼」

鬼娘「おお、勝負か?」

男「お前は箸の使い方上手なんだな」

鬼娘「お前は鬼が手づかみで物を喰うと思っているのか?」

男「なんか野蛮だし」

鬼娘「とことん失敬だな、まあ普段は面倒くさいから手で喰ってるが」

男「やっぱり事実じゃないか」

鬼娘「第一鬼を誤解過ぎているぞ、人間は」

男「だって鬼って言うのはお前しか見た事が無いんだから仕方ないだろ」

鬼娘「ふふん、では特別に鬼について教えてやろう」

男「いや、いらないけど」

鬼娘「要らんのか!?」ガビンチョ

男「だって面倒くさそうだし」

鬼娘「・・・・・」ジトーッ

男「はいはい、聞きます聞きます」

鬼娘「よし!」

男「(面倒くせえ)」

鬼娘「鬼、というのはつまり一種の妖怪だ」

男「妖怪?」

鬼娘「闇にまぎれ、人を襲う人外の者たち…とは人間の弁だがな」

男「つまりどう言う事だ」

鬼娘「人間にとって害となるものだ、そう覚えておけ」

男「成程」

鬼娘「鬼と言うのは、”強い者”だ」

男「強い…者?お前は強いか?」

鬼娘「お前が異常なだけだとおもうぞ」

男「まあそう言う事にしておこう(実際鬼を抑えるのに結構力を使うしな)」

鬼娘「なんか言いたげだな人間」

男「(そう考えると、こいつの怪力ってのはやっぱり人外のなんだなとしみじみ思ったり)」

鬼娘「ひたすらに強力で、ひたすらに頑強で、ひたすらに強靭な存在」

鬼娘「略奪の限りを尽くし、あらゆる怪異の頂点に立つ存在」

鬼娘「人はそれを、我々を鬼と呼んだ、人間に恐れと怖れを与える存在が鬼だ」

男「(こいつがいつも人間を見下しているのはそれでか)」

鬼娘「つまりは人間にとって敵わない存在が鬼なのだが・・・」チラッ

男「その人間に勝てないからお前は勝負を挑んでくると」

鬼娘「その通り、物分かりがいいな」

男「うわぁ、いつも思ってるけどすげえ面倒くさい」

鬼娘「正直驚いたよ、お前ほど強い人間を見たのは初めてだ」

男「初めてって…そういえば何歳なんだ、鬼」

鬼娘「女に年齢を聞くとは不躾な奴だな…」

男「見立てだと…そうだな、18歳ぐらいか?」

鬼娘「はん!その程度の訳がないだろう」

男「じゃああれか?100歳とか?」

鬼娘「853歳だ」

男「Oh...」

鬼娘「お前より年上なんだぞ」エッヘン

男「(別に自慢する事でもないとは思うがな)」

鬼娘「まあ、そんなわけで勝負だ人間」

男「悪いがこれから買い物に行かなければならん」

鬼娘「私との勝負の優先順位は買い出しよりも低いのか!?」

男「勿論」

鬼娘「ええい、人間のくせに生意気だぞ!」

鬼娘「・・・まあよい、興がそがれた」

男「出来ればそのままの方がいいんだけどね」

鬼娘「絶対に一発くれてやるからな!覚悟しろよ!」

男「あーはいはい、怖い怖い」

鬼娘「絶対だぞ!」シュンッ

男「・・・あいつ、いつもどこにいるんだろうな」

それまた数日後

男「おはよう」

鬼娘「おはよう、随分と良い寝顔をするじゃないか」ニシシ

男「つべこべ言ってないでさっさと飯食いに行くぞ」

鬼娘「そうじゃな・・・腹が減った」

男「そう言えばお前はいつもどこに居るのだ?鬼」

鬼娘「そ、そうじゃなぁ・・・ふらりふらぁりとそこら辺を散歩しておる」アセアセ

男「そこら辺、ねえ」

鬼娘「本当にそこら辺じゃぞ?」

男「いやな、こないだニュースで『水の上を走る女!』とかの写真が紹介されてな」

鬼娘「ほうほう」

男「絶対お前だろあれ」

鬼娘「知らん、しかし折角散歩していたというのに不届きな輩め」プンスコ

男「(この写真が撮れたのってここから少なくも東に100㎞は離れた場所なんだがな)」チラッ

鬼娘「おお、母殿おはよう」

男母「今日も男君を起こしに来てくれたの?」

鬼娘「ふん、幾ら相手があいつといえど寝込みを襲う趣味はないからな」

男母「あらあら、お盛んなのは良い事ね」

男「ちょっとまて、なんかまた語弊を生んでる気がする」

鬼娘「・・・・・」モグモグ

男「・・・・・・」モグモグ

鬼娘「なあ、人間」

男「勝負はしないぞ」

鬼娘「いや、そうじゃないんだが」

男「珍しい事もあるもんだな」

鬼娘「鬼は、どこに行ったんだろうな」

男「どう言う事だ?」

鬼娘「私は沢山の鬼とともに生きてきた、鬼の絆は金剛石よりも固いんだ」

男「そりゃ結構な事で」

鬼娘「だが、どれだけ探してもあいつらは気配すらない・・・」

男「(もしかして、こいつは夜ごとに仲間を探して居たのだろうか)」

鬼娘「・・・・・」シュン

男「そう言えば、お前はなんであそこに居たんだ?」

鬼娘「さあな」

