櫻子「姉ちゃんとあかりちゃんが入れ替わっただってっ!?」(45)

古谷家

櫻子「姉ちゃんって私にだけ優しくないよね」

向日葵「はい? 何を急に?」

櫻子「いや、撫子姉ちゃんって私にだけ厳しいじゃん?」

向日葵「それは貴女がバカなことばかりするからでは?」

櫻子「いや、きっと花子にばっかりひーきしてるんだ、うん絶対にそうだ」

向日葵「そういうところですわよ?」

櫻子「はぁ…姉ちゃんが優しければなぁ」

向日葵「ですから、それは貴女のせいですわよね?貴女が少しはお利口になれば撫子さんだって苦労せずにですわね」

櫻子「にゃにをー!!お前まで姉ちゃんをひーきするのか!! 姉ちゃんに何をもらった!! おっぱいか!?そのおっぱいをもらったのか!!」

向日葵「何を言いますか!! 第一貴女のそういうところがですね!!」


ガミガミガミガミ
ギャ-ギャ-

大室家

櫻子「全く向日葵のわからんちんめー」

撫子「おかえり。だいぶ遅かったけど、今日は櫻子が夕飯の当番だって忘れてない?」

櫻子「え?そうだっけ?」

撫子「はぁ…だと思ったけど」

櫻子「うーん…ピザとラーメンどっちがいい?」

撫子「こら、ケータリングばっかり使わない。ちゃんとみんなで話であって決めたことなんだからしっかりやりな」

櫻子「えー!? 今からぁ!?」

撫子「そうだよ。ほら、早くしないと食べるの遅くなっちゃうよ」

櫻子「うぐぐ…姉ちゃんの鬼めぇ…」

花子「櫻子は相変わらずだし」

グツグツ…

櫻子「あぁー、姉ちゃんがもうちょっと優しければなー」

櫻子「明日には優しい姉ちゃんになってればなぁ」

花子「櫻子、おそいー!!」

櫻子「今作ってるから待っててよー。おのれぇ、姉ちゃんめー!!」

翌日

オネェチャン,ナデシコオネェチャン!!
ドンドン
ドウシタンダシ! ナデシコオネェチャン!


