モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part2 (987)

 それは、なんでもないようなとある日のこと。


 その日、とある遺跡から謎の石が発掘されました。
 時を同じくしてはるか昔に封印された邪悪なる意思が解放されてしまいました。

 それと同じ日に、宇宙から地球を侵略すべく異星人がやってきました。
 地球を守るべくやってきた宇宙の平和を守る異星人もやってきました。

 異世界から選ばれし戦士を求める使者がやってきました。
 悪のカリスマが世界征服をたくらみました。
 突然超能力に目覚めた人々が現れました。
 未来から過去を変えるためにやってきた戦士がいました。
 他にも隕石が降ってきたり、先祖から伝えられてきた業を目覚めさせた人がいたり。


 それから、それから——
 たくさんのヒーローと侵略者と、それに巻き込まれる人が現れました。


 その日から、ヒーローと侵略者と、正義の味方と悪者と。
 戦ったり、戦わなかったり、協力したり、足を引っ張ったり。

 ヒーローと侵略者がたくさんいる世界が普通になりました。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1371988572

・「アイドルマスターシンデレラガールズ」を元ネタにしたシェアワールドスレです。

  ・ざっくり言えば『超能力使えたり人間じゃなかったりしたら』の参加型スレ。
  ・一発ネタからシリアス長編までご自由にどうぞ。


・アイドルが宇宙人や人外の設定の場合もありますが、それは作者次第。


・投下したい人は捨てトリップでも構わないのでトリップ推奨。

  ・投下したいアイドルがいる場合、トリップ付きで誰を書くか宣言をしてください。
  ・予約時に @予約 トリップ にすると検索時に分かりやすい。
  ・宣言後、1週間以内に投下推奨。失踪した場合はまたそのアイドルがフリーになります。
  ・投下終了宣言もお忘れなく。途中で切れる時も言ってくれる嬉しいかなーって!
  ・既に書かれているアイドルを書く場合は予約不要。

・他の作者が書いた設定を引き継いで書くことを推奨。

・アイドルの重複はなし、既に書かれた設定で動かす事自体は可。
    
モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」まとめ@wiki
http://www57.atwiki.jp/mobamasshare/

>>1乙です
前スレ終了時点で予約のあった子たちをぺたり

>>100(酉無し)
星輝子
白坂小梅

>>354 ◆mtvycQN0i6
荒木比奈

>>467 ◆tllOdjAt.w
十時愛梨
橘ありす
櫻井桃華

>>681 ◆OJ5hxfM1Hu2U
愛野渚
斉藤洋子

>>765 ◆C/mAAfbFZM
佐久間まゆ

>>842 ◆UCaKi7reYU
前川みく
高峯のあ
喜多日菜子

>>890 ◆lhyaSqoHV6
野々村そら

>>891 ◆zvY2y1UzWw
松永涼
桃井あずき

>>905 ◆cAx53OjAIrfz
新田美波

>>958 ◆IRWVB8Juyg
島村卯月

>>979 ◆lbKlS0ZYdV.M
井村雪菜

前スレ>>783からネタを拝借して投下行きますぜー

「・・・人探し、ですか。ご家族の方ですか?」

ある日の安斎探偵事務所。翠と由愛に、捜索願いのあった猫を送り届けに向かってもらい、事務所で報告書をまとめていた都の元に、依頼人がやってきた。

「いや、友人だ。どこ探してもまるで尻尾掴めなくてよ」

「で、ここならきっと見つけてくれる、って話を聞いて。それで、こうして依頼に」

二人の名は、向井拓海と原田美世。小さな少女一人しかいない事務所に怪訝そうな顔をした二人だが、都の落ち着いた立ち振る舞いに、とりあえず信用して話を切り出してくれた。

「なるほど。その方のお名前は?」

「木村夏樹。・・・・・・二年くらいまえに、死んだはずのヤツだ」

「・・・死んだ、『はず』、ですか」

苦々しげに呟いた拓海の言葉に、眉をひそめる都。死んだ人間を探し出して欲しいとは、一体どういうことだろうか?

「・・・交通事故にあった、って、そう聞いてたんだけどね。どこの病院にも、運び込まれた形跡がなかったんだって」

「警察にも聞いてみたんだが、まるでわけがわからん、って突っぱねられてよ・・・クソッ」

苛立たしげに、拳をもう片方の掌に打ちつける拓海。

「・・・『人探し』として依頼に来られた、ということは、何か、夏樹さんがまだ生きている、という確証がある、ということでよろしいんですね?」

二年も前に事故にあった人間、それも病院へ搬送された記録がないともなると、普通ならばもう死んでしまったと考えるだろう。

それをあえて『今どこにいるのかを探して欲しい』と依頼してくるということは、それなりに理由があるはずだ。

「・・・拓海がね。見かけたらしいんだ、夏樹ちゃんのこと」

「雰囲気はちょっと変わっちまってたし、そん時はすぐに逃げられちまったが、間違いねぇ・・・アイツは夏樹だ」

「・・・ふむ。見かけられたのは、どの辺りで?」

「街の外れのほうだ。バイク走らせてたとき、休憩してたらたまたま。・・・こんな不確かなことしかわかんねぇが、引き受けてくれねえか・・・頼む、この通りだ」

「あたしからも、お願いします。・・・せめて、もう一度会って、話がしたいの」

そういって、頭を下げる二人。そのもどかしげな表情は、都が一番嫌うものだった。

(・・・だからこそ、真実を探し出して、その表情を笑顔に変えるのが、探偵たる私の仕事。そうですよね、おじいちゃん)

「・・・『夏樹さんがいなくなった具体的な日付』、それと、何でもかまいません、『事故に関する情報』。それだけあれば、きっと、お役に立てるかと」

「・・・引き受けて、くれるのか?」

「もちろん。可能な限り、力をお貸ししますよ」

「・・・ありがとう。事故があったのは、ほぼまるまる二年前。あと、事故に関する情報、だっけ・・・」

「・・・そうだ、確かもう一人、夏樹と一緒に事故に巻き込まれたヤツがいたよな!?」

「うん・・・えっと、確か、『多田りいな』ちゃん、だったっけ?ゴメン、名前の漢字はハッキリ憶えてないや・・・」

「いえ、特徴的な名前ですし、それで充分でしょう。では、少し待っていて下さい。すぐに『調べて』みます」

そう言って、応接用のテーブルから立ちあがった都は、デスクに置いてあった本を手にとる。

目を閉じ、深呼吸をひとつ。そして、『そのまま』手にした本を開き、ページを次々めくっていく。

「おい、アンタ一体何やって・・・!?」

その行動の意図が見えず、ソファから立ち上がり都の持つ本を覗き込んだ拓海は、そこに信じられないものを見た。

装丁の繊細さに反して、その本には『何も書かれていなかった』のだ。都がいくらページを捲れど、延々と白紙のページが続いている。

「都さん、ただいま戻りました・・・あら、お客様ですか?」

「あ、あの、こんにちは・・・あ、都さん、『検索中』みたいですね、翠さん」

ちょうどそのタイミングで、猫を送ってきた由愛と翠が戻って来た。

「・・・オイ、コイツ一体何やってんだ?さっきから何も書いてねぇ本ペラペラ捲って・・・」

「ちょっと拓海、まず挨拶しなよ。あたしは原田美世、こっちは向井拓海。探して欲しい人がいて、それで依頼に」

「美世さんと拓海さん、ですか。私は水野翠、この事務所で助手を務めています」

「な、成宮由愛です。えっと、都さんは今、たぶんその人の『情報』を探してるんです」

「探す?こんな本で、しかも目ぇ閉じたまんまでどうやって・・・」

「・・・『木村夏樹』・・・『多田リイナ』・・・『二年前の交通事故』・・・『見かけた場所は・・・』・・・」

訝しむ拓海をよそに、都は検索の為の『キーワード』を呟き、ページを捲る手が加速する。

そうして間もなく、ぱたん、と都が本を閉じ、目を開く。

「・・・あ、翠さん、由愛さん、お帰りなさい。翠さん、帰ってきて早速で申し訳ないんですが、『例の依頼人』に連絡を取ってもらえますか?」

「例の・・・あぁ、『管理局』の方ですね?わかりました、ちょっと待っていてください」

電話を翠に任せて、都は拓海と美世の方へ向き直る。何が起きたのか把握しきれない拓海は、未だに納得のいかない表情のままだ。

「連絡、って・・・今ので、何か解ったってのか?」

「えぇ。夏樹さんは今、『ネバーディスペア』というチームで、カースや悪人と戦っているそうです」

「っ、『ネバーディスペア』って、あの!?そんな、夏樹ちゃんがなんで・・・」

「その辺りは、本人から聞いた方がいいでしょう」

「本人から、って・・・」

「・・・えぇ、はい。わかりました。少々お待ちください・・・都さん、あちらが電話を代わってほしいと」

「わかりました。・・・もしもし、お電話代わりました、安斎です。・・・えぇ・・・えぇ」

「・・・どうなってんだ、アイツ」

翠に呼ばれ、電話に出る都から視線を外さず、拓海が呟いた。それを聞いた由愛が、彼女の『能力』を説明する。

「えっと、都さん、『見通す者の目(サードアイ)』っていう能力が使えるんです。いくつかの『キーワード』があれば、いろんなものの『隠された真実』がわかる、っていう」

「白紙の本は、意識を集中させるための道具だそうですよ。何も書かれていないほうが、かえってやりやすいそうで」

「・・・では、そのように。・・・そこはわかってますよ、プロですから。えぇ、ではまた後ほど連絡します」

翠がそう付け加えると、丁度そのタイミングで都が電話を終えたようだった。

「お待たせしました、拓海さん、美世さん。とりあえず、面会の約束は取り付けました」

「本当か!?」

「えぇ、これからお時間があるようでしたらすぐにでも。どうされますか?」

・・・どうやら、コイツは『本物』だったみたいだ。

ようやく納得のいった拓海は、自分でも気づかないうちに、安堵した微笑みを浮かべていた。

しばらくの後、気を遣った都らが席を外した安斎探偵事務所に、もう一人の来客があった。

「・・・・・・二人とも、久し振り」

木村夏樹。拓海と美世の友人であり、すでに死んだものと思われていた少女であり、人体改造を施された改造人間であり、人知れず怪物と戦う『ネバーディスペア』のメンバーの一人。

「・・・ったく、生きてたんなら連絡の一つくらい寄越せってんだよ・・・・・・」

「ホントだよ・・・どれだけ心配したと思ってるのさ・・・・・・でもよかった、またこうして会えて・・・」

四肢の全てを義体化され、ふよふよと浮かぶ球体が眼の代わりで、空間に穴を開けて現れた彼女を見て、それでも二人の友人は、かつてと全く変わらない視線を彼女に向けていた。

「・・・何も、言わないのかよ」

夏樹には、それが不思議だった。

「こんな、手も足も機械になっちまってさ。妙ちきりんな球でモノを見てさ。何もない所から現れたり、物を取り出したり」

いくらかつての非常識が日常になった世界であっても、それでも自分の存在はとびきり異端なもののひとつだ。それなのに。

「・・・こんな、バケモノみたいになっちまったのに。何でアンタら、そんな昔みたいに————」

ぱしん、と乾いた音とともに、夏樹は頬に熱い痛みを感じた。視界が動かなかったからか、自分が美世に頬をはたかれたのだと気付くには、少し時間がかかった。

「・・・・・・ふざけないで」

俯いて、絞り出すような震えた声で、美世がぼそりと呟く。

「手足が機械になったのが何?ちょっと物の見え方が変わってるからって何さ?・・・夏樹ちゃんは、夏樹ちゃんでしょ?自分で自分のこと、バケモノだなんて言わないでよ・・・ッ」

こらえきれず、美世の頬を涙が伝う。その肩を抱きながら、拓海が口を開く。

「夏樹。オマエ今、『ネバーディスペア』っつーチームに居るんだったな・・・『カミカゼ』って名前に聞き覚えはあるか?」

「・・・バイクから変形させたアーマー使って戦う、っていうヒーローか?知ってるけど、何で今その名前が・・・」

「アレ、アタシだ」

「っ!?」

確かに、拓海は腕っ節の強い方ではあったし、やんちゃな連中に絡まれることも少なくなかったが、それでもカースと渡り合えるほどの力があるとは思えない。

夏樹の中の拓海のイメージでは、そう判断するしかできなかったが。

「オマエがいなくなってからさ。色々あって、アタシも能力に目覚めたんだよ。それで、美世がいじったバイク使って、正義の味方なんて始めてさ」

ぽつぽつと言葉を探しながら、言いたいことを纏めるように、拓海はゆっくりと夏樹に声をかける。

「だから、その、何だ。少々のことなら、もう慣れっこっつーか。今さら、見た目がどうのとか、能力がどうのとかさ。・・・アタシらの仲で、気にするほどのもんじゃねーだろ、その位はさ」

「・・・なんか。変わっちまったと思ってたのって、案外アタシだけだったのかな」

「っ、ぐすっ、そうっ、だよっ。夏樹ちゃんは、ひっく、夏樹ちゃんでしょっ。何もっ、変わってなんかっ、っ」

「だーもう、いい加減泣きやめっての・・・ったく」

そうだ。美世は三人の中で一番年上なのに、一番泣き虫で、よく拓海と二人して苦笑いしながらなだめていた。

何も。何一つ、変わってなどいないのだ。姿かたちや能力くらいでは、紡いだ絆は崩れはしない。

「・・・またそのうち、美世さんのガレージ、寄らせてもらうよ。そんときは、だりーも連れていく。・・・あー、ちょっとビビるかもしんないけど。お互い」

「お互い、ってなんだよ。・・・おう、いつでも来いよ。待っててやるからさ」

「ぐすっ、それあたしのセリフだと思うんだけど・・・まぁ、最近拓海ずっと入り浸ってるけどさ」

そんな軽口を叩きあうと、誰からともなく笑い声が上がる。

「・・・一件落着、ですかね」

少し離れた場所からも聞こえるその笑い声に、都はひとつ満足げに頷いた。

以上です
がっつり他の方のキャラ使うの初めてで緊張がヤバい(冷や汗

乙でしたー!
良い話だった…掛け値なしに

ナチュルスター=「街が…崩壊して…関わったら修繕費こっち持ちになったりしないよな…?…な…?」
ネバーディスペア=「糞っ!先にカースを狩られた!」

完全にこれ

          ,,-—————-、
        /,         、 ヽ、
.       //         、ヽ、 ヽ

       //      .ハ    t  ヽ  i
.      ,j./.    ,イ ,   | i 、__  |  .}  |
   _ノ .||   イi´  .| ヽ  ` k  ノ |  ヽ_
    `ーz_|tλ _jtj=tj`、_N  ゞt==M、/ トz_t ‐'´
       |レ ゙iオ|::::::|    . |:::::::|`「  |  |   皆さんどうもすみません、ボクがカワイイばっかりにご迷惑を
       |  .|.  ̄       ̄,,, .|  | |
       λ t '''   r-‐‐j    __| ./ /′
    ι .( レV`ー-..,__゙ニ´‐t‐''´rレレ'レ'
    ι  ヽ、    (r‐tj-ュノ`く
         `ー-、/ く`六´ゝ 、ヽ

            /  |・ ・ |   |  t、 _,-tィ^ユ、
           ヒ.__ |・  ・ |  |  ノ゙'´  ||__ノ
            ノ~~ー—┴ く ヽ、  ,r'′

むしろ、きらりんは進撃の巨人じゃなくってウルトラマンかな?

>>33
幸子なら仕方ない

そういえば、アイドルヒーロー同盟ってタイバニの奴のイメージなんだけど、会社の広告とかついてるのかな?アイドルだからつけてないのかな?

なるほど。イメージがふくらむ

依頼

緒方智恵里で
強欲のカースドヒューマン
とかどうでしょう

>>42
依頼じゃなく自分で書くんだ!

YOU自分で書いちゃいなYO

…何故安価スレでもないのに依頼が通ると思ったのか。
ふとした雑談に出した話題の方がまだ書かれやすいというのに…

投下しますねー
魔法銃の設定お借りします

「へぇ、これが魔法銃?」

茜は亜子の知り合いが先日のガラクタを改造したその銃を手に持ってまじまじと見ていた。

「そうそう。ちょっと一回撃ってみてほしいんよ。」

亜子は取りあえず知り合いを使ってごく普通の地上人が使えるかテストを行っていた。

「魔法は一番安全そうな水の魔法にしておいたから遠慮せずやったって!」

「うん、えっと『水よ!』」

茜が引き金を引いて唱えると、銃の先端から勢いよく水流が飛び出し壁を少し削った。

「よしよし、茜も使えるみたいやね!」

満足そうに頷く。これなら誰にでも高値で売り払えそうだ。

その時だった。

黒い泥のような物…カースが茜の背後に核を中心として形成しだしているのを亜子は目撃した。

「貸して!『水よ!』」

亜子は思わず茜から魔法銃をひったくると、引き金を引いた。

まだ小さな水たまりサイズだったカースの核は魔法の水により砕け散った。

(…!)

そして亜子は背筋に謎の悪寒を感じた。

思わず銃の取り換え部分を外してみると、浄化されていたはずのカースの核が少しではあるが金色に染まっていた。

「あ、ああああああああ!」

亜子が焦って核を取り出し捨てようとするも、逆に核は亜子の手から少しずつ浸食してゆく。

「やだ、やだ!まだ死にたくない!」

「亜子ちゃん!」

茜が駆け寄り、少し亜子に食い込んでいる核を思い切り掴むと地面に投げ捨てた。

「早く逃げよう!」

「あ、ありがと…」

茜は亜子の手を掴むと、全力で逃げ出した。

「…ああっー!」

取りあえず遠くに来て、亜子は悲鳴を上げた。

「さっきまで入れてあった水の魔法のビー玉が無い…!」

「お、落としちゃった…?」

「きっと核を外した時や!ああああ!核はまだ取り換えがあるから何とかなるけど!ああああ!」

大損だ!とにかく亜子は自分の咄嗟の行動を呪わずにはいられなかった。

その頃、捨てられた核はエネルギーを補給するためのエネルギー源を欲していた。

僅かなエネルギーで黒い泥をだし、何とか動きつつ探す。

そしてその核はビー玉サイズの謎のエネルギー体を発見する。

とにかくエネルギーを欲していた核はそのエネルギーを取り込んだ。

翌日

GDF陸戦部隊が数体の2〜3メートルサイズのカースと戦闘していた。

火器による圧倒的火力を受け、カースたちはほぼ核だけの状態となった。

「核が露出しました!」

「破壊せよ!」

その時だった。付近に会った川から大量の水流が飛び出し、GDFの隊員たちを襲った。

「うわぁぁぁぁ!」

「なんだ!新手か!?」

「隊長!火器が使い物になりません!」

「何ィ!?」

GDF隊員たちは武器を失い途方に暮れる。

そこに、1メートルにも満たない小さなカースが現れた。

「隊長!小サイズのカースです!」

「知るか!武器もないんだぞ!とにかく今はあの核を岩でもぶつけて破壊せよ!」

隊員たちが動き出す。とにかく物理的にでも破壊するために。

しかし、彼らより小さなカースの動きの方が早かった。

異常なほど俊敏に動き、露出して少しずつ回復しつつあった核を取り込んだのだ。

普通と違うのは、取り込んだ核が体内ではなく体表にあること。それはまるで核を宝石に見立てて着飾っているようだった。

新たなエネルギーを取り込み、その体は大きくなる。

「隊長!不味いです!」

「…総員、退避っー!」

しかし、核が数回点滅するように光ると、そのカースは消えてしまっていた。

「な、なんなんだ…一体…」

それからその奇妙な異常に素早いカースは様々なところで目撃された。

宝石店を襲撃し、カースとアイドルヒーローの戦闘に乱入し、浄化された核さえ取り込んでいた。

どんどんそのサイズは大きくなり、アイドルヒーロー同盟、GDF、宇宙管理局地球支部…様々な組織が討伐命令を下した。

…しかし、現在もそのカースは大きくなり続けている。

キングオブグリード(強欲の王)

亜子を取り込み強欲のカースドヒューマンになろうとしたところ、茜に妨害され未遂に終わった核。
しかし、不足していたエネルギーに魔法のエネルギーを取り込み、独自の進化を遂げた。水の魔法とテレポートの魔法を使用できる。
だが凛にかけられたリミッターは外れておらず、感情エネルギーは亜子からしか得ることができない。そのため、エネルギーを他のカースを取り込むことで得ている。
現在の大きさは十数メートル。まだ大きくなる可能性がある。
核や宝石などを体表に着飾るかのようにしているため、『強欲の王』という異名を付けられた。
現在はもっとも効率のいいエネルギー源として亜子を取り込もうと探している。
本来の核は白金色で、バスケットボールサイズ。
体内にあるため、破壊することは困難。しかし、エネルギーが補充できない弱点があり、再生ができないため、テレポートを何とか封じ、長期戦に持ち込めば何とかなるかもしれない。

以上です
魔法銃のネタを見たら書かずにはいられなかった…
ちょっとしたボス的な感じで書いてみました。

乙ー!
テレポートが厄介すぎる…



赤のビー玉「水色のビー玉がやられたようだな…」

青のビー玉「フフフ、ヤツはビー玉の中でも最弱…」

緑のビー玉「カースごときに負けるとはビー玉の面汚しよ」

黄色のビー玉(…ヤバイ…あぶれた…)

乙ー

キング・グリード……なかなか厄介だな…

周りの被害覚悟でナチュルスター三人が全力で技をやればいけそうだけど、発動前にテレポートされたらアウトやな

テレポートを封印できれば勝因はありそうだけど、厳しそうかな

井村雪菜を投下します

カースの設定をお借りさせてもらい、更に独自で設定の付け足しをさせていただいてます

———————
—————
———

黒猫に変化する少女…いや、少女に変化する黒猫と呼ぶのが正しいのか。
佐城雪美は夜の街を歩いていた。

本来、猫という生き物は夜行性なので何も不思議なことのようにはみえない。
だが、佐城雪美は望月家では人間の生活のサイクルに合わせて行動しているため、昼は活動し、夜はしっかりと睡眠をとる生活を送っていた。

しかし今日は大好きな彼女の歌を聴いて早くに眠りについてしまった為に、真夜中にふと目が覚めてしまった。
静寂。
そこには、大好きな彼女の姿。
望月聖の姿が無かった。

雪美「(聖……どこ……?)」

雪美「(そばに……いないとダメ……)」

雪美「(……離れないで)」

佐城雪美はいなくなってしまった望月聖を求め、当ても無くさまよい歩き続けていた。
けれども自分が当ても無く歩いていても、聖はきっと見つけてくれる。
そう信じて佐城雪美は歩き続ける。


———しかし


「———あらぁ♪可愛い子猫ちゃん♪」

雪美「……!」

彼女を見つけたのは、求めていたものとは違う…受け入れがたい存在だった。

雪菜「って、よく見たらぁ…」

雪菜「うふふ♪雪美ちゃんじゃなぁい♪」

雪美「……ルシ…ファー……!」

雪菜「うふ…私の声だけでわかってくれるなんて嬉しいなぁ♪」

雪菜「姿と形は別物なのに♪」

雪菜「でも、今の私は井村雪菜って名前なの♪」

雪菜「って言っても…その井村雪菜ちゃんの精神は完全に乗っ取っちゃってますけどっ♪」

「ルシファー」と呼ばれ、そして自らを「井村雪菜」と名乗る少女はクスクスと笑う。

雪美「……相変わらず…ふざけている……」

雪美「本当に……乗っ取っている……限らない……」

雪菜「それはそうねぇ♪」

雪菜「私の能力なら、メイク一つで顔も形も…」

雪菜「必要なら声だって…性質全てを思いのままに変えられるしね」

雪美「……」

雪美「……あなたに……用無い……」

雪美「…私……行かなきゃ……」

雪菜「…つれないわねぇ」

雪菜「もっとこう、感動の再会にはならないのぉ?」

雪菜「私たち…」

雪菜「———「傲慢の大罪」を司る仲魔じゃない♪」

雪美「……っ」

「傲慢の大罪」

その言葉が雪美の顔を歪める。

雪美「……私は……」

雪菜「それともなぁに?」

雪菜「もしかしてあの天使様に毒されちゃったの?」

雪菜「…って、まさかそんなことないよねぇ♪」

雪美「……ルシファー」

雪菜「ん?なぁに?」

雪美「…私……人間を……傷つけるつもり…ない…」

雪美「……あなたと私……繋がってない……」

雪美「今は……聖と……繋がっている……」

雪美「……私に……関わらないで……」

雪菜「……」

雪菜「…うふ。そっかぁ…」

雪菜「あ〜あ…雪美ちゃんに裏切られちゃった…」

そう言いながら「井村雪菜」は手のひらに上に黄色の物質を形成する。

雪菜「———カースを生み出す作業、一人でやるの大変なんだよぉ?」

雪美「……なら……そんな核……作らない……」

雪菜「正論ね♪」

雪菜「でも、それは出来ない相談なの♪」

雪菜「———それとも、力づくで止めてみる?」

雪菜「そのために、あの天使様と一緒にいるんでしょう?」

「井村雪菜」から不敵な笑みこぼれる。
その笑みは「傲慢」を司る「悪魔ルシファー」の余裕にも見える。

雪美「……わかった……」

雪美「……今……止める……」

雪美「……!!」

刹那、佐城雪美という少女の小さな肉体が異形に変化する。
鋭い鉤爪、巨大な翼。
鷲の頭にライオンの下半身。
普段の愛らしい黒猫の姿とは遠くかけ離れた姿がそこにはあった。

グリフォン(雪美)「…aaaaaaaaaaa!!!」

雪菜「うそぉ!?ホントにやる気なのぉ!?」

雪菜「それってつまり私と戦って勝つ自信があるってことなのぉ?」

しかし、その変わり果てた姿を前にしても「井村雪菜」は雪美相手におどけてみせる。

雪菜「……」

雪菜「…うふ♪」

雪菜「貴女もやっぱり「傲慢」を司ってるだけあるわ♪」

雪菜「良いわ…そのプライドがどれほどのものなのか…」

雪菜「試してみましょうかっ!!」

グリフォン(雪美)「aaaaaaaaaaaaaa!!!」

「———雪美……ダメ…」

グリフォン(雪美)「……!!」

雪菜「…!」

雪菜「…タイミング悪いわね」

二つの力の衝突。
それは望月聖の柔らかな声と共に未遂となって消えた。

グリフォン(雪美)「…aaa」

聖「……」

変わり果てた雪美の姿。
しかし聖はいつもと変わらない優しい口調で彼女を宥める。

聖「雪美…それは…あなたの姿じゃない……」

聖「良い子だから…戻りましょう……?」

グリフォン(雪美)「……」

聖がそう言い終わると同時に雪美の身体を光が包み込んだかと思うと

雪美「……聖」

次の瞬間には異形の存在は消え、そして聖を不安そうに見つめる小さな少女の姿があった。

聖「……」

そんな雪美に対して、聖は柔らかく微笑む。

その微笑みを見た雪美も安心したように微笑み返す。

雪菜「…スポットライト、こっちにも当ててよね」

聖「…!」

雪菜「それとも天使様は視界が狭くていらっしゃるのかしら?」

自分が無視されてることに若干の憤りを感じたのか「井村雪菜」は嫌味ったらしく、そう発言する。

聖「……ルシファー」

雪菜「うふ♪人間界では「井村雪菜」って名前なんですよっ♪」

雪菜「この顔と身体、可愛いでしょう?」

聖「……」

聖「…今ここで、あなたと争うつもりは無い……」

雪菜「…雪美ちゃんといい、あなたといい、もう少し会話を楽しむ気はないの?」

「井村雪菜」はわざとらしく、頬を膨らませ抗議する。

雪菜「まぁ、私も無駄に争う気はないわ」

雪菜「疲れるだけですもの♪」

雪菜「それに私の核が生み出すカースは基本的に人間を襲ったりはしないし、今すぐに決着をつける必要も無いわよねぇ」

雪菜「ねぇ、雪美ちゃん?」

雪美「…!」

聖「ルシファー」

雪菜「…なにかしら?」

聖「いつかは…争う時は来る…」

聖「そして、今後雪美を挑発することがあるようなら…」

聖「その時は…容赦しない…」

雪美「……聖」

雪菜「うふ…怖い怖い♪」

雪菜「……また会いましょう。雪美ちゃん、天使様」

そう言い残し、「井村雪菜」こと「ルシファー」はその場から瞬間的に姿を消した。

雪美「…聖」

聖「…雪美」

聖「…帰りましょう」

雪美「……うん」

雪美「……」

雪美「…聖……ばか……」

聖「えっ…?」

雪美「……どこ……行ってたの……?」

聖「…夜のお散歩……」

雪美「……」

雪美「…私たち…いつも…一緒……」

雪美「離れたら……ばか……」

聖「…ごめんなさい」

聖「もう…一人にしないから……」

雪美「………約束……」

聖「…うん」

聖「(…もう、一人にはさせない…)」

井村雪菜(ルシファー)(井村雪菜の肉体年齢は17歳)


職業:悪魔
属性:傲慢
能力:メタモルフォーゼ

七つの大罪の一つ「傲慢」を司るルシファーの名を持つ悪魔。
「傲慢」のカースは彼女が作り出す黄色の核が原因で生み出される。

彼女自身「傲慢」に含まれる「虚飾」の感情が非常に強く、常に自分の姿形を別の姿形に変形させており、本物の彼女を姿を見たことある者は数少ない。
当然だが「傲慢」の感情も強く、いかなる場面においても余裕は崩さない。

何故、人間界へ降りてきてカースを生み出すのか。
その目的は今は不明である。


佐城雪美(人間の姿では10歳程度)


職業:望月家の飼い猫兼グリフォン
属性:傲慢?
能力:変化

聖の相棒ともいえる存在だがその関係性は不明。
聖と同じく望月家に寄生しているが「佐城」という名字はどこから来ているのだろうか?

望月家で人間の娘では無く、ペロという名の飼い猫として暮らしているのは猫の姿の方が楽だかららしい。
猫以外でも七つの大罪の一つ「傲慢」を司る生物であるグリフォンにも変化することが出来る。

同じく「傲慢」を司るルシファーとは相容れない仲のようだが、その詳しい関係は不明である。


望月聖(人間の姿では13歳程度)


職業:地球では中学生
属性:聖なる乙女
能力:全貌は明らかにされてない

光と麗奈の中学校に転校してきた謎の少女。
光に力を与えた張本人だが、その真意は果たして…?

ルシファーから皮肉を込めて「天使様」と呼ばれる。
どうやらルシファーとはただならぬ因縁があるようだ。

カース(七つの大罪)とその対応する悪魔(生物)

憤怒・サタン(ユニコーン、ドラゴン、狼)
色欲・アスモデウス(蠍、山羊)
傲慢・ルシファー(グリフォン、ライオン、孔雀)
嫉妬・レヴィアタン(蛇、犬)
怠惰・ベルフェゴール(熊、驢馬)
暴食・ベルゼブブ(豚、蝿)
強欲・マンモン(狐、針鼠)

おわりです

というわけで世界中にカースが出現する原因になった元凶キャラクターの一人というのを書かせてもらいました。
もしこの設定が無理があるようでしたら、どうかスルーしてください。

乙ー

そういえば加蓮の名前をエンヴィーかレヴィアタンで悩んでたな……

…あ、ちょっと閃いた。

その前に投下します

森久保乃々は隠れていた。
逃げる、隠れるは彼女の得意分野。
息を潜め、気配を消し、周りの音に耳を済ませながら隠れている。

乃々「むーりぃー……」

そう彼女が言うのは、いつもの事である。

しかし、今彼女が巻き込まれてる状況はそう言いたくなるのも仕方ない。

だって……


宇宙人A「畜生!何故、ココがバレた!?誰か密告したのか!?」ババババッ

宇宙人B「クッ…狙撃兵がいるぞ!あのウサミン達に売る予定のプラズマバスターはあるな!?それで応戦しろ!?」ピチューン!ピチューン!

宇宙人C「あのウサミン共から連絡ねえし、そこからバレたんだろ!畜生!あのウサミン共使えねえな!」

椿「今回の異星人は手強いですね。詩織ちゃん。そっちから狙撃できる?」パンッ!バンッ!

詩織『………難しいわね。今、撃ったら死角にいかれたわ。あっちも相当訓練受けてるみたいね』

志保「それにしても、向こうはなんで私達が来るってわかってたんですか?準備が早いんですけど」ズダダダダダッ!!!

宇宙人達とGDFの交戦だ。


ここは町外れの廃墟。宇宙犯罪組織の隠れ家の一つである。
地球に潜伏している過激派のウサミン星人達と取引をしているのである。

GDFは前に捕らえたウサミン星人から、この場所を聞き出し、制圧しにきたのだ。

まあ、こんなの隠れ家は氷山の一角だ……

問題は………なんで森久保がいるのかってことだ。

遡る事、30分前。

乃々は、毎回多発する学校の部活勧誘の人間達から逃げ出していた。

彼女は、弱気でネガティブな発言をしてるのが目立つが、運動神経はそれなり高い。
故に彼女が通う学校の部活の人達は是非助っ人に!と彼女を勧誘しにくるのだ。

もちろん、彼女はそんな目立つ事や失敗とか嫌だから全力で逃げていた。……まあ、ナチュルスターの活動もあってだが。

普段はそんなしつこくないのだが、部活の大会が近い時期になると、部活の人達は是非うちに助っ人でいいからきてくれ!と。

だから、彼女はそれらから逃れる為に全力で逃げ、この倉庫の前まで来てしまったのだ。

運悪く、センサーに引っかかり警告音が響きわたった。
異変に気づいた乃々は、とっさに変身して、使われてなさそうな鉄の箱の中に隠れたのだ。

外へ出てきた武装した宇宙人が、周りを警戒してると、たまたま制圧作戦に来たGDFの隊員と遭遇。

そのまま交戦したのである。

運が悪いというか……なんというか……


乃々は思った。

このまま隠れてれば、あの人達がなんとかしてくれんじゃないのかと

自分が出ても被害が増えて、邪魔になるだけだし、訴えられちゃうんじゃないかと。

なら、このまま隠れてよう。そうすればいいんだ。






−−−本当にそれでいいんですか?…

だけど

−−−確かに…それが1番なんですけど……

思い浮かべるは、自分の友達の悲しそう顔。

−−−ほんの……少しだけ、頑張って頑張ってみます……



>>88ミス
訂正文




−−−本当にそれでいいんですか?…

だけど

−−−確かに…それが1番なんですけど……

思い浮かべるは、自分の友達の悲しそう顔。

−−−ほんの……少しだけ、頑張ってみます……



椿「まずいよ。押され始めてきちゃってます!」

志保「弾がきれました!!」

詩織『っ!!今、私もそっち行くわ!それまで持ちこたえて!!』

その時だった。

突然、近くの鉄の箱から大量の海水が溢れ出したのだ。

GDFも宇宙人達もなんだ!?と動きを止め、そちらを見た。

乃々「海よ!」

乃々「悪しき心を持つ邪悪な意志に立ち向かう」

乃々「自然を愛する優しき乙女に力を!」

乃々「全てを包み込み、安らぎを与える海!ナチュルマリン!!」

大量の海水を引き連れて、ナチュルマリンが鉄の箱から飛び出し、宇宙人とGDFの間に割って入った。

志保「あれは……」

詩織『知ってるの?志保』

志保「歩く自然災害で有名なナチュルスター……彼女達が戦った場所は建物の被害が多く、自然に溢れてるっているんです。始めてみました」

椿「え?ヒーローですよね?異名が怖いよ?」

乃々「ふ…風評被害なんですけど……確かに、建物壊しちゃったりしたんですけど…ワザとじゃないんですけど…」

GDF「「「(((事実なんだ……)))」」」

宇宙人A「えっ、ええいっ!!ヒーローまで来やがったか!?逃げるぞ!?」

宇宙人B「流石にヒーローまで来たら厄介だな…」

宇宙人C「逃げるんだよおぉぉぉぉ!!!」

乃々「それは………」

大量の海水が上空に飛び上がり

乃々「むーりぃーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!」

宇宙人達を取り押さえるように降り注いだ。

詩織「……っで、異星人たちをその水で気絶させて確保はできたけど、こっちにも飛び散った水が思いっきりかかったわけね」

離れた場所から椿達に合流した詩織は溜息をはきながら辺りの惨状を見た。

椿「そうなんですよ……カメラもダメになっちゃった……。コレってナチュルスターに請求できますか?」ショボーン

志保「難しいんじゃないですか?それにカメラは経費で出ないかなーって」

ビショビショに濡れた二人は、目隠しと猿轡をされた気絶してる宇宙人を一ヶ所に集めながら、そう言った。

詩織「それで司令は?」

椿「一先ず待機だって……」ショボーン

志保「ナチュルマリンもいつの間にかいないし、今日はついてないな」

椿「………ナチュルマリンを見つけたら、カメラ代請求してもらわないと……ふふふ」

詩織「椿さん。顔がちょっと怖いわよ?彼女だって悪気はなかったみたいだし」

志保「にしても……この異星人達。種類がバラバラなのに、動きは統一されてて、まるで訓練されてるみたいですね」

何か大きい組織がこの地球に来てるのではないか?そう彼女達は感じた。

だが、その脅威から地球を守るのが彼女たちの仕事だ。

頑張れGDF!負けるなGDF!!

君たちなら地球を守れる!!


そして、森久保からカメラ代を払ってもらうんだ!!!

乃々「むーーーーりぃーーーーー!!!!!」

終わり

宇宙犯罪組織

名称は現在不明。目的も完全には掴めてない。だが、色んな星で目撃証言がある。

近々詳細を掴めるかもしれない。

過激派のウサミン星人となんらかの取引をしていた。

数多の種類の宇宙人が在籍していて、それぞれが戦闘訓練をうけている。

地球にも支部が数多く存在し、今日も犯罪を起こすだろう。

以上です。

椿、詩織、志保お借りしましたー

ウサミン達だけで地球に乗り込まないだろう→なんか取引相手いるんじゃね?→よし、誰でも付け加えかのうな設定作ろう→もりくぼぉー!!→どうしてこうなった?

……なんか、すいませんOTL

そして、頑張れ椿!森久保からカメラ代を請求するんだ!!

乙です

森久保ォー!?
…宇宙犯罪組織…宇宙管理局と対になりそうな…

乙乙です
もりくぼ、がんばって制御できるようになろう!

>>79
ちょっと閃いちゃったので奏と千枝ちゃんで予約しますー
・・・どれとは言ってないデスよ?

おっちし☆
この森久保もむりむり言いながら徐々に成長していく……んだろうな…?

>>99
閃いていただけてマジ嬉しい

>>57,97
GDF使ってもらえて嬉しい、ありがとう!

野々村さん書けたので投下します
地球管理局、П、茄子さん、他諸々の設定をお借りしてます

茶番長めですごめんなさい


──宇宙の何処か──

真っ暗闇の空間に、何者かの声が響く。


「さて、我らの計画の進捗状況についてだが」

「……ウサミン星の一件は大きな痛手となったな」

「強固な全体主義の下で理想的な繁栄を遂げていたウサミンの崩壊」

「その原因は、彼らにもたらされた『文化』によるものだ」

「『感情』の起伏を促す『娯楽』……か」

「やはり、知的生命体にとって感情という現象は唾棄すべきものであるな」

「左様、此度のウサミン星の騒動はその恰好のモデルケースと言えよう」

「と、なれば……これ以上被害が広がる前に手を打たねばなるまい」


「ウサミン星の『グレートマザー』が持ち帰ったとされる文化の発信源は何処だ?」

「天の川銀河に属する太陽系……その第三惑星、地球だ」

「何と、そのような辺境の未開惑星が……」

「地球人は、殊更感情の起伏の大きい種族なのだ」

「故に、彼らの生み出す文化……娯楽も、相応の影響力を持つことになる」

「だがしかし、連中は未だに太陽系の外へすら出てこられないのだろう?」

「我らが手を下すまでも無く、捨て置ける問題ではないのか?」

「ならぬ、現に彼らが原因で一つの種族が滅びかけているのだ」

「矮小な存在とはいえ、不安要素は無くしておくに限る」

「左様、防疫とは早期に実施してこそ効果が上がるものだ」


「……我らの宇宙が次なる段階へと進化を遂げるために」

「障害となるものは如何なる手段を講じてでも排除せねばならん」


──宇宙管理局・太陽系支部──

LPは、暫くぶりに訪れた休暇をどう過ごそうかと思案していた。

「よう、LP」

LP「ッ!?」

突然背後から声をかけられ、身構えながら後ろを向き返る。

LP「お前は! CuP!?」

CuP「ははっ、相変わらず警戒心の強いこって」

唐突に表れたCuPと呼ばれた男は、どうやらLPとは顔見知りらしい。


LP「なんでこんな所に? 本部の指令か?」

CuP「いやなに、久しぶりに友の顔を見たくなってな……こんな理由じゃ納得できないか?」ニコォ

LP「……」ゾクッ

LP「(またこれだ、こいつといると尻がムズムズしてくるんだよな……)」

CuP「お前も休暇中なんだろ? ……一杯付き合えよ」

LP「……わかったよ」

普段は飄々としているCuPの見せた真顔にただならぬ事情を感じたLPは彼に付いていくことにした。


──宇宙管理局・銀河系方面司令部──

二人は居住区にある古びた居酒屋に来ていた。
CuPが店主と合言葉のようなやり取りを交わすと、店の中にある隠し部屋らしき場所へ通された。

CuP「さて……単刀直入に告げるぞ」

CuP「『評議会』が動いた……」

LP「!!」

CuP「どうやら、地球に『ソラ』を送り込んだらしい」

LP「何だと!?」

LPは思わず声をあげる。
ソラといえば……宇宙連合の影で暗躍する秘密結社『評議会』子飼いの実働要員だ。


LP「奴ら……地球をどうしようっていうんだ」

CuP「俺も詳細は掴めていないが、連中がまたぞろ厄介事を始めたってのは確かだな」

LP「……」

CuP「お前は地球にお熱らしいからな、教えておいた方が良いと思ったんだが」

CuP「それとも、伝えない方が良かったか?」

LP「いや……ありがとう、俺の方も少し情報をあたってみる……」

CuP「フッ……礼はお前の身体で「それ以上は言うな」」


──その頃・地球──

評議会の工作員であるソラは、身分を隠し地球人『野々村そら』として行動していた。
活動拠点の確保に成功した彼女は、これまでに得られた情報を整理していた。

そら「(私に与えられた任務は、この星の文化を他所に広げないこと……)」

そら「(その為の手段は制限されていないから、文明を丸ごと滅ぼしてしまうのが最も単純かつ確実)」

そら「(とりあえず、利用できそうな勢力をもう一度洗い出してみるか)」


そら「(地球人に敵対している存在で……最も一般的なのは負の思念体カース)」

そら「(ただ、これらの能力は周囲に多少の混乱を引き起こす程度……地球人を滅ぼすなんて期待はできそうにない)」

そら「(他には、はぐれ異星人やら、宇宙犯罪組織やらが散発的に地球人に対して被害を与えている……けど)」

そら「(これも既にある程度の対策がとられている……役には立ちそうにない)」


そら「(地球外生命体と言えば、人型プラントイドが活動していたな)」

そら「(確か、例の……植物の星の大精霊、ユミ……だったか)」

そら「(それと接触を図って、彼らの『計画』の実行を焚き付けるのもアリか)」

そら「(けど、地球を守るアイドルヒーロー同盟とやらの組織の一員らしいから)」

そら「(交渉に失敗した場合のリスクが大きい……)」


そら「(やはり、種族内での内輪揉めを誘発させるのが一番か……)」

そら「(GDFとやらを利用するのはどうか……一応地球上ではかなりの規模を誇る組織らしい)」

そら「(幹部連中は宇宙管理局と通じてるみたいだから、管理局に居る我々の工作員を通じて懐柔できるかも)」


そら「(他には、アンダーワールドと呼ばれる地底に住む連中が、地上を攻撃しようと画策しているとの話もある、こちらもかなりの規模だ)」

そら「(ここ数日の調査で知識や技術に関して貪欲らしいということが分かっているから)」

そら「(我々にとっては既に陳腐化している数世代前のテクノロジーでも、ちらつかせてやれば容易に籠絡できるだろう)」


そら「(ただ、地球で活動するにあたっていくつか懸念材料がある……)」

そら「(一つは、はぐれウサミン星人と共に行動している、奥山沙織という地球人だ)」

そら「(彼女の『歌』は……はっきり言って危険だ、私の精神プロテクトを破りかねない物だった)」

そら「(この二人に関しては……なんらかの対策を講じる必要がありそうだ……)」

そら「(もう一つは、地球人が『神』と呼ぶ、高次の存在だ)」

そら「(本来なら、彼らが物質界に干渉することなどほとんどないはずなのに)」

そら「(どういうわけか、この星にはそういう存在がひしめいている……)」


そらが長い事思案していると、部屋の何処からか鐘の音が鳴った。
地球の文化について学んであったそらは、それが自分を呼んでいるものだと知っていた。

そら「はーい! 今出ますよーっ」

ガチャッ

そら「どちらさま?」

扉を開けると、そらが活動拠点としている建物の管理人(の部屋に居候しているらしい女性)が立っていた。
名は確か、鷹富士茄子といったか……たったいま懸念材料としていた高次の存在である。

茄子「えっと、そらちゃん"越して来たばかり"だから、ちゃんと馴染めてるかなーって気になったので」

茄子「一緒にお夕飯でもどうですか?」

そら「お夕飯……?」

長年の工作員として活動してきた勘が警鐘を鳴らす。
心理や思考、精神等に侵入されないための訓練を受けてはいるが、神が相手ともなればどうなるか分からない。
心を読まれれば、地球に害をなす存在であると知られてしまう。

そら「(ものすごく拒否したいけど、それはそれで怪しまれそうだ……)」

そら「(あるいは『神』を身近に置いて、腹を探ることも必要か)」

そら「うん! せっかくだから、ごしょーばんにあずかろうかな☆」

茄子「ふふっ、喜んでもらえると良いんですけど!」


──Пの部屋──

そら「おじゃましまぁーっす☆」

茄子「どうぞお構いなく」

П「一応言っておくが、ここは俺の部屋だからな?」

茄子「ちなみに、今夜はカレーライスですよ」

茄子「さあ、遠慮しないで召し上がれ」

П「一応言っておくが、作ったのは俺だからな?」


そら「(今のところ、神にも地球人の男の方にも敵意は感じない……この食物にも細工の気配はない)」

そら「それじゃ遠慮なく! いっただっきまぁーす!」モグモグ

二人は、そらがカレーを食べる様子を見守っている。

そら「(すごく食べ辛い……)」モグモグ

とりあえず一口分咀嚼し終え、スプーンを置く。

そら「おいしーっ!」

П「そうか、それは結構」

そら「こんなにおいしーかれーらいすが食べられて、あたしはっぴー!」

実際は味なんてわかりはしないのだが、地球人の娘だったらこんな風に反応するんだろうという想像の下で発言する。

茄子「Пさん、良かったですね! 美味しいって言ってもらえましたよ!」

П「……」ギューッ

茄子「痛い痛い!お腹つねらないで!」


──食べ終えました──

そら「ごちそーさまー☆」

茄子「お粗末様でした」

П「(もはや突っ込まんぞ……)」


П「しかしそらよ、お前のそのはっぴーな喋り方はどうにかならんか」

П「なんだか落ち着かないんだが……」

そら「!!」

そらは口調について指摘を受け、思わず固まってしまう。
彼女のこの口調は、別に元気の良い地球人を演じているというわけではなかった。
彼女の種族は若いうちは、このように少し特殊な喋り方をしてしまうのだ、意識してもこればかりはどうしようもないことらしい。
もっとも、その種族も遠い昔に滅びてしまったのだが。

そら「え……えっと……」

そらが口ごもっていると、茄子が庇うように口を開いた。

茄子「もう! Пさんダメですよ? そんなこと言っちゃ!」

茄子「そらちゃん、この人の言うことは気にしないでくださいね? 私は可愛いと思いますよ、その喋り方」

そら「う……うん……ありがとう」


そら「えっと……今日は誘ってくれてありがとう!」

そら「あたしもいずれ、二人にはっぴーなお返しするから☆」

茄子「うふふ、期待していますね」

П「あー、なんかすまなかったな……またな」


──そらの部屋──

そらは、先ほどの男の言葉を引きずっていた。

そら「はっぴーはっぴー……か」

そらは自分の種族についての記憶が曖昧で、それでも別段意識したことなど無かった。
しかし、口調について指摘を受けて意識し始めると、そればかりが頭に浮かんで離れない。

そら「(どうしてハッピーという単語が口をついて出てしまうのだろうか……)」

そら「(ハッピー……幸福?)」

そら「(私とは無縁のものだ……)」


そら「(そういえば……私と同じような喋り方の人が……いたっけ)」

そら「(……確かに……いたはず……なんだけど)」

そらの記憶の片隅に、ほんのわずかに残っていた。
自分と似たような喋り方の…………自分と同じ種族の何物かの存在が。

そら「(顔も名前も、姿も声も思い出せないが、確かにいた事は覚えている)」

そら「(一体、あの人は……私は、何者なんだろう……)」


ふと、自分が意味の無い思考にとらわれている事に気づき、頭を振る。
今なすべきは与えられた任務を遂行することである。
自分が何者であるか……などという余計な雑念は、必要ないばかりか任務遂行の邪魔になるだけだ。

そら「(今日はもう休もう……そして、明日からは行動を開始しよう……)」

そら「(地球人を……滅ぼすために……)」

自分の目的を再確認した彼女は、意識を遮断すると休息状態に入るのだった。

※宇宙連合『コモンウェルス』

宇宙の中でも最大の規模を誇る異星人の共同体。
自らの生まれ育った星系の外へと進出を果たした知的生命体が加入を許可される。
強制はされないため、加入しない種族も多い。
宇宙管理局をはじめとする多くの下部組織を擁している。


※評議会

宇宙連合の幹部により結成された秘密結社を指す隠語。
内部の構成員の数やそれらの種族など、一切が謎に包まれている。
宇宙から負の感情エネルギーを無くす(感情そのものを無くすことでも達成される)ことを目的としており、
その為には星一つ滅ぼすことも厭わない。

CuP

職業:宇宙管理局・諜報部所属の防諜員

生物学的にオスのみで構成される種族『Cu』出身の青年。
LPとは古くからの知り合い。
宇宙のあらゆる組織の裏事情に詳しいらしい。


野々村そら

職業:評議会の実働要員
属性:洗脳されてる系悪役
能力:特になし

遠い昔に滅亡したとある種族の生き残り。
評議会の駒として、多くの汚れ仕事をこなしてきた。
内言語は普通なのだが、声に出すとはっぴーはっぴー☆になってしまう。

ちなみに、宇宙連合内で都市伝説としてその存在がまことしやかに囁かれている。
曰く「ソラ(それが何を指すのかは一般時は知らない)に目を付けられた種族は遠くない将来に滅びる」とのこと。

投下おわりです
LPとПのキャラが違和感あったらごめんなさい

適当にでっち上げましたが、評議会のメンバーにアイドルを宛がうのもアリかと存じます
野々村さんの正体はきらりんに繋がりがありそうな感じにしたけど特に考えてないので、どなたか拾ってあげてください…

>>115
誤字訂正 一般時>一般人で

乙!

そらちゃん来たと思ったらCuで吹きかけたw

さて…一応みく、のあ、日菜子が完成したので躊躇いつつも投下してみます


side M

「にゃあ〜……おなかすいたにゃあ……もうキャットフードでもいいにゃ………」

休日の昼間、買い物客で溢れかえる大型ショッピングモールの日陰に思いっきり横になって寝ている少女がいた。

「けど暑いにゃ……動きたくないにゃあ……」

世界が異変………例えば、異星人が現れたり、正体不明の怪物が出たり、悪を名乗る集団やはたまたそれらと戦うヒーローヒロインが表舞台に立つようになっても、人々の生活は割と変わることが無く続いていた。

「けどやっぱりおなかすいたにゃ………まいったにゃあ………」

それは、人類が延々と続けてきた歴史の偉業か。

「………はぁ、ひもじいってこういう事なのかにゃあ……」

もしくは、弊害か。

「お財布すっからかんにゃあ………あ、あんなところに100円が落ちてるにゃ!」

———つまるところ、ネコミミ&ネコシッポを生やしてどこかの学校の制服を着た少女『前川みく』にはお金が無かったのだった。

「1…10………15……19円しかないにゃあ……」

何度目かもわからない財布チェックをするが、結果はわかりきっていることだった。

「せめてあと100円あれば……唐揚げ串が買えるのににゃあ……ぐぬぬ」

ごーろごーろ、右に左に寝返りをうって空腹を紛らわせようとするみくであったが、ふと視界の端にきらりと光るものをみつけた。

「あ、あれは……間違いないにゃ!!」

光があたり鈍く輝く小さなもの……それを見た瞬間、みくは飛び起きていた。

そして、思いっきり体に力を込めた後。


「100円にゃ!100円あれば唐揚げ串が買える「キャアアアアアアア!!?」に"ゃ!?」

みくが100円に向けて飛び出そうとしたのと、悲鳴が聞こえたのと、視界の端に黒い異形が揺らめいたのはほぼ同時であった。

「………って、うっそにゃあああああッ!?」

さらに言えば、日陰であった柱の上から自分のバックに足を引っ掛けた上にそのまま落ちたのが次の瞬間であったりする。

「ッにゃああ!!………うっわ、やめてほしいにゃ、こういうの……」

「ユルサネエエエ!ユルサネゾオオオオオ!!」

既に買い物客達は黒い異形『カース』から逃げようと散りだしており、空中で身を翻して着地したみくと憤怒に分類される人型状のカース、そしてカースの足元にある100円だけが開けた空間にあった。

「……まぁ仕方ないにゃあ。他に誰も居なさそうだし、憤怒ならまだやりやすいにゃ」

しかし、特に焦るわけでもなくカースに向き合うと、

「……5分にゃ!5分でぶっ飛ばしてお肉を食べにいくにゃ!!」

そう宣言して、両の手に白い大きな鉤爪が3本付いた純白の手甲をいつの間にか装着したみくは軽快な動きでカースに突撃した。

「オオオオオオオオオオ!!!」

「おっそいにゃ!」

怒りのままにカースが振り下ろした腕部の一撃をひらりとかわし、すれ違いざまに鉤爪で脚部をバターの様に切り裂く。

そのままバランスを取れなくなり倒れかけるカースの後ろに周り背後を斬りつけながらも素早くバックステップ、力任せに振るわれた振り向きながらの攻撃から逃れる。

そしてバランスを完全に崩し倒れたカースに再度突撃、今度は片方の腕を根元から切り落とし、そのまま一気に胴体を切り裂く。

「……にゃ!?」

その寸前で、大きくバックステップ。

一拍遅れてみくが居た空間にカースの体から飛び出した無数の触手が殺到する。

それだけならまだいいのだが、触手の一部が切り落とされた部位に巻き付き結合しようとしているのも見えた。

「……メッチャめんどくさいタイプだにゃコイツ!!」

いくら核を破壊しないと再生するカースだからといって、これは早すぎであった。

内心ついてないにゃあと独りごちしながらも、完全にくっつく前に決着をつけようと身を低くして、再び突撃。

今度は直接核ごと切り裂こうと胴部分を狙うが触手を放ちながら激しく暴れるカースに接近できなかった。

「どうしろって言うにゃもう!」

そうこうしている内に脚部が完全に結合したカースが身を起こそうとする。

しかし、それはその分だけ攻撃の手が緩まる事になり、みくはそれを見逃さず肉薄、続けざまに再び片足と胴体の中程まで切り裂くことに成功したが……

「……ハズレたにゃあ…みくのテンションがクライシスにゃあ…」

大きなチャンスを逃し、勢いが多少そがれるみくであったがそれでも諦めずに何度目かの接近を試みようとして。


「————アアアッ!?!?」

「………落ちなさい」

背後、否、空から、ボロボロのカースと共に怜悧な声が割れたガラスと降ってきた。



side N

(…………………………………………………………)

(…………………………………………………………)

(…………………………………………………………)

「………ここは…?」

彼女が目覚めたのは、陽に照らされた場所であった。

まず自身をみれば、一件レディーススーツにも似た服装と、自らの銀色の長髪が見えた。

次に周りを見れば、人間で溢れており、柵で囲われて、顔を上げれば青空が見えた。

屋外、それも屋上なのだろうと考える。

「………………私は……?」

そして一つ一つ、整理する。

(…………………………………………………………)

「……………………………………………私は……」

「……………のあ……私は、のあ…?」

これが彼女———のあの目覚めであり、最初の記憶でもあった。

「…………?」

しばらくの間、空を見上げたまま物思いに耽っていた彼女だが、にわかに周りが騒がしい事に気づいた。

「カースだ!カースが出たぞ!」

「………カース…」

その単語に、自分の何かを惹かれたのあは人だかりのできている方へと歩く。

————ノ——ダ————。

「……何?」

しかし、そうしようとした瞬間、低く嫌悪感を抱くような雑音が聞こえた。

——オレノ———アアア—。

「………カース…」

その雑音が聞こえる方に顔をむけた瞬間、のあはそれが何であるか理解した。

黒い水たまり。

それが、今にも溢れ出さんとばかりにブクブクと泡を吐き出していた。

———オレノモノダアアアッ!!

