【ミリマス】甘々妹琴葉ちゃん (190)


ミリP(以下、P) 【俺の妹は、とてもよく出来た妹だ】

P 「これで戸締りはよし、だな……」カチリ

田中琴葉(以下、琴葉) 「……あっ、兄さん」

P 「ん、忘れ物でもしたか?」

琴葉 「もう、違います!ほら、こっち向いてください」

P 「うん……?」

琴葉 「ネクタイ、曲がってますよ?」

P 「あっ、悪い……」

琴葉 「いえ……はい、できました!」キュッ

P 【俺が気付かない事にも、よく気が付く聡い子だ】


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1542295635

――――― 

P 【俺の妹は、とても親切だ】

琴葉 「それで、今日はいつ頃帰ってくるんですか?」

P 「ん、まぁ今日は特に打ち合わせの予定もないしな……」

P 「うん、9時ごろには帰るよ」

琴葉 「もう、約束ですよ?」


琴葉 「……あれ?」チラッ

P 「琴葉、どうかしたのか?」

琴葉 「あそこのお婆ちゃん……」

お婆ちゃん 「ひい、ふぅ……」グイグイ

P 「凄い荷物だな……スーツケースも引き摺ってるのか」

琴葉 「……すみません、私ちょっと行ってきますね!」タッタッタ

P 「琴葉?」

~~~~~

琴葉 「お婆ちゃん、お荷物お持ちしましょうか?」

お婆ちゃん 「おや、良いのかい?」

琴葉 「はい!どこまで運べばいいですか?」

お婆ちゃん 「とりあえず、バス停までお願いできるかい?」

琴葉 「はい、任せて下さい!」グッ

琴葉 「……うっ」グッ


お婆ちゃん 「無理しなくて良いんだよ?」

琴葉 「い、いえこのくらい……」

P 「琴葉、鞄をこっちに」

琴葉 「に、兄さん?良いんですか?」

P 「このまま見捨てて仕事に行くなんて出来ないよ」

P 「お婆さん、俺が手伝っても良いですか?」

お婆ちゃん 「おやまぁ、ありがたい事だねぇ」

お婆ちゃん 「それじゃ、お願いしてもいいかい?」

P 「任せて下さい……よっと」グッ

~~~~~

P 「よし、ここかな」

お婆ちゃん 「ゴメンねぇ、わざわざ手伝ってもらっちゃって」

琴葉 「いえいえ!学校行く途中ですから!」

P 【困った人の事を助けてあげる、心優しい妹だ】

――――― 

P 【俺の妹は、とても勤勉な妹だ】

島原エレナ(以下、エレナ) 「コートハ!オッハヨー!」ダキッ

琴葉 「わっ、エレナ?おはよう!」ニコニコ

P 「今日も朝から元気だな、エレナは」

エレナ 「オニーサンもビシっと決まってるネ!」

エレナ 「仕事のできるオトナって感じだヨ!」

P 「ハハハ、ありがとう」


エレナ 「それじゃコトハ、早く学校に行こ!」

琴葉 「?急ぐ必要なんてないでしょ?」

エレナ 「そ、そのぉ……」アセアセ

琴葉 「……エレナ?」ジトー

エレナ 「ご、ゴメン!宿題、教えて?」

琴葉 「……ちゃんと家でやらないからでしょ」

エレナ 「お願いだヨー!昨日、やろうと思ったら寝ちゃったノ!」ウルウル

琴葉 「……もう」ハァ

琴葉 「すみません兄さん、先に学校に行きますね」

P 「おう、行ってらっしゃい」

エレナ 「コトハ?」

琴葉 「……宿題、やるんでしょ」

エレナ 「!ウン!」

P 【友人の勉強を見れるくらいには、成績も優秀な妹だ】

――――― 

P 【俺の妹は、家庭的な妹だ】

キーンコーンカーンコーン

音無小鳥(以下、小鳥) 「おっ、お昼休憩ですね!」

小鳥 「プロデューサーさん、一緒にご飯食べに行きませんか?」

P 「すみません、俺今日弁当なので」

小鳥 「そうですか……」シュン

P 「さて、今日の中身はっと……」カパッ


小鳥 「ハートマーク……愛妻弁当ですか?」ニヤニヤ

P 「違いますよ、妹のです」

小鳥 「ふふふ、分かってますって」ニヤニヤ

P 「いただきます……はむ」パクリ

P 「今日の卵焼きも美味いな……」モグモグ

小鳥 「きんぴらごぼう良いなー……?」チラッ

P 「……あげませんからね?」

小鳥 「あぅ……」シュン

P 【料理も出来る、嫁に出しても恥ずかしくない妹だ】

――――― 

P 【周りから見れば、これ以上ないほどの出来た妹だ】

P 【ただ……一つだけ、俺しか知らない事がある】

P 「よし、今日はちゃんと帰って来れたな……」ガチャリ

P 「ただいまー」

琴葉 「!兄さん、お帰りなさい!」ダキッ

P 「琴葉……ほら、離れて」

琴葉 「…………」ウルッ

P 「……分かった、そのままでいいから」

琴葉 「はい♪」ギュゥウウ

P 【……そう、俺しか知らない事】

P 【俺の妹は、とても甘えん坊なのだ】


第一話 【俺の妹がこんなに甘えん坊なわけがない】

――――― 

P 【俺の妹は、昔から何故か兄離れをしようとしない】

P 【それ自体は兄冥利に尽きるのだが……】

P 「……琴葉」

琴葉 「なんですか、兄さん」

P 「あのさ、流石に上着位脱がせてほしいんだけど……」

琴葉 「は、はい……ごめんなさい」シュン


P (な、何故か良心の呵責が……)ヌギッ

P 「…………」チラッ

琴葉 「…………」ショボーン

P 「……それじゃあさ、晩御飯用意してくれないか?」

P 「今日いっぱい動いたからお腹ペコペコで」ハハハ

琴葉 「!は、はい!急いで支度しますね!」タッタッタ

――――― 

P 「いただきます」

琴葉 「はい、召し上がれ!」ニコニコ

P 「……琴葉は食べないのか?」

琴葉 「わ、私は先に食べましたか」グゥウ

P 「……琴葉?」

琴葉 「……ご、ごめんなさい。材料がなかったので」

P 「へっ?でも、冷蔵庫そんな空っぽだったっけ」

琴葉 「え、えっと」アワアワ


P 「……琴葉、もしかして俺の分だけ作ったのか?」

琴葉 「ごめんなさい……メニュー決めた時に気が付かなくて」

P 「食材足りなかったのか……」

琴葉 「で、でも大丈夫です!私、後で別のものを食べておきますから!」

P 「…………」ハァ

スッ

琴葉 「兄さん?」

P 「俺だけ食べる訳にもいかないだろ、ほら」


琴葉 「で、でも……」

P 「遠慮するな、引っこめるのもカッコ悪いだろ」

琴葉 「……くすっ、分かりました」

琴葉 「それじゃ……はむ」パクリ

琴葉 「…………♪」

琴葉 「兄さん、もう少し貰っても良いですか?」

P 「良いよ、ほら」

琴葉 「はむ……ん♪」


P 「そら、どんどん……」

琴葉 「……はっ!」

P 「ん、どうかしたのか?」スッ

琴葉 「私が全部食べちゃったらダメじゃないですか!」

P 「俺はそんなにお腹減ってないし……」

琴葉 「さっきお腹ペコペコって言ってたじゃないですか」プクー

P 「ぐぅ……覚えてたのか」


琴葉 「……そうだ!」ティン

琴葉 「……はい、あーん♪」

P 「?」

琴葉 「こうすれば、兄さんだってちゃんと食べてくれますよね?」

P 「……いや、自分の箸で食べればいいだけじゃ」

琴葉 「それじゃ分けてくれるばっかりじゃないですか」

P (……意固地になったら聞いてくれないか)

