美希(20)「乾杯!」 (23)


アイドルマスターASのオリジナル設定SSです。2nd visionの5年後設定にしています。
苦手な方はブラウザバックで。
okな方は、短いですがどうぞ。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1542970429


伊織「こっちよ、美希」


美希「久しぶり、伊織」


伊織「飲み物は?」


美希「烏龍茶で」


伊織「・・・そう」


美希「伊織は相変わらずオレンジジュースなんだね」


伊織「最近はそんなにコレばっかりってワケでも無いわよ。ただ、なんとなく懐かしい気分に浸りたかったのかしらね」


美希「伊織、今日は来てくれてありがとう」


伊織「いいわよ。スケジュールの管理も自分でやるようになってからはプライベートにも妥協しないことにしてるの」


美希「はは、それって律子さんやプロデューサーがスケジュール管理してた頃は自由が無かったってこと?」


伊織「あの頃は私も売り出しどきだったし、律子やアイツもまだまだプロデューサーとして青かったからしょうがないわよ。それよりアンタ」


美希「なに?」


伊織「ちゃんと律子に『さん』づけできるようになったのね。5年前だったら・・・」


美希「アハッ☆律子・・・さんってばやっぱりキビしすぎるの!」


伊織「それそれ」クックック


美希「もう、私だってもう中学生じゃないんだから、いつまでもそんな話し方なはずないでしょ?」


伊織「アンタのファンが聞いたら悲しむかもね」


美希「アイドル活動の方はどう?」


伊織「順調に決まってんでしょ。アンタテレビ見てないの?」


美希「うーん最近はあんまり」


伊織「竜宮が解散してからはソロの活動に力入れて、女優業や執筆業も増えてきてる。若手の頃にドサ回りした経験が活きてるわ」


美希「竜宮解散は悲しかったな~。あずさは寿引退したんだよね。亜美は・・・」


伊織「亜美も真美との活動頑張ってたけど、今は休止してるわ。あの二人も今年受験生だし」


美希「やっぱりみんな、あの頃とは違ってるよね。寂しいような、なんか安心するような・・・」


伊織「そんなことよりアンタは?店の指定までしてきたくせに私より遅れてくるなんて、相変わらずいい度胸してるわね」


美希「ごめんごめん。集中講義が長引いてね」


伊織「は?講義?」


美希「ああ、私いま大学生やってるんだ」


伊織「・・・そう」


美希「あれ?伊織、あんまり驚かないんだね?もしかしてプロデューサーから・・・」


伊織「何も聞いてないわよ。アイツも何も言わないし、アンタも全く連絡よこさないから、『星井美希の現在』は今じゃ765プロ七不思議の一つになってるわ」


美希「そうなんだ?でも春香とかあずさは知ってるはずだよ?」


伊織「アンタから話したの?」


美希「ううん。私がアイドルやめちゃってからも二人はよくメールしてきてくれるから、その時に・・・って感じ。伊織は全く連絡してきてくれないんだもん」


伊織「勝手にいなくなったくせに何言ってんのよ。いまだから言うけど、私はあの時・・・」


美希「とっても怒ってくれたんでしょ?プロデューサーから聞いた」


伊織「・・・まぁ、トップアイドルになった途端引退なんて勝ち逃げまがいなことされて、モチベーションが下がったのは確かね」


美希「勝ち逃げだなんて。私、ずっと目標にしてた伊織に追いつけてすごく嬉しかったんだよ?」


伊織「アンタが目標にしてたのは『私』じゃなくて『竜宮小町』でしょ?」


美希「そんなことないよ。私よりも早くデビューしてずっと先を走っててくれた伊織を目標にしてたし、尊敬してた」


伊織「・・・でも私は、私単体としてアンタより先を走ってるなんて思ってなかった。私から見てもアンタには才能があったし、いつか私自身の力でアンタを超える、それが私の目標だったんだから」


美希「・・・そうだったんだ?はは、嬉しいな。伊織が私を目標にしてくれてたなんて・・・」


伊織「だから今日こそはアンタに問いただそうと思ってここに来た。美希、どうしていなくなったの?」


美希「私ね、トップアイドルになれた時、凄く充実感があったの。『今のミキ、とってもキラキラしてる!』って」


美希「でね、嬉しくなると同時に、ここまで私を連れてきてくれた全てにとっても感謝したくなったの。事務所の皆、社長、小鳥、パパ、ママ、お姉ちゃん、そして・・・プロデューサー」