そして、弾けるように『強欲』のカースが生まれた。

「う、うわああああああああ!?」

「出たあああああああ!?!?」

「逃げろおおおおおお!!」

そのカースが生まれてすぐ、悲鳴と怒声が周囲を埋め尽くし人々が出口に向かい殺到する。

———カースの背後……ちょうど死角となっている場所に、子供が一人泣いているのを見つけたのはすぐであった。

「ヨコセエ……ヨコセエエエエエ!!」



普通の人間ならば、逃げるというのが最善の選択肢である。

しかし、のあはただじーっとカースを見つめ、ほんの少しその背後を見た後に。

自身の持っている『知識』を基に彼女なりの最善の選択肢を選び、行動することにした

「………ターゲット、強欲———オープンコンバット」

すなわち、カースの排除を。

《Weapon:カートリッジ式インパクトマグナム》

自らの知識に従い、アクションを起こす。

次の瞬間、文字通り空間にノイズが走る。

そして、まるで当たり前のように手を伸ばし、当然のように近未来的なフォルムの白銀色の銃を引き抜く。

「……まずは一撃よ」

「ガッ!?」

そしてそのまま構えて発砲、寸分も違わず命中して泥のようなカースの体に銃弾と凄まじい衝撃を与える。

「……オマエエエエエエエエエ!!」

完全にのあだけに注目したカースは、体中から触手を出してのあに差し向けるが、それを最小限の動きでかわしつつ一発、また一発と撃ち込んでいく。

そして、5〜6発目の直撃を受けて動きが止まった瞬間をのあは逃さずに、次の手を打つ。

《Leg:クイック・ホイールローラー》

太ももから下全てが、こちらも近代的なフォルムのアーマーで覆われ、高速機動を可能にするローラー装備になると同時にカースに躊躇いなく急接近し。

「……そこよ」

鋭く一回転した後の、ホイールの最大出力によるミドルキックを放ちカースを蹴り飛ばす。

鈍い音を立てながら柵に激突するも、屋上から叩き落とすには至らなかったカースが再び大量の触手による攻撃を開始する。

が、それよりもまた一瞬早く散らばる椅子やテーブルをかわし、あわてて迎撃しようとする触手を振り切り。

「ガアアアアッ!?!?」

「………落ちなさい」

———今度こそ、叩き落とした。

そうして叩き落として、勢い余って自分も飛び出したのあは、自分の眼下にネコミミ&ネコシッポの少女と、倒れながらも再生するカースとショッピングモールに侵入する別のカース。

そして侵入するカースの後から歩いてくる、一人の少女を確認した。

side H

「……むふふ♪」

青空の下、いつも通りに過ごしている彼女がそこには居た。

「王子様なら、どうするんでしょうねえ……やっぱり、颯爽と現れるんでしょうねえ……むふふ」

片手を頬にあて、更なる妄想に入り込む。

「きっとお姫様のピンチに駆けつけて、悪者を一太刀で追い払ってくれるはずですぅ……むふ♪」

思い浮かべるのは絢爛に白く輝く剣が振るわれる姿と、それを見上げる一人の姫君。

「あぁでも、信頼する仲間を引き連れて戦いに出る王子様を見送る・・なんてのも捨てがたいですねぇ♪」

場面は切り替わり、見事な連携で敵を討つ理想の人物を描く。

一糸乱れぬ、途切れることのないような剣撃の絵、その中でも一際輝く、まだ見ぬ王子の姿を。

「むふふふ………けど、王子様が心配なお姫様はきっと後を追ってしまうんですよぉ♪」

優雅に、まるで舞台上で演じるかのように歩く。

「そこでお姫様は不運にも悪漢達におそわれちゃうんですけど……」

ぴたりと、歩みを止めて反転。

「お姫様を慕う騎士たちが、守ってくれるんですよぉ……むふふふふ♪」

時には盾、時には槍、時には剣。

それら全てに守られる、姫君の姿を写した。

「そして最後には、白馬に乗った王子様が来て、お姫様を救い出すんです♪」

悪漢の頭領を切り伏せ、姫君を救い出した、クライマックス。



———最後に残ったのは、思い描いた物語の悪役のように、核を含め幾重にも切り刻まれたカースと、その場を離れようとする別のぼろぼろのカース。

———そして空中に整然と浮かぶ無数の剣に、薄ら嗤いを浮かべる蒼白色の仮面を持った少女だけであった。


「むふふ………けど、足りないかなぁ…」

今しがた、仮面を片手にまるで演劇でも行うかのようにカース相手に立ち回った少女、喜多日菜子の一言であった。

「もっともっと、ですよねぇ」

整列した剣達の合間を慣れたように歩きぬけ、先ほどまで悲鳴と怒号を立てながら人々が出てきたショッピングモール入口に入り込もうとするカースを見る。

「……むふ…むふふふふふ♪」

それをゆっくりと歩きながら追いかける日菜子。

その後ろには、煌びやかな白い剣を先頭に、合計12の剣が付き従う。

「……わかりますかぁ?何となくですけど、日菜子はこの先に行けば何かが変わる気がしますよ?」

「………むふふ、そうですねぇ♪」

「日菜子の予感は当たりますよぉ?………………王子様♪」

ネコミミネコシッポの少女と上階から降ってくる銀髪の女性を目に映しながら紡がれた言葉。

日菜子の近くに答える人物はいない。

ただ、もし間近に人がいればこう言うだろう。

———仮面が嗤った、と。





———かくして、主役は揃う。

「ぎにゃああああもう次から次になんなんだにゃああ!?!?」

「新たなターゲットを補足………貴女たちは………敵?」

「むふふ……これは久しぶりにはかどりそうですよぉ♪」

一瞬、3人はそれぞれの顔を見ることができた。

「って、あぶにゃッ!?」

思わず振り返っていたみくは、ぞわりとした感覚に襲われた瞬間に思いっきり横ダイブして憤怒のカースによる触手の一撃を避ける。

「……支援開始」

そこに着地に成功したのあが攻撃、続けざまに狙っていた触手をピンポイントで撃ち抜く。

「だめですよ、確実にしないと……むふふ」

さらに、のあが叩き落としたカースが動こうとした瞬間、三本の剣で地面に縫い付けるように突き刺し核を砕く。

「だから!みくは!お肉が食べたいんだにゃあああ!!!」

そして、色々とストレスが溜まったみくがとうとう爆発して半ば無理やり憤怒のカースに肉薄する。



———残り2体のカースが撃破されるまで、あまり時間はかからなかった。


———また、この日から数日後、かなりちぐはぐな組み合わせの三人組がたまに目撃されるようになるが、それは別のお話である。



続く?

・前川みく

属性:獣人

能力:無し

詳細:

獣人の少女。一ヶ所に留まる事は少なく、色々な場所をフラフラしている。

見た目通りの年齢のはずだが、戦闘面については獣人の身体能力も合わさって高かったり、意外と顔が広かったりする。

また、猫の様に気まぐれに行動するため、時には侵略者やカースに出くわす事もあるが、ほとんどは自力で切り抜けている。

いつも使っている鉤爪の付いた手甲は、実は本物の白虎の爪を鉤爪に加工した代物であり、だいたいのものはあっさり切り裂けてしまうという物。

……なのだが、実は家宝であるものをこっそり拝借していたりする。

そして魚には負ける。

現在日菜子の家に居候中。



・高峯のあ

属性:???

能力:転送による各種武装の召喚

詳細:

自身の名前と能力以外の全てを忘れているいわゆる記憶喪失である謎の女性。

一般常識等は覚えているが、表情に乏しく言動がわりと難解だったりする上、時折斜め上の結論にたどり着くこともある。

能力についても謎であり、何もない空間から各種装備を呼び出せるということ以外は自分でもよく分かっていない。

現在日菜子の家に居候中。

現在判明している武装は以下の通り。(追加可能です)

武装:

『ヒヒイロカネ製対魔ブレード』

・ヒヒイロカネ製の大型ブレード。魔力関連のモノに対して絶大な威力を誇る。

『クイック・ホイールローラー』

・脚部装着型のアーマー。高出力のローラーが搭載されており地上ではかなりの機動性を誇る。

『カートリッジ式インパクトマグナム』

・カートリッジ式のマグナム。着弾時の衝撃によるダメージに特化した銃。

『高収束型デュアルマシンガン』

・二丁一対のマシンガン。弾丸の収束性が高く威力もあるが弾消費が激しい。



・喜多日菜子

属性:人間?

能力:妄想の具現化ですよぉ・・むふ♪(本人談)

詳細:

夢に夢見る15歳の少女。

いつも妄想に浸ってはだらしない表情を見せるが、やる時はきっちりやる。

いつも持っている仮面や、過去、立場等様々な秘密をもっているようだが、その手の話はいつものらりくらりとかわしている。

実は単純な実力ならば3人の中でも一番だったりする。

能力は本人が言うには妄想の具現化……らしい。剣が多いのは王子様や騎士=剣というシンプルなイメージからだとか。

戦闘の際には、よく妄想しながらまるで演劇か舞台をこなすかのような独特な戦い方をすることが多い。

「獣人」

その名前の通り、動物と人が合わさったような外見の種族。

世界が大幅に変わったあの日以前から存在し、ひっそりと人間社会に溶け込んで暮らしていた。

全体的に元となった動物の特徴が強く反映されることが多く、犬ならば嗅覚に優れ、馬なら脚力に優れるといった具合である。

基本的に身体スペックは人間より上だが、その分平均寿命は人間の平均より少々低い。

投下終了…勢いで書きましたがなかなかひどいorz

とりあえず、割りとひねりもなく直球で書きましたがこんな感じでいいのか不安

お目汚し失礼しました;

おっつおっつ
日菜子カッコいいんだけどちょっと怖いww
のあさんより強いとか

>>115
付け足し忘れ
野々村さん能力無しってなってますが、
正体判明に伴い能力復活イベントとかあると良いなと考えてます
その前にやられ役として退場もありえるけど…

日菜子さんの正体が気になりつつも
奏、千枝ちゃんで投下するよー!!

「・・・あっ」

朝の通学路。佐々木千枝は、信号待ちをしているその人物の姿を認めると、少し駆け足になって声をかける。

「お、おはようございます、おにいさんっ」

「ん?あぁ千枝ちゃん、おはよう。今日はちょっと早いんだね」

「はい、千枝、今日の日直なんです。おにいさんも、いつもより早いんですね」

「うん、最近人が増えたもんだから、色々忙しくってさ」

千枝と彼の関係は、家が近所であるという、ただそれだけだ。だが時折、青年が佐々木家の夕食に招かれることがあるなど、付き合い自体は深いものである。

(・・・今朝は会えないかも、って思ってたのに。えへへ、ちょっとうれしいな・・・♪)

小さな頃からよく遊び相手になってくれていた青年に、千枝は好意的な感情を抱いていた。

幼いゆえに『大人への憧れ』と『異性への恋慕』がないまぜになったその感情を、しかし千枝は彼に見せることは極力避けていた。

感情の整理はつかないまでも、千枝は年の割に聡い子だった。自分のこの感情を吐露されたところで、青年は困惑するだけだろう、と解っていたのだ。

自分に懐いてくれている、妹のような存在。そう思われているだけでも良い、と、おおよそ小学生とは思えない、諦めにも似た考え。

「・・・ふぅん?『イイモノ』見つけちゃったかしら・・・ふふっ」

そうした『欲望』を押さえつけたまま、青年と談笑しながら歩く少女を、遠巻きに見つめる影があったことには、千枝も青年も気付かないままであった。

その日の帰り道。千枝は、青年に教えてもらった彼の勤め先へと向かっていた。

「・・・ふぅ。やっぱり、ちょっと緊張するなぁ」

『能力者』。千枝が物心ついたころには『彼ら』が存在する事は当たり前になりつつあったが、かといって千枝の身の周りには『彼ら』の存在はなかった。

青年の勤め先は、そんな『能力者』たちを支援する組織であり、その中には千枝と年の近い少女たちも居るらしい。

その話を聞いて興味を持った千枝に、「よかったら遊びにおいで」と青年からお誘いがあったのだ。

「えっと、この信号で右にまがって、しばらくまっすぐ・・・・・・」

メモを片手に、道を確認しながら歩く千枝。

「ねぇ、ちょっといいかしら?」

「・・・へ?」

彼女が声をかけられたのは、その時だった。

振り向くと、そこには高校生くらいの少女の姿があった。

(わっ・・・凄い、きれいな人・・・)

千枝が思わず見とれてしまうほど、少女には不思議と人を引き付ける『魅力』があった。

「え、っと・・・千枝に、何かご用ですか?」

それでも、知らない人であることには変わりない。警戒しながら返事をした千枝に、くすくす、と笑いながら少女が近づく。

「そんなに恐がらなくても大丈夫よ・・・少し、お話したいことがあって」

「お話、ですか・・・?」

「そう、お話・・・あなたの恋について、ね?」

「っ・・・!?」

思わず息を呑む千枝に構わず、少女は話を続ける。

「年が離れている、っていうだけで諦めるなんて、そんなのダメよ?想いは、きちんと伝えないと」

「・・・お姉さんは、一体、誰ですか・・・?」

「あら、誰か、ですって?本当は『何ですか』って、そう聞きたいんじゃない?」

誰にも打ち明けたことのない想いを言及され、得体の知れない恐怖を感じて後ずさる千枝と、それを意に介せず、どんどんと距離を詰める少女。

静かに、しかし着実に、二人の距離は縮まっていく。

「・・・さっきも言ったけど、怖がる必要なんてないのよ?だって・・・」

「ッ、痛っ・・・!?・・・ぁ」

突然、千枝の首筋に、ちくり、と針を刺されたような痛みが走った。千枝が横目で首元を見ると、そこには小さな蠍。

「・・・私は、あなたのことを『応援』してあげようって。そう思っただけなんだから・・・ふふっ」

急激に遠のく意識の中、千枝が最後にみたものは、その背から黒い翼を生やし、妖艶に嗤う少女の姿だった。

「・・・ん、電話・・・千枝ちゃんから?迷っちゃったかな・・・はい、もしもし」

『あ、お兄さん。ごめんなさい、ちょっと日直のお仕事が長引いちゃって。今からだと帰りが遅くなっちゃうので、遊びに行くのはまた今度でもいいですか?」

「ん、そういうことなら全然かまわないよ。また都合のいい日に連絡くれれば、都合がつけば迎えに行くし」

『ふふっ、ありがとうございます。じゃあ、また明日・・・———さん』プツッ

「っ、千枝、ちゃん・・・?」

「ピィさん、お電話ですか?あ、携帯ってことは、プライベートですかね?」

「あ、ちひろさん。えぇ、こないだ話してた、近所の子です。今日遊びにくる予定だったんですけど、日直の仕事があって行けなくなった、って」

「あぁ、千枝ちゃん、ですっけ。残念ですね」

「えぇ・・・」

(・・・千枝ちゃん、最後、俺のこと『お兄さん』じゃなくて『名前で呼んだ』よな・・・?)

「・・・ふふっ、これでよし。何も言わないままだと、怪しまれちゃうもんね」

そう呟いて携帯をしまうと、千枝は無造作に手をかざす。するとそこに、薄い桃色の歪な球体が現れ、その球からどろり、と黒い泥が零れ落ちる。

あふれ出す泥が凝り固まり、不定形な体を形作り、球を呑みこんで核とする。身体から無数の触手を生やした、『色欲のカース』が、そこに生まれた。

しばらく微動だにせずその場に立ち尽くしていたカースは、不意にぴくりと触手を震わせると、その触手のあった方向へと動き出した。

「・・・いってらっしゃい。しっかり、『仲魔』を増やしてくるんだよ・・・ふふっ」

光の宿らない眼と、ぞくりとするような妖艶な笑みを浮かべて、『千枝』はカースを見送る。

後に目撃されたそのカースは、『不気味なくらいに大人しく、一切人を襲わなかった』という。

それと共に、『突然人が変わったように妖艶な表情を浮かべて異性に迫る人が急増した』という情報もあり、現在、関係性の調査が行われている。





「・・・ちょっと、『注ぎすぎた』かしら」

高層ビルの屋上の縁に腰掛け、その様子を『その眼で見ながら』少女は呟く。

「・・・まぁ、これはこれで面白そうだし。しばらくは様子見かなぁ・・・うふふっ」

少女の名は、速水奏。またの名を『色欲の悪魔』アスモデウスと言った。

速水 奏/アスモデウス(人間としては17)

職業:悪魔
属性:色欲
能力:あらゆる意味での『誘惑』

七つの大罪の一つ「色欲」を司る悪魔「アスモデウス」の人間界での姿。
刹那的な快楽主義者で、世界をどうこうする事には一切興味が無い。
その為、他の悪魔たちとの協調性は薄く、時折悪魔同士で諍いが起きることもある。
カースを生み出す他にも『攻撃を自身の方へ引きつける』『自分を見た相手が目を逸らせなくなる』など、色欲的なもの以外でも他者を『誘惑』する力と、
魔翌力で生み出した蠍を使い、人間に自身の力の一部を注ぎ込み分け与える能力を持っている。

佐々木千枝(11)

職業:小学生、兼、悪魔憑き
属性:色欲
能力:奏の蠍によって注入された力

ごく普通の小学生だったが、近所に住む青年に抱いていた『恋心とも憧れともつかない感情』を見出した奏によって力を分け与えられた。
体内に注ぎ込まれた『悪魔の力』が活性化すると、力に意識を乗っ取られ、カースを生み出すことができるようになる。
このカースは人を直接襲うことはしないが、奏同様『色欲の力のかけら』を用いて千枝と同じような存在を増やすことができる力を持っており、通常のものとは違う意味で厄介。
ただし、奏と違って誰彼かまわず、というわけにはいかず、素養の高い相手でなければすぐに力が抜けてしまう。
普段は悪魔の力が表面化している間の記憶は補填されており覚えていないが、漠然と『いけないことをしている』という感覚だけが残っており、そのことに不安を覚えている。

以上です
千枝ちゃんは合法(真顔

おっつおっつ

悪役と戦うのは思春期の女の子が多いから、
そういう意味でも対処しにくい相手だなあ

なんか昼子とかは、ルシファーとかを旧魔族とか古きもの共とかって危険視されてそう

でルシファーとかは、昼子とかを紛い物とかって言ってそう

>>個人的にはモヒカンの野盗が真っ先に思い浮かんでしまうが

なにその世紀末的な野盗

確か暴漢の画像か何かなかったっけ?

>>156
http://imgur.com/4OEmEdz

これでよかったら・・・

あれ、何か違う

http://imgur.com/4OEmEdz.jpg

こうかな?

副業中にネタ出ししてると続々と浮かんできて処理しきれないっていう

丹羽ちゃん予約したいです

川島さん投下します。

きらり「奈緒ちゃん…!かれんちゃんが…!」

それはきらりが加蓮を浄化し、結界から出て夏樹、李衣菜、奈緒と合流している時。

その光景を一匹の蛇が覗き見していた。

「若いわね」

場所は変わり、薄暗い廃墟を一人の女性が進んでいた。

「若いっていいわね。思いっきりがよくって、すぐ行動ができて」

微笑んでいて、だがその瞳はまるで獲物を見定めてるような蛇のような鋭い眼差し。

「仲間と一緒に協力して、闇に落ちた一人の少女を救いだす。なんて、素敵な話なのかしら」

喋り方は普通の筈なのに、どこかネットリとまとわりつくようなおぞましさを感じてしまう。

「羨ましいわね」

そういいながら女−−−−川島瑞樹は廃墟の奥へと進む。

「だけどね……少し遅かったわね」

そして、奥の広い部屋。

そこは黒い泥に侵食されていた。そしてその中央には大きな黒い繭みたいのがあり、中には幾つもの核が敷き詰められており、その繭は心臓のように鼓動していた。

北条加蓮−−−−エンヴィーは、ただ嫉妬を集めて、カースを沢山作り出しているだけではなかった。

全ては世界を呪う為。
嫉妬のカースドヒューマンの本能が、この巨大な呪いを作り出す為のモノだった。

だが、それは失敗に終わった。何故ならコレはまだ完成してないのだから。完成する前にエンヴィーは浄化されてしまったのだから。

それに加蓮が目覚めればネバーディスペアの4人にここの場所を教え、破壊してもらうだろう。



本来ならばだが…………








わ か る わ









ドクンッ!!!





黒い繭が大きく動きだす。

「羨ましいのよね?妬ましいのね?自分を産み出した親だけが解放されて、救われて嫉妬しているんでしょう?」

まるで子供に語りかけるかのように優しい声。

だが、それはまるで蛇のようにまとわりつき、絡みつく呪詛。

ザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワ

「わかるわ」

ザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワ

瑞樹の声に反応するように、繭は大きく鼓動し、黒い泥はまるで無数の蛇の集まりのように動き始める。

「なら、行きなさい。あなた達の存在を。妬みを。羨望を。嫉妬を。呪いを。世界に知らしめてあげるのよ」

そう言うと、部屋中の無数の蛇のような黒い泥は、黒い繭に集まって、無数の黒い蛇により構成された巨大な八目の蛇となる。
世界を呪う産声をあげると地面へと潜り込んだ。

「うふふっ。せっかく産まれたカースですもの、ちゃんと活用してあげないと」

そういいながら嗤う女。川島瑞樹。

本来なら産み出した北条加蓮ではないと動かせない、その凶悪なカースを目覚めさせた。

………だが、彼女の正体を知るなら、それは納得できる。

「ルシファーとアスモデウスもちょっかい出してるもの。嫉妬しちゃうわ。あんな若い体で」

嫉妬を司る悪魔。レヴィアタン。
それは蛇のように音をたてずジワリジワリと世界に 這いよってくる。


終わり。


川島瑞樹/レヴィアタン(肉体年齢28)

職業・悪魔
属性・嫉妬を司る悪魔
能力・呪詛

七つの大罪の一つ『嫉妬』を司る悪魔『レヴィアタン』の人間での姿。
見た目は美しい女性だが、その本性は邪悪。
人間の劣等感や羨望に漬けこみ、嫉妬心を掻き立てる言動をもちいて、争いを起こす人間達の姿を見るのが趣味である。

カースを産み出す事は勿論。呪詛をもちいて嫉妬心を掻き立て人間、カースなどを暴走させる。

現在はエンヴィー……加蓮が残した未完成の嫉妬のカースを暴走させ、その様子を観察しているだけにとどめている。
そのカースが倒されればどう動き出すかはまだわからない。





・嫉妬の蛇龍


エンヴィーが世界を呪う為に作り出しいた未完成のカース。その姿は無数の蛇により構成された巨大な八目の蛇。

本来ならそのまま動き出さず、加蓮の証言により動いたネバーディスペアのメンバーに破壊される予定だったが、その前にレヴィアタンが暴走させた。

無数の蛇型の黒い泥と幾つもの核を敷き詰めてある黒い繭により構成されている。

幾つものの核を分担させ分裂する事が可能。分裂すると大きさは分裂したぶんだけ小さくなるが再び合体する事が可能。

未完成の為、普通のカースぐらいの強さだが、地面に潜ったり、分裂したりとして、逃げ回ると、トリッキーな動きをし素早い。

また身体が無数の蛇型の泥に覆われてる為、繭を破壊するのに手間取るかもしれない。

だが、やり方を考えれば倒せない敵ではないだろう。

以上です。

嫉妬の悪魔を使わせてもらいました!

あと、ついでに本来、加蓮に使わせる予定だったやられ役のカースもだしました。

そのカースは強欲の王と一緒にだしてくさっても大丈夫ですし、やられ役として出していただいても大丈夫です。

あと……川島さんはカワイイ

乙乙です
「わかるわ」の一言の威圧感が凄い

おっつおっつ
7つの大罪由来の悪魔はどいつもこいつも大物感がスゴイわ…

自分は動かず、誰かに働かせる女王様的なアイドルとか?

せ…先輩ェ……

比奈あと何日だっけ

明日の朝7時54分でちょうど一週間かな?

ついでに>>188>>187宛です

乙乙です
また地味にめんどくさい能力持ちが・・・ww

やだ・・・凛ちゃんさんアグレッシブ・・・ww

ちょいと思いついたネタがあるので城ヶ崎姉妹で予約しまーす

アラーキーの能力は使いようによっては、最凶の兵器かも…

あちゃー、凛ちゃんアグレッシブマッドサイエンティストだったかー

投下します

七つの大罪を司る悪魔。それは人間界の書物にも記録が残っている。

しかし、その書物の情報と現在人間界で目撃されている七つの大罪の悪魔の容姿はあまりにも違う。

何故か?

もちろん、悪魔にも人間ほど短くはないが寿命はあり、歳をとる。

…ここまで言って察した人はいるだろうか?…そう、重要な役職を持つ悪魔の名は襲名制なのである。

しかし、人間界でよくあるように弟子や子が名を引き継ぐのではない。

その先代の悪魔の命が散った時に、その悪魔の持っていた武器や装飾具が次の主を決め、新たな主がその名を襲名するのだ。

そして、竜族との戦争で多くの悪魔がその命を散らした。七つの大罪を司る者たちも大半が死んだ。

そして、その役職の名と力はまだ力をコントロールしきれないような年齢の悪魔が引き継いでしまった。

もちろん、その役職とは七つの大罪だけではないわけで…

様々な世界の狭間。普通の者は入ることすらままならず、少しでも歩き方を間違えれば別世界へと飛ばされてしまうような危険な場所。

金の糸で太陽を、銀の糸で月を刺繍した黒いフード付きのコートを着た少女がそんな場所を歩いていた。

星をスノードームに閉じ込めたような水晶が先端にはめられた杖を振りながら歩けば、水晶から僅かな光が飛び出し、道案内をするように少女の先を飛ぶ。

暫く歩くと、湧いて出てきたように塔のような建物が現れる。少女はそれが当たり前の様で、特にリアクションもなく塔に入る。

完全に扉が閉まると塔は姿を消した。

塔の内部は割とシンプルで、大きなクリスタルが中央に鎮座している事以外は研究室のようにも見えた。

少女がじっとクリスタルを見つめ、すぐに部屋の中の窓のような物を開け閉めしていた。

彼女の名はユズ。魔翌力管理人という大役を引き継いだ、元々は死神で魂の運搬担当だった少女だ。

魔翌力管理人は代々杖に選ばれた者がなり、杖の力で魔翌力等、様々な力の流れを見る事が可能なのだ。

そしてこの世界の狭間で全ての世界の魔翌力の流れの中心に浮かび続ける塔で、魔翌力のインフレ・デフレが起こらないようにしている重要な役職。

管理人の権限として、個人単位での魔翌力操作もある程度可能とされ、魔法や魔術を専門とする者は逆らうことは困難だ。

そして自らの体内の魔翌力だけでなく、大気中の魔翌力も攻撃に使用できる。

その性質故か、管理人は争いを好まない性格の者が選ばれている。

管理人のルールさえ守ればあとは自由だ。

「ふぅ…今日はこんな所かなー?」

一通り魔翌力の流れを見て満足気にソファに腰を掛ける。

暫く休んでいると、塔にベルのような音が鳴り響いた。

こんな場所に連絡ができるのはただ一人だけ。そのベルを持った唯一の悪魔。

「…サタン様?」

時は数年前に遡る。

憤怒を司り、魔界を統一する偉大なる魔王サタンが竜帝を倒し、戦争に終止符が打たれた。しかし、役職持ちの悪魔の多くが戦死した。

ユズは杖に選ばれ、魔翌力管理人になり、今まで以上の力を手に入れ…一言でいえば『調子に乗っていた』。

魔翌力の調整が終われば街に繰り出し、気の向くままに行動をしていた。

死神としての仕事もやる必要もなく、自由な時間が増えたのもあるだろう、しかし、管理人としての役職は最低限しか果たしていなかった。

…ある日、ユズは魔王に呼び出された。

職務怠慢で注意されるのだろうか?ユズは好奇心半分、不安半分ではあるが魔王の下へ行き、その発言を聞き、驚愕した。

「え?け、決闘…ですか?」

「そうだ。…不満か?それとも勝機がないとでも言いたいか?魔翌力管理人よ。」

管理人のルールの一つに、決闘での勝者への服従があった。つまり負ければ自由はないということで。

「…う、受けますって!決闘!します!」

でもユズはこの大量の配下と魔王本人を前に断ることができなかった。

魔王の間にいた魔王の配下たちが歓声を上げた。魔王と魔翌力管理人。滅多に見られる戦いではないからだ。

魔界の決闘はどちらかが気絶するか、降参するまで続く、何でもアリの1対1の崇高なものだ。

魔王が所持する決闘場で行われ、観客も大勢いる。もちろん万が一にも備えて回復魔術使いが大勢控えている。

緊張こそしてはいたが、ユズにも勝機が無いわけではなかった。

(魔術さえ封じてしまえばあとは逃げつつ戦える…!)

魔翌力は完全に奪うことさえできないものの、上級魔術を中級魔術にしてしまうほどの魔翌力は奪える。

魔王はステータスこそ高いが、物理だけなら逃げつつ魔術で攻撃すればいい。それが戦略だった。

「決闘の開始を宣言するッス!」

魔王の配下の魔物の声で決闘は始まった。

ユズは杖を振りかざし、魔王を取り巻く空間の魔力を遮断する。これで魔王は体内の魔力しか使えない。

さらに杖を振り下ろし、魔王の体内の魔力を吹き飛ばした。全てではないものの、並の悪魔ならこれで完全に敗北するレベルのはずだ。

「ほう…やはりそうくるか。」

「行きます!『業火よ!大いなる我が力に従い、罪人の魂すら焼くその身で我が障害となる者の骨すら残さず焼き尽くせ!ヘルフレイム!』」

ユズの杖から巨大な火炎の波が吹き出し魔王に襲い掛かる。観客も、ユズも、魔力をほとんど失った魔王には抵抗手段はないと思っていた。

しかし、魔王が腕に僅かな魔力を纏わせ、その腕で炎を振り払うと、炎は暴風の中の蝋燭の炎のように消えてしまった。

「!?」

「「「オオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!」」」

ユズの動揺は気にせずに観客が大歓声を上げる。

「魔力管理人よ、その程度か?」

「まだだよ!『水よ、雷よ、暴風よ!大いなる魔力管理者である我の力に答え、自然の理を読み解きその身を重ね、天災の嵐となりて我が敵を跡形もなく消し飛ばせ!テンペスト!』」

魔力の流れが分かる管理者のみに許された魔術の同時発動。それを合体させ、災害級の力が構成されてゆく。

今度は魔王がにやりと笑ったと思えば、魔術を詠唱し始めた。

『火炎よ!大いなる我が力に従い、その高温の身を槍に変え、我に刃向うことの愚かさを我が敵の身に焼き付けよ!フレイムスピア!』

中級の魔術だ。これには観客もざわめく。

(勝った!この空間ならあの魔術は初級レベルの強さ!)

そしてお互いの魔術がぶつかり合った。

しかし、爆音と砂埃が収まった時、観客が目撃したのは、全身から血を流し、体中が火傷だらけ、もはや服が服の役目を果たしていない程にボロボロの姿のユズだった。

「え…?なん、で…?」

「簡単な事よ、先代の魔力管理人から少しばかり『コツ』を教えてもらっていただけの事。魔力の穴を突き、崩れた魔術に少し力を加えただけで貴様の魔術はこちらの物となったのだ。」

それを聞いてもユズは納得できなかった。魔力をほとんど失っていたはずの魔王に一回も物理攻撃が使われなかったのだから。

杖を支えにし、何とか立ち、呪文を唱えようとするも声さえ出ない。

観客席からは嘲笑うような声さえ聞こえる。

それでも必死に、痴態をさらしてでもユズは一矢を報いようとした。

「—ぁ、ああああああ゙!」

もはや悲鳴にも似た、咆哮のような声。

しかし、答えるように杖が光を放ち、まるで雪の降る夜のような幻を生んだ。

「…ム?」

魔王が驚いたような表情をみせる。

それを見逃さず、神秘的な雪のような光が一瞬止まったかと思うと、魔王に降り注いだ。

再び砂埃が舞い、そして晴れる。ユズは完全に気を失い、そこに立っていた魔王は左手が凍り付いていた。

「勝負ありッス!勝者、魔王サタン様!」

観客が爆音のような歓声を上げる。ユズが回復魔術使い達に回収されたのを確認して、魔王は高笑いしながらその場を後にした。

ユズが目を覚ますと、回復魔術使い達がドタバタと慌ただしくなり、しばらくして、魔王が病室に入ってきた。

「…完敗しました。魔力管理人のルールに勝者への服従があります。こんな未熟者、自害でもなんでも命じてください。」

「いや…貴様は完敗などしてはおらん。我が左腕に魔法を被弾させるとはな。気に入ったぞ。」

「はい?」

「我が下僕となるなら、毎日の鍛錬はしてもらわないと困る。悪魔が鍛錬をしないこの風潮、我は好きではない。」

「た、鍛錬!?」

「それだけではない。魔力管理人なら、我が娘の魔術教師もやってもらおうではないか!」

「え!?娘って姫様!?え?」

「そして、これが管理人の服従相手のみが持てるというベルだな?これで逃げられんな!ハハハハハ!」

…これがユズと魔王の出会いと服従の始まった日。

そしてユズの価値観の変わり始めた日だった。

役職なんて強さには関係ない。努力次第では不利な状況でも勝てないものはない。と思う様になっていた。

時は戻って現在。ユズは呼び出された魔王の間にテレポートの魔法で到着していた。

「サタン様、お久しぶりです。何の用ですか?」

魔王を見ると、少し魔力の流れがおかしい。少し疑問には思ったが、口には出さずに魔王の言葉を待った。

「…これから我から3つの依頼を出す。」

ユズはゴクリと唾をのんだ。そんなこと今までなかったのだ。

「ユズよ…最近、人間界に現れるカースという存在は知っているな?」

「あ、はい!今その研究もしています!」

「ならば丁度いい。そのカースを最近から我ら大罪の悪魔が生み出せるようになっている事は知っているな?」

「…はい。でも人間界のは殆どが自然発生だったはずでは?」

「それがな、他の大罪の悪魔たちが人間界で度々目撃されているのだ。」

「…!それってまさか!」

「そうだ。人間に召喚されずに人間界に行き、混乱を生んでいる。1つ目だ。その大罪の悪魔たちを最悪、首だけでもいい。捕えて来い。」

「でもそれは特に罪ではないんじゃ…?」

ユズが聞くと魔王は一枚の紙を取り出した。

「…議会で法を変えてきた。抜かりはない。」

慌ててその紙を読む。確かに『法の変更により、人間の召喚、又は魔王の許可無しでの人間界での活動を禁ずる。』と書いてあった。

ユズはこの時点でゾッとした。本気だ。彼は本気だ。

「2つ目だ。簡単だろうが我が娘、ブリュンヒルデに危機が迫ればその敵を排除せよ。…だが、決して経験の場を奪ってはならぬ。」

「は、はいっ!」

「3つ目。自然発生するカースの出現理由の捜査だ。可能ならば封印しろ。」

「…魔王様、お言葉ですが2つの依頼は魔王様自身のお力でできそうなのでは…?」

「…ユズよ。…我の哀れな姿を見るか?」

魔王が上着を軽く脱ぐ。そこにはびっしりと竜の言語で書かれた呪いがびっしりと刻まれていた。

ユズは言葉を失う。魔力の流れがおかしかったのはこの呪いが原因だったのだ。

「…竜帝との戦いの際に刻まれた小さな呪いだ。我が力で抑えてはいたものの、最近の負のエネルギーの増加で一気に進行してしまった。」

少し悲しそうな表情で魔王は続ける。

「…このままでは娘の一人前の姿を見る前には呪いに殺されるだろう。そして、その呪いのせいで我はこの世界に留まらざるを得ないのだ。」

「サタンさま…嫌、死んじゃ嫌…!」

「行け、ユズよ。」

魔王の命令により、ユズはその場から消えた。

魔王は誰も聞いていない独り言を呟いた。

「まだ数年は持つだろう。しかし、その時憤怒を誰が受け継ぐのだろうな。娘がそれまでに一人前になってくれればいいが…。」

「…まだ我の3分の1も生きていない若者どもが人間を混乱させている。このままでは魔界も人間界も異星の者に滅ぼされるだろうよ。いや、奴らはそれが望みか?そうでなければなんと愚かな事か!」

「…フハハ、力は衰えていないというのに死が近いとはな…!」

その日から人間界でユズは一人カースを狩りながら大罪の悪魔を殺すべく生きている。

大罪の悪魔は隠蔽が得意なようで、魔力さえ感知しづらい。

人間の姿で人ごみに紛れて彼女はターゲットを探す。

「…カースだ。」

フードについていたバッヂを鎌の形に戻すと、空を飛んで、夜の街へ繰り出した。

月を背後に、街をさまようカースを狩る。

「さあ、ユズのショータイムだよ♪」

魔力で作られたカースは魔力を搾り取ってやれば消滅した。

感情から生まれたカースは鎌で核を切り裂いた。

今日も彼女は任務をこなす。休むことはない。彼に残された時間は少ないのだから。

「…全てはサタン様の為に…!」

ユズ(人間名・喜多見柚)年齢(人間換算で)15歳

職業:魔力管理人(種族・死神)
属性:魔王サタンへの忠誠を誓う魔術師
能力:魔力操作、上級魔術・管理人専用魔術の使用、魂狩り

魔王サタンに敗北し、努力や鍛錬の素晴らしさを教え込まれた少女。
努力否定が多い魔界での努力はかなりの格差を生み、同年代の役職持ちより何倍も優れた能力を持つ。
年が近いながらも、ブリュンヒルデの魔術教師も行っていた。
ブリュンヒルデの補助魔法の才能に驚愕したが、彼女からは攻撃魔法の才能を羨ましがられている。
魔王へは『目を覚ましてくれた恩人』という感情以外は抱いていない。
普段は武器の杖と鎌をバッヂにし、人間に化けて大罪の悪魔の登場を待っている。
それと同時にブリュンヒルデの監視も魔力の管理も毎日行っており、それでも疲労していない謎のタフネスぶりを見せる。


魔王サタン・年齢(人間換算で)約40歳

職業:魔王
属性:憤怒
能力:不明

『大罪を司るからこそ、その感情を制御しなくてはならない』という信念を持った憤怒の大罪を司る悪魔。そのため逆に冷静。
ブリュンヒルデの父であり、竜帝を殺し、魔族の勝利を掴んだ英雄的存在でもある。
部下からの信頼は厚いが、他の新世代に変わった大罪の悪魔たちからは煙たがられている節もある。
努力や鍛錬が大好きであり、練武の山と言われる地獄の修行場に部下を送り込むほど。(ユズも昔送られた)
しかし、竜帝の呪いによって残りの寿命は短く、次の憤怒を司る悪魔がまともでいることを望んでいる。
異星の侵略を危惧しており、助かるためには人間と協力する必要があると信じている。
憤怒の証は、大きな目玉のついた鎌。本気を出した時のみ装備する。


魔界
魔術を使う者が多い世界。
人ならざる者が多く住み、人間を小ばかにしている者が多い。
しかし、人間にとっての地獄とはこの世界であり、悪魔たちもなんだかんだで人間がいなくては生活が成立していないという関係。
経験や才能が強さにそのまま現れ、役職は補正のようなものである。
補正があってもレベル差が大きければいとも簡単に負けるような世界であるのにもかかわらず、努力嫌いが多い。
恐らくこの仕組みに気付いていないのだろう。

以上です。敬語の柚ちゃんに違和感しかないYO!
そして途中までsagaを忘れる凡ミス

おつおつ
しかしこうなると憤怒のカースを発生させているのは、それに対応している生物ってことになるのか…それとも…

乙乙です
サタンお父様、大人物だ・・・

投下するよー!!

『あ・・・あぁ・・・・・・』

暴れまわるバケモノ。なぎ払われていく人、人、人。

『いや・・・やだよ・・・もうやめてよぉッ・・・!!』

崩れていく建物。燃え盛る家、家、家。

『ぁ・・・ぅあ、あああっ・・・・・・!!!』

そして、ひときわ大きくて眩しい光が、視界いっぱいに広がって、『あたし』は・・・・・・・

『あ、あぁぁ・・・うあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッッ!!!!」

「・・・かっ、莉嘉っ!どうしたの、莉嘉っ!」

「あ、あああああああっ!!やだ、やだやだやだっ、やめて、やめてえええええええええええっっ!!!」

「落ち着きなって、莉嘉っ!莉嘉っ、痛っ、だい、じょうぶっ、だからっ!!」

アタシの声も聞こえていないみたいで、ベッドの上から落ちそうになるくらいに暴れる莉嘉。

めちゃくちゃに振り回す腕に足に何度も叩かれながら、どうにか莉嘉をぎゅっと抱きしめる。

「大丈夫、大丈夫だよ!何にも怖いことないから、アタシがついてるから!!」

背中をぽんぽんと叩きながら、必死に声をかけてなだめすかす。

「あ、うあああっ・・・あ・・・お、ねえ、ちゃん・・・?」

涙やいろんなものでぐしゃぐしゃになった顔で、ようやく莉嘉はアタシの方を向いてくれた。

「・・・ん、やっと落ち着いた。どうしたのさ、怖い夢でも見たの?」

「・・・お、ねえちゃんっ。アタシ、アタシっ・・・!!」

不安そうな顔で、ぶるぶる震えて俯く莉嘉。

「・・・思い出すのも怖いんなら、無理に説明しなくてもいいよ。落ち着くまで一緒にいたげる。それとも、隣で一緒に寝てあげようか?」

「・・・っく、うん。いっしょに、ねる・・・・・・」

「ん、じゃあちょっと待っててね。枕と毛布取ってくるから・・・っと」

いったん莉嘉を離して立ち上がろうとすると、袖をきゅっとつかまれて、よろけてベッドに倒れ込んでしまう。

莉嘉の方を見ると、さっきよりはだいぶマシになったけど、それでもまだ不安そうにしている。

まるで、このままアタシを行かせたら、もう戻ってこないんじゃないか、って考えてるみたいに。

「・・・アタシのベッドに行こっか。枕と毛布、持っておいで」

「・・・うん」

アタシが『莉嘉』と死に別れたのは、二年前のこと。

高校生になってから一人暮らしを始めてしばらく、久々に莉嘉と二人で出掛けようと待ち合わせた日。

莉嘉はちょっとねぼすけなところがあって、その日もやっぱりちょっと遅れてきて。

よっぽどアタシと久しぶりに会うのが楽しみだったんだろうな。遠くからアタシの姿が見えたとたん、嬉しくなって走りだしちゃって。

———————居眠り運転のトラックが突っ込んできたのは、丁度そのタイミングで。

その時の莉嘉の茫然とした表情も、まるでサッカーボールみたいに勢いよく吹っ飛んでいく姿も、今だに瞼にこびりついて離れない。

病院に運ばれはしたが、誰の目が見てもわかるくらい、はっきりと即死だった、らしい。

事故の瞬間はいやになるくらいしっかり記憶に残っているのに、それから一週間近くの記憶は断片的にしか憶えていないのはなんだか不思議な感覚だ。

それでも、お葬式のとき、自分でもどうかしてるんじゃないかって位、一滴も涙が出なかったのははっきりと思い出せる。

たぶん、どうしても納得できなかったんだろう。理解できなかったんだろう。

それでもどうにか現実をなんとか呑みこんで、受け入れて。

アタシが『リカ』に出会ったのは、一か月前のことだった。

シャンプーが切れてるのを忘れてて、慌てて近所のドラッグストアまで行った帰り道だった。

通りかかった公園から、いきなりぴかーっ、て光がして。一体何だろう、って恐る恐るそっちを向くと、

———————死んだはずの莉嘉が、そこにいた。

きっとあれから成長したらこうなるだろうな、っていう姿で、ぼろぼろのまま茫然と立ち尽くす『莉嘉』を見て、居てもたってもいられなくなったアタシは、すぐに『莉嘉』にかけよって声をかけた。

———莉嘉、莉嘉っ。わかる、アタシだよ、おねえちゃんだよっ。

———お、ねえ、ちゃん?

光のない目で、そう一言だけつぶやいて気を失った『莉嘉』を、アタシは家まで運んだ。

それから一日たって目を覚ました『莉嘉』は、

———あなたは、だれ?

それまでの記憶を、一切失っていた。

かろうじて『リカ』という自分の名前と、ここが自分の生まれた『世界』ではないことだけはわかるみたいだったけど、それ以外は何一つ憶えていなかった。

これだけ瓜二つの見た目で、しかも名前が同じ『りか』。偶然とは思えないし、きっと思いたくなかったんだろう。

———アタシが、あなたの『お姉ちゃん』になってあげる。だから、しばらくここに居なよ。

そう言って、彼女の面倒を見ることに決めた。

一か月たった今でも、三日に一回は『怖い夢』———おそらく、『元の世界であったこと』なんだと思う———を見て、夜中に飛び起きて、パニックを起こす。

きっと、どうしても受け止められない、受け入れたくない出来事だったんだと思う。そして、それだけの出来事なら、きっと簡単に逃れる事なんてできない。

いつか、リカのもとに、『怖い夢』を見せた元凶がやってくるんだろう。

そのときまで、ううん、そのときがきても。アタシが、この子を守らなきゃ。

たとえ何が起こったって、もう二度と、『大切な妹』を失って、たまるもんか。

城ヶ崎 莉嘉/リカ(12?)

職業:???(異世界人)
属性:???
能力:???

何者かによって滅ぼされてしまった名も知れぬ異世界から次元転移してきた少女。かつての記憶の殆どを失っている。
心身ともにボロボロで佇んでいたところを美嘉に保護され、以来彼女の妹として生活している。
普段は明るく振る舞っているが、時折「故郷が何者かの手によって壊滅させられる光景」を夢に見てパニックを起こすことがある。

城ヶ崎 美嘉(17)

職業:高校生
属性:お姉ちゃん
能力:特になし

特にこれといった能力も持たない普通の高校生。見た目はギャルだが中身は割と真面目さん。
交通事故で妹を亡くしており、まるでその生き写しの姿をした「リカ」を放っておけず保護した。
細かい事情は一切わからなくとも、莉嘉を守るためならばなんだってやる、という固い決意を持つお姉ちゃん。

以上、ファンタジーな世界ならこういうのもアリかなーって
不快に思われた方がいたら申し訳ない

「いせかいじん」で一発変換したら「伊勢怪人」って出た。なんだこれは、エビの怪人か何かなのか。

おつおつ
なんの能力も持たない人間とそうでない者の家族関係…
これは切なくなりそうだ…

次から紗南ちゃん投下します

レイナ、ルシファーとの相見えから一夜明け、聖は望月家の自室で人間の少女の本分をこなす為に学校へ行く準備をしていた。
が、その様子を見ていた佐城雪美は険しい表情をしている。

聖「雪美、そんな顔しないで…?」

聖「人間の姿でいる以上…学校には行かないといけないの…」

雪美「……私も……行く…」

聖「ダメ…」

聖「良い子だから、お留守番してて…?」

優しく宥める聖。
しかし、雪美の表情は変わらない。

雪美「……いつも一緒……言った……」

聖「……」

そろそろ家を出なければ遅刻をしてしまう。
かと言って、外が明るい内に翼で飛んで移動するにはあまりにも目立ち過ぎる。

雪美「……」

雪美は、とても納得してくれる様子では無い。

聖「…今日だけだからね?」

雪美「……!」

雪美「……うん」

その言葉を聞いた雪美の表情に笑みがこぼれる。
本当に今日だけだとわかってくれているのだろうか。

しかし昨夜、あんなことがあった以上、自分自身も雪美の側にいなくてはならないと思っているのは事実。

聖「礼子さんに今日は体調が優れないから、お休みします…って言ってこなくちゃ…」

望月聖、人間界での初めてのずる休みである。

舞台は変わり、光と麗奈が通う中学校。

麗奈「…あー、あー…」

麗奈「(…ちゃんと声は出てるわね)」

麗奈「(学校に着くまで声が戻らないのは流石に焦ったわ…)」

昨夜、聖によって声を奪われた麗奈は発声練習をしていた。

麗奈「(昨日の奴…まぁ、どう見ても望月だったわよね…)」

麗奈「(このレイナサマに意見し、そして可憐な声を奪った愚行…!)」

麗奈「(決して許される行為では無いわッ!!)」

麗奈「(…とは、言っても私がアイツに純粋な戦闘で勝てるかと言えば、それはちょっと…)」

麗奈「(となると、まずは情報収集ねッ!!)」

麗奈「(このレイナサマに立てつくということは、恐らくアイツはブライト・ヒカル…南条との繋がりがあるはずッ!)」

麗奈「(まずは南条からアイツのことを、根堀り葉堀りと聞いてやるわッ!!)」

麗奈「(そこからアイツの弱点も…!!)」

麗奈「……」

麗奈「…って、あれ?」

麗奈「(南条は…?まだ来てないの?)」

麗奈があたりを見回していると教室の扉が開かれ、一人の中肉中性のごく普通の男性が姿を現す。
担任の教師だ。

教師「よーし、みんな席に着けー」

麗奈「(って、先生来ちゃったし!)」

麗奈「(南条は…いないわね…)」

麗奈「(遅刻だなんて、だらしがないわね!)」

麗奈「(…って、望月の奴もいないじゃない)」

麗奈「(昨日の今日で寝坊?)」

麗奈「(レイナサマは寝不足でも、キッチリ朝起きたっていうのに全く…)」

教師「えーと、まず南条と望月なんだが…」

教師「南条は風邪、望月も体調不良で今日は二人とも休むとの連絡があった」

教師「みんなも体調には気をつけるんだぞー」

麗奈「……」

麗奈「(休みかいッ!?)」

麗奈「(望月はともかく南条が風邪で休みとは想定外だったわ…)」

麗奈「(バカはなんちゃらっていうのは当てにならないわね…)」

先生「あとは……三好のこと誰か知らないか?」

担任は一番前の中央の席を指をさし、生徒達に問う。
三好…クラスメイトの「三好紗南」のことだ。

麗奈「(フン。三好がいないのはいつものことじゃない)」

麗奈「(大方、屋上でサボってゲームでもしてるんでしょ)」

麗奈「(一番前の席じゃ隠れてゲームも出来ないだろうしね)」

「三好紗南」は周りからクレイジーゲーマーと呼ばれているほどの重度のゲームオタクであり、よく授業を放棄してはどこか別の場所でゲームをプレイしている。
稀に授業に出席をしていることもあるが、大抵は徹夜明けのゲームによる寝不足で、睡眠をとるために机と教科書を枕代わりにする為である。

先生「…誰も知らないか」

先生「三好の奴…最近はHRにも姿を現さなくなっちゃったな…」

先生「親御さんにも連絡はしてるんだが取り合ってくれないし…どうしたものか…」

麗奈「(…まぁ、確かに)」

麗奈「(ちょっと前までは爆睡してるにしてもHRの時間には顔は出してたけど…)」

麗奈「(最近はめっきりと顔出さなくなっちゃったわね)」

麗奈「(まぁ、アタシには関係ないことだけど)」

———屋上

スカートの中が見えてしまうのも厭わず、フェンスに寄りかかって体育座りをしながら携帯型ゲーム機の画面をただひたすらに眺めている少女がいる。

その様子を見ていた「井村雪菜」———ルシファーは少女に尋ねる。

雪菜「面白いのぉ、それ?」

紗南「一度読んだテキストをスキップしてるだけだから、面白くはないかな〜」

三つ編みの少女、「三好紗南」がその問いかけに気怠そうに答える。

雪菜「ふーん…」

ルシファーも、その返答に特に興味は示さない様子だ。

紗南「ていうか、どうしたの「井村雪菜」さん。あたしになんか用?」

雪菜「特に用事は無いわよぉ」

紗南「なにそれ?」

雪菜「ただ学校という場所での、貴女と天使様がどんな生活を送っているのか興味があっただけ♪」

ルシファーは今はまだ望月聖と交戦する気は無い。
本当に純粋な興味からで、この学校へ訪れたのだが…

雪菜「でも、残念ながら天使様は今日はこの場所には来てないみたいねぇ」

紗南「天使様?なんのこと?」

雪菜「へ?」

「三好紗南」の返答にルシファーは思わず、まぬけな声をあげてしまう。

雪菜「いや、天使様…貴女も知ってるでしょ?」

紗南「天使様は知ってるけど……」

紗南「……」

紗南「632146+P……このコマンドで合ってるかな?」

「三好紗南」は少し考えたあと、まるでゲームのコマンドのような呪文を唱え、ゲーム機のボタンを押した。
すると先ほどまで「三好紗南」が眺めていたゲームの画面が切り替わり一人の少女が映し出された。

———それは望月聖の姿だった。

さらに次の瞬間には画面内にはびっしりと文字が敷き詰められていた。
「三好紗南」はそれらに軽く目を通す。

紗南「えーと、なになに…」

紗南「…へ〜、今この学校の生徒になってるんだ〜」

紗南「ってことは、あたしとフラグ立っちゃってるってやつ?」

紗南「ゲームの邪魔はされたくないなぁ〜」

「三好紗南」は面倒くさそうに、ぼやく。

雪菜「…貴女、周りのことに興味無さすぎじゃない?」

そして、その姿を見ていたルシファーは思わず飽きれてしまう。

紗南「別に良いじゃんっ」

紗南「あたし、大抵のことは画面見ればわかるし!」

雪菜「けど、私が言うまで調べようともしなかったじゃない?」

紗南「だって別に興味無いしなー」

雪菜「全く…」

雪菜「人間界に降りてきても、変わらないわね」

雪菜「———ベルフェゴール」

紗南「———ルシファーさんも変わってないと思うよ」

「三好紗南」———「怠惰」を司る「悪魔ベルフェゴール」が「井村雪菜」の真名を口にする。

雪菜「「怠惰」のカースも全く発生してないし、世界にもまるで興味無しってところ?」

紗南「戦略シミュレーションは好きじゃないからねー」

紗南「それに世界に興味無いのはアスモデウスさんもじゃない?」

雪菜「あの子はカースを生み出してるだけまだマシよぉ」

紗南「あたしだってカースは生み出してるよっ」

雪菜「時々、ごくわずかだけどねぇ」

紗南「お説教なら勘弁だよ?」

雪菜「うふ…まさか」

雪菜「今のはただの嫌味♪」

紗南「それなら良いけど」

雪菜「それに貴女やアスモデウスが動かなかろうが…」

雪菜「この世界の運命は変わらないわ♪」

紗南「大した自信だね。流石は強ボスキャラクター」

雪菜「強ボス?」

雪菜「うふっ」

雪菜「どうせなら、ラスボスとでも言ってよ♪」

紗南「「傲慢」って、そう自分で言えちゃうのが凄いよね」

雪菜「あぁ、そうそう。最後に一つ聞きたいんだけど良い?」

紗南「長くならないなら良いよ」

雪菜「貴女、なんで興味も無いのにわざわざ学校ってところへ来てるの?」

雪菜「その人間の子の身体を乗っ取った悪魔の貴女が学校へ行く義務は無いでしょ?」

紗南「もちろん。だから勉学とやらに励むつもりも無いし」

雪菜「じゃあ、どうして?」

紗南「別に。好きなだけだよ、この場所でプレイするゲームが」

雪菜「ふーん…」

雪菜「…まぁ、良いわ。それじゃあ、またそのうち会いましょう♪」

「井村雪菜」ことルシファーはそう言い残し、その場から瞬時に姿を消す。

残された「三好紗南」ことベルフェゴールはその姿を横目で見送ったあと、一言呟く。

紗南「ゲームの続き、やろっと」

とある中学校の屋上で、「怠惰」を司る「悪魔ベルフェゴール」は今日も一日中ゲームの画面を眺めるという怠惰な生活を送っている。

三好紗南(ベルフェゴール)(三好紗南の肉体は14歳)