櫻子「ふあぁー、朝からうるさいなぁ…なんかあったの?」

花子「あっ、櫻子。…それが姉ちゃんの様子が変で…」

櫻子「はっ? 変?」

花子「今日の朝の当番は撫子お姉ちゃんだったのに部屋から出なくて変だと思って」

櫻子「あっ、そうだ、今日の当番姉ちゃんじゃん!! 人には昨日あんなことを言っておいて自分は寝坊かっ!!」

花子「そんなんじゃなくて」

櫻子「こらぁー!! 姉ちゃん、起きろぉー!! 今日は姉ちゃんの番だろぉー…って、え?」




撫子「うぅ…ぐす…お姉ちゃん…うぅ…」シクシク




櫻子「は? なにこれ? どったの姉ちゃん? もしかして、花子が泣かした?」

花子「そんなわけないし!! …朝からずっとこんな感じなんだし、ベッドに潜ってて…やっと毛布を引き剥がしたんだけど」

櫻子「うーん? もしかして変な夢でも見たとか? 姉ちゃんも子供だなぁー」



撫子「違うよぉ…お姉ちゃんじゃないよぉ…うぅ…違うんだよぉ…」

櫻子「…」

花子「…」


撫子「わぁぁん…おねえちゃーん…うぅ…わぁぁ…」


櫻子「え、姉ちゃんが壊れた!?」

花子「櫻子が変なことばかりするからきっとそれが原因だし」

櫻子「なんだとぉ!! 私なんかより花子のせいだろ。人のせいにするなー!!」

花子「人のせいにしてるのは櫻子の方だし!!」

撫子「だ、だめだよぉ…うぅ…あかりのせいで…ぐす…」

櫻子「へ? あかりちゃんがなんかしたの?」

花子「なんであかりお姉さんのせい?」


ピンポ-ン


花子「誰か来たみたいだけど…」

櫻子「こんな時に? よし、花子ちょっと見てきて」

花子「自分で行けし!」

櫻子「今はいじょーじたいだから、それに撫子姉ちゃんがこうなった今、私が一番上のお姉さんだぞ!!」

花子「櫻子をお姉ちゃんだと思ったことなんてないし」

ピンポ-ンピンボ-ン


櫻子「ほら、なんかすごいなってるじゃん、はやくはやく!!」

花子「もーう、今回だけだし!!」

櫻子「全く花子は…で、本当にどったの姉ちゃん?」


撫子「だから…お姉ちゃんじゃないんだよぉ…ぅぅっ」


櫻子「ね、姉ちゃんじゃない!? も、もしかして私たちはもう姉妹じゃってこと!?」ガガ-ン


撫子「そうじゃなくてぇ…」

タタタタタタッ


あかり「見つけた、私!!」 ハァハァ


櫻子「あれ? あかりちゃん? なんでこんな朝から?」

撫子「あ…あかりだ…あかりがいる…」

花子「え?」

あかり「ということはあかりちゃんだよね?」

撫子「か…かえしてよぉ…」

あかり「うわっ!?」

撫子「あかりの体…返してよぉ…わぁーん」

あかり「私だって…なんだかよくわかんないんだよ…」

撫子「うぇーん!!わぁーん!!」


櫻子「どうなってんのこれ?」

花子「全然わかんないし…」

数分後


向日葵「それでわたくしが呼ばれたと?」

櫻子「そーそー、この櫻子様に呼ばれたことを光栄に思えっ」

花子「ごめんなさい…でも、頼れる人がいなくて」

向日葵「いいんですのよ、花子ちゃん。確かに、櫻子だと頼りになりませんもんね」

櫻子「なんだとー!!」

向日葵「…で、問題の2人ですが…」

あかり「落ち着いた」サスサス

撫子「う、うん…ごめんさい。あかりが取り乱しちゃって」

あかり「仕方ないよ…急にこんなことが起きたらびっくりするよね?」


向日葵「入れ替わり…ですか」

櫻子「っでもさー、そんなことって本当にあるの?」

向日葵「あるもないも…実際に起きているのを見ては…」

花子「信じられないけど明らかに2人とも反対だし」

撫子「櫻子ちゃん、花子ちゃん、ごめんね。朝から騒いじゃって…」

櫻子「え、いや、別にあかりちゃんのせいじゃないし…」ヒキ

向日葵「笑顔が引きつっておりますわよ」

櫻子「だって、あの姉ちゃんが櫻子ちゃんって君悪くて」

あかり「櫻子、あんたね…」

花子「そんなこと言ってる場合じゃないし」

撫子「け、喧嘩はダメだよぉ~」

あかり(…櫻子にはああ言ったけど…私も自分のこんな姿見たくなかった///)

向日葵「えぇっと、それでですが…何故こうなったか心当たりはありませんの?」

あかり「朝起きたらいつも部屋が違くて…体も小さくなってて、鏡を見て気づいた…って感じかな?」

向日葵「赤座さんは?」

撫子「起きたら全然知らない場所にいて…声も違うし、体も大きくなって…怖くて…そのぉ///」

櫻子「あっ、だから泣いてたんだ」

撫子「うぅ////今思うと恥ずかしいよぉ…」

櫻子「うぉっ!? この姉ちゃん気持ち悪っ!?」

あかり「なっ!?/// このっ!!///」ゴン

櫻子「いたーっ!? あかりちゃんがぶったー!!」

撫子「あかりじゃないよ!?」

向日葵「自業自得ですわね。おや、どうしましたの?」

花子「な、なんでもないし!!////」


花子(やばい…この撫子お姉ちゃん、可愛すぎるし////)