男「さあなって・・・」

鬼娘「覚えていないんだ」

男「覚えていない?」

鬼娘「そこだけ記憶に靄がかかったみたいになって、思い出すと頭が痛くなる」

男「思い出さない方がいい事もある、か」

鬼娘「取り敢えず今は飯が美味い、それだけは確かだ」ニシシ

男「・・・」チラッ

鬼娘「うまいうまい」パクパク

男「・・・なんだろうなぁ」

恋愛物とかよく分からない ぬるぽ

更に数日後

男「・・・・おはよう」ギュゥッ

鬼女「貴様!目覚め一番にこちらを抑え込むとは卑怯な!」

男「(だんだん流れ作業化してきた気がする)」

鬼女「むー・・・・」

男「(鬼が抵抗する事も無くなったし、こいつも慣れて来たのか)」

鬼女「で、今日はどこに行くのだ?」ムシャムシャ

男母「あら、今日もお出かけ?男君が外に出る様になって嬉しいわ」

鬼女「ふふん、家の中で戦う訳にもいくまいて」モグモグ

男「どの口が言うか」

鬼女「人間がまともに勝負をしないのがいけない」

男「へぇへぇそうですか」

男「図書館にでも行くか・・・?」

鬼女「としょかん?」

男「本を貸し借りするところだ」

鬼女「ほほぉ、本を!」キラキラ

男「本に興味があるのか?」

鬼女「私は鬼の中でも読書家で知られるのだ、略奪した本をせっせと読み耽っていた」

男「やっぱりお前は鬼なんだな」

時々鬼娘と鬼女を書き間違える謎

図書館 所謂ライブラリー

男「ここが図書館だ」

鬼娘「ここが図書館か!」

男「略奪さえしなければ自由に読んでいい所だ、あと暴れたり大きな声は出すな」

鬼娘「あい分かった!」

男「大きな声は出すな」

男「好きにしてていいぞ」ボソボソ

鬼娘「どこに行くのだ?人間」ボソボソ

男「レポートの為に書籍を探しに行く」カツカツ

鬼娘「では好きにしている」

男「略奪はするなよ」

鬼娘「沢山の本があるな」

男「図書館だからな」

鬼娘「ふむ、試しにこの本を読んでみるか」

男「まあ、読んでる分には無害か」

鬼娘「・・・・・・・・」

男「?」

鬼娘「・・・・・・」カァァァァ

男「おい鬼、なんで赤くなって…」

本「フ○ンス書院」

男「あかん、それあかんやつや」

鬼娘「な、なんでもないぞ…ふふ、ふふふふふ」バタン

男「じゃあ、ちょいと書籍探してくる」

鬼娘「くっ…このような罠が配置されていたとは」

男「やけに初々しい反応だったな」

数時間後

男「ふぅ、こんなものか」

本「結構な量借りていきまんがな旦那」

男「・・・前まで怪力を持っていて楽なのはこういう時位だったな」

本「ぎっくり腰とかしゃれにならんでぇ」

男「今はほら、鬼を抑えるのに役立つし中々有用なものになってるかな」

本「あんさんそりゃあきまへんで」

男「鬼って意外に柔らかいんだよな・・・って何考えてるんだ」

鬼娘「・・・・」

男「ああそんなところに居たのか、鬼」

鬼娘「・・・・」

男「・・・どうした?気分でも悪いか」

鬼娘「・・・なんでも、ない」ガタッ

男「どこに行く」

鬼娘「外だ、外気を吸ってくる」

男「・・・なにがあったんだ?」

本「ここやあんさん」

男「あいつは何を呼んで…っ」


『怪異大辞典』

―――――鬼

古くから人々の恐怖の対象であった存在であり、怪異の中でも特段に有名であった妖怪である。

彼らが活躍したのは現在より6000年前の日本であり、現在はその名を知るものは多くない。

いや、そもそも怪異や妖怪といったものすら知らない人間の方が多いだろう。

彼らがその姿も形も見せなくなってからはもうずいぶんと経つのだから。

強力で、横暴で、豪胆で、大雑把で、理解不能で、それが鬼だったと当時の人は言った。

山から下りてくる彼らはただ純粋な恐怖の対象で、人は震えているしかなかった。

彼らは特別な力は何も持たず、ただ純粋な力を持って暴れ、略奪の限りを尽くした。

山を砕き、空を割り、あっという間に東から西へと駆け抜け、酒を好む。

勝負を好み、悔しければ怒り、悲しければ泣き、嘘を何よりも嫌った。

鬼は、その力と角を除けば人間より人間のような性格だったのかもしれない。

人は、鬼を畏れ、怖れ、何時しかそれは敵意へと変わった。

人は決起した

人は武士を雇い、薬を開発した

人は鬼を騙し、貢物と言い酒を供し、薬の作用で昏倒した鬼を襲った


鬼は

鬼は、全員

斬り殺された

男「……っ!」

全員ではないのかもしれない。

人々が狂ったように鬼を殺しつくし、犯しつくした後最後の一人を見つけた。

その”一族で最も幼い鬼”は、人が慰み者にして殺そうとした時不思議な事に消えてしまったというのだ。

