【俺ガイル】いろは「せんぱいの、やきもち」 (14)

八幡×いろはです。大学生の二人が付き合っている設定です。

いろは『今日、ゼミの打ち上げがあるんですけど、行っても大丈夫ですか?(*・∀・*)』

一色からLINEが来たのは金曜の午後4時頃だった。大方、飲みに男がいるから念のため確認を取ったということだろう。

八幡「『おう、楽しんでこい』っと」

一色は割とこういった手合いのものを断っている。なぜかと訊いたときは、

「男女混合の飲み会だと、ぶっちゃけた女子トーク出来ないですし、男子は性欲でギラギラ~って感じなのでちょっとだるいんですよね」

と言っていたが、きっと俺に気を遣ってのことなのだろう。だから、今回俺に確認を取ったということは珍しく一色が行きたいと思っているのだろうから、俺としても止めさせるほうが気が引けてしまう。

いろは『あと、遅くなっちゃうので今日はせんぱいのおうちいけないと思いますすみません』

最近一色は毎週金曜にうちに泊まりに来るようになっていた。恐らくそこら辺で飲むのであろう一色の大学があるターミナル駅の近くからは、一色の家の方が近いから、その方がいいと思って、

八幡『あいよ』

とだけ返信すると、

いろは『 心配しないでくださいよー、わたしはせんぱいが大好きですからヾ(*'ω'*)ノ』

可愛い顔文字までつけて、心配性な俺を安心させてくれようとしてくれる一色に感謝の気持ちを覚えつつ、一抹の不安を覚えてしまう自分が情けない。

八幡「『俺もだ』……ってLINEだから言えることだよな」

地の文あります。

いろは『今日、ゼミの打ち上げがあるんですけど、行っても大丈夫ですか?(*・∀・*)』

一色からLINEが来たのは金曜の午後4時頃だった。大方、飲みに男がいるから念のため確認を取ったということだろう。

八幡「『おう、楽しんでこい』っと」

一色は割とこういった手合いのものを断っている。なぜかと訊いたときは、

「男女混合の飲み会だと、ぶっちゃけた女子トーク出来ないですし、男子は性欲でギラギラ~って感じなのでちょっとだるいんですよね」

と言っていたが、きっと俺に気を遣ってのことなのだろう。だから、今回俺に確認を取ったということは珍しく一色が行きたいと思っているのだろうから、俺としても止めさせるほうが気が引けてしまう。

いろは『あと、遅くなっちゃうので今日はせんぱいのおうちいけないと思いますすみません』

最近一色は毎週金曜にうちに泊まりに来るようになっていた。恐らくそこら辺で飲むのであろう一色の大学があるターミナル駅の近くからは、一色の家の方が近いから、その方がいいと思って、

八幡『あいよ』

とだけ返信する。

いろは『 心配しないでくださいよー、わたしはせんぱいが大好きですからヾ(*'ω'*)ノ』

可愛い顔文字までつけて、心配性な俺を安心させてくれようとしてくれる一色に感謝の気持ちを覚えつつ、一抹の不安を覚えてしまう自分が情けない。

八幡「『俺もだ』……ってLINEだから言えることだよな」

主述がつながってなかったので直しました。

その後、大学の自習室でレポートを片付け、家に着いたのは夜の8時前だった。

一色のいない金曜は久々だったので溜まっていた家事やら掃除やらをこなす。それも終わってしまうと、時間はもう9時近くになっていた。夕飯にしようかと思ったが、どこか作る気になれなかったので、コンビニに行くことにした。

店員「いらっしゃいませ」

来たのはいいものの、特に食べたいものもなかったので、冷凍炒飯とストロング系のロング缶のチューハイを手に取る。あまり美味いものじゃないし、体にも悪そうだが、これ一本で気持ちよく酔えるのでいつも買ってしまう。

八幡(こんな晩飯、一色に見つかったら怒られるだろうな)

そう思いつつ、レジに行くと、今度は普段はあまり吸わないタバコに惹かれ、買ってしまった。結局、晩飯を買いに来ただけなのに1000円近くなってしまった。

店を出てタバコに火を点ける。

八幡(やっぱり美味いもんじゃねえな……)