P 「分かったよ、あー……」

琴葉 「はいっ、どうぞ!」

P 「むっ……やっぱり琴葉のご飯は美味いな」

琴葉 「ふふ……ほら、まだまだありますからね!」スッ

――――― 

P 「……よし、仕事も一段落ついたし寝るか」

P 「おやすみ……」

琴葉 「…………」ジーッ

P 「……じっと見てられると寝れないんだが」

琴葉 「あ、あのぅ……」

P 「……いい加減一人で寝れるようにだな」

琴葉 「……うぅ」シュン

P 「…………」

P (ものすごい罪悪感が湧いてくるのは気のせいか)


P 「……はぁ、今日だけだぞ」

琴葉 「!はいっ!」パァアア

琴葉 「それじゃ、早速……」スルスル

P (今日だけって言っていつも許可しちゃってるんだよなぁ……)

琴葉 「ふふ……おやすみなさい、兄さん」ギュッ

P 「うん……おやすみ、琴葉」

P (……これで良いのかな?)チラッ

琴葉 「……すぅ」

P 「……まぁ、良いか……」


第一話 完

こんな感じのイチャコメを7日間投稿していきたいと思います
どうか気軽に読んで下されば幸いです

妹琴葉っていうと聖ミリオン女学園思い出すな
http://i.imgur.com/s1Ja1Fe.jpg
乙です

>>1
田中琴葉(18) Vo/Pr
http://i.imgur.com/uocYmbN.png
http://i.imgur.com/e5Gvrw9.jpg

>>7
島原エレナ(17) Da/An
http://i.imgur.com/q5OrqGd.png
http://i.imgur.com/PlGk6kr.jpg

>>9
音無小鳥(2X) Ex
http://i.imgur.com/hFRWAa5.jpg
http://i.imgur.com/ElSKgHB.jpg

ことかわ、何歳設定なんだ

>>24
一応高2設定


第二話 【授業参観】

――――― 

P(明日のレッスンはボイストレーニングを中心にして……)

琴葉「あの、兄さん……少し良いですか?」

P「ん、どうかしたのか?」

琴葉「これなんですけど……」

P「どれ、見せてごらん」

P「……授業参観?」

琴葉「は、はい……来週やるらしくて」

P「来週か……」


琴葉「い、忙しいなら無理しなくて大丈夫ですから!」

P「……行かない方がいいか?」

琴葉「……来て欲しいです、けど」

P「……そうか」ナデナデ

琴葉「……兄さんのイジワル」プクー

P「悪い悪い、きっちり観に行くから許してくれ」

琴葉「本当ですか?」

P「ああ、来週なら大丈夫だからさ」

琴葉「……やったっ」パァアア

琴葉「私、精一杯頑張りますね♪」

—————

ザワザワ

P「おお……結構みんな来てるんだな」

P「高校生の授業参観なんて来ないもんかと思ってたけど……」

琴葉「………」カリカリ

P「我が妹ながら、よくあそこまで真面目に先生の話聞けるな……」

P「……頑張れ、琴葉」グッ


エレナ「……ね、コトハ」ツンツン

琴葉「?ダメよエレナ、先生話してるじゃない」コソコソ

エレナ「違うヨ、後ろ!」

琴葉「後ろ……?」チラッ

P(あっ、こっち見た)

琴葉「………っ!!」パァアアアッ

P「…………」フリフリ

琴葉「…………♪」フリフリ

エレナ「……良かったネ、コトハ♪」

琴葉「……うん!」


先生「それでは、この問題を……島原、解いてみろ」ビシッ

エレナ「は、ハイ!エート……」

エレナ「……む、ムズかしいヨー!」

P(確かに、アレは難しいよな……全く分からん)ウンウン

先生「仕方ないな……それじゃあ、田中」

琴葉「はい!」

琴葉「ここが、こうで……」カキカキ

琴葉「……どうでしょうか」


先生「よし、正解だ!すまないな、田中」

琴葉「いえ、大丈夫です……」チラッ

P(よくやったな、琴葉)グッ

琴葉「……っ♪」ピース

先生「ん、誰か来てるのか?」キョロキョロ

琴葉「あ、いえ、その!!」アワアワ


先生「田中もそういう風に喜んだりするんだな」ハハハ

アハハハハ!

エレナ「…………」ニヤニヤ

琴葉「も、もう……」カァアアア

エレナ「カワイかったヨ、コトハ♪」

琴葉「もう、からかわないでってばぁ!」

—————

先生「それでは皆さん、本日はクッキーを作ってもらおうと思います!」

琴葉「よし……まずはオーブンを予熱で温めておいて」

P「琴葉、手慣れてるな……」

エレナ「オハヨ、オニーサンっ」ポンッ

P「やぁエレナ、エレナの班はどんな感じなんだ?」

エレナ「バッチリだヨー!ワタシは生地混ぜる係ナノ!」

P「へぇ……重大任務じゃないか」

エレナ「ウン!頑張って美味しいクッキー作るヨ〜!」

P「頑張れよ、応援してるからな」


P「……っと、エレナちょっと顔こっちに向けてくれるか?」

エレナ「?どうしたノ?」キョトン

P「生地が飛んで頬っぺたに飛んでる……よし、取れた」ゴシゴシ

エレナ「わっ、気付かなかったヨ」

P「悪いな、女の子の顔ベタベタ触っちゃって」

エレナ「ううん、こっちこそアリガトネ!」

琴葉「…………」ジーッ

琴葉 (私だって兄さんとお話したいのに……)

琴葉 (エレナ、良いなー……)カチカチ

生徒「わぁああ!琴葉、予熱の時間長すぎだってぇ!」

――――― 

ッチーン!

琴葉「よし、出来た……!」パカリ

生徒「わぁ、良い感じじゃん!」

生徒「どれ、早速味見を」パクリ

琴葉「もう……それで、どんな感じ?」

生徒「めっちゃ美味しいよ!琴葉がちゃーんと材料計ってくれてお陰だね!」

琴葉「そ、そんな事ないと思うけど……」サクリ

琴葉「……うん、おいひい」


琴葉「そうだ、兄さんにも分けてあげなきゃ」

琴葉「にいさ——」

P「琴葉も馴染めてるって分かったしそろそろ帰るか……」

エレナ「あれ?オニーサン、帰っちゃうの?」

P「ああ、キリも良いかなと思ったんだけど……」

エレナ「そんなのモッタイナイヨー!?」


エレナ「……そうだ、これアゲル!焼きたてのクッキーだヨ!」スッ

P「良いのか?エレナが食べれば良いじゃないか」

エレナ「ワタシの分はあるからヘーキだヨ!」

エレナ「そんな事よりホラホラ、食べて食べて!」グイグイ

P「そういう事なら……あむっ」パクリ

エレナ「どう?」

P「いい焼き加減じゃないか、美味いよ」

エレナ「エヘヘ……ヤッタ♪」ニコニコ


エレナ「あっ、そうだ!ちょっと待っててネ!」

P「?」

エレナ「……おまたせ!」

P「それは……マーマレードか?随分洒落たものを用意したんだな」

エレナ「ウン!これ付けると、とーっても美味しくなるんだヨ!」

P「……うん、確かにクッキーに合いそうだ」


エレナ「でショー?こーやって付けてー……」

エレナ「ハイ!オニーサン、あーん!」スッ

P「……ん?」

琴葉「!?」ガタッ

エレナ「?どうしたノ?」キョトン

P (本人が良いなら、良いか……)

