豊音「宮永さんと鬼ごっこするよー」 (52)

全国二回戦終了後


咲「あの姉帯さん、これ頼まれてたサインです」

豊音「わーいありがとー」

咲「それでは私はこれで…」

豊音「あ、ちょっと待ってほしいなー宮永さん」ニコッ

咲「…えっ?」

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豊音「実は私ね、この大会が終わったら元いた村に戻らないといけないんだ」

咲「え、村…?」

豊音「だからね、二回戦で敗退しちゃった今、村に帰ることが決定しちゃったの」

咲「あ、あの…?」

豊音「その村はね、山の奥深い所にあって…娯楽が何にもない所でね…」

豊音「若い子も私ぐらいしかいなくって…」

咲「そ、そうなんですか…」

豊音「…私、またぼっちに戻っちゃうんだよ…」

咲「…」

豊音「だからね、私思ったんだー」

豊音「これは宮永さんに責任を取ってもらうしかないなーと…」

咲「…えっ?」


豊音「宮永さんを私の村に連れて帰ろうかなって!!」ニコッ

咲「」

咲「あ、あのっ、ちょっと待ってください」アセッ

豊音「ん?なになにー?」

咲「本気で言ってるわけじゃないです…よね?」

豊音「こんなこと冗談じゃ言わないよー?」

咲「わ、私、長野に家族がいますし…それに…」


豊音「やだなー宮永さん…」

豊音「宮永さんに拒否権なんて…ないんだよ?」ニコッ

咲「!?」

豊音「私の夢も希望も全部奪った宮永さんには、責任を取る義務があるんだよ」

咲「そ、そんな…」

豊音「だからね宮永さん、一緒に村に帰ろう?」ニコニコ

咲「…っ」フルフル

豊音「私ね、さっきの対局で宮永さんのファンになっちゃったんだー」

豊音「あんな打ち筋、間近で見せられちゃ惚れちゃうしかないよねっ」

咲「…」

豊音「だから宮永さんとなら、退屈な村だって楽しく過ごせそうだなって!」

豊音「ねえ宮永さん、一緒に行こうよー!」

咲「…っ、私、家族が…」

豊音「拒否権はないって言ったよね?」ニコッ

咲(こ、こんなのおかしいよ…でも、姉帯さんの表情…)

豊音「…」ニコニコ

咲(顔は笑ってるけど目が笑ってない…怖いよ…)

豊音「…ねぇ。じゃあこうしよっか」

豊音「今から宮永さんと鬼ごっこをするの」

咲「え、鬼ごっこ…?」

豊音「私が鬼で宮永さんが子。私から逃げれたら宮永さんを開放してあげるよー」

豊音「でも、私に捕まったときは……宮永さんは私の所有物になるんだよ!」

咲「!?」

豊音「ね!楽しそうでしょー?」ニコニコ

咲「そ、そんな…っ」ブルブル

豊音「じゃあさっそく始めるね!いーち、にーい…」

咲「ま、待っ…!!」

豊音「早く逃げないとすぐに捕まえちゃうよー宮永さん!…さーん…」

咲「や、やだ…っ!!」ダッ


咲(ううっ怖いよ、怖いよぅ…)タッタッ

咲(だ、誰か助けて…)タッタッ

咲(そ、そうだ!!うちの控え室に逃げ込めば!!)タッタッ

清澄高校控え室


咲「部長、みんな!!助け…」ガチャッ

咲「…えっ!?」


久「」

和「」

優希「」

まこ「」

京太郎「」


咲「な、何で皆気絶してるの…?」

久「…ううっ…」

咲「!!部長!!大丈夫ですかっ!?」

久「…さ、き…」

咲「一体これはどういう…」

久「…にげ…て…」

咲「…えっ?」


豊音「あ、やっぱりここにいたんだね宮永さん…」ギイ…

咲「ひっ!?」ビクッ

豊音「絶対ここに逃げ込むと思って、あらかじめ清澄の人達を片付けておいて正解だったよー」

咲「っ!!あ、姉帯さんが部長達を…」

豊音「そうだよー。コレでね♪」バチバチッ

咲(スタンガン!?何でそんな危ないもの持ってるのっ!?)

