【艦これ】高雄「秋の日々は混乱のうちに」 (100)


とある鎮守府の高雄さんのお話。

※下二つのスレッドの続きとなっています。前スレッドを踏まえた内容もありますので、こちらを先に読んでいただければ幸いです。

高雄「賑やかな執務室」
高雄「賑やかな執務室」 - SSまとめ速報
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【艦これ】高雄「大規模作戦を越えて」
【艦これ】高雄「大規模作戦を越えて」 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1531139090/)


リンク失敗してますね……もう一回貼っておきます

【艦これ】高雄「大規模作戦を越えて」
【艦これ】高雄「大規模作戦を越えて」 - SSまとめ速報
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比叡「いやー、今回の作戦も無事終わって良かったねー」

摩耶「にしても、案の定また船団護衛だもんな。確かにうちでもなきゃ喜んで引き受けないだろうけどさ」

足柄「逆に考えれば、それだけ当てにされているってことじゃないの?都合良く使われてるだけかもしれないけど」

提督「それならそれで我々に存在価値があるわけだし、悪い話ではないね」

大淀「ええ。船団の参加船からも感謝や労いの電文も少なからず頂きましたし、私たちの活動が評価されているのはありがたいことですよね」

提督「本当にありがたいよ。外部からの評価は特にね」

高雄(そういえば私たちは鎮守府から出られないから、外部の人と接触することがないのよね。提督が船団護衛に積極的なのはそういう理由もあるのかしら)


提督「明日から数日は休みをもらってあるから、みんなもしっかり休むようにな」

比叡「提督こそちゃんと休んでくださいよ。明日もどうせ遊ぶ予定が入ってるんでしょ?」

提督「ばれたか」ペロッ

高雄(実のところ、そもそも提督が誰と遊ぶかの予定だって私たちで調整しているからみんなだいたい把握してしまっているのよね)

高雄(明日は午前が朝潮型と陽炎型の子たちに大淀さん明石さん、午後は金剛型のみなさんと間宮さん伊良湖さんだったかしら。昼と夜は私も食堂の手伝いにいかないとね)

提督「遊びの予定ならいくら増えてもいいんだがなあ」

大淀「そういう日が来るのはいつになりますかねえ……」

提督「さあね。分からんから遊べるときに遊ぶんだよ」

足柄「あはは。短絡的だけど一理あるわね」

提督「だろう?というわけで」

高雄「遊びに出られますか?」クスッ

提督「いや、腹が減っては遊びにならないから飯だな」

摩耶「あっと。もうそんな時間か」

提督「そんな時間なんだよ。間宮たちを待たせるのも悪いし、行くとしようか」

高雄「ええ」


翌朝 食堂

ゴチソウサマデシター

黒潮「司令はん。もう行ける?」

提督「行けるぞ。明石もいいか?」

明石「大丈夫ですよ。大淀は上からの連絡の確認があるんだよね」

大淀「うん。確認したら私も合流しますね」

提督「いつもありがとうな」

大淀「いえいえ。これは私しかできませんから」

提督「そうだな。頼むよ」

大淀「お任せください。では後ほど」

提督「ああ」


広場

荒潮「大淀さん、遅いわね~」

明石「また何か連絡でもあったんじゃない?」

陽炎「それにしては遅すぎる気が、おっとっと」

黒潮「あー惜しい。あとちょっとやったのに」

霞「にしても、せっかくの休みになんで挟みドッジなんてやってるのかしら」

大潮「霞はバレーボールのほうが好きだもんねー」

朝潮「後でやるから機嫌悪くしないのよ」

霞「そういう意味じゃないわよ!」


ビーッ ビーッ ビーッ

提督「ん?」

不知火「全体放送ですね」

満潮「嫌な予感がするわね……」

大淀(放送)「近隣鎮守府より任務代行要請。繰り返します。近隣鎮守府より任務代行要請。提督は至急執務室へ起こしください」

黒潮「あちゃー」

明石「ついにうちにもきちゃいましたかー」

提督「残念だがここまでだな。執務室に行ってくるよ」

不知火「私たちも待機しましょうか」

提督「そうしてくれ。全員、さしあたり明日の配置に入るよう」

大潮「了解しました!」

朝潮「急ぎ出撃準備を整えます!」

明石「ドックも稼働させておきますね」

提督「頼んだ。黒潮は臨時秘書艦として執務室まで同行せよ」

黒潮「了解や」


執務室

大淀「お休みのところ申し訳ありません」

提督「お互いさまだよ。要請のあった任務は?」

大淀「こちらに」

黒潮「うわっ、結構多いなあ」

提督「編成を……そうか神通は出撃ドックか」

黒潮「筑摩はん……もおらんな。呼んでこよか?」

提督「いや、今はいい。現時点での明日の配置を全員分スクリーンに出してくれ」

黒潮「はいな」


黒潮「えーっと、こーやって……」カチカチカチ

黒潮「ほいっと」ッターン

提督「ふむ……」

黒潮(珍しく司令はんが編成考えてはるんかな)

大淀(それにしてもこの人数を割り振り直すなんて、頭の中だけですぐにできるとは……)

提督「よし。午前の第三艦隊と午後以降の第二艦隊を代行任務に当てる。編成は追って指示する。それから本日予定の訓練は全て中止。特に訓練予定だった水雷戦隊は夜間の任務に備え今のうちに休養を取ること。黒潮は日中の間秘書艦を頼む。明日は黒潮にも出撃の可能性があるため夜間は高雄に交代。それ以降は明日からの配置を決定してからだな」

黒潮「りょ、了解」

大淀(は、早い……!)

