奈緒「とある秋の一幕」 (16)

智絵里、奈緒、輝子にやるユニット『シャイニングゴッドチェリー』のお話です


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輝子「あ、おはよう智絵里ちゃん……」

智絵里「おはよう輝子ちゃん、今日も寒いね」

輝子「う、うん……」

智絵里「奈緒ちゃん、いるかな?」

輝子「いる、と思うよ……」

ガチャッ

輝子「お、おはようございます……」

智絵里「おはようございます」

奈緒「おーう、おはよう二人ともー」

輝子「お、おはよう奈緒さん……」モフッ

智絵里「はぁ、あったかい」モフッ

奈緒「挨拶代わりで人の髪に手を突っ込むな!!」

輝子「で、でも……ね?」

智絵里「……うんっ」

奈緒「あーもー!」

輝子「じ、じゃあ手も温まったし……私はいつまの場所に……」

智絵里「後でお邪魔するね?」

奈緒「いや、輝子をこっちに来させればいいじゃんかよ」

智絵里「奈緒ちゃん、何読んでるの?」

奈緒「あぁこれ? アニメとかの情報誌だよ」

智絵里「そうなんだ。あれ、これって江ノ島?」

奈緒「あぁ。今期江ノ島の辺りが舞台のアニメやってるんだよ」

智絵里「やっぱり遅いの?」

奈緒「あー、だから眠くってさー」フワァ

智絵里「いいなぁ、遅くまで起きれて。私、普段は10時には寝ちゃうから……」

奈緒「相変わらずの健康優良児だな智絵里は」

輝子<「で、でもそんなに育っては無い……フヒッ」

奈緒「お前がそれを言うのかよ」

智絵里「し、身長なら奈緒ちゃんと変わらないもん!」

奈緒「だよなぁ。あたしもさ、ユニットとか組むと大抵一番背が低かったりするからこのメンバーだと新鮮な感じだよ」

智絵里「……奈緒ちゃん、普段も夜遅いの?」

奈緒「ん? あぁ、小学生の頃は流石に早く寝てたけど、中学の頃に深夜アニメを知っちゃってなぁ」

智絵里「……どうしてこっちは差がついちゃったんだろ」フニフニ

奈緒「い、いきなり何すんだよ!!」

輝子<「な、奈緒さん実はイイ身体してるもんな……」

奈緒「オッサンみたいな言い方すんなよ!」

智絵里「いいなぁ……」グリグリ

奈緒「胸を抉ろうとするなー!」

輝子「ち、智絵里ちゃんだけズルいぞ」

奈緒「出てこなくていいから!」

智絵里「えいっ、えいっ」プニップニッ

奈緒「智絵里、そんなにやるんならこっちだってやり返すぞ!?」

輝子「……すけべだな」

智絵里「奈緒ちゃんのえっち……」

奈緒「なんでそーなるんだよ!!」

~~~~

奈緒「あ~、今日も寒いな~~」

ガチャッ

奈緒「おはようございまーす」

<「お、おはよう……」

奈緒「おーっす輝子、早いな……って智絵里も一緒か」

智絵里「おはよう奈緒ちゃん」

奈緒「机の下に二人は狭いんじゃないか?」

輝子「へ、平気だぞ」

智絵里「そ、それに少し狭いくらいがあったかいよ?」

奈緒「なんだか小動物みたいだな」

智絵里「え、えへへ……」

輝子(可愛いな智絵里ちゃん……)

奈緒「つーか暖房とか入れないのかよ。流石に寒いだろ」

輝子「べ、別にいらないかな……」

智絵里「奈緒ちゃんもこっち来る……?」

奈緒「いや、流石にあたしは入れないだろ」

輝子「じゃ、じゃあ私たちがたまにはソファーの方に行く…よ……」

奈緒「おぉ来い来い」

智絵里「ならお茶淹れるね」

奈緒「悪いな」

輝子「……奈緒さん、それこの前の雑誌か?」

奈緒「いや、これは観光とかのだな。湘南鎌倉特集」

輝子「湘南……リア充の巣窟………!」

奈緒「夏場は特にそうだろうな」

輝子「ち、近付いただけで消えそう……」

奈緒「いや、大袈裟だろそれは」

輝子「い、行くのか……?」

奈緒「うーん、予定は未定だな。アニメの聖地巡礼しながらついでに観光もいいかなーって」

智絵里「この間のアニメ?」

奈緒「あぁ。比奈さんが地元だ地元だって盛り上がっててな」

輝子「……そ、そんな!」

奈緒「どうした?」

輝子「比奈さんは、私と近いと思ってたのに……。リア充の巣窟に住んでいた、のか」

奈緒「いや、出身地は仕方ないだろ」

智絵里「しょ、湘南と言えば里奈さんもだよね?」

奈緒「あー、そう言えばそうだな。つか里奈さんってプロフィールの表記も湘南だったよな」

輝子「ぜ、絶対の自信が見てとれる……な」

智絵里「桃華ちゃんの神戸も、そういう感じなのかな?」

奈緒「愛知の出身でも何人かは名古屋表記だったよな」

輝子「そ、そっちの方が有名だったりするとそうなるよな……」

奈緒「でもさ、『海の向こう』のインパクトには勝てないよな」

輝子「間違いない……フヒヒッ」

智絵里「ど、どこなんだろうね?」