美希「アイドルを始めるまでの私じゃ考えられなかった、こんなにキラキラな自分の存在。それをプロデューサーに教えてもらった」


美希「そしたらね、私にも新しい夢ができたの。昔の私みたいに何も楽しいことが見つからない子達に、こんな私でもキラキラできる世界があったんだよ!って教えてあげて、その子達の輝ける世界を一緒に探してあげたい。それが私の今の夢」


伊織「じゃあ、アンタ今は」


美希「うん。先生になりたいんだ。そのために頑張って勉強して、大学に入ったの」


伊織「なるほどね」


美希「意外だった?」


伊織「ちょっとね。でも安心したわ。引退したのがくっだらない事が理由だったら引っ叩いてやろうと思ってここに来たんだから」


美希「うわー、伊織こわーい」


伊織「美希」


美希「なに?」


伊織「『いつーの間にかー少女じゃなーい~♪』」


美希「『おーどろくーでしょーおー♪』七彩ボタン、懐かしいね」


伊織「アンタはアンタでやりたいことに向かって全力で突っ走りなさい。大丈夫よ。アイドルやってるときだって、アンタはずっとそうしてきたんだから。アンタが夢を叶えるまで、私もずっとトップアイドルとして輝き続けてみせるわ。アンタが目標にしてくれた私自身の力でね」


美希「うん、ありがとう。やっぱり伊織に今日会えてよかった」


伊織「何か悩んでたみたいね?」


美希「うん、私が選んだ道って正しかったのかな、って時々考えるんだけど、伊織が言ったみたいに私はずっと自分の好きなようにやってきたんだもんね。自分を信じて頑張ってみるよ」


伊織「それでこそよ。私が目標にしてた『トップアイドル星井美希』はいつだってキラキラ夢に向かって走り続けてたんだから」


美希「結構話し込んじゃったね。伊織、時間大丈夫?」


伊織「そうね。そろそろかしら」パチンッ


ウェイター「かしこまりました」ペコリッ


美希「?」


ウェイター「お待たせいたしました」スッ


美希「うわ、伊織。これって・・・」


伊織「スパークリングワインよ。アンタが来る前に注文しておいたの。アンタもやっと合法的にお酒が飲めるようになったんだもんね」


美希「合法的にって・・・。私ちゃんと今日この日のためにお酒飲むの我慢してたのに」


美希「合法的にって・・・。私ちゃんと今日この日のためにお酒飲むの我慢してたのに」


伊織「そうだったの?大学生だったら新歓とかサークルとかで飲み会多いでしょうに」


美希「教育学部だからね。そんなに無理やり後輩に飲ませるような飲み会はないよ。それに・・・」


伊織「それに?」


美希「初めては伊織と飲みたかったの。同じ事務所で、同い年は私達二人だけだったんだから。大人になるときも一緒でしょう?」


伊織「嬉しいこと言ってくれるじゃない。まぁ私は20歳になったの半年前だし、お酒も全然初めてじゃないけど」


美希「いいの!こういうのは気分!」


伊織「じゃあ、いただきましょうか」


美希「うん。ちょっと緊張するね・・・」


伊織「・・・ねぇ美希、アンタ何の先生になりたいの?」


美希「え?もちろん中学校の先生だよ?中学生は、私がそうであったみたいに一番可能性を秘めてる時期だからね!あっ、私と伊織が初めてあった時期でもあったしね」


伊織「何よそのあと付け。意味わかんない」クスッ


美希「伊織、今日は本当にありがとう。ハタチの誕生日、伊織とすごせて凄く楽しかった!」


伊織「こっちこそ、声かけてくれてありがとう。アンタのその間抜けな顔ひさしぶりに見れて楽しかったし、今日を直接顔を合わせてお祝いできて良かったわ」


美希「えっ、それってもともと何かお祝いしてくれようとしてたってこと?それに、やっぱり伊織も私に会いたかったんだ~?」


伊織「は、はぁ!?そんな訳ないじゃない!」


美希「も~、素直じゃないの!デコちゃん!」


伊織「デコちゃん言うな!・・・はぁ、なんだかこんなやり取りも久しぶりね」


美希「あはは!も~、早く飲も?ほら!」


伊織「はいはい」




「乾杯!」チンッ


   

オワリダヨー(●・▽・●)
美希、誕生日おめでとう
アイドルの未来妄想するの楽しいですよね

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