エドワード「チノちゃん、貨車には優しくするんだよ」チノ「うるさいですね…」ドスンッ (17)

貨車「あ、あぁ~ッ!」ドスンッ

エドワード「あっ、言ってる側からもう…」

チノ「もう、エドワードさんは私が貨車の入れ替えもできないとお思いなんですか?」

エドワード「そんなことはないよ。ただ…」

チノ「はい、ここの入れ替えは終わり。ゴードンさんの客車取ってきます」シュッシュッ

エドワード「あ、はぁ…」

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森本レオ「数週間前、エドワードは遥々日本の喫茶店ラビットハウスからソドー鉄道に就職した少女チノを教育することになったのだが、チノはあまりエドワードに対して敬意を敬ってはいなかった。
彼女の働いていた喫茶店で男性とトラブルがあったせいで、男だったらたとえ機関車だとしても冷たい態度を取るようになってしまったのだ」

エドワード「弱ったなぁ、どうしよう。チノちゃんが男嫌いなのはわかるけど…、このままじゃ操車場でのチノちゃんに対する風当たりが強くなっちゃうよ」ウ-ン

チノ「よいしょ、よいしょ…」

エドワード「とても頑張り屋な子なんだけどなあ…」

客車「さあ、お出掛けよ。さあ、お出掛けよ」

チノ「…はあ。いつか私も、貴女達を牽いて旅がしたいです…。線路を飛ぶように走ったら、どんなに気持ちが良いんでしょうね」

エドワード「女の子にはとても仲良く接してくれるんだけどなぁ」

機関士「まあまあ、機関車の君が深く考えることでもないよ。そろそろ彼女だってここの生活にも慣れてきたろうさ。ま、様子を見ていよう」

エドワード「…うん、そうですね!」シュッシュッ

チノ「ふぅ…、こんなものですかね…。もっとここの仕事をこなせるように頑張らないと…」

ココア「チノちゃん、大丈夫?」

チノ「こ、これくらいへっちゃらです」

ココア「そうじゃなくて、エドワードさんのこと」

チノ「っ…」

ココア「もうあれから男嫌いは治って、他の機関車や機関士さん達には素直にお話しできているのに、どうしてエドワードさんにはツンツンしてるの?」

チノ「そ、そんなことありませんっ!大体、エドワードさんは私を見くびりすぎなんです!客車や貨車の入れ替えなんて、簡単なことでしょう!?」

ココア「うーん…そうとは思えないけどなあ…」

チノ「機関車の操縦も一週間でマスターできたんです。そろそろ列車の牽引だって夢じゃありません!」

ゴードン「よう、チノ、ココア。頑張ってるか?」

チノ「ゴードンさん、おはようございます」

ココア「もちろん頑張ってまーす!」

ゴードン「でぇっへっへっ!そうかそうか!」

チノ「そろそろ列車だって任されるかもしれません!」

ゴードン「…ん!?おいおい、それは自惚れが過ぎるぞ」

ココア「やっぱりゴードンさんもそう思いますよねぇ…」

ゴードン「…あ。そういえば、昔初めて客車を牽くのが嬉しすぎて、客車を駅に置いてっちまった機関車がいたなぁ…?」

チノ「そんな機関車がいたんですか?」

ココア「とんだ慌てん坊さんがいたもんですね」

ゴードン「ぐっふふふふ…だってよ、トーマス」

トーマス「…フン」

チノ「ふぇ?」

ココア「ふふふ、トーマスさんにもそんな過去があったんですね」

トーマス「うるさいなぁ!ゴードンだって溝に落ちたり、駅の壁をぶち破ったり、支線に入って転げ落ちたりしたじゃないか!」

ゴードン「だが俺様は客車を置いて駅を出て行ったりはしたことないぞ?」

トーマス「ぐ、ぐぬぬ…」

エドワード「へえ、昔お客も荷物も車掌も乗せずに駅を出発しちゃった機関車がいた気がするんだけどなあ?」

ゴードン「ぐ、ぐ…」

トーマス「…あ、思い出したぞ。そういえばその機関車は支線を下品とか言ってたくせに自分も支線に入って双子の小悪魔に殺されそうになったんだっけ?」

ゴードン「わ、悪いがそろそろ俺は急行を牽いて行かなきゃいけないんだ!じゃあなチビ共!わはははは!」シュッシュッ

チノ「あ、エドワードさん…」

ココア「エドワードさんも人の過去をえぐる時があるんですね!」

エドワード「人聞きが悪いなあ…。本当は良くないことだけどね。でも、自分のことを棚に上げて人のことをからかうのは良くないことだもん」

トーマス「そうそう!」

エドワード「トーマスも、人のことを言えないよ」

トーマス「ちぇっ、エドワードには敵わないよ」シュッシュッ

チノ「…で、エドワードさんはここに何の用ですか」