どこに行ったか分からず、またもうこれ以上深追いはしたくないと思った人はこれにて鬼を退治したと、そう認定したのである。

鬼はこうして滅んだ

だが私は、その最後の鬼は生きているのだと考えている。

いつかきっと、人々が鬼を忘れた日に。

どこかでふとした拍子に、目覚める様に出てくるのではないかと思っているのだ。

男「…鬼、鬼!」ダッ

男「どこだ、どこに居る鬼」

鬼娘「・・・・・」

男「・・・鬼」

鬼娘「見たか、あれを」

男「ああ」

鬼娘「思い出した、全部思い出した、思い出してしまった」

男「・・・」

鬼娘「・・・鬼は、滅んだんだな」

男「ああ」

鬼娘「探しても探しても、居ないわけだ」

男「ああ」

鬼娘「滑稽だとは思わないか、私を」

鬼娘「鬼が滅んだというのに探し続けていた私は滑稽だと思わないか」

鬼娘「まだ、鬼が滅んだことを認められない私を滑稽だと思わないのか」

鬼娘「鬼の中で一番弱いのに、威張り散らしていた私を滑稽と・・・」

男「鬼」ギュゥッ

鬼娘「人間・・・」ジワッ

男「強がるな、お前はそんなに器用じゃないだろう」ギュッ

鬼娘「にんげん・・・わたし、わたし」ジワァッ

男「泣いていいんだ、お前は」

鬼娘「うぇ・・・うわぁぁぁぁぁん!」

男「結局、疲れて寝るまで泣いてたなこいつ」

鬼娘「・・・むにゃ」スゥスゥ

男「もう夜か・・・ふくもびちゃびちゃだし、寒いな」

鬼娘「・・・にんげん」ギュゥ

男「・・・・・・帰るか」ナデナデ

――――――
―――

男父「男が泣きっ面で寝てる女をいきなり連れ帰ってきた件について」

男「おい親父、余計な事をするんじゃない」

男母「どこまで行ったの?」

男「やっぱり母さんはずれてると思うんだ」

翌朝

目覚まし「いやね、そろそろあんさんは起きんとアカンと思うのよワイは」

男「・・・」バチコーン

目覚まし「あぅっ」

男「・・・・・・」チラッ

鬼娘「にく・・・肉が食いたい・・・」スゥスゥ

男「・・・おはよう」

鬼娘「あぁ・・・?おはようにんげっ・・・」ビクッ

男「昨日は」

鬼娘「忘れろ」

男「やだ」

鬼娘「忘れろぉーっ!」ブルン

男「おっと危ない」ガシッ

鬼娘「・・・っ!?」ビクッ

鬼娘「・・・・・・」ジリジリ

男「どうした?」

鬼娘「いや、なんか、あれだ」

男「あぁん?」

鬼娘「・・・お前、それ以上近づくな」カァッ

男「はぁ?」ノソノソ

鬼娘「近づくなって言ってるんだ馬鹿もんがぁ!」ダカダカダカダカ

男「・・・嫌われたか?」ポリポリ

ようやくそれっぽくなってきた気がする 多分もうじき終わる

その夜

男「そう言えば、鬼」

鬼娘「唐突に何の用だ?」

男「お前、これからどうするんだ」

鬼娘「どうするって・・・どうするんだろうなぁ」

男「鬼はもう居なくなったんだろ?じゃあもう探しに行く意味はなくなったじゃないか」

鬼娘「まあ山で寝るなりなんなりするさ、夜は寝てはならぬと言う法も無し」

男「・・・それでいいのか?」

鬼娘「文句でもあるか?」

男「いや、なんというかさ・・・ほら」

鬼娘「なんだ急に滑舌を悪くして」

男「なあ、鬼」

鬼娘「なんだ人間」

男「お前、うちに来ないか?」

鬼娘「・・・は?」

男「だってほら、お前はもう両親と知り合ってるし、なんか仲良いし…もう家に住んじまえよ」

鬼娘「・・・」ポカーン

男「どうせ昼間はこっちに絡んでくるだろうし、お前も居心地良いみたいだしさ、部屋だってある、問題ないだろ?」

鬼娘「お、おう」

男「よし、じゃあ行くぞ」ニギッ

鬼娘「ちょ、急に手を握るな馬鹿たれがぁ!」ドッキーン

男「なにかいかんのか?」

鬼娘「・・・なんでもない!」プイッ

―――――
―――

男「色々あって許可が下りました」

鬼娘「お前があんなに積極的だとは思わなんだ」

男「しょうがないだろ、なんかそうしなきゃいけない気がしたんだから」

鬼娘「意味が分からん」

男「(こっちも意味が分からんだ、実は)」

鬼娘「まあ、寝床はありがたいな」

男「(でもなんかなぁ、こいつがまたふらふらと外を歩いてると思うと、嫌だ)」

鬼娘「こうしてみると案外整頓されているのだな、お前の部屋は」

男「(なんだろうなぁ)」

男「さて、急すぎて部屋が用意できなかったのだが」

鬼娘「構わんよ、床で寝る」ゴロン

男「駄目だ」

鬼娘「は?」

男「お前はベッドで寝ろ」

鬼娘「大丈夫、普段から酔いつぶれて床で寝てたり木の上で寝てるから慣れてる」

男「そう言う問題じゃない、お前がこの部屋の床で寝る事が問題なんだ」

