竜騎士07「広げた風呂敷を畳めない人は信用できない」 (37)

―その他に、なにか公務員時代に学んだことはございますか?

竜:ビジネスマナーというか、社会人としての常識みたいなものを学びました。
たとえば、上司から「8:30に出社しなさい」と言われたとしますよね?
だからといって素直に8:30に出社していたら、これは社会人として失格です。
「8:30に出社しろ」といわれたら、少なくとも新人は30分前に出社して、
机を拭いたり、お茶の用意をしたりしなければいけない。
そういう「社会人として当たり前の配慮」や「ビジネスの上での常識」を学ぶことができました。
他にも、いくつもの仕事を並行して進める際の優先順位の考え方や、
納期を守るという責任感などなど......。当たり前のことをきちんと身につけられたと思っています。

―その自信や責任感があるからこそ、しっかりとご自身を律しながら作品作りを続けていくことができるのでしょうね。

竜:そうですね。よく「どうしたら作家になれるんですか?」と聞かれるんですけど、
まずは当たり前の責任感を持って、自分の作品を完成させてほしいなと思います。
長い作品を書いていると飽きてきて、途中で次の作品を書き始めてしまう......という人が多いんですが、それではダメ。
ほら、企画だけぶち上げて途中で投げ出してしまう社会人っているでしょう?
でっかい風呂敷を広げたはいいけど畳めない、みたいな。それじゃ誰も信用してくれませんよね。
小さな風呂敷でもいいから、広げたらきちんと畳むこと。これが作家活動においても社会人生活においても大事だと思います。

竜騎士07
 「やはり批判はあると思いましたよ。ただ、それでも私には守らなければならないものがあった。

  それは、本当の意味で思考して、本当に答えへ辿り着いた人たち。その人たちの名誉と努力は
  絶対に守らなければならないと思ったのです。それに、どのみち批判ゼロの作品は書けないですよ。

  私から見たら神のような存在である奈須きのこ先生や麻枝准先生でさでも、批判を受けて落ち込む
  ことがあると伺いましたし。

  尖った作品であればあるほど、お気に召さない方が出てくるのは当然のことなので。
  だから読者全員に気に入ってもらえる作品を書くというのは、もはやジャンルですよね。

  そしてそれは多分、ミステリーというジャンルとは相容れないと思います。全員が手を打って納得する
  ミステリーってないですよ。まあ、社会派ミステリーは比較的その要件を満たしているかもしれませんね。

  生意気な言い方をすれば、自分の作品が悪い意味でカジュアル化してしまったのだと思います。

  私は『ひぐらし』を含めてずっと、エッジが効いた人を選ぶ作品ばかり書いてきたつもりです。

  それがありがたいことにマンガ化やアニメ化をしていただいて、そこからカジュアル化しすぎて
  私が「読んでほしい」と思っている人以外にも広がってしまったのかなと。

  激辛カレーが売りの店なのに、テレビで取りあげられちゃって、辛いカレーに興味がないのに何となく
  来た客が「辛い、口に合わない!」と悲鳴をあげているような状態ですね。

  激辛カレー通のお客様が来る隠れ家的なお店なのに「辛すぎるから甘口を出して」と
  言われているような気持ちですかね。 」

竜:ヤスの気持ちを想像することがカギになっているので、真相に辿り着いた方は女性が多い
  ように感じました。うみねこは恋人を作ったことがない人には読めない作品なんですよ。
  恋愛経験のない人が理解するのはつらい作品です。「恋愛が人の生き死にを司るほどの
  動機になりうる」ということを、恋愛経験がない人に説明することはできないですよ。
  きっと「よくある動機」程度にしか思われないので。
  でも恋を経験して恋愛に苦しんだことがある人なら、恋愛によって世界がひっくり返る
  くらい変化することが分かるはずです。「また会いに来るぜ」と言われたのに六年も
  来てくれなかったら頭がおかしくなりますし、少しでも恋に苦しんだことがある人なら
 「六年はきついね」と言ってくれると思います。逆にその苦しみが分からない人は、
  ドラマチックなガジェットしか期待していないから「何歳の時に父さん母さんが惨殺
  されて」みたいな壮絶な「お話」を待ってる。