あかり「はぁはぁ…とにかく、この状況をどうにかしないと。できれば今日中に」

向日葵「そうですわね。今日が日曜日でよかったですわ」

櫻子「なんで今日中? 明日じゃダメなの?」

撫子「ほら、明日は学校があるから」

櫻子「あ」

向日葵「最悪、撫子さんは中学の授業についていけるでしょうが、赤座さんは…」

撫子「高校の授業なんて無理だよぉ…」

あかり「いや、私の方も授業はどうにかなっても交友関係とか普段のあかりちゃんの真似は…難しいかな////」

あかり(私とキャラが違いすぎて絶対にバレるよね…それに恥ずかしすぎる///)

櫻子「でもさー、どうにかってどうすんの?」

花子「ちょっとは自分で考えろし」

あかり「一応、戻る方法を探してくれる協力者はいるんだよね」

撫子「そうなんですか?」

あかり「うん、あかりちゃんのお姉さん…あかねさんだよ」

撫子「お姉ちゃんが?」

あかり「家でウロウロしてたらすぐにバレてね。だから、ほら、髪型のセットとかも手伝ってくれたんだ」

撫子「そうだったんですね」

向日葵「確かに、急いできた割には着替えとかもしっかりしてますわよね」

あかり「色々と手伝ってくれたからね」

あかり(それにしても、着替えを手伝ってくれる時のあかねさん、ちょっと息が荒かった気が…)

撫子「それでお姉ちゃんが手伝ってくれるんですね」

あかり「うん。けど、こっちでも探さないとね。あかりちゃんは昨日何かしたとか心当たりはある?」

撫子「え、うーん。昨日は普通に散歩したくらいで」

向日葵「散歩ですか。もしや、その時何かしたんですかね?」

撫子「私も昨日は出かけたけど…これも関係あるのかな?」

向日葵「調べるしかないですわね」

櫻子「よーし、それじゃ姉ちゃんとあかりちゃんを元に戻すために櫻子探検隊結成だー!!」

撫子「お、おー」

あかり「あかりちゃん、無理に付き合わなくていいから」

花子「櫻子は相変わらず呑気だし」

櫻子「なんでだよ!? ちょっとは2人ともあかりちゃんを見習えー!! って、あれ?」

向日葵「どうかしましたの?」

櫻子「え、い、いや、なんでもないよ!?」

向日葵「なんでもないようには見えませんが…」

櫻子「い、いいから、と、兎に角、じゅ、準備して出かけよう、ねっ!!」

向日葵「ちょ、押さないでください、わ、わかりましたから!?」


櫻子(昨日、姉ちゃんが優しくなればいいって思ったけど…もしかしてこれって私のせいなんじゃ…)

撫子の部屋


あかり「はい、あかりちゃん次はこれに着替えて」

撫子「は、はい。ご、ごめんなさい。着替えまで手伝ってもらっちゃって」

あかり「こんな状況だし気にしないで。私もあかねさんに手伝ってもらったから」

撫子「はい、ありがとうございます。えぇっと、じゃあ着替えてっと」

あかり(それにしても、こう客観的に見ると私ってスタイルは悪くない…いや、でもあの部分は…)

撫子「よいしょ、よいしょっと…」ペッタン

あかり(…もうちょっとあってもいい気が…。あかりちゃんは…)

あかり「ぐふっ!?」

撫子「ひゃっ!? ど、どうしたんですかぁ!?」

あかり「な、なんでもないよ…げ、現実は非情だって思っただけ…」

撫子「な、何にもないようには見えないよぉ…」

あかり(あかりちゃんは…着痩せするタイプだったなんて…がくっ)