鬼娘「それを言うならお前はどこで寝る?」

男「床とか」

鬼娘「駄目だ、絶対に駄目」

男「はぁ?」

鬼娘「ほら、その…人間は貧弱だからな、床で寝るなんて駄目だ」

男「男だから丈夫だぞ」

鬼娘「とにかくだ!私はお前が床で寝るなら寝ないぞ!」

男「・・・よし、いい考えがある」ヒョイッ

鬼娘「第一、私が人間のベッドで寝るとかその・・・ってうわぁ!?」

男「二人で一緒に寝ればいいのだ」ゴローン

鬼娘「・・・!ちょ、おまえ・・・」

男「結構狭いが勘弁しろ・・・ってどうした?」

鬼娘「なんでも、ない」カチーン

男「おいどうした、こっちを向け」

鬼娘「こっち向くな、向いたら容赦しないぞ」カチコチカチーン

男「・・・?変な奴だな」

鬼娘「変なのはお前だろうが・・・」ガチガチ

男「起きてるか?」

鬼娘「寝れる訳なかろうが・・・」

男「鬼」

鬼娘「なんだ」

男「もう、勝負をつけるとかいわないんだな」

鬼娘「・・・ああ、そうだな」

鬼娘「始めはただ、敗けたのが悔しかった」

男「ああ」

鬼娘「それが続いて行って、次第になぜ戦いを挑むのかわからなくなった」

男「そうか」

鬼娘「鬼の力ですら勝てない人間、力を振るう事すら許されず、その差は縮まらず」

男「・・・・・・」

鬼娘「分かっていた、私はこの人間にどうしても勝てないと心のどこかで理解していた」

男「じゃあ、なぜ」

鬼娘「鬼の誇りを護る為かもしれない、まだ勝つ事に拘っているのかもしれない、そんな事をずっと考えていた…だが、分かったよ」

男「・・・それは」

鬼娘「私は、お前との繋がりが欲しかったんだ」

男「・・・・・・」ドクン

鬼娘「人間なんて非力で、弱いと思っていたのだが中々興味深い」

男「そりゃ、こっちが特殊なだけだがな」

鬼娘「だがな、お前と話していて楽しいと思ってる私が居た、勝負を挑んで力の張り合いをするのは楽しかった」

男「楽しかったか?」

鬼娘「ああ、今になって遅すぎるとは思うがな」クスクス

男「・・・・・・」

男「・・・俺も、楽しかった」

鬼娘「迷惑がっていたんじゃなかったのか?」

男「こんな力を持って生まれて、初めて張り合えるのが居た」

鬼娘「そりゃそうだ、お前の力は人間のそれではないからな」

男「力を振るって人が傷つくのが怖くて、ずっと力を抑えていた、でも…心のどこかで思う存分力を出したいと思っていた」

鬼娘「やはりな」

男「思うままに力を振るいたいけど人が傷つくのは怖い、気が狂ってしまいそうだった」

鬼娘「・・・」

男「でも、自分の全力を使って抑えられる存在が出来て、なんだか自分が肯定された気がして・・・嬉しかった」

鬼娘「肯定、か」

男「今までの自分が、この力が肯定された気がして…嬉しかったんだ」

鬼娘「肯定された気がした、か」

男「ああ、気のせいかもしれないが」

鬼娘「・・・気がした、じゃないな」

男「うん?」

鬼娘「私がお前を肯定してやる、鬼の名に賭けてお前を肯定してやる」

男「・・・っ」

鬼娘「だから、そんな自分を責めるな、その・・・あれだ、私はお前にそんな事を言ってほしくない」

男「・・・鬼」

鬼娘「なんだ」

男「ありがとう」

鬼娘「・・・こっちこそ、ありがとう」

鬼娘「少し…眠いな、寝る」ウトウト

男「おやすみ、鬼」

鬼娘「・・・」スゥスゥ

男「・・・」ギュゥ

鬼娘「ん・・・」ピクッ

男「(なんだこいつ、柔らかい)」ギュゥッ

鬼娘「・・・」クゥ

男「(柔らかくて、小さくて、なんか良い匂いがして…これ絶対俺と同じ石鹸じゃないよな?)」

男「(なんだこれ、すっげえ胸がばくばくしてるけど気付かれてないよな?)」ドキドキ

鬼娘「・・・ん」サラサラ

男「(うわ、髪さらっさら…やべぇこれ、なんだこれ)」スンスン

鬼娘「むぅ・・・にんげん」ムズムズ

男「(やべっ、ばれた!?)」

鬼娘「・・・・・」スゥスゥ

男「(ばれてなかった・・・)」ホッ

男「(…もうちょっと、いいよな?)」

鬼娘「・・・・・」

男「(うわ…なんか自分でも引くぐらい心臓バクバクしてるぞこれ)」ドキドキドキ

鬼娘「・・・みゅぅ」

男「(もうちょっと、いいよな?寝てるしばれなければセーフ…だよな)」

翌朝

目覚まし時計「いや、出来れば力を貸さんでも起きれる様になればなーって思うんよワイ、分からん?」

男「……」グゥグゥ

目覚まし時計「ねえ聞いてますあんさん?ワイはあんさんの事思うて言うとんねんで」

鬼娘「うるひゃい」ゴギャンッ

目覚まし時計「これあかんやつや」チーン