提督「ではまず午前の第三艦隊の配置を言うぞ」

黒潮「午前の第三艦隊午前の第三艦隊……はい、ええで~」

提督「旗艦山城、二番艦千歳、……」


提督「……以上だ」

黒潮「これで間違いない?」

提督「間違いない。運用計画の方に反映してくれ」

黒潮「編成変更……任務、代行……あっちゃうちゃう」アタフタ

提督「ははは。久しぶりの秘書艦がこんな異常事態とは災難だな」

黒潮「ほんまやで~。あっよし、これでいけたはずや」

提督「よし……よし、これでいい。各掲示板に共有してくれ」

黒潮「はいな!」ッターン

提督「よーし全体放送だ」


ビーッ ビーッ ビーッ

提督「達する。司令官だ。全員その場で聞くように」

提督「先ほど大淀から連絡された通り、近隣鎮守府の任務代行要請があった。これを受けて本日及び明日の行動計画を大幅に変更する。」

提督「各員は0900までに掲示板を確認し、各々の配置を把握すること。なお、本日及び明日の訓練は全て中止とする。質問及び意見具申があればいつでも執務室に来るように。以上だ」プツッ


提督「あんまりやりたくなかったが、こういうときはトップダウンが一番早いからな。大淀、任務代行受諾の連絡を頼むぞ」

大淀「は、はい」

黒潮「ほな、決裁やる?」

提督「やる。今日は多いぞ」

黒潮「ひえ~。気合い入れんといかんなあ」

提督「気合い入るか?」

黒潮「ハイタッチしたら入るかもなあ」

提督「よーしやるか。せーのっ」

黒潮「ほいっ」パチン

黒潮「よーし気合い入ったでえ。頑張ろ」


長良「失礼します。司令官、よろしいですか?」カツカツ

提督「構わない。何かな?」

長良「本日及び明日の訓練中止は決定ですね?」

提督「決定だ。相談無しに決めたのは申し訳ないが、代行任務もあるし訓練までやっては負担が大きすぎる」

長良「司令官の判断を支持します。予定していた訓練は明後日以降に順延ということでよろしいでしょうか」

提督「明後日……いや、しあさって以降にしてもらえるか?明日明後日で元の訓練ローテーションに戻せると思う」

長良「しあさって、ですか」

提督「うん」


黒潮「今の配置出す?」

提督「ああ、出してくれ」

黒潮「はいよっと」カチカチ

長良「えーっと今日がこれで……ああ!分かりました。ではしあさって以降に順延しておきますね」

提督「頼むよ」

長良「いえいえ、お任せください!では」ケイレイ

提督「ん」ケイレイ


筑摩「遅くなりました」タッタッ

提督「いやいや。バタバタして申し訳ないね」

筑摩「いえいえ。明日明後日の配置の件ですね?」

提督「そうだ。とりあえず私の案では……」

筑摩「なるほど」

提督「これで一応回るが、重巡組の負担がやや大きすぎるのが気になってな」

筑摩「そうですね。私自身はこの配置でも出撃しますが、他の方の負担はもう少し減らしたいところです」

提督「筑摩も今働いている分楽をしてもらいたいところだけどね」

筑摩「恐縮です」


提督「それはそれとして、どうだろう。筑摩ならどう配置する?」

筑摩「この任務配置でしたら……この任務とこの任務を金剛型のみなさんに代わっていただいて、今金剛型のみなさんが入っている任務に陸奥さん扶桑さん山城さんを充てるというのはいかがでしょう」

提督「そうなると三人のうち誰か一人は二回任務に入ることになるな。適任は陸奥かな?」

筑摩「ええ。扶桑さんと山城さんは今日も出撃しますし、現在のところ一番任務に余裕のある陸奥さんに少し負担をしていただくのが全体にとっては良いかと」

提督「同感だ。陸奥ー、そういうことだからよろしく頼むぞー」

陸奥「はーい。任せてー」

筑摩「では編成作業に入りますね」

提督「頼んだ」


昼 食堂

黒潮「ふあ~、疲れた~」グタッ

陽炎「ほんとに疲れてるわね」

黒潮「ほんまやで~。久しぶりの秘書艦がピンチヒッターで午前中休みなしとか勘弁してほしいわ~」ニヘラ

陽炎(とか言いながら割と嬉しそうなのよね)

不知火(隠れ司令LOVE筆頭は伊達ではありませんね)


不知火「そういえば司令の姿が見えませんが」

黒潮「執務室や。「決裁終わらーん」て言いながら愛宕はんと執務続けてはる」

陽炎「昼ごはん食べないの?」

黒潮「食べるで。後で伊良湖さんと執務室向けの昼ごはん持っていくねん」

陽炎「そっか」


執務室

黒潮「黒潮、戻ったで」

提督「お。おかえり」

伊良湖「提督、みなさん、お待たせしました。おにぎりとささやかなおかずですけど、お召し上がりください」ゴトッ

提督「あーありがとう!助かるよ本当に」

伊良湖「いえいえ!こんなことでお力になれるならいくらでも」

提督「いつもだって力になってもらってるよ」ニッ

伊良湖「あっありがとうございます!」ペコリ

愛宕「すぐ食べましょうか」

提督「食べよう。いただきます」

イタダキマース


高雄型の部屋

愛宕「ただいま~」

鳥海「おかえり」

高雄「お疲れさま」

愛宕「ほんとに疲れたわ~。は~」ボフッ

摩耶「黒潮とか大丈夫か?」

愛宕「多分ね。秘書艦のやることはもう終わりが見えてきたから」

高雄「その言い方だと、提督のほうはまだまだなのね?」

愛宕「今回は上と任務を回してきた鎮守府に報告しないといけないからいつも以上にやることが多いみたいなのよ。文書の作成は陸奥さんとか龍田さんも手伝ってるんだけど、確認と決裁は提督しかできないからね~」

摩耶「ああ、そういうことか」

高雄「全部終わったらしっかり休んでいただかないといけないわね」


鳥海「でも今夜も任務あるから、司令官さんは執務室にいるんじゃないの?」

高雄「そうなのよ。船団護衛の時も椅子で仮眠をお取りになっているだけだから、多分今日もそうなるわね」

摩耶「あいつ、あー見えて自分が他人より休んでるのは許せないタイプみたいだからな」

愛宕「結構真面目なのねえ」

高雄「真面目と言うかお人好しだからじゃないかしら」

高雄「とにかく、決裁が落ち着いたらお休みいただくよう進言してみるわ」


愛宕「あ♪」

高雄「どうしたの?」

愛宕「どうせなら「私が膝枕して差し上げますわっ」とか言ってみたら?」ニヤニヤ

高雄「な、なに言ってるのよ!///」

摩耶「なるほど。膝枕を餌にして自然に休んでもらおうって作戦か」

高雄「どうしてそういう解釈になるのよ」

鳥海「でもそれなら休んでいただく口実にはなるわよね」

愛宕「お姫さま抱っこもしてもらったんだし、そのお返しって言えばいいじゃない」

高雄「それは……そうね、考えておくわ」


鳥海「さてと」

摩耶「行くか」

鳥海「行きましょう。姉さんたちはちゃんと休んでね」

愛宕「そうするわ。今夜も長丁場になりそうだしね」

高雄「二人も無理しないでね」

摩耶「姉貴こそな。じゃ」

鳥海「いってきます」

高雄「いってらっしゃい」


夕刻 執務室

高雄「高雄、参りました」

提督「おお。お疲れ」

高雄「提督こそお疲れさまです。黒潮ちゃんもお疲れさま」

黒潮「ほんま疲れたわ~。でも、秘書艦のほうでやることは大体終わったで~」

高雄「ありがとう。後は引き継ぐわね」

提督「今晩はゆっくり休んでくれ」

黒潮「そうするわ。司令はんも無理せんといてや~」

提督「おう。無理するのは無理な体質だから安心してくれ」

高雄(とおっしゃりながら無理しがちなのよね……前の船団護衛の時も執務室に籠りきりだったのだし)