撫子「わ、わーん!? 撫子お姉さーん!?」

30分後

向日葵「では準備も終わりましたし、ここから2人の昨日の行動を辿って行きましょう」


櫻子「うわっ、そとさぶっ!? あかりちゃん、そのお団子で温めてー」

あかり「近すぎ…それに、私はあかりちゃんじゃないよ」

櫻子「あっ、そだった。姉ちゃんは紛らわしいなー」

あかり「…私だってこんな状況なれないよ」


楓「本当にあかりお姉さんなの?」

撫子「うん、そうだよぉ。えへへ、いつもより楓ちゃんが小さくて可愛く見えるよぉ~」ナデナデ

花子「あ、あかりお姉ちゃん。は、花子も///」

撫子「えへへ、もちろんだよぉ。2人とも可愛いなぁ」ナデナデ


向日葵「誰も聞いておりませんわね」

櫻子「てかさ、なんで楓もいんの?」

向日葵「家に1人で残しておくわけにはいきませんし、人手は少しでも多い方がいいと思いまして」

櫻子「んー、確かに。でも、私の足を引っ張らないか心配だなー」

向日葵「むしろ貴女がみんなの足を引っ張らないか心配なさい」

櫻子「なんだとー!!」

あかり「とにかく、人数も多いしあかりちゃんの散歩コース、それと私の用事…それぞれ二手に分かれて探っていこうか」

向日葵(赤座さんがかっこいい…)

あかり「でチーム分けだけど、どうしようか?」


花子「花子はあかりお姉さんと一緒に行くし!!///」

楓「行くのー」

櫻子「わ、私もあかりちゃんとい、いこうかなー」

向日葵「なぜ目をそらしますの?」

櫻子「な、なんでもない!! なんでもないって、人を疑うのは悪いおっぱいだぞ!!」

向日葵「悪いおっぱいってなんですの!!

向日葵「それよりもなで、じゃなくて赤座さんは大丈夫ですの? 楓に花子ちゃん、それに櫻子までいますけど?」

櫻子「櫻子までってなんだよ!!」

撫子「あかりは大丈夫だよぉ。櫻子ちゃんがいてくれると頼もしいよぉ」

向日葵「そうですか、ではわたくしは撫子さんと一緒に行きましょう」

あかり「ごめんね、気を遣わせちゃって」

向日葵「いえ、大丈夫ですわ」

あかり「それじゃあ、何かわかったら連絡しよう。櫻子、あかりちゃんに迷惑かけちゃダメだよ」

櫻子「私だけかよ!? 花子だって同じじゃん!!」

向日葵「日頃の行いですわね」

公園

撫子・櫻子・花子・楓チーム


撫子「昨日はここで鳥さん達に餌をあげたんだぁ」

櫻子「あかりちゃんっていつも鳥に餌あげてるよね」

撫子「うーん、なんでか鳥さん達、あかりに集まってくるんだよねぇ」

花子「花子もあかりお姉さんとやりたかったし」

楓「楓もやってきみたかったの」

撫子「そう言うと思って…じゃじゃーん。実はさっき撫子お姉さんのに頼んでパンの耳もらってきたんだぁ」

櫻子「流石あかりちゃん!! きがきくぅー!!」

花子「櫻子とは大違い」

撫子「今分けるからね…あれ、固く縛ってあって開かないよぉ」

楓「あかりお姉さん、大丈夫なの?」

撫子「も、もうちょっと…わぁ!?」パ-ン!!

櫻子「あぁ!? 袋が爆発してパンの耳があかりちゃんの身体中に降りかかった!?」

花子「何で説明口調?」

撫子「うぅ…び、びっくりだよぉ…って、あれ? 鳩さんがこっちに」

楓「あかりお姉さんのパンめがけて鳩さんがいっぱい飛んでくるの」


バサバサバザサバサバサ
クルック-クルック-!!


撫子「わわわわっー!? ダメ、ダメだよぉ~!!やめてやめて、怖い怖い!?」ギャ-


花子「あかりお姉さんが鳩に襲われてる!?助けるし!!」

櫻子「あかりちゃーん!!」


撫子「これじゃいつもと変わらないよぉー!? 」ワ-ン!!