P「いや、なんでもないよ……それじゃ」パクリ

エレナ「ネ、美味しくなったでショ?」

P「あ、ああ……いい感じに酸味が効いてるな」

エレナ「でショー?ホーラ、もう一回あーん!」スッ

P「あ、あーん……」

琴葉「…………」ジーッ

――――― 

P「なぁ、琴葉ー?」

琴葉「…………」プイッ

P (帰ってきてからずっと琴葉の機嫌が良くない、なんでだ……)

P「きょ、今日も授業は頑張ってたな!問題答えられて偉いぞ!」

琴葉「…………」ムスー

P (ダメだ、ちっとも機嫌が直らない……)ガックリ

P「……なぁ、どうかしたのか?」

P「さっきからずっとムスッとして……」

琴葉「兄さんが悪いんじゃないですか……」


P「お、俺か?」

琴葉「……調理実習、エレナとイチャイチャしてたもん」

P「もんって……アレはそんなつもりでやってたんじゃないだろ?」

琴葉「…………」プクー

P「な、機嫌直してくれって……悪かったよ」ナデナデ

琴葉「そ、そんなので誤魔化されたりしませんから」

P「そうか……」スッ

琴葉「あっ、撫でるのはやめたらダメです」

P「……はいはい」ナデナデ

琴葉「…………♪」ニコニコ


P「それじゃ、どうしたら許してくれるんだ?」

琴葉「……それじゃ、これ食べてくれたら許してあげます」スッ

P「あれ、クッキーか?でも、琴葉の班は……」

琴葉「兄さんの分包んでおいたんです、あの時あげられなかったので」

P「そうか……すまない、そういえば食べられなかったな」

琴葉「……私のじゃ、ダメでしたか?」シュン

P「まさか、琴葉が作ったものなんだから美味しいに決まってるだろ」


P「ただ、折角自分で作ったんだし……自分で食べたいかなと思ってな」

琴葉「もう……兄さんに食べて貰うために作ったんですよ?」

P「す、すまん……?」

琴葉「……もう、兄さん鈍感なんだから」ハァ

琴葉「それじゃ、口開けてもらえますか?」

P「……え、食べさせてくれるのか?」

琴葉「……エレナにはしてもらってたじゃないですか」


P「……分かったよ」

琴葉「あー……んっ」

P「…………」モグモグ

琴葉「ど、どうですか?」

P「……うん、サクサクして美味いな」

琴葉「……本当、ですか?」

P「ああ、少し置いておいたからサクサク感が増してるのかもな」

琴葉「……本当は焼きたてを食べてもらいたかったんですけどね」ジトー

P「ぐっ……悪かったよ」


琴葉「ふふっ……ごめんなさい、意地悪でしたね」

琴葉「それじゃ、もう一度口開けてもらっていいですか?」

P「あー……むっ」

P「やっぱり美味いな……うん、何枚だって食べられそうだ」

琴葉「ふふっ……まだまだ沢山ありますからね♪」

第二話 完

家では甘えん坊になると言ったが外でもなんだかんだ話したい妹琴葉でした


第三話 【コタツ】


琴葉「……くちゅん!」

琴葉「うぅ……最近寒くなってきましたね」スッ

P「確かになぁ……ついこの前まで暑かったってのに不思議なもんだ」

琴葉「…………」プルプル

P「ほら、琴葉もこっちおいで」

琴葉「は、はい……」ピトッ

琴葉「……兄さん、あったかい」

P「いや、あったまるならそこにある毛布で……まぁ良いか」

琴葉「…………♪」


P「でも、ずっとこのままって訳にもいかないしなぁ……」

琴葉「私は構いませんよ?兄さんの側にいれば暖かいですし」

P「仕事が出来ないんだよ……うぅむ、どうするかな」

P「……そうだ、ちょっと時期早いけどアレを出すか」

琴葉「アレ?」

P「コタツだよ、ぬくぬく出来るぞ」


琴葉「!ダメですよ、兄さん!」

P「なんでそんなに嫌がるんだ……?」

琴葉「だって、コタツなんて出しちゃったらダメ人間に……!」ワナワナ

P「……まぁ、多少その心配はあるけどな」

P「何もせず風邪をひくよりはマシだろ?」

琴葉「それは……そうですけど」

P「さて、何処にしまったっけかー……」

琴葉「兄さんがダメ人間になっちゃう……!」

―――――

琴葉「ほわぁ……」ヌクヌク

P「……一番満喫してるじゃないか」

琴葉「こ、これは……その!」

P「照れなくても良いのに……よっこらせっと」

P「あぁ……あったかいなぁ」


琴葉「〜♪」フニャー

P「…………」ジーッ

琴葉「……はっ、見ないでください!」

P「良いじゃないか、可愛かったぞ?」

琴葉「も、もう……」カァアア

P「さて、仕事するか……」


琴葉「…………」コポコポ

P「…………」カタカタ

琴葉「ふぅ……美味しい」

琴葉「兄さんも飲みますか?」

P「ああ、お願いするよ」

琴葉「……はい、どうぞ」

P「ありがとな……」ゴクゴク


P「これ、美味しいな?新しいお茶か?」

琴葉「はい、先輩に教えていただいて」

P「へぇ……」

琴葉「気に入ってもらえたなら何よりです」

P「…………」カタカタ

琴葉「…………」

琴葉 (兄さん……話しかけたら迷惑だよね)


琴葉「……そうだ」ムキムキ

琴葉「兄さん、みかん食べませんか?」

P「おっ、良いな……貰うよ」

琴葉「はい、あー……んっ」

P「あむっ……うん、やっぱりコタツにはみかんだよな」

琴葉「はい……なんというか、落ち着きますよね」

琴葉「……もう一つ如何ですか、兄さん?」

P「あぁ、貰おうか」

琴葉「やった……それじゃ、口開けてください♪」

―――――

琴葉「なくなっちゃいました……」ショボーン

琴葉「……も、もう一つ如何ですか?」

P「あまり食べると夕飯に響くし良いよ」

P「後は琴葉が食べて良いよ」

琴葉「そ、そうですか……」シュン

P「?」

琴葉 (兄さんに食べさせて欲しかったなぁ……)


琴葉「……美味しい」パクッ

P「これをメールして……」

琴葉 (暇だなー……)コテン

琴葉 (あっ、こうすると兄さんの顔が見える)

琴葉「…………」ジーッ

P「…………」カタカタ

琴葉 (兄さん……真剣にお仕事してる)