鬼娘「人間おきろぉ~…寝すぎると太陽が沈むぞぉ~…」

男「……ああ、おはよう」

鬼娘「全く、お前はもうちょっと早く起きた方がいいと思うぞ?…ってなんで顔隠してるのだ」

男「……いや、太陽がまぶしくて」

鬼娘「そうか?じゃあ先に朝食を手伝いに行くぞ」ガタンッ

男「………」

男「なに?あいつあんな可愛かったっけ?」

男「首を傾げる仕草とか、きょとんとした顔とかやばい、なんか破壊力がやばい」

男「え?それであれあんな怪力でしょ?超速で走ったりとかするんでしょ?」

男「それを昨日後ろから抱きしめたり恥ずかしながら匂い嗅いだりしちゃったんでしょ?天罰とか当んないかな」

男「しかもあれだよ?初めて会った時から抱きしめたりしてたんだよ俺?」

男「なにこれ、なにこれ・・・なにこれぇ!?」

多分次最終章 その前に一つクッションはいるかもしれんね

150レスぐらいで一区切り着くんじゃないかと
龍×人間とか 神様×人間とか 天狗×人間とか
そんなの誰か下さい(切実 人外成分が足りないんです(憤死

龍×騎士の話を考え中 龍娘だと何というか・・・神聖さとか巨大さとかがね、上手く出せそうにも無くて

唐突に無自覚いちゃこら書きたくなった 深夜だし

鬼娘「人間、それとってそれ」

男「醤油と言え、ほら」ヒョイ

鬼娘「よく分かったな人間」タパタパ

男「お前、目玉焼きには醤油派だろ」

鬼娘「塩も良いが今日は醤油って気分だった」

男「そうだと思った」

鬼娘「ほほぉ、勘がいいのか?」

男「さぁ」

男「あー・・・」

鬼娘「ほれ、麦茶だ」ダバダバ

男「お、ありがとう…っく、丁度喉が渇いてて」グビグビ

鬼娘「なんか欲しいかと思ってな」

男「…っぷぁ、乾いた喉に染みるなぁ」

鬼娘「なんか見てたら喉が渇いてきたな…ちょっと貸せ」グビグビ

男「それ俺が飲んだのだぞ?」

鬼娘「なに、麦茶であることには変わらんだろう…っぷはぁ!」

――――――
―――

鬼娘「………これ、人間の飲んだのだ」

鬼娘「……」チラチラ

鬼娘「…ええい、ままよ!」ゴクリッ

男「なにしてるんだ?」

鬼娘「ぶふーっ!」ゴバッ

男「喉が渇いたのか?」

鬼娘「なななななんでもなななな」ダダダダダ

男「おい鬼!どうしたんだ!?…行っちまった」

男「……これ、鬼が飲んだのだよな?」

男「………」チラチラ

男「……罰は当らんよな?」グビッ

男母「鬼ちゃーん」

鬼娘「どうした母殿」

男母「この瓶蓋が開かなくなっちゃって…鬼ちゃんとれる?」

鬼娘「ふふん、その程度鬼には赤子の手を捻るより容易い事…貸すが良い」

男母「ありがたいわー」ヒョイ

鬼娘「ではいくぞ・・・」

男「おーい鬼ー居るかー?」

鬼娘「ひゃいっ!?」ミシャリッ

男母「あっ」

鬼娘「あっ」

男「あ」

男母「あらまぁ・・・瓶ごと握りつぶしちゃったけど怪我は無い?」

鬼娘「面目ない母殿・・・」

男母「いいのよ、男君が小さい頃はよくあったから」

鬼娘「・・・・」チラッ

男「ナンノハナシダロウナー」メソラシー

男母「でも掃除しなきゃね」

男「それは俺がやるよ」

男母「あ、そう?助かるわ―」

男「鬼は手を洗ってこい」

鬼娘「そうしよう、手がべたべたで気味が悪い」トテトテ

男「…………」

男「(やっべー…ジャムまみれの鬼で興奮するとかなんだよ俺変態かよ…)」

男「その角ってさ」

鬼娘「おお、これは鬼の誇りだな」

男「いや、それは分かってるんだが…触っていいもんなのか?」

鬼娘「!?それは駄目だ!」

男「あーやっぱ駄目か…なんか兎の耳みたいなものかと思ってだな」

鬼娘「鬼の角は誇りだ、滅多に触らせるものではない」

男「そうだよなぁ…なんかいつも大事にしてるし」

鬼娘「だが…そのだな」

男「?」

鬼娘「お前にならその…角を触らせてやっても…」

男「いいのか?」

鬼娘「やっぱり駄目だ!そう言うのはまだきちんとお互いの気持ちをだな」カァァァ

男「いや、俺にはさっぱり訳が分からんのだが」

以上
・間接××
・男の本能
・文化の違い
の三本でお送りしました

男「・・・・・」ジーッ

鬼娘「・・・なんだ、何か言いたい事があるのか?」

男「おー・・・」ジィーッ

鬼娘「・・・ええい何か言ったらどうだ?そんなに見つめられるとその、困るし」モジモジ

男「そうだなー・・・」ジー…

鬼娘「・・・・・・・・」プルプル

男「・・・・」ジーッ

鬼娘「この馬鹿者がぁ!」プッチーン

男「おわあ!?」

鬼娘「人間の馬鹿野郎がうわぁぁん」ダダダダダ

男「お、おいちょっと待て鬼…ってもう行っちまった」

男母「あら、喧嘩?

