アルミン「意地があるんだよ!男の子には!」 (55)

アルミン・アルレルト

104期訓練兵、背が小さい、金髪、ボブカット

顔がかわいい、運動は苦手、鼻がちょっと低い

座学トップ


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エレン「アルミン、風呂入ろうぜ。何かすごい汚れてるぞ」

アルミン「う、うん。僕は調べ物をしてからにするから、先に行っててよ」

エレン「そうか?あんまり遅くなるなよ」

アルミン「ごめんね」

カポーン

ライナー「アルミンは一緒じゃないのか」

エレン「調べ物があるんだってさ」

ベルトルト「座学トップは流石だな。日ごろの修練の賜物か」

エレン「アルミンは最初からトップだったけど、最近妙に俺を避けてる気がするんだよなぁ」

ライナー「・・・あの噂はやっぱり・・・」

エレン「なんだよ、噂って」

ベルトルト「いや、益体も無い話なんだが」

ライナー「聞いても感情的にならないでくれよ」

エレン「いいから、早く言えよ」

ベルトルト「いや、な。最近、アルミンの胸が膨らんでるんじゃないかって、噂が」

エレン「そんなわけないだろう、アルミンは男だぞ。そんなことはコニーだって知ってるぞ」

コニー「おう。俺は男だ!」ドヤッ

ライナー「アルミンは可愛い顔してるからな」

エレン「まさか、ライナー・・・」

ライナー「違う!俺にはそんな趣味は無い!」

ベルトルト「なんなら、ミカサにも聞いてみなよ。多分知ってるはずだ」

兵舎裏

ミカサ「その噂は知ってる」

エレン「何で黙ってたんだよ」

ミカサ「根も葉もない戯言。一々取り合う必要は無いと判断した」

エレン「その噂を広めてるのは、誰なんだ?」

ミカサ「分からない。最初はミーナかと思って軽く削いだけど、違ったみたい」

エレン「取り合ってるじゃねえか。アルミンは、このことは?」

ミカサ「知らないはず・・・でも」

エレン「なんだよ」

ミカサ「アルミンの様子がおかしいのは、確か」

エレン「そういえば、ここ一ヶ月くらいずっと、理由をつけて一緒に風呂に入らない」

エレン「着替えるときも、部屋の隅でコソコソしている」

ミカサ「それに、日中も夜中も、どこかに出かけているみたい」

エレン「今日も体中、泥に汚れて帰ってきてた」

ミカサ「仮説がある。けれど確証がない。ので、明日確かめてみる」

翌朝

エレン「それで、どうやって確かめるんだ」ヒソヒソ

ミカサ「エレンは、私の言うとおりに行動して欲しい」ヒソヒソ

エレン「分かった」


アルミン「おはよう、エレン、ミカサ」

ミカサ「おはようアルミン」

エレン「おはよう。なぁアルミン。服、脱げよ」

ライナー「」ガタン

ミーナ「」ガタン

アルミン「え、いやだよ。朝から何言ってるのさ」

エレン「それとも、先に口をふさいで欲しいのか?」グイッ

アルミン「ちょっと、やめてよエレン。服が破けちゃうじゃないか」

エレン「服なんてどうでもいいだろう?って、おい、ミカサなんかこれ違うだろう!」

ミカサ「そんなはずはない。ミーナから借りた本では、このあと二人とも裸になってた」

ミーナ「」

エレン「・・・俺も裸になってどうするんだよ」

アルミン「二人とも何の話してるのさ」

ミカサ「アルミン、あなたは隠し事をしている」

アルミン「して、ないよ。何、言ってるんだか」ハハハ

ミカサ「ちょっと前から、体の動きがおかしい。何らかの不調を抱えているはず」

アルミン「そんなことないってば!」

ミカサ「サシャ、アルミンの服の中にパンを入れた。取り出せたら食べていい」

サシャ「本当ですか!?パァン!!」

アルミン「うわぁ!?やめてよ、サシャ!・・・ちょ、なめ回さないで!・・・ん・・・あっ」

クリスタ「」ガタン

ユミル(なんかエロい)

サシャ「パァン・・・は無いですね?」

アルミン「ひどいよサシャ。無理やり頭を突っ込むから、服が」ハッ

エレン「アルミン、どうしたんだ、その体」


アルミン「訓練で、ついた傷だよ」

クリスタ「ひどい痣・・・」

ミカサ「そんなはずは無い、その傷は明らかに人間の暴力を受けた後の」

アルミン「訓練中の傷だっていってるだろう!それで良いじゃないか!」

エレン(アルミンが・・・)