エドワード「用ってことはないんだけど、ハット卿が君達に話があるって言ってたから、その伝言に来たんだ」

チノ「わかりました。すぐ行きます」シュッシュッ

ココア「何だろうね?」

ハット卿「君達はよく働いとるな。なのでそろそろ君達に列車を牽いてもらいたいんだが…」

チノ「ほ、本当ですか!?」

ココア「私たち、一生懸命頑張ります!」

ハット卿「よし、頼んだぞ。エドワードが教えるから、彼の言うことをしっかり聞くんじゃぞ」

チノ「…わかりました」

ココア「チ、チノちゃん…」

駅長「この荷物は少し重いぞ。坂道には気をつけるように」

エドワード「僕が後ろから押すから、君達はこの貨車達を引っ張ってね」

チノ「言われなくてもそうします」ツ-ン

ココア「繋ぎましたー」

車掌 つ笛ピー

エドワード「よし、出発だ!」

森本レオ「念願の列車を牽くことができて喜ぶチノだったが、貨車達は今朝チノにぶつけられたことを許してはいなかった」

貨車「へへへ、このメスガキ共に仕返ししてやろうぜ」「おかのした」「ぐへへ」

エドワード「チノちゃん、ココアちゃん、あまり乱暴に走ると危ないよ!」

チノ「うるさいですね…」

ココア「でもちょっとスピード早くない?」

チノ「いいんです!」シュッシュッ

森本レオ「やがて、ゴードンの丘に来た。チノはこのスピードのまま登り切るつもりでいたが、エドワードがブレーキをかけた」

チノ「ちょっと、エドワードさん!止めないでください!」

エドワード「ダメだよ、こんなスピードで登ったら下り坂で暴走しちゃうよ!」

チノ「また子供扱いして…!」

ココア「チノちゃん、一回スピードを落とそうよ!」

チノ「行くんですって…!」グイッ

エドワード「うわあっ!」

貨車「押せ押せーっ」「どんどん押せーっ」ドスンドスン

チノ「ひゃあッ!?」

ココア「えっ、えっ?」

エドワード「大変だ…っ!貨車は僕よりも彼女達に気を取られてる…!」ギギ-ッ

機関士「頑張れエドワード!俺たちがやるしかない…!」

エドワード「ぐっ、チノちゃん!ブレーキをかけて!ブレーキを、かけるんだーっ!!」

チノ「はっ、はいっ!ふんぬーっ」ギギ-ッ

ココア「うわー!」ギュッ

貨車「ギャハハハ」「オラァッ!突っ込め!」ドスンドスン

ブレーキ車「ふんぬーっ」ギギ-ッ

ココア「ああっ、駅だ、もうダメだよ…!」

チノ「ひ…やっ…」

エドワード「ふんぬーっ!!」ギギ-ッ

森本レオ「チノとココアは諦めかけたが、エドワードは力一杯、ブレーキをかけた。そして、駅にぴったりと止まることができた。駅で休憩していると、チノとココアは機関室から降りてエドワードに近寄って言ったり」

チノ「…エドワードさん、ありがとうございました。今まで生意気な態度を取ってごめんなさい」

エドワード「気にすることはないさ。僕はただ役に立ちたかっただけだ」

ココア「ううん、私達が諦めた時もエドワードさんがブレーキをかけてくれたおかげで助かったんです!」

チノ「あ、あの、エドワードさん…」

エドワード「何だい?」

チノ「…んっ!」smack!

エドワード「わっ」

ココア「まあっ!」

機関士「おっほほ、エドワードも隅に置けないな」

エドワード「チノちゃん…」

チノ「はわわ…、あ、あの…、もうちょっとだけ…いえ、これからも私達の教育に付き合ってもらってもいいですか?」

エドワード「…もちろん!」 ニコッ

森本レオ「その後、貨物列車を運び終えたチノ達は、戻ってから入れ替え作業を一から教え直してもらい、今ではすっかり、チノは一人前の機関士として、ココアは一人前の機関助手として働いている。
彼女達の男嫌いはもちろん治り、時々ナップフォード駅の喫茶店の手伝いをすることがあるが、それはまた別のお話…」

このお話の出演は、トーマス、ゴードン、そして、エドワード、でした。

優しい男に絆されるチノちゃんが書きたかったけど何だこれ
自分で書いてて思ったけど何だこれ

まあ、エドワードとヘンリーがきかんしゃトーマスのレギュラーから外されたことが悲しすぎたんやろなあ…

お目汚し失礼いたしました
HTML依頼出してきます

森本レオ「○○というお話」のタイトルコールがあれば満点だった

じゃあ、もしSSサイトがこのスレをまとめる時用のためのタイトルコールでも…
森本レオ「『エドワードとチノ』、というお話」

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