高雄(今日も一晩中執務室にいらっしゃることでしょうし、決裁が終わったらお休みいただかないとね)


深夜

提督「……よし!決裁終わり!」

高雄「お疲れさまです」

提督「ありがとう。高雄もお疲れさま」

高雄「提督に労っていただくほどでは。何かお飲みになりますか?」

提督「うん。お菓子も出してこようかな」ガタッ

高雄「いいですね」ガタッ


提督「ふう~」

高雄「やっと落ち着きましたね」

提督「ね。とはいえ、事故もトラブルもなかったのはみんなが落ち着いてテキパキ動いてくれたおかげだ。さすがだよ」

高雄「提督が落ち着いていらっしゃったからですよ」

高雄「それに人員配置の件も大淀さんや黒潮ちゃんから聞きましたよ。ものすごい速さで配置をお決めになったと」

提督「ああ。今日は神通や筑摩を呼びに行く余裕もなかったし、それに珍しく冴えてたからね」フフッ

高雄「ご謙遜を。いつも頭の中で訓練なさっていたのでは?」

提督「過大評価は良くないぞ」

高雄「分かりませんよ?能ある鷹は爪を隠すと言いますし」

提督「爪がなくても隠しているふりはできるものだよ」

高雄「またまた。ああ言えばこうおっしゃるのですね」クスクス

提督「あんまり持ち上げられると照れるからね」

高雄「なるほど、照れ隠しということでしたか」

提督「あっ……やれやれ。どうも高雄が相手だとしゃべりすぎてしまうな」ポリポリ

高雄「話すのが楽だから、ですか?」クスッ

提督「幸か不幸かそういうことだね」カタスクメ

高雄(こういう時の会話はいつもと違う提督を知れるから楽しいのよね。できれば起きていられる限り話していたいところだけど)


高雄(今はそれよりも)

提督「ふわあぁ……」

高雄「……さすがにお疲れですね。お休みになりますか?」

提督「寝ても大丈夫かな」

高雄「ええ。むしろお休みになっていただきませんと」

提督「高雄は?」

高雄「私は日中ずっと休んでいましたから問題ありませんよ」

提督「そうだった。じゃあお言葉に甘えて横になるよ」スクッ


高雄「あっ」

(愛宕「どうせなら「私が膝枕して差し上げますわっ」とか言ってみたら?」ニヤニヤ)

提督「ん?」

高雄「あー……その」

高雄「もしよろしければ、私の膝をお使いになりませんか?」

提督「え……?」

提督「つまり……膝枕?」

高雄「ええ、はい。そういうこと、です……」


提督「……」パチクリ

提督「高雄がそういえことを言うのは意外だね」フフッ

高雄「そ、そうですよね……」

高雄(やっぱり、そういうキャラのほうが良かったのかしら。愛宕ならそんなことを言っても不自然ではないし、あるいはもっとさらっと言えれば提督も気になさらなかったのかも……)

提督「でも高雄から言ってくれたわけだし、遠慮なく頼もうかな」

高雄「!は、はい。喜んで」イソイソ


高雄「ど、どうぞ」

提督「じゃあ、失礼して……」モゾモゾ

提督「はー……こんな感じなんだ」

高雄「膝枕は初めてですか?」

提督「記憶にある限り初めてだね」

高雄「そうでしたか」

高雄(提督が膝枕されるのは私が初めてなのね……うふふ///)


提督「しかし、あれだな」

高雄「?何か?」

提督「この距離でいるのにほとんど顔が見えないのはなかなか面白いな」ハハハ

高雄「ああっ!」

高雄「た、確かにそうですね……」

高雄(今更だけどやっぱり大きすぎるわよね。艦の時も艦橋が大きすぎて改造で絞ったけれど、改造による強化はこの間済ませたし、もう体をどうこうすることはできないわよね……)

高雄(……提督は、どう思っていらっしゃるのかしら。いつも気にするような素振りはなさらないけど……)


提督「それじゃ、少し休ませてもらうよ。足がつらかったらいつでも起こしてくれていいからね」

高雄「ええ。お気遣いありがとうございます」

提督「こっちこそ。おやすみ」

高雄「おやすみなさい」



提督「zzz……」

高雄(提督はおやすみになったみたいね)

高雄(艦隊が戻るまではまだまだ時間があるし、私も少しだけ仮眠を取ろうかしら。少しだけ……)


チュンチュン

高雄「ん……んん……」モゾモゾ

提督「お。おはよう」ニコッ

高雄「お、おはようございます……」

高雄(提督のお顔がこんなに近くに……)ボー

高雄「……ええっ!?」ガバッ

提督「おおっと」

高雄「し、失礼しました!」

提督「いやいや。全然失礼じゃないから気にしなくていいよ」

高雄「そうおっしゃられましても……」


高雄「あの……私、提督にもたれさせていただいてました?」

提督「まあ、そうだね」

高雄「それは、いつから……?」

提督「ちょっと前だよ。まだ30分も経ってないんじゃないかな」

高雄「提督はその間、ずっと起きていらっしゃったのですか……?」

提督「半分寝て半分起きて、ぐらいかな」

高雄「……申し訳ございません」フカブカ

提督「いいんだよ。私だって何時間も膝枕してもらったんだし」


提督「それに……」

高雄「何か……?」

提督「……いや、何でもないよ」

高雄「そ、そうですか……」

高雄(提督は何をおっしゃろうとしたのかしら……気になるわ……)


提督「起きられるかい?」スクッ

高雄「ええ。少しはお休みいただけましたか?」スクッ

提督「おかげさまで。ありがとう」ニコッ

高雄(あっ……///)

高雄「い、いえ、私は提督のお力になれればお礼なんて……///」

提督「そんな謙遜しなくていいよ」ポンポン

高雄(ああああああ/////)