男「なんか怒らせちまったみたいでさー」

男母「謝っときなさいよ?多分男君が悪いんだし」

男「そんな決めつけんなと言いたいけど、そうだろうなぁ…」

男「あれ以来、なんか妙なんだよなぁ」

男「気付いたらあいつを目で追ってる、あいつ触ると嬉しくなるけど心臓が飛び跳ねそうだ」

男「あいつを抱きしめたいし、頭を撫でたいし…なんだろうな、これ」

男「こんな事今まで無かったのに、なんか急にあいつが可愛く見えて…」

男「…探さなきゃ、鬼を」

鬼娘「……海は、相変わらず広いな」

男「鬼、ここに居たか…探したぞ」ゼェゼェ

鬼娘「おお人間、よくここに辿り着けたな」

男「なんだろうなぁ、鬼はここに居るんじゃないかって思って」

鬼娘「不思議なこともあるもんだな」

鬼娘「それで、用事は何だ?」

男「ああ、すまなかった」

鬼娘「は?」

男「なんかぼーっとしててさ…鬼が不快になったらなんか嫌だし、謝る」

鬼娘「まさかお前…そんな事の為にわざわざ?」

男「ああ、悪いか?」

鬼娘「……ぷっ、あっははは!」

男「あ、笑ったなお前!」

鬼娘「いやすまん…嬉しくてな」

男「は?」

鬼娘「家に帰った時にでも言えばいいのに、わざわざこうして追いかけてきてくれたんだろ?」

男「まあ、そうだが」

鬼娘「それがその…何というか、嬉しかったのだ」モジモジ

男「お…おう」

鬼娘「……ありがとう、嬉しかったよ人間」ニコッ

男「………!!」ズギューン

鬼娘「じゃあ私は家に帰るよ、久しぶりに潮風に当たった気がした」

男「・・・・・・」

鬼娘「もうすぐ夕暮れだからな、早く帰ってこいよ?人間」

男「・・・・・ああ」

鬼娘「母殿の手伝いをしなければなぁ、これぐらいしか役立てる事も無い」ダダダダダ


男「・・・・・・・ああ、成程」

男「恋か、これが」

次で最後になります

男「しっかしどうすっかなー・・・鬼が好きだってのは分かってるんだ」

鬼娘「むむ・・・どうするか、そろそろ覚悟を決めねば」

男「・・・鬼?どうしたんだあんなところで」

鬼娘「『お前に私の背中を預けてやる』うむぅ、インパクトは強いがどうだろうか」

男「(どうしたんだ?あんな思いつめた顔して)」

鬼娘「『お前と一生酒を飲みかわしたい』これは友人として受け取られそうだな」

男「(まさか、なんか悩みでもあるとか?それとも俺の事を考えてなのか?)」

鬼娘「『お前になら私の角を触らせてやっても良いぞ』これだな!・・・だが恥ずかしくて顔が赤くなりそうだ」

男「おい、なにをしてるんだ」

鬼娘「わわわわ、人間!?人間!?」ドッターン

男「まさか顔を忘れたか?」

鬼娘「お前の顔を忘れる訳が・・・ないだろうが」カァ

男「・・・?まあいい、何か嫌な事でもあったのかと思った」

鬼娘「嫌な事はないぞ?・・・困った事はあるが」ボソ

男「なにか言ったか?」

鬼娘「気のせいだろう」

鬼娘「分かったらさっさとどこかに行け、今忙しいのだ」

男「随分と乱暴だな」

鬼娘「ええい分からんか、これは私の今後を決める重要な事なのだ!」

男「はいはいそうですか、退散しますよー」

鬼娘「さっさといけー!」ウガー

男「ったく、なんか今日は機嫌が悪いな…あの日か?」ボソッ

鬼娘「人間!」

男「あいつは地獄耳を持ってるのかよ」

ニュー目覚まし時計「ヘーイ」

男「…しかしあれだな、やっぱ可愛いなあいつ」ニヘッ

男「って今はそれどころじゃないな…うん、やっぱりこっちから告白しないと」

男「『毎日味噌汁を作ってくれないか?』・・・これ告白じゃないし、鬼は意味を理解出来んだろ」

鬼娘「・・・おい、人間」

男「おわっ!?」

鬼娘「酷い返事だな人間」

男「いや、お前が急に表れるから」

鬼娘「なんだそれは・・・まあ、いい」

鬼娘「…今、時間あるか?」

男「ああ、まああるが」

鬼娘「じゃあ私と海に行こう」

男「海?」

鬼娘「今、海に行きたい」

男「でも海ってここから結構遠いぞ?もうじき夕暮れだし…」

鬼娘「関係ない、お前を担いでいけば」ヒョイッ

男「おわぁ!?」

鬼娘「一応言っておく…舌は噛むなよ」ミリッ

男「ちょ、まっ…」

鬼娘「全速力だ!」ダダダダダ

鬼娘「なんとか夕暮れには間に合ったな」

男「こっちは死にかけたがな」ゼェゼェ

鬼娘「力は強い癖して貧弱だな人間」

男「生憎こっちは怪力だけなんでね…」ハァーハァー

鬼娘「……お前はやっぱり、人間なんだな」

鬼娘「隣、座っていいか?」

男「え?ああ…別にいいけど」ドキッ

鬼娘「ありがと」ストン

男「…(やべえ、超密着してきてるんだが、なんか色々やべえ)」

鬼娘「……なあ、男」

男「ああ?」

鬼娘「私を嫌いか?」