めぐみ「ふー、いい天気。たまには散歩もいいもんだね」


ワ-ワ-ギャギャ-
タスケテェサクラコチャ-ン!?
ヨ-シマカセロ-ギャ-


めぐみ「なんか向こうの方が騒がしいけど…え? あれって撫子!?」

めぐみ「……」

めぐみ「よくわからないけど、写メ撮っておこう」パシャパシャ

デパート

あかり・向日葵チーム


向日葵「用事ってデパートだったんですのね」

あかり「そう、それにしても道中には何もなかったね」

向日葵「そうですわね、何かあると思ったのですが…」

あかり「仕方ないよ。とにかく、昨日行った雑貨屋でも覗いてみようか」

向日葵「えぇ」


向日葵(なんでしょう。撫子さんが入っている赤座さん、冷静でいつもとのギャップでカッコ良く感じますわね)


あかり「どうしたの? 顔が赤いけど?」ピタッ

向日葵「ひやっ!?」

あかり「熱はないみたいだけど…何かあったら言ってね」ニコッ

向日葵「そ、そうですわね////」


向日葵(これは不意打ちですわ///)

京子「あれー? 珍しい組み合わせじゃん」

向日葵「歳納先輩!? な、何故ここに?」

京子「何でって、普通に買い物だけど。ちょうどインクがなくなっちゃってね」


あかり「前に見かけたことある子だけど…あかりちゃんとはどういう関係?」ヒソヒソ

向日葵「歳納京子先輩、赤座さんとは幼馴染ですわ」ヒソヒソ

あかり「幼馴染? もしかしてバレるんじゃ…」ヒソヒソ

向日葵「信頼してないわけではありませんが、歳納先輩も面白いこと好きですし、なんとかごまかしましょう」ヒソヒソ

京子「どったのー? 2人でコソコソしちゃって」

向日葵「なんでもありませんわ、ね、赤座さん?」

あかり「う、うん…」

京子「で、2人は何してんの? 2人で買い物って珍しいじゃん」

向日葵「ちょっとした買い物ですわ。その、わたくしが赤座さんについてきてほしいって頼みましたの、ね、赤座さん?」

あかり「う、うん…」

京子「ふーん。てか、さっきからあかりどうしたの?」

向日葵「な、なんでもありませんわよ!? ね、赤座さん?」

京子「いや、絶対に何かあるじゃん。ヒマちゃんもさっきから『ね、赤座さん』としか言ってないし。もしや、幼馴染の私にも言えないような秘密かー」

向日葵「そ、それはその」

あかり「も、もーう、なんでもないよー、京子ちゃん。ちょっと疲れてた、だ、だけだよー」

京子「デパートに来たくらいで疲れるなんてあかりはお子ちゃまだなー」

あかり「うん。日曜日で人も多いし、くらくらしてきちゃったよー。だから、そこの椅子で休もうって話してたんだー。そうだよね、向日葵ちゃん?」

向日葵「え、えぇ。そ、そうですわ。だからちょっと元気がなかったんですの」

京子「はー、なるほど。まぁ、ヒマちゃんがいれば安心だよね」

あかり「もーう、それってどういう意味ー?」プンプン

京子「冗談ジョーダンだって。んじゃ、私も急いでるから。また明日、じゃーねー!!」


向日葵「えぇ、また…」

あかり「ま、またねー…」

向日葵「…」

あかり「…」

向日葵「…えぇっと、赤座さんそっくりで可愛かったですわよ?」

あかり「…いっそ殺して…////」カ-



向日葵(下を向いて恥ずかしがる赤座さんも可愛い…///)