職業:悪魔
属性:怠惰
能力:情報獲得

七つの大罪の一つ「怠惰」を司るベルフェゴールの名を持つ悪魔。
「怠惰」のカースは彼女が作り出す緑色の核が原因で生み出されるが、その数は他のカースに比べて圧倒的に少ない。

人間界で生活をしていく上で「三好紗南」という少女の肉体と精神を乗っ取った。
その際に紗南が所持していた携帯ゲーム機に興味を持ち、自身の暇潰しの道具にしている。

彼女の持つ情報獲得能力は、彼女が一度「見た」対象の情報全てを自身の脳に送り込むことができ、対象のコマンドを唱えることでそれを再生することが出来る。
…が、疲れる為か現在は携帯ゲーム機に対象の情報を映し出している。
「見た」対象が人物ならば、個人的プロフィールはもちろん、その人物が今抱いている感情や、さらには現在地までも把握が可能。
だが、今はほぼゲームの攻略情報にしかこの能力を使用していない。

望月聖が転校してきたことも知らなかったほど周りのことに興味が無く、人間界に降りてきて興味を持ったのはゲームだけ。
他の大罪の悪魔に協力する気も無く、自分自身ゲームで暇を潰せれば良いと思っているので、現在のところ実質ほぼ無害。
何故、人間界へ降りてきたのかわからないほど怠惰な生活を送っている。

終わりです
というわけで怠惰の悪魔です

しかし我ながら今後のキャラとしての扱いが難しそうな設定にしてしまった…

ささっと投下しちまおう

なぜなら朝だからだ

世の中に妖怪やら、宇宙人やら、神様やら、悪魔やらが解き放たれて暫くの時間が経過した。
その日は妙にじっとりとして暑かった、言うならば夏直前の梅雨明けに湿気が暑さに拍車をかけるような熱帯夜。
部屋で親の趣味のオールディーズのレコード盤をかけて、部屋にて何時もの通り新聞を読む。

П(宇宙人、地球侵攻作戦計画か?人間名:野々村そらを送り出す……他所でやってくれねぇかなぁ)

何となくカレーを食べた時から違和感は感じていた、あの性格がなぜかは知らんが妙に馴染んでいるようで、実際には何処か演じている気がしていた。
だが俺には関係のない話だ、もし火の粉を撒き散らすならともかく、顧客を撃ち殺すような趣味は俺にはない。

П「あぁ、それにしてもじっとりと湿っている……嫌な時期だな」

だがねっとりと渦を巻いた熱気はコンコン、という戸を叩く音によって注意をそらされた。

П「はーい!……誰だこんな時間に」

思わず声を上げたが、ふと時間を見ると8時を過ぎ、早い所ではもう明日に備えて寝始める時間だろう。
戸を開けると、女子高生(やけに汗ばんだ)が、熱気を含んだ目でコチラを見ていた。

П「……何か?」

美波「あの、ここの女子寮の新田美波というものですが、その時間がよろしければ少しお話いいですか?」

そう言って悩ましげに髪を後ろに流す、が正直な所心底どうでもいいように思えた。

П「朝じゃダメですか?」

何となく美波が引きつった顔になったきがする、そんなに大事な話なのだろうか。
だが、自分としては部屋にこもってオールディーズのレコードを聞きつつ、部屋でボーっとしてたかったのだが。

美波「今でお願いします、大事な話なんです」

美波はПの右手を取って、胸元に引き寄せた。

П(何だコイツ……イキナリ馴れ馴れしいな)

何となくイラッときつつ、至福の時間に別れを告げる。
レコードはあとで聞き直せるが、近隣住民の悩みはあとでは聞き直せない事が多いのだ。
これも、女子寮の健全な運営の為と自分に言い聞かせ、美波を居間に上げる。

П(新田美波……確か女子寮の一人で、近くの女子校の生徒、趣味は……なんだっけ、まあどうでもいいか)

自室でWii-Fitに興じる茄子を尻目に、麦茶を1杯、自分はペプシを1杯コップに入れる。

П「どうぞ」

美波「あ、ありがとうございます」

そう言うと、遠慮なく目の前で麦茶をゴクゴクと飲み始めた、余りにいい飲みっぷりだったので思わず呆気にとられたが。
そもそもコイツが何で家にいるのかを思い出し、話を切り出すことにする。

П「それで、話とは?」

美波「その、少し近寄って貰っていいですか?」

П「あ、汗かいてるみたいなんで、扇風機先につけますね」

何となく嫌な予感がして、目的を逸らすために必死に逃げようとする。
が、ガッシと素早い蛇のように腕を掴まれる、勿論普通の男性なら逃げれるが。

П(ヤッべ、最近の高校生力強いぞ俺、力負けしそうだぞ俺)

美波「ずっと前から好きでした、抱いて下さい」

そのまま、早苗に以前掛けられた柔術めいた動きで、地面に押し倒される。
火照った体を全身に押し付けられ、悪寒が全身を駆け巡る。

П「茄子ォォォオオオ!助けろォオオオ!犯されるゥゥゥウウウ!」

茄子「もーなんですか……あらやだ」

美波「ふぅ…ふぅ…」

次の瞬間、普通に美波を片手で持ち上げる茄子、神様は力持ちだなぁ俺はつくづくそう思う。

П「もう!何なの!なの!」

半ギレで美波を遠巻きに問い詰めるが、火照った体を空中で悩ましげにくねらせるだけで、特に何も答える様子はない。

茄子「うーん……近頃人々がすなるといふ『かぁす』でしょうかね」

П「カース?ここじゃああんまり聞かなかったアレか」

茄子「一応結界で弾いてたつもりなんですけど、コレは本格的に対策を立てなきゃいけないみたいですよ?」

П「どういうことだ?」

茄子「多分カースの特性として、人に移ると結界に認識されないんじゃないんでしょうか?」

П「へぇ、偽装みてーなもんか、こりゃあ面倒だ」

П「所で、カースって何だ?」

茄子「うーん……聞く所によると、人間の持つ感情の負の側面が、例の世界同時多発的超常現象群によって現象化されたもの、じゃないでしょーか」

П「感情?」

茄子「最近キリシタンの習いに習って、7つの大罪という名前をつけているそうです、元々の悪魔って言われてた神様は迷惑しているみたいですが」

П「つまり、死体には寄り付かないってことか?」

茄子「一応大体は人間に寄生する、もしくは直接人間を襲うのどっちかだそうです」

П「所謂、人の『心』の力に惹かれたって所か?」

茄子「うーん……可能性としてはありますね」

心の力、元来人間には幾つもの種類の心の力が眠っているらしいが、うまく引き出せるかどうかは人次第ということらしい。

П「逆に考えれば、『心』への走性があるってことか……いい対処法考えた、そいつ離していいぞ」

茄子「ぽいっちょ」

色っぽく話の最中体をくねらせる、涙ぐましい努力をしていた美波は畳の上に投げられた瞬間。
陽気な猫の如く四つん這いで、Пの元にはってきた。

美波「Пさん、以前よりお慕いしていました…」

П「おーよしよし……いい子だ」

Пが両手を開き、受け入れる体制を作りそれに呼応し美波が立ち上り。
抱きかかろうという瞬間と、ボクシングの打ち込む前の溜めのポーズが変わったのは同時だった。

П『胸部への打撃により心停止30秒、一過性脳停止30秒』

美波「ふえ?」

次の瞬間デタラメな掌打が美波の胸に激突し、美波がそのまま体にのしかかるのを手早く畳の上に倒す。

П「仮死状態なら一応カースは嫌がって寄生どころか、出て行こうとすると思うが、どうだかね」

茄子「あら♪ビンゴみたいですよ」

ボクシングでいうテン・カウント数えた当たりで、ぐったりと倒れた美波の胸元から、何やらピンク色のふよふよとした球体が現れた。

П「コレがカースか」

力なく寄ってきたピンクの球体…カースを銃床ではたき落とすと、茄子が拾い上げて脆い飴細工の如く握りつぶしてしまった。
コレが神様と人間の差か、と思いつつ目の前で昏倒から気絶を経て、風呂場での睡眠のような形に移行した女学生を見下げる。

П「……布団敷いとけ、どうせこれじゃあ帰れんだろ」

茄子「はーい、でもそれだと布団が足りませんよぉ?」

П「……無い?」

茄子「無いです」

П「……お前時々俺を見る目がさっきのコイツみたいな目ェすんだもんなぁ……」

茄子「えー?しないですよぅ」

そう言いつつにじり寄ってくる、ああもうコイツ面倒クセェなぁ。

П「……朝か」

結局俺はソファーで眠り、茄子が布団で眠ることになった。
朝起きると、件の女学生が茄子と朝食を作っていた。

П「……おはよう」

美波「あ、昨日はなんというか本当に申し訳ありません、本当に何というかその熱くて、その自分を抑えきれなくって」

寝ぼけた脳みそに矢継早に女学生が言葉をまくし立てて、脳の中が洪水を起こしかけ。
眠気覚ましに冷蔵庫から水を取り出し、一杯飲み込むと昨日のことを思い出し始めた。

П「……ああ、やばいと思ったが、性欲を抑えきれなかった女学生さん」

美波「忘れて下さい!」

昨日散々振り回されたんだ、顔を真赤にした女学生をからかうつもりで言ったが、思っていた以上に効果があったようで。
何となくほっこりしながら、茄子と女学生−美波の作った朝飯を腹に流しこむ。
向かいで馴染んでる女学生を見つつ、思っていた以上に割烹着が似合っている二人を見つつ、今日が休日であるのを思い出す。
この朝食は昨日助けてもらったことのお礼らしい、思っていた以上に殊勝で少し関心。

П「……よし」

茄子「何ですか?Пさん」

П「『何でも屋』でも副業にやるか」

美波「『何でも屋?』」

П「カースや、神様、悪魔、等超常現象群に個人の依頼の範疇で手助けしてやろうって事よ」

П「うまくいきゃあ治安は良くなり、地価は上昇、女子寮も繁盛、副業でお金もガッポリって寸法よ」

茄子「本当に上手くいくんでしょうかね?」

П「その為には先ず色んなモノを買い漁らんとな、銃、防具、農土…」

美波「農土?」

П「まあ、色々あるのさ、後お前今日からここの宣伝しろ」

美波「え?」

П「今回の治療費だ、安いもんだろ?」

美波は思った以上にヤバイ人物に関わってしまったのではないか、と内心不安になるのだった。

コレにて投下終了です

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新田美波(19歳)
ttp://i.imgur.com/Hy6KOxZ.jpg

職業:近所の大学生
属性:不憫な優良一般人
能力:色欲のカースの魅力効果を微量に持つ

上京という形でコチラにやってきて、不幸にも色欲のカースのせいで女子寮唯一の男性Пに襲いかかる
元来生真面目な性格で、学業優秀、品行方正、Пの持つ拳銃やら計画に思わず萎縮する程度に一般人
所謂近所の茄子の効力によって、悪い虫が寄り付かない程度には幸運だが
哀れかな、彼女はこの世界ではただの一般的善良な市民であり
模範的な社会の弱者であるが悲観することはない、何故ならそれが普通だからだ
だがその普通さ故に溶けてしまったカースの除去のため、今後茄子、そしてПとも関係を続けなくてはいけなくなる

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何でも屋

Пの新しく発案した、地価上昇のための対策案。
何でも屋は何でも屋ですよ、犬とか猫の探索は探偵事務所を紹介いたし〼
依頼料等は最後に請求させていただき〼
よろしく候

前スレ>>860の続き(ウサミン星人サイド)を勝手に書いてみる

奈々&夕実サイドは誰かに任せる方向で

——————————

(——ここは……?)

菜々が意識を取り戻したのは、ウサミン星人の宇宙船の仮眠室に備え付けられた
休眠用ベッド・チャンバーの中であった。

この2メートルそこそこの円筒型密閉式チャンバーには高い精神安定効果を持つ各種装置が
備わっており、チャンバーの中に3時間横たわっているだけで、心身のリフレッシュ効果が
12時間の熟睡に匹敵するとされている。
ウサミン星の船舶には大抵備わっている標準的な装置だ。

実に数十年ぶりに身体を預けるベッド・チャンバーだったが、畳の上に布団を敷いて
眠る生活に慣れ切った彼女からすれば、実感として、狭苦しさが懐かしさに勝っていた。
それにこのチャンバー、確かに疲れは取れるのだが、どうにも休んだ気になれないのが頂けない。

チャンバーの内側の開閉スイッチに指を触れると、音もなくカバーがスライドする。

菜々は起き上がって周りを見回してみる。

ベッド・チャンバーが三つ並んでいる仮眠室には、タワー型のドリンクディスペンサーや
観葉植物が置かれている。休憩室に置かれている備品は地球製の品も多く、ドリンクディスペンサーに
貼られたラベルには、地球の大手メーカーのミネラルウォーターのものもあった。

『お目覚めになられましたか、ナナ様』

横合いから投げかけられた声は、ややくぐもった響きを伴っていた。
菜々が振り返ると、つやつやとした白い巨体が視界の半分を埋めた。

数日前、自分にコンタクトを取ってきたウサミン星人だ。
地球人とは呼吸器や発声器官の構造が異なるウサミン星人は、地球の重力や気圧の下では
マスクで口元をすっぽり覆ったような発音になることがある。
地球人の身体構造を真似て変身することでこの問題は避けられるが、彼はそうしないのだろうか。

「ナンバーをどうぞ。ナナはNo-2017……」

咄嗟に『挨拶』を口にしかけ、菜々はハッとなった。
意識を失う直前のことが、脳裏に浮かんでは消える。

数時間前、彼と会話をしている時に夕実が現れて、抗しがたい眠気に襲われて……
いや、その前だ。彼はナンバーを提示した自分に怪訝な顔を見せたのだ。

そうだ。
個人名ではなく、ウサミン中央政府が発行する管理登録ナンバーを提示し合うこのやり取りは
既に過去のものだと、彼が言っていたではないか。

戸惑いに目をしぱたかせる菜々に対して、ウサミン星人は底堅い声音で言う。

『……旧政府発行のパーソナル・ナンバーの提示は、ウサミン救国軍事会議によって禁止されています。
 首都ウサミンシティでその挨拶をしたら、反政府主義者の嫌疑をかけられて逮捕されるでしょうな』

「ウサミン救国軍事会議……?」

まったく聞き覚えのない単語に、菜々はさらに困惑を深くせざるを得なかった。

先程から、目の前のウサミン星人とは何かが決定的に食い違っている。
今のウサミン星は、自分の知っているウサミン星ではなくなったとでもいうのだろうか?

「……教えてください。ウサミン星はどうなってしまったんですか……?」

『……やはり、何もご存じないのですね』

「ナナはもう何年もウサミン星に帰還していません。ウサミン星から何も言ってこないから……」

『新体制に移行してからも政府は貴女に接触したがっていて、毎年使者を送っていました。
 超光速通信で、貴女の端末に帰還命令も出ていたはずですが……
 ……いえ、何かの事故によって、地球に辿り着けなかったという可能性もありますか』

ウサミン星人は、菜々の親友である夕実がその使者達を秘密裏に始末していたことは敢えて伏せた。
これから話す内容を考えれば、彼女がより大きなショックを受けることは確実だったからだ。

……やはり、真実を語る以外に方法はない。ウサミン星人は苦々しい認識を噛みしめた。
ウサミン星を救うためには沙織の能力だけでは心許ない。ウサミン星人・ナナの影響力は必要になる。
たとえそれが、彼女の決して望まざるものであったとしてもだ。

『ナナ様。これから私が語ることはすべて真実です。貴女にとって、とても辛い内容です。
 しかし、ウサミン星を救うためには、必要なことです。どうかご理解ください』

「……」

ウサミン星人の言いように、菜々にもおおよその察しはついた。ついてしまった。
現実問題、この地球にもウサミン星人の宇宙犯罪者が多数やってきているのだ。
少数の悪人が地球に来ているだけだと信じ続けるには、菜々は少し大人になりすぎていたようだった。

——————————

ウサミン星人から故郷の惨状を聞いた菜々は、戦慄と驚愕に塗り込められた心身を震わせた。

「そんな……ナナが持ち帰ったデータが、そんなことを引き起こすなんて……」

思わず吐いた声がかすれて、弱々しく震える。
菜々は度数の高い酒に悪酔いしたように視線が揺れて、平衡感覚が失せていくような錯覚を覚えた。

ウサミン星人は無意識に視線を逸らし、休憩室の窓から外の風景を見た。
それは、先刻と何も変わるところはない。夕暮れの中に高層ビルが立ち並び、地上には
それぞれの生活を営む地球人がいて、その中に菜々や夕実や……沙織の暮らしがある。

何も変わらないのだ。この地球は。この宇宙は。
彼女にこの事実を突き付けたところで、自分も世界も何も変わるところはない。
同様に、果たして自分達が本当にウサミン星を救いうるのかどうかも、確証の持てるものではない。

ウサミン星人は今更ながら、自分の罪深さに思いを致さずにはいられなかった。
自分の故郷と何らの関わりもない地球人の女を巻き込んだ上、自分の最も敬愛する偉大な
女性の心を傷つけたのだ。仕方のないことと片付けてしまうことはできない。
故郷を救うためなどと言ったところで、この罪の大きさに比べれば、己の果たしうる救星の功など
ごくごく小さなものに相違あるまい。

『貴女の持ち帰ったデータは、貴女を地球に派遣した旧ウサミン中央政府にとっては、
 辺境惑星の原住民に関する調査資料以上の価値を持つものではなかった。
 しかし、ウサミン救国軍事会議のような者達が、それを政治的に利用したのは確かです。
 地球の文化に触れた人々の受けたカルチャー・ショックが、自由への希求にもなったのですから』

この偉大なる女性は、幾度同じ絶望を味わわされたのだろうか。
その小さな肩に、どれだけの重荷を負わされたのだろうか。
そしてこれまで彼女に真実を突きつけた者達は、どれほど良心の痛みを感じたのだろうか。

知らなければよかったと思っているに違いない。
知らなければ何の迷いもなく、一人のウサミン星人として生き続けることができたのだ。
彼女に真実を突きつけた者を、大精霊が葬り去ってきた理由も理解できる。

しかし、知ってしまった以上は、行動しなければならない。してくれなければ困るのだ。
積み上げられた犠牲の大きさが、菜々の呪いをさらに重くするとわかっていても。

『文化を、自由を、そして感情を取り戻したウサミン星人は、眠っていた闘争本能を呼び覚ました。
 私は沙織の精神同調能力によって彼らの心を静め、戦乱を抑え込む計画を立てました。
 しかし、それではまだ足りない。ウサミン星には人々を導く新たな指導者が必要なのです』

失う痛みを、背負う重さを知りながら、なお彼女を駆り立てなければならない。

『よしんば戦いを終わらせることができても、依然として混乱は続くでしょう。
 ですが貴女なら、その状況を収束させうる。それだけの政治的影響力がある』

いつしか言葉は熱を帯び、湿り気を伴って、振り絞るように呟かれた。

『偉大なるウサミン星人、ナナ様。
 どうか、我らがウサミン星の『グレート・マザー』になって頂きたい』

———————————

地上から数千メートルを隔てた上空に静止しているウサミン星人の宇宙船へ向かうためには、
街のあちこちに仕掛けたテレポーターから瞬間移動をする必要がある。

地球上における沙織とウサミン星人の行動には制約が多い。

地球では全長60メートルクラスの宇宙船が降りられる場所は限られているし、
下手に目立てばGDFのような組織とぶつかる可能性も常につきまとっている。
あくまで秘密裏に行動したいからこそ、ハイパー・ステルスによってその存在を秘匿しているのだ。

沙織は5時限めの講義が終わるとすぐ、大学に程近い繁華街の路地裏に設置したテレポーターから
宇宙船へ移動しようとしたが、すぐに異変に気付いた。

ウサミン星人の手によって超光速通信やテレポーターのガイド・ビーコンなどの機能を追加された
携帯電話で宇宙船の位置を確認してみると、宇宙船は地上に降りているのだ。
座標からすると街からかなり離れたところに着陸しているようだが、彼らしくないと疑念を禁じ得ない。

携帯を操作して、テレポーターを起動する。
沙織の足元の、マンホールの蓋に偽装された装置から発した金色の光と共に、彼女の姿が瞬時に消え失せ、
気がつくと宇宙船の一室へと転送されていた。

「ウサミンさん? どこさいるんですか?」

宇宙船の中はそう広くない。4〜5人程度の乗員が快適に過ごすだけのスペースはあるが、
逆に言えばそれだけだ。ウサミン星人を探すのもそう苦労はない。

「ウサミンさーん……?」

居住スペースの部屋をひとつひとつ見て回ると、開け放たれた休憩室の扉の向こうに
白く大きな背中が見えた。
ベッド・チャンバーの傍らで立ちつくしている後ろ姿は、ウサミン星人のそれに違いなかった。

休憩室に足を踏み入れると、かすかな甘い香りが鼻孔を突く。
女物の香水かなにかだろうか? しかし、目の前の異邦人と香水とはイメージしがたい組み合わせだ。

『沙織か』

振り向きもせず、ウサミン星人はかすれた声を絞り出す。
どこか寂寥とした声音に胸を突かれながらも、沙織はウサミン星人のそばに歩み寄る。

「どうしたんだが? 宇宙船、なんで降ろしてるんですか?」

『……客人が来ていた。つい先程帰られたところだが』

見るからに消沈した様子なのに、どうにか虚勢を張っていつも通りに見せようとしているのがわかる。

異星人の自分から見てもわかるくらいだから、きっと故郷でも嘘をつくのが下手だったんだろうと、
そうでなければ、他人を路傍の石と決め込んで開き直ることができないのだろうと沙織は思った。

「喧嘩して物別れになっちまったんですか」

『結論を先送りにしただけだ。どちらにせよ、今すぐに決められることでもなかった』

「……ウサミン星の話、ですか?」

『……そうだ。今すぐには決められないが、急がなくてはならない。私達の故郷が消え去ってしまう前に』

消え去ってしまう、という言葉には比喩以上の重みがあったが、追及する必要は感じなかった。
今この瞬間も、彼の同胞は相争い傷つけ合っている。
破滅へと至る最後の引き金を、誰かが引かない保証はないのだ。

誰とも合わせる気のない視線を彷徨わせながら、ウサミン星人はぽつりと呟いた。

『……もしかしたら、これは私の独り善がりにすぎないのかもな』

「えっ?」

『故郷を救えると思っているのは私の勝手な思い込みで、もう何も取り返しのつくものはなくて、
 ただいたずらに無関係の人々を巻き込んで傷つけているだけなのかもしれん。
 もしそうなのだとしたら、私のやっていることに意味などない』

虚勢も皮肉も剥がれ落ちた、率直な声だった。
悄然と呟くウサミン星人の背中は、普段よりもずっと小さく見えた。

『私は卑怯者だ、沙織。君やあの方に重荷を負わせて、私自身は一体何をしているんだ。
 君達と同じ目線に立って苦悩を分かち合うこともできない。その資格さえない。
 私は——』

心を裂くような痛みを吐露するウサミン星人に、沙織には応える言葉がなかった。
ただ、目の前の異邦人も『人間』なのだと、改めて知った。

故郷を救いたいという善意と生真面目な性分に縛られて、自分を責めている。
通そうとした我が裏目に出て、誰かを傷つけてしまったことを悔いている。
姿形が違っても、生まれた星が違っても、彼も優しい心を持った『人間』にすぎないのだ。

沙織は、初めて出会ったときのことを思い出す。
あのときも彼は、自分に役目を負わせることに忸怩たる思いを抱いていたのではなかったか。

確かに、彼は弱い人間かもしれない。
けれどその弱さこそ、誰かを思いやる優しさなのではないか?
その優しさがあるからこそ、彼は故郷を遠く離れて地球へやってきたのではないか?

沙織の感性がそう思わしめたとき、彼女は自然と、ある歌を口ずさんでいた。

「When the night has come
 And the land is dark……♪」

目には見えないものを、言葉では伝えきれないものを届けられる力があるのなら。
自分にそんな大それた力があるというなら、やるべきことはひとつだった。

「And the moon is the only light we'll see
 No, I won't be afraid
 Oh, I won't be afraid
 Just as long as you stand
 stand by me……♪」

宇宙船の設備を使わなくても、綺麗なメイクもきらびやかな衣装もなくても、
目の前でうなだれている一人のウサミン星人を勇気づけることならできるはずだ。

そう信じて、沙織は歌った。

「So, darling darling
 Stand by me
 Oh stand by me
 Oh stand
 Stand by me
 Stand by me……♪」

やがて、沙織の周囲に虹ともオーロラともつかない光が揺らめき始める。
夢幻のような輝きの海をさざめかせて、澄んだ声が虚空に波紋を広げる。

ウサミン星人の固く握り締められた拳から力が抜け、荒れる波濤のような心が凪いでいく。
心身の隅々まで沁み渡るような安らぎが、彼に無意識のうちに涙を流させた。
まるで虹の色彩が心身の澱を洗い流したようだった。

涙を流したのは何年ぶりだっただろうか。
ふとそんなことを考え、ウサミン星人は静かに顔を上げた。

(わだす、あんまり可愛くねぇし、いつまでも訛りも抜けねぇけんど)

滑らかに流れ出る歌声とは無関係に、沙織は心の中で呟く。
願わくば、この気持ちも彼に伝わるよう。

(歌だってアイドルの猿マネしてるだけで、まだまだだけんど……
 ウサミンさんは、こんなわだすにも、できることがあるって教えてくれたんです)

彼の言う偉大なるウサミン星人がもたらしたのは、文化や娯楽や感情だけではない。
それはきっと、可能性というべきものだった。

何世代にも渡って先人達の引いたレールの上を歩き続けてきたウサミン星人達が、
自分の意志で何かを選び取り、自分の手で何かを掴み取るための自由。
地球でもウサミン星でも、全宇宙のどこの惑星でだって、繰り返されてきた挑戦と失敗。
雑多で非効率的で愚かで、けれど新たな進化の形をたぐり寄せる可能性。

(自分じゃ全然わがんなくて、自信もねーですけんど……ウサミンさんのおかげで見つけられたんです。
 新しい自分、新しくなれるかもしれない自分の姿を)

一人のウサミン星人が沙織にもたらしたのもまた、新しい可能性の萌芽に違いなかった。

(だから、ウサミンさんも信じてくだせぇ。きっと何もかもよぐなるって。
 ウサミンさんの気持ちは間違いなんかじゃねぇって……)



揺らめく虹色の光に乗って運ばれる思惟は、ハッキリとした形で伝わったかどうかは判然としなかった。
けれど、二人の『人間』の内奥に共鳴の灯を宿したのは確かだった。

それは希望と呼ばれる感情だったのだろうと、沙織は後に述懐した。

ウサミン星人:戦乱を鎮めた後、本星にて多大な影響力を持つナナに新たな指導者になってもらいたい

奈々:すぐには答えを出せず、ひとまず結論を先送りに
夕実:奈々が落ち込んでいるようだが、ウサミンの言うように奈々を見守っていよう

今のところはそういうスタンスということで

乙ー

頑張れウサミン!

ウサミン星人感情が無くなったって、マンアフターマンのハイバーみたいな感じになってたのか

後救国軍事会議で銀英伝を思い出したのと、夕実Chang!がなんかスゴイことになっちゃったぞ

(素で勘違いしていた……? バカな、こんなことは許されない)

木の実は植物だから(イメージ的に)仕方ないね…
自分は「ゆうみ」で変換してるよ

ちょっち思いついたネタがあるのでレナさん予約しますー

こんなんでいいのかなーとか思いつつ初投下ー
桃華ちゃまと強欲の悪魔ですわ

『櫻井財閥』の名前を知らぬ者は、おそらくこの地上の人類の中には居ないであろう。

それは、信じられないほどの財力をもって、

世界を表から、裏からコントロールしていた巨大組織。

かつては世界の支配者に最も近いとまで言われた超大財閥であるのだから。


もっとも、それはあの”運命の日”までの話だ。


宇宙から、地下から、異世界から、闇の底から、時空の果てから、

多くの来訪者がこの世界を訪れたことによって、

『櫻井財閥』は世界の支配者から遥かに遠ざかった事は間違いない。


とは言え、彼らとて異端なる者たちの来訪にただ手をこまねいて見ていた訳でもない。

彼らは能力者を纏め上げ、多くのヒーローを排出する組織を立ち上げた。

彼らは宇宙や地下に独自にコネクションを作り上げ、少しずつ信頼関係を築き上げている。

彼らは悪と戦う者達に惜しみなく投資し、影ながら人類を守る存在を支えてきた。

彼らはそれらの行いは全て「世界の秩序のためである」と掲げているが、事実はわからない。


確かに、あの日『櫻井財閥』は世界の支配者から遠ざかった。

だが、『櫻井財閥』の名が世から忘れられていないのもまた確かであろう。

——

支部長「い、以上が現状の報告であ、あります・・・・・・はい。」

『櫻井財閥』が運営する対カース防衛局、

その傘下に存在する、ある地方の支部の

支部長は目の前にその男が居ることが信じられなかった。


サクライP「ああ、よくわかったよ。ありがとう。」


『櫻井財閥』の現当主、サクライP

櫻井のトップもトップ、トップオブザトップ。

そんな男が自分の前に立っているのだ。


サクライP「ハハ、そう緊張しなくてもいいよ。リラックスリラックス。」

支部長「は、はぁ。しかし・・・・・・貴方の様なお方がわざわざこのような場所に来られるなんて」


彼は椅子に座りながら世界を動かせる男、

本来ならばこんな所に居ていい人間ではないはずだ。

サクライP「確かに、僕はこことは離れたホテルの一室で、」

サクライP「葉巻を咥えて新聞でも読みながら、その場の思いつきの命令を下すこともできるだろう。」

サクライP「けれど現場に自ら足を運ばないと、わからない事の方が多いんだ。」

サクライP「わからない事をわからないままにしておけば、いずれ間違った判断をしてしまう。」

サクライP「だから僕は、自分の目で見る現場のリアルを大事にしたいのさ。」

サクライP「それに君は僕の事を買かぶり過ぎだよ、僕にできる事なんて大した事無い。」

サクライP「実際に人類の敵、カースと命懸けで戦っている君達の方がよっぽど優秀さ。」

支部長「は、はあ・・・(そうは言われても)」


サクライP「しかしそうか、人類にとって事態は思っていた以上に悪い方向に転がっているようだね。」

サクライP「『キングオブグリード』、『嫉妬の邪龍』、各地に出没する大型カース。」

サクライP「世界中でカース達の活動が活発化している。懸念するべき事態だが、」

サクライP「それ以上に、何か良くないことが起きる前触れかもしれない。」

サクライP「早急に戦力の増強が必要だね。さらに軍資金を用意しよう。」

支部長「よろしいのですか!?」

サクライP「当然だよ。世界を守るためだろう。」

サクライP「ああ・・・・・・それと、」

サクライP「以前言っていた対カース兵器に必要な技術のことだが、何とかなるかもしれない」

支部長「なんと!本当ですか!?」

サクライP「大きな声じゃあ言えないが、地下の世界の技術の一端さ。」

サクライP「連中は相当出し渋っていたようだが、こちらも異界から拾ってきた技術を提出する事で手打ちになった。」

サクライP「まあ、彼らとてカースが地上に蔓延っているのは気持ちのいいものではないだろう。」

サクライP「いずれ手に入れるつもりの物が泥まみれに汚れているだなんて、嫌に決まっているからね。」

支部長「あの兵器が実現すれば、例え何千のカースが相手でも全て駆逐することができます!」

支部長「必ず人類に勝利を掴んで見せましょう!」

サクライP「期待しているよ、我々人類の未来のためにね。」


サクライP「では、先ほど伝えた捜索の件も合わせてよろしく頼むよ。」

支部長「お任せください!サクライ殿!」


サクライPが用件を伝え終えると、彼の傍に控えていた黒衣の能力者が何かを呟き、

そして次の瞬間にはサクライPともども姿を消していた。

支部長「テレポート能力者か・・・・・・」

支部長「人類の未来のために、私は私にできる事をしなければ」

——


テレポートで彼らが移動した場所は、とある屋敷の庭園の中であった。


サクライP「ご苦労だった、僕は桃華に会って来る。しばらく自由にしているといい。」


彼が言えば、黒衣の能力者は無言で頷き、また能力を使い何処かへ消えていった。

サクライPは広い庭園を横断するように、屋敷に向かって歩き始める。

この場所は、彼がかつて一人娘に買い与えた彼女のためだけの屋敷であった。


庭では彼女専属の庭師達が忙しなく働いている。

サクライPはそれらに特に気にかける事もなく無言で通り過ぎた。

人ならざる物相手に挨拶など不要であろう。


歩き続けると、屋敷にたどり着く。

その入り口では、愛娘が彼の事を待っていた。


桃華「お待ちしておりましたわ、お父様♪」

彼女はウィンクで父を出迎える。

サクライP「ああ、待たせたね。桃華。」

桃華「お父様、頼んでおいたアレは手に入りましたの?」

娘の言葉に、

サクライPは持っていた紙袋を手渡す。

桃華「ウフ、流石はお父様ですわ!」


『京都名物 八つ橋』

それは彼が支部長との対談の間に、従者に買いに行かせたものであった。


桃華「ウフ、これが食べたかったのですわ。早速お茶にしましょうか♪」

彼女は上機嫌に屋敷の中へと入ろうとする。


彼はそれを呼び止めた。


サクライP「・・・・・・マンモン様っ!」

片ヒザを付き、頭を垂れた服従の姿勢で。


それはおよそ父親が娘を呼び止めるための態度ではなく、

そもそも呼び止めるための名前すら違ったはずだ。


しかし娘にとっては、それは不自然な姿ではなかったらしい。

桃華「・・・・・・何かありましたの?Pちゃま?」

マンモンと呼ばれた少女は、呼び止めた理由を彼に尋ねる。

彼女もまた、彼に対する呼び方が変わっていた。


サクライP「至急、お耳に入れておきたい事がございます。」

サクライP「どうやらレヴィアタンが動いたようです。」

桃華「あら、レヴィちゃまがですの?」

サクライP「『嫉妬』のカースを束ねた『蛇龍』。」

サクライP「現在、ヒーロー達に討伐命令が出されているあの大カースは、」

サクライP「つい先日、ある組織によって浄化されたカースドヒューマンによって」

サクライP「『嫉妬』を集め、作られた呪いであるそうです。」

サクライP「しかし、我々はその発生地点にて僅かに呪詛の痕跡を確認しております。」

サクライP「その痕跡は大悪魔によるものであると。」

桃華「『嫉妬』のカースを司る大悪魔。間違いなくレヴィちゃまですわね。」

桃華「ウフ、それにしても楽しそうなことをしてますのね。」

サクライP「また同時期に2体の大罪の動きも確認しております。」

サクライP「恐らくは、ルシファー、そしてアスモデウス」

サクライP「どちらも確定に至るほどの証拠はまだありませんが、」

サクライP「『傲慢』、『色欲』のカースの不自然な増加から言えば・・・・・・」

サクライP「何らかの形で関係しているのは間違いないかと。」

桃華「なるほど。皆様、己の欲望のために好き勝手楽しんでいると。」

桃華「欲望に忠実なのは結構な事ではありませんの。」

サクライP「・・・・・・お耳に入れたいのは、それだけではございません。」

サクライP「これは私には確認しかねる事なのではありますが、」

サクライP「聞いたところによれば、魔界の法が変わったとか。」


桃華「ああ、それに関してはきちんと把握してますわ。」

桃華「悪魔達の勝手な人間界での活動を禁止する法。」

桃華「何のためにそんなルールを作ったかは知りませんが、誰が守るって言うんですの?」

桃華「いえ、むしろ破ってくれと言ってる様なものではありませんの。」

桃華「禁じられれば禁じられるほど欲望は深まるものですわ♪」

桃華「ウフ、ゾクゾクしますわね。」

サクライP「・・・・・・破れば粛正されるのでは?」

桃華「当然そうですわね。むしろそっちが目的でしょう。」

桃華「まあ、あのしみったれ魔王には出来ないでしょうけど。」

桃華「でもわたくし達に対して刺客を送り込まれることもあるかもしれませんわね。」


桃華「Pちゃま、その時は命をかけてわたくしを守るんですのよ♪」

サクライP「当然でございます。この命は貴女様のために。」

サクライP「では、どうなされますか?」

桃華「?」

桃華「何がですの?」

サクライP「レヴィアタン、ルシファー、アスモデウス、3体の大罪が同時に動いたのです。」

サクライP「つきましてはマンモン様も何か手を打たれた方がよろしいのでは?」


桃華「・・・・・・」


桃華「Pちゃまのおバカ!早漏!!」

サクライP「そうろっ!?」

桃華「今わたくしが動いてどうするんですのっ!」

桃華「慌てて動けば、損するのは目に見えてますわ!」

桃華「そんな事だから以前も、交易で失敗したのではなくて?」

サクライP「いや、しかし・・・・・・アレは価値が下がってきたのでっ」

サクライP「早く売った方が良いと思い・・・・・・」

桃華「それで損を出したんじゃないですの。」

サクライP「面目ありません。」

桃華「言い訳は聞けませんわ。」


サクライP「・・・・・・」

サクライP「私は」

サクライP「私はいずれ・・・・・・今度こそ世界の全てを支配するつもりです。」

かつて世界の支配者に最も近かった男のその野心の炎は、未だに消えてはいなかった。

サクライP「そして、最後は貴女様に私の手にした世界を明け渡すためにここに居ります。」

サクライP「貴女様のためにある世界を他の悪魔どもに好き勝手にされたくはないのです。」

サクライP「それとも、マンモン様はこの世界が欲しくはないのですか?」

桃華「何をおっしゃるのかと思えば・・・・・・」

桃華「Pちゃま、」

桃華「そんなもの、欲しいに決まってますわ!」

桃華「でも、だからと言って焦ることもありませんのよ。」


桃華「御覧なさい、Pちゃま。今の世界を。」

桃華「『強欲』に塗れたこの世界を!」

人々は隣人を友人を守る力を求める。

 それ故に、人々は他人から奪う力を求める。

宇宙からの来訪者は個性を肯定する自由を知った。

 同時に、彼らは欲望のまま生きる愉悦を知った。

地底の民はその技術の研鑽に努めてきた。

 それは、長い復讐ための歴史であった。

異界の眷属は、その暴威たる力を司り人間を御してきた。

 しかし、御すべきはずの力に溺れる者は少なくなかった。

暗い闇の絶望に堕ちた者は救いを求める。

 そのために、誰かを傷つけ犠牲にする事を厭わない。


守るために奪いとり、

自由であるがためにその欲は絶えず、

野望を叶えるための力を欲っし、

力があればそれに溺れ、

救われたいから傷つける。


欲しい。

欲しい!

欲しい!!

欲しい物は奪いとれ!!


桃華「この混沌とした世界、まさに欲望の温床ですわ。」

桃華「世界は『強欲』の支配からは逃れられませんのよ!」

桃華「その証拠に『強欲』を司るわたくしがわざわざ動かなくても、」

桃華「『キングオブグリード』は生まれましたわ。」

桃華「アレはきっと世界を面白くしてくれますわよ。」


サクライP「・・・・・・つまり、貴女様が動かずとも『強欲』が途切れることはない。」

サクライP「ならば、」

サクライP「他の大罪に対抗することで、貴女様の敵に注目されるようなリスクを冒すよりは、」

サクライP「今は静観を決め込む方が良い、と?」

桃華「そうですわ。下手に首を突っ込めば、それこそ痛い目を見ますわよ。」

桃華「だからPちゃま、今は焦る必要はありませんの。」

桃華「ウフ、けれどPちゃま。わたくしの事を考えてくださる、その気持ちは嬉しいですわよ♪」

サクライP「・・・・・・勿体無きお言葉です。」


サクライP「それでは、当面は櫻井財閥としてもこれまでと方針を変える必要はありませんね。」

桃華「ええ、これまでと同様に。」

桃華「人類の守護者として君臨しながら、来訪者との密貿易を続けるといいですわ。」

桃華「そうやって「心」の畑に撒かれた「欲」の種は、」

桃華「いずれは『強欲』の花を咲かせるはずですわ♪」

サクライP「宇宙人も、地下帝国も、異界の存在も、そしてカースも、」

サクライP「狙っているのは我々人類の持つ資源。」

サクライP「娯楽、土地、技術、人の感情・・・・・・」

サクライP「さて、今は密貿易によって得ているそれらを、もっと欲しいと望んだ時どうなるか。」

桃華「もとより彼らの中でも侵略者と呼ばれる者達は、資源を奪う事しか頭にありませんわ。」

桃華「ウフ、それらはすぐに『強欲』の僕となりますわ。」


サクライP「ヒーロー達は必ず彼らと戦うでしょう。」

桃華「例え人を守るためだったとしても、戦う事を選んだ時点で『力』が必要になりますわ。」

桃華「そして・・・・・・争いが激化すればするほど、お互いに『より強い力』を欲するようになりますの!」

桃華「その時は、その子達もまた『強欲』の僕になるのですわ♪」


サクライP「争いが続けば、争っていた者達は互いに疲弊し・・・・・・ただ『強欲』だけが潤う。」

桃華「何時まで争いを続けさせられるかは、Pちゃまの手腕次第ですわ。期待していますわよ。」

サクライP「わかっております。その期待、必ずお答え致しましょう。」


桃華「わたくしが狙うのは漁夫の利、争いに疲弊した陣営を『強欲』が食らうのですわ♪」

桃華「そして最後にわたくしが全てを手に入れますの♪」


桃華「世界も、地の底も、宇宙も、異界も、天も、魔も、泥も、

   そして神さえも、全てがわたくしのものに・・・・・・。」


それが『強欲』である彼女の全にしてただ一つの目的であった。

桃華「ところでPちゃま、例の能力者はまだ見つかりませんの?」

サクライP「サーチ能力者を使い、住んでいる街までは特定できているのですが、」

サクライP「それ以上の情報はまだでございます。」

サクライP「恐らくは何者かの能力によって情報のプロテクトを掛けられているものと思われますが。」

桃華「そうですか・・・・・・見つかれば大幅な計画の短縮ができますのに。」

サクライP「組織の手を使い、しらみ潰しに探索を行っておりますが、」

サクライP「能力の性質上、見つかるのはいつになる事かわかりません。」

サクライP「とにかく時間はかかるでしょう。」

桃華「いつになる事か・・・・・・わかればよろしいのに・・・・・・ですわね。」

サクライP「心中お察しいたします。」

桃華「情報・・・・・・そう、情報ですわ。」

桃華「わたくしが今一番欲しているのは未来の情報。」

桃華「いえ、運命の情報と言った方がよろしいのかしら。」


桃華「『アカシックレコードの読み手』の能力者、もし手に入れたならば。」

サクライP「この世界だけではございません。」

サクライP「全宇宙の運命が貴女様の物でございます。」

桃華「ウフ、ウフフフフ!考えただけでゾクゾクしますわねっ♪」

サクライP「はい、全ては貴女様の為に。」

桃華「話が長くなりましたわね。」

サクライP「お時間を取らせて、申し訳ございません。」

桃華「あら、Pちゃまのせいではありませんのよ。」


桃華「それよりも・・・・・・今はするべき事をしましょうか。」

サクライP「と、言いますと?」

桃華「それはもちろん、」

桃華「八つ橋ですわ!」

桃華「すぐにお茶の用意をしますから、」

桃華「是非ご一緒いただけますか、お父様♪」

サクライP「・・・・・・ふっ。」

サクライP「ああ、もちろんだよ。桃華。」


かつて支配者になり損ねた父と、『強欲』に囚われた娘。

いずれ親子は動き始める。「全て」を手にするために。

櫻井桃華(マンモン)(人間年齢12歳)

職業:悪魔
属性:強欲
能力:不明

世界に君臨する『櫻井財閥』の当主のご令嬢。
その正体は、七つの大罪の一つ『強欲』を司る悪魔「マンモン」。
『強欲』であるマンモンは極めて融合に近い形で櫻井桃華と同化している。
彼女の身体、精神、人生を乗っ取るのではなく、そのまま「手に入れる」と言う形に拘った結果である。
そのため、「マンモン」ではなく、櫻井桃華と言う一人の人間としても人生を楽しんでいる。
『強欲』なので最終目標はもちろん「世界征服」ではなく「全宇宙支配」。
例の”あの日”すぐに人間界に下りてきて活動を始めたのは、そこに集まってくる全てを手に入れるため。
人の「欲望」をこの上なく好み、「諦めた者」「停滞している者」「傍観者」を激しく嫌う。
人々の「欲望」を煽り、世界の「欲望」をすべて力にできる能力を持つようだが、詳細は不明。
彼女の作り出す『強欲』のカースは、『強欲』故にどんどん巨大化し、
ある程度育てば勝手に分裂する。そしてゴキブリの様に『強欲』は広がっていく。
現在は桃華専用の屋敷に滞在。
サクライPを通して、能力者で構成された組織を手足の様に扱い、
世界支配の前準備として、世界を「欲望」に染め上げることに尽力している。
また『アカシックレコードの読み手』を探しているようだ。


サクライP

職業:櫻井財閥の当主
属性:強欲、金持ち
能力:不明

世界に君臨する『櫻井財閥』の当主で、桃華の父。
ちょっと気持ち悪いくらいに金持ちで、人間としては遥かに強い権力を持つ。
若くして「椅子に座りながら世界を動かせる男」と呼ばれ、
来訪者がやってくる例の”あの日”までは、最も世界の支配者に近い存在であったらしい。
今は鳴りを潜めたが、それでもなお「世界を自分のものにする」と言う野望を捨ててはいない。
その強欲さを娘と融合した悪魔マンモンに気に入られている。
彼自身もマンモンに服従の姿勢を見せ言いなりであるが、その腹の内はわからない。
悪魔に操られているのか、その野心故に悪魔を利用するつもりなのか。
単に娘prprなだけなのか。

投下終了、強欲ってきっとプラスもマイナスも手に入れたいだろうし
カースじゃなくて人間を使ってアプローチする悪魔も居ていいかなーって。

おっつし

アカシックレコードの読み手ならさっき女子中学生に魔術の本売ってましたよ桃華ちゃま

乙です
桃華ちゃま…恐ろしい子!ラスボスっぽいぞ!強欲怖い!
サクライPは戦闘能力どのくらいあるのかな?契約している可能性もあるよな…
文香ちゃん逃げてー

>>317
乙乙です
> 単に娘prprなだけなのか。
おいwwww

しかしあと暴食だけかぁ・・・揃うの早いなぁ・・・ww

あ、あと櫻井グループの能力者組織はアイドルヒーロー同盟とかとは違うって認識で大丈夫ですよね?

櫻井グループ傘下の傭兵部隊とか出せそうだなぁ
アンダーワールドのアウトレイジとかも絡めて行けそう

暴食は思いついてるけど出そうか迷ってる

既に大罪の奴だしてるし

あ、投下します

とあるカフェ。そこに歩く自然災害な三人はいた。

三人はこのカフェの名物「はぴはぴ☆パフェ」を食べながら、雑談している。

ほたる「と、巴ちゃん。大丈夫?」

巴「大丈夫じゃ…。ただ、親父のワガママにはうんざりじゃけえ……」

乃々「私なら写真を取られるなんて…むーりぃー………」

巴「……今回ばかしは乃々の意見に同意するのう….」

約一名。凄い疲れ切った顔をしているが…

ほたる「け、けど、私達の活動許してもらってよかったじゃないですか?監視の人達もいなくなったし…」

巴「確かに良かったんじゃが……お陰で頭がいたいのう」

そう。ここに来る前に三人は、村上組の屋敷に行き、ナチュルスターの事を巴の父親に話に行ったのだ。

結果は、許して貰ったのだが……

−−−−−−−−回想−−−−−−−−

バカ親父「なにぃ……巴がヒーローじゃと……最高じゃけんのう!!いいぞいいぞ許すのう!存分にやって来い!!」

ダメ親父「だから、巴!ワシにその姿の写真を取らせてくれェ!!お前ら今すぐカメラ持って来い!!ビデオも回せェ!!!ファンクラブの用意もするんじゃぁぁぁぁ!!!」

アホ親父「ついでに決め台詞も可愛く言って………ああぁあ!!巴!!何処へ行くんじゃぁぁ!!戻って来てくれェ!!一回だけ…一回だけでいいからぁぁぁ!!!頼むじゃけぇぇぇぇ!!!!」

−−−−−−−−終了−−−−−−−−

乃々「あ…あれは私じゃなくても、無理です……」

巴「うちの事にならなければ、威厳あるんじゃがのう…」

ほたる「け、けど、いいお父さんじゃないですか」

っと、案の定、組長が暴走を起こしてしまい、頭を抱えていたのだ。

まあ、なんだかんだ言いながら巴は言われた通りやったのだから、良い子である。

ただ、乃々とほたるの前でやったのだから恥ずかしいのなんの……






??「あら?村上さん?」

そこに一人の女性が声をかけて来た。

巴「あ、川島先生」

瑞樹「お友達とお出かけ?わかるわ。私も若い頃よくやってたもの」

川島瑞樹は微笑んだ。
村上巴が通う中学校で教師をやっている彼女は生徒たちから評判はよく言われている。

だから、誰も気づいてはいない。現在、彼女の精神は嫉妬を司る悪魔レヴィアタンに支配されているのを……

悪魔の気配を消し、本物の川島瑞樹の記憶を一方的に読み取り、周りに不信を抱かれないように溶け込んでいるのだ。

瑞樹「けど、学校がお休みだからといってこんな時間まで居ちゃダメよ?若いうちから遊びたいのはわかるけど最近物騒なのよ?わかるわね?」

巴「わかっとる。そろそろ行こうと思うてたしのう」

瑞樹「それならいいのよ?じゃあ、余り遅くなっちゃダメよ。それじゃあ、お友達もさようなら」ニコッ

ほたる「あ、はい。さようなら」ペコリ

乃々「は、はい…」ペコッ

そう言うと川島瑞樹は会計を済ませ、外に出て行った。

−−−−−−−−

瑞樹「うふふ。そう、あの男の部下が動き出したのね。わかるわ」

場所は変わり、川島瑞樹の部屋。
彼女は一匹の蛇に話しかけていた。

瑞樹「果たして、私を止められるかしら?」

蛇のような不気味な笑みを浮かべながら、彼女は嗤う。

「もっと妬ましく、憎いあいつらの希望。魔王の娘に、龍帝の娘。

貴様らの父親達に迫害されたモノは、魔族と龍族の希望を根絶やしにする為に、努力を、策略をおしまなかった。

そして、奪い取った嫉妬の証とレヴィアタンの名前。

私はもう少し待てば、やっと私は念願を果たせるわ。

奴らの希望を刈り取る事を…貴様らの死を……」









わ か る わ よ ね ?





身も毛もよだつ不気味な声で嗤う。笑う。ワラウ。

−−−まずは、あのカースを使おう。
−−−まずは、誰からちょっかいをかけよう。ゆっくり、じっくり、蛇が獲物を消化するように……

また、ゆっくりと這い寄って行く……


終わり

以上です。

レヴィアタンって悪魔でもあるし、海龍でもあるよね?→コレって魔族と龍族のはぐれもの?→恨んでじゃね?→どうしてこうなった……

蘭子ちゃん達と薫ちゃんの敵になれるよう、がんばるわ

そして、わかるわとは一体……

…つよいわ(確信)

わかるわの凡庸性と>>337に「わからないわ」と言いたくなる衝動に少し笑った
柚ちゃんは彼女達を狩れるのか…?だれか柚ちゃんと人狩り行こうぜ!