琴葉 (せっかくのお休みだし、もっとお話したかったなぁ……)ウトウト

琴葉「……すぅ」

P「……ん?」

琴葉「…………」スヤスヤ

P「あらら……寝ちゃったか」

P「どれどれ、毛布でも取ってくるかな……」

―――――

琴葉「……ふわぁ」

P「おっ、起きたか?」

琴葉「あぅ……ね、寝ちゃってましたか?」

P「気持ち良さそーに寝てたぞ?」フフ

琴葉「は、反則ですよ兄さん……!」


P「悪かったって……ほら、よだれ垂れてるぞ」スッ

琴葉「あっ……」ゴシゴシ

琴葉「もう、兄さんの意地悪……」プイッ

P「別に良いじゃないか、兄妹なんだし」

琴葉「妹でも言ったらダメな事があるんですよ?」


P「油断した表情可愛かったのになぁ……」

琴葉「……そう言ったら誰にでも効くと思ってませんか」

P「……そ、そんな事はないけどさ」

琴葉「ダメですよ、アイドルのプロデューサーなんですからもっと女の子に気を遣わないと」

琴葉「そんなの、私くらいにしか通用しませんからね?」

P「分かった……気をつける」

琴葉「分かればいいんです」フンス


琴葉「もうお仕事は終わったんですか?」

P「あぁ、大体な」

琴葉「良かった……」

P「飯にするには、まだ早いし……何するかな」

琴葉「……兄さん、そっちに行っても良いですか?」

P「ん?構わないけど……」

琴葉「ありがとうございます……」スッ

P「……わざわざコタツに一方向から二人で入らなくても良いと思うんだけどな」


琴葉「だって、兄さんとの距離が遠いんですもん……」ムスッ

P「大した距離じゃないだろうに……」

琴葉「むぅ……近くにいてもお仕事してばっかりだったじゃないですか」

P「まぁ、否定はできないけどさ……」

P「でも、今日の仕事は終わったんだから良いじゃないか」


琴葉「ダメです、まだ終わってません」

P「ん?なんかやり残した事あったっけ」

琴葉「妹を甘やかしてあげるって、大事なお仕事が残ってます♪」

P「……はいはい、分かった分かった」ナデナデ


琴葉「このお仕事は、定時で帰らないでくださいね……♪」ニコニコ


第三話 完

妹って立場なら琴葉も素直に甘えてくれる筈可愛い

なおウチにコタツはない


第四話 【マッサージ】


P「ってて……」

琴葉「兄さん、肩凝ってるんですか?」

P「あぁ……最近はデスクワークが多かったからな」

琴葉「もう、しっかり運動しなきゃダメですよ?」

P「分かった分かった、これから気をつけるよ」

琴葉「もう、そんな事言って誤魔化して……」

P「ご、誤魔化してるわけじゃないぞ?」


琴葉「……でも、明日運動するわけじゃないんですよね?」ジーッ

P「……明日はたまたま書類作業が多いだけだって」プイッ

琴葉「こっち見て言ってください!」

琴葉「……もう、兄さんのそういう所は良くないと思います!」

琴葉「最近は、家に帰ってくるのも遅いし……」シュン

琴葉(兄さんに甘えられる時間も少ないし……)