豊音「さあ早く逃げないと捕まえちゃうよー」ニコッ

咲「ひ、ひいっ!!」ダダッ

咲(あんなものまで用意してるなんて…あ、あの人本気なんだ…)タッタッタッ

咲(捕まったら私、二度と家に帰れないの…?そんなの嫌!!)タッタッタッ

咲(とにかくどこかに逃げ込まないと…あ、あの学校は…)タッタッタッ


姫松高校控え室


咲「し、失礼します!!」ガチャッ

洋榎「な、何や何や!?」

漫「あ、清澄の大将…」

咲「すみません!人に追われてるんです…どうか匿ってもらえませんか!?」ハアハア

洋榎「は!?どういうことやねん!?」

絹恵「お姉ちゃん、この子えらい震えとるで」

咲「…っ」ブルブル

恭子「……なんやよう分からんけど、ええで」

咲「!!」

恭子「そこのソファーの裏側にでも隠れとき」

咲「あ、ありがとうございます!!」

由子「一体何に追われてるのよー?」

咲「そ、それは…」

コンコン

咲・姫松一同「!?」ビクッ

漫「だ、誰か来ましたよ…」

絹恵「ど、どうするん?」

恭子「…とりあえずドアは開けずに対応するんや」



洋榎「何や、どちら様や!?」

?「ちょっと探し物してるんだけど…」

洋榎「探し物?何やそれは?」

?「それはこのドアを開けてくれたら教えてあげるよー」

咲「…っ」ビクビク

洋榎「……」

?「ねえ、早くドア開けてよー」

洋榎「…嫌や、って言ったら?」

?「……」

?「…なら、実力行使するまでだよ」


ガンッ!!ガンッ!!ガンッ!!


洋榎「!?」

恭子「凄い勢いでドアを蹴られとるな…」

由子「ひいい!怖いのよー」ガクガク

絹恵「わーん、お姉ちゃーん!!」ブルブル


バタン!!


咲・姫松一同「!?」

豊音「ふう、やっと開いたよー」

豊音「酷いなぁ姫松の皆さんは。さっきまで戦ってた戦友でしょー?」

洋榎「な、何やねんアンタ!!勝手に入ってくんなや!!」

豊音「えー、だってここに探し物があるんだもん」


豊音「――宮永さん。いるんだよね?」ニイ


咲「!!」ビクンッ

咲(な、何で?どうして私がここにいるって分かるのっ!?)

豊音「さあ宮永さん、早く出てきてよー」

洋榎「ちょい待ちや!宮永はここにはおらへんで!!な、なあ絹!!」

絹恵「う、うんお姉ちゃん!!」

由子「そうそう。だからとっとと帰るのよー」


豊音「…そう。皆私の邪魔をするんだね…」

豊音「それなら…こっちも遠慮しないよっ!」バチッ

洋榎「うっ!?」ガクンッ

恭子「主将!!あ、あんたその手に持っとるのはスタンガン!?」

絹恵「お姉ちゃん…お姉ちゃんに何するんや!!」ガッ

豊音「おっと!!」ヒュンッ

豊音「いきなり蹴り入れてくるなんて酷いなー」バチッ

絹恵「ううっ!!」ガクッ

由子「絹ちゃん!!」

咲「!!皆さん!!」バッ

恭子「宮永!!出てきたらアカン!!」

豊音「やっぱりここに隠れてたんだねー宮永さん」ニコッ

咲「っ!!」ブルッ

恭子「――宮永!!逃げや!!」

咲「で、でも私のせいで皆さんが…」

恭子「こいつ正気やない!捕まったら何されるか分からんで!!」

咲「!!」

恭子「はよう!!」

咲「わ、分かりました!末原さん達もどうかご無事で!!」ダッ

豊音「あーあ、宮永さんに逃げられちゃったー」

恭子「あ、アンタは宮永をどないしたいん…?」

豊音「それは末原さんには関係のないことだよ」

豊音「それはともかく、私の邪魔をしてくれた末原さんにもコレをお見舞いしてあげるね」バチバチッ

恭子「ううっ!!…みや…な…」バタッ

漫「先輩!!」

豊音「さあ、鬼ごっこもそろそろ飽きてきたよ、宮永さん」



咲(ううっ…私のせいで末原さん達が…)タッタッ

咲(もう誰にも頼らず自力で逃げるしか…っ)タッタッ


ドンッ!!