そうはいっても、どこか孤独を癒してくれるようなタバコが嫌いになれない。久々だったが、吸い始めればあっという間で、家に着く前に二本目が終わってしまった。

そのとき、ブーブーといった携帯のバイブが鳴った。

メールかと思って放置をしていると鳴りやむ様子がないので、電話だと思って宛名を見ると一色だった。

八幡「もしもし」

いろは『あ~、せんぱいだ~』

酒に弱い一色のことだ、酔っぱらうと思ってはいたが、声から察するにかなり回っているようだった。

八幡「ずいぶん酔ってるな、大丈夫か」

こんな酔っているようだとゼミの男連中に声でもかけられたら乗っかってしまうんじゃないかと心配になってしまう。

いろは『らーじょうぶですよ、あのねせんぱい』

八幡「なんだ」

いろは『わたし、せんぱいすきですよ』

俺の心配を見透かしたように一色が好意を伝えてくる。

八幡「おう」

いろは『だいすきです」

八幡「おう、まだ9時過ぎだし、迎えに行こうか」

いろは『らーじょうぶです、らーじょぶ」

あまりのあっけらかんとした声に、どこが大丈夫なんだ、とまた再び心配になる。元々疑心暗鬼な俺だ、隣にに男でもいるんじゃないかと疑ってしまう。

八幡「友達とか近くにいるか?いるなら駅まで送ってもらえよ」

いろは『だから、らーじょうぶですって」

八幡「どこが……っ」

突然背中から突き飛ばされるような衝撃を受ける。驚いて後ろを振り向くと、

いろは「だって、せんぱいがいますし」

一色がいた。

八幡「お前……」

いろは「へへへ、せんぱいに会いたくなって、来ちゃいました」

八幡「お前……」

いろは「へへへ、せんぱいに会いたくなって、来ちゃいました」

そういってにへら、と笑う一色を見ると、さっきまで他の男の心配をしていた自分が情けなくなる。と同時に一色へのどうしようもない愛情が溢れ出るようだった。

八幡「あんま心配させんなよ」

そういって強がったが、おそらく顔は緩んでいたことだろう。

いろは「へへ、だいすきですよー、せんぱい」

八幡「……おう」

いろは「なんですかつれないですねー、わたしはこんなにすきすき言ってるのに」

八幡「いやそれは俺だし……」

いろは「不公平ですよ不公平。格差です不平等です不公正です、富の再分配をしてくださーい」

酔っぱらって適当なことを喋る一色も愛らしかったが、まだ酒の入ってない俺には到底言えなかった。

すると、

いろは「てか、せんぱいタバコすいましたー?」

一色の声色が硬化した。

気づけば、この会話中一色に抱きつかれたままで、匂いでバレるのは自明だった。

八幡「あ、すまん」

いろは「匂いとかは全然いいんですよ、お父さんも吸ってたし」

いろは「けど、せんぱいの体に悪いのでやめてくださいって前に言いましたよねー」

そういって一色は赤らんだ顔で俺を睨む。

八幡「面目ない……」

いろは「せんぱいはわたしと生涯過ごすかもなんですから先に死なれたらこまりますー」

八幡「ああ」

いろは「なんで吸ったんですか」

八幡「言わなきゃダメか」

いろは「当り前じゃないですか」

八幡「えっとな……」

いろは「はい」

八幡「……正直金曜に一色がいないのが寂しくてちょっと自棄になってた」

いろは「え」

気のせいかもしれないが、赤らんでいた一色の顔が、また紅潮したような気がした。

いろは「何言ってるんですかそんなこと言って私のこと騙せるなんて思わないでください」

八幡「本当だって……」

いろは「うー」

そう言って一色が黙ってしまうので、好機と見た俺は話題を変える。

八幡「打ち上げ、どうだった?」

いろは「んー、割と楽しかったですけど、二次会は断っちゃいました」

八幡「どうしてだ」

いろは「なんでわかんないんですかほんと朴念仁ですね……」

八幡「ん?あぁ、すまん」

いろは「そう言うと気づくところがタチ悪いですよねー、せんぱいに会いたかったからにきまってるじゃないですかー」

八幡「ああ」

いろは「何ですか、わたしが浮気なんてするわけないじゃないですかー」

八幡「そうだな」

いろは「むむ、なんか今日は調子くるいますねー」

そう言いつつ、一色は俺の前を歩いて鼻歌を歌っている。

いろは「さびしかったんですかー?」

八幡「……そうかもな」

いろは「え」

いろは「……せんぱいほんときょうはへんですよー」

八幡「……そうだな」

俺はそう言って、

いろは「んー?どうしたんですかー?」

思わず一色を抱きしめていた。

その栗色の髪に顔をうずめる。

いろは「くすぐったいですよー」

いつもの一色の、いつもの甘ったるい匂い。

もっと、もっと嗅ぎたくなって耳に顔を近づける。

その可愛らしい耳は、一色の弱点だということを、俺だけが知っている。

いろは「ひゃっ……せんぱいここ外ですって、何やってるんですかー」

八幡「……」

こんどはさらに肩口に顔を埋め、首筋の匂いを嗅ぐ。

さらに濃い、一色の匂いが鼻腔なんてすっ飛ばして脳髄まで刺激してくる。

正直、理性なんてトんでいた。

いろは「ちょっとせんぱいーーー」

そういって一色が抵抗をする。そこでようやく俺は我に返った。

いろは「……あの」

八幡「……はい」

いろは「……なにやってるんですかせんぱい、家はそこなのに」

八幡「いや……、俺としてもよくわからないうちにな……」

すると一色は顔色を変え、

いろは「せんぱい、もしかして」

何故か嬉々とした顔で、

いろは「やきもち、やきました?」

やきもち、その言葉を自分の頭で反芻する。

今日の俺の妙な浮つきを説明するのにぴったりなような気がした。

八幡「確かに…、そうかもしれない」

そう認めると、一色はもっと嬉しそうに、

いろは「え、これ言っていいのかわかりませんけど、なんかめっちゃ嬉しいです」

八幡「ああ……」

いろは「だってせんぱい、普段好きなんて絶対言いませんし、メールでは言いますけど、えっちしてるときですら言ってくれないんですもん」

八幡「あんま大声で言うなよ……」

いろは「そんなせんぱいが、やきもち妬いてるなんて……」

そういう一色は本当に嬉しそうに、近づいて、目を合わせてくる。

いろは「じゃあ、せんぱい」

また、甘い匂いが漂う。

八幡「……なんだ」

赤らんだ顔に、子供みたいな無邪気さと、大人みたいな艶やかさを湛えた笑顔で、

いろは「今夜はいっぱい愛してくださいね」

こんな、こんな馬鹿げたことを言うのだ。

それが、俺の彼女、

八幡「……おう」

一色いろはなのだ。

おわりです。いろは愛が止まりません。

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