P「今日の琴葉は家でも優等生だなぁ……」

P「撫でてやるからこれ以上怒らないでくれよ」

琴葉「えっ、本当ですか……?」パァアア

P「ん、やって欲しければやるけど」

琴葉「そ、それじゃ……」

琴葉「……だ、ダメですよ!誤魔化されませんから!」

P「ぐぅ……分かったよ、気をつけるから」

―――――

琴葉「って、兄さんは言ってたんだけど……」

エレナ「オニーサン、運動とかしないの?」

琴葉「ジムに通ってたりする訳じゃないから……」

琴葉「多分、仕事で身体動かすくらいじゃないかしら」

エレナ「エー!?そんなの、ワタシだったら耐えられないヨー……」

琴葉「エレナは身体を動かすのが好きだものね」フフッ

エレナ「ウン!サンバするのも、サッカーするのもダイスキっ!」


エレナ「ソウダ!コトハも、今度一緒にやろ?」

琴葉「わ、私は良いわよ……上手く出来ないから」

エレナ「楽しかったらオールオッケーダヨ?」ニコッ

琴葉「……分かったわ、機会があればね」

エレナ「ウン、ヤクソク!」


エレナ「……あっ、そうだヨ!オニーサンも誘お!」

琴葉「誘うって……」

エレナ「サッカーとサンバ!みんなでやれば、きっと楽しいヨ!」

琴葉「兄さん、仕事忙しいから……」

琴葉「休みの日まで振り回したら、可哀想で……」

エレナ「そっかー……難しいネー」

エレナ「……オニーサンの肩凝り何とかすれば良いんだよネ?」

琴葉「そうだけど……エレナ、何か他にある?」

エレナ「それはネー……」

―――――

P「今日も疲れたな……恵美にも心配されちゃったし」

P「今日は早めに寝た方がいいかな……」

ガチャリ

P「琴葉、ただいまー」

琴葉「兄さん、おかえりなさい!」パタパタ

P「ただいま、早速だけど先にシャワー浴びても良いか?」


琴葉「あっ、それは……その」

P「?何か問題でもあるのか?」

琴葉「いえ、そろそろだと思うんですけどー……」

ピロピロ

琴葉「!やった!」

P「今のは……風呂が沸いた音か?」

琴葉「はい、用意しておこうと思って」


P「よく時間合わせられたな……そりゃ、メールはしたけどさ」

琴葉「ふふっ、妹の勘です」ニコニコ

琴葉「兄さん、最近疲れ気味だったので……」

P「琴葉にまで心配かけてたか……悪かったな」

琴葉「気にしないで良いです、兄さんの身体が一番ですから」

P「……それじゃ、早速浸かってくるよ」

琴葉「はい、ごゆっくり!」

琴葉「ご飯、お風呂上がりの頃にできるようにしますね♪」

―――――

P「食った食った……」ポンポン

琴葉「どうでしたか?精の付く物を選んでみたんですけど……」

P「良かったよ、やっぱりたまには肉食わないとな」

琴葉「良かった……」ホッ


P「それじゃ琴葉も風呂に……ふぁ」アフゥ

琴葉「兄さん?」

P「悪い、欠伸が……」

P「すまない、先に寝るよ」スッ

琴葉「……兄さん、少し時間良いですか?」

P「ん……どうしたんだ?宿題とか?」

琴葉「違います、宿題はきちんと終わらせました!」


琴葉「それより、布団にうつ伏せにもらっても良いですか?」

P「?あ、ああ……」

P「一体何を始める気だ?」

琴葉「……よし!」すとん

P「……お馬さんごっこ?」

琴葉「ち、違いますよ!」


琴葉「ほら、身体の力を抜いてくださいね……」グイッ

P「おー、これは効くなぁ……マッサージか?」

琴葉「はい……こうしたら、少しでも楽になるかなって」

P「楽にって……肩こりの事心配してくれてたのか」

琴葉「どうせ、兄さんは言っても素直に聞いてくれませんから」ムスッ

P「一応、腕回すくらいはしたんだけどな……いたっ!」

琴葉「!?ご、ごめんなさい!強すぎましたか!?」アセアセ

P「い、いや……運動不足が祟っただけだよ」


琴葉「……続けても良いですか?」

P「ああ、お願いしようかな」

琴葉「んしょ……んっ」グッ

P「…………」

琴葉「……どうですか?」

P「ああ、良い感じだ」

琴葉「良かった……」


P「それにしても上手いな、何処かで勉強でもしたのか?」

琴葉「色々、ネットとか……」

琴葉「きちんとやらないと、逆に痛めてしまったりするって聞いたので」

P「そうか……そこまで予習済みとは、流石は優等生だな」

琴葉「もう、マッサージしてあげるのが兄さんだからですよ?」

P「分かった分かった、琴葉は自慢の妹だよ」

琴葉「むぅ、なんか軽い気がします……」

P「そんな事ないさ、お陰で身体もほぐれてきた」


P「でも、してもらってばかりじゃ悪いな……」

琴葉「そんな、私が勝手にやってる事ですから」

P「俺の為にそこまでしてもらってるんだ、そういう訳にもいかないだろ?」

P「そうだな……何か一つ、俺にしてもらいたい事とかなら聞くぞ」

琴葉「一つですか……どうしようかな」

琴葉「……それじゃ、今度のお休みにどこかにお出かけしたいです」

P「良いぞ、それじゃ前から行こうって言ってた紅葉狩りにでも行くか」

琴葉「わぁ……本当ですか?」

P「本当だとも、約束する」


琴葉「ふふっ……それなら、早くしないと季節終わっちゃいますね?」

P「だな……早めに休めるようにする、よ……」

琴葉「……よし、このくらいかな」

琴葉「兄さん、足の方もしようと思うんですけど……」チラッ

P「すぅ……すぅ……」スヤスヤ

琴葉「……眠っちゃったみたい」ナデナデ

P「んん……」

琴葉「いつもは兄さんにしてもらってるのに……なんだか、不思議な感じですね」

琴葉「……ゆっくり休んでください、兄さん」フフッ

第四話 完

甘える時は甘えるけど、疲れてる時には気遣ってくれる妹琴葉ちゃんでした


第五話 【キス】


エレナ「コトハ、これ見て!」

琴葉「雑誌……クレープのお店?」

エレナ「ウン!このお店、とーってもオイシイんだって!」

琴葉「そうなんだ……わっ、このイチゴの美味しそう」

エレナ「デショー?今日、二人で食べに行こうヨ!」

琴葉「うん!」


バタバタ

風紀委員「すみませーん、田中さんはいますか!」

エレナ「コトハ、呼ばれてるヨ?」

琴葉「なんだろう……どうかしたのー?」

風紀委員「すみません、一緒に来てもらって良いですか?」

風紀委員「私だけじゃ、手に負えなくて……」

琴葉「?私で良いなら」

風紀委員「良かった……こっちです!」

―――――

学生男「なんでこんなに怒られなきゃなんないんだよ……」

風紀委員「アンタ達がふしだらな行いをしてたからでしょ!」

風紀委員「先生に言いつけても良かったんだからね!?」

学生女「センセーも困ると思うんだけどねー……それ」

学生男「どうやって注意するってんだろうなー?」


琴葉「あの……ふしだらってどういう事?」

風紀委員「そ、それはですね……」カァアア

学生女「別にチューしてただけだよ?」

琴葉「ちゅー……!?」カァア

琴葉(ちゅ、チューってキスよね?口に口を重ねる……!)

琴葉「……あぅ」プシュー

風紀委員「学校は勉強をする所であって——」

学生男「別にこんくらい良いじゃねーか……」


学生女「イインチョだってしたりするでしょ?」

琴葉「え、ええっ!?」

学生男「イインチョ、美人だもんな……いてっ!」ボカッ

学生女「…………」ギロッ

琴葉「わ、私はそんな事……」アセアセ

風紀委員「してないですよね!ほーら見なさい!」

学生女「イマドキ、年頃ならしてると思うんだけどなー」

琴葉 (そう、なのかな……)

琴葉(兄さんも、そういう経験があったりするのかな……)

―――――

ガチャリ

P「ただいまー」

琴葉「お、おかえりなさい!」カチコチ

P「ああ、ただいま……?」

P(なんか、動きが不自然だな……)


P「っと琴葉、ちょっとゴメンな」ピッ

琴葉「?」

P「ほーら……ちょっとだけクリームが付いてた」

P「何か食べてきたのか?」

琴葉「は、はい……エレナと、クレープを少し」

P「クレープか!美味しそうだな」

P「場所、後で教えてくれ」

琴葉「分かりました……」


P「……琴葉、また何か悩んでるのか?」

P「心ここに在らずって感じだけど」

琴葉「い、いえ……大した事じゃないんですけど」

P「ふむ……俺で良ければ聞くぞ?」

琴葉「……それじゃ、質問しても良いですか?」

P「ああ、なんだ?」


琴葉「兄さんは……キス、した事はありますか?」

P「あるよ?一応」アッサリ

琴葉「で、ですよね!兄さんがそんなふしだらな事するわけ……」アハハ

琴葉「……えっ?」カチーン

P「つっても、経験が多いわけじゃないけどな」


琴葉「だ、誰とですか!?」ズイッ

P「そ、それは言う必要ないだろ……?」

琴葉「あります!!」

P「……か、彼女とか?」

琴葉「…………!」ガーン

P「ところで、なんで急にそんな事を……」

琴葉「………べ」

P「べ?」キョトン

琴葉「兄さんの……兄さんのすけべーっ!!」バッ

―――――

P「はぁ……」ドヨーン

所恵美(以下、恵美)「どったの?今日ため息ばっかついてない?」

P「あぁ……ちょっと妹とケンカしてな」

恵美「珍しいね?いっつも仲良さそうなのにさ」

P「はは……なんか変な事聞いてくるとは思ったんだけど」

P「まさか、あそこまで怒るとは思ってなかった……」


恵美「何聞かれたの?」

P「……『キスした事はあるか?』だと」

恵美「へぇー……」

P「……なんだよ」

恵美「また、シちゃう?」ニヤッ

P「あのな、アレは偶然で——」

恵美「もー、照れなくたって良いのに♪」ニコニコ

P「からかうなよ、慣れてないんだって……」

恵美「アタシはいつでも準備オッケーだからね、プロデューサー♪」

―――――

琴葉「兄さんが……あの兄さんが……」アワアワ

学生女「イインチョ、どったの?なんか悩んでるみたいじゃん」

琴葉「貴女は、昨日の……」

学生女「あんま悩むとシワ増えるよ?」

学生女「せーっかく美人なのが台無しだって」

琴葉「そ、そうかな……」


学生女「で、何悩んでたん?」

琴葉「……一つ、聞いても良い?」

学生女「良いよー、なに?」

琴葉「その……き、キスってどうするのかなって」

学生女「……へっ?そんなのチューってすれば良いだけじゃん」

琴葉「そ、それはそうなんだけど!」

学生女「なになに?イインチョ、好きな人とかいんの?!」ニヤニヤ

琴葉「違うわよ!きょ、興味があっただけ!」

学生女「なーんだ……つまんないの」


学生女「って事はアレ?きっかけとか?」

琴葉「そ、そう!」

学生女「うーん……そういう事意識した事ないしなー」

学生女「イインチョに出来そうなのというと……あっ!」

琴葉「……あるの?」

学生女「あるよー!ちょっとズレちゃったけど」

琴葉「……?」

―――――

P「……琴葉にどうやって謝ろうかな」

P「つっても、いつまでも気まずいのは困るし……」

P「……よし!」

ガチャリ

P「ただいま!」

琴葉「おかえりなさい、兄さん!」ニコニコ

P「……あ、あれっ?」


琴葉「どうかしたんですか?」

P「い、いや……」

P「お、怒ってないのか……?」

琴葉「……ちょっとは怒ってますけど」プクー

琴葉「後で試したい事あるので付き合ってもらっても良いですか?」

P「い、良いよ……?」

琴葉「……よしっ」グッ

―――――

P「それで、何をしようっていうんだ?」

琴葉「はい、これです!」スッ

P「……ポッキー?」

琴葉「はい!ポッキーです!」

P「……食べたかったなら、言ってくれれば買ってきたぞ?」

琴葉「違いますよ、私そんな食い意地張ってません!」ムゥ

P「そんな必死に否定しなくても……」


琴葉「……その、ポッキーゲームっていうのをしてみたくて」

琴葉「兄さん、一緒にやってくれませんか?」ジッ

P「良いけど……なんでポッキーゲームなんだ?」

P「ポッキーの日も過ぎた後だろ?」

琴葉「それは……その」モジモジ

P「?」


琴葉「……よ、予習です!!」

P「予習……」

琴葉「はい!」

P「…………」

P (予習……誰か、したい相手がいるって事か)