K:私は自分の恋愛経験に重ねたりしつつ、ヤスの動機はすんなり受け止められました。

竜:本気で恋をして、上手くいったりいかなかったりするのも、大事な社会経験なんで
  すよ。今の子って面白いから、「振られるのは怖い、痛い」と情報だけで知ったこ
  とを元に「じゃあ恋をしなきゃ痛くも痒くもないじゃん」という不思議な理論を展
  開している方が多いように感じています。

K:恋愛は十分、殺人の動機になるんですよね。

竜:それが分からない人は、恐らく『うみねこ』を理解できないと思います。
 『うみねこ』は「一人の少女が恋と狂気であれだけの事件を妄想するに至るまでの物語」
  なので、これをいくら描いても共感できない人には共感できないんですよ。

・「うみねこのなく頃に」はオチぶん投げで大顰蹙かったうえ読者を誹謗中傷する文を作中に入れる

・うみねこ完結後、インタビューで「うみねこの面白さを理解できないのは恋愛経験のないバカ」と言ったせいで深刻なファン離れが起きる

・新作「彼岸花の咲く頃に」をコミケで発売するも全く売れず

・両隣が(片方は上海アリス)大盛況にもかかわらず竜騎士のブースだけ客が全く来ない様を「モーゼ状態」と揶揄される

・挽回するために次のコミケで新作をゴミみたいな商品と抱き合わせた5000円セットを販売

・あまりに阿漕な売り方のためさらに客離れが起きる

・大恥かいたせいか「次のコミケには参加しません」と宣言するが仲間のサークルで委託販売してるところを目撃される

・実はコミケから出入り禁止になったのではないか、という噂が流れる

今年は何日目に出てるの?

>>20
http://mgraveyard.com/wp-content/uploads/2013/07/catchcopy_07thc84.jpg

竜騎士07:今の主流のミステリーの方向は仕掛けをどんどん捻って捻って・・・・・・

っていうほうにばかり進んでいますからね。かつて誰もが期待した「孤島の洋館もの」っていう題材は
何十年も昔に閉ざされて以来、全く書かれてない時代だと思うんです。


――あ、小説の世界では決してそういうことではないんですよ。

日本では九〇年前後を中心に「新本格ミステリ」という古典回帰のムーヴメントがあって、
綾辻行人さんや有栖川有栖さんは初期に「孤島の洋館もの」を書かれていました。

綾辻さんには他ならね「館シリーズ」がありますしね。いや、ここが竜騎士さんのすごいところなんですよ。
あれだけのものを書いているんですから普通は読んでいるはずなんですよ。

傑作を読まずに傑作を書けてしまっているところがすごい!
 

竜騎士07:勉強不足ですみません。

「うみねこ採点表」
100点・・・ひぐらしの段階で見切りをつけ、うみねこには興味が無かった人
あなたの審美眼はとても優れています、あなたは勝者です。

80点・・・ep2で見切りをつけた人
まずまずの結果です、途中で物事を止めることは難しいです。
それをこの段階で止めることが出来たあなたは優秀です。

50点・・・ep5で見切りをつけた人
合格点とは言えませんが、まあ標準点でしょうか?
これを教訓に世の中には人を騙してお金を稼ごうとする人間がいる事を知りましょう。

25点・・・ep7で見切りをつけた人
かなり酷い結果です。今まで散々引っ張られてきて答えが「幻だよ~んw」だった気分はどうですか?
この世には信頼出来ない人間が存在する事を知りましょう。

0点・・・ep8で見切りをつけた人
最後の最後まで気がつかなかったあなたはよっぽどのお人好しか、ただのバカです。
途中の段階で気がつきませんでしたか?疑問に思いませんでしたか?非常に残念です。

採点不能・・・まだこれからに期待している人/クリアして面白いと思った人
まだこれからに期待している人は4年も引っ張り、何万円も支払わせているこの状態で解答を出さないのは、
解答自体が用意されていないとわからないのですか?あなたのこれからが心配です。
クリアして面白いと思った人はあなたは洗脳されているか、本当のバカです。しかし、あなたは幸せです。

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