おっちし☆
中学教師になってるのか…これは蘭子やお嬢との激闘は必至ですわ

ユズちゃんお借りして、怠惰の悪魔と相見えさせます

日が暮れて間もない頃、「怠惰」を司る悪魔「ベルフェゴール」こと「三好紗南」は街へと繰り出していた。
しかしカースの発生や、カースドヒューマンを作り出す為にに街へ繰り出したわけでは無い。
彼女は街の大型ゲームショップにいた。

彼女の能力である情報獲得は彼女が一度「見た」対象の情報を全て取り込む、いわばダウンロード。
彼女が「見た」対象がゲームソフトであれば、そのゲームの内容を全て取り込むことができ、その内容をゲーム機に移し替えれば一々購入せずともゲームのプレイが可能。
そして攻略情報までも完全に獲得してしまう為、彼女がゲームで詰むことは無い。

やりがいこそ無いが彼女の暇を潰すには充分なものだった。

紗南「(ゲームの世界観やキャラを見てるだけでも面白いしね)」

紗南「(さてと、ちゃちゃっと新作を取り込ませてもらおうかな!)」

ベルフェゴールは店内に並べられたゲームソフトを一瞥し、それらの内容を脳に取り込み、それをゲーム機に移し替えていく。
彼女はこの世界がどうなるかにはまるで興味が無い。
ゲームをプレイして1日を潰す。
それが彼女の人間界での生き方だった。

紗南「(…よし、コンプリートっと!)」

紗南「(それじゃ、学校の屋上に戻ろっかな)」

目的を遂行し、お気に入りの場所へと帰還しようとした時、背後から魔の力を感じた。
その力はどうも自分に向けられているらしい。

「へへっ、やっと一人見つけたよ♪」

その力を持つ者は明るい少女の声で、そう言い放つ。

「今の魔力…悪魔のモノだね?」

紗南「…なんだか面倒なバグを見つけちゃったね」

ベルフェゴールは少女を一瞥し、その情報を取り込む。

紗南「ユズ…死神さんかぁ」

紗南「サタンさんの直属…あたしとは相性悪そうだね」

努力や鍛錬の素晴らしさを謳う、魔王サタン。
「怠惰」を司るベルフェゴールには、これ以上に無く煙たい存在だった。

ユズ「大人しく捕えられてくれれば、危害は加えないよ?」

紗南「そうなの?」

ベルフェゴールは、ユズの感情を読み取る。

紗南「———死神さんにとって、魂を狩るアクションは危害とは言わないのかな?」

ユズ「———さーてね」

対峙。

紗南「…はぁ〜」

どうも見逃してくれる気は無いらしい。
これじゃあ、ゲームをプレイする時間が減ってしまう。

紗南「フィールド、変えようか」

———とある中学校の屋上

夜も更け、月明かりが二人を映し出している。

紗南「随分と素直に付いてくるんだね」

ユズ「人間の多いところじゃ、混乱を招いちゃうでしょ?」

ユズ「アタシは人間に危害を加えるつもりは無いよ」

紗南「この身体は人間のモノだけど?」

ベルフェゴールは人間である「三好紗南」の肉体と精神を乗っ取り、この人間界に存在している。
下手に魔術を使えば、人間の肉体であるその身体はひとたまりもないだろう。
死神とはいえ、寿命を迎えるわけでも無い人間を自身の判断で殺めるのはルール違反だ。

ユズ「だったら貴女の魂を外に追い出せば良いだけだよ♪」

そう言うと、ユズは服に付けたバッジを手に取り鎌に変形させる。

紗南「…簡単に言ってくれるね」

ベルフェゴールは呆れたように息をつき、そして…

紗南「悪いけど、ゲームが出来なくなるからあたしの魂を狩らせるわけにはいかないね」

紗南「それに死神如きが魔術も使わず七つの大罪を司る悪魔を狩るなんて…」

紗南「———イージーモードじゃないんだよっ!」

「三好紗南」の身体に閉じ込めた魔力を一気に解放させた。

ユズ「魔力を使わないとは言ってないよ!」

ユズは服に付けたもう一つのバッジを手に取り、それを杖へと変形させて構える。

ユズ「貴女の魔力を遮断する分には、その子の身体には危害は加わらない!」

紗南「———!」

杖を振りかざしてしまえば、ベルフェゴールの魔力を遮断し吹き飛ばすことが出来る。
あとは人間の身体能力同然になったベルフェゴールを捕まえ、その魂だけを狩りとれば良い。

———しかし、それは浅はかな考えだった。

ユズ「…!?」

ユズは杖を振りかざし、そして降ろす。
しかし、ベルフェゴールが解放した魔力はおろか体内に残る魔力さえ、減る気配を感じない。

ユズ「ど、どうして…?」

紗南「簡単なことだよ」

ベルフェゴールがゲーム機を手にしながら、口を開く。

紗南「あたしの魔力が瞬時にフル回復してるだけ」

紗南「つまりあたしは常にゲージMAX状態」

紗南「魔力を練る時間が省けるのは「怠惰」の属性ゆえだね♪」

ユズ「なっ…!?」

「怠惰」を司るベルフェゴール。

その属性の性質ゆえか、自身の再生能力に非常に優れており、肉体に傷を負おうが魔力を放出しようが瞬時に元の状態へ回復することが出来る。

ユズ「(魔力が無くならない魔族なんて聞いたことないよ…)」

ユズはベルフェゴールが告げる事実に思わず声を失ってしまう。

ベルフェゴールはゲーム機の画面の見つめながら、その心の声に答える。

紗南「そりゃあそうだろうね」

紗南「そもそも、あたしは戦闘魔族じゃないし」

紗南「…そうだ!死神さんもさ、あたしの能力を与えてあげようか?」

ユズ「…なんだって?」

目の前の悪魔が思いがけない提案をする。
ベルフェゴールはさらに続ける。

紗南「そんな「何を言ってるんだコイツ」みたいな顔しないでよ」

紗南「あたしの悪魔としての本分は他の者を「堕落」させること」

紗南「何も不思議な提案じゃないよ?」

紗南「あなたもさ、一時期は怠惰な生活をしていたみたいじゃん?」

ベルフェゴールの言う通り。
ユズは一時期は自身の力に溺れ、気ままな生活をし、職務も怠慢気味だった。

紗南「全てを知ることが出来て、傷つくことも知らない」

紗南「まぁ、運命や未来のことまではわからないけどね。興味無いけど」

紗南「どう?便利な生活だよ?」

ユズ「……」

ベルフェゴールの、この提案は決して仲魔を増やしたいからというわけでは無い。
ただ一刻もこの面倒なエンカウントを終わらして、携帯ゲームをプレイしたいからだ。

紗南「サタンさんの命とはいえ、カースに大罪の悪魔狩り…」

紗南「はたまた、お姫様の監視までやってるんでしょ?」

ベルフェゴールがユズの情報を読み取り、それを読み上げる。

———「お姫様」

ユズが忠誠を誓う、敬愛すべきサタンの娘。
ブリュンヒルデのことだ。

紗南「そんないつエンディングを迎えるかわからない作業ゲーを続けるのも疲れるだけでしょ?」

紗南「だから、そんなクソゲーなんてリセットして、あたしと楽な人生ゲームを歩もうよ?」

紗南「———読み取った情報によれば、サタンさんも残り短い寿命なんでしょ?」

ユズ「……っ!!」

魔王サタン。
竜帝の呪いにより、その命は残り少ない。

紗南「そんな人のためにさ、頑張る必要なんて———」

ユズ「———ちょっと黙ってもらえるかな?」

ユズがベルフェゴールの言葉を遮る。
その瞳にはサタンに似た「憤怒」が宿されていた。

ユズ「確かにアタシにも、貴女の言う通り、怠惰な生活をしていた時期はあったよ」

ユズ「面倒なことはやりたくないし、努力と鍛錬なんてもってのほか」

ユズ「でもね、サタン様は教えてくれたんだ」

ユズ「そんなどうしょうもなかったアタシに努力と鍛錬の素晴らしさを」

紗南「……」

ユズ「「怠惰」は確かに快適な生活かもしれない」

ユズ「———だけど」

ユズ「「怠惰」の先には何も無いっ!」

ユズ「そこで終わりなんだ!」

今のユズにとって自身の成長や夢や目標を掴むことを否定することは、敬愛するサタンを冒涜すること。
ユズがベルフェゴールに「憤怒」の感情を表すには充分な理由だった。

ユズ「そして誰かの為に頑張ることを否定した貴女を…」

ユズ「アタシは許さないよっ!!!」

紗南「———「たたかう」コマンド一択ってわけかぁ」

ユズが鎌を手に取り、構える。
相手の魔力を消し去れないなら、それで良い。
その魔力相手に全身全霊で立ち向かうだけだ。

紗南「もう一度言っておくけど、あたしを狩るのはハードモードだよ?」

紗南「魔術攻撃にしても物理攻撃にしても…」

紗南「あたしはあなたがどんな攻撃を仕掛けようとしてるのか、その心を読み取ることが出来るんだから」

紗南「まぁ、人間の肉体を傷つけないつもりなら選択肢は一つしか残されていないみたいだけど」

ユズ「ご丁寧な忠告、どーも♪」

ユズ「けど、その能力はアタシの運命や未来の情報までは読み取れないんでしょ?」

ユズ「だったら、貴女の予測を上回る動きをすれば良いんだよねっ!!」

紗南「———!」

ユズが高速でベルフェゴールに向って突撃する。
確かにユズの言う通り、情報獲得能力には攻撃を仕掛けてくる対象の心理は読み取れても、最終的にそれに対応するのはベルフェゴール自身。
対象がベルフェゴールの身体能力を上回る動きさえすれば、例え予測されようと一撃を与えることは不可能ではない。

ユズ「はぁっ!!」

ユズがベルフェゴールの左胸に向かって鎌を振り下ろす。
「三好紗南」の肉体ごと傷つけるつもりは無い。
あくまでベルフェゴールの魂だけを狩り取るつもりだ。

そしてユズの振り下ろした鎌の速度は、ベルフェゴールの対応をわずかだけ上回っていた。

ユズ「(もらった!!)」


———ザシュッ!!

———刃が物体を切り付けた音が鳴り響く

ユズ「あ…ぐっ…!?」

からん。
ユズが手に持っていた鎌をコンクリートの地面に落とす。

紗南「……今のは焦ったかな」

額に冷や汗を浮かべながら「無傷」のベルフェゴールはそう呟く。

紗南「流石のあたしも魂のローディングは出来ないからね」

紗南「———さて、もうこの場所じゃおちおちとゲームも出来ないね」

紗南「また別の学校の屋上でも探しに行こうかな」

紗南「あっ、あたし、殺しは趣味じゃないからさ」

紗南「見逃してあげるから、もうあたしのこと探したりしないでよねっ。ゲームオーバー!」

紗南「それじゃ、ばいばいっ」

そう言い残し、ベルフェゴールは屋上を飛び下りて再び夜の街へと消えていった。

ユズ「…ぐ、うっ…がはっ…!!」

コンクリートの床が赤く濁る。
血を流し、血を吐いているのはアタシ。

目の前には、何も見えない。
それでもベルフェゴールに一撃を与えようとした、まさにその瞬間。

———傷を負っていたのアタシだった。

———アタシはあの一瞬で何をされたのか?

———今はわからないまま、その場に蹲ることしかできなかった

おわりです
ユズちゃんとサタンの設定見たときに怠惰の悪魔と因縁つけさせたいなと思って一度ユズちゃんには負けてもらいました、すいません…

俺はユズちゃんが今後活躍することを祈ってます

おつ

自分で書いた子は予約いらないよね?

キャー、大罪の悪魔強いよぉ!オートゲジマユで体力オート回復ってそれなんて神キャラ?(MUGEN脳)
ユズちゃんの本領は魔術だから仕方ないね

乙乙です
大罪悪魔組の大物感がヤバい・・・

あ、レナさんかけたので投下するよー!!
美優さんの設定お借りしますー

>>354
もうすでに設定があるキャラは他の人のでも予約なしでおkですよー

『ウフフフフフ・・・アッハハハハハハハ!!』

「・・・っ、ダメ・・・核まで、攻撃が届かない・・・!」

夕飯の買い物に出かけた帰り、たまたまカースと遭遇してしまったエンジェリックカインドこと三船美優は、『色欲』のカースを相手に苦戦していた。

いくら必殺の矢を放っても、無数の触手が絡み合い盾となって、核への攻撃を防いでしまうのだ。

ならば接近戦を、と距離を詰めようと動くカインド。

『アハッ・・・アハハハハハハッ!!』

「っ、やあっ・・・!?」

そこへカースが一斉に触手を伸ばし、カインドの腕を脚を、がんじがらめに縛りつけてしまった!

抵抗する腕を頭の上へ、足は軽く開いた状態で、体の自由を奪われてしまうカインド。じつにけしからんはなしである。

「っく、このっ・・・離しな、さいッ」

必死に身をよじって呪縛から逃れようとするも、もがけばもがくほど触手はギチギチと縛る力を強めるばかり。

それどころか、いつの間にか増えた触手がカインドのお腹や腿の周りを這いまわっている。まったくもってけしからんこうけいである。

「ゃ、いやっ、そんなところ、ぁっ!!?」

カインド、いろんな意味で絶対絶命のピンチ。その時である!!


「ハートアップ!リライザブル!」

掛け声とともに、カースの後方から眩い光が立ちのぼる。

「っ、今の、声は・・・!」

聞き覚えのある、しかし『今となっては聞くはずのない声』に目を見開くカインド。

すわ新手か、と振り返ったカースの目の前にいたのは、カインドと同じ系統のデザインの服装で、たおやかな髪をポニーテールに纏めた、

「魔法少女、エンジェリックグレイス!!・・・うふっ☆」

どことなくセクシーな決めポーズにさほど違和感のない、カインドと同じ年のころの『魔法少女』の姿だった。

「グレイス!あなた、どうして・・・?」

「細かい話は後にしましょ。今のあなた、ちょっと子供に見せられない感じ、よっ!」

不意を突いて伸ばされたカースの触手をかわし、一足飛びにカースへ詰め寄るグレイス。

「グレイスフル、ソードッ!!」

かざした右手から光とともに生み出した剣が、カインドを拘束する触手を断ち切る!

力を失った触手を振りほどき、グレイスとともに再び距離をとるカインド。

その間にも、カースは失った触手を再び生やし、その数はグレイスにやられる前よりも更に増えていた。

「うーわー、あこまで増えるともう言葉も出てこないわね・・・カインド、久々に『アレ』、やるわよ」

「えぇ、一気にやっつけちゃいましょう、グレイス!」

二人の魔法少女は手をつなぐと、その手を天にかざし、聖なる呪文を高らかに唱える。


「「聖なる絆よ、悪を清める力となれ!エンジェル・ハウリング!!」」


かざした手からひときわ眩しい閃光がまたたくと、カインドの手に大きな光の弓が現れる。

弦に手を添え引き絞ると、まばゆい光を放つ矢が生まれ、周囲からさらに光が収束してゆく。


「ハウリング・・・・・・アローッ!!」


目も開けていられないほどの光と共に、放たれた矢はカースへと一直線に突き進む!!

『アハハハッ・・・!?ハハッ、アッ、アアアアアアアアァァァァァ・・・!!!』

再び触手の盾で防御の構えを取るカースだが、迸る光の奔流はその盾ごとカースの身体を浄化してゆく!

みるみるうちに泥のような身体が溶けて消えてゆき、最後に残った核も、一拍遅れてひび割れると、粉々に砕け散った。

「ん、一件落着っと。お疲れさま、美優」

ぽん、とカインド——美優の肩を叩いて、グレイスは変身を解く。

「・・・確か、もうすでに力を失ったはずじゃ・・・」

「そのことも含めて、あなたや背広マスクさんなら何か知ってるんじゃないかと思って来たんだけど・・・その様子じゃ、何も知らないみたいね」

「・・・店長、いまは『シビルマスク』、って名乗ってます」

「ん、そうだっけ?どうしても昔のクセが抜け無くって困るわ・・・ま、積もる話もあるし、とりあえず店長さんにも会いに行きましょ?」

そう行って彼女はすたすたと歩き出してしまう。

「あ、待って下さい、お夕飯の買い物置きっぱなしで・・・もう、待って下さいってば、レナっ!!」

彼女の名前は兵藤レナ。またの名を、かつて美優と共に悪と戦った魔法少女たちの一人、『エンジェリックグレイス』と言った。

兵藤レナ/エンジェリックグレイス(27)

職業:ディーラー、兼『魔法少女』
属性:魔法少女(27)
能力:魔法少女への変身および魔法の行使

かつて三船美優/エンジェリックカインドと共に戦った魔法少女たちの一人。
大学に入るころに一度力は完全に消えていたが、最近になって何故か復活した。
当時からいわゆる『セクシー担当』だったこと、元々舞台度胸のある方だったこと、たまにカジノのショー舞台に立っていたこともあり、
オートアクションの名乗りもそこまで『無理してる感』はなく、当人も恥ずかしがっていない。

以上、まとめ作業しているうちにむくむく膨れ上がったネタでしたとさ

気がついたら美優さんに触手プレイかましてたが私は謝らない・・・!

乙ですー
色欲さんが本気出した
このスレイラスト化シナイカナー(チラッチラッ)

乙ー

怠惰つえー……

そして、アラサー魔法少女…

まだ謎だらけの志乃さんも魔法少女の可能性も……

おつおつ
色欲との戦いは捗るな…

おっつおっつ

ヤバいなんだこの良展開ラッシュは
流れに乗らざるを得ない

日常を書くと何故かカオスになる…

とりあえず暴食は一人だけ該当する奴いるな……

>>371
俺も大罪悪魔を二体書いてるからYOU書いちゃいなよ

皆さんおつー

今から投下します

>>372
うむむ……とりあえず他に誰か暴食書きたい人いるなら、その人に譲りますが

一応、海老原さんで予約します

幸子「いやぁ、それにつけてもボクはカワイイですよねぇ……」

——大手を振って、太陽の下をカースドヒューマンが歩いていた。

——うぞうぞと不定形の眷属を引き連れて、堂々と人だかりをかき分けていく。

——周りの目も何のその。

——好奇の視線も彼女にとっては羨望の眼差しであり、

——優越を感じこそすれ、そこに羞恥を覚えることなど無く。

——どころか物足りないとすら思っている、図太い神経の持ち主。

——輿水幸子。

——彼女はその身に異形を宿した少女である。

幸子「ボクのカワイさを知らない人が一人でもいるということは世界にとっての損失です!」

幸子「ということで、ボクのカワイさをもっと知ってもらいましょう!」

幸子「ああ、ボクってカワイイだけじゃなくて、何て寛大なんでしょう……」

幸子「なんてったって、その為にわざわざ人通りの多いところを選んで通ってあげてるんですから」

幸子「皆さん、感謝なんてしなくても構いませんよ?」

幸子「ボクがカワイイのは当たり前なので!!」

——『傲慢』

——それが彼女の背負った業である。

幸子「つ、い、で、に! 皆さんの『傲慢』をいただいて、ボクのカースを増やしてしまう」

幸子「一石二鳥の無駄のない計画です!」

幸子「ボクって頭も良いんですねぇ」

——彼女は今、自分の『可愛さ』をひけらかすため『だけ』に、外を出歩いている。

——それは結果として自身の眷属を増やすことにも繋がっているのだが、

——それは飽くまで『おまけ』でしかない。

—————カースは、人の負の感情から生まれ、同時にそれを糧とする。

——しかし、人一人の不平不満など、小さなもので、

——どころか常にそういった感情を抱いている者などほぼいない。

——が、それらが集まれば話は別で、

——その特性から、彼らは人の多い場所に現れる確率が高い。

——更には、その人数が多ければ多いほど、より強大になるのだ。

——つまり……。

幸子「さて、随分増えて来ましたね」

——幸子の周りを、常に一定の形を保つこと無く、ぐねぐねと追随する存在……、

——『傲慢』のカース。

——主に従い行軍しながら、その場に漂う『傲慢』を食らうと、次々に数を増やし、

——増えた仲間が、またこの奇妙な一員の中に加わり、どんどん大所帯になっていく。

——それらは、背の低い幸子の、その腰にも及ばないほど小さく、かわりに数が多い。

——どうやら別段辺りに危害を加えるでもなく、ただ幸子の通る方に付いて来て、

——黙っているのかと思いきや、よく聞くと口々に彼女の『可愛さ』を褒め称えているようだ。

—————異常な光景だ。

——人の往来の多い中、

——見た目にはただの少女である幸子を先頭にカースの行列ができていて、

——そしてその行列は、最後尾からぽこぽこと、数が増えていき、

——だんだんと長くなってきているのだ。

——なにより不可思議なのが、

——大量にいるカースが、ただ一体として暴れていない、ということに尽きた。

——幸子は、『傲慢』のカースであれば、従わせることができる。

——即ち、彼女が命令しないかぎりはカースが周りを襲うことが無い。

——幸子にとって、カースを暴れさせること、というのは、

——あまり関心のない行為だった。

—————カースだ。

——当然周りも気付く。

——気付いて、しかし、見過ごす。

——カースといえば、多くの者にとって恐怖の対象だ。

——見た瞬間はぎょっとする。

——しかし、暴れていない。

——ざわめいているが、騒ぎも起こっていない。

——どうやら襲っては来ないらしい。

——物珍しいが、なら、自分には関係ない。

——人々は異常に慣れてきていた。

——そんなこともあるんだろう、

——なら、この光景も取り立てて慌てるようなものではない。

——皆が皆、そう思うことによって働く集団真理が、

——幸いにもこの場の混乱を抑えていた。

幸子「それではそろそろ帰りましょうか」

——もう、日が暮れる頃、

——『可愛さ』の喧伝と、眷属の増殖がひと通り済んだ所で、

——幸子は、共同関係にある二人、

——『怠惰』の杏と『憤怒』の泰葉、

——彼女たちと共に住んでいる隠れ家へ引き上げることにした。

——幸子と『傲慢』のカース御一行様、

——この賑やかな集団は、結局最後まで一般人を襲うこと無く、

——行儀よく帰路につく。

ヒカル「待てェーーいっ!!」

——……途中で、とうとうヒーローに見つかってしまった。

ヒカル「そこのぞろぞろとカースを引き連れた少女!!」

ヒカル「オマエは何者だ!?」

——現れたのはブライト・ヒカル。

——南条光が能力によって変身した姿だ。

幸子「おや、ヒーローさんですか」

幸子「フフン、聞かれたからには答えなければなりませんね」

幸子「カワイイカワイイこのボクは、輿水幸子!」

幸子「どうです? 名前までカワイイでしょう? パパとママがくれた名前です!」

ヒカル「むっ……」

——ヒカルは少々面食らってしまった。

——てっきり悪逆非道な相手だと思っていたが、両親への感謝とも取れることを口にしたのだ。

ヒカル(やりづらい相手かもしれないな……)

——とはいえカースを放っておくわけにもいかない。

——見たところ暴れてはいないようだが、それでもカースはカースだ。

ヒカル「アタシはブライト・ヒカル! 正義の味方だ!」

ヒカル「悪いがカースは平和を脅かす存在だ! 倒させてもらうぞ!!」

——言いながら、ポーズを構える。

——ブライト・ヒカルの戦闘態勢だ。

幸子「正義の味方……、なるほど……」

幸子「ふふっ、あなたみたいなタイプのヒーローさん、嫌いじゃないですよ?」

——対する幸子はそう言うと、

——周りのカースに命令を出し、自身を担ぎ上げさせた。

——少し妙なその格好が……、だが彼女の戦闘態勢らしい。

ヒカル「行くぞっ!!」

——掛け声と同時にヒカルが拳を突き上げる。

—————瞬間、

—————カッ、と辺りに光が満ちた。

——彼女の力は大雑把だが、それ故に強い。

——拳を握り、突き上げる、

——以上のプロセスで攻撃が完了するのだ。

——そして大抵はこの初撃で片がつく。

——が、しかし。

幸子「うわわっ!」

——ヒカルの拳から発せられた光の届かぬ範囲まで、

——『傲慢』のカース集団は、幸子の身体をバケツリレーよろしく、一瞬で運んだ。

ヒカル「なっ……!」

——これこそが幸子の強さ。

——小型カースの精密操作。

——そこら中に散らばったカースが、全て幸子の足場になり、

——敵の攻撃から、安全な場所まで高速で避難させてくれるのだ。

——無論、攻撃に転じれば『多勢に無勢』を体現するほどの猛攻を見舞うこともできる。

幸子「ああっ、せっかく集めたボクのカースが!」

——……『多勢』の殆どが消し飛んでしまった今は、それも難しいが。

ヒカル(だが、だいぶ片付けた!)

——ヒカルの攻撃によって、カースの大部分は消滅してしまった。

——幸子は無事だが、そもそも最初から傷つけるつもりなど無かった

—————というか、あの光は人には無害である。カースドヒューマンにはわからないが——

——ので、問題は無い。

——この勝負、最早決した。

幸子「今———」

幸子「『勝った』と」

幸子「そう思いましたね?」

幸子「まだ、カースは残ってるし、ボクもいるのに」

幸子「『今日も平和は守られた』と……」

幸子「そんなことを考えていましたね?」

幸子「あまつさえ」

幸子「『降参すれば見逃してやる』とか」

幸子「甘いことを言うつもりだったんでしょう?」

幸子「ふふっ」

幸子「なんて……

   『傲慢』

   なんでしょう」

——ぼこぼこっ、と、

——『傲慢』のカースがそこかしこから沸いて出た。

——先ほどの光景を逆再生するかのような物凄いスピードだ。

——完全に不意を付かれたヒカルに対して、いくつかのカースが物凄い勢いで飛び込んでいき、

——対処の遅れた彼女に体当たりを見舞わせ、吹き飛ばした。

ヒカル「ぐぅ……っ!!」

ヒカル(何、が……)

——一体何が起きたのか。

幸子「って聞きたそうな顔ですね」

幸子「いいでしょう!」

幸子「ボクはカワイイだけじゃなく、とても優しいので教えてあげます!」

——幸子が得意げな顔をして、胸に手を当てる。

——こんなことをしている間にもカースは増えているのだが、

——今の攻撃でヒカルはしばらく動けない。

幸子「いいですか? この子たちは今……」

幸子「あなたの『傲慢』から生まれたんですよ」

ヒカル「な、にを言って……」

幸子「ふふふっ、だからボクはあなたみたいな人が好きなんです」

幸子「正義の味方、と名乗った時にピーンと来ました」

幸子「あなた『自分の力で人々を守る』とか思ってる人でしょう?」

——ヒカルは……、南条光は正義の味方に憧れていた。

——ずっと、皆を守るヒーローになりたかった。

——ある日それが叶った。

——嬉しかった。

——人の笑顔を、

——地球の平和を、

——自分の力で守ることができるんだ、と、

——そんな純粋な気持ちでずっと戦ってきた。

—————果たしてそこに驕りはなかったか?

——悪人が悪事を働けば、それをやっつける。

——一般人にピンチが迫れば、それを助ける。

——『アタシにはそれができる』

——それは『傲慢』では無いのか?

ヒカル「違うっ!」

幸子「それはどうでしょう?」

幸子「ボクは『傲慢』のカースドヒューマン」

幸子「当然『傲慢』という感情には敏感ですよ」

幸子「そんなボクがあなたから『傲慢』を感じているんですから」

ヒカル「———っ!」

幸子「と、いっても実はわずかではあるんですけどね」

——わずか、とはいえ、自分はこの力に自惚れていたのだろうか。

——そんな思いがヒカルを苛む。

——わからない。

——そんなこと、考えたことも無かった。

——心の隅に、気づかないほど小さな、そんな驕りが……。

——……。

——しかし、自分でも気づかないほど小さな感情が、

——こんなにもカースを生み出すものか?

幸子「周りの人の感情からカースが生まれるのだとすれば」

幸子「カースが周りの人の感情に影響を与えることも可能です」

幸子「ボクたちカースドヒューマンは、ちょっとばかりそれを増幅させることもできるんですよ」

幸子「まぁ、それ以上に……、ふふっ」

幸子「『自分には世界の平和を守るだけの力がある』……っ」

幸子「あははっ! 『傲慢』のスケールが大きすぎますよ!」

ヒカル「この力は! 皆の為に———」

幸子「あははははっ! わからないんですか!? それが『傲慢』だっていうんですよ!」

幸子「あははははっ! これだからあなたみたいな人は!」

——心底おかしくて堪らない、というふうに幸子が笑う。

ヒカル「そう、なのか……? アタシのこの力は……」

——本当は、ヒカルに限らずヒーローの大多数は同じ『傲慢』を抱いている。

——彼ら、彼女らは、人々を守るため、世界を守るために戦っている。

——それができるだけの力を、自分は持っているから。

—————しかしその思いは『傲慢』だ。


「でも、あなたのやったことは間違ってない」


——凍えた体に、ふわり、と柔らかい毛布を掛けられたような、暖かい感覚。

——突然現れた少女の声が、ヒカルの心に俄にそんな温もりを与えてくれた。

><><><><><

——少し前、幸子とヒカルの戦いを離れた場所で見守っている少女がいた。

聖「このままだと……ヒカルが……、光が……潰えてしまう……」

——望月聖。

——南条光に特別な力を与えた少女。

——彼女は、光に何がしかの将来性を見出しているらしい。

——だからこそ、光には様々な困難に打ち勝ってほしいし、

——なるべくなら手出しをしたくない。

——何より、彼女に自分の力を知られるのが、何となく憚られた。

——しかし今、光はかつて無い窮地に立たされている。

——聖にとって、幸子を倒すのは容易だ。

——だが、光が心に負った精神的なダメージを癒す方法を聖は知らない。

聖「どう……すれば……」

——その時、声が聞こえた。

雪美『…………聖……』

聖『雪美……?』

——佐城雪美。

——いつも側にいる彼女が、そういえば先程から見当たらない、

——雪美から届いた言葉が念話だったことで、聖は初めてそのことに気がついた。

聖『どうしたの……? どこに…いるの……?』

雪美『…………この子……なら………、きっと…………』

聖『……この子…?』

——雪美がだんだんとこちらに近づいてくるのを感じる。

——その側に、一緒に誰かがいるらしい。

——それは遠くからでもわかる程に、

——とても暖かい存在だった。

雪美「……聖…………」

——間もなく、雪美が一人の少女を連れて現れた。

藍子「あっ、あの、一体……?」

——それは、

——たまたま近くを散歩していた高森藍子だった。

聖「…その子は……?」

雪美「………わからない……でも……………」

聖「……うん…感じる……」

——ヒカリ。

——一際強く輝き、皆を導く明るさ。

——それが聖が光に見出したヒカリ。

——対して、

——木漏れ日のような、包み込んでくれる暖かさ。

——そんなヒカリを藍子に垣間見た。

——そして幻想した。

——柔らかく注ぐ日の光と、

——火照った体を冷ます涼しい影。

——それら二つが合わさって、

——丁度いい温度に中和され、

——しかし交じることなくマーブル模様を作り、

——風が吹けば、またさわさわと表情を変え、

——陽の当たらぬ箇所はなく、

——影のできぬ箇所もない。

——まどろんでしまうほど、落ち着く場所を。

聖「お願いが…あるの………」

——彼女ならきっと光を……。

><><><><><

——彼女を助けてあげて、と言われた。

——真剣な眼差しだった。

——自分にはそんな大それたことはできない。

——そんな思いがどこかへ吹き飛んでしまった。

——『必ず守るから』

——その言葉には心強い響きがあった。

——何の力も持たない自分でも、恐れを抱くことなく争いの場に赴けた。

——しかし、既に荒事は収まっているようだった。

——代わりに目の前で少女と少女が言い争っていた。

——『言い争う』というにはやや一方的だったが。

——何でも、『人が人を想う事が傲慢だ』と、極論すればそのような事を言っているらしかった。

藍子「でも、あなたのやったことは間違ってない」

——ヒカルが顔をあげる。

——誰だろうか、と訝しむ前にふわりと心が弾んだ。

——別に誰でもいいか、

——彼女になら、昔からの友人のように何でも話せそうな気がした。

藍子「だってあなたのおかげで守られた人がいるんでしょ?」

藍子「それは誰にだってできることじゃ無い、立派なことだと思うな」

ヒカル「でも……、それが……」

——そう思うことが『傲慢』だと。

藍子「それは『驕り』じゃなくて、『誇り』じゃないかなっ!」

——この時、

——藍子は、ちょっと上手いことを言った、と思った

——すぐに、そうではなく恥ずかしい事を言った、と自分の思考を訂正して顔を赤らめた。

ヒカル「『誇り』……」

——出来ればスルーして欲しいと思った単語が継がれてしまった。

——どうも光の中でしっくりきてしまったらしい。

藍子「う、うん。『誇り』ならいくら掲げてもいいでしょ?」

藍子「カースには、逆効果だったかもしれないけど」

——こうなれば藍子もヤケだ。

——ダジャレのつもりで言ったことが、少女一人の心を救えるなら安いものだ。

ヒカル「『誇り』か……、そうか……!」

——あの時、人々を守った事。

——あの時、笑顔を守った事。

——あの時、平和を守った事。

——それら一つ一つが、光の『誇り』だ。

——今でも全て覚えている。

——そして光に力を与えてくれる。

——南条光。

——聖が見出したヒカリは、まだ弱々しく小さいが、

——今、少し輝きを増したようだった。

幸子「くっ———!」

——先程から黙っている幸子だが、

——『何なんですかあなたは!? いきなり現れてキレイ事ばかり並べて!!』

——と、本来ならもっと早い段階で、そう割って入っていたはずだった。

——しかし、藍子の姿をひと目見た瞬間、言葉が詰まり、

——藍子の声をひと声聞くと、さっきまでの昂揚がすぅっと収まってしまった。

——このままではいけない。

——感情の波が凪いでいくのがわかる。

——心の底に「まぁいいか」という気持ちが芽生えてきている。

——二人の会話を黙って眺めていたのも、そのせいだ。

——いや、そんなことなら、まだいい。

——幸子の根底にある『傲慢』という激情。

——それを、藍子という存在が揺らがせる。


別に、一番カワイく無くても———。



幸子「あぁ———っ!!!!」

——幸子自身、気づかぬ間に攻撃の命令を下していた。

——全力全身を持って、

——『殺せ』

——と。

——呼応するように、カースの大群が突如波となって二人を襲う。

——光が対応できる速度では無かった。

——遠くから見ていた聖の反応も一瞬遅れた。

——藍子にできることは呆然と眺めていることだけだ。

——二人の頭上を逃れ得ぬ死が覆い。

——そして、

——飲み込んだ。

藍子「あ、あれ……?」

ヒカル「平気だ……」

——誰もが二人の死を確信した。

——だが、確信は覆された。

幸子「な……、んで……?」

聖「まさか……」

——その場にいた全ての者が驚愕した。

——カースの塊が、

——まるで油の浮いた水に洗剤を一滴垂らしたかのように、

——『藍子を中心に避けて落ちた』。

ヒカル「アンタ能力者だったのか!」

藍子「え……、私?」

ヒカル「違うのか?」

——藍子は、思ってもみなかった結果に驚きながら周りを見渡した。

——すると、藍子の視線上に入ったカースが尽くビクッと萎縮し、

——ずぞぞ……、と、彼女から距離を取る。

藍子「まさか、そんなはず……」

——口を開けば、今度は声の届く範囲の全てがしぼみ、

——特に彼女に近い者ほど顕著で、

——中には核が露出し、浄化されてしまう個体もあった。

藍子「……」

——藍子は黙って、すっと立ちあがった。

——カース達が一様にビクリと震える。

——彼女がゆっくりと一歩を踏み出すと、

——その瞬間、全部が一目散に幸子の元へ逃げ帰ってしまった。

藍子「これが……?」

——藍子の能力は、周りの者を癒し、優しい気持ちにするというものだ。

——呪いや怨嗟、激情や欲望。

——負の感情から生まれたカースにとって、

——真逆の感情を振りまく藍子は、

——天敵以外の何者でもない。

幸子「な、何をやってるんですか! 行きなさい!」

——これは何かの間違いだ。

——動転しながらも、幸子は再び攻撃をけしかける。

——数体のカースが弾丸のような速度で撃ちだされ、

—————やはり直前で藍子を避けて、左右の地面に着弾した。

——じゅわぁー、という音を立て、

——撃ちだされたカースが浄化されていく。

藍子「そっか……」

藍子「ねぇ、私にも誰かを守れるみたい」

ヒカル「あぁ……、凄いな……」

——ヒカルの称賛は、藍子の能力に対してではなく、

——藍子本人の落ち着きはらった態度へと贈られたものだ。

——目の前の少女は今、普通から、普通では無くなった。

——とはいえ以前から備わっていた力なので、ただの認識の問題だが……。

——そんな状況で、優しく微笑みながら『これで誰かを守れる』、と言うのだ。

——その姿に、ヒカルは素直に尊敬を抱いた。

幸子「変ですねぇ!! 今日は何だか調子が悪いみたいです!!」

幸子「今回は勝ちを譲って上げます!! カワイイボクが万が一怪我でもしたら大変なので!!」

幸子「それではっ!!」

——これ以上はまずい、と感じた幸子は、脱兎の如く藍子から逃げ去った。

——カースが、カースの攻撃が、全く効かなかった。

——近づいただけで、触れることもなく、無条件で浄化されてしまった。

——カースにとって藍子が天敵なら、

——カースドヒューマンにとっても同じだ。

——関わってはいけなかった。

——もっと早くに逃げていれば良かった。

——既に幸子の心の奥には、じわりとした柔らかい感情が根付き、

——藍子のことを思い出す度に、優しく疼く。

幸子「ボクは……、カワイイ……、ボクが……、一番……」

カース『サチコハカワイイ! サチコガイチバン!』

——人の欲望は、強い。

——だからこそ『七つの大罪』とわざわざ喚起し、律されている。

——この程度の安らぎに『傲慢』が折れることはない。

——しかし、以前ほどの絶対的な自信を持つことは、

——幸子にはもうできなくなってしまったようだ。

以上です
若干いくつかの設定を把握しきれていない部分があるので
どこかしらに齟齬が生じてないか不安

乙ー

あれ?藍子一人でカース倒せるんじゃね?(震え声

二大浄化能力者…きらり&藍子…最強だな

>>402
おぐやまさんを忘れないでください

おっちし
幸子が予想以上にボスキャラやっててビックリ

齟齬が生じない為に後々>>255で光と聖が学校休んだホントの理由って感じで書かせてもらいます

申し訳ない…
威力・藍子
範囲・奥山
きらりん☆・きらり
だな

そういえば、こういう浄化系の能力ってカースやカースドヒューマンには有効だけど、大罪の悪魔連中だと互角レベルなのか悪魔の方が上なのか、それとも悪魔より強いのかな?

きらりは取りあえず生きていて正も負も感情を持っていれば浄化はできなくもないけどなぁ…出力が足りないかもしれん

投下します

ネバーディスペアの一員である神谷奈緒。今日彼女は特にやることもなく、街をぶらついていた。

大きなヘッドホンで虎の耳を隠し、左腕は肘から先をギプスで覆うことで虎の手を隠し、蛇の尻尾は…諦めた。

獣人という存在がいるこの世界ではある程度は受け入れられるだろうが、奈緒は完全に受け入れられる事は無理だと悟っていた。

散歩中の犬とすれ違えばどんなに大人しい犬でも奈緒に吠えるし、ペットショップの前なんて通ればたちまち動物たちはパニックを起こす。

神谷奈緒という存在は、様々な生命体の集合体の一部に過ぎない。

正気を保っていなければそれらの一部に成り果ててしまう。ウサミン星人の作りだした究極生命体という怪物に。

本来ならば彼女は人類…否、全ての生物だけでなく、星すら食らう怪物に成り果てていたと、計画書を読んで知った時は震えが止まらなかった。

そして動物たちは敏感に奈緒の中のその大きな生命体を感じ取ってしまうのだ。

彼女の奥底の恐怖の塊。それを知って受け入れる者はどれほどいるだろうか?

だから彼女は真実を知っても受け入れてくれる仲間を大切にする。彼女達の盾となり、剣となる。自分はどうせ死なない…死ねないのだから。

…ハッとして頭の中の負の感情を慌てて消す。体内の核が反応しないとも限らないのだから。

アニメのDVDレンタルでもしようか。まだあのシリーズは見終えていないから丁度いいだろう。

いつものレンタルショップへと足を向ける。しかし、彼女の優秀な目はカースの出現を見逃さなかった。

しかも逃げ惑う人々の悲鳴に反して、そのカースは全く人を襲う気配がない。

…そして触手のようなその姿。

(アレか。奇妙な色欲のカース。)

ギプスを外し、連絡を取る。

「夏樹!例の色欲のカースだ!現在地は…」

現在地を細かく伝える。目の届かない位置への穴の作成には必要なものだ。

「了解!いまからだりーを連れていく!」

「…きらりは?連絡にも応答がないんだ。」

「あ…きらりは今、携帯家に忘れたまま出かけているんだ…。」

「ハァ!?」

仮にもリーダーがそれでいいのか…

「…まぁ、色欲相手だし…今回は許しておいてやろうな?」

「…。」

通話を切った数秒後に穴から夏樹と李衣菜が飛び出してくる。

一般人の避難を補助した後、付近の建物の上で待機していた。

「…本当に人を襲わないカースだね…。なんでだろ?」

「さあな。奈緒、時間は?」

「カウントダウン!5,4,3,2,1,0!5分経過!」

「っし!いくぞ!」

夏樹が穴を生み出し、奈緒と李衣菜が飛び込む。夏樹はもう一つの穴を生み出すとそちらに飛び込んだ。

二人はカースのすぐそば。夏樹はそこから少し距離を取った位置。

戦闘開始だ。

夏樹のレーザーが触手を焼き、李衣菜が触手を千切っては投げ千切っては投げ、奈緒が切り裂いてゆく。

流石に攻撃を食らったからか、カースも行動を攻撃に変えてきた。

…色欲のカースは付近にいるのにもかかわらず、李衣菜と奈緒の二人には見向きもしない。

なぜか、遠くにいる夏樹を狙っていた。

その理由は簡単。二人には『犯す部分が残っていない』からだ。

蘇生の際に不要と判断された部分全てに機械を埋め込まれた李衣菜と、本人に自覚はないが体内の仕組みさえ泥のようになっている奈緒。犯すことができるだろうか?

色欲はその欲を満たすために、辛うじて犯せる部分が残っている夏樹を狙うのだ。

もちろん、遠くにいる夏樹だけを狙うことは愚かな行為で、近づくことさえ許されずに男性のそれに似た触手が次々に破壊され減ってゆく。

ネバーディスペアの戦い方は、LPによって鍛え上げられたもっとも本人の力を生かす戦法。容赦もなければ映像のえげつなさに気を使うこともない。

よって、もっとも狩りやすいカースは、遠距離担当に向かって必死に届かない触手を伸ばし続ける色欲なのである。

触手を再生してもそれより早く破壊され、丸裸になった桃色の核が李衣菜に握りつぶされたことで数分も経たずに戦闘は終わりを告げた。

その頃、とある公園で千枝は正気に戻っていた。

「あ…また…千枝は…」

意識が虚ろになり、漠然と残る罪悪感。

「…お兄さん、千枝はいけない子ですか…?悪い子ですか…?」

泣きそうになる。悪いことをした気がするのだ。でも何も覚えていない。

テレビで犯罪者が似たようなことを言っていた気がした。千枝も悪い子なのかもしれない。

「…どうしたのー?」

そこに、不意に背の大きなお姉さんが話しかけてきた。

「悲しいの?きらりがお悩みきいてあげるよー?」

知らない人のはずなのに、不思議と警戒心が生まれない。この人は…何なのだろう。

「…聞いてくれますか…?」

千枝は話した。自分の悩みを。自分の中の謎の罪悪感を。

訳が分からないかもしれない。興味ないかもしれない。けれど話せば少し楽になっていた。

話が終わると、そのお姉さんは千枝を優しく抱きしめた。

「…きらり、難しい事よく分かんない。でもね、ちえちゃんが悲しいのは分かるよ?」

「ずっと悲しかったよね。でもね、世界はこんなに綺麗!悲しいことがあっても、世界はずっとキレイキレイ。見えなくても星は絶対に光ってるんだにぃ。」

そう言う彼女の瞳には星が煌めいているように見えた。

「ちえちゃんはきっと、『誰かの力』なんて使わなくてもそのお悩み、解決できるよ。」

「きらりが信じてる。ね?はぴはぴでしょ?」

きらりの両手から光が放たれる。

その光は千枝の体の中にあった『悪い何か』を洗い流し、これから生きる事だって勇気づけてくれるようだった。

「…はい!」

「うん!はぴはぴだ!きらりすっごく嬉しい!」

きらりが笑い、千枝も笑う。その光景はとても希望に満ちていた。

…そして遠くからその光景をアスモデウスが面白そうに眺めていた事を、誰も知らない。

以上です。思ったより色欲戦が書けなかったのは設定が原因…のはず
千枝ちゃん浄化しました。
また、ネバーディスペアのメンバーはきらり以外、身体にコンプレックスを抱いています。(なつきちは緩和されたけど)

乙ー

きらりん!マジきらりん!!



きらりはよく働くなあ!


考えなしに三人も暴食使ったら大悪魔出てきて焦った
考え付いた人が居たみたいで僥倖

ところで、7大罪と別枠で原罪のカース(激レア)とかどうだろう
対科学耐性で頭脳担当ばかり狙ういやな奴

きらりんパワーで忘れそうになったけど奈緒ちゃんの設定が恐ろしいな…
ラスボスが発狂した究極生命体奈緒ちゃんという展開…はアリですか?(ゲス顔)

>>420
原罪って確か千枝の林檎を食べたのだっけ?


>>421
ナニソレコワイ(震え声

間違えた!

千枝の林檎じゃなく知恵の林檎です!!

>>422
千枝のおやつ食べちゃったのか、そりゃ重い罪だな…
とふざけんのも大概にして
そうだよ、んで神が
「林檎、食べちゃったんですか!?」
って切れてアダムとイブ追放

>>424
なるなる。どんなのがでるか想像できない……wktk

>>425
このとき二人をそそのかした悪魔は蛇の姿だった……あれ、kwwsmさん罪兼任でラスボスとかありえる?

>>426
ナニソレコワイ

わかるわとは一体……

わ か ら な い わ

現時点のラスボス候補
桃華ちゃま(強欲の悪魔)
奈緒ちゃん(星を喰らう怪物)
川島さん(嫉妬の悪魔)
ちひろ(なにいってるんだちひろは敵だろ)

ちひろさんは女神やで(ガチャガチャ

ここの設定で格闘ゲームパロとかRPG妄想が捗ってやばーい☆

乙ー
このスレのあんきらってどんな関係になるのかな、とか最近考える

>>422
千枝の林檎(意味深)

乙乙です
アスモデウスさん、これでも「あらら、でもこれも面白いかも、次は誰にしようかしらねー」とか思ってそうで・・・ww

筆が乗ったので棟方師匠のとある一日、投下しますー

棟方愛海の朝は早い・・・

「愛海ー、そろそろ起きなさーい!朝ごはん食べる時間なくなるわよー!」

・・・わけでもない。

「・・・んー、いまいくー・・・ぁふ」

ついついこれまでのヒロイン達の記録を見返して夜更かし、なんてよくあること。

それでも病気以外では意地でも無遅刻無欠席。だって学校には楽しみがいっぱいなんだもの、いろんな意味で。

顔を洗って歯を磨いたら気分サッパリ、髪のお手入れとセットは入念に。女の子の嗜み。

トーストをもそもそ齧りながら、日課の新聞チェック。ただしヒーロー関係のみ。もっと言うならヒロイン関係のみ。

「・・・ん、『カースの活動、謎の活発化』?・・・うーん、ヒロイン達の活躍の場が増えるのは良いけど、気をつけないとなー・・・はむっ」

自ら敵役を打って出る(実際戦うのは晶葉製のロボだが)程のヒロイン大好き愛海さんだが、彼女自身は至ってか弱い女子中学生である。

カースやらの化け物連中は普通に怖いし、危ない所に自分から好んで飛び込むドM根性もない。

「・・・ん、ごちそーさまでした。さって、晶葉ちゃん迎えにいかないと」

食器を台所に持って行き、制服に着替えたら行ってきます。時間自体はかなり余裕だが、ある意味愛海の朝はここからが本番。

「あーきーはーちゃーん!!朝だよー、学校だよー!!!」

晶葉の住むマンションまでやってきて、ベルを鳴らしながら部屋の前で大声で呼びかける。幸い周りの部屋は空き家なため、朝っぱらからうるせーぞと怒鳴り込んでくる怖いお兄さんはいない。

「・・・・・・ふぅ、今朝もダメか。まったくもー、これだけはいつまでたっても変わらないなぁ」

やれやれ、と、しかし少し楽しそうな表情で溜息ひとつ。ふたつ離れた部屋の前、消火栓から合鍵を取り出しがちゃり。

「今日はー・・・こっちだったかー」

寝室を覗くと、あどけない表情でぐっすり眠りこける晶葉の姿。だいたい作業机で突っ伏している場合が半分、昨日はしっかりベッドまで戻る体力があったらしい。

「ほーらー、起きろ晶葉ちゃーん。朝だよー学校行こうよー」

ゆさゆさ、揺り動かされてまだ尚起きようとしない晶葉。「ぅぅん・・・」と一つ唸ると、毛布を手繰り寄せ抱き枕のように抱きしめる。

「はぅぅっ!!・・・っぅ、悶えてるばあいじゃないよあたしっ、今日は学校、晶葉ちゃん起こしにきた、おーけー?・・・よしっ」

不意打ちに耐え、ノックアウトを免れた愛海は、いよいよもって晶葉を起こしにかかる。

「ほ、らっ!!起きろーっ!!」

無理やり毛布を引っぺがすと、寝ぼけまなこをこすりつつ、ようやく晶葉ちゃんお目覚めである。

「んぅ・・・あつみー・・・?なんだこんなあさっぱらからぁ・・・」

「こんな朝っぱらだから、でしょー。ほら、顔洗ってくる!寝癖もちゃんと直しなよー」

洗面所まで追いやると、その間に朝ごはんの準備。といっても、晶葉特製セミオート調理器のおかげで手間はかからない。

今朝のメニューは卵焼きサンドイッチ。香ばしい香りに思わずごくりと喉が鳴る愛海だが我慢我慢。あつみちゃんさっきたべたでしょ。

「・・・んむ、こくん。きょうのいちげんめ、なんだっけ・・・?」

「数学っ。もー、しっかりしろー」

どうにもこの天才少女、起きてからエンジン掛かるまでが遅い。それを知っているのはあたしだけだけど、と思うとちょっと優越感。

「・・・ごちそーさまでした・・・ふぁぁ」

「・・・ん、忘れものなし。ほら、遅刻遅刻っ!」

「んぅ・・・いってきまーす・・・ぁふ」

鍵をかけ、手をつないで(引っ張って、とも言う)晶葉宅を出発。これが棟方愛海のいつもの朝の光景である。

「らーんーこーちゃん!!」がばっ

「ひぁあっ!!?」

お時間変わりましてお昼休み。席に座って読書中らしいクラスメイトの神崎蘭子さんに*バックアタックだ*

「・・・むむっ、こ、これはっ!!?育ったね、また育ったのだね蘭子ちゃんっ!!!」もにゅもにゅ

「ひぅ、ぁ、やっ、やめっ、あつみちゃんっ!」わたわた

いやいやと身をよじる蘭子女史だが、いかんせん座った状態で後ろから抱きすくめられ、立ち上がることもままならない!

「やめんかおバカっ」ぽかりっ

「わが半身に何をするかっ」ぺちっ

「いたっ」

と、ここで晶葉と昼子のコンビネーション炸裂、たまらず愛海選手身を離します!

「まったく、同性でもセクハラは適応されるんだぞ?加減を考えたまえ加減を」

「いやぁ、思った以上のものをおもちだったもので・・・うひひ」

わきわき、とお得意の指の運動。愛海選手、今日も絶好調の指の冴え。

「むぅ、相変わらず度し難いほど欲に忠実なヤツよ・・・半身よ、無事か?」

「い、いきなり後ろからきたから、びっくりしただけで・・・大丈夫」

「あらあら、仲が良いのはいいことだけど、やりすぎちゃダメよ?わかるわね?」

「あ、川島先生。はーい、わかってますよー・・・ごめんね、蘭子ちゃん」

「う、うん。いつもの事だし、あんまり気にしないで・・・ひぁうっ!?」もにゅん

「と、許可も頂いたところで真正面から遠慮なく「「何を聞いていたこのおバカっ!」」痛いッ!!!」

そんなこんな賑やかな学校生活ののち、放課後。

下校中の通学路で、愛海と晶葉は『作戦会議』の真っ最中だった。

「・・・で、ロボの解析の方は順調?」

「さっぱりだ。この分だと、一回凍結処分してマーク2の起動も視野に入れるべきかもしれん」

「晶葉ちゃんでもそこまでなんだ・・・異星人の技術とかなのかな?」

「かもしれん・・・くっ、この私にも理解できないとは」

しばらく前に謎のパワーアップを遂げた晶葉ロボだが、「出どころの解らん技術などに頼れるか!」という晶葉の方針で、現在活動休止中なのである。

かつて「音声装置くらいつけたら?」という提案をした愛海に、晶葉は「ヒトと同じくらい流暢に話せるレベルになるまで実装はせん」と言ってのけたことがある。

それだけ、自分の手で作り上げたロボに誇りと愛着を持っているのだ。全て自分で満足できるレベルに仕上げて、初めて「自分が作ったロボットだ」と胸を張りたいのだ。

「・・・いつか、きちんと解析して、起こしてあげなくちゃね。ロボのこと」

「当然だ。その時にはマーク2と連携して事に当たらせようじゃないか」

「お、晶葉ちゃん案外ノリ気?楽しくなってきちゃった?」

にこやかに会話しながらの、親友との帰り道。

『・・・ネタマシイ・・・・・・ソノキズナガネタマシイイイイイイィィィィィィィ!!!!』

「「っ!?」」

そんな平和な光景は、突如現れた『嫉妬』のカースによって粉々に砕かれた。

「っ、走るよ、晶葉ちゃんっ!!」

「あ、ああっ!!」

普段からカメラ越しの荒事には慣れっこの二人だが、実際に相対するのとはわけが違う。非力な女子中学生二人に、できることなどあまりに少ない。

一目散に逃げる二人と、暴れながら二人を追うカース。

「う、うわぁっ!?」

「・・・っ」

愛海が視界の端に、小さな男の子を捉えたのはそんな時である。

気がつけば、その子にむかって体が勝手に動いていた。

「お、おい愛海ッ!!」

「晶葉ちゃん、『プロダクション』に電話してッ!たぶん『アイドルヒーロー同盟』あたりに連絡いくはずだからッ!!」

あるいは、『同盟』ならもうすでにこのカースの情報も掴んでいるだろう。それでも、実際に現場に到着するまでには、どうしてもタイムラグが発生してしまう。

(・・・それまで、この子はあたしが守る)

怯えてしまって、腰が抜けたのだろう。愛海が駆け寄って抱き上げても、一向に震えが止まらない。

それに、愛海自身もきっと恐怖で震えているだろう。走って逃げようにも力がでないのは、男の子を抱えているからだけではないはずだ。

そして、それを見逃すカースではない。目ざとく目標を愛海に絞り、襲いかからんと身を振りかぶる!