提督「さてと。やらないといけないことができたみたいだ」

高雄「え?あっ、第二艦隊と第四艦隊ですか」

提督「うん。さて、また決裁大会といきますか」

高雄「ええ。お茶でもお入れしましょうか?」

提督「ああ、頼むよ」

高雄「分かりました。少しお待ちくださいね」


五月雨「おはようございます」ヒョコッ

提督「お。おはよう」

高雄「おはよう」

五月雨「執務はもう落ち着いてますか?」

高雄「ええ。また朝食の後に日次の決裁が増えるけど、昨夜までのことは全部終わってるわよ」

五月雨「分かりました。お疲れさまです」

高雄「五月雨ちゃんこそ朝早くからごくろうさま」

五月雨「いえいえ」


五月雨「それじゃ、秘書艦業務引き継ぎます」

高雄「よろしくね。では私はこれで」

提督「ああ。一晩お疲れさま」

高雄「提督こそ。休める時にはお休みくださいね」

提督「そうするよ」

五月雨「私からもちゃんと休むように言いますね」

高雄「お願いね。失礼します」ペコリ

提督「うん」コクリ


高雄型の部屋

高雄「ただいま」ガチャ

鳥海「おかえり」

摩耶「ほいよ。青葉から」スッ

高雄「青葉さんから?何かしら」

摩耶「見ればわかるって」ニヤニヤ

高雄「?」

高雄「こ、これはっ!」


高雄(私が提督にもたれかかって寝ている写真じゃない!どうして!?)

鳥海「執務室に報告に行ったらこうなってたって」ニヤニヤ

高雄「報告?……ああっ!!」

高雄(そうよ、青葉さんは第四艦隊の旗艦だったわ!)

高雄(ということは、第二艦隊の旗艦だって報告に来たときは……)

高雄「もしかして、愛宕も……?」

鳥海「愛宕姉さんが行った時は膝枕だったらしいわよ」

高雄「そ、そう……」

高雄(うかつだったわ……誰にも見られないと思ったからやったのに……///)


コンコン

衣笠「おはよー。愛宕起きてる?」

高雄「衣笠さん?」

高雄(こんな時間にどうしたのかしら)

高雄「愛宕はまだ寝ていますけど、どうしました?」ガチャ

衣笠「あ。高雄戻ってるならちょうどいいや。はい」スッ

高雄「あ、はい。これは?」

衣笠「高雄が提督を膝枕してるときの写真」

高雄「ぶふっ」

衣笠「いいな~こういうのを仲睦まじいって言うんだろうな~」ニヤニヤ

高雄「あっいえ、決してそういうわけでは……///」


高雄「それにしても、どうして衣笠さんがこの写真を……?」

衣笠「私、さっきまで愛宕と一緒に出撃してたでしょ?で帰投して部屋に戻ったところに愛宕が来て」

衣笠「「今執務室がシャッターチャンスになってるわよ」って言うから青葉のカメラ借りて執務室行って撮ってきたってわけ」

高雄(愛宕~~~~~~~!!)

摩耶「記念写真増えて良かったな」ニヤニヤ

高雄「よ、良くないわよ!こんなところみんなに見られるなんて……///」

鳥海「じゃあその写真要らないの?」

高雄「そ、それは……」

高雄「取っておく、けど……///」

摩耶「ふ~ん」ニヤニヤ

衣笠「そっか~そうだよね~」ニヤニヤ

高雄「……/////」


ピピピピ ピピピピ

摩耶「おっと」パシッ

鳥海「もう朝食の時間なのね」

摩耶「姉貴起きてるかな」

衣笠「私も部屋に戻るね。じゃ、また後で」

高雄「え、ええ」

高雄「」チラッ

高雄(他の人に見られるなんて思ってなかったけど……)

高雄(うふふ……いい写真ね。これは大事にしないといけないわ)

鳥海「何考えてるの?」ニヤニヤ

高雄「な、何でもないわよ。さ、私たちも準備しましょう」

鳥海「そうね」


夕刻

提督「よし。代行任務も全部終わりだな」

五月雨「はい。お疲れさまでした」

提督「ありがとう」

五月雨「やっと休めますねー」

提督「本当にね。五月雨もお疲れさま」

五月雨「いえいえ」ニコニコ


大淀「提督!」バタバタ

提督「どうした?」

大淀「作戦本部より新たな命令です。こちらを」

提督「ありがとう。なになに?『クルーズ船団の護衛任務』?」

五月雨「今度はクルーズ船、ですか??」

提督「そうらしいよ。明後日のやつだな。通過するのは聞いていたが……『当初は護衛を行わない予定であったが、乗客からの要望多数により間接護衛の実施要請を受けた』か、なるほどなるほど」

五月雨「すぐ編成しますか?」

提督「いや、今はいいよ。夕食後に霧島たちを招集して考えよう」

五月雨「分かりました」


夕食後 執務室

摩耶「なんで面倒ごとってのは面倒なタイミングで降ってくるんだろうな」

霧島「摩耶、」

提督「構わないよ。面倒なのは私も同感だ」ハハハ

霧島「司令までそうおっしゃいますか」

提督「休日をつぶされて執務室に丸二日缶詰になった挙げ句のこれだからな。愚痴の一つも出ようってものだ」ニヤッ

摩耶「そりゃそうだよな。一番の被害者は提督なんだし」

提督「だが私は志願してこの身分になったから、あまり表だって文句は言えんのだよな」

摩耶「この空間は表じゃねえから大丈夫だって」

霧島「それに、司令がそういうことを言ってくださると私たちも多少は気が楽になりますから」

提督「そう言ってくれると助かるよ」カタスクメ


提督「確認するが、今回の任務は概ね安全な海域におけるクルーズ船団の護衛だ。隻数は先日の第二次船団の半分といったところ。編成に関する意見を頼む」

霧島「これまで以上に一般人の目に触れるとなれば気持ちとしては大盤振る舞いしたいところですが、そんなことをしては他の任務に支障をきたすのが容易に想像できますね」

妙高「それに、既に先日の船団護衛とここ数日の任務代行で燃料弾薬等が大きく減少しています。直ちに影響が出るほどではありませんが、任務に割く艦は必要最低限にしたいところです」