大室家


櫻子「何も分からなかったの? ダメだな、姉ちゃんも向日葵も」

向日葵「そっちだって同じでしょう」

撫子「うっ、ごめんなさい…」シュン

向日葵「あっ、いえ、赤座さんのせいではなくて…」

楓「でも、お散歩楽しかったの」

あかり「まぁ、こっちも後半は普通に買い物を楽しんでたから人のことは言えないけどね」

向日葵「このままでは明日の学校が…もしや、誰かがこうなるように仕組んだんじゃ、しかし、何のために?」

櫻子「ギクー!?」

あかり「ん?」

櫻子「な、なんでもない!! そ、それよりきっと明日には直ってるって!! あかりちゃんのお姉ちゃんだって調べてるんだしさ」

向日葵「そんな、楽観的な…」

櫻子「で、でもそれしかないじゃん。だから、うん、仕方ないって!!」

あかり「まぁ、確かに焦っても仕方ないよね」

撫子「でしょ!!だから仕方ないって、今日はこのまま過ごそう!!」

花子「でも、撫子お姉ちゃんはどうするの?あかりお姉さんお家に帰るの?」

あかり「今日はここで泊まるよ。流石に人の家じゃ気まずいしね」

楓「楓も泊まるのー」

向日葵「こら、迷惑ですわよ」

あかり「別にいいよ、こんな状況だし気分が紛れるかもしれないし」

楓「やったの、あかりお姉さん」

撫子「よかったねぇ」

花子「じゃ、じゃあ、今日はヒマねえと楓は花子のベッドを使っていいし、花子はあかりお姉さんと一緒のベッドでいいし////」

楓「楓もなの」

向日葵「すっかり気に入られていますわね」

あかり「自分の体だから少し複雑だけどね」

櫻子の部屋


櫻子「やばいやばいやばい…ど、どうしよー。絶対に私があんなこと考えたからだ。このままじゃあかりちゃんにも迷惑かかっちゃうよ」

コンコン

撫子「櫻子ちゃん、入るよぉ」

櫻子「ね、姉ちゃんじゃなくて…あかりちゃん!?」

撫子「うん、隣いいかな?」

櫻子「いいけど…」

撫子「今日はありがとうね、こんなことになっちゃったけど、櫻子ちゃんがいてくれて助かったよぉ」

櫻子「だよね。いやー、ほら姉ちゃんも向日葵も頼りにならないから」

撫子「ねぇ、櫻子ちゃんは撫子お姉さんのことどう思ってるの?」

櫻子「へ、なんで急に?」

撫子「ううん、あかりが気になっただけだよぉ」

櫻子「どうって…姉ちゃんは私に優しくないんだよね。いつもうるさい、とか邪魔だとかさ、花子ばっかり優しくして。きっと嫌いなんだよ」

撫子「うーん、あかりはそんなことないと思うけどなぁ」

櫻子「そうかな?」

撫子「そうだよ。あかりも偉そうなこと言えないけど、甘えさせるだけが優しさじゃないって思うんだ」

撫子「昔よくお母さんに怒られたけど、あかりのこと嫌いな怒らないって、お姉ちゃんに聞いたんだ。大切だから怒ることもあるんだよね」

櫻子「うーん、優しいから怒るの?」

撫子「うん。だからきっと撫子お姉さんも同じだと思うよ。だって、あかりがこの体になったのにちっとも櫻子ちゃんのこと嫌いだって思わないもん」

櫻子「あかりちゃん…」

撫子「えへへ、櫻子もちゃんも撫子お姉さんもきっと素直になれないだけなんだよね」ナデナデ

櫻子「あ、な、撫でるなー。あかりちゃんのくせに生意気だー!!」

撫子「わわっ!? ちょ、やめて櫻子ちゃん!? 」

部屋の外


あかり「ありがとう、あかりちゃん」

向日葵「やはり昨日の会話が関係していたんですね」

あかり「ずっと様子がおかしかったからね。でも、あかりちゃんに頼んでみて正解だったよ」

向日葵「これで…明日には元に戻るんでしょうか?」

あかり「だと…いいんだけどね」


向日葵(切なそうな表上の赤座さんも…っていけませんわ!! わたくしは何を考えていますの!!///)

あかり(こっちも様子がおかしいけど何かあったんだろうか?)

花子「さっきから櫻子ばっかりずるいし!! あかりお姉さんは花子のだし!!」

楓「楓のなのー!!」

向日葵「あっ、2人ともいまは」

バンッ

アカリオネェチャントルナシ-!!
ハァイツカラハナコノニナッタンダヨ!!
フタリトモケンカハダメダヨォ!!??