『ウォラアアアアアアアアアアア・・・アアアアアァァァァッッッ!!!??』

やがて訪れる衝撃を想像して、愛海はぎゅっと目をつぶる。・・・しかし、いつまで経っても一向に衝撃は来ないし、体も痛くない。

恐る恐る目を開いた愛海の目の前に映ったのは、

「・・・・・・ろ、ぼ」

『無事ですか、愛海!!』ピピッ

ラボで休眠状態にあるはずの、ロボの姿であった。

「愛海ッ、大丈夫かッ!!」

「あきは、ちゃん・・・え、ロボ、なんで」

「ロボ、クロークモード!!私と愛海、この少年も抱えて運べっ!!!」

『了解です、博士!!』ピピッ

がっし、と愛海と少年、晶葉を一斉に抱えると、ステルス状態『クロークモード』を起動、一目散にカースから距離を取るロボ。

『ッ、ドコダッ!!ドコヘイッタアアアアアアァァァァァ!!』

襲いかかる対象を見失い、めちゃくちゃに暴れまわるカースと、どこからか聞こえてくるバイクのエンジン音が、ぐんぐん遠ざかる。

すっかりカースの姿も見えなくなったところで、ようやくロボは三人を下ろした。

「・・・ここまで来れば一安心か。キミ、歩けるか?」

「・・・う、うん。あの、ありがとう、おねーちゃん」

「何、気にする事はない。私たちだって逃げるのに必死だっただけだ・・・一人で帰れるか?」

「大丈夫、ここ、おうちのすぐ近くだもん!」

「ん、そうか。気を付けて帰るんだぞ」

「うん!おねーちゃんたち、ありがとー!!」

ぶんぶんと手を振って歩いて行く少年に、転ぶんじゃないぞー、と声を掛けながら手を振り返す晶葉。

「・・・・・・ロボ、どうやってここまできたの?」

それまで茫然としていた愛海が、ようやく口を開いた。

「緊急時にはすぐに遠隔起動できるようにしておいたんだ。今回ばかりは、機能が追加されていて助かったな」

『博士たちが無事でなによりですよ』ピピッ

「・・・だって、晶葉ちゃん、今のロボは動かしたくないって」


「・・・そんなちっぽけなプライドなんかよりッ!!」


ぎゅっ、と強く抱きしめられる感覚。


「お前のっ、愛海の無事の方が、大事に決まっているだろうッ!!」


「・・・あき、は、ちゃん」

ぽたっ、ぽたっ、と、肩にかかる温かい水の感触。

「っ、昔っから、いつもそうだっ!一人で突っ走って、後のこと考えないでっ、それで怪我してっ」

「っく、今回なんてっ、ひっく、けがじゃすまなかったかもしれないんだぞっ!!あつみがっ、いなくなったらっ、わた、わたしっ・・・」

「・・・ごめんね、晶葉ちゃん。心配かけて・・・・・・」

ぎゅっ、と優しく抱きしめ返す。じわりと涙があふれてくるが、我慢することはないだろう。

『・・・しばらく、周りを見張ってますね。何かあったら、また戻ってきます』ピピッ

そんな空気を読んで、ロボはその場を少しだけ離れる。

二人は、お互いに落ち着くまで、しばらくずっと、抱きあって泣いていた。

ちょっと女の子とヒロインの活躍姿が好きなだけで、愛海さんは善良な一般市民ですよ、ということで
強化されたロボの方ですが、晶葉は自力で作った物にプライド持ってそうかなー、と思ってこういう形になりました
そのうち解析させて再登場させねば・・・(使命感

乙ー

ロボかっこいい…再び目覚める事を祈ってます




>>433

きらり「ドロドロをキレイキレイしていっしょにはぴはぴするにぃ☆」

杏「やめろー! 杏はこのまま一生ぐうたらするんだー!」

たぶんこんなかんじ

おつー

新ロボの謎の規格について話を膨らませるというのは面白そうだよね

薫のその後投下します
昼子ちゃんと、岡崎先輩とその同居人二人をお借りします


──どこかの空き地──

薫「(今日はせんせぇはお仕事でいない)」

薫「(たしか、じーでぃーえふのけんきゅーじょに行くって言ってた)」

薫「(だから、今のうちに練習しておかないと……!)」

裕美に魔法の込められたビー玉を貰って以降、薫は独力で魔法の練習を始めていた。
ビー玉を使えばそれなりの魔法を行使できるが、それらは使い捨てだった。
少し前にカースに襲われ、結果的に助かったものの、何も出来ず歯痒い思いをした。
魔法を練習するのはいざという時に自分と、自分の大切な人を守る為の、より信頼できる力を持つ必要性を感じた結果だった。


薫「(たしかひろみさんはこうやって……)」

薫は見様見真似で両手を前面に突き出し構えを取る。

薫「えいっ!」ピューッ

精神を集中させ水の噴出をイメージすると、何も無い空間から水が飛び出した。
……水鉄砲程度の勢いで。

薫「やった……っ! できた!!」

それでも、練習を始めた最初の頃に比べると、上達しているのが分かる。
今までは安定して水を出すことすら困難だった。

薫「(もっと練習して、このまえのばけものをやっつけられるくらいにならないと!)」




少し離れた場所で、薫の事を見つめる人影が二つ。
以前薫に敵意を剥き出しにしていた昼子ことブリュンヒルデと、その従者蘭子だ。
二人は(主にブリュンヒルデの方がだが)薫の魔法練習の様子を観察していた。

蘭子「……」チラッ

昼子「……」ジーッ

蘭子「……」

蘭子「あの……昼子ちゃん?」

昼子「なんだ?」

蘭子「そんなにあの子……薫ちゃんだったっけ?」 

蘭子「あの子の事が気になるなら、お話をしに行けばいいのに」

昼子「世迷言をぬかすな……我は奴と馴れ合うつもりなど毛頭無い」

蘭子「(すごい真剣に見守ってるように見えるんだけどなぁ……)」

昼子「我は、あの娘が魔族にとって脅威たり得るのかそうでないのか、監視しているだけだ」

蘭子「……」


昼子「しかし解せん……なぜ奴は『魔法』を使っている?」

昼子「竜族の魔力を以ってすれば魔術の行使もたやすいはず」

昼子「それに以前……初めて奴に出会った時は竜言語魔法を発動させていたというのに……」

ブリュンヒルデが観察していた限りでは、魔法しか使っていない。
それもたどたどしく、実戦での使用などとても出来ないような状態だ。


昼子「む……邪気が来たか……?」

昼子が周囲の異変を察知する。
どうやら、カースが近づいてきているらしい。




薫「これで……10回せいこう……」ハァハァ

薫は慣れない魔法の行使に息を切らしながらも、満足そうに呟く。
この調子で練習を続ければ、いつか裕美のように自由に魔法を使えるようになるだろうか。

薫「(ん……? 何か、へんなかんじがする……)」

薫もカースの存在による違和感を感じとったが、その時にはそれは既にすぐ近くにまで迫っていた。
薫が逃げる間もなく付近の草むらから、小人のようなカースが飛び出してきた。

薫「!!」


『ヤア、人間ノ皆サン、カワイイ幸子ノ眷属ノボクガ』

『カワイイ幸子ノカワイサヲ広メニ来テアゲマシタヨ』

小人のカースはなにやらよく分からない事を口走っているが、すぐに襲い掛かってくるというようなことは無いらしい。
しかし、以前大型のカースに襲われた記憶がトラウマとなっていた薫は、首から下げた巾着袋を開くと赤いビー玉を取り出した。

薫「あっち行って!!」

ビー玉を握りしめ、目の前の敵を焼き尽くすイメージを固め、念じる。
すると、今まで薫が練習していたものより数倍強力な魔法が発動した。
瞬く間にカースは炎に包まれる。

薫「や……やった……?」

炎の勢いが強く、カースの様子は確認できない。
手元のビー玉を見てみると、赤い色は失われただのガラス玉のようになっていた。


『アチチチ……イキナリ燃ヤシテクルナンテ、ヒドイジャナイデスカ』

『ソウデスカ、アナタハ幸子ノカワイサヲ理解デキマセンカ』

薫「な……なんで……あれでもだめなの?」

裕美から貰ったビー玉の力を使ってもこのカースは倒せなかったらしい。
そうなれば薫自身の魔法も当然効かないだろう。

『ソンナカワイソウナアナタハ、生キテイテモショウガナイデショウ』

『優シイボクガ、ソノ無価値ナ生ヲ終ワラセテアゲマスヨ』ドヤァ

薫「やだ……来ないで!」

目の前のカースは、小人大から2メートル近くまで大きくなっている。
薫の目前にまで迫り、もはや絶体絶命かと思われたその時、凛然とした声が空き地に響いた。


「虚空をそよぐ風よ、プロヴァンスの名において命ず」

「万象を刻む刃となりて、我が敵を切り裂け!!」


声が止むと同時に、薫の眼前のカースがあれよあれよという間に細切れになっていく。

薫「え……なに……これ?」

薫は咄嗟の出来事に理解が追い付かない。
カースの黒い泥が切り刻まれると、ビー玉ほど黄色い核が転げ落ちた。

「フン……この程度か、他愛もない」

声の主と思われる人影が薫の前に進み出て、転がり落ちたカースの核を躊躇いなく踏み砕いた。
薫は命の恩人であるその人物を見上げる。


薫「あ……この前の……おねえちゃん」

薫を助けたのは、以前薫に対して敵意を露わにして詰め寄ったあの少女──ブリュンヒルデだった。」

昼子「貴様……あの程度の雑魚に手間取るとは……同じ魔界に住まう者として情けない」

薫「かおるのこと、助けてくれたの……?」

昼子「勘違いするな、貴様ら竜族は我ら魔族の宿敵」

昼子「そこらの有象無象にやられるなどということは、あってはならんのだ」

昼子「決して貴様を助ける為に今の雑魚を散らした訳ではない」

薫「……」


薫「……でも、おねえちゃんが、かおるのこと助けてくれたのはほんとうだよ?」

薫「だから、ありがとう!」

昼子「……」

昼子「フン……勝手にしろ」


──その頃・とあるカースドヒューマンの隠れ家──

幸子「むっ!」

薫の下に現れたカースの主である少女──輿水幸子は常時浮かべている不遜な笑みを珍しく崩した。
その様子を見ていた同居人の岡崎泰葉は、ただ事ではない雰囲気を察すると幸子に尋ねた。

泰葉「幸子ちゃん、何があったの……?」

幸子「ボクのカワイさを世に広めるべく使いに出していたカースの反応が、途絶えました……」

幸子「恐らく、ヒーローだとかいう連中に、やられたんだと思います」

泰葉「っ!」


泰葉「(またか……)」

泰葉「(何も知らない……何も考えていない愚かな連中が、また私達の邪魔をするのか)」ギリッ

泰葉「(一度、私が直々に出向いて、カースの力を知らしめてやる必要があるのかもしれない)」

泰葉「幸子ちゃん、その、幸子ちゃんのカースを倒したのが誰かって、分かる?」

幸子「あれ? 泰葉さんもしかして、ボクの為に怒ってくれてます?」ニヤニヤ

泰葉「そうね……可愛い妹分のために、ひと肌脱ごうかという気にはなっているかな」

軽口を意に介さない泰葉の態度に、幸子は多少の恐怖心を抱く。
だが、自分のカースのために憤りを感じてくれているというのが分かると、なんとも言えない嬉しさを感じた。
もし自分に、一般的に姉といわれる存在がいたとしたなら、こんな風にあやしてくれたりしたのだろうか。


泰葉が仕返しをしてくれるというからには、自分のカースを倒した存在の情報を教えるべきだろう。
幸子は意識を集中させ、倒されたカースが見聞きしていた情報を掘り返す。

幸子「えっと……そのカースの反応が途絶える直前の視界は……こんな感じですね」

泰葉と幸子は、お互いの意識を同調させ、交感する。
このことで、幸子が受け取ったカースからの映像を、泰葉も確認することができる。
カースドヒューマン同士だからこそできる便利能力……とでも言えよう。

泰葉「こんな……子供が?」

幸子「さあ、これ以上の詳細は分かりません、他にも何かが居たかもしれませんよ」

泰葉「まあいい、とりあえずこの子には、きっちりとお礼をしてあげないとね……」


──数日後──

薫「(今日もせんせぇは居ない)」

薫「(ふるほんやの友だちに会いに行くって言ってた)」

薫「(だから、今のうちに練習しておこう……!)」

例によって薫は、魔法の練習をするために近所の空き地にやってきていた。
ちなみに、今度カースに襲われた時は、相手をしないで全力で逃げると決めている。



少し離れた場所で、薫の事を見つめる人影が一つ。
数日前から、同居人の配下のカースを倒した人間を見つけるべく動き回っていたカースドヒューマン、泰葉である。
自らもカースを生み出し色んな場所を調べたが、結局、今回の事の発端となったこの空き地で目標を見つけたのだった。

泰葉「(しばらく観察してみたものの、やっぱりあんな子供が幸子ちゃんのカースを倒したとは思えない……)」

泰葉「(けどまあ、そんなことはどうでもいい)」

泰葉「(あの場に居たって事は、カースが倒されたことと全く無関係では無いって事)」

泰葉「(この子を締め上げれば、本命が現れるかもしれないしね)」


薫「……!!」

カースに二度も襲われた経験のある薫は、いい加減その手の気配に敏感になっていた。

薫「(またへんなかんじがする……逃げなきゃ!)」

人気のある場所まで逃げようと振り向くと、少し前方に一人の少女が立っていた。
どうやらカースの気配はその少女から発せられているらしい。

泰葉「ねえ、そこのあなた」

薫「!」


抑揚のない人間離れした声色で少女から話しかけられる。
薫はその殺気の籠った声に思わず竦み上がってしまう。

泰葉「何日か前に、ここで小っちゃなカースを見たでしょう」

泰葉「その子がどうなったか、教えてくれない?」

この人は普通じゃない、怖い……そういう感情に飲み込まれる。
本能は逃げ出さないといけないと訴えかけているが、身体が思うように動かない。
とりあえず何か口を開かないと……機嫌を損ねたらどうなるかわかったもんじゃない。

薫「お、おねえちゃんは……だれ?」

泰葉「私? 私は岡崎泰葉っていうの」

謎の少女は岡崎泰葉と名乗った。
一見人間のように見えるが、纏っている気配が人間のそれとは明らかに違う。


泰葉「私の質問にも、答えて欲しいな」

とりあえず、逆らうのはよしておいた方が良さそうだ。
そう考えた薫は、数日前の記憶を思い出しながら話す。

薫「えっと……かおるのほうに寄ってきたから……ほのおの魔法で退治しようとしたんだけど」

薫「それでたおせなくて、逆におこらせちゃって……」

泰葉「……」

泰葉「そう……やっぱりあなたも、私達の邪魔をしていたのね……」

泰葉「私が司るのは憤怒のカース」

泰葉「そして、あなたが倒してくれたのは私の妹分の大事な眷属よ……」

薫「!?」

泰葉は薫の方へ向かって歩き出した。
相変わらず、薫の身体は動かない。

泰葉「弱い者イジメをする趣味は無いんだけど、あなたが悪いのよ」

薫「そ、そんなの……先におそってきたのはそっちだもん!」

泰葉「ふふっ、そうね……確かに、あなたの言う通りかもね」

泰葉「でも、そんなことはどうだっていいの」

泰葉「私はただ、この湧き上がる怒りを晴らせれば、どうだって……」


なんなんだこの人は、いきなり現れて滅茶苦茶だ、理不尽だ。
薫の方にも、怒りに似た感情が湧き上がってくる。
どうして自分はこんな目に合わなければならないのか。
ただ、日々を平穏に過ごしていたいだけなのに……と。

薫「!!」キッ

薫は、眼前まで迫った泰葉を、せめてもの抵抗とばかりに思い切り睨み付ける。
それを見た泰葉は、嬉しそうに笑った。

泰葉「あなたにも分かるのね、理不尽に晒されて湧き上がる、やり場のない怒りが」

泰葉「その怒りをもっとぶつけてみせて……? そうでなくちゃ、張合いが無いから」

そう言うと泰葉は拳を振り上げて攻撃態勢に入る。
薫は怯まずに歯を食いしばり、泰葉を睨み続けている。


もはや絶体絶命かと思われたその時、またもや凛然とした声が空き地に響いた。


「そこまでだ!」


泰葉は突然響いた声の主を思わず探してしまう。
それは、空中から二人の間に割って入るかのように降りてきた。

昼子「此度の勝負は、このブリュンヒルデの名において預からせてもらおう」

泰葉「何、あなた? 乱入してくるとはとんでもない奴ね」

泰葉は謎の闖入者に食って掛かる。

昼子「二度も言わせるな、この娘から手を引けと言っている」

泰葉「……いきなり現れて、大したご挨拶ね」

泰葉「あなたの方から先に潰してあげてもいいけど?」

昼子「ほう……人間風情が大きく出たな」

昼子「いや、貴様は人間ですらなかったな、自らの闇に飲まれた哀れな存在よ」

泰葉「!!」


昼子「残念だが、貴様では私の相手は務まらん」

昼子「とっとと失せた方が身のためだぞ?」

泰葉「なんですって……?」

ブリュンヒルデの発言(別段挑発したという訳ではないのだが)に激昂した泰葉は、空中高く飛び上がる。

泰葉「見くびるなああぁ!」

そのまま落下の勢いを利用し、ブリュンヒルデ目がけ殴りかかる。
しかし、その拳は地面を大きく穿っただけで、手ごたえは無かった。
ブリュンヒルデはというと、背から翼を生やし空を飛んでいた。

昼子「ただの力押しとは……性根だけでなく、戦い方まで醜いのだな……」

昼子「言ったであろう、貴様では相手にならんと」

泰葉「ッ!!」ギリッ

昼子「フン……どうしてもやろうというなら──!?」

空から地上を眺めていたブリュンヒルデは、薫が未だに空き地に突っ立っている事に気づく。

昼子「(あの馬鹿者! 何故逃げていないのだ!)」

昼子は急降下すると、薫の元へ駆け寄る。


薫「!?」ハッ

薫は、泰葉が地面を抉った際の衝撃で意識を取り戻した。
泰葉の理不尽さに憤りを感じていた事は覚えているが、他の出来事が何故か記憶から抜け落ちている。
気を失っていたという訳では無さそうなのだが、薫自身にも訳が分からなかった。

薫「ん……何か……痛い?」ズキ

薫は頬に痛みを感じ、触ってみる。
すると、手に少しの血が付いた。
恐らく、泰葉が地面を抉った際に飛び散った破片がかすめたのだろう。

薫「これ……血? ……う、ああ」

それが血であると認識すると、どくんっと心臓が跳ねた。
体中が熱くなり、激しい動悸に見舞われる。

薫「(な、なに……これ……うぅぅ)」

薫がかつて経験したことの無い現象に悶えていると、頭の中に声が響いてくる。



『目覚めよ……』



薫「えっ?」



『目覚めるのだ……!』



薫「な、なに? だれ!?」

その声は、天の高みから聞こえてくるようであり、地の底から響いてくるようでもあった。



『本能を……竜の血を否定するな……』



『破壊し、焼き尽くせ……』



『その力に、身を任せるのだ……!』



薫「やだ……! いやだ!! こわいよ!!」



『恐れることはない……』



『目覚めるのだ、竜の子よ!!』



昼子「おい! 貴様! すぐにここから……」

昼子「ッ!?」

薫の様子を見に来たブリュンヒルデは、その顔を覗き込んで驚愕する。

昼子「(この眼は……戦闘態勢に入った竜族のもの……!)」

昼子「(やはりこの娘……力を隠していたのか!?)」

昼子「(流石の我も、この場に留まっていては危険だ!)」


ブリュンヒルデは薫の持つ竜の力の発動を察知し、その場を離れる。
取り残された泰葉は、その行動が理解できずにいた。

泰葉「(なんだ……? 逃げたのか?)」

泰葉「(いきなり現れて、あれだけ大口を叩いておいて、何もせずに逃げるなんて……どういうこと?)」

泰葉「(まあいい、当初の予定通り、あの子にカースの力を見せつけてあげないと)」


泰葉「お待たせ……さっきの続きよ」

泰葉「それとも、あなたの怒りはもう収まってしまったかな?」

薫「ウ……グ…………ッ」

泰葉が薫のもとへと戻ると、どうにも様子がおかしい。
顔を伏せ、両手で自らの身体を抱きかかえて震えている。

泰葉「どうしたの? 恐怖が怒りに勝ってしまったのかしら?」

薫「ウァ……アァ……アアァ!!」

泰葉「……?」

薫が突然叫び声を上げる。
その様子を見て泰葉はため息を吐いた。

泰葉「(恐怖のあまり発狂したか……つまらないな)」

そんな風に考えて薫への注意をそらした瞬間、恐ろしい程の殺気が泰葉を襲った。
驚いて振り返ると、人間のそれとは全く異なった両目が、泰葉を見据えていた。


薫「ガアアアァッ!!」

薫が"吼える"と、凄まじい灼熱が泰葉を襲った。
それはまるで、この世の『憤怒』を体現したかの様な炎だった。
完全に気を抜いていた泰葉は、その業火をモロに浴びてしまう。

泰葉「う、うわああああっ!!」

泰葉「(な、何が起こった? 目の前の娘が、突然炎を……!?)」

あまりの出来事に理解が追い付かなかった。
逃げようにも、不意打ちによるダメージで身体が思うように動かない。


泰葉「(まずい……もう一回は……耐えられない……)」

目の前で、とどめと刺そうと大きく息を吸い込んでいる少女を見ながら考える。

泰葉「(ああ……私が居なくなっても、あの二人はちゃんと生きていけるかな……)」

諦めの境地に達した時、泰葉の脳裏をよぎったのは同居人の二人の少女の姿だった。


薫の炎が目の前に迫るのを見ながら死を覚悟した泰葉だったが、その身体が焼かれることは無かった。
眼前には今まで立っていた空き地が小さく見える、どうやら空を飛んでいるらしい。

「いやー、危なかったですね! このカワイイボクに冷や汗をかかせるなんて、泰葉さんも罪な人ですね!」

「……元はと言えば幸子のカースの敵討ちに出かけてたんでしょ……それに私まで巻き込んでくれてさぁ」

泰葉「幸子ちゃん……杏さん?」

泰葉は、例の同居人……輿水幸子と双葉杏の両脇に抱えられていた。
どうやら、二人があの炎から助け上げてくれたらしい。

幸子「ボクはカワイイ上に賢いので、泰葉さんの様子をこっそり伺っていたんです!」

幸子「ボクのカースを倒した相手は、詳しく調べたらどうやらあの子供じゃなかったみたいだったので!」

泰葉「そういう事は……もっと早く教えておいてよね」

幸子「だって、泰葉さん全然『家』に帰って来ないんですもん」

幸子「それに、想定外でしたけど、あの子供も十分に危険だったわけですから」

幸子「結果的に、ボクは正しかったって事です」ドヤァ

泰葉「……」


幸子のカースを倒したのがさっきの子供でないのだとしたら、本当の犯人は恐らくあの乱入者だろう。
今回は、あの乱入者にも子供にも、良いようにやられてしまった。

泰葉「あいつら……次に会った時は絶対に……絶対に叩きのめしてやる……!!」

幸子「泰葉さん、怒り狂うのは別に止めませんけど、今は大人しくしててくださいね」

杏「そーだよ、暴れだしたりしたら腕を離すからね」

泰葉「……」


泰葉「そういえば、杏さんまで助けに来てくれたのは意外だったな」

泰葉の知る双葉杏という少女は、例え寝食を共にする相手さえ面倒だと思えば見捨てるような存在だったはずだ。

杏「んー、ぶっちゃけめんどかったんだけどさー」

杏「『将来楽するために今苦労する』っていうの?」

杏「今泰葉に居なくなられたら、後々もっと面倒になるかなって思ったから……杏の世話をする人が居なくなる的な意味で」

泰葉「そうですか……」

杏「ま、今回の件で、向こう一か月くらいは杏の家事当番は免除してもらいたいとこだね」


今まで好き勝手に動いていたはずの二人が、自分の危機に助けに来てくれた。
その事実に、泰葉は得も言われぬ感情を抱いていた。
この三人の間には、いわゆる『絆』と呼ばれるものがあるのではないかと……
あるいは、三人は『仲間』という関係であると言えるのかも知れない。

やはり勝手な思い込みだと言われればそうかもしれないが、
泰葉の胸中は、怒りではない穏やかな感情で満たされていくのだった。


──一方その頃──

力を使い果たし倒れていた薫をブリュンヒルデが抱き上げる。
気を失っているらしく、何も反応は無い。

昼子「(この娘……竜の力を使うのに、人の姿のままだったな)」

昼子「(やはり、力を抑制されているのか)」

昼子「(……あの時一緒にいたあの男の下へ行くか)」


用事を済ませ家に帰った龍崎博士は、薫が居ないことに気が付いた。
ただ事ではないと家を飛び出し、丁度そこで薫を連れてきた人物に出会った。

博士「君はあの時の……確か、悪姫ブリュンヒルデ……だったか」

博士はこの状況に内心酷く動揺していたが、悪魔相手に弱みを見せて付け込まれないために平静を装う。

昼子「ほう、我が真名を覚えているとは、見上げたものだな人間」

昼子「この娘に関しては案ずる事は無い、気を失っているだけだ」


ブリュンヒルデは今日あった出来事の顛末を博士に語る。
博士はその間、黙って聞いているのだった。
あらかた語り終えると、昼子は薫についての質問をいくつかした後、本題に入った。


昼子「我が問いたいのは、この娘の力の封印に関してだ」

昼子「大方、貴様が何らかの術を施したのであろう?」

竜族を危険視しているなら、薫の実情を知ってもらえば、手を出されることも無くなるのではないか。
そう考えた博士はブリュンヒルデの問いに素直に答える。

博士「この子の力は、この髪留めによって制限しているのだ」

博士「人間界で暮らしていくには、竜の力は過ぎた物だからな」

昼子「(人間の封印では所詮この程度か)」

昼子「竜族が本気を出せば、この程度の拘束、容易く破られよう」

博士もそれは理解していた、事実、何度か薫の力の暴発を目の当たりにしている。

昼子「今はまだこの娘もそれ程の力を有してはいないが」

昼子「これから先、日を追うごとに封印が破られる危険は増すだろう」

昼子「貴様は、いずれこの娘に身を焼かれることになるのやも知れんのだぞ?」

博士「……」

博士「もしそうなった時は、それは仕方の無い事だと思う」

実際薫が暴走してしまえば、博士のみならず周囲にいる大勢の人間にも被害が及ぶだろう。
そう考えるとほとほと無責任であると言われるかもしれないが、
我が子の様に接してきた薫を今更どうこうする事は、博士には出来なかったし、これから先も出来ないだろう。

昼子「フン……人間の考えはやはり理解できんな」


博士「私からも、質問をしていいかね?」

博士は、ずっと気になっていた疑問をぶつける。

博士「何故君は、薫に固執するのだ?」

博士「薫は……一体何者なんだ?」

昼子「……」


ブリュンヒルデは博士の問いにどう答えようかと逡巡すると、ぽつぽつと語りだした。

昼子「かつて父上から聞いた話だ」

昼子「『竜族の王』竜帝と、その妃の間には、一体の子竜がいた」

昼子「父上は竜帝を倒し、竜妃を子竜諸共魔術で吹き飛ばしたものの、その子竜の亡骸だけは見つからなかったらしい」

昼子「恐らく、竜妃がなんらかの転移魔法で別の場所へ飛ばしたのだろうという話であったが……」

博士「では、薫が……その、竜帝の子だと?」

昼子「確証はない……が、貴様とこの娘の出会いを考えれば、まず間違いないだろう」

博士「……」

昼子「魔王の娘である我と、竜帝の娘である此奴との間には、断てぬ因縁があるのだ」

昼子「いずれ、かつての父上と竜帝のように、雌雄を決さねばならぬ時が来るであろう」

ブリュンヒルデの口から語られた薫の出自は、博士の予想を大きく超える壮絶な物だった。
今までは、魔族と竜族の二つの種族がなぜ反目しあっているのかなど博士の知る由では無かった。
だからこそ、もしかすると同郷のよしみで、薫と仲良くしてもらえないか、などと考えていたのだが……

博士「(やはり……何も事情を知らない人間のエゴ……だったか)」

博士「(今の彼女の話を聞けば、薫と仲良くしてやってくれなどと、言えるはずがない)」

博士「(だがしかしそうすると、薫は故郷を知らずに、一人で生きていくことになるのか……)」

博士「(一応『プロダクション』の皆や、イヴさんや裕美くんはいるが)」

博士「(薫の力の事を考えると、彼らに迷惑はかけられない……)」


娘同然に育ててきた薫の将来を案じ、何かしてやりたいと願う一心から、博士の思いが口をついて出てしまう。

博士「何も知らない、愚かな人間の戯れ言だと思って聞いてくれ」

博士「もし……もし君が、薫を受け入れてくれるなら……」

博士「どうか……薫と共に……」

薫と共に生きてくれないか──言いかけて博士は口を噤む。
薫と、目の前の魔族の姫との因縁を聞かされてなお、このような甘い考えを持っていられる自分に腹が立った。

博士「……」

博士「いや……なんでもない、今の言葉は忘れて欲しい」

昼子「……」


昼子「人間よ、貴様の言いたいことは分かっているぞ」

昼子「人間界において孤立しているこの娘と、魔界出身の者同士仲良くしてやって欲しい」

昼子「そのような事を考えていたのであろう」

博士「!?」

流石は魔王の娘と言ったところか。
見事に自分の心の内を言い当てられ博士は焦りつつも、開き直る。

博士「そこまで知られたからには、もう打ち明けるしかないな……」

博士「私とっては、魔族と竜族の因縁など知ったことではない……」

博士「だからどうか! 薫と仲良くしてやって欲しい!」

博士「どうかこの通り!」ドゲザァ

魔族に土下座という文化があるのかは分からないが、博士の精いっぱいの願意の表れだった。


昼子「……」

昼子「人間よ、頭を上げよ」

昼子「残念だが、我は此奴と馴れ合うつもりは無い」

博士「ッ!」

昼子「笑えぬ冗談だ……互いに殺し合う仲で友人ごっこに興じろと?」

博士「……」

昼子「……」


博士が消沈しているのを見て、どこか楽しげな表情でブリュンヒルデが口を開いた。

昼子「だがしかし、この娘もこのままここで甘やかされていれば」

昼子「我に肩を並べる程にまで成長するのに、どれほどの歳月を要するか分からぬからな」

昼子「此奴がある程度の力をつけるまで、面倒を見てやるというのもやぶさかではない」

博士「!?」


博士「と、言うことは……」

昼子「勘違いするなよ? あくまで、鍛えてやるだけだ!」

博士「……」

博士「それでも、言わせてほしい」

博士「ありがとう……」

博士「そして、薫の事を……どうか、よろしくお願いします」

昼子「……」

昼子「フン……勝手にしろ」


薫設定まとめ

若い竜族は感情の制御が苦手なため、有り余る力を持て余しているのも相まって破壊衝動(竜の本能)に走る者が多い。

人間界で情緒豊かに育った薫は日常生活を送る上で感情を爆発させることは無かったが、
憤怒のカースドヒューマンである岡崎泰葉の怒りにあてられ、竜の本能に目覚めてしまった。

長い年月を生きた竜は本能を抑え込む事が出来、今までの反動からか非常に理性的。


・魔法の練習を始めたが、まだまだ実用レベルには達していないので今後に期待
・拘束具の力が弱まってきているらしく、ぶっ壊れる日も近いかもしれない
・竜族の本能を呼び覚ましてしまったため、あんまり怒らせると暴走(竜化)しちゃうかも
・何度か助けられた為、昼子との関係は初対面の時に比べてかなり良好、時々魔法の練習を見てもらったりも
・ただし薫の記憶が戻った時どうなるか……
・ドラゴンも憤怒の化身に含まれているが、ほとんど滅びてしまったため詳細は不明……魔王なら何か知っているかも?

投下終わりです
薫について適当に設定しておいたので使ってもらえたら幸い

岡崎先輩噛ませ犬っぽくなっちゃってゴメンなさい、不意打ちでやられたから本気でやればもっと強いはず!
岡崎先輩他二名とか、3Gとかのカースドヒューマン勢がすごい好きなのでもっと活躍(暗躍)して欲しい

あと昼子ちゃん可愛すぎるので、公式にもこういう高圧的なキャラが欲しいです

・十時愛梨
属性:人間?
能力:「風」の操作
詳細:
現役の女子大生であり、日菜子の友人。
性格はおっとりしているが、突然居なくなったり、かと思えばふらりと現れたりと謎が多い。
また、「黄衣の王」と呼ばれる謎の存在と共生状態にあるらしく、自身の能力はその影響であるという。
いつも黄色い薄手のロングコートを持ち歩いているが、すぐ脱ぐ。
突如姿を消した、元トップアイドルでもある。


「フェス」
不特定多数の要因が重なり、カースが大量発生する事を指す。
主な原因は不明だが、最悪の場合、災害級の被害が出る場合もある。

投下終了、そして@設定をつけ忘れたorz

相も変わらず勢いで書きましたが、今回は色々伏線を散りばめてみました。

それではお目汚し失礼しました;

もしかしなくても・いあいあ!

皆さん乙です

時間かかった割に残念な出来だけどG3投下

 窯から出されたばかりで、まだ熱を持ったクロワッサンを一口齧る。サクサクとした食感と口腔に広がるバターの香りに頬が緩む。
 かな子は幸せそうな顔でクリームパンを頬張り、法子もニコニコ笑顔でベーグルに齧り付いて……首を傾げた。
 残念、それはドーナツじゃないんだよね。

 自分の過ちに気付くとたちまち不機嫌な顔になり、さっさとベーグルを口に押し込んでしまうとすぐにあんドーナツに手を伸ばし、今度こそと顔を綻ばせる。
——ほら、パン屋で良かったじゃん。
 クロワッサンが無くなってしまったので、手近な場所にあった食パンを千切って口に放り込む。

 あたしたちの中に『わたし』が生まれて一晩が経ち、あたしたちはそれぞれの家を朝一番に出て開店直後のパン屋前で集合した。
 入店前に物陰でカースド態に変身して、後は言わずもがな。開店直後を狙っていた客は逃げ出したし、店員は隅で縮こまっている。
 あたしたちはロクに抵抗されることなく、焼きたてのおいしいパンにありつけた。

 商品の4割ほどを平らげた辺りだろうか、そろそろ退こうとかな子が言った。
 かな子はしばらくヒーローとの戦いを避けるべき、とも主張していた。
 3人居るとはいえあたしたちは弱い、3対1でも怪しいのにチームを組んで活動しているヒーローが多数いる以上、その主張に逆らう理由はなかった。まだ物足りないけど、切り上げることにしよう。

 法子がリングを作って足に付ける。
 あたしとかな子が左右から手を掴むと、法子は合図も無しに急加速。
 ガラスを勢いよく突き破ったかと思ったら、次々と車を追い越してあっという間に現場から離脱した。
 しつこく追いかけてくるごついバイクが居たけど気のせい気のせい。








 それから更に数日後、あたしたちは人間態でショッピングを楽しんでいた。九割九分食べ物だけど。
 あまり頻繁に騒ぎを起こすのは危険だからね、こうやって人並みに振舞うのも大事だよ。お財布と相談しないといけないから思いっきりは食べられないのが不満だけどね。
 いきつけのお店でお気に入りを紹介しあい、それを褒めたり冗談交じりに貶したり。傍からは仲のいい友達にしか見えないと思う。実際にはもっと深いところで繋がっているんだけど、他人からは分かりっこないし。

 いつの間にか日が傾き始め、そろそろ解散しようかという頃合、立て続けに銃声が響く。
 こちらに逃げている人の様子を見るに、カースが現れたらしい。
 ……今日は暴れるつもりはなかったけど、デザートくらい食べて帰ろうかな?

 カースが現れたのは宝石店だった。
 ヒーローの姿は無く、代わりにGDF隊員が何人かで銃弾を浴びせていたけど、大して効いてない。
 貧弱だなぁ、装備。

GDF1「対カース用装備は!?」

GDF2「まだ到着しません!」

GDF1「ならば引き続き気を引いて時間稼ぎ!」

GDF3「完全に無視されてるけどなッ!」

「ゼンブ、ゼンブオレノダ!」

 カースは銃弾を無視してせっせと宝石をかき集めては体にくっつける。どうみても強欲だね。
 GDFはめげずに攻撃を続けてるけど、商品壊したら弁償とか大丈夫なのかな……あ、ルビーっぽいのが砕けた。

「ア、アアア……アアアアア!」

 カースは破片を前にワナワナと震え、一転してGDFに激しい攻撃をしかける。一撃で二人吹っ飛んですぐに戦列がガタガタだよ。
 何もせずに核だけ手に入れば良かったんだけど、うまくいかないね。
 あたしたちは何も言わずカースド態になる。

「ヨクモ、オレノモノヲ!」

 激昂したカースがGDF隊員に向けて振り下ろした腕を、割って入ったかな子が受け止める。
 かな子が生みだしたスポンジ状の盾は、カースの腕を優しく包み込んでその動きを一瞬止める。
 その一瞬で法子が腕に乗り、駆け上がる。足のリングは法子の移動を助けると共にカースを切り裂き、勢い余ってカースの肩をジャンプ台にした頃には、腕は縦に割けていた。

 驚いたカースは無事な腕で宙に浮いた法子を掴もうとして、胴ががら空きになる。

みちる「ボディが甘いよ!」

 懐に飛び込んで武器を生みだす。思い浮かべるのはコロネのイメージ。
 右肘から先を覆うように生じたそれはギュルギュルと回転してカースを抉り、大きな体に風穴を開けた。
 飛び込んだ勢いで穴の中に入ったあたしは、左腕をカースに突っ込むと核を掴んで引きずり出した。

「ヨクモ、オレノモノヲ!」

 激昂したカースがGDF隊員に向けて振り下ろした腕を、割って入ったかな子が受け止める。
 かな子が生みだしたスポンジ状の盾は、カースの腕を優しく包み込んでその動きを一瞬止める。
 その一瞬で法子が腕に乗り、駆け上がる。足のリングは法子の移動を助けると共にカースを切り裂き、勢い余ってカースの肩をジャンプ台にした頃には、腕は縦に割けていた。

 驚いたカースは無事な腕で宙に浮いた法子を掴もうとして、胴ががら空きになる。

みちる「ボディが甘いよ!」

 懐に飛び込んで武器を生みだす。思い浮かべるのはコロネのイメージ。
 右肘から先を覆うように生じたそれはギュルギュルと回転してカースを抉り、大きな体に風穴を開けた。
 飛び込んだ勢いで穴の中に入ったあたしは、左腕をカースに突っ込むと核を掴んで引きずり出した。

 核を失ったカースはドロドロと崩れ始め、当然ながら浄化されていない核は新たな体を作ろうとする。
 あたしはギラギラと下品に光るそれをベキッと割ると、自分の分を残して二人に放る。

GDF1「協力ありがとう、君たちは新しいヒーローかな?」

 さっき吹っ飛ばされたはずの人が、笑顔で無防備に近寄ってくる。

みちる「はずれ」

GDF1「え? ——っ!」

 隊員の目の前で核をかじる。びっくりしたのか一瞬固まってたけど、すぐに銃を構えて撃ってきた。
 多分聞かないけど念のためかわして、口の中に溜まったものを吐きかける。銃は煙を上げて溶け、スクラップになった。

GDF1「うわ!? さ、酸だー!」

 隊員は情けない声をあげて後ずさる。
 ヒーローもまだ来ないっぽいし、ちょっとこの人たちで戦う練習しようかな?
 振り返ると、二人はニヤリと笑った。





『——続いてのニュースです。本日午後三時ごろ、カースと交戦していたGDF隊員が怪人三人組の襲撃を受け、五人が病院に運び込まれる重傷を負いました。事件に居合わせた他の隊員に話を伺うと、当初はカースとの戦闘に加担してきたため味方と誤認したとのことです。また、同じ三人組と思われる怪人が料亭を襲撃する事件も起きており、GDFは情報を募集しています——』

 ニュースであたしたちのことが報じられる。
 GDFに喧嘩売るのは早かったかな? そのあと強欲の影響で料亭まで襲っちゃったし、またしばらくはおとなしくしていた方が良さそうだ。
 本音を言うとまだ物足りないどころかお腹が鳴りそうだけど、我慢々々。空腹は最高の調味料だからね、明日のご飯をおいしく食べる為、あたしは眠りについた。

——少しずつ、少しずつ、あたしを押しのけて『わたし』が大きくなる。

——『わたし』は何でも食べたがる。
   牛豚鶏羊に兎、犬猫猿に、それから、それから——

         つづく

投下おわり

みちるの設定に二行追加

 唾液を強酸性にする能力も持つ。
 侵食が進んでいくのを自覚している。



酸だー言わせたかったダケー
反省?してるしてる(棒)

みちる!それはパンやない!肉や!

>>498
『わたし』はみちるじゃなくて暴食のカースだから…

海老原菜帆投下します

「この和菓子美味しですよ〜〜」モグモグ

『こっちの和菓子も美味しいですよ〜』モグモグ

両手に別々の和菓子を持ちながら交互に食べながら、一人の女性は歩いていた。

だが、不思議な事に独り言を言ってる感じなのに、まるで交互に別の人が喋ってる感じだ。

「それにしても、ベルちゃん」モグモグ

『な〜に〜?菜帆ちゃん?』モグモグ…ゴキュン

一つの身体で二つの声が喋る。

「私には悪魔とかよくわからないけど、ベルちゃんなら私を乗っ取ることは可能じゃないですか〜?」モグモグ

『そうですね〜。けど、私には私のやり方があるんですよ?すぐ本性現したりしませんよ? 私はじっくり様子を見る方ですから。うふ』モグモグ

他人から見れば、ただの独り言だが実際は違う。

一つの身体に二つの魂が入ってるのだ。

「そうですか〜。それより次は何を食べに行きましょうか〜?」

『なんで、普通に流しちゃうんですか?怖がってくださいよ?食べちゃいますよ?』ムクーモグモグ

……っと、まあ、人間の方は肝が座ってるのか?はたまた天然なだけなのか?マイペースである。

一方の暴食を司る悪魔ベルゼブブは頬を膨らませながら、残りの和菓子を食べていた。おい、それでいいのか?悪魔?


「流してないですよ?だって、私はいずれベルちゃんに乗っ取られるんでしょ?なら、今を楽しまないと」

「それに」
『それに?』

自分の中にいる悪魔に彼女は微笑む。

「美味しいモノってワクワクしません?」

『……うふ。そうですね。ワクワクしますね』

そこで、ベルセブブは確信する。私はこの人間と相性がいいと。

グ〜〜〜っとお腹が悲鳴をあげ、二人は次の目的地へ向かう。

「それで、次は何処へいきますか?ハンバーガー食べにいきます〜?」

『ドーナッツもいいですよ?あそこの新作美味しいみたいですし〜』

「じゃあ、両方買っちゃう?」

『そうしましょう』

彼女達は今日も食べる。

「そういえば魔界の食べ物は美味しいですか?」

『美味しいのもありますよ?けど、私は宇宙や地底、異界の食べ物も気になります〜』

「じゃあ、全部制覇しましょ〜」

『うふ。そうですね〜』

だって



美味しいモノってワクワクしません?













終わり


>>509最後の最後で訂正








美味しいモノってワクワクしません?










終わり

海老原菜帆(17)/ベルセブブ

職業・高校生/暴食を司る悪魔
属性・暴食
能力・なんでも食べれる。あとはまだ不明。

『暴食』を司る悪魔『ベルゼブブ』と肉体の共有をしている高校生。

本人的には身体を奪われようが、なんだろうが美味しいモノが食べれればそれでいいらしい。

ベルセブブも目立った動きはせず、カースも作らず、菜帆と一緒に食べ歩きばかりしている。

なんだかんだで二人共、お互いを信頼している。

だから自分達の食べ歩きを邪魔する奴は例え暴食のカース、暴食のカースドヒューマンでも容赦はしない。

いずれは二人で地上、魔界、地底、宇宙、異界全ての美味しいモノを食べる事を目標にしている。

暴食の証はなんなのか不明。

以上です。

二人で一人の肉体っていいよね!

そして、ただ未知なる美味しい食べ物を食べたいが為に地上に来たベルセブブちゃん。マジカワイイ
菜帆ちゃんは更にカワイイ。駄肉最高!

おつー

結果的に暴食が続いたから畳み掛けれるよう頑張らないと……
何より設定が薄すぎるのをどうにかしないと……!

7つの大罪の属性と各動き

雪菜さん 傲慢 キュート まだ目立った動きはしてない
桃華ちゃま 強欲 キュート まだ動かない
奏さま 色欲 クール 変異型色欲のカース大量生産 仲魔大量生産
わかるわ 嫉妬 クール 蘭子ちゃん達と薫を狙う。嫉妬の蛇龍暴走させる
ゲーマー 怠惰 パッション ゲームばっかり
海老ちゃん 暴食 パッション 食べ歩き


クール勢コワイ

というか大罪の奴らそれを狙って人間の身体に乗り移ってるんじゃないかと疑うレベル

そう考えると奴らは計算高いな

言葉で戦う子って誰がいたっけ

>>522
言葉で戦うというか

おぐやまさん 歌(広範囲精神浄化)
荒木先生 吹き出し(台詞の切り取り、貼り付け)
kwsmsn 呪詛(相手の嫉妬心を逆なでし暴走させたりする)

かな?

詠唱系に強い→荒木先生
カースドヒューマンに強い→きらり、おぐやまさん、d…藍子ちゃん
カースにも強い→おぐやまさん、藍子ちゃん

って感じか、そういえば薫ちゃん暴走しても藍子ちゃんが落ち着かせて止める事可能だね

カースドヒューマンには奈緒か加蓮の血を飲ませれば浄化しても死なないから
カースドヒューマンにはきらりかおぐやまさんか藍子ちゃんと奈緒か加蓮いれれば大丈夫だね

>>516
こうやって見ると(属性なしのサタンお父様除いて)キレイに等分されてますなぁ、実に面白い

>>484
『黄衣の王』・・・仮面・・・カオが無い・・・あっ(察し)

>>535

あぁ……窓に!窓にぃ!!

そろそろ機動兵器搭乗系アイドルが出てきてもおかしくないはず

ナニソレコワイ

川島さんのレヴィアタンの元ネタで嫉妬の証を考えたら、凶悪なモノになってしまった…わからないわ

一応、弱点とかも考えているけど………わかるわ

そういえば
大罪の証って特殊な力を持った武器とか装備品でいいんだよね?

なるなる

妄想がはかどる。はかどる

>>538
『自分が搭乗した乗り物を、その性能を超えてアップチューンさせ、更に完璧に乗りこなせる』
みたいな能力をダチャーンに付けよう、とか考えてた時期がある、もうダチャーン出ちゃったけど

そして博士にダチャーン専用ロボを造ってもらってウサミン星人と戦う、という妄想をしてた

けど、悪魔が退治されたとき力を失うから、こういう使い方できるとかあるよね!

大罪の悪魔の依代になった人間は果たして無事で済むのか…

ところで、悪魔二人に雪美雪菜ときて、雪乃さんはどうなんだろうと思い浮かんだ

悲しいけどもう手遅れっぽいのもいるし……
半共存の桃華や菜帆はともかく、元がいなさそうな川島さんとかは純粋悪だしね

>>545
つまり紗南の情報収集も特殊な魔翌力装置があるってことか

齟齬が無いようにちゃんと考えないとな…

>>554
ゲーマーは肉体をのっとってるみたいだし
kwsmsnも>>333で肉体乗っ取りしてるって書きましたよー

……問題は倒したあと彼女がどうなるか私でもわからないわ

乗っ取ったのかどうか不明なのは奏と雪菜だったと思う
他の悪魔は誰かしら依代となる人間がいるっぽい

柚ちゃん大活躍やで!

どいつもやばそうだけど

今書いてるけど…生まれ変わった元○○で、その○○が男とかそういう設定大丈夫かな…?
なんか抵抗ありそうな人多そうで不安になってきた

うむ……どうだろう?抵抗ある人いそうだけど…

とりあえず、俺は大丈夫かな?
世の中にはムキムキマッチョな男で魔法少女やる漫画読んでるし

>>566の最後の文はきにしないでください!!

前世的なネタなら個人的にはバッチ来いですよー

改めて数えてみたら予約込みで16人も一人で出してた・・・こんなに一人でキャラ使っちゃって大丈夫かしら(ビクビク

よかった…大丈夫な人いるならいいかな。
そして自分も結構な人数出してるな…それでも…モバマスなら許される気がする…(ビクビク)

あ、前世の方が男か

それなら普通に大丈夫じゃないのかな?

私も多い気がする(ビクビク

以上です。そういえば戦争の理由書いてないなーと思ったのと、竜も憤怒だっていうことを考えた結果がこれだよ!
取りあえず木場さんの魂をどーのこーのした相手は特に考えていません

乙乙です
柚ぽんがんばれよー
そして『キバ/マナミ』とは上手いことを言う・・・やるじゃない(ニッコリ

キバさんTSかぁ…イケメンだからなぁ

再生力が強いならコリンエステラーゼ阻害剤をチューっと注入、中で効いてスッと落ちるとかやればいいのかとか考えてた

この機に乗じて投下

ナターリア分が思った以上に少なくなっちゃったヨ……

地底世界アンダーワールドの『夜明け』は、地上時間にして午前6時きっかりに設定されている。

かつて地底に放逐された人々が、太陽の存在しない閉鎖された世界で生きていくためには、
やはり太陽の光が必要だった。
地上に降り注ぐ熱と光でもって、生命を育むためのエネルギーを得なければならない。
そこで、、根本的解決にはなりえないにせよ、少なくとも向こう数百年の間をどうにかできる手段として
考案され実行に移されたのが、人工太陽建設計画だった。

その計画は乱暴に言ってしまえば、アンダーワールドの天頂付近の岩盤に巨大な照明を
取りつけようというもので、地下世界の住人達四半世紀の歳月をかけて全長6キロメートル、
直径1キロにもなる巨大な円筒型の照明ユニットを最終的には10基製造し、『天蓋』へ設置した。
光量も熱量も本物の太陽には遠く及ばないものの、光の届かぬ暗黒の地底に昼夜が生まれた。

だが、かつての屈辱の歴史の所産である人工太陽を見上げる大人達の胸中は穏やかならざるものだった。

自分達の親の世代が地上人との戦争に敗れたことで、自分達までもが地底へと追いやられた。
地上人は光溢れる豊かな世界を独占し、我々アンダーワールドの民はこの息苦しい穴ぐらで
一生を終える宿命を背負わされたのだ!

いつか地上へ帰りたい。
たとえ自分達の世代にできなくとも、子や孫の世代に、あの太陽の輝きを享受させたい!

アンダーワールドの支配者達が抱く思いは、一番最初の世代から連綿と受け継がれている。
地上人への復讐。そして、光溢れる世界への帰還。

それは祖父から父へ、父から子へ、ずっと受け継がれてきた地上世界への郷愁の念だった。

じゃあその次位に投下予約

——————————

その日、後世の人が歴史的会合と称する密会が、アンダーワールドの一角にて行われていた。

「地上人と取引をする時代が来るとは、私の祖父や曾祖父は想像もせなんだろうな」

褐色の肌の偉丈夫が、朗々たるバリトンで語りかける。
それを受けて、目鼻立ちの整ったスーツ姿の青年がこう応じた。

「それほどまでに状況が激変したということです。これからの時代は、地上とアンダーワールドが
 互いに手を取り合っていかなくては、生き残れないでしょう」

椅子に浅く腰かけて得々と語る男の顔は、実年齢以上に若く見える。
若くして巨大な財閥の当主となった男のこと、ルックスの維持も仕事のうちと承知しているのか、
それとも己にのみ忠実であらんとする強欲さがこの男を若く見せるのか。

とはいえ、それだけではあるまい。
アンダーワールドの支配者『オーバーロード』は、目の前の青年の本質を測りかねていた。

「対カース用新型兵器の共同研究……我がアンダーワールドのテクノロジストを2000余名動員しろとは、
 最初に聞かされたときは驚いたものだ」

「ですがお互いに利益のある取引でしょう? その見返りとして、あなたは異界の技術を得るのですから」

「確かにな。魔法や魔術など、くだらんオカルトかと思っていたが」

「世界が違えば、そこには私達の知らない理がある。それだけの話です」

例えば、地上とアンダーワールドのように。
そう言外に含ませ、青年——サクライの眼差しに狡猾な光が差し込む。

「それにわたくしどもにしましても、自然災害のような怪物や侵略者などは頭が痛い存在です。
 ですが、ああいう連中がいてくれるからこそ、経済が回っているのもまた事実です」

「貴公は何を言いたいのだ」

「戦争根絶は確かに人類の悲願かもしれませんが、失業と貧困の抑制も為政者の務めでしょう?」

「ふん……それはまた露骨な言いようだな?」

「それにオーバーロード。貴方にとっても、市民の意向をまったく無視することは難しいのでは?」

直截な物言いに、オーバーロードは鼻白まざるを得なかった。

サクライの言う通り、一般市民や労働者階級である『シビリアン』を無碍に扱う政策は取れない。
そうした政権は例外なく短命で終わっているし、私利私欲ばかりを追求するような人間は
オーバーロードの座につくことはできない。
貴族階級の『ジェントルマン』ばかりを優遇してシビリアンに革命など起こされれば、
アンダーワールドはたちまち崩壊してしまいかねない。

それにアンダーワールド軍の大部分がシビリアンからの志願兵で構成されていることを考えれば、
シビリアンの支持を失いかねない選択肢を取ることの愚かしさは自ずと知れる。

「双方にとって都合のいい敵役が現れてくれた……とでも言うつもりか?」

「国家間で戦争をやるよりはマシな選択でしょう。収支のバランスが取りづらくなりますからね」

オーバーロードは鼻息ひとつを返事にし、その件について明確な意見を述べることを避けた。

(この男……ゲーム感覚で世界を動かしているつもりか? 頭でっかちのボンボンめ)

内心で吐き捨てながらも、この人を人と思わぬ図々しさを危険視する頭も働いた。
ただ傍若無人なだけの若造と断じるには時期尚早だと、彼の第六感が囁いていた。

オーバーロードとサクライの『交渉』——作り笑いを貼り付けた顔を突き合わせながらの会合は、
予定調和的な妥協点を見出した上でお開きになった。

それは地上とアンダーワールドが初めて、協力を約束するものだった。

お互いの内心はどうあれ、2000年以上の時を経て、地上と地底のふたつの世界が交わったのだ。
この会合それ自体は非公式なものであったものの、後世の歴史家はこの一事をひとつのターニング
ポイントであるとして重要視するのである。

おつおつ
反転って発想は無かった

こうゆう弱点考察も出来るから他の大罪悪魔の戦闘も楽しみだな

——————————

オーバーロードは数人の護衛を伴って、地上車に乗って密会の場を後にした。

運転席についた護衛の一人は、ダッシュボードのパネルに触れてオート・ドライビング・モードに
切り替える。これでハンドルもペダルもレバーも一切触らなくても、自動で目的地まで走っていくのだ。

地上車と道路とを相互リンクさせた自動運転システムも、有害物質や排煙を出さない無公害エンジンも、
アンダーワールドでは500年以上前に開発されて普遍化したものだ。

アンダーワールドは地上人が忘れ去った古代文明のテクノロジーを保全し、発展させ続けた。
地底という過酷な環境下で種を保存し繁栄していくためには、技術が必要だったのだ。
限られた水源を有効活用するための浄水設備、工場から排出される煤煙を吸収し清浄化する
空気清浄設備など、人間が安楽に住まうための環境を整備する技術が。

しかし技術の発達と医学の進歩は、同時に人口の増加と資源の枯渇をもたらす。
いみじくもサクライが言ったように、失業と貧困の抑制はまさしく為政者の義務だ。
だが、ここ100年のアンダーワールドは増えすぎた人口によって逼塞しつつあるのも事実だ。

その結果が人口比におけるスカベンジャーやアウトレイジの増加であり、治安の悪化であり、
地上世界への人材の流出でもあった。

暮らしに余裕のあるジェントルマンやシビリアンはまだいい。
しかし貧困層の下層民である彼らは、生きるために盗み、殺し、地上へ逃げようとする。

挙句にアンダーワールドに見切りをつけた一部のテクノロジストまでも地上へ出て行ってしまう始末だ。

この状況を放置すれば、遠からずアンダーワールドは崩壊する。

(それを防ぐためには、一刻も早く地上を取り戻さなければならん)

アンダーワールド人による地上への帰還。
それは表向きには2000年前の祖先の過ちを雪ぐことであり、故郷に帰るということだ。
だが、資源の獲得と生息圏の拡大という意義も厳然として存在する。
オーバーロードとして考えなければならないのはアンダーワールド人を幸福にするということであって、
後者をこそ念頭に置かなければならない。

地上の『異変』以来、何もかもが変わりつつある。
サクライの言うように状況は激変し、時代は移り変わっていく。
この変わってしまった世界で生き残るために、誰もがあがき続けなければならないのだ。

(時代は変わる。確かにそうだ。
 2000年もの時が流れれば、人間はこの過酷な環境に適応する。
 その証拠に、我々の目は強い光に弱くなったし、呼吸器は粉塵に強くなった。
 私も、私の父も、祖父も、そのまた祖父も、あの天頂に埋め込まれた人工太陽が当たり前なのだ。
 アンダーワールド人は、太陽のない世界を故郷と思うようになって久しいのではなかったか。

 ……だが、地上奪還という2000年前の祖先達の妄執は今、実体を得ようとしている。
 ならば、この時この時代に地上を取り戻すことこそ、私の為すべきことではないのか?)

彼が考えを巡らせているうちに、地上車はオーバーロードの邸宅のガレージに滑り込み、
「目的地に到着しました」という定型句を再生した。

この地上車に搭載されたOSの合成音声のサンプリング元は、300年前の女性だと聞いたことがある。
その時代に生きた彼女もやはり、この地底こそ故郷と感じていたのだろうか。

オーバーロードが邸宅の執務室に戻ると、小さな影が彼の胸に飛び込んできた。

「パパッ!」

彼と同じ褐色の肌と黒い瞳を持った少女——ナターリアは、人工太陽など相手にならない明るい笑顔を見せた。
彼女の笑顔に匹敵しうるものがあるとするなら、それはきっと地上の太陽に他ならない。

「よしよし、ナターリア。相変わらず甘えん坊だなぁ」

大きな手で愛娘の頭を撫でると、くすぐったそうな声が漏れた。

「ンッ……エヘヘ。パパ、お仕事お疲れサマ!」

「おいおい……また地上の言葉を勉強していたのか? お前にはまだ早いぞ」

「イイノ! ナターリア、日本語勉強してスシ食べに行くンダ!」

「オーバーロードの娘が地上の料理を好き好んで食べるのか?
 ……まあ、ダメとは言わんが、あまりおおっぴらにそういうことは言うんじゃないぞ」

「ナンデ?」

「そりゃあ勿論、スシが地上のものだからだろう。アンダーワールドのものなら誰も文句は言わんさ」

「ム〜、スシおいしいのに……ミンナ、スシ食べれば考え方変わるヨ!」

「ハハハ、そうだといいな」

下手くそな日本語で喋る娘に、オーバーロードも流暢な日本語で会話を交わした。
勉強はほとんど独学でしているだろうに、精一杯日本語を披露しようとする娘に応えたのである。

「語学もいいが、他の勉強は大丈夫だろうな?」

「ウ……実はナターリア、スーガク苦手だヨ……」

「そうなのか? ああいうのはパズルみたいなものだろう。難しく考えすぎちゃダメだぞ」

「スーガクよりはスポーツの方が好きダナ! ナターリアはダンス得意だヨ!」

それはオーバーロードがわずかな間だけ、地底の最高権力者から、一人の父親に戻る瞬間だった。

オーバーロードの称号は自分という個人を縛り、自分の言葉を失わせ、時に悪を為さしめる。
けれど自分がその重みを引き受けたのは、愛する娘によりよい世界を手渡してやろうという
純粋な思いがあるからこそだった。

地上。光溢れる豊かな世界。
追放者の末裔である自分達が、いつか帰る世界。
願わくば、この愛する娘に生きて欲しい世界。

掛け値なしにそう思う感性は、オーバーロードが地底で生まれ育ったからではなく、
彼がナターリアの父親だからだ。
娘の幸せを願わない父親など、存在する意味があるのだろうか。

そして、人が誰かのために敢えて悪徳を為すことの理由など、それで充分ではないだろうか。

ナターリアがいるからこそ、オーバーロードは一人の男として、その名に押し潰されずにいられる。
それが将来、何千何万の地上人を殺すことになるのだとしても……。

ナターリア
14歳
アンダーワールドの最高権力者『オーバーロード』の娘。
あまり地上人に対して偏見はなく、その証拠に地上の食文化に興味津津。
日本語を勉強してるけど片言でしか喋れない模様。

オーバーロード
40歳
アンダーワールドの最高権力者。
娘や、娘と同じ世代の人々にためにも幸福な時代を作りたいと考えている。



アンダーワールドの描写をちょっとしてみた
サクライPとオーバーロードの似てるような正反対なような妙な父親像と言ったら

被っちゃった…ごめん

何で地上は衰退しちゃったんだろうね
ナターリア!寿司!鱒寿司を食べよう!鉄火丼もあるぞ!

おつです

>>593
竜帝生きてた上に人間(マナミさん)になってるとか熱い!
魔王の呪いは果たして解呪されるのかどうか…

>>608
アンダーワールドは地上と協力して、共通の脅威が去ったら地上を攻撃しようとしてるってことでOK?
野々村さん的には、いずれ地上と戦争するつもりならありがたいけど

ところで、今更だけど投下時もsage推奨?