~~~~

ガチャッ

智絵里「お、おはようございます」

奈緒「おーっす智絵里」

智絵里「あっ、こたつ……!」

奈緒「へっへー、プロデューサーさんが用意してくれてな」

智絵里「わ、私も入っていい?」

奈緒「勿論」

智絵里「お、お邪魔しまーす」

<「ぐえっ」

智絵里「ひゃんっ!?」

輝子「け、蹴るなんてヒドイぞ智絵里ちゃん……」

智絵里「ご、ゴメンね輝子ちゃん」

奈緒「猫みたいにすっぽり収まってるからそうなるんだよ、まったく」 

輝子「で、でも……」

奈緒「デモもリハも無い。これに懲りたらせめて頭位は出せよ?」

輝子「フヒィ…」

智絵里「でも、あったかいねー」

輝子「だ、だな……」

奈緒「ちゃぶ台にこたつ布団でも、下がホットカーペットだと十分暖まるもんだな」

智絵里「奈緒ちゃん、おみかん無いの?」

奈緒「ん? あぁ、この間芽衣子さんの地元から送られてきたのが向こうにあるな」

智絵里「取ってきて……?」

奈緒「やだよー面倒くさい。欲しいなら自分で取ってこいよー」

輝子「な、なら私が持ってこよう……」

奈緒「悪いな輝子」

智絵里「ありがとう輝子ちゃん」

輝子「い、いいってことよ。フヒッ」ノソノソ

奈緒「あ、ならあたしはお茶淹れてくるわ」

智絵里「ありがとー」

奈緒「気にすんなよ」

輝子「お、おまたせ」

智絵里「わぁ、美味しそう」モミモ

輝子「な、何してるの智絵里ちゃん……」

智絵里「えっ? ミカンって揉むと甘くなるんだよ?」 

輝子「そ、そうなのか。初耳だ……」

智絵里「んしょ、うんしょ……」

輝子「た、楽しいな……フヒッ」

奈緒「おまたせ~、って何やってんだ二人とも」

智絵里「ミカンを甘くしてたの。はい、奈緒ちゃんの分」

奈緒「お、サンキュー」

奈緒「ちょいと気が早いけど、やっぱこれが鉄板だよなー」

輝子「愛梨ちゃんが作ったパイとホットミルクなんてもの乙だけど、な……」

智絵里「か、かな子ちゃんのケーキとミルクティーも外せないよ!」

奈緒「何を張り合ってるんだよ……」

輝子「な、奈緒さんにはそういうの無いの、か……」

奈緒「あ、あたし? うーん、菜々さんが淹れてくれる生姜湯に茹でた落花生とか?」

智絵里「……菜々ちゃん、お母さんみたい」

輝子「ほ、本人が聞いたら怒る……な」

奈緒「凛や加蓮もお菓子とか作んないだろうしなー」

智絵里「ふふんっ」
 
奈緒「だからなんで智絵里が得意気なんだよ」

輝子「ドヤ顔も可愛いな智絵里ちゃんは……」

智絵里「そ、そんなこと無いよ……」

奈緒「あ、ミカン無くなった」

智絵里「本当だ。……取ってこなきゃダメ?」

奈緒「あたしはもういいや。輝子は?」

輝子「わ、私も、いらない……」

智絵里「じゃ、じゃあ後はレッスンまでのんびりしよっか」

奈緒「だなー」 

輝子「賛成……フヒィ」


シャイニングゴッドチェリーをよろしく。
それでは失礼します。

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