咲「きゃっ!?」

誠子「うわっ!?」

咲「す、すみません!!急いでいたもので…」

誠子「いや、こっちも前をよく見てなかったんで…って、君は…」

誠子「宮永先輩の妹さん!?」

咲「あ、お姉ちゃんの学校の…」

誠子「2年の亦野誠子っていうんだ。よろしく」

咲「あ、はい。宮永咲です」ペッコリン

咲「って立ち止まってる場合じゃなかったっ!!」アセッ

誠子「ん?どうしたの?そういやさっき急いでるって…」

咲「え、えと、ちょっと急用が…」


豊音「宮永さーん!!そろそろ追いついちゃうよー」ダダダダ

咲「ひいっ!!あ、あの失礼します!!」ダッ

誠子「!?何だあのこっちに走ってくる大女は…手にスタンガンとかやばすぎるだろ!!」ダッ

誠子「妹さん!!」

咲「はい…ってわわっ!?」グイッ

誠子「こっちに!!」ダッ

咲「えっ!?いったいどこへ!?」

誠子「うちの控え室に逃げ込もう!!」

咲「!!だ、駄目です!!皆さんにご迷惑が…」

誠子「うちのメンバーなら大丈夫!!」

誠子「宮永先輩のコークスクリューや弘世先輩のシャープシュートで撃退してくれるよきっと!!」

白糸台高校控え室


誠子「さあ入って!!」バタンッ

咲「はあ、はあ…」

菫「な、何だ!?って亦野か、脅かすなよ」

淡「あ、テルーの妹さんだー」

照「…!?」

尭深「…」ズズーッ

咲「お、お姉ちゃん…あの…」

照「…私に妹はいない」

咲「…っ」

誠子「そんな意地張ってる場合じゃないですよ宮永先輩!!」

菫「何かあったのか!?」

誠子「大有りですよ!!妹さんがスタンガン装備した大女に追われてるんです!!」

照「!?」

誠子「と、とにかく彼女を安全な場所に…」


バタン!!


咲・白糸台メンバー「!?」ビクッ


豊音「…宮永さん、見ーつけた!!」ニコッ

咲「ひっ…」ガクガク

豊音「さあもう隠れんぼは終わりだよー」ズイッ

豊音「抵抗すると宮永さんもコレでビリビリさせちゃうよっ」バチバチ

咲「や、やめ…」カタカタ


照「!!…私の妹に…」

照「手を出すなぁ―――っ!!」ギュルルルル

豊音「おっと!!」ガッ

照「!?私の渾身のコークスクリューを受け止めただと!?」

豊音「ふふっ。どんな威力だろうと回転の流れさえ読めれば受け止めるのは簡単だよっ」 バチバチッ

照「ううっ!!……さ、き…」ガクンッ

淡「テルー!!」

咲「お姉ちゃん!!」

誠子「宮永先輩のコークスクリューが効かないなんて…」ゴクリ

尭深「…」ズズーッ

菫「…ならばこれはどうだ!!シャープシュート!!」ビュンッ

豊音「よっと!!」ガッ

>照「!!…私の妹に…」
>照「手を出すなぁ―――っ!!」ギュルルルル

熱い展開なのに!