いい加減俺は投下の際にage忘れる癖をどうにかした方がいいと思う今日この頃

>>611
大体そんな感じ
サクライPが指摘していたように、いずれ帰還(地上からすれば侵略)したい世界がカースの泥で汚れているのは好ましくないというわけで

おつおつ
俺もレス中に被らせてすまない…

ナタの片言ってなんでこんな可愛いんだろうね

本日は晴天なり 投下します

鷺沢さんだしたけど、微妙に違うとかあったら是非ガンガン言ってほしい

世の中で地下世界で歴史的交渉をし、カースが地上で暴れまわっている頃。
Пは家でごろ寝しながら、いつも通り神様の新聞を読みあさっていた。

П「カース同士での内輪もめか!上級カース同士での屋上の死闘」

П「カース同士で屋上乱闘後、命からがら生き延びる事例発生、皆さん屋上に注意して下さい…」

П「世界的大企業の主ロリコン疑惑、何でもとある場所にて12歳の実の娘と擬似SMプレイ疑惑」

П「3チビカーストリオ街を練り歩くも、町の人々にすらスルーされる」

П「中には小学生だと思ったという者も、写真が……アラヤダ可愛い」

П「黄衣の王元トップアイドルに取り付く、本人の証言によれば可愛い女の子に取り憑きたかった、今では満足しているとの事(※要出典)」

П「……世の中スゴイ平和すぎて、副業依頼来ないんじゃー」

読んでいた何時もの新聞をゴミ箱に放り投げ、新調したライフル、カンプピストルにため息を付く。

思っていた以上に銃の整備が面倒、茄子に投げることも出来ずに少し嫌な気分になる。

今日は3件犬の探索依頼が来た、ので全部この街の探偵事務所に投げた。

きっと大忙しで商売繁盛なのだから、感謝くらいはしてくれるだろう。

その時、外からチャイムを鳴らす音が聞こえた。

誰だろうか?また犬探しならケツ蹴り飛ばしてやろうか。

文香「すみません……鷺沢というものですが……依頼したいことがありまして……」

П「はぁ、取り敢えず中へどうぞ」

よくわからないが、民族衣装風の意匠感じる服を着た女の子がやってきた。
涼しげな顔だが、ただ単にポーカーフェイスというだけで、長い髪の下では汗をダラダラ流していた。
名前は鷺沢文香という名前らしいが……

文香「実は……依頼したいことがあるんですが……」

П「何のご依頼ですかね?」

文香「私を匿ってもらえませんか?」

П「ホァ?」

思わず変な声が出た、何を言ってんだコイツ。
そしてスゴイ暑そう、というか熱気がガンガンこっちに飛ぶのでイソイソと冷麦茶を出す、一気飲みされた。
おのれおかわりか、だが少しは頭は冷えただろう。

文香「私……実は能力者なんです……」

П「そうですか、私も能力者です」

また麦茶を一口、そんなに疲れたのかコイツ。
それにしても口下手なのか、話が要領を得ない。
こういう時は女子トーク力に優れた茄子を連れてきたほうがいいのだろうか。

文香「後出来れば……茄子さんも連れて来て頂きますか」

П「ん?!」

何で知ってんだコイツと疑問が思い浮かぶが、取り敢えずまるごとバナナを食べていた茄子を呼びつけることにした。

茄子(ムグムグ……ゴクン)「あ!巫女さん」

П「何だ、知り合いか?」

文香「いえ……」

茄子「だって、持ってるじゃないですかアカシック・レコードを読み込む本」

П「ホ?」

思わず変な声が出た、アカシック・レコード?

茄子「所謂世界のすべてを記されている、という本ですねーまあ、Пさんにはあまり意味が無い本ですよ」

П「そんな大層な本なのにか?」

そう言っている横で、文香が丈夫そうなハードカバーの本を取り出す。
奇妙なことに本に文字は書いておらず、ページを捲っても何も文字が書いていない。

П「何も書いてないじゃないか」

茄子「だってПさんは読む能力が無いじゃないですか」

П(イラッ)

茄子「いいですかー?アカシック・レコードは言うならば人生の攻略本ではなく、人生を第三者、詰まり神様の視点から紐解く歴史書なんです」

茄子「言うなれば、それを読むということはそれを認める、という事は未来は変わらないと言うことになりますね?」

П「まあ、それもそうだな」

茄子「ですがコレには深い間違いがあるのです、実はアカシック・レコードは拒否ができる」

文香「本当ですか……!」

何で微妙に嬉しそうなんだ、こいつ。

茄子「何故なら、アカシック・レコードは昔から信心深い敬虔な使徒にしか読めないと書いてありますね、コレはそれぞれの宗派の神が仕組んだ罠なのです」

茄子「鷲沢さんは、既に未来の部分を読みましたか?」

そう言うと文香は、静かに頭を横に振る。

文香「いえ……何回かは読もうと思ったのですが……」

茄子「今から先の事を読む、コレがアカシック・レコードの罠の発動キーです」

茄子「まずこの本の存在を知った時点で、人間には2つの道が残されます、信じるか、信じないか」

茄子「そこで神様は巧妙な罠を張りました、読むことは信じることという罠です」

茄子「一応神様と同等の能力、もしくはそれ以上の力があれば乗り越えることが出来るのです」

茄子「ですが大抵の人間には、この罠、いうなれば神様の力に対向する手段がない」

П「随分嫌な神様じゃないか、具体的にはどうなるんだ?」

茄子「『自分の意思で行動した』という自由意志を気付かれないように奪われ、神の傀儡になるっていうのが一般的ですね」

文香「まるで……洗脳ですね……」

茄子「そこでПさんの『心』の力、運命書き換え能力です」

П「あれ?そんな大層な能力だったか?」

ふうヤレヤレという顔でコチラを見てくる茄子、このアマ味噌漬けにするぞ。

茄子「良いですか?Пさん、あなたは言うなれば神様の意思を踏みにじり、やろうと思えば神様をも殺す事ができる能力を持っているんです」

П「回数制限があるけどな」

茄子「普通なら善業を積めば、神様を殺しても問題ないってのが破格の条件なんですよ?」

茄子「99.999999999%失敗しても、0.0000000001%の可能性がアレばこれから起きる事象を好きにできる、それがあなたの能力です」

茄子「世の中の出来事は無限に分岐していきます、そしてアカシック・レコードに書かれているのは、世界の分岐の一番大きい可能性の歴史」

茄子「それを根本から覆せてしまう、いうなれば全知全能と名のついた神様の威光を真っ二つに出来るのですよ」

そう言って誇らしげにドヤ顔の茄子、だから何でお前がドヤ顔なんだ。

そんな能力の人間のもとに好き好んでいるんだから、コイツも大概変人だなと思いつつ文香に向き直る。

П「へぇー、所で鷺沢さんとやら、誰に追われてるの?」

文香「何でも……アカシック・レコードによると……櫻井財閥とかいう企業……だそうで……」

П「へぇ、暇なのかね」

文香「それが……私の能力が欲しいらしくって……」

П「んでその企業は何処にあるの?そこ全部に隕石落と……事故で落ちればいいわけだろ?」

文香「……とてもじゃないけど、場所は多いから……」

茄子「それじゃあこうしましょう、貧乏神をあなたにつけます」

一瞬の間の後脳が混乱した、貧乏神をつける?何で?
世間一般的には、ここから茄子が敵に回るとかそんな感じは無かったはずだし、はてさてどういうことか。

茄子「あ、驚かないでくださいね、貧乏神は確かに引っ付いた人を不幸にすると言いますが、それは誰もお供えをしないからなんです」

茄子「なので、これから家に神棚を頼んで作って起きますので、神棚に味噌をお供えして下さい、多分見てないうちに減ります、そしたらまた追加して下さい」

П「へぇ、するとどうなるんだ?」

茄子「文香さんには特に効果が無いかもしれませんが、文香さんの能力を狙うもの、また攻撃意思を決めたもの全員がやることなす事並べて『全部失敗』ます」

П「それは恐ろしいな」

茄子「自分か他人を不幸にする、それ故に貧乏神は不幸の象徴、と言われているんですよ」

何でお前がどや顔なんだ、と思いつつ文香の方に向き直る。

П「一応俺も『鷲沢文香の自由を誰も妨げられない』と保険をかけておく」

文香「ありがとうございます……それで謝礼ですが……」

と聞いた当たりで、吹っかけてやろうかと思ったが、どうせアカシック・レコードである程度俺のことは読んできているのだろうから用意はあるはず。
となると、俺が面白く無い。

П「これから暫く夜の給仕手伝いを、茄子と手分けしてよろしく」

え、という顔をしてコチラを見る文香、恐らく少し重いくらいの金を持ってきてたんだろうが、それも無駄骨に終わって少し愉快。

П「グヘヘヘェ、オラァ他人が予想外にビックリして、嫌そうな顔をするのがでぇすきなんだァ」

文香「……まあ、そういうことなら……それに……Пさんの側にいたそうが安全そうだし……」

П「……」

そう言ってコチラの方を向いて、ニコリと笑う。
あ、コイツ無口で口下手なだけで、負けず嫌いで……俺が苦手なタイプだ。
そう考えると、意外と今回の報酬は失敗だったのかもしれない、畜生、腹いせに櫻井財閥の会社に隕石落としてやろう。

茄子「良かったですねーПさん、ハーレムですよ!ハーレム!」

俺は無言で茄子の腹を抓った、やっぱり俺は女が苦手だ。

貧乏神

背後霊みたいなもの、人に取り付き味噌を捧げないと不幸にするが。
味噌を毎日差し出すと、『人に攻撃意思を見せたもの、付け狙うものを絶対失敗させる』というご利益を出す。
実際は取り憑いた人間が失敗続きになって、貧乏になったという事から貧乏神と呼ばれている。
なので金を貪ったりはしない、年寄りなので味の濃いのが好きで味噌をそのまま食べるのが趣味。

隕石

1日に約23個陸に落ちているらしい、だが大抵は空気中で焼き切れる。
そして、たまに大きいのも大抵は海上に落ちるという。
一発の威力は小型でも、TNT数十〜百キロクラスとか。
これを悪用出来れば、それはもう酷いことになるでしょう。
『これから毎日会社を焼こうぜ?』

>>622
色々入力し忘れた…

今回はここまで

シューティングレンジしようぜ、的はお前の会社な!

>>623
おっつおっつ
アカシックレコードこわいなww
文香が授かったものはどんな神様の物なのか


丹羽ちゃん投下します
柚ぽんお借りしてますが、
時系列的には柚が人間界に来てからベルフェゴールと戦うまでの間くらいの想定


──とある街中──

二人組の覆面男が、大きな袋を抱えて銀行から飛び出してきた。どうやら銀行強盗であるらしい。
手には銃を持っているため、周囲の人間は迂闊に近寄れず、ヒーローかGDFの登場を待つしかなかった。

強盗「よし! とっととずらかるぞ!」

弟分「へい兄貴!」



「そこまでだ!!」



強盗らが逃走用に用意したと思われるバンに乗り込もうとしたその時、ビルの谷間に二人を制止する声が響いた。

強盗「な、なんだ!?」

弟分「兄貴! あそこ!」

強盗を含め周囲の人々が声の主を探していると、ある雑居ビルの上に馬に跨った人影を見つける。

「その方らの悪行、この目でしかと見届けたぞ!」

強盗「なにモンだ!」

「悪党相手に、名乗る名などない!!」


弟分「お、お前は……!」



仁美「天知る地知る瞳知る……武辺者ヒトミが居る限り、この世に悪は栄えない!!」ババーン!



弟分「誰だー!?」

野次馬「(自分で名乗ってるし……)」

強盗「おい、なんだかよくわからんが、今の内に逃げるぞ!」

弟分「へい!」

周囲の人間がざわめく中、ビルの上の人影が長ったらしい口上をぶっている間に強盗らは逃げていってしまった。


仁美「──さあ、この朱槍の錆となりたくなくば、神妙にお縄につけい!」

『おい! おい仁美!!』

ヒトミと名乗った少女が跨る馬が、彼女に話しかける。
話しかけるといっても、念話の類であるが。

仁美「んもうなによ松風! 今良い所なのに!」

松風『その松風っていうのヤメロっつってるだろ!』

松風『お前がワケのわからんことをぶつくさほざいてる間に、奴ら逃げっちまったぞ』

仁美「……エ? あああっ! アタシの登場シーンを無視するとは!!」

仁美「松風! 追いかけるよ!」

松風『やれやれ……』

松風と呼ばれた馬は、地上30メートル程の高さを一息に飛び降りると、逃げていった強盗の車を追いかけるのだった。


弟分「あ、兄貴ィ! さっきの奴が追いかけてきますぅ!」

強盗「へっ、高速に乗っちまえばこっちのもんだ」

強盗「いくら馬に乗ってるとはいってもさすがに追い付けまい!」

仁美「待て待て待て待てぇーい!」ドドドド

弟分「う、うわああ! 追い付いてきやがったぁ!!」

強盗「な、何だってんだ一体!? もっと飛ばせ!!」

弟分「これでも180km/hくらい出てんですよぉ!」

仁美「丹羽仁美! 推して参るーっ!!」


強盗「チッ……こいつは出来れば使いたくなかったが、仕方ねぇな!」

そう言うと強盗は後部座席からサブマシンガンを取り出した。
慣れた手つきで動作を確認する様子を見るに、どうやら素人ではないらしい。

強盗「てめえに恨みはねえが……死にな!!」

仁美「むっ!!」

強盗は銃を構え仁美に狙いを定めると、躊躇いなく引鉄を引いた。
仁美は銃を向けられている事に気づくと、手に持った長柄を高速で回転させる。
勝利を確信した強盗の予想に反し、撃たれた銃弾は全て弾き落とされてしまった。

仁美「飛び道具とは……卑怯なり!!」

強盗「ばっ、化け物めぇ!」

仁美「冗談! むしろアタシは化け物を狩る側よ!」

そうこうしている内に強盗と仁美の距離はどんどんと縮まり、ついに目と鼻の先にまで近づいた。


仁美「覚悟おぉーっ!!」

仁美は手に持った槍を大上段に振りかぶると、思い切り振り下ろす。

強盗「うわあああぁぁ!」

弟分「ひいいいいぃぃ!」

仁美の槍によって強盗らの乗っていたバンは、真ん中から縦に真っ二つに両断される。
制御を失った車はその場でスリップを起こし、道路脇の防音壁に激突した。
衝撃で中の強盗は気を失ってしまったようだ。

仁美「銀行強盗、討ち取ったりーっ!!」

黒煙を上げる車の傍で、仁美は勝どきを上げるのだった。


気絶した強盗を簀巻きにしてGDFに引き渡した仁美は、帰宅の途についていた。
街中を歩いていると、突然松風が何かに反応を示す。

松風『!? おい、仁美! 俺を外に出せ!』

仁美「エ? いきなり何言ってんの?」

松風『魔族の反応だ! どういうこった、魔王様は人間界にはあまり干渉しないってぇ話だったが』

仁美「魔族? まあいいや」

松風の話を聞いた仁美が槍を振りかぶると、穂先から黒いモヤが現れ馬の形を作った。

仁美「じゃ、案内してよ」

松風『こっちだ』


「んー、思ってたより見つけるのは簡単じゃないか……反応があっても、的外れの小物ばっかりだもんなー」

松風『あいつだ』

松風が反応したのは、人間にしか見えない少女だった。

仁美「ん? 魔族って人間と同じ見た目なの?」

魔族と言われても松風しか知らない仁美が疑問に思うのは当然だ。

松風『いや、そうとは限らねぇんだが……おいアンタ!』

「ん?」


当の少女は松風の念話に反応し振り返った。
やはり普通の人間では無さそうだ。

「柚に何か御用? ……って、シャドウメア!?」

自分を柚と呼んだ少女は松風の正体をも知っているらしかった。
どうやら魔族の一員に間違いないようだ。

松風『やっぱり、アンタ悪魔だったか……その雰囲気は死神か?』

ユズ「んー、昔は死神をやってたこともあったけど、今はちょっと違うかな」

松風『魔王様は人間界への不要な干渉はお許しにならない筈だが、どういうこった?』

ユズ「詳しくは言えないけど、その魔王様の密命を受けてここにいるんだよ」

松風『魔王様から!? どうやら、長い間魔界に帰らねえ間に、色々変わっちまったみてえだな』

ユズ「話が済んだならもう行ってもいい? アタシこれでも忙しいんだよね」

松風『そうつれないこと言うなよぉ! 久々に同郷のモンに会えて嬉しいんだよ』

ユズ「えー?」


松風の発言にユズは思案する。
正直、一秒でも時間が惜しいくらいだが、まだ日は高いので大罪の悪魔連中も現れないだろう。
それなら少しくらいは、この人間界に縛られているらしい魔族に付き合ってやってもいいだろう。

ユズ「じゃあ、どっかで座ろうか……ところで、そちらのあなたは何者?」

松風とユズのやり取りを見ていた仁美は、正体を聞かれて素直に答えた。

仁美「アタシは退魔士の仁美、一応この松風の主」

松風『だから松風って呼ぶな!』

ユズ「退魔士? ……シャドウメアの主?」


──何処かの公園──

ユズと仁美はその辺りの自販機で買ったお茶を飲みながら話し込んでいた。
松風は人目に付きやすいため、再び封じ込められている。


ユズ「ふーん、じゃあ、魔族は敵ってこと?」

仁美「アタシの祖先は魔族と戦ってたみたいだけど、ここ最近は見なくなったって」

仁美「アタシも松風以外の魔族を見たのは柚っちが初めてなんだよね」

ユズ「その割に、アタシを狩ろうとはしないんだね」

ユズ「(ただの人間にやられるとも思わないけど……)」

仁美「まあ、悪さしてないのに退治するのは気が引けるし……」

松風『ちなみに俺は、悪い人間に騙されてこいつの祖先と契約させられる羽目になったんだがな』


二人の話に松風が割って入る。

仁美「なによそれー、あなたが暴れてたからしょうがなく退治したって聞いてるけど?」

松風『人間の方から召喚してきて、んでこっちは契約通りの仕事をしたから代価を求めたら』

松風『「そんなの聞いてなかったー」って……んで退魔士がしゃしゃり出てきて俺のことボコってきてよぉ』

松風『よく悪魔が邪悪だとか言えるわ! お前ら人間の方がよっぽど邪悪だわ!』

仁美「そりゃあなたが代価の事教えないのが悪いんでしょうが!」

仁美「どうせ後になって突然魂寄越せとか言い出したんでしょ」

松風『だって聞かれてねーし』

仁美「人間の取引には説明義務ってのがあるの!」

松風『俺ァ人間じゃねぇよ!』


ユズ「(なんだかんだで仲良いのかな……? 魔族は大抵人間を見下してるものだけど)」

ちょっとした皮肉の応酬を聞きながらユズは思った。


松風『ま、お前が押っ死ねば晴れてこのクソッタレな契約も解消されるワケだがな』

仁美「100年くらい生きてやるから!」

松風『お前みたいな跳ねっ返り娘が退魔士なんて続けてもどうせすぐくたばるのがオチだよ』

仁美「なにをーっ!」


二人が本格的に言い争いを始めようとしていると、何処からともなく悲鳴が聞こえてきた。
カースの反応ではないため、人間の悪人か宇宙犯罪者の類だろう。

仁美「っ! 行くよ! 松風!!」

松風『チッ……しょうがねえな!』

仁美「いきなりで悪いけど、アタシらは行かないと! またね柚っち!」

松風『久しぶりに悪魔と話せて楽しかったよ、機会があればまた会おうぜ!』


ユズ「(魔王様の言う、人間と魔族の共闘か……)」

ユズ「(あの二人を見ていると、それも夢じゃないって……そんな風に思えるな)」

遠のく二人の背中を眺めながら、ユズはそんなことを考えるのだった。


丹羽仁美(18)

職業:学生・時々退魔士
属性:かぶき者もどき
能力:人並み以上の身体能力

ヴァンパイアハンターとも呼ばれる魔族専門の退魔士の末裔。
時代劇好きが高じて歴史に興味を持っており、古代の武将や城が好物。
また、度々時代がかった言い回しを使う。
本業は異形の者を狩る事だが、勧善懲悪モノの時代劇の影響により、
人々に害をなす存在は進んで倒す、いわゆるヒーローのような立ち位置にいる。
ちなみに、彼女が振るう得物は先祖代々受け継がれてきたハルバード。


松風

職業:仁美の使い魔
能力:全速力でも延々と走っていられる

光りを通さない漆黒の体毛と、闇の中で光る真紅の目が特徴の、シャドウメアと呼ばれる馬型の魔族。
仁美からはある有名な武将の愛馬である『松風』の名前で呼ばれているが、本人は嫌がっている。
かつて人間界に現れて暴れていた際、仁美の祖先に敗れ主従の契約を結ぶことになってしまった。
その契約の効力は、丹羽の血筋が途絶えるまで有効。
普段は仁美の持つ槍に封じられているため、戦闘の際に外に出て走り回れるのが嬉しいらしい。

投下終わりです

いつかアヤカゲとセンゴク☆ランブ結成して欲しくて書いた
ただ最近の敵役の強さ的にどこまで通用するか…

なんという怒涛の投下ラッシュ
乙乙です

地下ネタ使って書いてたら丁度設定掘り下げられててびびった
アカシックレコードと都の能力、絡ませると面白いことできそう
センゴク☆ランブ、好きなコンビなので何か考えてみようか・・・

学祭三人娘と、奏と菜帆、二連発で投下するよー!

「・・・はぁ、またダメだった・・・」

夕暮れ時の公園を、とぼとぼ歩く少女が一人。

「もうこれで九件目かぁ・・・いよいよ後がなくなっちゃったよ」

アイドルになりたい、と息巻いて家を飛び出したまでは良かったが、両親が折れる条件として提示したのは、「受けるオーディションは十件まで、それで駄目なら戻ってこい」というものだった。

「十件ぽっちで拾ってもらえるほど甘い業界じゃないとは思ってたけど・・・実際目の当たりにするとヘコむ・・・はぁ」

後が無い焦りと緊張で、数をこなせばこなすほどアピールが下手くそになっているのを自分でも感じるくらいだ。

このままでは次のオーディションも良い結果は残せそうにない。

「・・・あーダメダメ、こんな悪いイメージ持ってちゃ上手くいくものも失敗しちゃうよ!気合入れなおさないとッ!!」

ふんす、と心機一転、次こそ合格だッ、と気合を入れたその瞬間のこと。ふっ、と少女の真上から影が差す。

「・・・ん?」

日が暮れるにはまだ早いよね、っていうか周りまだ夕日が照らしてるし。何事かと上を見上げると、

「わわわっ、どいてどいてえええええええっ!!!」

「え、ええええええええええええっっ!!!」

親方、空から女の子が!!いや、親方って誰よ!?

「「ふぎゅっ!!?」」

哀れ少女は突如現れた謎のもう一人の少女の下敷きに。

「ちょっと伊吹、何やってんすか・・・うわっ、ホントに何やってんすかっ!!?ちょ、大丈夫っすか!?」

二人が目を回した所に、飛んできた少女の様子を見にきたらしい少女が血相を変えて駆け寄って来た。

私もかつては優秀な退魔士だったのだが、膝に矢を受けてしまってな

もし西洋漫画カブれだったら、ハルバード突撃で松風の命がマッハでしたね…

「ほんっとーにゴメン!!大丈夫!?たんこぶとかできてない!?」

「だ、大丈夫ですから・・・俯いて歩いてたアタシも悪いんだし・・・」

「まったく、チョーシ乗って無茶な跳び方するからこうなるんっすよ・・・えっと、忍ちゃんでしたっけ?遠慮なく怒っていいっすからね?」

アイドル志望の少女は、工藤忍。空から降って来た少女は、小松伊吹。その様子を見にきた少女は、吉岡沙紀。

ひとまず自己紹介を終えたあと、伊吹がひたすら謝りたおし、忍がそれをなだめ、沙紀が伊吹をつつく、という光景がしばらく続いていた。

「・・・この辺にしときましょうか、キリがないっす。それで、忍ちゃんはなんで俯いてたっすか?」

と、沙紀が話を切り替えようと話題を振った。静かに目を伏せ、忍がそれに答える。

「え、っと・・・アタシ、アイドルを目指して、上京してきたんです。でも、両親に『十件目までに事務所が決まらなかったら諦めろ』って言われてて・・・さっき、九件目で、落ちたんです」

「ふーん・・・崖っぷち、ってワケだ」

伊吹に改めて口にされ、忍がぎゅっと拳をにぎる。意識させてどうすんっすか、と沙紀がぺしり。

「痛っ。・・・でもさ、それって考えてみれば絶好のチャンスじゃん?」

「チャンス、っすか?」

訝しげな眼で聞き返す沙紀に、伊吹は得意げな笑みを浮かべて答える。

「そ、大チャンス。後が無いってことはさ、言い換えれば『力を残しておく必要がない』ってコトでしょ?思う存分全力でアピールできるんだし、これ以上ないチャンスじゃん?」

前向きすぎるでしょソレ、と沙紀がツッコミを入れるが、その言葉は不思議と忍の胸を打った。

(・・・そっか。今まで、多分心のどこかで『失敗しても次があるし』って、無意識に力を抜いちゃってたのかもしれない)

「・・・ありがとうございます。なんか、ちょっと気分が楽になりました」

そう言って微笑む忍を見て、沙紀と伊吹が思わず口を噤む。

「あ、あれ?どうか、しましたか・・・?」

何か変なこと言っちゃったんだろうか、そう思ってうろたえる忍に、

「・・・いや、良い笑顔するなぁ、と」

「ソレ見せれば、次は絶対受かるって!良かったじゃん、チャンスとそれを活かせる武器、どっちも持ってるんじゃん忍ッ!!」

「わ、わあっ」

しみじみ呟く沙紀と、思いっきり抱きついてくる伊吹。

「って、冷たっ。うわ、忍めっちゃ体温低いじゃん!?」

「・・・あ」

しまった、と忍の顔が青ざめる。そうだ、ここは故郷みたいに『受け入れられる』場所じゃない、もっと警戒するべきだったのに・・・

「ん、ホントだ。ひやっこくて気持ちいいっすねー」

「どーなってんのコレ、凄い冷え性?いや、それでもここまで冷たくはなんないか」

「・・・え、あれ」

気味悪がられてしまう、と身構えた忍だったが、二人の反応は先ほどまでと至って変わらず、平静そのものだった。

「あ、伊吹伊吹、忍のほっぺた凄いやわらかいっすよ」むにっ

「んーどれどれ・・・おーホントだ、お餅みたい」むにゅー

「うぇ、わ、ひゃめへーっ」

しばらく茫然としていた忍だったが、二人にほっぺたをいじられ始めると、我に返ってじたばた抵抗する。

「あっはは、そんな暴れないでよ忍ー」

「うりうり、こうっすか?これがいいんっすか?」

「ひゃっ、はらひへっ、ふはいほおーっ」(やっ、離してっ、ふたりともーっ)

しばらくそのままほっぺをおもちゃにされ、ようやく解放された忍は頬をさすりながら二人を問い詰める。

「変だと思わないの?これだけ身体が冷たいって、異常でしょ?」

「んー、つってもアタシそういうの慣れっこだしねー」「えっ」

「今のご時世、ちょっと変わってるくらいじゃそこまで驚くほどでもないっすし」「えっ」

どうしよう、聞いてたのと違う。都会だと『アタシたち』みたいなのって受け入れられないっておばあちゃんたち言ってたのに。

「っていうか、人に言えない秘密くらいは誰でも持ってるもんでしょ?アタシも地上生まれじゃないし」

「・・・ん、地上?」

「あー、伊吹は地下の出身らしいんっす。昔に地底に潜っていった人たちの子孫だとかで。つっても、アタシ以外は誰も信じてないみたいっすけど」

「・・・喋っちゃったら、『人に言えない秘密』じゃないんじゃ」

「細かいことはいーのよどうでも。要は聞いた相手が気にするかどうかでしょ?アタシは忍が何者でも気にしない。っていうか、さっきの笑顔見たらそんなんどーでも良くなるって」

「っすね。あれにやられないヤツがいたら、それこそどうかしてるっすよ」

「それは・・・」

ぼそりと忍がつぶやくと、周囲の気温ががくりと下がる。

急な肌寒さに伊吹と沙紀が身を震わせると、忍の姿が見当たらない。


「・・・アタシが『妖怪でも』、同じこと言える?」


ぞっとするほど冷たい声が、二人の背後から聞こえた。振り向くと、いつの間にか和服姿になった忍が、周囲に雪をちらつかせながら立っていた。

「おー、早着替え?やるじゃん忍ー」

「見た感じ雪女さんっすかね。いやー、なかなか和服も似合うっすね、忍」

「あっれー」

おかしい、なんでこの人たちこんなに順応性高いの。

「言ったっしょー、慣れっこなんだって。アタシもこんなことできるし」

そういった伊吹は、その場でジャンプすると、『空中を蹴り上げて』さらに跳び上がる。

「よっ、ほっ、とっ」

二度、三度、空中で『まるでそこに足場でもあるように』自由自在に跳び回る。

「・・・どうやってるの、あれ」

「伊吹いわく、『空気を固める能力』らしいっす。足場を作って、あぁやって跳び回るんっすよ。アレを取り入れたダンスは結構見ものっすよ」

気前よくバク転まで決めて着地する伊吹。忍が呆気にとられていると、

「じゃー次は沙紀の番ね」「ん、了解っす」「まだ何かあるの!?」

傍らに置いてあった鞄からスケッチプックとペンを取り出すと、さらさらとイラストを描いていく沙紀。

「・・・よし、出来た。見てるっすよ・・・」

ものの数十秒で犬を描きあげた沙紀が、その絵を忍と伊吹に向けてみせる。すると、

「・・・わ、え、動いた!?」「相変わらずやるもんだわねー」

なんと描かれた犬の絵が動きだし、ページの中を駆け回りだしたのだ。

「『描いた絵を動かす能力』。普段はもっとでっかいキャンバスにでかでかと描くんっす。結構な迫力で評判良いんっすよ」

骨を描き足して絵の犬にあげながら、沙紀は誇らしげに胸を張る。

「・・・なんか、都会って結構寛容なの?」

「都会でなくても、今の時代これくらいはフツーでしょ、フツー」

「変に身構えることないんっすよ。忍は気にしすぎっす」

わしゃわしゃ、と二人がかりで頭を撫でられ、少しくすぐったそうにする忍。

「そうだ、良かったらダンス見てあげようか?アドバイスできるトコあるかもしんないし!」

「ストリートのダンスとアイドルのダンスはまた別モノだと思うっすけどね・・・」

「こら沙紀ー余計な茶々入れるなー」

初対面で、なおかつ自分の正体を打ち明けて、それでもここまで親身になってくれて。

(・・・次のオーディション、負けられない。私だけじゃない、この二人のためにも)

ここまでしてもらって、すごすご田舎に引き返したんじゃ、申し訳が立つ筈がないじゃないか。


「アタシッ!!」「ぅわ」「ひゃっ」

「アタシ!絶対、次のオーディション、受かってきますッ!!だから、その時は・・・またここに、二人に会いに来てもいいですかッ!!?」


忍は、大声で宣誓する。それを聞いた二人は。


「・・・当然っす」「なんだったら、十一件目以降もサポートしてあげるわよ?」


微笑みを浮かべる沙紀と、少し意地悪を言って、それでも優しい目で見つめる伊吹。

「・・・ありがとう、二人ともっ。アタシ、がんばってくるからッ!」

その二人の姿に勇気をもらい、忍は笑顔で決意を新たにする。




数日後、泣きながらやってきた忍が「合格した」と二人に伝えると、「「紛らわしいことするんじゃない」」とくしゃくしゃになるまで撫でくり倒されるのだが、それはまた別のお話。

忍ちん和服も似合いそうだよなーとか、生まれが違っても育まれる友情っていいよね、とかそんな感じで
いぶきちSRおめでとう!

続いて、悪魔二柱をどうぞ

「・・・んふふー、美味しいです〜♪」

「・・・ホント、幸せそうに食べるのね」

とある喫茶店の奥まった席に、二人の少女の姿があった。

いくつも並べられたケーキをかわるがわる頬張り、そのたび幸せそうな吐息を漏らす少女は、海老原菜帆。

その向かいに座り、菜帆が幸せそうに食べる姿を見て微笑んでいるのが、速水奏。

『菜帆ちゃん菜帆ちゃん、次はこっちなんかどうですか〜?』

「相性ばっちりみたいね。安心したわ、ベル」

『えぇ、ばっちりですよ〜。アスモちゃんもひとくち、どうですか〜?』

片や、『暴食』を司る悪魔『ベルゼブブ』とその依り代。片や、『色欲』を司る悪魔『アスモデウス』。

それが、一見普通の高校生に見える少女たちの正体である

基本的に他の悪魔との接触を嫌うアスモデウスだが、今代のベルゼブブとは妙にウマが合った。

『強欲』のマンモンと『傲慢』のルシファーは、どこまで行っても自分本位で、他者に興味が無い。他を惹きつけてこその『色欲』とは反りが合うはずもない。

『怠惰』のベルフェゴールも、己を磨くことに興味がない者にこちらが興味を持てようはずもない。

『嫉妬』のレヴィアタンに至っては、向こうからして敵愾心を隠そうともしないのだ。もう何年も顔すら見ていない。

そして『憤怒』のサタン。衝動を抑えて生きるなど、何が楽しいというのか。気に入る気に入らない以前に、『そもそも考え方が理解できない』。

その考えに則れば『暴食』と『色欲』は最悪の相性ではないのか、と思うのが普通だろう。

しかし、よく食べるということは『豊穣の証』と捉えることもできる。豊かであればこそ、生物はより多くの子を成すことができ、それによって繁栄していく。

そうした『多産の象徴』としては、ふくよかな女性が頭に浮かぶことが多いだろう。すなわち、『色欲』と『暴食』は、程度さえ考えれば決して相性が悪くはないのだ。

お互いをベル、アスモちゃん、と呼びあい、たまにこうして顔を合わせてお茶をする。そんな関係が何年も前から続いていた。

「魔界の食べ物に飽きたから出てくる、って聞いたときはちょっと驚いたけど。菜帆さん、だったかしら?ずいぶん好相性な人間がいたものね」

『あ〜、アスモちゃんちょっと意地悪な目してる。だめですよ〜、菜帆ちゃんは私のですっ。あげませんよ〜』

「心配しなくても取らないわよ。ただちょっと残念なだけ」

依り代の少女、菜帆から漂う17歳とは思えない色気に、もう少し早く見つけていれば、とアスモデウスが悔しさを感じるのも無理はないだろう。

きっと彼女とも相性は悪くない。『力を与えるのに調度いい相手』だったろう。

『それにしても、やっぱりアスモちゃんは大変ですね〜。ぜんぶ自分自身で動かなきゃいけないなんて』

・・・そう、決して『依り代』としてではない。

「仕方ないわよ、『そういう力』なんですもの。私自身に『相手を惹きつける』のだから、自分が前にでるのは当然でしょ?」

考え方の他に、他の大罪の悪魔とアスモデウスとの大きな違いは、ここにあった。

憑依することができない訳ではないが、色欲の権化たるアスモデウス自身でなければ、発揮される『魅力』はどうしても本人よりも数段劣ってしまう。

そのため、人間界に居る六柱の中で、彼女だけは『悪魔の本体』がこちら側に居ることになる。

『ベルフェちゃんが追い払ったらしいけど、死神さんがいつ戻ってくるかはわからないしね〜』

「気づかれたら、真っ先に私が狙われるでしょうね。一切手加減する必要がないんだもの、全力で」


それでも、彼女には負けるつもりは無かった。

視線を自分に釘づけにして、あらゆる攻撃を一点に惹き寄せて、その攻撃はカースでも盾にしてやりすごせば良い。

「自由に動き回れない戦いって、面倒らしいわよ?」

『怖い話ですね〜』

視界が動かせないだけでも、十分な枷になる。『色欲』と相対するとは、そういうことなのだ。

「・・・さて、私はそろそろ行くわ。ベルの元気そうな姿も見れたことだし」

『え〜、もう行っちゃうんですか〜?』

「そうですよ〜、ケーキひとつも食べてないじゃないですか〜。美味しいですよ〜?」

二人がかりで引きとめられるが、やんわり手をあげて断る。

「しばらく前に『分けてあげた』子、すっかり浄化されちゃってね。新しい子を探しに行きたいの」

『むむむ、そういうことなら引きとめるのも悪いですね〜。行ってらっしゃ〜い』

「がんばってくださいね〜」

「・・・ふふっ、あなたにもそう言ってもらえるなんて嬉しいわ。それじゃ、また会いましょう」

コーヒーの代金をテーブルに置いて、今度こそアスモデウスはその場を立ち去る。



(・・・まだ完全に同化はしていない、か。試す価値はありそうね)

店を出て、大通りへと歩きだしながら、彼女は『菜帆』を改めて品定めする。

(『暴食』と一体化しながら、『色欲』の欠片を注ぎ込まれる。ふたつの『罪』を背負った人間は、一体どうなるのかしら?)

完全な一体化に至る前ならば、恐らくそれは成功するだろう。しかしアスモデウスは、その結果世界がどうなるのかには、やはり全く興味が無い。

(・・・ふふっ、お気に入りの子を取られたとき、ベルはどんな顔をしてくれるのかしら・・・うふふっ)

築き上げられた信頼関係から、相手を奪い去る。そうして訪れるだろう絶望に歪んだ『友』が浮かべる表情を思うと、ゾクゾクとした感覚に愉悦が止まらない。

色欲の悪魔の思う『友情』は、やはりどこまでも歪んだものなのだった。

以上でごぜーますよ

いかん、奏さんが思った以上にド外道になってしまったww
うっかり『人間界での姿』って設定に書いちゃったらこうなったでござる

おっと、学祭三人娘の設定張り忘れてた

工藤忍(16)

職業:アイドル候補生
属性:妖怪/雪女さん
能力:吹雪を起こしたり気温を下げたり

北国の妖怪と人間の共生する郷からやって来た雪女さん。
幼い頃からあこがれていたアイドルになるため奮闘中。
上手くいかずに落ち込んでいたときに出会い励ましてくれた沙紀と伊吹を慕っている。

小松伊吹/イブキ(19)

職業:ストリートパフォーマー
属性:アンダーワールド出身/元ジェントルマン
能力:空気の圧縮凝固

アンダーワールドの貴族の生まれだが、地底の作りものの空に嫌気がさし、コネを駆使して地上へ抜け出してきた。現在はストリートパフォーマーとして活動中。
空気を圧縮して固めることができる能力をもっており、それを足場にしたアクロバティックなダンスが得意。
ただし、あくまでその場に固めるだけなので戦闘能力は皆無。足止めにはなるか。
凛から偏光コンタクトを譲ってもらっており、普段は偏光グラスは使わない。

吉岡沙紀(17)

職業:高校生、兼、ストリートパフォーマー
属性:一般人
能力:描いた絵が動きだす

描いた絵を動かすことができる能力を活かしたパフォーマーをやっている高校生。
伊吹とはお互いに失敗したところを遠慮なくつっ突きあえるライバルさん。
あくまで平面上で動き回るだけなので、こちらも戦闘向きの能力ではない。落とし穴とか描くとハメられはする。

イブキって聞くとホイッスルっぽいので変身しそう(響鬼感)

貴族の子弟でしかも能力者まで外に出てるとかアンダーワールドの人的資源はもうボロボロ

>>655
コジマは……まずい

そして人々は空のゆりかごに逃げるんですね

>>657
クレイドルを落として人類種の天敵と呼ばれるアイドルが現れるんです?

この時間に人いないかもしれないが投下します

木場さんお借りします!もしなんか矛盾とかありましたら指摘お願いします!

マナミ「やはり、まだ手掛かりはないか」

龍帝キバ…いや、木場真奈美は魔王サタンの呪いの解呪方法を探していた。

自分のせいで彼は死にそうなのだ。速くしないといけない……

必死で探すがまだ見つからない。

マナミ「虱潰しに探すしかないか」

頭を片手で抑えながら、そうぼやいていた。






『〜〜〜〜〜〜〜』

「暴風よ!大いなる我が力に従い、全てを薙ぎ払う驚異で、死神の鎌の如く、我が敵を斬り裂け!サイクロンスライサー!!」






マナミ「!?」

龍言語魔法と魔術の詠唱。

マナミが龍の翼を出し防ぐのと、黒炎の渦と暴風の凶刃がぶつかり合ったのは同時だった。

マナミ「……誰だ?」

???「やっぱりこの程度では傷一つつかないわね。わかるわ。そして、妬ましいわ」

真奈美が翼で身を固めながら、睨むようにその声の主を睨んだ。

そこには、二匹の蛇がいた。恐らくは先程の攻撃はこの蛇がやったのだろう。

だが、真奈美に一つの疑問がうかぶ。

−−−何故?何故コイツは龍言語魔法を使える?

だが、この蛇と言葉から正体はわからないが、誰かを理解した。

マナミ「レヴィアタンか……」

レヴィアタン「ええ、そうよ。だけど、私が誰かわからないのね」

マナミ「訳をわからないことを言うな。まるで、私がお前を知ってるみたいだな?そして、お前は私の事を知ってるみたいだな」

そう言いながら爪を具現化させ、警戒する。

恐らく、この蛇を操ってる本体がいるはずだが、その姿が見えない。

それに嫉妬を司る悪魔に龍言語魔法など使えない筈だ。そもそも龍族でない魔族には使えない筈……

レヴィアタン「わかるわ。忘れるはずもないわ!!もっとも妬ましく、憎いお前らを…貴様を……!!」

レヴィアタン「龍帝……キバ!!例え姿が変わろうが、忘れはしないわ!龍族と魔族で呪われた子と言われた私を受け入れてくれ、憧れた貴方達を。……だけど、貴様らのせいで私は……≪私≫は!!」

蛇は吠える。もっとも妬ましく憎いモノの一人!龍帝に!!

マナミ「!?……お前はまさか……」

レヴィアタン「だけど……今は貴様を殺さないわ」

思い当たる節があるのか、真奈美の顔は驚きを隠せていなかった。

思い当たる節があるのだ。
昔、魔族からも龍族からも虐げられてた一人の混血を…

それと同時にドロリと二匹の蛇が溶けていく。

レヴィアタン「お前らの希望を消し、絶望に叩き込む。それが私の復讐よ。もっとも妬ましく憎い……憧れてた貴方達への…」








わ か る わ ね ?







水面に走る波紋が如く、そう言い残し、レヴィアタンの気配は完全に消えた。

マナミ「待て!くっ…気配が完全に消えた?いや、それより希望を消す?まさか……」

痕跡が完全に消えたその場所を見ながら、木場真奈美は嫌な予感をぬぐいきれなかった。

思い浮かべるは自分の我が子と友人の娘。


また少しずつ、蛇は這い寄ってくる。


終わり

川島瑞樹/レヴィアタン(肉体年齢28)

職業・悪魔(悪魔と龍の混血)
属性・嫉妬を司る悪魔
能力・呪詛 魔術 龍言語魔法 蛇操作

七つの大罪の一つ『嫉妬』を司る悪魔『レヴィアタン』の人間での姿。正確には、中学教師・川島瑞樹の肉体を無理矢理乗っ取ったもの。

見た目は美しい女性だが、その本性は邪悪。
人間の劣等感や羨望に漬けこみ、嫉妬心を掻き立てる言動をもちいて、争いを起こす人間達の姿を見るのが趣味である。

カースを産み出す事は勿論。呪詛をもちいて嫉妬心を掻き立て人間、カースなどを暴走させる。

どうやら、魔王と龍帝に深い嫉妬と憎しみを抱いてるようだ。
彼らの希望……昼子と薫をジワリジワリと狙う。

現在はエンヴィー……加蓮が残した未完成の嫉妬のカースを暴走させ、その様子を観察しているだけにとどめている。
だが、死んだはずの龍帝キバの気配を感じ取り、少しだけ抑えてたモノが外れ、手を出しに行ってしまう。

どうやら、そのカースに昼子と薫を狙わせようとしてるようだ。

嫉妬の証は、不明。


ぞくっときたが微妙に読みにくいからもうちょい二重表現避けとかしたほうがいいかも

以上です

うーん……どうしてこうなった?
何か矛盾点ありましたらお願いします。
ついでに、レヴィアタンの嫉妬と憎しみの原因は、他の方が決められるようにぼかしています。
ですから戦争前でも戦争中でも二人に憎しみを抱かせられるぼかしをいれときました。

川島さんはどこに向かってるか私にもわからないわ

>>671
あぅ……わかりました

文章能力難しい……頑張ります

>>670
おっつ

なんとなくだけど、憤怒Pがヤバそうな雰囲気なんだよな
川島さんも竜帝狂わせた本人てわけじゃなさそうだし

>>675
まあ、一応どっちにも転べるようにはしました

前スレで予約期限は1週間と取り決められていたけど、現在期限切れの予約はあるかな?

渚ちゃんと洋子さんが期限切れしていますね

ままゆたゃんで予約していたものですが今日中には無理そうなので明日か最悪明後日までには投下しようと思います
すみません、ご迷惑をおかけしますがなにとぞお待ちしていただけるようお願いいたします

>>684
わかりましたー

次のレスから投下します

聖は望月家の自室で思い澄ましていた。
光を心を救った、ヒカリ。

それは木漏れ日のような優しき暖かさを持った少女。
「高森藍子」についてだ。

聖「(負の感情を……浄化する能力……)」

聖「(感じた……希望の息吹を……)」

聖「(あの能力は、彼女本来が持つ能力…?)」

聖「(それとも……誰かに授けられた能力…?)」

聖「(私にも…わからない…)」

聖「(…けれど)」


『必ず守るから』


———優しく、そして力強い意思

———彼女ならきっとヒカルと共に

———この世界を導いて…

黒猫(雪美)「…すぅすぅ」

藍子の優しき能力を間近で感じ取っていたせいだろうか。
雪美は望月家に戻るなり、猫の姿に変化し安心したように眠っている。

そんな姿を見て、聖は願った。
ささやかだけど、確かな。
未来の世界でも、そんな幸せが存在していることを。

こんこん。
自室のドアが叩かれる音がする。

聖「…どうぞ」

がらっ…

礼子「調子はどうかしら?」

聖「だいぶ…良くなりました…」

この日、聖は雪美のわがままで人間の本分である学業を放棄し学校を欠席していた。
欠席の理由を「この世界」での母親である礼子には体調不良と伝えている。
まさか猫がワガママを…なんて理由にもならない。
何故なら礼子は普通の人間だからだ。

聖「ペロと一緒に……薬局にも行けましたし……」

けれど、実はこの「薬局」というのは外に出るために使った口実。
実際はヒカルの危機を感じ取り、その場所へ向かうために望月家を出たわけだ。
しかし、手ぶらで帰宅するわけにもいかないので一応薬局にも出向き、栄養剤を購入してから帰宅した。

礼子「それなら良かったわ」

礼子「今日は精力のつくジューシーな料理を作ってあげるから…」

礼子「きっと明日には元気に学校へ行けるわよ♪」

精力のつく料理…
ニンニクやウナギだろうか?
ニンニクもウナギもあまり好きな方では無い…

聖「……楽しみ、です」

けれど、聖の聖女たる性格ゆえか。
礼子に批判をあげることは出来なかった。

———その翌日、とある学校の屋上にて

人間界での「三好紗南」ことベルフェゴールは今日も変わらずフェンスに寄りかかってゲーム機の画面と見つめ合っていた。
しかし、昨日までとは少し違う。
それはゲームをプレイしてる屋上の場所だ。

昨夜、ベルフェゴールはサタン直属の死神であるユズからの襲撃を受けた。
自分にはもう関わるなと、念を押してはおいたが彼女の目的は自分の魂を狩ることだ。
同じ場所に留まっていては、いつまたゲームの邪魔をされるかわかったものじゃない。
わりとお気に入りの場所だったのだが、二度と見つからないように仕方なくこうして別の学校の屋上へと移ってきたわけだ。

雪菜「襲撃を受けたのはわかったけど、なんでまた学校の屋上なのぉ?」

今日もまたベルフェゴールが携帯ゲームをプレイしてる姿を眺めている「井村雪菜」ことルシファーが疑問を呈する。

紗南「良いじゃんさー。あたしがどこでゲームしてようが」

紗南「てかさー、ルシファーさんはなんで今日もあたしに会いに来てるの?」

紗南「なんかフラグ立っちゃってる?」

雪菜「うふ♪あなたの魔力なら、私の考えていることぐらいわかるでしょ?」

対象相手の思考の読み取り。
魔力によって対象の情報を獲得することが出来るベルフェゴールには造作も無いことだが、面倒だから正直自分の口から手短に用件を伝えて欲しいのが本音だ。
しかしゲームを一人静かに再開するには、それを伝えるよりも自身が思考を読み取った方が早いと判断し、仕方なくルシファーの思考を読み取る。

すると間もなくして二つの情報が、ゲーム機の画面に表示された。

紗南「……1つは用件でもなんでもないね」

ベルフェゴールが面倒くさそうに息を吐く。

雪菜「そんなことないわよぉ!」

そんなベルフェゴールの締まらない態度にルシファーはわざとらしくふくれ面を見せる。
しかしベルフェゴールはそんなルシファーに見向きもせずに言葉を続ける。

紗南「あたしさ、天使様にだって興味無いんだよ?」


———天使様


本来「三好紗南」が通っているはずの中学校に転校してきた望月聖のことだ。
ベルフェゴール達、悪魔とは因縁を持つ存在だがベルフェゴールはルシファーに指摘されるまで、その存在が自身のすぐ近くにあったことすら知らなかった。
最も、知ったところでルシファーみたいにちょっかいかける気も無いのだが。


紗南「そんなあたしがさ〜」

紗南「———お姫様なんてバグに興味を示すと思う?」

雪菜「———情報は多い方が良いでしょっ♪」

偶然か否か。
ベルフェゴールが新たなお気に入りの場所を探して辿り着いた学校の屋上。


———それは悪姫ブリュンヒルデが学生として通っている中学校の屋上だった

紗南「試す気にもならない攻略情報なんていらないよ」

雪菜「まぁ、サタンの娘ってだけで「怠惰」を司る貴女からすれば興味の対象外よねぇ」

その通りだ。
努力や鍛錬を謳うサタン、ましてやその娘など「怠惰」からすれば致命的なバグ。
不愉快なこと極まりない。

雪菜「けど、そんな貴女が今回サタン直属の死神に襲撃されたっていうんだから面白いわよね♪」

雪菜「真逆に生きているからこその宿命かしらねぇ♪」

ルシファーはまるで愉快とも言わんばかりの態度だ。

紗南「たのしそーでなにより」

紗南「あたし、さっさとゲームしたいから次の用件行くよっ」

ルシファーのその態度に苛立ちを覚えたのか、はたまたやはり面倒だから相手にしないだけなのか。
ベルフェゴールはルシファーの言葉を軽く流して次の話へと進める。
二つ目の情報だ。

雪菜「あ、そうそう。重要なのはそっちの方なんだけどぉ、どうかしら?」

ルシファーは悪びれる様子も無くベルフェゴールに問いかける。

紗南「まっ、このぐらいの協力プレイならしても良いよ」

雪菜「あっ、ホントぉ?」

雪菜「うふ…話せるわねぇ、ベルフェゴール♪」

紗南「けど、終わったらもう帰ってよね?」

雪菜「わかってるわよぉ♪」

ルシファーの二つ目の用件。
重要とは言うが、この用件はベルフェゴールの話を聞いて、その場で思いついた頼み事。
本来はブリュンヒルデとベルフェゴールの接近に興味を持って、この学校に訪れただけだった。

紗南「7492045+P」

ベルフェゴールが魔力を集中させコマンドを唱える。
目の前の対象の情報や一部の情報のみの再生には必要は無いが、ベルフェゴールはコマンドを唱えることで一度「見た」対象の情報の「全て」を再生することが出来る。
その能力によって、再生された対象の情報。


———それは昨夜ベルフェゴールと相見えた死神、ユズの情報だった


ゲーム機の画面にはユズの全身像が映し出され、その能力、性格、喋り方、軌跡に至っては昨夜ベルフェゴールを襲撃し敗北したことまでもが事細かに記されていた。
ベルフェゴールはダウンロードを完了すると同時に、その画面をルシファーに向かって差し出す。

雪菜「ふんふん…」

ルシファーはその画面をまじまじと見る。
すると何かを確認したあと、その一瞬でまるで謀をめぐらしたかのような表情しながら肩にかけているポシェットの口を開いた。

紗南「もう良いの?」

雪菜「容姿と性格と喋り方がわかれば充分よぉ♪」

ルシファーがポシェットの中に手を入れる。
中から取り出された物、それはピンクのルージュ。


———そして「傲慢」の証である、手鏡だった

雪菜「たったそれだけの情報があれば女の子は素敵に大変身ってね♪」

そう言い終わると同時に、ピンクのルージュを唇に引き、その姿を手鏡に映し出す。
手鏡に姿を映し出した瞬間、恐らく瞬きをする間も無いほどの時間だったであろうか。


「その魂狩らせてもらうよ!なーんて!へへっ♪」


———手鏡に映し出され、その場に存在していたのは「死神ユズ」の姿

———ではなく「死神ユズ」に「メタモルフォーゼ」した「ルシファー」の姿だった


紗南「あたしの前で声や喋り方まで再現しないでよー」

ユズ(雪菜)「うふ…貴女のその不満気な反応見る限り、今回の変身(メイク)もキマってるってことでいいかしらぁ♪」

ルシファーは普段の喋り方をしながら、ユズの姿で満足気に笑う。

ルシファーの頼み事。
それは死神ユズについての情報を自身に提供してもらうことだった。

紗南「キマってるかどうかは自分が一番よくわかってるんじゃない?」

ユズ(雪菜)「こういうのは他人の意見が大切なのよぉ」

ユズ(雪菜)「でもぉ…」

ルシファーは自身の服に付いていたバッチを手に取り、魔力を送る。

ユズに変化したルシファーは彼女の服装までもを完全再現していた。
その服には、いつも彼女が身につけてい二つのバッチまでもがしっかりと付いている。
しかし、ユズの持つバッチはただのバッチでは無い。
彼女の武器である杖と鎌を持ち運びやすくする為にバッチにしたもの。

自身が所持する武器の変化は、その術者の魔力を込めたからこそ。
他の者がユズのバッチに触れても、それはただのバッチでしかない。
解除するには術者の魔力が必要であり、見た目だけの「虚飾」の存在には不可能である。


———しかし


ユズ(雪菜)「———私になれない姿なんて存在しないんだけどね♪」


———あろうことか、ルシファーが手にしたバッチはユズが所持していた、鎌そのものへと変化をした

———ルシファーの「メタモルフォーゼ」

———それは自身の見た目を変化させるだけでなく、その変化の対象の性質さえも手にする能力。


紗南「納得の出来ってことね」

紗南「けど、その姿、あたしからのレビューは酷評だよ」

紗南「満足したなら早く帰ってくれない?」

これでルシファーの用件は終わりだ。
それが済んだのなら、ベルフェゴールからはもう話すことも無い。
ましてや、ゲームの邪魔をした死神の存在の姿が視界に映るのは不愉快だ。
一刻も早くゲームだけに集中したいからこそ、ルシファーにそう言い放つ。

ユズ(雪菜)「へへっ♪わかってるってば♪」

ルシファーはわざとらしくユズの喋り方で、ベルフェゴールの言葉に応える。
流石のベルフェゴールもその態度に思わず眉間に皺を寄せてしまう。

すると、ルシファーは変化を解除し「井村雪菜」の姿へと戻る。

雪菜「ただの冗談じゃなぁい♪そんな怖い顔したらお肌に悪いわよぉ♪」

雪菜「これでもちゃんと感謝してるのよぉ♪メイクのレパートリーを増やしてくれてありがとっ!」

別に感謝されてるされてないはどうでもいい。
死神に化けて何を企んでいるのかとかも興味が無い。
早く帰って欲しい。

紗南「…間違っても、死神さんの姿になって、あたしに会いに来ないでよねっ」

紗南「能力使わないと、あたしだって本物か偽物か見分けがつかないんだから」

雪菜「うふ…わかってるってば♪」

雪菜「それじゃあ、またね!」

ルシファーはその場から姿を消す。
気配が完全に消えたのを確認して、ベルフェゴールは深くため息をついて…

紗南「なんだかあたしの運のポイント、低くなってる気がするなぁ…」

そう小さく呟く。

ベルフェゴールがそう呟いてしまうのも無理は無い。
少し前までは静かに学校の屋上でゲームをして1日を過ごすだけの毎日だったのに、それが急変してしまったからだ。

以前のお気に入りの屋上には、望月聖が転校してきて…
ゲームショップで魔力を使用したら死神に目を付けられ…
あまつさえ新たに移動してきた屋上は忌み嫌うサタンの娘、悪姫ブリュンヒルデが生徒して通う中学校の屋上…

紗南「(お姫様がいるってことは、死神さんの監視下でもあるかもしれないしね…)」

紗南「(見つかるのも時間の問題っぽいなぁ…)」

紗南「(まぁ、またマップ移動するのは面倒だし、ギリギリまで粘るつもりだけどね)」

紗南「(乱入お断りの警告もしておいたし!)」

紗南「(けど、それでもまたあたしのゲームの時間に乱入してきちゃったその時は、気は進まないけど…)」


———データの破損

———それぐらいされても文句は言えないよね?