提督「同感だね。どのくらいの規模が適当だと思う?」

赤城「空母二隻及び戦艦乃至重巡洋艦二隻を基幹とする機動部隊と軽巡洋艦を旗艦に据えた水雷戦隊各一艦隊でいかがでしょう。隻数が少ないのでこの数でもカバーは可能かと」

由良「それなら軽巡洋艦と駆逐艦にはソナーの追加搭載をお願いします。この海域で一番脅威となるのは敵潜のはずですから」

摩耶「賛成。ソナーと爆雷は数あるよな?」

五月雨「ソナーも爆雷も各六つあります。第二艦隊全員に装備する分だけですけど、それでいいですか?」

霧島「では第一艦隊の駆逐艦は対空重視の装備としましょうか。確か長十センチ砲が四つあったわよね?」

五月雨「はい。それと対空電探が二つ」

赤城「上々ね。では改装済みの駆逐艦二隻を第一艦隊に編成、長十センチ砲二つと対空電探を装備しましょう」


摩耶「改装組で任務に一番余裕があるのは?」

川内「陽炎と不知火だけど、今のところ任務がかぶってる。次点で黒潮と五月雨かな」

提督「2人とも明日は休みだな」

五月雨「はい」

川内「じゃあ五月雨と黒潮に第一艦隊に入ってもらおうか。次、第二艦隊」

由良「旗艦は名取姉さんでどう?この間対潜戦闘訓練をしたところだし、任務には一番余裕があるから」

川内「だね。駆逐艦は……特型から五人かな。吹雪白雪初雪深雪叢雲にしよう」


赤城「主力はどうします?空母は任務の割り当てられていない私と祥鳳で確定でしょうが」

霧島「戦艦は出せる余裕がないわね。出撃がない私と比叡姉さまは艤装が全般検査中だし」

摩耶「じゃああたしと最上で出るぜ。二人とも重巡では前の任務から一番間隔が開いてるし、うちでは練度も高いほうだ」

霧島「ではそれで決定ね。司令、よろしいですか?」

提督「うん。今決めた編成でいこう。明日0900に艦隊の面々を召集、行動方針はそこで決定する」

霧島「了解です」

提督「では今日はこれでおしまいだ。みんな休みたいところありがとう。解散」

オツカレサマデシター フーオワッタオワッタ



提督「……ふう。あと三日か……」


二日後

赤城「艦隊帰投しました。帰途での報告の通り会敵は無し。任務完了です」

提督「任務完了了解。急な作戦だったが無事完遂してくれて感謝している。今晩こそゆっくり休んでくれ」

赤城「そうさせていただきましょう」



提督「ふう~…………」

夕張「提督も大変でしたね」

提督「まあね。せめて明日が休みなら良かったんだがなあ」

夕張「いっそ今から他所に任務投げて休んじゃいます~?」

提督「……ありだな。「明日熱出して倒れるから任務代わってください」って言っとくか」ニッ

夕張「当日になって押し付けられるよりましですからね」クスクス

提督「それはどこの鎮守府の話をしているのかな?」ニヤリ

夕張「え?私はこの鎮守府なんて一言も言ってませんよ?」ニヤニヤ

大淀「一体何の話をしているのかと思えば……」

提督「すまんすまん」

夕張「ごめんごめん」


提督「しかし……」

大淀「何か?」

提督「私が働きっぱなしということは大淀と明石も働きっぱなしだな」

大淀「まあ、そういう類の任務を一任されていますから」

提督「だよな……」

大淀「あ、あの……」

夕張「提督?」


提督「決めた。明日は休むぞ」

大淀「はい!?」

夕張「本気で言ってます……?」

提督「うん。大淀、最低限の哨戒任務だけ代行するよう近隣の鎮守府に要請してみてくれ」

大淀「わ、分かりました」

夕張「じゃあ明日予定の任務はしあさってに順延ですか?」

提督「順延だ。全部後ろにずらしてしまおう」

夕張「了解ですっ」カチカチ


大淀「任務代行要請、受諾すると返答がありました」

提督「ありがとう。これで今晩はゆっくり休めそうだ」

夕張「とか言って、今晩も飲む予定入ってるんでしょ」

提督「なーんで私の行動はこんなに筒抜けなんだろうな」フフッ

夕張「防諜体制に不備があるんじゃないですかー?」ケラケラ

大淀(まあ、提督が艦娘に隠すようなこともないでしょうけど)

大淀(今夜は……妙高型高雄型のみなさんでしたっけ。だとしたら心配はしなくても良さそうですね)

提督「まあいいや。いい時間だし、食堂に行くか」

夕張「そうしましょうか」


夜 食堂

提督「そういうわけで明日明後日は休みだ」

ザワザワ

高雄(提督がわざわざ休みをお取りになるなんて、初めてね)

衣笠「提督大丈夫?疲れてなぁい?」

提督「どちらかと言えば疲れてるんじゃないかな」ハハハ

高雄(冗談をおっしゃる程度にはお元気だけど、いつもほどの快活さはないわね……)

提督「それに、私を別にしても出撃以外の用事で休みがない者も多いし、特に今回は外からの任務に少なからず振り回されたからここで休んでリフレッシュしようと思うわけだ」

摩耶「さんせーさんせー」

比叡「いいと思いまーす」

提督「ありがとう」


提督「そうだ。大淀、明日と明後日は任務の要請が来ても緊急じゃない限り断っておくように」

大淀「りょ、了解しました」

提督「他に何か連絡あるかい?」

シーン

提督「じゃあ夕食にしようか。いただきます」

イタダキマース


夕食後

高雄「提督、よろしいのですか?」

鳥海「無理に今日でなくとも、私たちはいつでも集まれますけど」

提督「私が飲みたいからいいんだよ。そのためにわざわざ休みも取ったんだからな」

羽黒「え、ええ~??」

愛宕(提督、こういう本当か嘘か微妙な冗談好きなのよね~)

摩耶(しかも基本嘘だけど一部は本当っていうあれな)

