サトシ「キスしないと出られない部屋?」スイレン「うん」 (62)

アーカラ島

マオは休日にカキを誘って料理に使う食材を探しにきていた

マオ「えーと、この食材は~」スタスタ

カキ「…まだあるのか?」

マオ「なによ~!もう少しくらい付き合ってくれてもいいでしょ!どうせ暇でしょ?」プクー

カキ「俺だって牧場の手伝いとか…」

マオ「カキ!次はあっちだよ!」グイッ

カキ「……ハァ…」

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カキ「なぁマオ。何で俺なんだよ」

マオ「え?」

カキ「食材探しとかならサトシなら喜んでついてくるぞ?」

マオ「……………」

カキ「それにスイレンなら釣りが出来るから俺より役に立つだろうし、リーリエなら知識が豊富、マーマネならパソコンで色々調べることもできる」

カキ「別に俺じゃなくても…」

マオ「い、いいじゃん別に!食材みつけたら料理つくって食べさせてあげるから文句言わないでよ!」

カキ「だけど…」

マオ「もぅ!女の子の前でブツブツ文句言うなんて男らしくないよカキ!」プクリーン

アマージョ「マッジョ!」プンプン

カキ「……わかったよ」ヤレヤレ

マオ「えーと、あの食材はこの辺に……」ガサガサ

アマージョ「マッジョ!」

モヤッ

マオ「………ん?」

カキ「霧?」

アマージョ「ジョ…」ビクビク

カキ「……かなり濃い霧だな……マオ、用心して進まないと…」チラッ

マオ「こ、これは……かなり凄い食材がある予感!」キラキラ

カキ「お、おい?」

マオ「カキ!ビビってちゃ何も始まらないよ!善は急げ!いざっ、レッツゴーピカチュウ!だよ!」ダッ

カキ「ちょ、ちょっと待て……」

マオ「」クラッ

バタリ

カキ「! お、おい!マ……」クラッ

カキ(…………っ!な、なんだ……?急に眠く……)クラクラ

アマージョ「ジョ……」クラクラ

バタリ


zzz……

マオ「………うーん……」パチッ

マオ「あ、あれ?ここは?何この部屋?私…確か食材探しに来てて……」キョロキョロ

カキ「気づいたかマオ」

アマージョ「マッジョ」

マオ「カキ……アマージョ……」

マオ「あ、あの……この部屋ってなに?」

カキ「さぁな。俺もさっき起きたところだ。気づいたらこの部屋の中にいた」

マオ「…………あの霧のせいかな?」

カキ「…かもな」

マオ「………と、とにかく…ここを出なきゃ!」チラッ

ドア「」

マオ「! ドアがあるよ!あそこから!」スッ

ガチャガチャ

マオ「! ドアが開かない……?どういうこと?」ガチャガチャ

カキ「わからん。俺もさっき試したがそのドアは開かなかった」

マオ「そ、そんな…それじゃあ私たち…」

カキ「……………」

マオ「この部屋に閉じ込められたってこと!?」

アマージョ「マッジョ」

マオ「い、いやだよ!何が目的でそんな!」

カキ「お、落ち着けマオ!落ち着いてこの部屋から抜け出す方法を……」

マオ「こ、こんな状況で落ち着いていられるわけ……」

アマージョ「ジョ」クイクイ

マオ「……なに?アマージョ?何か部屋を抜け出す方法でも……」

アマージョ「マッジョ」スッ

マオ「? なにアレ?看板?」

カキ「………何か書いてあるみたいだな?」

『キスしないとこの部屋からは出られません』

カキ「………なになに?キスしないとこの部屋からは……」

マオ「………出られません……?」

カキ、マオ「………………」

カキ「…は?なんだこれ?き、キスって……」チラッ

マオ「ハァァァァァ?/////」

カキ、アマージョ「」ビクッ

マオ「ちょ、ちょっとカキ!な、なによこれ!!////」

カキ「い、いや……俺に聞かれても…」

マオ「うぅ……き、キスしなきゃ出られないって/////」

カキ「マオ……」

マオ「うぅ////」プシュー

カキ「……………」スッ

ボンッ

ガラガラ「ガラァ!」

カキ「! よし!この不思議な部屋?でも、ポケモンは使えるみたいだな!」

マオ「………ど、どういうこと?」

カキ「マオ!あのドアをぶち破るぞ!」

マオ「!」

カキ「……誰が何の目的で俺たちを閉じ込めたのかはわからない…だが……」

カキ「そいつの思い通りにはさせるか!やれることは試して脱出するんだ!」

マオ「………うん、そうだね!アマージョ!」グッ

アマージョ「マッジョ!」

カキ「よし!」ニッ

カキ「……ガラガラ!あのドアに向かってアイアンヘッドだ!!」

ガラガラ「ガラ!」ギラン

マオ「アマージョも!ドアに向かってトロピカルキックだよ!」

アマージョ「マッジョ!」ダンッ



ドカーン!!