おわりです

雪菜さんがユズちゃんに変身出来るようになりました
これをどう悪用するのかは自分でもまだ考えてないので、どなたか拾ってくれても嬉しいです

乙ー

なんだろう……川島さんが蛇を出して警告出してきそうな光景が目に浮かんだ

にしても傲慢の証は鏡かー。傲慢だからどんな姿でどんな事もできるみたいな感じなのかな?

ベルセブブ「あれ〜?私だけ強者オーラ出てませんね〜」モグモグ
菜帆「そういうのもありますよ〜」モグモグ

終わりです。
ユズと強欲の王は最悪の相性だったよね。正直。
>>581

>まだだ。魔術だけでは勝てない
にワクワクして我慢できなかった。

>>717
乙ー

歩く自然災害かそれ以上に被害を出して、裕美ちゃんマジ苦労人

おつおつ
イヴも魔翌力を考えると大罪悪魔と相見えても問題無いかもしれないね

しかしこれ桃華ちゃまが黙ってないんじゃなかろうか

各方面で色々動きがある中、日常っぽいの投下するよー!
奈緒ちゃんとみくにゃんお借りしてますー

「もーお姉ちゃんってば、心配しすぎだよー」

「しすぎて困る心配なんてないの。それに急がなくても映画館は逃げないって」

週末。普段は家で過ごしてもらっている——心苦しくはあるが、お母さん達に相談するのも憚られたし、転入の手続きとかで面倒が起きてもアタシでは対処できないだろう——莉嘉を連れて、二人で映画館に向かっていた。

最近よくCMを見かけるアニメ映画に興味津々らしく、繋いだ手を引っ張って、早く早くと急かしてくる。

もしもまた事故にあったら、と考えてしまって、莉嘉と出歩くときはいつも手を繋いでいる。莉嘉は過保護だとちょっと不満そうだが、これだけはどうあっても譲る気はなかった。

「映画館が逃げなくても、ゆっくりしてたら映画始まっちゃうじゃーん」

「まだまだ時間あるってば。むしろ早くつきすぎてもヒマでしょ?」

しばらく前に別の映画を見に行ったとき、張り切りすぎて一時間も前に到着してしまって、近くの喫茶店で時間を潰すことになったのを忘れたとは言わせないよ?

「むー、そんなことない、も・・・ん・・・・・・ッ!?」

頬を膨らませてぶーたれていた莉嘉の表情が突然曇ったのは、そんな他愛ない会話をしていた時だった。

急に立ち止まり、不安そうな目で周りを見渡す莉嘉。

「・・・莉嘉?どうしたの?」

「・・・っ、あ・・・お、ねえちゃん・・・」

ぎゅっ、と手を強く握り、体にしがみついてくる莉嘉。その視線の先を追うと、変わった服装の——失礼な言い方だとは自分でも思う——女の子がいた。

大きなヘッドホン、左手にはギプス。アタシたちの後ろから、こっちに向かって歩いてくる。

「・・・ん?」「・・・あ」

目が合った。それはそうだろう、前を歩いていた人がいきなり立ち止まって自分のことをまじまじ見つめてきたら気にもなる。

「・・・ッ!!」「え、ちょっ、莉嘉ッ」

と、突然莉嘉が手を離すと、その女の子にむかって飛びかかった。

「うわっ、いきなり何すんだっ!?」

ひょい、とそれをかわす女の子。その拍子にヘッドホンがずり落ち、その下にあったものが見えた。

「・・・ネコ耳?・・・いや、そうじゃなくって!莉嘉ッ、いきなり何、やって・・・」

「なっ、ネコミミじゃねえ、虎だッ!・・・って、お・・・?」

一瞬あっけにとられたが、すぐに我に帰って莉嘉をたしなめる。そして、律儀に突っ込みを入れてくれたネコ耳(トラ耳?)少女と共に、莉嘉の姿を見て言葉を失った。


「・・・フーッ、フーッ・・・!!」

まるで野生の猫がするような威嚇のポーズを取る莉嘉。その手首から先が、鋭いツメを備えた猫・・・いや、こっちこそ虎か、のソレに変わっていた。いつの間に生えたのか、ご丁寧に耳まで変わっている。


「・・・ッ、うああああっ!!」

大声をあげ、トラ耳少女に再び襲いかかろうとする莉嘉。

「なッ、莉嘉っ、やめなさいっ!!」「ったく、何なんだよさっきからッ!!」

アタシの声が聞こえていないのか、静止も聞かずに飛びかかる莉嘉と、身構えるトラ耳少女。

「————あーもう、こんな昼間っから、しかも街なかで何やってるのにゃっ!!」

その間に、いきなりもう一人、ネコ耳を生やした少女が現れた。

瞬きする間に、本当に突然現れた少女は、莉嘉の振りおろそうとしたツメをこともなげに受け止め、そのままくるりと背後に回って、莉嘉をはがいじめにしてしまった。

「っく、離せッ、んッ、ううううううっ!!」

「だーもう落ち着くにゃこのじゃじゃ馬子猫!!怖いのはわかるけど、あの子はにゃんもする気はないにゃ!!」

じたばた抵抗する莉嘉ともみくちゃになりながら、なんかにゃあにゃあ言いながらそれをなだめようとするネコ耳少女。

「・・・・・・えっと、とりあえず、妹がご迷惑を・・・」

「え、あぁ、うん・・・・・・え、何なんだコレ・・・」

短時間でいろんなことがありすぎて、呆気にとられたアタシとトラ耳少女は、うーにゃーうるさい二人をしばらく黙って眺めていた。

とりあえず落ち着いて話をしよう、と近くの公園のベンチにやってきたアタシたちは、お互いに一通り自己紹介をした。

トラ耳ギプスの女の子は、神谷奈緒。ネコ耳のにゃあにゃあ言ってた子は、前川みくと言うそうだ。

「・・・で、莉嘉チャンだったかにゃ?いくらなんでもいきなり襲いかかっちゃ駄目にゃよ?奈緒チャン、別に悪い子じゃにゃいんだから」

「・・・みくは、アタシ見ても怖がらないんだな」

「全く怖くないわけじゃないにゃ。にゃんかすっごいのが中にいるのはわかるけど、奈緒チャン自身が悪い子に見えにゃいから平気なのにゃ」

そう言って、尻尾をふりふり屈託なく笑うみく。猫の獣人らしい——聞いたことはあったが、実際会うのは初めてだ——みく曰く、悪いこと考えてる人はなんとなくわかるらしい。

猫の獣人ってみんなそうなの、と聞いてみると、これは修羅場くぐってきたみくの特技にゃ、とドヤ顔で答えられた。

「・・・なんか、そうやって受け入れてくれたヤツ、久し振りだ」

奈緒ちゃんの方は、「あんまり人に話すことじゃないから」と多くのことは教えてくれなかったが、『普通』の人間ではないらしい。

莉嘉やみくが言うには、「中に何かがいる」らしいんだけど、アタシにはさっぱり何のことやら。動物のカン、みたいなもんなのかな。

「ふふん、みくはフレンドリーな猫チャンなのにゃ♪・・・んで、問題はにゃ」

色々苦労してきたらしい奈緒ちゃんとみくのあいだに仄かな絆の芽生えを感じながら、アタシたちは一斉に莉嘉の方を見る。


「・・・莉嘉チャン、いい加減、手もとに戻すにゃ」

「・・・どうすればいいか、わかんない」


どうやら、莉嘉の居た世界は『獣人が住む世界』だったらしく、莉嘉は虎の獣人なのだという(みく調べ)。

虎と猫の違いって何なの、と聞いてみると、フィーリングだから説明しろっていわれても無理にゃ、と目を逸らされた。イマイチ頼りないなぁ。

奈緒ちゃんの中に居る『何か』から危険を感じて、本能的に爪を出してしまったみたいなのだが、そもそも自分が獣人だったことも忘れていたこともあって、なかなか戻らない。

「あー、アタシ離れてた方が良いか?本能的にビビってるっていうんなら、アタシが近くにいるとマズいんじゃ・・・」

「・・・ううん、だいじょうぶ。奈緒さんが怖い人じゃないっていうのは、アタシもわかったから」

嘘をついている風には見えないし、しばらく話しているうちに奈緒ちゃんに対する苦手意識は克服したみたいだった。

それでも元に戻らないってことは、記憶喪失の弊害は思ったより深刻らしい。

「・・・んー、だったらこう考えてみるにゃ。その手のまま、美嘉チャンと手を繋ぐ。するとどうなるにゃ?」

「えっと・・・お姉ちゃん、爪で怪我しちゃう?」

「そうにゃ。莉嘉チャン、それは嫌にゃ?」

「・・・うん」

「だったら、元の手をイメージするのにゃ。また手を繋げるように・・・」

「・・・あっ」

すっ、と、瞬きをする間に、莉嘉の手が元通りに戻った。ほっと一息、胸をなでおろすと、莉嘉が飛びついてくる。

「やった、やったよお姉ちゃん、アタシの手、元に戻ったよっ」

「わかった、わかったからはしゃがないの。ちょっ、くすぐったいってば」

ぐりぐり、と頭を押しつけて甘えてくる莉嘉。みくと奈緒ちゃんの微笑ましそうな視線が余計にくすぐったい。

「みく、ありがとうね。多分アタシだけだったら莉嘉を止められなかったし、元に戻すこともできなかった」

「にゃんのにゃんの、同じネコ科の獣人のよしみにゃ。・・・そうにゃ、良いこと考えたにゃ!」

ぴこん、と猫耳と尻尾を立てて手を叩くみく。良いこと?

「みくが莉嘉チャンの先生になってあげるにゃ!爪の出し入れの他にも色々と、覚えておいて損はないはずにゃ!」

「あー、確かに。でも良いの?みくも色々やることあるんじゃ・・・」

「まぁその辺はお互いに時間のあるときを話しあえ、ば・・・あれ、時間?」

はて、と首をかしげて腕時計を見るみく。次の瞬間、ぶわっ、と尻尾の毛が逆立った。

「に゛ゃっ!?ヤッバいにゃ、完璧に遅刻にゃぁ!!み、美嘉チャン、とりあえず連絡先だけ教えてにゃ!!」

「え、あぁうん、ちょっと待って・・・・・・ハイ」

鞄から手帳を取り出し、メモに携帯の番号を書いて千切って渡す。

「サンキューにゃ!!みくこれからお仕事だから、終わったらまた連絡するにゃぁぁぁぁぁ・・・!!」

そう言い残して、みくは猛ダッシュで去って行った。残されたアタシたちはしばらくぽかんとしていたが、

「・・・あれ、時間と言えば。あ、あー、もう上映開始時間とっくに過ぎてる・・・」

隣で時計を見た奈緒ちゃんがそう呟くと、アタシたち姉妹もはっとする。

「どーしよお姉ちゃん、アタシたちのももう始まっちゃってるよー!!」

「・・・次の時間まで、どっかでお茶してよっか。えっと・・・次、13時15分からかぁ」

スマホで上映時間を調べて呟くと、ぴく、と同じくスマホをいじっていた奈緒ちゃんが反応する。


「・・・もしかして、『キサラギ』?」

「え、奈緒さんもアレ見に行くんだったの!?」


どうやら、お目当ての映画が一緒だったみたい。

一緒に時間を潰して、隣のシートで映画を観終わるころには、二人はお互いに「奈緒ちゃん」「莉嘉」で呼びあうくらいに仲良しさんになっていた。

R+の衣装を元に、莉嘉ちゃんには虎の気持ちになってもらったですよ
そしてパッと思いついたこの世界で映画やってるアニメはこれしかなかったんや・・・w

「……ありがとう」

それでも、不思議と嫌悪感を感じない。

…後日、みくに言ったら、

『それが友達ってやつだにゃ!』

と、得意気な顔で言われたのだが、割愛。

「んぐんぐ…はぁ、それじゃあそろそろ戻りましょうかー」

『お財布持って今度こそ食べ歩きだよ菜帆ちゃん!』

「ですねー。あ、その前にびぴっとしちゃいましょー」

二人の意見が固まると、菜帆がスマートフォンを取り出してきた。

ニュアンスから察するに、赤外線によるデータ通信だろうと思い、最近日菜子に持たされたスマートフォンを取り出す。

「ぴぴっと……もう一回ぴぴっと……はい、これで大丈夫ですよー」

『何かあったらよんでねー、ギブアンドテイクならばっちし手伝うよー』

「…ええ、任せなさい」

「じゃーそれではー」

『またねー!』

…そうして、この奇妙な『友達』達は帰っていった。

「……帰りましょう」

その前に、またシュークリームを買わなければ。











「……………………………………………」


ほとんど売り切れだった。




続く?

「流石に相手が悪かったみたいですねぇ」

とある河川敷に、その少女は居た。

「魔力管理人に魔法使い、ですかぁ……なかなか面白いことになってますねぇ、むふ♪」

今も、そちらを見れば氷と炎がぶつかりあっている。

「ちょっと早いですけど、一応ノルマは満たしてますよねぇ、王子様?」

「……そうですねぇ、こればかりは生まれないとどうなるかわかりませんからねぇ……むふ、むふふ♪」

「強欲な王様が集めた『七罪』、全て混ざりましたからぁ、さしづめ……えーと?」

「……むふふ、そうですねぇ♪それがいいと思いますよぉ♪」




「ーーー『原罪』……むふふ♪」




そう、わらう少女の後ろには、七色のグラデーションに幾何学模様の、普通ならあり得ないはずのカースの核が横たわっていた………

「原罪の核」

『強欲の王』の核をベースに、七罪全てのカースの核が何らかの力により融合して誕生したカースの核。
何が生まれるかは不明だが、核自体の硬度は通常のカースの核とは比べ物にならないくらい硬くなっている。

投下終了。

毎回投下するたびにミス連発するの直したいorz

という訳で、のあさんに友達ができる+以前上がっていた原罪ネタを使わせて頂きました、何かあればスルーでも大丈夫です;

そして酉をどうするべきか…大丈夫そうなら戻しますが…うーん

多分、大丈夫じゃないかな?

俺も歴史ネタ一つ浮かんでる

適当に挙げた原罪が拾われるとは思わなんだ

カミカゼの続き書きあがったんで投下ー
菜々と夕美と嫉妬の蛇龍を借りたよ

 今回の敵は蛇だった。
 八つの目を持つ、冗談のような大きさの蛇。
 しかしよく見るとその表面は細かく蠢き、無数の蛇の群体であることが分かる。

 拓海はいつも通り、変身からの先制ドロップキックを放つが、バラリと解けてかわされる。
 カミカゼは着地しながら内心で毒づく。
 細かく、多く、素早い。肉弾戦を主とするカミカゼにはやりにくい相手だ。

 鋭い突きを放つが、軽くかわされる。それどころか、蛇が腕を這い上がり締め上げてくる。

カミカゼ「ぐうっ」

 蛇を引き剥がそうと掴むが、なかなかうまくいかない。
 それどころか次から次へと蛇が這い上がろうとするので、カミカゼは一旦飛びのいて距離をとり、蛇の胴を引きちぎって難を逃れた。
 蹴りも同様にして反撃され、カミカゼは迂闊に攻撃をすることができなくなる。

 蛇が体の一部を分けて体当たりしてくる。かわすために動くと、足元に這いよってきた蛇がその足の下に潜り込み、故意に踏み潰されて泥の体でカミカゼの体勢を崩す。
 すかさず先ほど動かなかった本体が突っ込んでくると、今度はかわせずに弾き飛ばされ、地に伏せる。

 カミカゼが息を整える間も無く、四方八方からやってきた蛇は四肢に胴に這い、巻き付き、締める。
 カミカゼは苦悶の声を上げてのたうち、腕を脚を地に叩きつけて蛇を潰し、どうにかこうにか再び立ち上がる。
 勝てなくとも他のヒーローが駆けつけるまでの時間稼ぎはしなければ……カミカゼは逃げることなく蛇と対峙し続けた。







 あれからどれだけ経っただろうか。
 今日に限ってよほど忙しいのか、はたまたカミカゼが居ると知って任されたか、一向に加勢するものは現れなかった。
 数えるのも馬鹿らしくなるほどに転ばされ、締められ……肩で息をし、足を引きずるようになったカミカゼは、もはや初撃の体当たりすらかわせない。

 これで止めとするつもりなのか、蛇は大口を開けて突進してくる。
 丸呑みにするようにして覆いかぶさり、そのまま息の根を止める腹積もりなのだろう。

カミカゼ(くそがっ! こんなとこで死ぬわけにはいかねえんだよ、何か無いのか!)

 その時、焦るカミカゼの脳裏に一つのイメージが湧き上がった。
 考える暇は無い。カミカゼはそのイメージのままに動く。
 腕を交差させて鎖骨の辺りに触れる。肩の装甲が開いて、中からライトが顔を出した。

カミカゼ「ギガフラッシュ!!」

 強烈な光が辺りを包んだ——



 パリン、と音を立ててライトが割れると光は消え、眼前にまで迫っていた蛇は跡形も無く蒸発していた。
 余波に巻き込まれてアルファルトまで融けて煌々と赤く輝き、標識やガードレールが変形しているのは見ないことにした。

拓海「……あっ」

 変身を解き、帰ろうとして拓海は気づく。
 そこにはボロボロになったばかりかライトが弾けとんだバイク。
 戦闘が長引いたためすっかり日が暮れ、街灯が灯っている。

 無灯火で走って切符を切られるヒーローを想像する。
 ……拓海は痛む体でバイクを押して帰った。

 それから三日後、拓海は普段よりもバイクを速く走らせていた。
 蛇と戦った日、バイクの破損で美世に文句を言われた。
 戦いの後に歩き通しとなった上、帰り道に何度もナンパされて気が立っていた拓海はついつい強く言い返し、そのまま喧嘩になった。

 喧嘩のことを思い出すと湧き上がる腹立たしさと、まだ仲直りができていないことのモヤモヤした感情が、バイクの速度を上げさせる。
 見えてきたカースは割かし小さかった。人と同程度といったところか。
 まあ、大きくとも小さくともやることは変わらない。

 いつもより強烈なキックが、いつもより軽いカースを吹き飛ばし、着地を決めて名乗りを上げようというところで、カミカゼの目にはそれが映った。
 水平に飛んでいくカースの向かう先、交差点から人が飛び出し、ぶつかり、巻き込んで転がり、そのまま爆発した。

??「ナナちゃーん!?」

 マスクの下で、拓海の顔面にはだくだくと汗が流れた。

 時間を少々遡る。

菜々「今回も付近に居るアイドルヒーローはナナ達だけです!」

夕美「最近こういうケース多くない?」

菜々「それはまあ、皆さん各所に散らばってますから。アイドルの仕事が多いのはいいことなんですけどね……あ! 反応が急激に移動します! 逃がしませんよ!」

 言うが早いか菜々は交差点へと躍り出た。ウサミン星の問題を先延ばしにしていることへの罪悪感故か、最近の菜々はヒーロー活動に今まで以上に積極的な感がある。

夕美「ナナちゃん、急に飛び出すとあぶな……」

 夕美の忠告は間に合わず、飛んできたカースが菜々に激突した。

菜々「へぶっ!?」

 ごろごろと、カースと共に転がっていく菜々。
 夕美から十分に離れた位置で、それは唐突に爆発した。

夕美「ナナちゃーん!?」

 悲鳴を上げて菜々の元へと駆け寄る。
 幸い菜々に目立った外傷は無かったが、目を回して「ウサミン星が見える……」としきりに呟いている。
 夕美がカースの飛んできた方を確認しようと振り返ると、そこにはすぐそばまでやってきて変身を解き土下座している拓海の姿があった。







 とあるビルの一室、椅子に座る拓海の向かいにはスーツの男が一人。

男「えーと、カミカゼ改め向井拓海さん、はじめまして。僕はアイドルヒーロー同盟でプロデューサーとしてアイドル活動のサポートをしている者です」

 名刺を差し出す。

男「早速本題に入らせて貰いますけどね、今回貴方のやったことで菜々に怪我は無かったものの、大事をとって検査入院ということになってしまいました。
  カースとの戦闘も撮れず、仕事の予定もキャンセルすることになって、結構な損失が出ています。貴方にその損失を埋めるだけの賠償はできますか?」

拓海「いや……無理だ」

男「でしょうね、正直言うと支払い能力は初めから期待していませんでした。
  かといって損失を埋めなくていいというわけでもありません、ではどうすればいいか分かりますか?」

拓海「……臓器売るとか、風呂に沈めるとか」

男「まさか、今時ヤクザだってそんなことはそうそうしませんよ」

拓海「じゃあどうしろってんだよ」

男「アイドルをやってみませんか?」

拓海「は? ……アタシがか?」

男「他に誰が居るというのですか。在野の人気ヒーローがうちでアイドルになってくれれば、補填なんてすぐに終わるでしょうね。
  あ、一応断ることもできますけど、その場合法廷で争うことになりますよ。
  今すぐに決めろとは言いませんが、決心がついたら名刺の連絡先に一報下さい」

 用件を告げ終わると、拓海は早々に返された。どうすべきか考えつつ歩いて行くと、いつの間にか美世のガレージに辿り着く。
 僅かばかり迷った後に足を踏み入れると、美世はいつも通り作業中だった。
 そういえば喧嘩の最中だったことを思い出し、美世に背を向けて座る。

拓海「……なあ、美世」

美世「……なに?」

 美世の手が止まる。

拓海「その、なんだ。こないだは悪かった、気が立っててよ、つい強く言い過ぎちまった」

美世「ありゃ、今回は随分折れるのが早かったね。やっぱやらかしちゃって凹んでるの?」

拓海「おま、知ってんのかよ!?」

 座ったまま振り返ろうとした拓海を、美世が後ろから抱き締める。

美世「そりゃ、誰かさんがいつもより飛ばしてたのは、あたしとの喧嘩が原因だったみたいだしね」

 ぐりぐりと、拓海の頬を人差し指で捏ねながら言う。

美世「それに、拓海があそこに所属するなら当然スーツのこととか聞かれるでしょ? あっちはもう調べてたらしくてさ、あたしのとこにも話がきたよ」

拓海「お前もアイドルにってか!? やらかしたのはアタシだけだろ、美世に責任は……」

美世「あーるーでーしょー? 喧嘩の原因はあたしにもあったんだから」

拓海「でも、お前は今の仕事が……」

美世「なに、全部一人で抱えちゃう気? 相棒だと思ってたのあたしだけ? ちょっとくらい頼ってよ」

拓海「……わりぃ、あと、ありがと」

美世「じゃ、決まったことだし早速連絡入れよっか」

 こうして、アイドルヒーロー向井拓海とメカニックアイドル原田美世が誕生することとなった。

    了

——次回予告——

美世「アイドルになることが決まった拓海とあたしは、慣れないレッスン毎日クタクタ。
   でも、疲れ果てた状態でも分かるくらい露骨に夕美ちゃんに避けられてる。
   やっぱり菜々ちゃんの件で嫌われてるのかな?

   次回の特攻戦士カミカゼは、
   『先輩、後輩』です!
   覚悟、完了!」

——この番組は、株式会社DeNAとアイドルヒーロー同盟、ゴランノスポンサーの提供でお送りしました——

拓海と美世の所属が正式にアイドルヒーロー同盟に


・ギガフラッシュ
 肩装甲に格納されているライトから熱と光を放ち前方を焼き払う大技
 ライトが壊れるので一変身に一度限りの切り札である

 メガス○ッシャーをモチーフにしたかったけど胸装甲を手で開くのは女としてどうなの……ということで今の形に

投下終了

Q.どうしてカミカゼが倒した時だけ爆発するの?
A.特撮補正

乙ー

ななー!?

嫉妬の蛇やれたん?(川島さんが動き出そうとしながら

>>759
個人的には殺っちゃったつもりだけど、完全に確認はできてないから実は最初から1、2匹別の場所に退避してて地道に再生とかしてもいいんじゃないかな

>>760
なるなる。わかりましたー

珠ちゃん書けたよー!
そして勢いのまま投下するよー!!

京都。古来より霊的な力を多く有するが故に、それを狙う妖怪どもの暴れまわることの多い街。

『・・・ったく、えらく気前の良い歓迎会だなァ、えェ?』

「到着して早々に・・・いや、これも修練、そう考えましょう」

その外れに、両手に収まらない数の『鬼』の群れと対峙する少女が一人。

『相変わらずクッソ真面目だこって。そんなんだからいつまでたってもちんちくりんのまんまなんだよ』

「なっ、今背の話は関係ないでしょうが!!それに珠美はちびっこちゃうし!!」

この場に居る下級の鬼どもには、言葉を理解し操る程の知能を持つものはない。ならば、彼女は一体『何』と言葉を交わしているのか。


『ま、それに関する口論は後回しだわな。・・・オウ珠美、ちゃっちゃと片付けるぞ』

「・・・ですね。この程度で、『小早川のお嬢さま』の手を煩わせるのも忍びないです。一気に決めますよ、西蓮(さいれん)」

———声は、少女の背に負われた『太刀』から発せられていた。


自身の体の半分以上の大きさの太刀を、事もなげに抜き放ち構えるは、妖怪退治屋『脇山家』八代目当主、珠美。

ぎらり、と刀身から妖しい輝きを放つ意志持つ刀は、かつて人の身にありて『鬼』と恐れられた武人の魂を宿す妖刀、西蓮といった。

はるばる九州より、このところ妖怪どもの活動の活発化した京都で修練を積むためにやって来た二人は。


「・・・ふっ!!」

『・・・何でぇ、京都の妖怪っつーのも大した事ァねぇんじゃねえか?』


一跳び、一振りで、殴りかかって来た数多の鬼を撫で切りにして見せた。

鬼たちは、自身が斬りつけられた事にも気付かないまま、妖気の塵となって消えていく。

『・・・・・・まァ、馬鹿じゃねェのも一匹いたみたいだがなァ』

ただ一匹、離れた場所に胡坐をかいて鎮座していた、10mはあろう群れの長を残して。

豆粒ほどの小娘風情、どれほどの物かと楽観視していた長であったが、瞬きする間に群れの鬼が尽く姿を消すのを見て考えを改めたらしい。

ずしん、と大地を揺るがす衝撃とともに立ち上がると、巨体に見合わぬ俊敏な動きで拳を珠美に叩きつけにかかる。

ぐらり、と立ち上がる際の地響きで体勢を傾いだ珠美に、この一撃を避けられようはずもない。群れの長たる自分にかかれば、『退治屋』とてこの程度よ。


「——————えぇ、全く。大馬鹿者も居たものです」


そう呟く声が、長の頭上から降り注ぐ。

馬鹿な、と天を振り仰げば、曇天を背に大太刀を構え中空に躍り出る少女の姿。


『あァ、手前ェの腕を駆け上がられたことすら気付かねェたァよ。よくそれで群れの長なんぞ務まったモンだ』


重力という『至って常識的な力』を味方につけ、ぐんぐんと落下速度を増しながら『常識を超越した存在』たる鬼に肉薄する少女と大太刀。

ぐっ、と一層強い力で珠美が柄を握りなおし、大きく振りかぶると——————


「『 ち ぇ す と ぉ ぉ ぉ ぉ ォ ォ ォ ォ ォ オ オ オ オ オ オ オ ッ ッ ッ ! ! ! 」』


裂帛の雄叫びと共に一閃、振り下ろす刃は、鬼の巨体を真っ二つに引き裂いた——————

「———やぁ、お手紙にあった以上の技の冴え、お見事です」

いつの間にやら、番傘を片手にその様子を見ていた紗枝は、思わずそう漏らした。

九州の退治屋の筆頭である脇山の家から手紙が届いたのは、一週間ほど前のこと。

『この度家督を次代に譲ることとなったが、未だ16の若輩ゆえ、京都で実践修行をさせたい。ついては、小早川の補佐役としてこき使ってやって欲しい』との内容に、紗枝は正直なところ助かった。

七大罪の悪魔が活発に行動しだした影響か———京都に居る紗枝には知る由のないことではあったが———京都でも妖怪の襲来が頻繁に起こるようになっていた。

一体一体は紗枝にとっては取るに足らない小物ばかりではあるが、あまりにも件数が多い。

たまにふらっと周子が遊びにきても、おちおちお茶のみ話もしていられないのだ。人手が増えれば、ある程度はそちらと分担することで少しは楽になるだろうか。

「これは、思った以上に上手いこと事が運ぶかもしれませんなぁ・・・」

『少し』どころではない。荒削りではあるが、そこそこの大物も任せて問題ないくらいの人材がやって来たようだった。



『・・・・・・おゥ珠美、いい加減立たねえか?さっきからそこでお嬢じーっとこっち見てンぞ』

「・・・ちゃ、着地の衝撃で、足が、痺れて・・・・・・・・・いたい」

「・・・・・・あらぁ」

『締まらねェなァオイ・・・』

・・・問題、ないだろうか。

脇山珠美(16)

職業:妖怪退治屋
属性:剣士
能力:剣術(一撃必殺系)

表向きは剣道家として知られる九州の妖怪退治屋『脇山家』八代目当主。
ただし、西蓮の所有の為に肩書だけを継いだ形であり、実務面は先代である父が担っている。
紗枝ほどではないがかなりの才覚を秘めており、特に剣術に関しては自身の身の丈の2/3ほどもある大太刀の西蓮を手足のように扱うほど。
現在は修行の一環として京都で紗枝の補佐をしている。

西蓮(さいれん)

かつて『鬼』と呼ばれた武人の魂が宿った、刃渡り1m弱もあるかなり大ぶりな妖刀。
かなり荒っぽい性格で珠美とは口喧嘩が絶えないが、『当主しか振るう事が許されない』という決まりのために先代に無理を言って家督を譲らせるなど実力は認めており、実戦になると息はピッタリ。
鋼の如き強い意志が反映された『決して欠けず、曲がらず、折れない』という特性を持ち、妖怪の体をも豆腐のように易々と切り裂く。

せっかく珠ちゃんちっちゃいし得物をでっかくしよう

どうせだから喋らせよう

どうしてこうなった・・・

というわけで、九州で鬼と呼ばれた武将を使ってみました。
・・・地元的には若林さんなんだよなー・・・・・・(汗

あいさん投下します

「それで、依頼とは?」

時計の針は午後5時を回り、俄かに光量の落ち始めた人工太陽の下、一組の男女が
アンダーワールド首都のカフェの個室で向かい合っていた。
二人の纏う雰囲気は間違っても恋人達のそれではなく、一定の緊張を保って互いの腹を探り合う
ビジネスのものと見えた。完全防音のVIPルームを選んでいるのも機密保持のためだ。

「例のはぐれウサミンと、能力者の女……ご存じでしょう」

「ある程度はね」

女は、スラックスを履いた長い足を組んで紅茶のカップを口に運ぶ。

アンダーワールドは農耕には向かない土地だが、大規模な植物工場によって安全な食料の供給が
行える。この格別の芳香を漂わせるダージリンも工場産のものだ。
遺伝子組み換えによる品種改良と内部環境の完璧な調整によって、ものによっては地上産よりも
高品質な代物を生産することも可能である。

ただし、紅茶のような嗜好品は生産コストの問題からかなり値が張る。
ある程度以上の安定した所得のある者でなければ、紅茶を嗜む趣味は楽しめないだろう。

「どこの組織にも属さず、地上にはびこるカースを浄化していると聞いている。結構なことだと思うが?」

「市井の者の感性からすればそう感じられるでしょう……いえ、失礼」

己の失言を自覚してか、男は慌てて非礼を詫びた。
目の前の女性がシビリアンではないことを失念していたのだ。

「構わない。私もシビリアンの理屈で語るべきでなかったのは了解しているよ。似合わないからね」

カップをソーサーに置いて、女は意地の悪い笑みを浮かべる。

「……それで? 貴方がたは、この無法者のアウトレイジに何を依頼したいのかな」

アンダーワールドの『アウトレイジ』——アイの瞳に、切り込むような光が差す。

高度な科学技術を発展させ、地底に一大文明を築いたアンダーワールドといえど、よろずダーティな仕事を
請け負うフリーランスの傭兵が廃業に追い込まれることはなかった。

どんなに有能で清廉潔白なオーバーロードの治世であろうとも、地方自治権を認められたジェントルマンと
領民のシビリアンの摩擦は絶えることがなかったし、利権亡者の評議員が対抗勢力の中心人物の暗殺を
依頼することも多々あった。

同業者に縄張りを荒らされたスカベンジャーが不届き者にきついお灸を据えてくれと言ってきたり、
アウトレイジの集団——地上ではギャングとかヤクザとか言ったか——同士の抗争に介入することも
少なからずある。

アウトレイジは市民権を持たず都市に住むことを許可されていないが、彼らは都市の登録IDを持たない分、
非常に身軽な身体とも言える。
そうした人間は悪事を働くのに向いているし、他人の悪徳を肩代わりしてやることで、平均的な
シビリアンと同等かそれ以上の収入も得ることができる。
真面目に働いたところでろくな仕事はないし、市民権とシビリアンの身分を買うまでに何年かかることか。

アウトレイジであるアイがこうして紅茶を嗜むことができるのは、彼女が傭兵として成果を挙げて
いるからに他ならないのだ。

「単刀直入に言えば、その女——奥山沙織を捕らえて頂きたい。できるだけ無傷で」

「……ふむ、生け捕りにしろと? 暗殺ではなく」

「それが出資者の意向ですから」

「出資者、ね……」

「ウサミン星人は殺してしまっても構いません。ですが宇宙船は可能ならば拿捕してください」

カースを浄化する能力を持つ人間と、それを支援するウサミン星人。
この二人を邪魔者扱いしている勢力がこの依頼を持ちこんだことは疑いない。
実際のところ、そんな連中は掃いて捨てるほどいるだろうが、殺さず生け捕りというのが依頼者の
内心の単純ならざる部分だろう。

……さて、どこの誰が金を出しているのやら。

在野の能力者が目障りな『同盟』か、それとも例の『財閥』か?
カースを生み出している存在がいよいよ本腰を入れたという見方もできる。
宇宙船も手に入れて欲しいというところを見ると、異星人の技術を求めている勢力かもしれない。
ひょっとすると、依頼者はアンダーワールドの誰かだろうか。

とはいえ、目の前の男は単なるメッセンジャーにすぎない。
重要な事柄は一切聞かされていないはずで、徒労に終わるのが目に見えていることを敢えて試みる
ような趣味はない。

それに、詮索好きはこの世界では長生きできない。
好奇心に殺される猫になるつもりは、アイにはなかった。

「報酬の提示額は悪くない。この仕事、受けさせてもらおうか」

「それは重畳……地上行きの手筈はこちらで整えますので、追って連絡させて頂きます」

アイが結論を出せば、あとはとんとん拍子だ。
いくつかの契約事項を確認して契約書にサインをし、男はさっさと個室を出て行った。

紅茶や個室の代金は向こう持ちだし、慌てて部屋を出る必要はない。
アイはぬるくなった紅茶で口内を湿らせ、椅子の背もたれに体重を預けた。

「さて……今度の任務は人攫いか。まあ、やりようはいくらでもある」

すべては報酬次第。今回の報酬額は危険を冒すだけの価値を感じるに足るものだ。

聖者が命じるなら模範者にも調停者にも救世主にもなろう。
悪魔が命じるなら詐欺師にも人攫いにも掠奪者にもなろう。
それが傭兵というものだ。
今回の依頼者がたまたま悪党であり、軋轢を望む者であり、戦いを呼ぶことをよしとする者だった。
ただそれだけのことである。

テーブルの上に置かれた資料に手を伸ばす。フィルムに似た質感を持つフォトシートには、奥山沙織の
全身像が映し出されている。
とびきりの美女というわけではないが、素朴で暖かい雰囲気を持っている女性だった。
少し手を加えるだけで化けるだろう。こういう女性に限って、見違えるほどの変化をするものだ。

アイはターゲットの姿を見てそのような感想を抱きながらも、

「君も、運がなかったものだな」

と、形ばかりの同情を示して見せるのだった。

東郷あい
23歳
アンダーワールド出身。アウトレイジ(ならず者)の傭兵。本名はアイ。
フリーランスの傭兵で、カネさえ積まれればどこの勢力にもつく。ただし裏切りは許さない。
体内に埋め込まれたコンバットモジュールをナノマシンで神経に接続しており、
戦闘時には反射神経と脳の思考速度を極限まで高めることができる。falloutのVATSみたいなもん。

出資者
不明というかぶっちゃけどこに設定しても構いません。
在野のヒーロー気取りを鬱陶しく思っている同盟が仕組んだことにしてもよし、
沙織の精神同調能力を浄化ではなくカースの活性化に利用したい大罪の悪魔やカースドヒューマンにしてもよし。


中立っぽい立ち位置にしてみたヨー
ナターリアがスシ食べたさにあいさんを護衛に雇う話とか考えたけど結局別々になったのは内緒だ

乙ー

コレは助けた方がいいのか、助けないほうがいいのか……

今ベルフェゴールへのリベンジ戦書いているんで、ベルフェゴール以外だとありがたいかも

投下します

コンビニのアルバイトの帰り、北条加蓮は悩んでいた。

北条加蓮……嫉妬のカースドヒューマンだったが、きらりに浄化され、病気もそれと一緒に消え去った。
本来なら、そこで死ぬ運命なのだが……

偶然にも、戦闘中に奈緒の血液を飲んだ事により核が浄化されても死なずにすんだのだ……

だけど、命は拾ったが、問題は色々山積みだ。

特に問題なのは二つある。

一つは、嫉妬の蛇龍。自分が作った大型カース。
だな、アレは本来動くはずないのに、誰かが未完成のまま目覚めさせたのだ。

二つ目は…………

加蓮「パパもママも心配してるかな………そうだった…私は見捨てられたんだった…」

家にも病院にも帰れない事だ。

彼女はカースドヒューマンになってから、両親も病院も、重病人が生きれないと思い、諦め、死亡届けを出したのだ。

つまり彼女は死人扱いされている。

現在はエンヴィーの時から住まわせて貰っているとある女子寮で寝泊まりしているから、家には困らないのだが……

それでも寂しいものはある。

加蓮「そういえば、涼に休んでた分シフト出てもらった事、お礼言ってなかったな……」

エンヴィーだった時から、一緒に働いてるアルバイト仲間である松永涼。

この機会だし、友達になりたいなと思う。

エンヴィーの時だけではなく、病に患ってたときから友達がいなかった加蓮にとっては、それは結構思いっきりな考えである。

加蓮「………きらりやネバーディスペアの三人とも友達になりたいな。ナチュルスターの二人とも……」

自分を嫉妬の呪縛から解き放ってくれた4人と何回も交戦し自分を説得した2人の顔を思い出す。

だけど、断られたらどうしよう……沢山迷惑かけちゃったし……

昔の加蓮なら悩むだけで、終わっていた。

加蓮「……よし!」

けど、今は違う。もう病に蝕まれてもない、嫉妬の呪縛に絡みつかれていない。

今、自分に必要なのは一歩踏み出す覚悟だ!

加蓮「私……頑張って友達を作らないと!!どうせなら、同じ女子寮の人達とも友達になってみたいな」

加蓮「そうと決まったら友達を作ろう!目指せ100人!!」

…………なんだろう。ちょっと悲しくなってくる……

だが、彼女は挫けない!

エンヴィーの時みたいにコンビニに来る仲良しグループやカップルを見て舌打ちをするような生活はもうしない!
羨ましがらず、自分で友達を作るんだ!

頑張れ加蓮!負けるな加蓮!!頑張ってぼっちから脱出して友達を沢山作るんだ!!!


『加蓮は友達が少ない(むしろいない)』
終わり


北条加蓮(16)

所属・フリーター
属性・人間
能力・黒い泥の操作。翼や蛇の形の触手。槍や盾の形にも変化できる。

元は病弱な少女だったが、彼女の多くの人への嫉妬により、引きつけられてきた徐化されてない核と一体化したことにより、カースドヒューマンになった。

が、きらりのお陰で浄化され、奈緒の血を飲んだ事により浄化されても死なずにすんだ。

普段はアルバイトをして生活していて、Пの女子寮に住んでいる。

戸籍上では北条加蓮は失踪扱いされてるが、両親は届け出を出していない。
何故なら両親は彼女の病気で長くないのをわかっていて、彼女を見捨てたのだから……
そして、死亡届けも出され、完全に死人扱い。

現在、友達を作ろうと頑張ってる。

以上です。

どうしてこうなった!(困惑

エンヴィーだった頃の闇落ち加蓮から残念な加蓮になっちゃった!!

誰か加蓮の友達になってください!

          ,,-—————-、
        /,         、 ヽ、
.       //         、ヽ、 ヽ

       //      .ハ    t  ヽ  i
.      ,j./.    ,イ ,   | i 、__  |  .}  |
   _ノ .||   イi´  .| ヽ  ` k  ノ |  ヽ_
    `ーz_|tλ _jtj=tj`、_N  ゞt==M、/ トz_t ‐'´
       |レ ゙iオ|::::::|    . |:::::::|`「  |  |   仕方ないですね、カワイイボクが友達第一号になってあげましょう
       |  .|.  ̄       ̄,,, .|  | |
       λ t '''   r-‐‐j    __| ./ /′
    ι .( レV`ー-..,__゙ニ´‐t‐''´rレレ'レ'
    ι  ヽ、    (r‐tj-ュノ`く
         `ー-、/ く`六´ゝ 、ヽ

            /  |・ ・ |   |  t、 _,-tィ^ユ、
           ヒ.__ |・  ・ |  |  ノ゙'´  ||__ノ
            ノ~~ー—┴ く ヽ、  ,r'′

投下します

相変わらずベルフェゴールが屋上でゲームをしている。

そこに、再び屋上に降り立った人影。そちらに目を向けると、敵意を丸出しにして立ち上がった。

「…見逃してあげるって言ったよね?」

その人影は、先日倒して見逃した、サタンの配下の死神だった。

「邪魔するなら今度こそ容赦はしないよ?」

「そっちこそ、前と同じアタシだと思ったら大間違いだよ?」

『みーみー!』

ユズの背後から6体の使い魔も飛び出してくる。

「ふぅん…今度は数で押すつもり?でもそれって根本的な解決にはならないよね?どんなに攻撃しても無意味なんだよ。わかってるの?」

「いいや違うよ。有効な攻撃もあるんだ。修業で身に着けたからね!」

「ハァ…いくらサタンさんの直属でもたった数日の修行で出来ると思ってるの?」

ベルフェゴールは嘲笑うように体内の無限に湧き続ける魔力を開放させる。

「—そんな勇者みたいなこと、できるわけないじゃん!」

「…残念だけど、『数日』レベルじゃないんだなぁ…赤、黄、黒!青、黄緑、白!合体!」

『みっ!』

聞こえないレベルのつぶやきの後、使い魔に命令を下す。

その隙にベルフェゴールが思考を読み取る。

「…はぁ!?狂ってるよ、あたし達を倒すために時間を歪ませて『数年』修行するとか!」

理解できない。やはりサタンとその部下の思考は理解できない。

「「「勝手に言ってなよ♪」」」

そしてそこには3人のユズがいた。

「…魔術は詠唱がめんどくさいんだけどなぁ…『冷気よ、大いなる我が力に従い、音すら凍らせるその身で我が平穏を奪う愚か者を永久の眠りへ送り込め!ヘルブリザード!』」

ベルフェゴールがその魔力を攻撃に使用する。魔力が多ければ魔術に注ぎ込める魔力が多くなり、極めれば「今のは上級魔術ではない…初級魔術だ」が可能となる。

つまり無限ともいえる魔力の持ち主であるベルフェゴールの上級魔術は普通の悪魔の魔術とはレベルが違う。

暴風のような吹雪が3人のユズに襲い掛かる。

しかし、3人とも別の方向へ飛び、吹雪を避けると鎌を振る。

『魔力変換!無害な風となれ!』

3人のユズが3角形の頂点となって魔法陣を空中に作り、吹雪の温度が常温へと戻る。

「無駄だよ!どんな魔術でもあたしには効かない!」

「「きかないっよたらきかないよ!」」

再びベルフェゴールはゲーム画面でユズの情報を読み取る。…それらしき文は『生ける魔術書となった』くらいか。

「はぁ…魔術書?意味わかんない…」

「じゃあ、わからないままでいいんじゃない?」

…ユズは肉体に不可視ではあるものの呪文を刻まれた生ける魔術書だ。それも普通の魔術書ではなく管理塔のアカシック魔術書だ。

魔術書となった利点としてわかりやすいのはもちろん魔術の詠唱を覚えなくていい事や、簡単な物なら無詠唱でいい事だろう。

そしてもう一つは、付近で発動する魔術の種類がある程度分かることだ。

魔術レベル、属性、発動者、攻撃範囲、発動タイミング…それらが理解できる。

あくまで魔術だけで魔法は基本的に専門外ではあるが、魔術使い相手にさらに強くなった。

『ピリヘイオムスト!異世界の加速魔術を合成し使用する!』

そして3人のユズがベルフェゴールがどこかで聞いたことのある加速魔術を唱え、そのまま一人が鎌を振りかぶって突進してくる。

「っ!」

間一髪で回避するものの、そのスピードはあまりにも異常だ。

言葉を発する暇もなく、もう一人が突撃する。

なんとかそれもギリギリで回避する。『アレ』を使う暇もない。

「『アレ』、使えないみたいだね?」

にこにこ笑いながらユズが言う。

『アレ』とはユズを破ったあの時に使用した術だ。

位置入れ替え。単純に言ってしまえばそんな術。

しかし、持っている武器、行っている運動、構え等も入れ替えるため、攻撃の当たる瞬間に入れ替えれば、相手に相手の行おうとした攻撃を当てることができる。

しかし、今回は使う暇があっても意味がない。人間の肉体であんなスピードの相手と入れ替われば大怪我をするのは目に見えている。

そして、ベルフェゴールは完全に3人のユズに囲まれた。

そもそも突撃した2人は攻撃を当てる気など全くない。目的は背後に回る事。

つまり…

「奥の手その一!」

『合唱魔術・三角陣形結界の発動を宣言する!』

再び3人を頂点に魔法陣が形成される。最初からこれが狙いだったのだ。

『夜の闇をさまよう魂よ、この結界の理により、全ての存在が肉体と魂の繋がりを失い、汝と等しく魂の存在へ成り果てる。デルタオブソウル!』

さすがに危機感を持ったのか、魔法陣から逃れようとするも、結界と外の間に見えない壁が発生し、妨害する。

そして無慈悲にも魔術が発動し、三好紗南の肉体から2つの魂が飛び出した。

一つは意識を失った三好紗南本人。そしてもう一つが魂の姿になっても彼女の姿を取り続けるベルフェゴールだ。

もちろん、ユズとその使い魔も魂の状態だが、ユズは魂の姿にもう慣れている。しかし、憑依する時しか魂の姿にならなかったベルフェゴールはもたつく。

使い魔に指示をだし、三好紗南の魂と肉体を結界の外へ運ぶと鎌を構えた。

「なにこれ、チートすぎ…非戦闘魔族にここまでやる…?」

「チートじゃないよ…これが、貴方の嫌った鍛錬の結果だよ♪」

『死神の力を用いて、汝と現世の繋がりを永久に断ち切らん!』

ユズの振った鎌がベルフェゴールに当たると、人魂のような形になり、ユズの手元に収まった。

「他の奥の手を使うまでもなかったね。」

魔界

ユズはすぐさまその魂をサタンの下へ連れてきた。

「ユズ、よくやった…ところでベルフェゴールよ。貴様は敗北し、現世との繋がりを失った。ほぼ死者の魂と同じだ。この意味が分かるか?」

「わかるわけないじゃん!あたし法律とか詳しくないから!」

未だに少女の姿のままのベルフェゴールは、死の癒しの呪いがかかった地面に着くか着かないかの位置に涙目で吊るされている。

「ならば言ってやろう。貴様は死者の魂と同様に裁かれ、最弱魔物の肉体で罪の重さの分だけ強制労働させられるのだ…!」

「う、嘘でしょ!?嘘って言ってよ!ねえ!?あたしの罪は軽いよね!?」

必死に叫ぶ。怠惰の彼女にとって強制労働という言葉は恐ろしいものだ。

「…それを裁くのはその専門の『役職持ち』だ。キヨラ、入っていいぞ。」

「はーい♪」

黒いナース服の悪魔が入ってくる。大きな注射器が目立っているが、彼女自身から強者の雰囲気が出ている。

カルテのようなものを取り出すと、ベルフェゴールの罪状を読み上げた。

「えー…『契約・許可無しで人間界に滞在した罪』『カースを生み出した罪』『契約していない人間に憑依した罪』『契約していない・指定されていない人間の評価を変えた罪』『ゲームデータを窃盗した罪』…他にもありますね。」

「そ、そんなに!?」

「大罪さんたちの中では軽い方ですよ?…うふ、まずは教育です♪その為には…ちょっと痛いけど我慢してね〜♪」

キヨラと呼ばれたその悪魔が、吊るされたベルフェゴールに注射器を突き刺す。

採血をするようにピストンを引くと、奇妙な色の液体がベルフェゴールから採られていた。

「な…何それ…?」

「うふふ、貴方が分かりやすい言い方でいうとね、経験値を奪っているの。レベル1になるまでね♪」

「え…?」

言い終わるのと同時に注射器が抜かれる。中の液体はキヨラが手をかざすと彼女の中に溶け込んでいった。

「いやだ…返せ!経験値ドロボー!」

「悪い子だった貴方がいけないのよ?」

ベルフェゴールはカースを生み出そうとするが、核がビーズレベルの極小な物が1個出てきただけだった。

逃げ出そうとするも、地面には死の癒しの呪い。そうでなくても、急激に身体能力が激減し、思う様に動けない。

「あ…ああ…」

「さあ、更生施設に行きましょうね〜♪そこで勤労の素晴らしさを教え込んであげますから、他の悪魔さんの下で…数百年程度は働いてお金を稼いで、生まれ変わってくださいね!」

「い、いやあああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」

無力な悪魔となり、キヨラに引きずられていくベルフェゴールの叫びが、ただ魔王城に響き渡った。

「…サタン様、処刑じゃないんですか?」

ずっと魔王の傍で見ていたユズが問う。

「処刑して魂が散れば新たなベルフェゴールが生まれるだけだ。ならば無力化して管理下に置いた方がいい。」

「…他の大罪の悪魔にもああするつもりですか?」

「無論。人間の使者と同列に扱われるのだ、これほどの屈辱もあるまい。」

「…すぐに他の奴らも狩ってきますから!」

「ああ、期待しているぞ、ユズ。」

「もちろんですよ!…何回でも何度でも、アタシは戦います!」

「…無茶はするなよ?」

魔王の最後の言葉を聞いたか聞かないかのタイミングで、ユズは杖に跨り、通常の飛行よりも速いスピードで、人間界へ飛んでいった。

キヨラ
職業:魔界更生施設職員
属性:オシオキナース
能力:経験値奪取、回復魔術、死の癒し

魔界を揺るがす大戦争で数少ない役職持ちの生き残りの一人。
罪人の魂を更生し、魔界で強制労働させる施設の職員。
魔界では珍しい、回復専門の魔術師。だが死の癒しも使えるため、全く戦えないわけでもない。
職員の証である注射器さえ刺されば相手を無力化し、自身を強化できる。…しかし、基本的に罪人にしか使わない。
『魔王より強い』『逆らうと恐ろしい』等の噂があるが、本人は否定している。
…しかし、今まで数々の重罪人すら更生(洗脳?)してきたので、結構信憑性はある。

魔界更生施設
基本的に罪人の魂を更生する施設。特例で悪魔の更生も行う。
ここで罪人たちは最弱の魔物の体に魂を入れられ、労働の素晴らしさを叩きこまれる。
その後は魔界の召使いを欲しがる悪魔に引き取られ、食事を必要としない肉体で1日20時間勤務を安賃金で働くことになる。
悪魔にとってここに送り込まれることは処刑よりも恐ろしい事である。

以上です
清良さんが思ったより出せなかった…
ベルフェゴールの強者感が出せないよ!
あ、紗南ちゃんが解放されました。

>>809
おつです

まずは一体かー
ただ他のも強そうだからどうなることやら


GDFちょっとだけ投下します
例によって茶番長めっていう


──ある日のGDF本部──

司令「さて、今日君達に集まってもらったのは、ある重要な任務のためだ」

椿「(重要な)」

詩織「(任務?)」

司令「極秘のプロジェクト故に、詳細は伏せねばならないが」

司令「現在我々は、とある"協力者"らと共に、対カース用装備の開発を進めている」

椿「(またぼかすような言い方……)」

司令「今回は、君達にその試作品の評価試験を行ってもらいたい」

司令「博士、どうぞ」

司令の合図で、白衣姿の男性が部屋に入ってくる。
恐らく、その対カース用装備とやらの開発に携わっている人間だろう。


博士「どうも、ご紹介に預かりました、龍崎です」

博士「私の方から、今回皆さんに試していただく装備の説明をさせて頂きます」

博士「これらの装備が実戦配備されれば、カース対するGDF陸戦部隊の戦闘力は、120%程向上するとの見込みです」

そう言うと博士は双眼鏡と、望遠鏡の様な物を取り出し、目の前の机の上に置いた。


博士「今回試作品として用意された装備は二点、一つ目はこの『CSG』カーススキャンゴーグルです」

博士「従来の戦法では、カースの弱点である核を直接狙う為に、"面"での攻撃を必要としました」

博士はホワイトボードに図を書きながら説明を続ける。

博士「面での攻撃を続け、カースの全身のドロドロを吹き飛ばした後、露出した核を狙うというものです」

博士「カースは不定形の泥で構成されており、弱点である核の位置も個体によってバラバラで──」

博士「核の位置を探る為には、カースに全身にくまなく攻撃を加える必要があり、結果、時間と弾薬を浪費してしまう」

博士「……というのが、この戦法の問題点でした」

博士の説明を聞きながら、三人は本題に入ってくれという顔をしているが、気にしてはいけない。


博士「そこで、このCSGの出番です」

博士「このCSGは、カースの体表のドロドロを透過して、核を直接視認出来るようになるという装置です」

博士「この装置により、攻撃前に核の位置を確認しておけば、"点"での攻撃でカースを撃破することが可能になるということです」

博士が一呼吸置いたのを見て、椿が疑問を投げかける。

椿「しかし博士、点での攻撃が可能になるとはいっても、核を露出させるためにはやはりある程度の時間と弾薬が必要になります」

椿「戦闘力が120%向上というのは……あまりにも……」


椿の発言を受け、博士は頷きながら答える。

博士「もっともな疑問ですね……そこで、二つ目の装備の出番です」

続いて、博士は金属の細長い物体──一発の銃弾を取り出した。

博士「CSGにて位置が判明した核に、露出させるというプロセスを経ずに攻撃を可能にするための装備」

博士「それがこの『12.7mmウサミン弾』です」

椿「12.7mm……」

詩織「ウサミン弾……?」


博士「今回開発されたこの銃弾は、弾頭が特殊な金属──我々は『ウサミニウム』と呼称していますが、それで出来ています」

博士「以前あなた方が制圧した異星人の施設から採取されものです」

以前制圧した施設と言えば、あのうさ耳が隠れていた研究所らしき場所の事だろう。

博士「この金属を使用することにより、弾頭は重量の割に非常に優れた低伸性を発揮し、また飛翔距離も───」

椿詩織志保「(話が長いよ……)」


博士「あーだこーだ」

椿「……」

博士「うんぬんかんぬん」

詩織「……」

博士「どうたらこうたら」

志保「……zzz」

博士の説明を聞いてもよく分からない三人は、適当に聞き流すほか無かった。
10分ほど話していただろうか、長ったらしい説明が済み、いよいよ、一番知りたかった部分を聞けることになった。


博士「つまり、この弾頭はカース表面のドロドロに運動を阻害されることなく核まで達する事が可能で」

博士「一定以上の硬度を持つ物体──この場合はカースの核ですが、これに当たるとマッシュルーミングを起こし」

博士「それまでの運動エネルギーを余すことなく目標に伝え、その結果」

博士「カースの核を、粉微塵に粉砕することが出来る……という訳です」

つまり、CSGとやらで核を見つけて、この銃弾で狙えばいいというだけの話である。


博士「ただ、このウサミニウムですが、物質の組成を調べたところ、地球上では精製できない金属であることが分かっています」

博士「従って生産性の観点から……口径の問題もありますが、選抜射手か狙撃手の方にのみ配備という形になってしまいます」

博士「あしからずご了承ください」

椿「その点については、私達にとっては特に問題ありません」

椿「ね? 詩織ちゃん?」

詩織「ええ……一発の銃弾でカースが吹き飛ぶ様が見られるのが、今から待ち遠しいわ」

博士「それでは、皆さんのご健闘を、お祈り申し上げます」

椿「我々にお任せください!」


椿詩織「……」チラッ

志保「……zzz」

詩織「締まらないわね……」

博士「……」


──数日後──

三人は対カース用装備の実地試験のために、とある市街地へと来ていた。
既に街中では大型のカースが暴れており、三人は攻撃配置に付く。

志保「はてさて、CSGとやらはどんなもんかなーっと」

志保が双眼鏡型のCSGでカースを覗くと、モノクロの視界の中でカースの左わき腹の辺りに白い塊を見つけた。

志保「おぉーこりゃすごいですねー、核の位置がまるわかりじゃないですか!」

椿「これは……確かにすごい装備かもしれません」

詩織『こちらでも確認したわ、左わき腹ね』

詩織の方は望遠鏡型──ライフルのスコープとして利用できるタイプである。


三人が、新兵器の能力にはしゃいでいると、通信が入った。

椿「──了解しました……二人とも、民間人の避難が完了したそうです」

志保「それじゃ、始めますか!」

詩織『二人に合わせるわ』

椿「よしっ、行きますよ!」


椿と志保が、ロケットランチャーを担いで路地から飛び出す。
数百メートル先に居るカースが、二人に気づいて近寄ってきた。

志保「私の合図で!」

椿「了解!」

志保「3,2,1…てっ!」

二人がカースの両足目がけロケットランチャーを放つ。

志保「命中確認!」

カースの両足は吹き飛び、体制を崩して倒れ込む。
しばらくは動きを封じられるだろう。

椿「再生まで十数秒ってところですね……詩織ちゃん!」

詩織『任せて……』


詩織の通信の声が途切れた直後、
二人の目の前で20メートルはあろうかというカースが、岩場に打ち付ける波しぶきのように弾け飛んだ。
数秒遅れて射撃時の銃声と思われる残響音が響いてくる。


椿「」

志保「」

想定はしていたものの、実際目の前でそれが起こると、二人は思わず硬直してしまった。


詩織『どうだったかしら?』

椿「え、えっと……」

志保「言葉に……出来ない……」

どうやら、核自体も粉々になってしまったようだ。
呪いの塊をも物理的に粉砕する銃弾に、身震いする。


椿「こ、これは確かに……私達の攻大アップですね……」

志保「特大アップくらい、いってそうです……」

詩織『よく分からないけど……評価試験は無事終了ってところかしら』

椿「……そうですね、帰還しましょう」

志保「この成果なら、あの博士も喜ぶでしょうね!」


三人は新しくカースに対抗する手段を得て、ご満悦で基地に帰るのだった。
この調子でいけば、地上からカースを駆逐できる日も遠くはないかもしれない……なんてことを考えながら。

投下終了です
今回の設定まとめ

・対カース用装備第一弾が配備されました
・この事により、GDF陸戦部隊の戦力がアップしました
・第二弾、第三弾と続くかも?
・カースドヒューマン、ボス格のカースに対しての効果は不明です


あと、瀬名さんと槙原さんおめでとう!