那智「用意周到だな」フフッ

足柄「そうでなくても、任務が立て込んでもう二回も流れてたものね」

提督「そうそう。飲めるときに飲んで話せるときに話さないとな」


提督「みんな飲み物はあるな?」

妙高「ええ」

提督「それじゃ、乾杯」

カンパーイ

提督「あ~、落ち着いて飲める酒のうまさよ」

高雄「ようやく緊張感から解放されましたね」

提督「ね。日数としては代行要請がきてから四日だから、大したことはないはずなんだけどな」

妙高「とはいえ立て続けの任務でしたからね。本当にお疲れさまです」

提督「みんなのほうこそ、出撃に運営にいろいろ動いてくれてありがとう。私一人で回していたら今頃まだ執務室だっただろうからなあ」

鳥海「確かにあの仕事量だと、可能性は十分ありますね」

足柄「他の鎮守府の苦労が思いやられるわね」

提督「だから手間のかかる任務はうちにばっかり回ってくるんだろうな」

摩耶「今更だけど、今の体制作っといて良かったな」

提督「まったくだよ」

ワイワイ


提督「ふう……」

高雄「……提督?少し、お疲れでは?」

提督「やっぱりそう見える?」

高雄「ええ」

妙高「今日はもうお休みになってはいかがですか?」

那智「同感だな。休養も闘いだ」

提督「その通りだ。今日は休むよ。わざわざ時間を取ってもらったのにすまないな」スクッ

足柄「いいのいいの。何でも優先順位ってものがあるでしょ」

愛宕「提督が元気な時にまた飲みましょ」

提督「そうしよう。じゃあ、おやすみ」

オヤスミー オヤスミナサーイ


朝 食堂

高雄「あら?提督は?」

五月雨「まだ来てないんです。いつもならいるはずなんですけど……」

高雄「もしかして……ちょっと様子を見てくるわね」

五月雨「はい。お願いします」


提督の私室

コンコン

シーン

高雄(お目覚めじゃないのかしら……)

コンコン

高雄「提督?起きていらっしゃいますか?」

提督「……高雄か?」

高雄「!」

高雄「ええ、高雄です。入ってもよろしいですか?」

提督「ああ、入って」

高雄(声に力がなさそう……)


高雄「失礼します」ガチャ

提督「ああ、おはよう」ムクリ

高雄「おはようございます。その……体調はいかがですか?」

提督「うーん……良くはないね。明らかに熱がある感じがする」

高雄「医療班(※妖精)を呼びましょうか?」

提督「そうだね。多分風邪だろうとは思うけど、朝食後にでも呼んでもらえるかな」

高雄「分かりました。提督のお食事はどういたしましょうか」

提督「あー……今はいいよ。みんなの朝食が終わったころに間宮に頼もうかな」

高雄「はい」


高雄(そういえば食堂はどうなっているのかしら)

提督「食堂……みんな食べ始めてるかな」

高雄「どうでしょう……いつものように連絡の確認もできていないと思いますし」

提督「よし。確認するか」モゾモゾ

高雄「あっ。提督はそのままお休みになっていてください。私が連絡しますから」

提督「ああ、悪いね」

高雄「お気になさらず。むしろ、こういう時ぐらい私たちを頼ってください」


ジリリリリリリン ジリリリリリリン

間宮「食堂です」

高雄「高雄です」

間宮「高雄さん。提督のご様子は?」

高雄「熱はあるということですけど、体を動かすのが少しおつらそうなこと以外はお変わりなさそうです」

間宮「そうなんですね。後でお粥でもご用意しましょうか?」

高雄「提督。間宮さんがお粥を用意しましょうかと言ってくださっていますが」

提督「用意してもらうよう伝えてもらおうか」

高雄「了解です」

高雄「用意をお願いするとのことです」

間宮「分かりました」

高雄「それと、明石さんに後で医療班を呼ぶよう伝えてくれませんか?」

間宮「ええ」


高雄「そちらはもう朝食は食べ始めていますか?」

間宮「いえ。先ほど配膳が終わったところで、どうしようかと話していたところでした」

高雄「そうですか」

高雄(朝食、どうしようかしら……)

提督「高雄も朝食は食べないといけないな」

高雄「そう、ですね……」

高雄(でも提督をまたお一人にするのも……どうしようかしら)