チクタク

マオ「………………」

カキ「……くそっ!頑丈なドアだな……!」ゼーゼー

ガラガラ「ガラァ……!」ゼーゼー

マオ「………ねぇカキ…私たちがこの部屋に閉じ込められてからどれくらい経ったのかな?」

カキ「……さぁな?時計なんてないからわからんな。……ガラガラ!もう一度ドアに向かってアイアンヘッドだ!」

ガラガラ「ガラァ!」ギラン

バコン

ガラガラ「………ガラ…」ジリッ

カキ「………ダメか……!ならもう一度……」

マオ「………それ何度目?」

カキ「数えてないからわからないな。……次はバクガメスも出してZ技で…」

マオ「………もうやめなよカキ。きっとそのドアはポケモンの技じゃ壊せないんだよ」

カキ「な、何言ってるんだマオ!あきらめるのか!?」

マオ「………ごめん…」グスッ

カキ「い、いや……別に怒ってる訳じゃないんだ!だ、だから泣くなマオ!」アセアセ

マオ「………私が……カキの忠告も聞かないで霧の中に入ったからこんなことに…」グスグス

カキ「マオ……」

マオ「わ、私がぁ……!グスッ、カキを…食材探しに無理に付き合わせたから……ヒッグ」

アマージョ「マッジョ…」

カキ「な、何言ってるんだよ!俺もさっきはああ言ったが別に嫌だった訳じゃ…」

カキ「それに…こんなことになったのもマオのせいだなんで思ってないぞ」

マオ「カキ……」グスッ

マオ「………うぅ……ヒッグ…!お家に……!帰りだい…」

マオ「………お父さん……会いたいよ……」グスグス

アマージョ「ジョ……」

カキ「マオ……」

マオ「………ごめんねぇ…!…グスッ…!カギィ……アマージョォ…ガラガラァ…!…ヒッグ…!」

カキ「……………」

………………

………

翌日

ポケモンスクール

ワイワイ

マオ「………ってことが昨日あってさ」

スイレン「おぉ……!」キラキラ

アシマリ「アウ」

マオ「それで……その部屋から出てきたらまだ空が明るくて……全然時間が経ってないカンジだったんだよ」

マオ「私たちはその部屋の中に何時間もいた感覚だったのに……すっごく不思議な体験だったんだよ」

アマージョ「マッジョ」コクコク

スイレン「そ、そんなことよりもマオちゃん!」

マオ「ちょ、ちょっと!そんなことってなによスイレン!こっちはその部屋に閉じ込められて、すっごく怖かったんだからね!」

スイレン「ご、ごめん」

スイレン「………で?マオちゃんとカキはその部屋からどうやって脱出したの?」ニヤニヤ

マオ「うぇっ!?そ、それはその////」モジモジ

スイレン「うんうん!」ワクワク

サトシ「なになにー?なんの話してんのー?」

マーマネ「僕たちもまぜてよー!」

ピカチュウ「ピカー!」

マオ、スイレン「!」

ロトム図鑑「部屋がどうのとか聞こえたロトー!」ヒュー

マオ「な、何でもないよ!」

スイレン「男子禁制のガールズトーク!サトシとマーマネは立ち入り禁止!」ビシッ

サトシ「えぇー?」ブー

マーマネ「だったら尚更気になるよー」

カキ「アローラー」

マオ、スイレン「!」

マーマネ「あっ!カキだ!」

サトシ「アローラ!カキ!」

ピカチュウ「ピカァ!」

カキ「おう!サトシ、マーマネ!アロー……」チラッ

マオ「………ぁ、カキ……その…アローラ////」

カキ「お、おう…マオ。アローラ////」

マオ「////」モジモジ

カキ「////」ソワソワ

サトシ、マーマネ「?」

ロトム図鑑「なんだかカキとマオの様子がおかしいロトー」

スイレン(この反応…間違いない……!マオちゃんとカキ…したんだ…)ゴクリ

スイレン(…………もし私も…その部屋にサトシと入ったら…)チラッ

サトシ「? どうした?スイレン」

スイレン「な、なんでもない////」プイッ

サトシ「?」

ピカチュウ「ピカァ」

スイレン(だ、ダメ!サトシとは友達!そんなこと!)ブンブン