菫「なっ!?素手で私の矢を掴んだだとっ!?」

豊音「遅いよー。そんなスピードじゃ私には当てらんないよっ」バチッ

菫「うっ!!」ガクンッ

淡「スミレ!!」

誠子「なっ、弘世先輩まで…ば、化け物だ…」ガクガク


咲(駄目…これ以上私がここにいたら皆さんに被害が…)

咲「…ごめんなさいっ!!」ダッ

誠子「妹さん!?」

豊音「あ、待ってよー宮永さーんっ」ダダッ

淡「……結局、私達じゃ妹さん助けられなかったね…」

尭深「…」ズズーッ

誠子「こうなったら彼女が逃げ切れるのを祈るしか…」

淡「そうだね…どうか無事で…」



咲(はあはあ…もうずっと走ってる気がする…)

咲(体力もそろそろ限界…でも立ち止まったらそこでお終いだ…)

咲「…あっ!?」コケッ

咲「っ!!」ズデンッ

咲(足がもつれて転んじゃった…痛っ!?)ズキッ

咲(しまった!足を捻らせちゃった…もう走れないよ…)

豊音「宮永さーん、こっちかなー?」

咲(あ、姉帯さんが近づいてくる…もうこの部屋に逃げ込むしか…っ)ギイッ

タカミー茶飲んでるだけかよw

咲(ここは…医務室?でも誰もいない…)

咲(と、とにかくどこかに隠れないと…)

咲(…あ!あのベッドの下に…!!)ズイッ


バタン!!


豊音「みーやなーがさん!!どこかなー?」

咲(……っ)ドクンドクンドクン

豊音「あれ、おかしいなー。この部屋に入っていった気がしたんだけど…」

咲(ど、どうかこのまま見つからないで…お願い…っ)ドクンドクンドクン

豊音「んー、気のせいか…」

咲(……っ)ドクンドクンドクン

豊音「それじゃ別の部屋を探してみるかなー」


バタン!!

咲(…っ!!やった!!気づかずに行ってくれた!!)

咲(助かったんだ私!!)

咲(で、でも念のためもう暫くはここに隠れてよう…)


スルッ


咲(なっ!?ベッドの下から手が伸びてきた!?)


ガッ!!


咲(あっ!?足首を掴まれた!!)

咲「や、やだっ!!」ズルズルズルッ

咲(引っ張り出される…っ)

咲「…っ!!」ドサッ

豊音「――ふふ。宮永さん見ーっけ…」

咲「あ、あ…」ガクガク



豊音「――捕まえたっ♪」ニコッ






その日以来宮永咲は消息を絶った
数年後、とある山奥の村で両親譲りの雀力を持つ子供が誕生したのはまた別のお話

カン

以上です、読んでくれてありがとう
最初は救済EDにしようかと思ったけど、こっちの方がしっくりくるかなあと

おつ
救済編も見てみたい

救済編と拐われた後の村での生活もよろしく

乙 ちょー怖かったよー

子どもができる過程を詳しくお願いします


逃げる咲ちゃんは当然だが追いかける豊音が可愛い不思議

おつ
咲さん孕まされたんか…

農村のご老人にまわ・・・

姉帯さんが怪しい儀式で生やしたのか…

>>37>>38
iPS細胞知らないニワカ乙

豚が釣れたか
しんでどうぞ

iPSより怪しい儀式で生やした方がホラーだな
そっちのが怖いしシックリくる
この姉帯さんならやりそう

はっきり言って百合豚よりフタナリ厨の方がキモいけどな?臭いから消えろよ

この姉帯さんは某iPSシリーズの4人組と同等に強そうだな

ホラー的にはあるよねってことだろ
大体隔絶されたド田舎にiPSの設備あるとか変だろ

フタナリ厨が必死で草不可避

いや、姉帯さんキチガイにしてる時点で怒れよ

SSなんてもれなくどのキャラもキチガイにされるからな
久や照がふたなりで女の子襲いまくる話とか

>久や照がふたなりで女の子襲いまくる
女の子襲う時点でフタ以前の問題や

ふーん
内容が気に入らないならいざ知らず、たたのキャラ厨が喚いてるだけか

とりあえずiPSでもふたなりでも良いから続きオナシャス

救済ルートが読みたい

救済編や後日談は無いほうが色々と妄想できて良いな

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