間宮「え?……そうですか?」

高雄「?」

間宮「高雄さんの朝食は比叡さんがそちらまで持っていくとおっしゃってますけど、お願いしましょうか?」

高雄「ええ、お願いします」

間宮「いえいえ。提督の方はお願いしますね」

高雄「分かりました。では」ガチャン


提督「ありがとう、高雄」

高雄「いえいえ。そういうことですので、もうしばらくお側に居させていただきますね」

提督「うん。そうしてくれると助かるよ」フー

高雄「何かお手伝いすることはありますか?」

提督「うーん……今は特にないかな」

高雄「そう、ですか」

提督「うん」


提督「ただここにいてくれれば、それだけで嬉しいよ」

高雄「そうですか?」

提督「うん」

高雄「それは嬉しいお言葉ですね」

提督「そう?」

高雄「ええ」

高雄「では私たちが同じことを提督に申し上げたら、提督はどうお思いになりますか?」

提督「嬉しいに決まっているね」

高雄「それと同じですよ」

提督「そういうものかな」

高雄「ええ。そういうものです」

提督「そうか」


提督「この調子だとまた寝るかもしれないな」

高雄「おやすみになるのが元気になる一番の近道ですよ。私はここにいますから」ニコッ

提督「高雄……」

高雄「?何か?」

提督「……いや、何でもないよ。ありがとう」

高雄「いいんですよ」ニコニコ


コンコン

高雄「はい」

金剛「金剛デス。入っても大丈夫?」

高雄「ええ。今開けますね」

ガチャ

金剛「お待たせしマシタ。テートクのお粥と」

比叡「スポーツドリンクをお持ちしました」

提督「ああ、ありがとう」ムクリ

比叡「こっちは高雄の朝ごはんね。はい」

高雄「すみません。わざわざありがとうございます」

比叡「いいのいいの」


金剛「テートク、体調はどうナノ?」

提督「部屋から一歩も出たくない程度には悪いね」フフッ

金剛「それはかなり悪いデスネ」

比叡「今日は提督の看病ローテーション組んでますから、何かあったら部屋にいる子に言ってくださいね」

提督「ローテーションまで組んだのか。分かったよ、ありがとう」


金剛「さ、テートク。冷めないうちに」スッ

提督「ありがとう。いただきます」

提督「」モグモグ

提督「あー……」

金剛「どうかシマシタ?」

提督「優しい味だなと思って」

金剛「間宮にも伝えておくネ」

提督「頼むよ」


比叡「高雄」ヒソヒソ

高雄「どうしました?」ヒソヒソ

比叡「「あーん」とかしなくて良かった?」ニヤニヤ

高雄「な、なな何言ってるんですか!///」

提督「?どうかしたか?」

高雄「えっ!?い、いえ、なんでも」アタフタ

金剛「見たところgirls’ talkみたいデスヨ」

提督「そうか。じゃあ聞かないようにするからこっちは気にしないで」

高雄「は、はあ……」


高雄「どうしたんですか急に」ヒソヒソ

比叡「だって、体調崩してる提督に「あーん」って距離縮める定番パターンじゃない?」ヒソヒソ

高雄「そ、それはそうかもしれませんけど……」ヒソヒソ

比叡「けど?」ヒソヒソ

高雄「」チラッ

提督「」モグモグ

高雄「もうご自分で召し上がっているのにわざわざ「あーん」なんてしにいくのはおかしいと思いません?」ヒソヒソ

比叡「やっぱそうかな」ヒソヒソ

高雄「ええ」ヒソヒソ


比叡「じゃあ次のチャンスを待つしかないか」ヒソヒソ

高雄「チャンス……ありますかね」ヒソヒソ

比叡「お昼ご飯とか?」ヒソヒソ

高雄「さすがにそんなに長く居座るつもりはありませんよ」ヒソヒソ

比叡「そうなの?」ヒソヒソ

高雄「え、ええ」ヒソヒソ

比叡「なんで?」ヒソヒソ

高雄「他のみなさんがローテーションなのに私だけ長居するわけにはいきませんし」ヒソヒソ

比叡「うーん……そういうところだよねえ」ヒソヒソ

高雄「?何がですか?」ヒソヒソ

比叡「何でもないよ」ヒソヒソ


提督「私の他に体調を崩してる子はいなかったかい?」

比叡「あー……」

金剛「体調を崩してる子はいなかったケドー……」

高雄「何か問題が……?」

金剛「朝だけで割れた食器の数が先月ひと月分と同じ数になったネ」

提督「おおっと」

高雄「そんなにみんな動揺してましたか」

比叡「そんなにみんな動揺してたのよ」

金剛「テートクの部屋から電話してきたのが高雄だったのもあってネー」

比叡「私も含め、電話もできないほど体調が悪いのかと思った子もいたほどなので」

提督「なるほどなあ」ポリポリ


提督「横着せず私が電話すればよかったかな」

比叡「まあまあ。今日ぐらい横着すればいいじゃないですか。実際体調良くないんですから」

金剛「そうデース。いつもは食器の片付けさえ私たちにさせてくれないんですカラ」

提督「そんなの部下にやらせることじゃないだろ。レストランじゃあるまいし」

比叡「私たちだってやりたい時もあるんです」

高雄(おっしゃる通り!些細なことでも提督のお力になりたいんですから)コクコク

提督「えー……」

提督「……じゃあ今日はその分みんなに迷惑かけるか」

金剛「Yes! そうと決まれば」スクッ

高雄「どちらへ?」

金剛「食堂で待機してる子たちに連絡するネ。医療班と看病ローテーション第一陣を呼ばないと」



コンコン

明石「明石です。医療班連れてきました」

提督「ありがとう。入ってくれ」

明石「はーい。失礼しまーす」ガチャ

医療妖精A「じゃまするでー」

提督「邪魔するんやったら帰ってー」

医療妖精A「はいよー」クルッ

明石「いやいやいやいや」

比叡「ぶふっ」

高雄(こんな体調でもそういうことは欠かさないのね)クスッ


医療妖精A「ていとくもさすがですな」クルッ

提督「病人の部屋に入るなり打ち合わせ無しで新喜劇吹っ掛けるきみには敵わんよ」

医療妖精B「むかしはこんなやつではなかったのだが」

医療妖精A「よくいうだろう、しゅにまじわればあかくなると」

高雄(妖精まで提督の影響を受けるなんて、なかなか面白いわね)

医療妖精C「それはともかく、はなしにきいたよりげんきそうでなにより」

明石「提督の体調はちょっと誇張したかもね。ともかく、診察お願いしますね」

医療妖精A「あいよ」

医療妖精B「それでは」

医療妖精C「やりますか」

提督「よろしく」


医療妖精A「しんさつのけっかですが」

提督「うん」

医療妖精A「ひろうをげんいんとしたたいりょくのていかによるはつねつですな」

金剛「やっぱりネ」

医療妖精B「ふつかもやすめばたいちょうはもどるでしょう」

比叡「二日、か」

高雄(となると明日も食事はお運びしないといけないわね)

医療妖精C「それでもなおらないならわれわれがなんとかします」

高雄(私たちが言えることでもないけど、謎の技術よね)

提督「なんとか、ね。そうならないように今日は安静にしておくよ」フフッ


ガチャ

五月雨「失礼しま~す」ソロリ

高雄「あら」

五月雨「お邪魔しても大丈夫、ですか?」

提督「もちろん」

比叡「ただし控えめに、ね」

五月雨「はい」

白露「お邪魔しまーす」

時雨「提督、大丈夫?」

提督「熱はあるけど、それぐらいだね」

村雨「良かった、思ったより元気そうで」


金剛「それじゃ、私たちはお暇シマスカ」スクッ

比叡「そうですね。片付けもしないといけませんしね」スクッ

高雄「では私も」スクッ

提督「朝早くからありがとうな」

高雄「いえいえ」

比叡「あとよろしくね」

白露「うん。任せて」

金剛「それじゃテートク、お大事に」

比叡「お邪魔しました」

高雄「失礼しました」

ガチャ



高雄「……」


夜 高雄型の部屋

高雄(そろそろ今日の看病組はみんな部屋に戻ったころかしら)

高雄(だとすると、提督はきっとお部屋でお一人なのよね……)

(「ただここにいてくれれば、それだけで嬉しいよ」)

高雄(提督……)

摩耶「なあ」

高雄「なに?」

摩耶「行ってくれば?提督のとこ」

鳥海「「ものすごく気になる」って顔に書いてあるわよ」

高雄「うっ……」


高雄「でも、今から行っても夜遅いし、少しだけ顔を出すっていうのも余計に迷惑じゃないかしら」

摩耶「だ……だったら、提督の部屋で寝てくりゃいいじゃん」

高雄「提督のお部屋で!?」

鳥海「いいんじゃないかしら。体調が悪いときは人恋しくなるって言うし」

愛宕「いっそ添い寝でもしてあげたら?」ニヤニヤ

高雄「そ、そそ添い寝っ!?///」

高雄(私が、提督と同じ布団に……!?////)

摩耶「まあ寝ようと思えばソファでも寝られるだろうけど」

鳥海「司令官さんがそんなこと許すとも思えないし」

愛宕「決まりね♪」


高雄「ま、待って待って。いくらなんでも夫婦でも恋愛関係でもない男女で同衾は良くないと思わないの?」

摩耶「ま、まあ、それはちょっとどうかとは思うけど……」

鳥海「でも司令官さんの体調も良くないし、同衾しても今日は何もないんじゃない?」

摩耶「ぶっ」

高雄「た、確かにそれは同感だけど……」

愛宕「じゃあいいじゃない♪」


愛宕「高雄が“何か”を期待してるなら話は別だけど」ニヤニヤ

高雄「そんなわけないでしょっ///」

鳥海「えっ!?」

高雄「ええっ!?」

鳥海「姉さん、司令官さんと同じ布団に入っても何か起こること期待しないの??」

高雄「そ、それは……」

摩耶(今日の鳥海は調子いいなあ)