向日葵「楓まで…申し訳ありません」

あかり「いいって…今日は騒がしい夜になりそうだね。でも、こういう日もいいか」

向日葵「そうですわね」

翌日


櫻子「やばっ、今日学校じゃん!! ってまだ早かったか…」

櫻子「あれ? 昨日姉ちゃんのあかりちゃんと寝たはずだけど…いない?」

花子「すーすー」

楓「ぐーぐー」

櫻子「2人はまだ寝てるけど…どこ行ったんだろう。下かな?」

櫻子「おーい、あかりちゃーん!!」

撫子「…」

櫻子「あっ、いた。あかりちゃーん!!」

撫子「おはよう、櫻子。今日は随分早いね」

櫻子「あれ、もしかして…姉ちゃん!! 」

撫子「そう、起きたら元に戻ってたよ」

櫻子「そ、そっか、よかったぁ…」

撫子「私は今日当番だから早めに出るから、後は頼んだよ。ヒマ子はあかりちゃんと一緒に私に部屋にいるから」

櫻子「う、うん。わかった」

撫子「…昨日はありがとうね、櫻子」ナデナデ

櫻子「姉ちゃん!」パァ-

撫子「じゃ、行ってくるね」

櫻子「行ってらっしゃい!! 姉ちゃん!!」

バタン

櫻子「ね、姉ちゃんが優しくなった。よ、よーし!! それにしても結局、私が原因だったのかな?…ま、いっか向日葵とあかりちゃんにも教えてあげないと」

ー撫子の部屋ー


櫻子「起きろー!! 向日葵にあかりちゃん!! 2人とも元に戻ったよ!!」


あかり「ふぁぁ…朝からなんですの。あれ?なんだか今日は目覚めがいいですわね」

向日葵「ふぇ…なんだかぼーっとするよぉ…」


櫻子「え?」

ー高校ー

撫子「これから少し櫻子にも優しくあげないとね。それにしてもやっぱり自分の体が一番落ち着く…」

めぐみ「おはよう、撫子」

撫子「おはよう、めぐみ。どうしたの、今日は当番じゃないよね?」

めぐみ「いやー、それが撫子に見せたいものがあって」ニヤニヤ

撫子「見せたいもの?」

めぐみ「これ!!」

『鳩に追いかけ回されて涙目のパン屑まみれの撫子の写真』

『花子と楓に慰められて涙目の撫子、と鳩を追い払う櫻子の写真』


撫子「こ、これって/////」

めぐみ「昨日は様子がおかしかったけどどうしたの?もしかして、キャラ変ってやつ?」

撫子「ちょ、それ消して!!///」

めぐみ「えー、それは無理。だってこの撫子も可愛いもんね!!」タタタッ

撫子「めぐみ!? あぁ、もう!! こうなったのも櫻子のせいだ!!////」

撫子「帰ったらタダじゃおかないからね!!///」

赤座家


あかね「はぁはぁ…こ、これで元通りよね」

あかね「この…図書館で見つけた姉妹で入れ替わる魔法…本物だったなんて…」

あかね「けど…まさか、姉と妹って条件さえ揃えばいいなんて…お陰であかりと入れ替われなかったわ…」

あかね「でも…一晩かかったけどこれっd解除できたはず…」

prrrrr

あかね「あかりからだわ!?きっと元に戻ったって電話ね…」

あかね「はい、どうしたのあかり?」


『お、お姉ちゃん…』

あかね(電話越しだからかしら? なんだか声が違う気が…)

向日葵『あかり今度は向日葵ちゃんになっちゃったよぉ!!??』


あかね「えぇ!?」

終わり

櫻子編
向日葵「はい?櫻子と赤座さんが入れ替わった?」
向日葵「はい?櫻子と赤座さんが入れ替わった?」 - SSまとめ速報
(http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1504399325/l30)

花子編
櫻子「花子が私のことを尊敬しだした」向日葵「はい?」
櫻子「花子が私のことを尊敬しだした」向日葵「はい?」 - SSまとめ速報
(http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1536551939/l30)

上の2つと合わせて、大室家全員とあかりを入れ替えることができました
撫子は難しい。次やるなら古谷家とかな、やらないかもですが

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