ミカサ(こんなに拒絶するなんて・・・)

アルミン「大きな声出して、ごめん。でも、僕は大丈夫だから。用があるから、もう行くね」ダッ

サシャ「コニー、私達も行きましょう」

コニー「おう」

クリスタ「アルミン・・・」

ミカサ「・・・」

エレン「どうして、あんな傷が・・・」

ミカサ「アルミンは、座学だけがトップで目をつけられやすい」

エレン「誰かに目をつけられて、暴力を振るわれてるってことか」

ミカサ「定期考査が近いから、全体的にピリピリしてる。そのはけ口にされているのかも」

エレン「アルミンは対人格闘の成績が低いから、やり返されても怖く無いってか」

ミカサ「ちょっと、削いでくる」

エレン「待てよ、誰が犯人だかわかってんのか」

ミカサ「分からない。けど、手当たりしだい、真犯人が名乗り出るまで、削ぐ」

エレン「それじゃあ、ただの通り魔じゃねえか。やめろよ」
エレン「それにアルミンは、暴力に暴力で返すことは嫌がる」

ミカサ「・・・」

エレン「なんだよ」

ミカサ「エレンが少し大人になった」

エレン「普通だろ」

ミカサ「アルミンも、そうなのかもしれない」

エレン「大人になったってことか?」

ミカサ「いつまでも、私やエレンに守られているのが、嫌なのかも」

エレン「いや、それなら、大人になったのとは、違うな」

ミカサ「? 私にはわからない」

エレン「それはきっと、男の意地だ」

兵舎裏

モブA「よぉ、どこ行くんだアルミン。もう、お友達に慰めてもらわなくていいのかよ」

モブB「死にたがりと、裸で温めあうんだろう?気持ちわりい」ウヒャヒャ

モブA「なんとか言えよ」

アルミン「君達が、座学で僕に敵わないから、こうやって陰湿な行為を繰り返していることは理解しているよ」

モブB「うるせえ!殴り返す根性も無えくせによ!」バキッ

モブA「おい、顔はやめておけよ。殴るなら腹にしとけ」

モブB「そうだったな、アルミンきゅんは、おっぱい膨らんできたから、みんなに見られるのが恥ずかしいもんな」ウヒャヒャ

アルミン「・・・」

ユミル「お前ら、楽しそうなことしてんな?私も混ぜてくれよ」

クリスタ「アルミン、大丈夫?」

モブA「げ、ユミルだ」

モブB「お、おい、行くぞ」

ユミル「行かせると思ってんのか?」

モブA「ぐっ・・・」

アルミン「ユミル、いいんだ」

クリスタ「でもアルミン、こんなに」

アルミン「僕は大丈夫だから、クリスタやユミルに、そんな奴らに関わって欲しくないんだ」

ユミル「だ、そうだ。よかったなお前ら」

モブB「へ、ありがとよ。アルミンきゅん」

ユミル「おい」

アルミン「ユミル、ごめんね。せっかく来てくれたのに」

ユミル「いい加減にしろよ、お前」ドゴォ

アルミン「うぐっ」

クリスタ「ユミル!何てことするの!?」

ユミル「ボクが我慢すればいいんですー、とか思ってんのか?」
ユミル「我慢してれば通り過ぎると思ってんのか?」

アルミン「そんなんじゃないさ。ただ、ボクはただ暴力であいつらに勝っても、嬉しくない」

ユミル「お優しいこったなぁ!けっ!クリスタ、私は先に戻ってるからな!あー、余計なことした!」

クリスタ「ごめんね、アルミン。ユミルがひどいことを」

アルミン「いいんだ、クリスタ。僕がふがいないのが、気に触るのは分かるよ」

クリスタ「アルミン・・・」

アルミン「それでも僕にも・・・」

クリスタ「どうしたの?」

アルミン「ううん、何でもない。用事があるから、行くね。ありがとうクリスタ」

数日後


キース「今日は対人格闘の考査を行う!」
キース「立体起動に比べて高い評価がつくことは無いが、低い評価では即、開拓地に送ることもある!心して取り組むように!」

訓練兵「はっ」

キース「こちらで指名した者同士でペアを組んで対戦して貰う」



キース「次!アルレルト訓練兵とモブB訓練兵!」

モブB「ついてるな、アルミンが相手だ」

アルミン「・・・」

アニ「精々、恥をかかないようにするんだね」

ミカサ(アニが、アルミンの応援・・・?)