P(俺の妹にそこまで思わせる奴はどこのどいつだ……?)ビキビキ

琴葉「兄さん、顔が強張ってますよ……?」

P「……いや、なんでもない」


琴葉「それじゃ……始めますね」ハムッ

琴葉「ひ、ひいはん……」

P「……よし、やるか」パクリ

琴葉「…………!?」ビクッ

琴葉 (こ、こんな近いの……!?)カァアア

P「……おとは?」キョトン

琴葉「!!」プルプル


琴葉 (す、進めなきゃ……!)サクサク

ポリ……ポリ……

琴葉「…………」ドキドキ

P「…………」サクサク

琴葉 (兄さん、どんどん進んできてるっ!?)グルグル


P「ん」ジッ

琴葉「!」

琴葉 (に、兄さんと目があった!)ポキッ

琴葉「……あっ」

P「もぐ……うん、折れちゃったな」

琴葉「…………」ワナワナ

琴葉 (に、兄さんと……もう少し近かったら)プシュウウウ

琴葉「…………あぅっ」コテン

P「琴葉!?どうしたんだ、琴葉ぁ!」

―――――

ペタリ

恵美「……プロデューサー、なにこれ?」

P「琴葉が、劇場に貼っておけってさ……」

琴葉 『劇場でキスをしてはいけません!』

第五話 完

背伸びしてキスしたかった琴葉、ハードルの高さに撃沈の巻

琴葉が妹なので恵美さんは遠慮なしにイチャついております


第六話 【悪夢】


P「じゃ、俺は行くから……」

琴葉「兄さん、待って!」

P「俺はもう、お前の兄貴じゃないんだよ」

P「だから、これからは一人で……」

琴葉「いやっ!」ブンブン


??「もう、何やってるんですか」

P「悪いな、——」

??「早く行かないと……兄さんも、夕飯の支度手伝ってくださいね」

P「あぁ、分かってる」

P「元気でやるんだぞ、琴葉……」

琴葉「待って……待って、兄さん!兄さん!!」ポロポロ

―――――

琴葉「兄さん!」バッ

P「んむ……」ムニャムニャ

琴葉「……あれ?ゆ、夢?」

P「ん……どうした?」

琴葉「ご、ごめんなさい!なんでもないんです!」


P「そうか……あれ、今何時だっけ」

琴葉「し、7時です」

P「うーん……休みだしもうちょい寝るか」

P「おやすみ……」

琴葉「お、おやすみなさい……」

琴葉「そう、だよね……兄さんはどこにも行かないよね」

P「んん……」スヤスヤ

琴葉「…………っ」ギュッ

―――――

P「……琴葉?」

琴葉「ん……あ、兄さん」

P「琴葉も二度寝したのか、珍しいな」

琴葉「わ、私だってたまには二度寝くらいします……」プクー

P「そうかそうか、悪かった」


P「さて、そろそろ動き始めるか……」スッ

P「……っと?」グイッ

琴葉「…………」ギュッ

P「……琴葉、離してくれないと動けないんだが」

琴葉「じゃあ、今日は動かなくていいです……」ダキッ

P「お、おい……そういう訳にもいかないだろ?」


P「今日は一応、CDとかの様子見に行っておきたいし……な?」

琴葉「……それじゃ、私もついていきますから」

P「そ、そうか……」

P (琴葉、今日はどうしたんだ……?)

琴葉 (兄さんと離れたら、そのまま何処かに行っちゃう気がする……)

琴葉「……離さないようにしないと」グッ

―――――

P「確か……この辺りか」

琴葉「わぁ……ポスターも沢山貼られてますね」

P「街中にもあったけど、やっぱ売り場は賑やかで良いな」

P「……っと、とりあえず一枚買っておくか」

琴葉「あれ?兄さん、わざわざ買うんですか?」

P「ん、変か?」


琴葉「私、この前そのCD机で見た気がするんですけど……」

P「まぁ、俺はプロデューサーである以前にファンでもある訳だからさ」

P「やっぱり、自分が好きなアイドルのは自分で買いたいというかなんというか」

琴葉「そう、ですか……」

P「なんか、納得してなさそうな顔だな?」

琴葉「いえ、そういう訳じゃなかったんですけれど……」


琴葉「……やっぱり、ちょっと妬けちゃいます」ムッ

P「なんなら、琴葉もアイドルになってみるか?」ニヤッ

琴葉「そんな!私なんて、可愛くないし……」

P「俺の自慢の妹だ、可愛くない訳ないだろ?」

琴葉「もう、兄さん!からかわないでください!」

P「プロデューサーの勘から言ってもイケる気がしたんだけどなぁ……」


琴葉「……それで、買うのはこれで全てなんですか?」

P「……あぁ、後は俺一人で買ってくるから」

琴葉「ダメです、離しませんから」

P「そ、そこをなんとか……!」

P (後買うのってアレしかないんだよ……!)

―――――

琴葉「…………」

P「こ、琴葉さん……?」

琴葉「兄さん、そういうのが趣味だったんですね」グググ

P「いたっ!つねるなって……いててっ!」

琴葉「現役女子高生の写真集を買い漁る兄さんなんて、見たくありませんでした……!」

P「恵美のだから!恵美のだから!!」

琴葉「そんな言い訳通用しませんよ!」


P「た、担当の写真集買うのはおかしな事じゃないだろ?」

琴葉「……それにしては、随分露出が多いんですね?」ニッコリ

琴葉「表紙から水着なんて……」

P「写真集だからな、インパクトのある一枚が必要なんだよ」ウンウン

琴葉「ふーん………そうなんですか」ジトー

P (琴葉の視線がかつてない冷たさに……!)


??「あっれー?プロデューサーじゃん!」

P「ん?」チラッ

恵美「やっほー!偶然だね!」

P「恵美か……おはよう」

琴葉「…………」スッ

恵美「あれ?その後ろにいるのって……」

P「ああ、妹だ」

恵美「あー!仲良さそうな例の妹ちゃんかー!」

琴葉「仲が……良さそう……」ボソリ


恵美「うん!プロデューサーったら、いーっつも自慢話してるんだよ?」

恵美「『ウチの琴葉は世界一可愛いー!』って」

琴葉「……そうなんですか、兄さん?」

P「……さぁな」プイッ

恵美「もー、またまた照れちゃってー!」ニャハハ

琴葉 (そうなんだ、可愛いって……)

琴葉「えっへへ……」ニヤニヤ

恵美「おっ、笑うとますます可愛いじゃん!」

琴葉「……っ!」サッ


P「こーら、隠れてないで挨拶しなさい」

琴葉「は、はい……田中琴葉です、よろしく」

恵美「アタシは所恵美!よろしくね、琴葉!」

琴葉「よ、よろしく……所さん」

恵美「やだなー、恵美で良いって!」

琴葉「そ、そう……?ありがとう、恵美」

恵美「うん、素直でよろしい!」


恵美「……ところでさ、なんでこんなとこに来てたの?」

P「……そ、それはだな」スッ

恵美「?なにそれ」グイッ

P「あっ」

恵美「……あっ、これアタシの奴じゃん!」

P「……俺だってファンだからな、自分でアイドルのは買うさ」

恵美「そっか……にへ、ありがとね!」


恵美「あっ、そーだ!プロデューサー、ちょっと貸して?」

P「?ああ……」

恵美「よっし……」キュッキュッキュ

恵美「でーきたっ!直筆サイン入り!」

P「悪いな、ありがとう」

恵美「大事に見てよ、ね……」ジーッ

P「……どうかしたか?」

恵美「……それってさ、結構キワどいのとかも撮った奴じゃなかったっけ」

琴葉「!?」ワナワナ

P「落ち着け、プロデューサーとして校閲はかけてるから!」


恵美「そう?なら良かったー!」

P「当然だ、恵美の変な写真載せる訳にはいかないからな」

恵美「もー、まーたそういう事言っちゃってー!」バシバシ

P「いてっ!痛いって!」

恵美「〜♪」

琴葉(兄さんと恵美……とても仲が良さそう)

琴葉「良いな……」


P「……そ、そういや恵美は用があってきたんじゃないのか?」

恵美「そうだった、可憐と待ち合わせしてたんだった!」

P「可憐と?」

恵美「ちょっと買い物をねー、アタシもアロマに興味あるし」

恵美「良かったらプロデューサーも来る?」

P「どうするかな……確かに興味はあるけど」


琴葉(だ、ダメっ……!)