男「はぁ?嫌いな訳ないだろ」

鬼娘「嘘は、付くなよ…鬼は嘘が何よりも嫌いだ」

男「今更嘘ついてどうするって―の」

鬼娘「今までの事、何か嫌だったりは無かったか?」

男「そりゃ、最初は鬱陶しいと思ってたけどさ…今はもうどうでもいい」

鬼娘「…そうか」

鬼娘「日が沈むな」

男「ああ、水平線に日が沈んでいく」

鬼娘「朱いな」

男「海が真っ赤だ」

鬼娘「…昔、私はやっぱりこうして海を見ていたんだ」

男「6000年前の事か?」

鬼娘「もうそんなになるらしいな…なんだかずっと寝ていた気分だ」

男「随分と長い眠りだったもんな」

鬼娘「偶に、これがまだ夢なんじゃないかと思ったりするんだ」

男「夢か」

鬼娘「ここに居る私も、あの太陽も、お前も、何もかもが夢なんじゃないかと思うんだ」

男「・・・・・」

鬼娘「私は、それが怖いんだ、怖いんだよ」

男「夢じゃないさ、大丈夫」

鬼娘「そうだろうか」

男「そうさ、鬼に嘘はつけないからな」

鬼娘「はは、嘘だったら許さんぞ…八つ裂きにしてしまうかもしれん」

男「おお怖い怖い」

鬼娘「昔、海をこうして見ていたんだ」

男「ああ」

鬼娘「こうして見る景色は綺麗で、寂しい」

男「そうだな」

鬼娘「何もかも変わらない、変わったと言えば隣にお前がいることぐらいだ」ニカッ

男「・・・・・・そうか」

鬼娘「ずっと、見ていたいな」

男「ずっと?」

鬼娘「ああ、こうしてずっと…って何言ってるんだろうな」クスクス

男「見りゃいいじゃねえか」

鬼娘「お前とだぞ?」

男「俺と一緒にだ」

鬼娘「お前、それでいいのか?」

男「いいよ」

鬼娘「でも、もしお前に将来好きな人間が出来てさ…そしたらそうもいかないだろ」

男「ありえないな」

鬼娘「なんで」



男「俺、お前が好きだから」

鬼娘「・・・は?」

男「変に気を利かせた言葉はいらなかったんだよ、俺はお前が好きだ」

鬼娘「ちょ、えっ?好き」

男「好きだ」

鬼娘「お前が、私を?」

男「そうだ、俺はお前が好きだ」

鬼娘「・・・本当に?」

男「嘘はつかない、何度だって言ってやるさ」

鬼娘「そ、そうかぁ・・・」

男「なあ・・・そろそろ返事を聞かせてくれ」

鬼娘「え」

男「そりゃ、お前が俺のことを嫌いなら引くよ、好きか嫌いかはっきり言ってくれ」

鬼娘「待て、心の準備が」

男「駄目だ、今答えてくれ」

鬼娘「あー・・・うー・・・っ!」プルプル

男「どうした、鬼はそんなに臆病だったのか?」

鬼娘「・・・好きだ」ボソッ

男「そうか!それはよかっt・・・」

鬼娘「好きだよぉ!この鈍感人間が!」プッチーン

男「はぇぁ!?」

鬼娘「気付けよぉ!こっちはお前が近くに居るだけで死んじまいそうだったんだよぉ!」ボカボカ

男「ちょ、痛いって」

鬼娘「遠慮なしに触ってきやがって!こっちの気も知らず抱きしめてきやがって!」ボコボコ

男「やめっ、お前今までで一番力出てないか!?」

鬼娘「うーっ・・・」トサッ

男「おう」ギューッ

鬼娘「・・・よかった、お前が私の事を好きって言ってくれて」

男「俺も、良かった」

鬼娘「・・・・・・」

男「・・・・・・」

鬼娘「・・・人間、これからどうすれば良いか分からん」

男「安心しろ、俺も分からん」

鬼娘「まあ、これで晴れて恋人同士…って事か?」

男「そうだなぁ、畜生嬉しいぜ」ギューッ

鬼娘「私も、嬉しい」ギューッ

体格については自由に想像するのが宜しいです
ちなみに鬼は身長体形普通の黒髪の美人さんを想定してます

男「帰るか、報告どうすっかな―」

鬼娘「・・・おい人間」

男「ん?」

鬼娘「手を出せ、手の甲」

男「どうしたんだ?」ヒョイ

鬼娘「えいっ」チウ

男「・・・・・・えっ」

鬼娘「ふふん、不意打ちだ・・・まともにやるとお前の額に角が刺さるでな」

男「なんだとぉ・・・鬼、顔を貸せ」

鬼娘「あん?」

男「お返しだ」チウ

鬼娘「・・・・・・」

男「ふん、でこなら角は刺さらんだろ」

鬼娘「・・・・・・・」ポケー

男「じゃ、先に行くなー」トテトテ

鬼娘「・・・・ぬわ、ぬわぁぁぁ!」ズドドドドドドド

男「ちょ、いきなり追ってくんなって!」

鬼娘「人間!今度と言う今度は勝負だぁぁ!」


おわれ

一応落とせて満足 どこに需要あるか分からんけどこの溢れ出るパトスをなんやかんやしたかった
見てくれた方ありがとう 今度人外恋愛物書いてください(DOGEZA

巷で進撃SSが流行ってますが書いてください(懇願
次スレたてるときはこのコテハンを出すのでその時はよろしくお願いします

見た目の醜い怪物が、心清らかな少女や青年と共に暮らす系が大好物です!