愛宕(いい感じいい感じ♪)ウフフ


高雄「期待……しないわけじゃないけど、今日は話が別よ。あくまで提督に気持ちよく休んでいただくためだけなんだから」

愛宕「それはそうよね」

摩耶「……提督、寝られっかな」

鳥海「逆に興奮して寝られないんじゃないかってこと?」

摩耶「うん」

高雄「ちょっと!///」

摩耶「だって、もう着任して半年以上になるのにそんな話全然ないんだぜ」

愛宕「これだけ女だらけの環境なのにすごいわよね~」

鳥海「そんな司令官さんの部屋に姉さんみたいな女性が一晩いたら……」


高雄「さすがにそれだけで女性に手を出すような方じゃないわよ、あの人は」

愛宕(“あの人は”、ねえ)ニヤニヤ

愛宕「じゃあ添い寝してくる?」

高雄「う……うーん……」

鳥海「とりあえず提督のとこ行って、それから後のこと考えれば?」

摩耶「だな。提督のことだし、悪いようにはならねえって」

高雄「はあ……そうね。ちょっと行ってくるわ」

愛宕「いってらっしゃ~い♪」


提督の私室

コンコン

高雄(結局来てしまったけど……もう、おやすみよね。もう一回ノックしても反応がなかったら戻りましょう)

提督「……誰かな?」

高雄(まだ起きていらっしゃるのね!)

高雄「夜分に申し訳ありません、高雄です」

提督「ああ……入って」

高雄「ありがとうございます」


ガチャ

高雄「失礼します。夜分遅くにすみません」

提督「いいんだよ」ニコッ

提督「どうかしたかい?」

高雄「あー……その……」

高雄「提督のことが心配、でして……///」

高雄(これだけ言うとただの心配性よね……)

提督「」パチクリ

提督「それで、こんな時間に来てくれたのか?」

高雄「え、ええ。妹たちに「そんなに心配なら行ってくれば」と言われまして……」

提督「そうか……」


提督「そうか~~~~~」

高雄「あ、あの……提督?」

提督「いや、正直さっきまで賑やかだった分、部屋に一人だと少し気分が落ち込んでいたところなんだ。来てくれて嬉しいよ」

高雄「!」パアァ

高雄「そう言っていただければ、私も来て良かったです」ニコニコ

提督「良かったのはこっちのほうだよ。ありがとう」ニコッ


高雄「体調はいかがですか?」

提督「良くなってきているよ。まだ動きたくはないけどね」

高雄「では何か御用がありましたらいつでもお申し付けくださいね」

提督「そうさせてもらうよ」


提督「でも後は寝るだけだからなあ」

高雄「そう、ですよね……」

提督「とはいえ……せっかく、来てくれたことだし、できれば今晩はこの部屋にいてほしいところ、なんだが」

高雄(!)

提督「横になれる場所がなあ……ソファに寝てもらうわけにもいかないし」

提督「体調が良ければ高雄にベッドで寝てもらって私がソファで寝てもいいんだが……」

高雄「あー……それでしたら」


高雄「添い寝……というのは、いかがでしょう、か……?////」

提督「……添い寝?……高雄が?」

高雄「え、ええ……////」

提督「」

提督「……そんな贅沢して大丈夫かな。明日、槍の雨とか降らないかな」

高雄「ぜ、贅沢だなんてそんな」

提督「贅沢だよ。それに、いくら体調が悪いとは言え部下に添い寝してもらうのはあんまり恰好がつかないな」クスッ

高雄「では……」

提督「でも……こ、今晩だけは、高雄の好意に甘えさせてもらおう、かな」

高雄(!やったわね!)

高雄「ええ。ぜひそうなさってください」ニコニコ


高雄「失礼します」オズオズ

提督「どうぞどうぞ」

高雄(勢いでここまできてしまったけど……提督がこんなに近くに……/////)

提督「二人で入ると結構温かいんだな」フフッ

高雄「そ、そうですね……////」

提督「私はちょうどいいけど、高雄は暑くない?」

高雄「い、いえ。大丈夫です////」

高雄(顔はものすごく熱いのですけど……////)


提督「高雄」

高雄「は、はい」

提督「あ……ありがとう」

高雄「いえいえ。窮屈にしておいてなんですが、ゆっくりおやすみになってくださいね」ニコッ

提督「うん。それじゃ、おやすみ」

高雄「おやすみなさい」


提督「スー……スー……」

高雄(提督はおやすみになった……のかしら)

高雄(さすがにこの場所は誰も見ていないわよね)キョロキョロ

高雄(ち、ちょっとだけ……)スッ

ムギュッ

高雄(提督……)

高雄「お疲れの時は、この高雄の胸でお休みになってくださいね。提督がお望みなら、私はいつでもお側にいますから」ギュッ

高雄(さすがに露骨すぎかしら……で、でも今は誰も見ていないし提督もおやすみだから大丈夫よね)

提督「スー……スー……」

高雄(早く元気になってくださいね。おやすみなさい……)


チュンチュン

高雄「ん……」モゾモゾ

高雄「朝ね……」

高雄(提督は……?)

提督「zzz……ん……」モゾモゾ

提督「んん……朝、か……」

高雄「ええ。おはようございます」ニッコリ

提督「」パチクリ

提督「ああ……おはよう」ニコッ


高雄「気分はいかがですか?」

提督「病み上がりとは思えないほどいい気分だよ。高雄のおかげかな」

高雄「恐縮です」ニコッ

高雄「もう一度お休みになりますか?それとも、何か目覚ましにお飲みになりますか?」

提督「何か飲もうかな。高雄も飲む?」

高雄「ええ。用意してまいりますね」ウフフ






鳥海「なお、この後姉さんは他の艦娘から「昨夜はお楽しみでしたね」とさんざんからかわれたのですが、それはまた別のお話です」

摩耶(急に誰に向かって話してんだ??)

 今回はここまでです。これはもう1スレ続く流れですね!
 続きも書き始めてますので、興味のある方はもうしばらくお待ちください!

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