キース「始め!」

ミカサ「アニ、アルミンのことを何か知っているの?」コソコソ

アニ「別に・・・」

ミカサ「お願い。アルミンが困っているのなら、手を貸してあげたい」

アニ「余計な世話なんじゃないのか?」

ミカサ「エレンもそう言っていた。男が心を決めたことに、口を出すのは野暮だって」
ミカサ「でも、あんなに怪我だらけのアルミンを見たから、黙ってはいられない」

アニ「そうか。でも、それは、私だ」

ミカサ「どういうこと?」

アニ「アルミンに怪我をさせたの、私だ」

ミカサ「どういうことだ。場合によっては削ぐぞ女狐」

アニ「おお怖い。削がれちゃたまらないから、白状するよ」

一ヶ月前

アルミン「アニ、対人格闘の特訓に付き合ってもらえないかな」

アニ「は?嫌だよ」

アルミン「それエレンの真似かな?似てるよ」ニコ

アニ「・・・あんた、嫌な奴だね」

アルミン「うん、僕は嫌な奴なんだ。アニの特技がエレンの物真似だって広める準備は出来てるよ」

アニ「早くしな、対人格闘の特訓なんだろ」チッ

アルミン「ありがとう、アニはいい人だね」

アニ「都合のいい人の間違いだろ。それで、あんたが血ダルマになる役なんだろ?」

アルミン「違うよ、怖いこといわないでよ。アニには、この本を読んで欲しいんだ」

アニ「何だい、これは・・・アイキドー?」

アルミン「書庫で見つけた昔の武術の本なんだ」

アルミン「力の無い女子供向けらしいんだけど、書いてあることを実践しようとしても体の動かし方が分からなくて」

アニ「それで、力が弱くて、女で、子供みたいに小さい私に声をかけた、と」

アルミン「そうじゃないよ、訓練生の中で、ちゃんした教育として格闘術を覚えているのはアニだけみたいだから」

アニ「ふーん・・・」ペラ

アルミン「どうかな?」

アニ「わかった、この本は1日借りるよ。明日、この時間にまた来な」

アルミン「ありがとう!」



ミカサ「それで?」

アニ「散々、投げ飛ばした」

ミカサ「削ぐ」

アニ「待ちなよ。アルミンは、どれだけ投げ飛ばされても、私のところに通ってきたんだよ」

ミカサ「・・・」

アニ「アイキドーとか言うのも結構面白かった。相手の筋肉を使って投げ飛ばすって発想がね」

ミカサ「アルミンは、それを覚えられたの?」

アニ「さあね。こればっかりは頭でどうこう出来るもんじゃないし、私は一回も投げ飛ばされなかった」

ミカサ「それじゃあアルミンは」

アニ「まぁ、しっかり見てな。あれは負け犬の目じゃないよ」

ミカサ(アルミン・・・何を考えてるの?)

クリスタ「アルミン!そんな奴やっちゃえ!」

ユミル「クリスタ、あんな根性なし、応援するだけ無駄だぜ」



モブB「女の子仲間から応援されてるぜ、アルミンきゅん」ウヒャヒャ

アルミン「・・・」

モブB「無視してんじゃねえぞ」


エレン「木刃を投げつけて、殴りに行った!」

クリスタ「ずるい!」

ミカサ「アルミンが、負けてしまう・・・」

アニ「見てろって言ったろ」
アニ(私は理屈を知ってるから、投げられなかっただけだ)

アルミン(アニに比べれば、全然遅い。結局、アニには一回も成功しなかったけど)

アルミン(相手の力を利用しようとしたら、アニは力抜いちゃうんだもん。投げられるはずが無いよ。

アルミン(でも、力任せに殴りかかってくるだけの相手なら・・)


モブB「何・・して・・!?」

アルミン(力の流れをずらすだけ。僕はただの支点。力点から作用点までは、相手に任せるだけだ)