>>181そう、それ!孤独な雰囲気の奴!

俺もオーク主役の安価SS書いてんだけど、孤独感っての難しくて書けないんよね

私は人外×人間なら何でもいいと言うか
人外が何かによって内容が大きく変わっちゃいますわ
例えば龍×人間なら「龍娘」じゃなくて明確に「龍」の方がいいですし 絆ものを読みたい
天狗×人間なら「天狗娘」で日常系を読みたい ってのです

>>182 つ「女結~!」
お前だったのか 全く気が付かなかったぞ ヒマを持て余した 製作者の 要望

まず鬱展開にする必要があるわけだが、主人公は突発的に誕生した新種の怪物でないと難しい
同種族がいると、少女たちから手を差し伸べられるより先に同族が救出してしまう可能性があるからだ
また同種族がいることで主人公自体も、一族の排他に屈することなく共同体への深化を目指す可能性が高い
同族に受け入れられる可能性がありながら、その元を去るという選択は、悲壮感がやや軽減されてしまうおそれがあるからだ

そしてこれは言うまでもなく最重要視すべき設定であるが、主人公の心は清らかでなければいけない
畜生にも劣るゲスが排他され孤独になる展開は、胸糞の感想は残せても、同情の感想は引き出しにくい

さらに孤独というからには、主人公自体が種々の共同体への同調を求めながら、それが得られないという状況が必要になる
ここまでの考察で
・主人公は突発的に誕生した新種の生物
・主人公の心はあくまで清らか
という設定を元に考えていく

共同体への同調を求めるということは、異形の生物として誕生した瞬間、もしくはそれ以前の段階で、そのような欲求を持てるだけの知能が必要となる
つまりここで、2つの選択肢が発生することになる
・誕生した瞬間に初めて知能を得た
・始めから知能があり、何らかの異変によって異形の生物となる

このどちらを取るかによって、その後の展開は大きく変わってくる
前者を選んだ場合、「この主人公は一体何者なのか」という疑問が当然生じうる
この部分を明確にしないまま展開を続ける事はもちろん可能だ
しかしながら解決すべき疑問点を残したままの展開は、歯磨きをしないまま寝るようなもので、後味はいいとは言えない
よって、この主人公の正体を突き止めることに、進行の大部分を割かなければいけなくなる

では後者を考える
この場合、異変自体に疑問はあっても、主人公の正体については明確になる
また異変そのものも、それほど重厚な設定を必要としない
なぜなら「美女と野獣」で既にご承知の通り、その異変は消去(キャンセル)することで即座に解決することが可能だからだ

よって主人公は
・始めから知能があり、何らかの異変によって異形の生物となる
という設定でいた方が書くことはより容易になる
ただし、>>182が真相解明に力を込めて欲しいと考える場合にはこの限りではない

ではここで>>182の要望を再確認したい
強調される「孤独」については書き方が2通りある
・「孤独」状態から始まり、艱難辛苦を経て「暮らす」パートへと移行する
・始めから「暮らす」パートから進行し、「孤独」パートについては回想シーンを挟むことで補充する

>>180を見る限りでは、「暮らす」パートを大きく扱って欲しいと思える
しかし、>>182を見ると、「孤独」パートに重要視しているようにも思える
よって両者を折衷した
・「孤独」状態から始まり、艱難辛苦を経て「暮らす」パートへと移行する
方式を採用する事が正解に近いと思われる

ではここでもう片方の
・始めから「暮らす」パートから進行し、「孤独」パートについては回想シーンを挟むことで補充する
方式が>>182の要望に応え得るものであるか考えたい

結論から言うと、この方式では「孤独」パートについての描写はやや困難になる
>>180で明示される「暮らす」という言葉を考える限りでは、おそらく日常ほのぼの系の進行を期待しているものと思われる
しかし回想シーン等で「孤独」の部分を描きだすことは、この進行の雰囲気に矛盾し、ほのぼの感を損なう可能性がある
また、この「孤独」は主人公のみの体験である見込みが高い
よって登場人物の中で主人公だけが、ほのぼのに反した陰鬱な気分を味わうという、「暮らす」パートの雰囲気に反する疎外感が演出されてしまう可能性がある
さらに、現在時刻と回想時刻を何度も行き来することは、読者側に混乱を招き、また物語自体の簡易性・明確性を損なう
このように考えていくと、やはりこの方式での執筆は困難を伴い、選択することに必然性を見出せない

よって前述の通り
・「孤独」状態から始まり、艱難辛苦を経て「暮らす」パートへと移行する
方式を採用することが望ましいと思われる

ここまでをまとめる
・主人公は突発的に誕生した新種の生物
・主人公の心はあくまで清らか
・始めから知能があり、何らかの異変によって異形の生物となる
・「孤独」状態から始まり、艱難辛苦を経て「暮らす」パートへと移行する

この要点を押さえて執筆すれば>>182の要望に大きく応えられるものと思われる

>>183
とりあえず映画「ドラゴンハート」見れば……いや、もう見たか

以上! 考察終わりッッッ!!!

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