琴葉「……っ」グイッ

P「?」チラッ

琴葉「…………」プルプル

P (服摘んだままか……そういや、今日は様子が)

P「……悪いな恵美、この後ちょっと予定があってさ」

恵美「そなの?ざーんねん!」

恵美「それじゃ、また今度行こうね!」

P「ああ、分かった」

―――――

琴葉「あの、兄さん……良かったんですか?」

P「なにが?」

琴葉「だって、とこ……恵美、来て欲しそうだったじゃないですか」

P「まぁ、興味はあったけど……」

P「……可愛い妹が行って欲しくないって服摘んでたしな」ニヤッ

琴葉「そ、それは……その」

P「今日なんで様子がおかしいんだ?教えてくれよ」

琴葉 「に、兄さんに話す程の事じゃないです!」


琴葉(こんな、子供っぽい事――)カァアア

P「おい、そこ段差あるぞ——」

琴葉「えっ?……あっ!」グキッ

P「琴葉!?大丈夫か?」

琴葉「だ、大丈夫です……少し捻っただけですから」サスサス

P「バカ言え、変に動かしたら痛みが長引くかもしれないだろ!」

琴葉「大丈夫ですよ、兄さんの妹ですから」


琴葉「……さ、早く帰りましょう?」ニッコリ

P (ここから家まではそう遠くないな……よし)

P「……琴葉、乗れ」スッ

琴葉「!だ、ダメです……兄さんに迷惑かける訳には」

P「兄さんの言う事はしっかり聞くもんだ」ピシャリ

琴葉「あ、ぅ……」

琴葉「…………」ピトッ

P「よし、とっとと帰ろう」グッ

琴葉「すみません、兄さん……」

P「気にしなくて良い、このくらいお安い御用だ」


P「……それより、今日こんなにくっついてくる理由が聴きたいかな」

琴葉「そ、それは……」

琴葉「……笑いませんか?」

P「ああ……なんだ?」

琴葉「……怖い夢を、見て」ウルウル

P「怖い夢?何かに追いかけられたりしたのか」


琴葉「……兄さんが、居なくなる夢です」ポツリ

P「俺が?そりゃ、またどうして」

琴葉「わ、分かりませんけど……」

琴葉「今日放っておいたら、兄さんどこか行っちゃうかもって……」ウルウル

P「成る程ねぇ……ふふっ、そうか」

P「大丈夫、俺はどこにも行かないよ」

琴葉「本当ですか?約束してくれますか?」

P「ああ、約束だ」

琴葉「……良かった」スッ

琴葉「兄さんの背中、大きいですね……」

琴葉「この背中に、ずっとおぶさってられたら良いのに……」

P「……琴葉?」

琴葉「すぅ……」スヤスヤ

P「……寝ちゃったか、妙に気を張ってたから疲れたのかな」

P「……大丈夫だよ琴葉、俺はずっと一緒にいてやるから」

琴葉「……うん♪」

第六話 完

不安に思うと悩み続ける琴葉、ライバルと初遭遇の巻

次回で最終になります、どうか楽しんで読んでいただければ


第七話 【すれ違い】


恵美「おーっ!アレ富士山じゃない?綺麗だねー」キラキラ

P「あんまりはしゃぐなよ恵美……」

恵美「いーじゃん!折角二人で旅行なんだし!」

恵美「二人で思い出、作っちゃおーね☆」

P「……一応、向こうでお仕事あるんだけど」

恵美「むぅ……仕事の話ばかりで息詰まっちゃうじゃーん」プクー


P「悪かった悪かった……それじゃ、帰りに道頓堀でも歩くか」

恵美「おっ、気が利くねプロデューサー!」

恵美「その後二人で現地のたこ焼きとか食べたりするのも楽しそうだし……」

恵美「あー!迷っちゃうなー!」ニコニコ

P「……日帰りだからな?」

—————

琴葉「……兄さんがいない」ゴロゴロ

琴葉「休みなのに出張なんて……兄さんのバカ」

琴葉「出発して2時間くらい経つけど……兄さん、もう向こうに着いたかな」

琴葉「それとも、まだ新幹線の中だったり……?」

琴葉「……!」ティン!