モブB「ウゲっ!」ドシィン

キース「そこまで!」

アルミン「初めて、成功した」フゥ

クリスタ「キャー!アルミンが勝ったよ、ユミル!」

ユミル「ふーん、ちょっとは男らしいところあるんだな」


モブB「何しやがった!」

キース「そこまで、と言ったぞ」

モブB「まだいけます!勝負はついていません!」

キース「そうか? 私には、そうは見えんがな」

モブA「おい、お前。腕が変な方向に・・・」

モブB「うわ、なんだよコレ」

キース「分かったら下がれ」

モブB「相手の腕を折って、あいつはお咎めなしですか!?納得いきません!」

キース「相手を侮るからだ。今も油断せず、受身を取っていれば続行だったはずだ」

モブB「あんな技、前は使えなかったはずだ!汚いぞアルミン!」

キース「貴様、もういい。開拓地へ、帰れ」

モブB「へ?」

キース「礼儀も節度も、技量も力量も、全てが無い。貴様は訓練兵団に所属する資格が無い」

モブB「そんな!」

キース「特別に訓練兵団の医療設備で治療してやる」
キース「それが終わったら、さっさと荷物をまとめることだ」
キース「反対側の腕を、私に折られない内にな!」

モブA「お、おい。いくぞ・・・」

モブB「」ズルズル


アニ「やるじゃないか」

アルミン「アニのおかげだよ」ニコッ


クリスタ「・・・アルミンのバカ」ブス

午後

キース「引き続き、立体起動の考査を行う!本結果は諸君らの成績に大きく関わる!」
キース「普段の訓練の成果を発揮するように!言うまでも無いが、結果が出ないものは開拓地行きだ!」

訓練兵「はっ!」


ミカサ「アルミン、討伐数に拘らないほうがいい」
ミカサ「討伐数が少ないことより、怪我をしたり、途中脱落するほうが減点が多い」

クリスタ「ミカサ、もうちょっと言い方が・・・」

アルミン「いいんだクリスタ。ミカサは僕に必要なものがわかってる」
アルミン「変に気遣いをされるよりも、よっぽどありがたいよ」

クリスタ「アルミンがそう言うなら、いいんだけど・・・」

アルミン「僕は、立体起動は苦手だから、座学で稼いだ得点を出来るだけ下げないように、他の科目の減点をなくす必要がある。」
アルミン「分かってるさ」

キース「始め!」


アルミン「・・・でもね」


バシュン
アルミン「意地があるんだよ!男の子には!」


ミカサ「アルミンの動きが・・?」

エレン「いつもと違う!」

考査終了


エレン「アルミンすごいぞ!俺よりも討伐数が多いんじゃないか!?」

クリスタ「いつの間にかアルミンが前に居たときは驚いたよ」

ジャン「俺のアドバイスのおかげだな」チラッチラッ

ミカサ「まるで目標がどこにいるのか分かってるような、無駄の無い動きだった」
ミカサ「ガスの吹かし方程度のアドバイスで、ここまではいかない」

ジャン「」

ミカサ(でも、無駄が無さ過ぎる。まるで・・・)

キース「全員集合せよ」

訓練兵「はっ」

キース「詳細な結果は後日通達するとして・・・アルレルト訓練兵、前へ」

アルミン「はっ」

キース「今までの訓練とはまるで違う動きを見せた、実に見事だった」

アルミン「ありがとうございます!」

キース「だが・・・わからんな。なぜ今日に限ってそのような動きを見せた」
ミース「まるで事前に討伐目標の場所を、知っているかのような動きだった」

アルミン「・・・」

キース「まさかとは思うが、何らかの手段で事前に目標物の位置を知りえたのではあるまいな」

ミカサ(そう、不自然に無駄がなさすぎた。そう思われるのは当然)

アルミン「確かに、私の動きは、普段と異なっていたと思います」

キース「理由があるのであれば、申し開きをしてみろ」

アルミン「5224本」

キース「?」

アルミン「本考査において使用された森に自生する樹木の本数です」

キース「わからんな、それがどうしたというのだ」

アルミン「その全ての位置、長さ、太さを知っていれば、アンカーの最適な射出箇所まで計算し、最も効率よく、森の中の全ての場所を
移動することが可能です。」

マルコ(立体起動の最短コースを予め作ったのか!?この森だけの為の!?)

ミカサ(つまり、この森に限れば、アルミンは、どこであろうと最短ルートで移動できる、ということ)

モブA(それは凄え。・・・だが、策におぼれたか、カンニングの自白も同然だ)

キース「それはつまり、本考査がこの森で行われるということを、事前に知りえたということだな?」

アルミン「いいえ、私はどこで考査が行われるか知りませんでした」

モブA「言い訳が見苦しいぞ!」

キース「黙れ」ギロリ

モブA「ハイ」

モブA(どうやって知ったかは分からないが、これでアルミンの開拓地行きは決定だ!)

