阿笠博士「光彦くんを>>2する装置ができたぞい新一」 (89)

コナン「まじかよ博士!?」

阿笠「制作にざっと二ヶ月はかかったのお」

>>2

三枚おろし

阿笠「これじゃよ」スッ

コナン「このボタンを押せば光彦が三枚おろしになるんだな?」ポチッ

コナン「早速行ってくるぜ博士!ありがとな!」

阿笠「ああ、くれぐれも悪用するんじゃないぞー」

---小学校---

元太「ひでぇ...誰がこんな事...うな重食いてぇ...」

歩美「どうしたの?」

光彦「光彦くんが三枚下ろしになってたらしいわよ」

歩美「ふーん。あ、コナンくんだ!」

コナン「バーロー!光彦はどうした!」

灰原「」

光彦「どうしたの?俺ならここにいるけど...」

元太「変なコナンくんうな重重うな重」

歩美「コナンくん!コナンくん!コナンくん!」バタバタ

コナン「(どうなってやがる...?何かがおかしい...)」

光彦「俺はここに元太「うな重」」歩美「コナンくんコナンく灰原「」

コナン「(三枚下ろしにされているのが光彦の野郎じゃなくて灰原だと...!?)」

コナン「(うな重狂いの野郎は普段通りだが...)」

コナン「(歩美ちゃんの姿はブレているし言動もおかしい)」

コナン「(光彦の人格も変わっている...)」

コナン「(博士の発明とも関係ないはず、これはまさか...)」

コナン「黒の組織の仕業、か...」ギリッ

コナン「まずはジンに連絡を取るしかねぇ」ピポパ

携帯「prrr」

光彦「はい」

コナン「(やはりジンも光彦の支配下に置かれていたか...)」

コナン「推理通りだぜ黒の組織よォ!」ピッ

光彦「変なコナンくん...」

歩美「コナンコナンコナ元太「うな重うな重うな重」」

ーーその頃、薄暗い部屋の中

一人の年老いた男がモニタを注視している。

阿笠「...これでよかったのかのお、新一...」

彼は黒の組織のトップとして長年日本経済を裏から支えてきた影の功労者である。
誰もが彼に従った。
金も女も権力も、欲しいものは全て手に入れてきた。
彼の造った高校生探偵、工藤新一。
彼が若返りの薬の副作用により、支配を逃れ自我を持つようになるまでは。

阿笠「新一...」

強力な力を手に入れた工藤新一は、阿笠に光彦殺害の道具を造らせ続けた。
阿笠は逆らえなかった。
彼ほどの実力なら、工藤新一...いや、コナンを殲滅する兵器などいくらでも造れたのに。
しかしそうはしなかった。
なぜなら。

阿笠「...この年で初恋なんぞ、哀くんに笑われてしまうぞい」

阿笠はコナンに恋をしていたのだ。

阿笠「(あのスイッチを押すと哀くんが三枚下ろしにされる)」

阿笠「(歩美ちゃん達は人格崩壊、光彦くんは新たな世界のアダムとイブになるはずじゃ)」

阿笠「(新しい世界に老害はいらん...だから...)」

ドア「バァーン」

歩美「コナンくんコナンくんコナンくん」ガタガタガタ

阿笠「ようやく来たか...さあ、殺せ」

阿笠「(さあ、世界はどこへ向かうのかのぉ、新一...)」

阿笠「(最後にもう一度...)会いたかっ」

歩美「コナンくんコナンコナンコナンく」ブチブチ

ーー同時刻

元太「」

コナン「歩美には逃げられたが...やはりキック力増強シューズの力は素晴らしい」

コナン「(ジンの野郎を光彦に抑えられたのは痛いが...まあなんとかなるだろう)」

光彦「」ガタガタ

光彦「な、なんでこんな事を...」

コナン「...なぜかって?」ジャキッ

光彦「ひっ!」ビクッ

コナン「...俺はただ、お前を三枚下ろしにしたかっただけなんだよ」

コナン「ただ...ただそれだけだった。それだけだったはずなのに...」

コナン「今のこの状況はなんだ?え?」

光彦「わ、私は何も悪い事は...」

光彦「僕だってそうですよ!」

光彦「今まで何回も消滅させられてきました、でも僕は一回だって...」

コナン「なあ、頼む、黙れよ...」パァン

光彦「ぐっ」ドクドク

光彦「光彦!」

コナン「俺は何か間違っていたのかな...」

光彦「大丈夫よ、貫通しているし急所は外れてる、止血すれば...」

コナン「なあ」ジャキッ

光彦「はぁ...はぁ...」

光彦「...撃ちたければ撃ちなさい。私は光彦を見捨てない」

光彦「!...み、光彦さん...」

コナン「...くだらねぇ」

コナン「(...俺も...博士と...)」

コナン「(いや、もう過ぎた事だ...)」

コナン「悪いが、お前らには死んでもらう」キュイイイーン

光彦「!(キック力増強シューズに力が溜まって行く...!)み、光ひ、逃げ...」

光彦「...死ぬ時は一緒。そうでしょ?」ギュッ

光彦「(ああ、僕は)」

コナン「終りだ...」ギュイーーン

光彦「(僕は何もできずに)」

コナン「シューーーーッ!!!!」ドーン

光彦「(死ぬのか)」



???「そこまでや、工藤」

コナンの放ったボールの速度382km/s!ボールの質量32kg!!
常人が受け止めれば木っ端微塵になる事間違い無しのそのエネルギー!!
そのボールをこの男は!コナンの放ったボールを片手で止めた!

コナン「...あん? なんでお前がここにいる」

光彦「!!」光彦「!!」

???「なんやて、工藤?」

男の片手から、煙を上げたボールがこぼれ落ち...
彼はその帽子を右手の二本指で掴む。

服部平次「探偵は事件に惹き寄せられるもんや」

焼けこげたボールは、潰れたトマトのように地面に広がっていた。

服部「早く逃げえ、光彦ども」

光彦「で、でも...」

服部「そっちの光彦は相当な重傷や。さっさとせんかい」

光彦「はぁ、はぁ...」

光彦「...!!...すみません...!!」

コナン「おっと。そうは問屋が許さねぇぜ」ジャキッ

服部「工藤。俺相手に拳銃なんてもんが役に立つとは思ってないんやろ?」

服部「俺が来た時点でもうお前に光彦を狙う余裕はない」

コナン「...」

光彦「」ダッ

服部「...よし、行ったな」

コナン「なぜ俺の邪魔をする?」

服部「お前は人造人間や。それが普通の人間を皆殺しにしようとしているなら」

服部「俺が止めるのは当たりま」

その時頭上に迫っていたタングステン・チタン・ウラン等から成る
全長6.1m、直径30cm、重量100kgの金属棒に服部平次が気付かなかったのは、
運命のいたずらであろうか。
小型推進ロケットを取り付けられたそれは、高度1.000kmの低軌道上に配備された
宇宙プラットホームから発射され、11.587km/h(約マッハ9.5)にて落下した。
この極めて大規模な運動エネルギー弾は服部の頭蓋を粉砕し、
事前に半粒子性防御壁を展開していたコナンを除く周囲半径500kmを灰燼に帰した。

服部「」

コナン「Rods from god... 宇宙から射出される神の杖にはお前も敵わなかったか」

コナン「俺たちは所詮、弱い...ただの」

コナン「人間だ」

致命的なミスを犯した
半粒子じゃなくて反粒子のつもりだった

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