―――――

恵美「えー!一緒にお泊まりするくらいいいじゃーん!」

P「明日レッスンあるだろ……」

恵美「折角の大阪なのにもったいないじゃーん……」

P「また今度、ちゃんと時間は取るからさ」

P「今回は日帰りだ、な?」

恵美「むぅ……」


P「な、今度来る時に——」ピロピロ

P「悪い、電話だ……?」

恵美「誰から?仕事先の人?」

P「いや、妹からだ……なんだ?」ピッ

―――――

琴葉「もしもし、兄さん?琴葉です」

P「琴葉、どうかしたのか?もしかして、忘れ物とか……」

琴葉「いえ、忘れ物とかはなかったですよ?」

P「良かった、何か忘れたのかと焦ったよ」

琴葉「今、お時間良いですか?」


P「あぁ、恵美と話してただけだからな」

琴葉「恵美と……?」

P「恵美ったら、旅行気分で賑やかでなぁ……」ハハハ

琴葉「……二人で新幹線乗ってるんですか?」

P「ああ、隣に座ってるぞ」

琴葉「…………」


P「琴葉?」

琴葉「……忘れ物、一つだけありました」

P「え?」

琴葉「私も……兄さんと一緒に旅行したかったです」プクー

P「仕事だから仕方ないだろう……」

琴葉「……それは、そうですけど」ムスッ


P「さっき、恵美が大阪の美味しいスイーツの話してくれたんだ」

P「それ買って帰るからさ、な?」

琴葉「…………」

P「あ、あれ?ダメだったか?」

琴葉「……女心の分からない兄さんなんて」

P「ん?ごめん、聞こえな——」

琴葉「……兄さんなんて嫌い!」ピッ

琴葉「兄さんのバカぁ……!」グスグス

―――――

P「えっ、琴葉!琴葉!?」

P「…………」ポカーン

恵美「どったの、プロデューサー?なんか顔青いけど……」

P「……妹に、嫌いって言われた」

恵美「え、琴葉に?仲良いんじゃなかったの?」

P「良かったつもりだけど……」


P「……なぁ恵美、俺って女心分かってないかなぁ?」

恵美「分かってないとは思うけど」バッサリ

P「そっか……そうだよなぁ……」ズーン

P「ごめん琴葉、俺が悪かった……」

恵美「お、落ち込んでちゃダメだって!今からお仕事でしょ!?」

P「恵美に任せた……俺は寝る」

恵美「それじゃ意味ないじゃん!?」


恵美「だーっ!ほら、アタシはそんなプロデューサーも大好きだからさ!ね?」

P「……本当か?」

恵美「う、うん!モチロン!」

恵美 (……あ、あれ!?よく考えたら、これって告白じゃ)カァアアア

P「……そうか、ありがとな」

恵美「ど、どういたしまして!?」

―――――

琴葉「……やっちゃった」ポカーン

琴葉「も、文句言いたかったわけじゃないのに……!」

琴葉「こんな事言ったら、兄さんに嫌われちゃう……!」フルフル

琴葉「……ぅ」ポロポロ

琴葉「あ、謝らないと……」

琴葉「……でも、向こうは二人で楽しそうにしてるし」


琴葉「うぅ……」モヤモヤ

琴葉「だ、ダメ!やっぱりすぐに謝らないと!」ピッピッピッ

≪ただいま電話を繋ぐことができません≫

琴葉「……え?」

琴葉「ま、まさか兄さん私の電話受けたくなくなって……!」

―――――

P「このトンネル……かなり長いな」

恵美「そだねぇ……外の景色見えないからつまんないね」コテン

P「そこ、肩をもたせかけない」

恵美「いーじゃん、だーれも気付かないって!」

恵美「それに、アイドルのワガママ聞くのがプロデューサーの仕事でしょ?」

P「拡大解釈だと思うんだけどな……」ナデナデ

恵美「えっへへー……♪」ニマニマ

―――――

琴葉「嘘……そんな、兄さんが」

琴葉「ううん、大丈夫……兄さんなら謝ったら許してくれる」

琴葉「……よね?」ウルウル

琴葉「と、とりあえず何しよう……」キョロキョロ

(散らかされた部屋)

琴葉「……よし!」

―――――

恵美「よし、無事買えたね!」

P「悪いな……付き合わせちゃって」

恵美「ヘーキヘーキ!ここの奴一回食べてみたかったし!」

P「そう言ってもらえると助かるよ」


恵美「美味しいものもいっぱい食べたし!うーん、アタシ的には80点かな!」

P「後の20点は?」

恵美「もーちょっとプロデューサーとデートしたかったかなーって……」

恵美「にゃはは、変な事言うと恥ずかしいね?」テレテレ

P「……まぁ、デートかどうかは置いておいてもな」

P「今度来た時はもう少しゆっくりしようか」

恵美「……そだね!」

―――――

琴葉「ふぅ……これだけやれば、兄さんも褒めてくれるかな」キラキラ

琴葉「兄さんが許してくれるか分からないけど……」

琴葉「……でも、私にはこれくらいしか」

ピロピロ

琴葉「電話?」ピッ

琴葉「はい、田中です」

P「ああ、俺だ」

琴葉「に、兄さん!どうしたんですか!?」

P「いやぁ、仕事終わったからそろそろ帰るって連絡をな」

琴葉「そ、そうだったんですか……」


琴葉「……あの、兄さん」

P「悪かったな、琴葉」

琴葉「……え?」

P「琴葉だって、そりゃ旅行したかったよな……」

P「それをお土産だけで済まそうと思ったら……そりゃ、怒るよな」

琴葉「…………」

P「今度、長い休みに二人で旅行に行くって事で……手を打ってもらえないか?」

琴葉「……もう、本当に分かってないんですから」

琴葉「分かりました、約束ですよ?」

P「……悪いな」


琴葉「……でも、結局私がなんで怒ったかは分からないんですね?」フフッ

P「……え、違うのか?」

琴葉「違いますよ、全然違います」

琴葉「もう兄さんったら……それじゃ、女の子に愛想つかされちゃいますよ?」

P「ぐぅ……否定したいけど、出来そうにないな」

P「アイドルの気持ちが分からないようじゃ……プロデューサー失格かな」ハハハ

琴葉「そ、そこまで言ってないですよ!?」

P「良いよ、前から莉緒にも言われてた事だし」

P「こんなんじゃ、結婚も出来そうにないなぁ……」


琴葉「結婚……」

琴葉 (そうか……兄さんも、いつかは……)

P「まぁ、先の話だろうけどなー」

琴葉「……私は、兄さんが結婚できなくても良いって思ってます」

P「……え?それはどういう」ブツッ

琴葉「だって、それなら兄さんとずっと一緒にいられますから……」

琴葉「それに、血が繋がってないならお嫁さんにだって……」

琴葉「えへへ、こういうの照れちゃいますね……?」

琴葉「……あれ?」

―――――

P「………あ、電池切れた」

恵美「……琴葉、なんて言ってたの?」

P「いやー……俺は結婚できなくても良いって」

P「まぁ、アテもないし当然といえば当然だけどな」

恵美「……そんな事ないと思うけど」

P「そうか?恵美に言われると自信が湧いてくるな」

P「ま、独り身にならない事を祈ってるよ」


恵美「……もし、そんな事になったらさ」

P「ん?」

恵美「そうなったら、アタシが貰ったげるからね♪」ニコッ

P「……それは、恵美に貧乏くじ掴ませる訳にはいかないな?」

恵美「……貧乏くじなんかじゃないのに」ボソッ

P「?」

恵美「な、何でもない!ほら、早く帰ろ?」

恵美「……妹さんだって待ってるんでしょ?」

P「……ああ、そうだな!」

―――――

琴葉「に、兄さん!兄さん!!」

琴葉「繋がらない……今度こそ、嫌われちゃった……?」

琴葉「……ふぇ」ウルウル

琴葉「ごめんなさい、ごめんなさい……!」ポロポロ

―――――

P「……とは、琴葉ってば」

琴葉「あれ……に、いさん?」

P「ああ、ただいま」

P「……目が赤いぞ、泣き腫らしたのか?」

琴葉「っ!」ダキッ

P「琴葉?」

琴葉「ごめんなさい、兄さんに酷い事言うつもりじゃなかったんです……」

P「分かってるよ、琴葉がそんな事言わない子なのは分かってるから」

琴葉「本当、ですか……?」ジッ

P「あぁ、俺の自慢の妹だからな」

琴葉「……もう、兄さんったら」グスン


琴葉「そんなに優しくされたら、甘えちゃうじゃないですか……」

P「もっと甘えてくれても良いんだぞ?」

P「俺は、琴葉の兄貴なんだしな」

琴葉「……それじゃあ、一つお願いです」

P「おぅ、なんだ?」

琴葉「これから、どんな事があっても……私の側に居てくれますか?」

P「勿論だ、兄さんを舐めるんじゃないぞ?」

P「琴葉が呼んでくれたら、すぐに駆けつけるともさ」


琴葉「……もう、まーた分かってないんですから」プイッ

P「えっ、俺またなんか意味を取り違えたのか!?」

琴葉「……もう良いです、兄さんはそういう人ですから」

P「……なーんか、しっくり来ないなぁ」

琴葉「もう、乙女心を弄んだ罰ですよ?」

琴葉「ちゃーんと考えてくださいね♪」

P「わ、分かった……」


P「……それでさ、お土産にこれ買ってきたんだけど……」

琴葉「わぁ……果物、ですか?」

P「良いや、これ実はお餅なんだってさ!」

P「こういうの、琴葉好きだろ?」

琴葉「確かに好きですけど……」

P「良かった、それなら遠慮なく食べてくれ!」


琴葉「…………」

P「……どうした、口を大きく開けて?」

琴葉「もう、兄さんのいけず……」

琴葉「……食べさせてください♪」ニコニコ

P「俺、やらなきゃダメか?」

琴葉「ダメですよ、仲直りの証なんですから!」

P「分かった分かった……」

P「まったく……なーんで、こんな甘えん坊になっちゃったんだろうなぁ」

琴葉「さぁ、どうでしょう?でも……」



琴葉「私が甘えるのは、兄さんにだけなんですからね♪」


第七話 完

一週間続けてきた妹琴葉もこれにておしまいです
最後までお付き合いいただいた方には盛大な感謝をば

単純なイチャイチャでも続けるの結構大変なのね、という教訓を得た

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