キース「事前に知らないにも関わらず、この森を調べたのは何故だ。よもや勘だとは言うまいな」

アルミン「事前にどこで行われるか、知ることは出来ません」


アルミン「だから、訓練所付近で、考査が行われる可能性のある森の樹木を、全て記憶しました」

キース「」
モブA「」
ミカサ「」
クリスタ「」
マルコ「」
エレン「?」

キース「全て、一人で調べたというのか?」

アルミン「いいえ、さすがに一人では無理なので、ブラウス訓練兵、スプリンガー訓練兵に手伝ってもらいました」
アルミン「両名は森での活動に慣れているので」

キース「ブラウス訓練兵、スプリンガー訓練兵、今の話は本当か?」

コニー「アルミンの手伝いって、そんな意味があったのか。紙のマス目を塗りつぶす遊びかと思った」

サシャ「木の場所を黒く塗る簡単な簡単なお仕事ですね!1枚ごとにパンが貰えます!」

アルミン「私の部屋に、全ての記録が残っています」

キース「・・・」

アルミン「・・・」

キース「アルレルト訓練兵、どれだけの森を調べた」

アルミン「距離と訓練範囲を考え、考査を行う可能性から絞り込んだ数は17箇所です」

キース「全て、覚えているのか?」

アルミン「木は、動きませんので」ニコッ

キース「・・・そうか、わかった」ゾクッ

アルミン「事前調査は、懲罰の対象となるのでしょうか」

キース「いや、懲罰対象とはしない。作戦に対し、自身の持てる力を存分に生かしている。素晴らしいと言えるだろう」

アルミン「光栄であります」ホッ

モブA「きたねえぞ、アルミン!」

キース「先ほどから五月蝿いぞ、貴様」ギロリ

モブA「しかし!」

キース「アルレルト訓練兵よりも自分が優れているとでも、勘違いしたか」

モブA「・・・」

キース「自らは怠惰に過ごし、安全な場所から物を言うのは、さぞかし気持ちの良いことだろう」
キース「その腐った性根は、巨人の餌にもならん。死ぬ直前まで走って来い。それが終わったら、開拓地へ帰れ」

モブA「」

キース「返事はどうした!」

モブA「ハ、ハイ!」

キース「アルレルト訓練兵、貴様は確か調査兵団志望だったな」

アルミン「はっ」

キース「今回のような戦術は、未知の土地を移動する調査兵団では役に立たん」

アルミン「心得ております」

キース「だがしかし、己の弱点を知り、長所にて補う姿勢は評価に値する。これからも精進するように」

アルミン「はっ」

夕食

アルミン「あの二人には、悪いことしちゃったな。二人とも開拓地送りになっちゃった」

ミカサ「まったく悪くない。あれだけのことをしでかしておいて、命があるだけでもお釣りが来る」

マルコ「気にする必要は無いよ、アルミン。あれも通過儀礼なんだから」

エレン「通過儀礼って、入団式でやってた、あの恫喝のことか?」

マルコ「彼らは、大した成績でもないのに、向上心も無く、日々怠惰に過ごしていたからね」

エレン「前々から、開拓地行きは決まってたってことか」

マルコ「訓練兵団は、巨人の餌の飼育場じゃない。明らかに実力不足の人材は、途中退場が決まってるんだ」

アルミン「訓練兵への見せしめにできるし、彼らは将来的に死なないで済む。ってことかな」

マルコ「そんなところだろうね。教官なりのやさしさ、なのかもよ」

アルミン「僕も、結果が出せなければ、そのうちってことだったのかな」

ミカサ「そんなことは無いアルミン。森の樹を全部覚えるなんて、私にも出来ない。誰にも負けない才能」

アルミン「いいや、マルコがヒントをくれたおかげだよ」

マルコ「僕もまさか、チェスの定跡を覚える話から、森の樹を全部覚える発想になるとは思わなかったよ」

サシャ「もうパンが貰えるお手伝いは無いんですね」ショボーン

エレン「俺達にも言ってくれれば、いくらでも手伝ったのに」

アルミン「ううん、エレンとミカサには頼らないって決めてたんだ」

ミカサ「アルミンは、頭がいいのに、人に頼るのが下手。私とエレンを、もっと頼ってもいい」

アルミン「そうじゃないんだ。僕は自信が欲しかったんだよ」


アルミン「僕の、幼馴染の横に、胸を張って立ちたかったんだ」

エレン「」キュン
ミカサ「」キュン

アルミン・アルレルト

104期訓練兵、背が少し伸びた、金髪、ボブカット

顔がかわいい、最近は運動が苦手でもない、鼻がちょっと低い

座学トップ


そして、結構、男らしい。



(おわり)

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