乙です!
すげぇ!竜崎せんせぇ仕事してる!
カースドヒューマン…そもそもGDFはカースドヒューマンをカースの一種と認識しているかな…?
モブ達気付かないまま普通に怪人として戦闘してそう(そして負ける)

乙です
予定より大変遅れましたがままゆたゃんで投稿させていただきます

宇宙人、異世界人、古代遺跡など諸々の影響によりこの世界は歪みきっていた。
その歪みに呼応するようにある存在が目立つようになっていく——『アクマ』と呼ばれる存在が。
『アクマ』は様々な姿——時に神話の神々ような、時に魑魅魍魎のような、時に人間を陥れる悪魔のような——で我々の前に姿を現す。
そんな、人類と『アクマ』との関係は敵になり、味方となるそのような曖昧な関係だ。
そして人類側が『アクマ』の力を使う場合二つ——『アクマ使い』と『アクマ憑き』呼ばれる存在が。
『アクマ使い』は『アクマ』と交渉をし対価を払い専用の機器——一般的にCOMPと呼ばれる——を使い召喚し使役する存在。
対して『アクマ憑き』と自分の波長の合う『アクマ』の力をその身に宿した存在である。
この話はある『アクマ使い』の男と『アクマ憑き』の少女の話である。

東京都の某所にある廃ビル群の中、一つの古びた探偵事務所——鳴神探偵事務所内で一人の男が依頼書に目を通している。
この探偵事務所が担当している事件は主に怪奇事件——それも『アクマ』絡みの——ばかりだ。
当然ここの所長である男——名をサマナーPと言う——業界でも屈指の『アクマ使い』である。
さて男が目を通した依頼書には強力な『アクマ憑き』が出現したとの報告がありその報告に彼は眉間にシワをよせながら眺める。
『アクマ憑き』は『アクマ』を身体に宿してその力を行使するが力を制御をするのが難しく、精神が未発達の場合力が暴走し易く最悪魂を『アクマ』側に持っていかれる可能性もある。
彼は軽く溜め息を吐くと仕事着に着替え何かあった時——大抵『アクマ』との戦闘——準備を整えると仕事をする為、事務所を後にしていった。

一方その頃、これまた東京都の某所マンションで一人の女性——佐久間まゆと言う名で人気読者モデル——が一人の男性——名前はマコト、まゆの恋人で浮気癖がかなり酷い——を詰めよっていた。
と、コレだけ見れば浮気した男性を女性が問いただしている図に見えるだろう。
——女性の——佐久間まゆの下半身が大蛇——取り憑いた『アクマ』の影響による——を思わせる禍々しいモノ出なければ、だが。

まゆ「うふふ、マコトさぁん……ちゃんと話を聞いてますかぁ?」

マコト「ああ、ま、まゆ、は、話は聞いているよ、うん聞いているよ」

まゆ「そぉですかぁ……では聞きまけどぉ……
   なぜ私という女がいながらぁ、他の女性と付き合っているんですか?」

マコト「え!? そ、それは、その……」

まゆ「わかってるんですよぉ……あなたがコトノハさぁんとセカイさぁんと付き合ってるのはぁ」

マコト「し、仕方ないんだ! あっちがその、しつこく言い寄ってくるから、その断り辛くて……」

まゆ「相変わらず押しに弱ぁいですね、マコトさぁんは……」

マコト「で、でも、き、君の事は愛してるよ!」

まゆ「……マコトさぁんがそう言うのはぁ、わかっていましたぁ」

マコト「わ、わかってくれるんだね!?」

まゆ「でもぉ、マコトさぁんは本当に私の事を愛しているんですかぁ?……仮にもし愛しているのとしてもぉ、マコトさぁんは他の女性の告白は断れないでしょ?——その子を悲しませたくないからぁ……」

マコト「うっ……」

まゆ「そうやってぇ、マコトさぁんが無責任に他人の愛を受け入れていく姿にはぁもう耐えられないんですぅ——だからねぇ、一緒に行きましょう……誰の手も届かぬ二人だけの世界へ……」

???「それ以上はやめておきな嬢ちゃん——『人』として超えちゃいけないラインを超えたくなければ」(まゆにAttack)

まゆ「あっ……」

サマナーP「……クー・フーリン、その男を頼む……俺はこの子に憑いている『アクマ』を調べる……」

COMP『——アナライズ開始』

クー・フーリン「あいよ!マスター」

まゆ「私のぉ、邪魔をしないでくださぁい!」(サマナーPにアギダイン)

サマナーP「ケルベロス……」

ケルベロス「フン!(サマナーPへの攻撃をブロック)——ソノ程度ノ炎、地獄ノ業火ニ比ベレバマダ生ヌルイハ!」

まゆ「どうしてぇ!?私はぁただぁ、マコトさぁんをぉ愛しているぅだけなのに、どうしてぇ邪魔をするのぉ!?」

サマナーP「……ティタニア、アテナ……足止めを」

ティタニア「了解——正直、女としてそこまであんな男に愛情をそそげるアナタが羨ましいわ」(ザンマ)

アテナ「ハァ!——あの男は私の父親に似て女癖が悪る過ぎるからホント死ねばいいと思っているけど、その罪を純粋な心を持っているアナタには負わせたくないわ」(デスバウンド)

まゆ「う……マコトさぁんを、マコトさぁんを一番愛しているのはぁ、私なんですぅ!私が一番マコトさぁんを愛しているんですぅ!」

COMP『……アナライズ完了、取り憑いている『アクマ』は鬼女 キヨヒメ、火炎・精神無効、氷結弱点』

サマナーP「(……氷結弱点か)……ジャック・フロスト、出番だ」

ジャック・フロスト「ヒーホー!——特大級、いくホー!」(ブフダイン)

まゆ「……!?ぐ……こんな所でぇ立ち止まぁるわけにはぁ……私はぁ……マコトさぁんと一緒にぃ……」

サマナーP「……もういい、君の負けだ」

まゆ「赤の他人がぁ……勝手な事をぉ……言わないでくださぁい……!」

サマナーP「……アレを見てもか?」

まゆ「え……?」

マコト「よ、寄るな、ボ、ボクはまだ死にたくない、死にたくないんだ!」

サマナーP「……少なくともあの男には、君の愛を受け入れるだけの器はない」

まゆ「そんな……」

サマナーP「……だがいつかは君のその愛を受け入れる人が現れるだろう——その時改めて恋をすれば良い」

まゆ「……一つアナタのお名前をぉ、お聞きしてもよろしいですかぁ?」

サマナーP「……サマナーPだ」

まゆ「……ありがとうぅ、ございますぅ……(パタン)」

サマナーP「(……気絶したか)——そこの君、立てるか?」

マコト「あ、はい、あ、ありがとう——」

サマナーP「なら……歯を食いしばれ!」(鬼神 ヒダカ・マイ直伝、右ストレート)

マコト「——グェ!?」

サマナーP「……あの子に対する慰謝料替わりだ、取っておけ……!」

〜後日談〜

まゆ「サマナーPさぁん、朝ご飯ですよぉ」

クー・フーリン「……マスター」

サマナーP「……何か用か、クー・フーリン」

クー・フーリン「結局マスターが預かる事にしたんだな——佐久間まゆの事を」

サマナーP「……ああ」

クー・フーリン「裏切るなよ?」

サマナーP「……そのつもりだ」

クー・フーリン「ならいいんだ……おっと、今日の『アイドル発掘』が始まってるな、どれどれ——」

司会者『今日ご紹介するアイドルはこの子——ルイ・サイファーさんです、よろしく〜!』

ルイ・サイファー『私はアイドル、ルイ・サイファー……今後ともよろしく……』

一同『……』


一同『閣下、なにしてるの!?』


おわり?

佐久間まゆ
職業:元読者モデル、現在助手
属性:アクマ憑き
能力:火炎・精神無効、氷結弱点
元読者モデルで現在はサマナーPの助手をしている。
元彼のマコトが種族:外道なため反動でサマナーPにべったりしている。
取り憑いているアクマ、鬼女 キヨヒメは強力な火炎魔法とデバフ系スキルの使い手で攻撃と支援の両方を任せられる。

サマナーP
職業:探偵
属性:アクマ使い
能力:数々のアクマを使役できる
鳴神探偵事務所所長をしている凄腕のアクマ使い。
基本的にあまり喋らないがキメる時にはキメるタイプ。
長年、アクマ使いとして活動している為交渉や戦闘がかなり上手。
ちなみに好きな食べ物は大学イモである。

アクマ紹介

幻魔 クー・フーリン
みんなのアニキ

魔獣 ケルベロス
元花屋の飼い犬……なわけない(たぶん)
妖精 ティタニア
夫とは家庭内別居中

女神 アテナ
父親が婚活サイトを利用しているのを見てドン引きした

妖精 ジャック・フロスト
事務所内のマスコット

鬼女 キヨヒメ
浮気をしたらアギダインです

外道 マコト
765プロとは関係ありません

アイドル ルイ・サイファー
特技・メギドラオン

と言う訳で『デビルサマナーP〜ままゆたゃん編〜』投下完了です。
まず一言投下遅れてすみませんorz
自分遅筆なもので……。
内容としてはこんな世界だからアクマ使いの一人や二人位いてもいいよねと言う勢いでやっちゃいました。
……閣下は南極で幼女になってたしアイドル位は出来るでしょう。
と言うか魔界関係者が今回のテレビを見てたら即倒物だろうな……。

ふぇぇ、アンダーワールドの人の書くサクライPがカッコよすぎるよぉ
そんな知的な会話書けないよぉ

昨今の桃華ちゃまのニート生活の様子投下します

 

その日、マンモンたる彼女は露骨に機嫌が悪かった。


桃華「・・・・・・・。」

サクライP「・・・・・・やはり、例の能力者ですか?」

桃華「Pちゃま、その件についてはもうよろしいと言ったはずですわ。」

サクライP「失礼しました。」

桃華「・・・・・・神が相手では分が悪すぎますもの。」


櫻井有する能力者の組織は「アカシックレコードの読み手」を追っていたが、

その実行部隊が次々と失踪することとなる。

対策を打たれたのだ。

それも神によって。

サクライPの必死の調査によってわかった事は三つ。

1.彼女を追えば、何らかのアクシデントが起こって探索・追尾不能となる。

2.彼女を憎めば、何らかの事故が起こって病院送りになる。

3.それらは神の仕業である。

これだけの事を調べ上げるのに、彼自身”偶然の不幸な事故によって”三度ほど死に掛けた。

持ち前の貪欲さで九死に一生を得てきたそうだ。


桃華(それでも、手が無いわけではありませんでしたけれど・・・・・・。)

桃華(神とはこの世の摂理、云わばルールのようなもの。)

桃華(ルールを破らなければ、干渉しない。干渉できない。)

桃華(つまり、この場合わたくし自身が「正面から堂々と」「平和的に話し合い」に向かえば失敗しないはずですわ。)


しかし、それを実行したところで。それを突破したところで。

その先にはアカシックレコードの所有者とそれを匿う「神をも使役する者」が居る。

次はどんな手を使われるかわかったものではない。

今の桃華は彼らの気紛れによって生かされてるようなものである。

ならば、手出しなどできるはずがない。


と言うわけで、『強欲』たる彼女はとりあえずそれを諦めざるをえなかったのである。


桃華(いずれは神も手にするつもりではありますが、流石に時期尚早すぎますし・・・・・・。)

桃華(ほかに選択肢などありませんもの。)


桃華「触らぬ神に祟り無しですわ。」

桃華「ですから、あの件はもうよろしいですの。」


桃華「それよりも当面の問題は。」

サクライP「キングオブグリード・・・・・・でございますか?」

桃華「・・・・・・そうですわ。よくも・・・・・・よくもわたくしの・・・・・・!」


櫻井桃華の機嫌がすこぶる悪い理由。

その理由に「アカシックレコードの入手が困難になった事」が少し。

残り大半が、「キングオブグリードのその後」についての怒りである。


サクライP「今も探索を続けておりますが、依然足取りがつかめぬ状況で。」

サクライP「手がかりは皆無と言っていいでしょう。」

サクライP「ただ一つ、『少女を見た。』と言う証言以外には。」

桃華「でしたら、十中八九その少女ですわね。」

桃華「キングオブグリードの、その”核”を持ち去ったのは。」


キングオブグリードが死神によって討伐されたあの時。

櫻井財閥もまた、キングオブグリードの『核』の回収を行おうとしていたのだ。

後に『原罪』と呼ばれる、その『核』を。

『原罪』を作り出した、キングオブグリードは『強欲』のカースであった。

例え、その由来に彼女が全く関わっていなかったとしても、

元が『強欲』のカースの核であったならば、

『強欲』たる彼女にとっては、彼女の所有物なのだ。


しかし、その『核』は櫻井財閥が回収する前に奪われた。

第三者によって、その場から持ち去られていたのだ。


故に、『強欲』特有のジャイアニズムを持つ彼女はブチ切れ寸前な訳である。


サクライP「問題なのは、『核』を入手したと思われるその少女の所属する勢力が未だにわからないことです。」

サクライP「我々人類、そして地底人では無いことは確かでしょう。」

サクライP「その二つであるならば、私は苦労せずにその足取りを知ることができるでしょうから。」

桃華「それでは、異世界か宇宙と言う事になりますの?」

サクライP「あるいは、全く別の勢力かです。」


桃華「・・・・・・いずれにしても、アレをわざわざ欲しがるのは厄介な勢力に違いありませんわ。」

桃華「Pちゃま、必ず見つけ出してくださいな。」

サクライP「はい、貴女様の仰せのままに。」

そこまで話して、彼女は一息付く。


桃華「ふぅ・・・・・・少し気分を変えたいですわ。」

桃華「Pちゃま、紅茶を頂けるかしら。あと、テレビをつけてくださる?」


サクライPは手元のリモコンを操作して、部屋にあるテレビの電源を入れた後、

席を立つと、慣れた手つきで紅茶を入れ始めた。


テレビの中では、

鎌を持った黒いフード付きコートの少女が、

巨躯なる『強欲』の化身に立ち向かう姿が映し出されていた。


桃華「綺麗に撮れてますわね。」

サクライP「現地で能力者達が撮った映像ですから。」


本来なら人払いの魔法によって映る筈のなかった映像。

しかし、その映像はそこにあった。


今頃は、どのチャンネルどの時間帯でも、

『強欲の王』討伐のニュース映像が映される。


テレビの中で死神ユズは業火を繰り出し、

死の鎌の一撃をもって『強欲の王』を打倒す。


サクライP「この結果も、残念でございましたか?」


紅茶を彼女に手渡しながら、サクライPは問う。

結局、『キングオブカース』は何の結果も出せず、何の抵抗も出来ず、

まるでただのやられ役の様に崩れ去ってしまった。


彼女は紅茶を一口飲んだ後、

桃華「まさかですわ♪」

上機嫌に、否と答えた。

桃華「『キングオブグリード』は確かにやられ役でしたけれど、」

桃華「おかげで、こうして死神ちゃまの実力をほんの少しでも見せて頂く事ができましたのよ♪」


サクライP「『憤怒』の魔王の刺客、死神ユズでしたね。」

サクライP「なるほど、確かにこれは驚異的な力でありましょう。」


桃華「まだまだ本気は隠しているみたいですけれど・・・・・・」

桃華「もし彼女が本気を出して戦えば、わたくし達七罪の悪魔全員が」

桃華「負けはしなくとも、無事では済まないですわね。」

桃華「もちろん、正面から真っ当に正攻法で戦った場合ですわよ♪」


サクライP「心得ております。」


桃華「ですけど、あの魔王に対する評価は改めないといけませんわね。」

桃華「本当に、こんなにも見事な人材を隠し持っていたなんて思いませんでしたわ!」


サクライP「高評でございますね。」


桃華「当然ですわ、特にわたくしは死神ちゃまの強さ以上にその成長速度が気に入りましたのよ♪」

サクライP「あの死神は確かベルフェゴールに一度敗北していたのでしたね。」


桃華「あの子はその敗北から立ち上がり、そして新たな力を手にして戻ってきたのですわ。」

桃華「この短期間に結果を出すために、時間まで歪ませて・・・・・・。」

桃華「それは、よほどの『渇望』が無ければ成し得ない事ですのよ。」

桃華「ウフ、ゾクゾクしますわねっ!」

死神ユズのその力への渇望に『強欲さ』を感じ取り、彼女は打ち震える。


サクライP「なるほど、貴女様が気に入った理由はわかりました。」


桃華「このままでは本当にわたくしも殺されてしまうかもしれませんわね♪」

言葉とは裏腹に、その顔には笑みが浮かんでいた。


サクライP「そうはなりません。私がこの身にかえても貴女様をお守り致します。」

桃華「期待してますわよ、Pちゃま♪」


桃華「わたくしにとってPちゃま達が居ることが、死神ちゃまに対するアドバンテージ。」

桃華「死神ちゃまは、わたくし達『大罪』を処する権利を持っているみたいですけれど。」

桃華「わたくしを守る、Pちゃま達の命をどうこうする権利はありませんもの♪」


『寿命を迎えるわけでも無い人間を自身の判断で殺めることはできない。』

それが死神ユズに課せられたルール。

桃華「ウフ、そう・・・・・・死神ちゃま。わたくしは人間を使いますのよ。」


テレビの画面では死神と魔法使いが戦っていた。

ニュースのテロップはこうだ。

『敵か、味方か。黒いローブの死神。』


サクライP「偏向報道。」

サクライP「古典的な手ではありますが、効果は十分でしょう。」

サクライP「本来ならば『強欲の王を討った英雄』が、『正体不明の死神』に早変わりです。」


テレビの映像は、財閥が用意したものならば。

テレビの報道はすべて、財閥の息がかかっている。


桃華「『キングオブグリード』は民衆にとって恐怖の対象でしたわ。」

桃華「そんな恐怖を、黒い一撃に切伏せるそのお姿。」

桃華「それは恐怖を超える恐怖ですわ。」


桃華「そして、魔法使いと戦ってるその姿。」

桃華「業界のヒーローリストに載ってる魔法使いと、」

桃華「リストには無い、正体不明の死神。」

桃華「なぜ、死神はヒーローを”襲っている”んですの?」

桃華「その姿は民衆にはどう映るのかしら。」

サクライP「とは言え、件の魔法使い。」

サクライP「イヴ・サンタクロースの証言があれば、この程度の風評はたちどころに消えてしまうでしょう。」

桃華「わかってますわ。あとは”彼女”がわたくしの意図を汲んでくれれば、磐石なのですけれど。」


その時、画面が切り替わる。

『緊急ニュース』

そして画面に映るものを見て、桃華はにんまりと笑う。


そこには、カースを操り、人を襲わせる死神ユズの姿があった。


サクライPが席を立つ。


サクライP「それでは私は失礼します。『人類の敵』を討伐するために財閥も動かねばなりませんので。」

桃華「頑張りなさい、Pちゃま♪」


桃華「死神ちゃま。わたくし達と同じ魔の存在であるあなたは、その事にもう少し気を配るべきでしたのよ。」


桃華「さあ、死神ちゃま。これで貴女も『キングオブグリード』『嫉妬の蛇龍』と同じくして、」

桃華「『人類の敵』ですわ。」

桃華「もう大っぴらに活動することも、人ごみに隠れることもできませんわね。」


桃華「そして次の相手は、あなたが狩るべきカースでも大罪でもなくて・・・・・・」

桃華「人々を守護する、正真正銘のヒーロー達ですわよ。」


おわり

なぜ桃華ちゃまは神にばかり縁があるのか。
それと井村さんの能力超悪用してみました。
ユズちゃんごめんね。
途中まで人払いの魔法のこと忘れて普通に映像撮ってたのは内緒。

>>836
だけど、ルシファーはもう既にいますよ?
井村雪菜がそうです


>>847
乙ー

コレはルシファーと手を組んでる可能性が……
そして、凄い極悪非道で完璧な作戦なのに。
なんだろう……それが原因で場所がバレる可能性フラグがあるのは

乙です
ユズちゃん大ピンチすぎてテンション上がってきた
…まぁ絶対的な安全地帯(管理塔)があるからよっぽどのことがない限り(全員集合レベル)捕まることはないんじゃないかなーって
あと自分の魔術教師がこうなった昼子の心境はいかに

そんでもって自分も目逸らし

おおぅ、柚ぽんめっちゃピンチに
情報を制するってやっぱり怖いわぁ・・・

>◆C/mAAfbFZMさん
史実ネタ仕込んだ身で言うのもどうかとはおもうけど、これだけ既存の作品の要素が強いなら個別スレでやったほうが捗りそうな気が
『テンプレートに則った分設定を組みやすい』っていうのはあるけど、そうすると『テンプレ元の作品の成分が否応なく濃くなる』わけで
オリジナル要素を持ち寄って作っていくここみたいなスレだとどうしても浮いちゃうんだよね・・・気分を悪くしたら本当に申し訳ないんだが

すみません……もう少しぼかしておけば良かったですね……
一応『アクマ』は『カース』や『悪魔』や『魔王』や『天使』も含めるためそう言った関係の依頼があれば絡められるかと……

>>851
う〜ん……自分としては閣下の後をついで井村雪菜が現在のルシファーをしていると言うことにすれば丸く収まるか?
閣下が後を継がせた理由?面倒な仕事を押し付けたいから(笑)

筆がのって思わず眠れなくなること、あると思います
投下するよー!!

夜の街、ビルの合間を縫って飛び交う影二つ。

『ウォアアアアアアアアッッ!!』「っ・・・くっ、『隠密万華鏡』ッ!」

片や、人の負の感情の具現化した怪物、『嫉妬』を司るカース。手当たり次第に暴れまわり、周囲をなぎ払う。

片や、『成敗』と書かれた面頬で顔を隠し、ニンジャヒーロー『アヤカゲ』を名乗る忍びの少女、浜口あやめ。分身を作りだし、カースの攻撃をやり過ごす。

カースの猛攻を前に防戦一方を強いらているあやめだが、しかし決して相手に好き勝手を許しているわけではない。

攻撃を避けながらも確実に人通りの少ない場所へカースをおびき寄せ、相手の動きを観察し、隙を窺っているのだ。

(核の位置の見定めは済んでいる。次に隙を見せたとき、そこを突けばそれでお仕舞いです———)

ひらりひらりと舞うが如く跳び回るあやめに、すでにカースの攻撃は掠めることすらできなくなっていた。

しかし、相手の属性は『嫉妬』。その見事な動きに、カースの攻撃はさらに苛烈さを増していく。

「っ、ふっ!!・・・やはり、『嫉妬』は一番やっかいですね・・・ッ!」

相対する相手が強ければ強いほど、自身と相手との力の差に自ら『嫉妬』の感情を生み出し、力を増していく。

『自らの糧となる感情を自ら賄う』という点において、これほど厄介なカースも存在しないだろう。

『オオオォォアアアアアアアァァァァァ・・・・・・ア、アッ!?』

「っ・・・ん?」

拳を思い切り振りかぶり、突きを放たんとカースが身構えた、その瞬間であった。『なんとも不自然なタイミングで』、カースが突如動きを止めたのだ。

(何でしょう?誰か他のヒーローの手助けか何か・・・?いえ、ともかく好機!ここで仕留めてしまえば・・・ッ)

一瞬訝しむあやめだが、すぐに気を取り直し、疾風の如きスピードでカースへと肉薄する。


———身体能力に恵まれ、忍びの技を会得し、数多の悪と闘ってきたあやめだが、本来の彼女は中学生である。

———そして幸か不幸か、彼女はこれまで、『それ』と相まみえた経験が、奇跡的に一切なかったのだ。


『———ア、ヒ、ヒヒッ、ヒャハハハハハハハハハハッッ!!』

「・・・えっ、わ、ぁあぁっ!!?」

———故に、彼女は対処法を知らない。どころか、自分が何をされたのかも、理解が一泊遅れてしまう。

突如カースの背中から出現した触手・・・本来、『色欲』の特性として発揮されるそれに、あやめは足を奪われ、宙吊りにされてしまった。

「っ、このっ、何、をッ!?」

それでも修羅場をくぐった事は数知れず、すぐさま手にした忍者刀で触手を切り落とさんとするあやめ。しかし、カースが刀を持つ手の自由を奪う方が一手早かった。

どんどんと数を増す触手に絡められ、あやめは逆さ吊りのまま手足の自由をすっかり奪われてしまう。

(こ、この体勢はマズいです・・・頭に、血がのぼっ、て・・・)

修行の成果か、平衡感覚こそ失わないあやめだったが、今はそれが余計に辛い。頭がくらくらして、意識が鈍る。

『ヒヒッ、ハッ、ヒャハハハハッ』

狂ったような嗤い声を上げながら、尚も触手を生み出し続けるカース。身体を這いずりまわる触手が、あやめの正体を隠す面頬をずり下げんと力を込めた。


「そぉおりゃぁあああああああああああああッ!!!」


———その、瞬間だった。

何者かが、あやめに意識を向けすぎて、周囲への警戒が散漫になっていたカースを、背後から一刀両断する。


「・・・まだ幼い少女に、こんな変態ちっくで特殊すぎるプレイを強要するとは不届き千番!!そこに直れッ、アタシが直々に成敗してくれるわー!!」

『・・・いや、今しがた核ごとぶった斬っただろうが』

べしゃり、と地面に落下した(不幸中の幸いか、カースの触手が上手いことクッションになってくれた)あやめの目に映ったのは、ド派手な甲冑に陣羽織まで羽織り(何故かそこだけ西洋風の)大槍を掲げる少女と、漆黒の毛並みと妖しい光を放つ紅い目をした喋る馬の姿だった。


———後に趣味の話で意気投合した彼女らは『戦国乱舞』なる名を名乗り、コンビで活動を始める。それにより松風、もといシャドウメアの気苦労が増すことになることは、この時の三人は知る由も無かった。




「うん、『カースに注ぎ込む』練習はこのくらいでいいかしら。・・・あの子でさえなければ、『嫉妬』と『色欲』の相性、悪くは無いのよね」


「さて、さっさと行かないと。すぐに倒してくれたお陰で足はつかないとはいえ、万が一バレたら相手するのも面倒だし」


「・・・ふふっ、もうすぐ。もうすぐで、調整も完璧になるわ。それまで、楽しみに待っててね、ベル・・・うふふっ♪」


というわけで、センゴク☆ランブを引き合わせつつ、アスモデウスさんの企みもちょっと進めてみました
・・・さて、こっからどうするかな(何も考えてないなんて言えない)

現在の大罪悪魔の動向ざらっとまとめ

・強欲/マンモン(桃華):財閥の力を使い、ユズの行動の自由を奪う(キングの核取られたり文香がつかまらなかったりで不機嫌)
・傲慢/ルシファー(雪菜):ユズの姿を真似、マンモンの計略に乗っかる
・色欲/アスモデウス(奏):菜帆に力を注ぐための準備中
・嫉妬/レヴィアタン(瑞樹):龍帝キバと魔王サタンへの復讐のため暗躍中(現在のターゲットは昼子と薫)
・暴食/ベルゼブブ(菜帆):とりあえず食べ歩き
・怠惰/ベルフェゴール:ゲームオーバー

見返してみると改めて柚ぽんの立場がヤバい・・・仁美が味方についてくれればワンチャンあるかな?

閣下とかどこの春香さん?となる自分としては破棄がありがたいんだけどね…
少しゲームネタを絡めて魔界設定考えた自分が言うのもなんだけど…あそこまで極端だと個別スレでやってくださいという感じ。調べてもよく分からん
まぁ改善するならそっちの方が嬉しいんだけどね。書き手は多いほうが嬉しいし



「来たんだね」

私の周囲にたむろしていたカースたちが次々と核だけになり落下してカチン、カチンと音を鳴らす。

「大量のカースが現れた地点を探せば見つかると思ってた…」

「待ってたよ、ウサミン星人」

空を見上げるとそこにはホログラム投影された一人の少女。

『——————……♪』

「初めまして、『歌姫』、カースを浄化するあなたも凄く興味深いけど——」

「—今はあなたの後ろにあるやつのほうが興味あるかな?」

「うん、テクノロジストの血が騒ぐよ」

リンはホログラムの背景のように空に浮かぶ宇宙船を見て呟いた。



「き、君はいつの間に私の宇宙船に入り込んだんだ…?」

私の前には一人のウサミン星人。心なしか怒っているように見える。

「うわっ、思ったより重いねこれ」

しかしながら私はそれどころではない。目の前には歌姫が着ていた不思議な服、というよりもスーツと言ったほうがいいのだろうか。

「ねぇ、これなんて言う名前なの?」

「……ニューロ・インターフェース・スーツだ…」

「凄い凄い、うわっ、スカートの中結構メカメカしいんだね」

直接足を傷つけないように工夫された電子部品を見て楽しくなってくる。

やっぱりこうじゃなくちゃね。

アンダーワールドじゃこうは行かない。あそこでは遊び心も工夫も足りない。

「まぁ、ただのアイドル衣装ではないからな」

「……そうではない、君は一体いつの間に宇宙船に…」

ハッとして我を取り戻すウサミン星人。

「『歌姫』だってこの宇宙船に住んでる訳じゃない気がしたからね」

「だから彼女を降ろす時にテレポーターに彼女に気づかれないように後ろから飛び込んだだけだよ?」

「…無茶苦茶な…!テレポーターの存在に気づいていたのか?」

「『歌姫』もはウサミミがないからかな?なら帰るところくらいあると思って探らせてもらったよ」

「…ははっ、それはそうだな」

「だよね」

私は困惑していたウサミン星人の顔が綻んだのを見て安心する。

「君は一体なんなんだ?」

「特に何をする訳でもないのになぜ私の宇宙船に…?」

ウサミン星人は心底不思議そうな顔で私に尋ねる。

>>879
修正

△『歌姫』もはウサミミがないからかな?

○『歌姫』にはウサミミがないからかな?

「私は…うん、ただの通りすがりのテクノロジストだよ?」

「…テクノロジストとは何だ?」

「もっとも、私が何年も前に捨てた故郷での…だけどね」

「…そうか」

「私が興味あるのは『歌姫』と宇宙船、危害を加える力も意味もないよ」

「そのようだな、本当に君には『歌姫』とは違って特になんの力もないようだな」

ウサミン星人には能力の有無を調べる手段でもあるのかと驚嘆する。

「…手厳しいね、私だって持てるなら欲しいけどね?」

「私も『歌姫』の肩代わりが出来るならいつでもしてやるさ」

「…そんな渋い声で歌われて浄化されたらカースもなんとも言えない気分だろうね」

「……違いないな」

私はなぜか演歌を熱唱する目の前のウサミミを想像する。

「…ないね」

「そんなにないか…」

ウサミン星人のウサミミが垂れ下がる。

その姿を見て自然と笑いがこみ上げる。

「一回目はウケるけど三回目から飽きられるタイプかな?」

「そ、そうか…」

「まぁ、とにかく私が見たいのはこの宇宙船だって分かってくれたかな?」

「ははっ、…珍妙な友人が出来たものだ…軽く案内くらいは構わないかもしれないな」

「…へぇ?」

…友人か…思ったよりフレンドリーなウサミン星人だ……。

「着いて来るといい、今から私が喋ることは一人言だ」

そう言って歩き出すウサミン星人。

「そういう事情なの?」

「なに、技術の漏洩をあまり堂々とすると上から睨みが来るからな」

「宇宙人も面倒なんだね?」

「君たちほどじゃないさ」

「私はそういうの捨てたから…」

「いつまで経ってもしがらみというのは追いかけてくるものさ」

「へぇ、大人なんだね?」

「はは、これでも様々なものに揉まれてきたからな」

「様々なものって?」

「私たちの故郷にも色々あると言うことさ」

「…聞かないでおいてあげるよ」

「それはありがたいな」

「しかしなぜ君は、歌姫が居ない時に来たんだ?」

「その口ぶりだと大分私たちのことは分かっているのではないのか?」

「…彼女が居る時にいきなり私が来たらあなたはどうする?」

「歌姫を守るために……」

そこまで言いかけてウサミン星人は得心する。

「君を攻撃しただろう…でしょ?」

「…その通りだ」

苦笑いを浮かべるウサミン星人。

「それとね、私はリン、君なんて名前じゃないんだ?」

「そうか、リン、最初は君を変な闖入者程度にしか思っていなかったが思った以上に頭が回るようだ」

「…あはは、本当に失礼だね」

…変な闖入者自体は修正する気ないんだね。

その時だった。

銀色の軌跡が光の線を放ちながら迫ってきたのは。


「危ない!」

私はウサミン星人を思い切り突き飛ばす。

「ぐっ!」

バランスを崩して倒れたウサミン星人の首のあった場所を銀色の閃光が通り過ぎる。

「外してしまったか」

「まぁいい、ウサミン星人は殺してしまっても構わないと聞いているしテレポーターを無理やり動かすよりは簡単な仕事だろう?」

私の前にはナイフをだらりとぶら下げるように持つ女。

でもそれよりもその女が首から下げている物……。

「特殊偏光グラス!?」

なぜアンダーワールド人がウサミン星人を狙う!?

「なんで地上侵略を狙うアンダーワールド人がウサミン星人を…?」

「おや、君は私たちについて詳しいようだね?」

「詳しいも何も…!」

私はアンダーワールド人だと口走りそうになる口を閉じる。
そうか、私はまだ偏向コンタクトレンズのお陰でアンダーワールド人だとバレてない…!

私はウサミン星人を庇うように立つ。

「私の目的はウサミン星人、邪魔さえしなければ君を殺しはしないさ」

「リン、退くんだ!ヤツの狙いは私だ!」

後ろでウサミン星人がなにか叫んでいるが無視する。

「…アウトレイジが言う不殺ほど信じられないものもないよ?」

「はははははっ!」

女は楽しくてたまらないといった風に笑う。

「いやぁ、君は本当に何者なんだい!特殊偏向グラスだけじゃなくて私たちの身分制度ことまで知っているなんて!」

どうせこんなこと任されるのはアウトレイジとあたりをつけただけだが当たったみたいだ。

「……」

私は沈黙を貫く。

「…喋らないのかい?なら……」


   「君も死んでしまうね?」

瞬く間に女の手が閃きナイフが私に向けられれる。

でも、充分だ、私がポケットに手を入れる時間さえあれば。

『炎よ!』

その瞬間女と私を隔てるように炎の壁が生まれる。

「くっ!」

女は燃え盛る激しい炎を目視して目を痛めたのか慌てて首から下げていた特殊偏光グラスを掛ける。

「アンダーワールド人は目が弱いんだから光には注意しないとねっ!」

「リン、逃げるぞ!」

私の手を引くウサミン星人。

「うんっ!」

私は魔力を使いきって光を失った魔法のビー玉を投げ捨てて走りだす。



私たちはバタバタと盛大に足音を鳴らしながら走る。

「リン!これからどうする気だ!」

「地上に出れるレベルの資金とか援助があるようなアウトレイジなんて聞いたこと無いよ!」

「アウトレイジとはそもそもなんなんだ!」

「…無法者!アンダーワールドの暗部!」

「…ア、アンダーワールドだとっ!?」

説明している時間はない……!

「ふぅ、君たちには驚かされるな…」

ありえない跳躍力で後ろから床を跳ねるように迫ってくる女

「『コンバットモジュール』…!?取り付けるの高いのに…!」

「ウサミミ!私のショルダーバッグに小型化したプラズマバスターがあるからっ!」

「ウ、ウサミミだと!?」

心外なあだ名を付けられて不服そうなウサミン星人をスルーする。

「大体なぜそんなものを持って……!」

困惑するウサミン星人、改めウサミミに残り少ないビー玉の入った巾着だけを取り出してバックをウサミミに放り投げる。

「後で頼んでビー玉の追加分貰いに行かなくちゃかな!」

何か手土産でも持って…なににしよう…?

『水よ!』

水流が女目掛けて飛んでいく。

「…遅いっ!」

ふわりと水流を避けながら壁を蹴って女はこちらに飛んでくる。

「これでいいのかっ!」

ウサミン星人がプラズマバスターを女に向け放つ。

「…ふっ!」

今度は床を蹴りプラズマバスターを避ける、女はそのまま天井にナイフを突き立てぶら下がった後に華麗に着地する。

「…君は本当になんなんだ?」

女は心底不思議そうな顔で訪ねてくる。

「なんだろうね?」

「…友人って言ってくれた人を放っとくのも気分が悪いからね、それに……」

まだ宇宙船の中、見せて貰ってないしね?

「…どちらにせよ能力者がウサミン星人を守っているなどと聞いた覚えはない」

…能力者?何のこと……?

「炎を生み出し、水を操る…どちらにせちよクライアントからの情報にはないイレギュラーのようだね」

あぁ……そうか……。


——この女はビー玉の力を能力と勘違いしてるんだ。

……なら…。

「…緊急のサインは出したよ、もうじきここに沢山の仲間がここに転送されてくるだろうね?」

今だけは嘘吐きになろう。

「……どちらにせよ今回は退かせて貰うよ、クライアントに報告しなくてはいけないからね?だが……」


   「次はないよ?」

そう言って女は微笑み立ち去っていった。

「な、なんとかなったね、ウサミミ…」

私は床にへたりこむ。

「リ、リン!私はウサミミ呼び決定なのか…?」

だってウサミミだし…。

「それよりウサミミ、あの女が帰ってくるまでに『歌姫』を保護しなきゃ!」

いつあの女が帰ってくるかも知れない。

「あぁ…そしてその後は…」

……その後…?



「宇宙船の掃除だな……」

魔法で生み出した水流により水浸しになった船内を見てウサミミはぼやいていた。

終わりです。

なぜ凛ちゃんと奥山さんじゃなくて凛ちゃんとウサミン星人Pで書いたのか分からない(困惑)

乙です
あいさん怖い…

ユズちゃん投下します

「嵌 め ら れ た !」

『みー!?』

魔力管理塔に飛び込むなりユズは叫びながらベッドに飛び込んだ。

その周りを使い魔が心配そうに飛び回る。それさえ気にせずユズは心の底からの一言を叫んだ。

「アタシが何したっていうのさー!!!!」

ベルフェゴールを更生施設送りにし、意気揚々と人間界に戻り、偶然近くにいたカースを倒そうとしたら何故か武装した人間達に銃を乱射されたのだ。

「死神!何が狙いだ!」

「撃て!カースを生み出す死神を殺せ!」

「誤解だよ!死神じゃないし!カースも生んでないし!」

取りあえず逃げ出し、大罪の悪魔を探そうと飛んでいたら正義のヒーローを名乗る、光を放つ少女に襲われた。

「平和を脅かす悪の死神め!ブライト・ヒカルが相手だ!」

「死神は悪い神じゃないから!それ以前になんでー!?」

その他にも様々な人間に襲われ、おかしいと気付いた。

人間に擬態し、偶然見たテレビでやっていたのは彼女に化けた何者かがカースを使役している映像。

『死神の格好をした謎の少女!強力な能力でカースを生み出し、我々を恐怖の渦へ…!彼女の目的はなんなのか!GDF、アイドルヒーロー同盟は彼女の目撃情報を…』

「…え?」

顔面蒼白になり、慌てて管理塔へ避難してきたのだ。世界の狭間にあるだけあって、到着できるのは杖の加護があるユズだけだから避難所としてはもっとも理想的だ。

…ちなみに今のところほぼ無傷である。心以外。

「絶対大罪の悪魔の仕業だ…どうしよう、サタン様に報告して一時的にでも他の死神を…駄目…普通の死神はあいつらには勝てない…」

どうしろと。頭が痛くなる。

「権力持ちの人間に取りついたのかな…?じゃあ強欲か高慢とかかな…?ああ…気付かれるなんて…ドジったぁ…」

何回も行った世界が間違っていないか確認して、やっぱり目的の人間界で。

…対処方法がないこともない。時の管理者に掛け合って時間を巻き戻してもらうとか、世界中に自分が安全であると洗脳するとか。

だが、時間を巻き戻しても犯人が分からなければまた同じことが起こるだろうし、そんな洗脳したら一気に重罪を背負うことになる。

「取りあえず姫様が無事ならまだいいや…」

半場ヤケクソ気味に呟く。

アタシじゃない。アタシじゃない。それでもアタシはやっていない。

「…人の噂も何日かで終わるんだ…よし、引きこm…隠れてよう。監視と捜索はぷちがして…」

『み!?みみー!みっみみー!』

「ちがうよ、怠惰じゃないよ。アタシはちょっと…うん、疲れたんだよ…。仕事はするから安心して。」

目が死んでる。

そもそも魔族だから長く生きているだけで精神はほぼ15歳の少女なのだ。免罪で指名手配は精神的にきつすぎる。

「…許さん…こんなことした悪魔、キヨラさんにオシオキされて一生無給料で働けぇ…うぅ…」

「…みー?」(どうしよう?)

「…みぃ」(とりあえずご主人様に頼まれたお仕事しようか。)

「みー、みみぃ!」(悪い悪魔探しと、お姫様の観察!)

『みー!』

取りあえず6体の使い魔たちは塔を飛び出した。

「…」

むくりとベッドから起き上がり、新しい使い魔を2体作ると塔の3階へ上る。

プラネタリウムのような、他の階とは違った雰囲気の部屋。

「絶対サタン様の手は借りない…なら…!」

自身の肉体に刻まれたのは今まで誰かが使ってきた魔術。同属性の複合魔術すら、歴代の管理者の誰かが使った物。

地下が過去の魔術の記録庫なら、ここは未来の魔術を生み出すための研究室。

「今のうちに…新たな魔術を作るまで…!」

自然や宇宙の理が星のように刻まれたその部屋は、新たな魔術を生み出そうとする管理人を歓迎するように煌めいた。

合体して二人のユズとなった使い魔が空を飛ぶ。

「お姫様の学校、どっち?」

「あっち!…多分!」

「あ、でもあそこにカース!」

「あはは、本当だ!倒そっか♪」

「「倒しましょったら倒しましょ♪」」

『合唱魔術の発動を宣言する!』

『大いなる我が力を用いて、星空・宇宙の理を読み解き、天空より光よふりそそげ!ヘブンズスターライト!』

合唱魔術の名に恥じない、歌うような詠唱。

それらが無慈悲にカースを破壊した。

その日から『死神は双子ではないか?』という噂が流れることになるが…それがどう世界に影響するのだろうか。

ユズちゃんが籠城を始めました。
よっぽどのことがない限り出てきません。…働いてるし鍛錬してるから引き籠りじゃないよ!
そのかわりぷちユズが基本的に人間界では行動中です。
ぷちユズは合体していてもいいし、していなくても大丈夫です。

ぷちユズ(合体)
基本的に3体で1人。アホの子。見た目は殆どユズそのもの。
クリスタルが記憶した魔術が使用でき、合体したことで属性に縛られず、管理者用魔術以外は大体使える。
魔力はクリスタルの物を使用しているが、3連結なので尽きることはめったにない。
喋ることができるがどこかチグハグ。感情入力が上手くいかなかったのか、いつも楽しそう。
死亡する程のダメージを食らうか、洗脳系の攻撃を食らうと自動的にクリスタルが砕け消滅する。

魔力管理塔
世界の狭間、様々な世界の魔力の流れの中央に浮かび続ける塔。
その為直接ワープすることは不可能で、一旦狭間に行ってから探す必要がある。
管理人である杖の持ち主は加護により塔への道のりが分かるが、それ以外の存在は永久にたどり着けない。
行こうとしても世界の狭間から道を踏み外し、異世界へ落ちるか、最悪の場合世界の衝突に巻き込まれて死んでしまう。
そもそも世界の狭間に入る事すら困難だったりする。

各階の構成
1階2階
吹き抜け。巨大なクリスタルが鎮座している。
一階部分は生活スペース、二階部分は魔術道具置き場になっている。

3階
プラネタリウムのような神秘的な空間。
魔術を意図的に開発する為の理想的な空間を保ち続けている。
別に管理人でなければ魔術を作れないわけではない。

地下
過去の魔術が記され続ける魔術書が大量に置いてある記録庫。
ここにある本は何があっても決して傷つくことはない。

作業BGM・「僕じゃない」の結果がこれだよ!
まぁ絶対安全地帯があれば誰でも引き籠るよね…ということで

乙にゃあ
あいさんの強者っぷりがヤバいけど、そういえばアンダーワールド人は共通で強い光に弱いんだっけ
……作中一のやられ役な南条が活躍する可能性が……?
がんばれウサミミ、尊敬されてないぞ

ユズはまた修行パートでドラゴンボールみたいなことになりそうだなぁ
引きずり出しにかかってきたりするんだろうか。それともちょっかい出されなくなれば放置なんだろうか

乙です
あいさん強い(確信)
凛ちゃんがウサミン星人Pと仲良くなるとは…イイネ!

死神が二人いるって噂を桃華ちゃまが深読みする可能性がある感じかな
そして暇さえあれば自身の強化をするサタンお父様の影響力の強さ

>>904
「姫様のことかぁー!」となる展開…?

乙乙ばっちし☆
ユズちゃんがどこまで強くなるか…

>>904
偏光グラスも偏光コンタクトもなしでカミカゼのギガフラッシュ喰らってもやばいと思う。

島村卯月、頑張ります!
投下

     ワイワイ…

卯月「むむむ……どうしよう……」

茜「卯月ちゃん、どうしたの?」

卯月「あっ、茜ちゃん。この前だされた課題が実はあと1ページ残ってて……すっごい難しいの」

茜「課題……? かだ……あーっ!!!??」

卯月「」ビクッ

茜「う、うわぁぁぁ!! どうしよう卯月ちゃん!!! 私すっかり忘れてた!!!!」

卯月「あ、茜ちゃんも? 珍しいね……いつもきちんとやってくるのに」

茜「うん、出された日がちょうど探索の重要な……はっ!!!!」

卯月「探索?」

茜「う、ううん!! なんでもないよ!!!! なんでもないよ!!!!!」

卯月「そう……かな? うーん、それならいいんだけど」


茜(あ、あぶなかったー。内緒にしなきゃダメって言われてたの忘れちゃってた!)

卯月(茜ちゃん……何か悩み事かな? 嘘をつくとき、いつもより声が大きくなるもんね……)

  キリーツ
      レーイ
         チャクセーキ……


茜「……」プシュゥ…

卯月「うぅ……また宿題が増えちゃった……」

茜「う、卯月ちゃん……」

卯月「茜ちゃん、いっしょに勉強する……? 1人だと難しいよね」

茜「うーん……そう、したいけど……その、用事が……」

卯月「用事って?」

茜「それはっ……えっと、その……と、友達!!」

卯月「友達?」

茜「うん! 友達のお手伝いしないといけないんだ!! ご、ごめんね! じゃあまた!!!」

    タッタッタッタッタ……


卯月「あ、ちょっと茜ちゃん………いっちゃった。大丈夫かなぁ」

卯月「はぁ……課題どうしよう……うーん……」

——商店街

卯月(……むむう。参考書でもあったら簡単にとけるかも! って思ったのに)

卯月(流石にないかぁ……でもここ、なんだかノスタルジックな感じで素敵かも!)

卯月(今度調べものの課題とかが出たらここに来るのもいいかも……)

卯月(……あ。そういえば世界史でレポート書く練習を含めて好きな歴史上の人物について調べてこいって言われてたっけ?)

卯月「……うーん。でも……………多すぎて何が何だかわからないや」

卯月「学校の図書室で誰について調べるか決めてから来た方がいいかな……あとは……」

卯月「………実はこういうところに、神秘の本があったりとかして。それで剣と魔法のファンタジーに」

卯月「……もう、なってるか。えへへ、でも流石にそんな本はないよねー」


      「こ、この本買います!」
               「あ、はい……350円になります……」


卯月(よーし、じゃあ今日は早めに帰って……あぁ、帰って課題やらなきゃいけないんだった……)

卯月「はぁ……どうしよう……」

卯月「いっそ、学校が壊れて…………って、そんなのダメダメ!」

卯月「うー、でも終わらせられる気がしないよぅ……答えがわかる能力とか目覚めないかなぁ……」

卯月「……うん。ないない! 私は私のまま頑張らなきゃ!」

卯月「そうだ。課題を終わらせたら最近できたっていうあのお店のケーキ食べにいこうっ!」

卯月「美味しいって評判だし、モチベーションが高いとなんとかかんとかがいいってテレビで聞いたし!」

卯月「よーし、島村卯月! 自分へのごほうびのためにがんばるぞーっ!」

    ワイワイ   ザワザワ…
      ガヤガヤ

卯月「……ってあれ? なんだろうあの人だかり……」

卯月「うーん、うーんっ……あっ! 何かの撮影かな?」

卯月「わー、かっこいい! ドラマかな……えへへ、ラッキーかも」

卯月「でもよく見えないなぁ……ふぅ、仕方ないから帰ろうかな」

卯月「課題やらなきゃいけないもんね。よーし、島村卯月、ファイトッ!」

卯月「おーっ!」


          ドカァァァァン!!

卯月「どかーん?」

卯月「……最近のドラマって爆薬も使うのかな?」

卯月「そんなわけないよね。まさか……」

             「危ないぞ君、早く逃げるんだ!」
    「うわぁぁぁぁ! カースだ!」     「怪我人は!? さっきの子は大丈夫なのか!?」
         「ヒ、ヒーローを呼べ!」                   「そんなことより逃げるんだよ! お前死にたいのか!?」


卯月「……! た、大変だぁ! えーっと、こういう時って機動警察だっけ、アイドル同盟だっけ」

卯月「電話、電話……うわーっ、電池が切れてる!? どうしよう、だ、誰か呼んでこなきゃ!」


   タッタッタッタ……

        「こ、これ以上急ぐのはつらいんですけど……!」
          「で、でも……さっき逃げてきた人たちの感じだと誰か襲われて身代わりになってるから……急がなきゃ……!」

卯月(人を呼びにいって、戻ってこようとしたらさっきの場所が植物だらけに……)

卯月「……ナチュルスターかな? うわぁ、すごい」

卯月「本当に木が生えたりするんだ……わぁ……」

卯月「………能力かぁ。やっぱりいろいろ大変なんだろうなぁ」

卯月「私は持ってない、けど。でも……持ってる人は持ってる人で……」

卯月「……うん。私は私で頑張らなきゃ!」

卯月「さて……と……」グゥゥゥ…

卯月「………その前にコンビニとかにいって、ちょっとだけおやつ食べようかなぁ……」

島村卯月(17)
ttp://i.imgur.com/iDZV4Dtl.jpg

所属:高校生
属性:人間
能力:特になし……?

いわゆる『普通』の女の子。
不思議と事件に巻き込まれないが、不思議や非日常なこと自体には興味を持っている。
交友関係は広いし、遠出も大好き。大きな事件や事故とは入れ違い気味になることが多い。
運がいいとも悪いとも言えないが……

実は神の奇跡も悪魔の誘惑にも干渉されない『普通力』とでもいうべきあるがままでいるという能力があったりする。
呪われることもなければ、奇跡が起こることもありえない。

前スレのをいくらか借りてつなぎ合わさせてもらったよー
一般人として取り回してよし、よくわからない普通力に目をつけてもよし
たぶん人外からすると「なんだかよくわからないけれど異常に居心地悪い」オーラが出てます

乙です
島村さんの普通力がこんな世界でも生きておるw
すれ違いっぷりがすごいなぁw

それから、大石泉を予約しますー

熱のこと忘れてたわ…。

熱と悪魔で思いついたけどボクらの太陽みたいなネタ出来そう。
倒した後に棺桶でちゃまを拉致るP。

投下します

何か設定に矛盾があったらお願いします

ある悪魔の話をしよう。

その悪魔は、龍族と魔族の間に産まれた。

だが、周りの魔族や龍族はきみわるがった。何故なら魔族にも龍族にもある筈の翼と角がなかったからだ。

コイツは呪われてる。

きっと、俺たち龍族に災いをもたらす。

きっと、俺たち魔族に災いをもたらす。

殺せ。この災いをもたらす奴を殺せ!!


そう言って、殺される筈だった悪魔を救ったモノたちがいた。

龍帝キバと魔王サタンである。

彼らは、自分を受けいてれてくれた。

魔族と龍族は、お互いに鍛錬しあい、共に強くなっていく間柄だった。

自分も彼らみたいになりたい。そして鍛錬にいそしむ日々だった。

いつかはあの人達と肩を並べて戦いたいと……

だが、いくら鍛錬しても彼らには追いつけない。
憧れた二人は更に上にいく。
頑張っても頑張っても頑張っても、二人へは届かない。

だが、それはまだ妬みには−−嫉妬にはならなかった。

あの日が来るまでは……

ある悪魔の話をしよう。

それはいつもと変わらない日々の筈だった。

突然、龍帝キバが魔族を殺したのだ。

それを、聞いて耳を疑った。

−−−キバ様がそんな事をする筈がない!なんかの間違えだ!!

−−−誰かがキバ様を嵌めようとしているのだ!

−−−すぐにキバ様がなんとかしてくれる!


だが、事態は更に悪化する。若い龍達もが魔族を殺し始めたのだ。

お互い、止まる事ない憎しみの連鎖は戦争へと変わった。

両方の血を引く、この悪魔にとって、地獄でしかなかった……


アイツは龍族の血を引いてる!裏切り者だ!殺せ!!

アイツは魔族の血を引いてる!裏切り者だ!殺せ!!

やはりアイツが災いを呼んだんだ!!殺せ!!

龍帝さまが狂ったのはアイツのせいだ!殺せ!!

殺せ殺せ