スイレン(それに…そんな怪しい部屋に入ってもしものことがあったら…)ゾクッ

アシマリ「アウ」

スイレン(でも……)ジトー

サトシ「? 俺の顔になんかついてる?」

スイレン「うぅ////」プシュー

ロトム図鑑「スイレンまで様子がおかしいロト」

サトシ「だな」

ピカチュウ「ピカァ」

日曜日

せせらぎの丘

ピクッ

ロトム図鑑「ビビッ!サトシー!竿がひいてるロトー!」

サトシ「おう!大物の予感だぜ!」ググッ

サトシ「とりゃー!」グイッ

ザパーン

コイキング「コッコッコッコ」ビッチビッチ

サトシ「………………」

ピカチュウ「ピカァ」

ロトム図鑑「………本日5匹目のコイキングロト。サトシは本当にコイキングに好かれて…」

サトシ「言うなロトム」

サトシ「…………ハァ…くっそー!俺もすっげーポケモン釣りたいよ!なんかコツとかない?スイレン?」チラッ

スイレン「……………」ソワソワ

アシマリ「アウ」

サトシ「…………スイレン?」

スイレン「………え!?な、なに?サトシ!」ビクッ

サトシ「どうしたのスイレン?今日は調子悪いのか?」

スイレン「え?い、いや…その……」

ロトム図鑑「スイレン。今日は全然釣れてないみたいだし…釣りをしていてもどこか上の空のように見えるロトー」

ピカチュウ「ピカー」

スイレン「……………」

サトシ「スイレン、調子悪いんなら言ってくれよ!今日はもう切り上げて…」

スイレン「そ、その……!」

サトシ「?」

スイレン「わ、私…散歩したい!」

サトシ「散歩?」

スイレン「う、うん!ちょっと気分転換!その辺をぶらぶらっとでいい」ニコッ

アシマリ「アウ」

サトシ「うーん……わかったよ!」ニッ

ピカチュウ「ピカピカ!」

スイレン「……………」ガッツ

サトシ「でさー!その時ピカチュウがー!」

ピカチュウ「ピッカー!」

スイレン「………」

スイレン(……確か…マオちゃんが言ってた場所はこの辺り…)チラッ

サトシ「………スイレン?俺の話聞いてる?」

スイレン「え!?き、聞いてる!ピカチュウすごい!」ニコニコ

サトシ「………やっぱりなにかあったのかスイレン?悩みがあるんだったら話してくれよ」

ピカチュウ「ピカァ」

スイレン「サトシ……」

スイレン(サトシ…心配してくれるんだ…やっぱり優しい)

スイレン(私……なに考えてたんだろ…少しでも…サトシを巻き込んで、怪しい部屋に一緒に入ろうと思ってた自分が恥ずかしい)

スイレン「………サトシ、ありがとう」ニコッ

サトシ「? まぁ、スイレンが元気になったんなら良かったよ」ニッ

スイレン「ふふっ!向こう、行ってみよ!」グイッ

サトシ「おう!」

アシマリ「アウ!」

スイレン(もうあんな部屋の話忘れよう。それで……今サトシといるこの時間をゼンリョクで楽しむ!)グイグイ

サトシ「お、おいスイレン?どうした?引っ張るなよ」ハハハ

ロトム図鑑「スイレンー!どこに向かってるロトー?」

スイレン(……私は今、サトシと散歩してるだけ!アテもなく歩いてる)グイグイ

サトシ「スイレン……?」

アシマリ「アウ」

モヤッ

サトシ「! なんだここ?」

ロトム図鑑「……霧が濃い…アーカラにこんな場所があったとは…データアップデートロト!」ビビッ

スイレン「……………」

ピカチュウ「ピカァ」

スイレン(どうしよう……サトシと散歩してたらたまたま…)

アシマリ「アウ…」

スイレン(変な場所についちゃった)

サトシ「うぉー……なんだここ!なんだか冒険の臭いがする!」ゴクリ

ピカチュウ「ピカァ!」

ロトム図鑑「サトシー!やめるロト!」

サトシ「! な、なんだよロトム!」

ロトム図鑑「サトシ!ボクの推理によると、ここは危険な気がするロト!」

サトシ「危険……?」

ロトム図鑑「スイレン!スイレンもサトシを止め…」

スイレン「………先、進んでみる?」

サトシ「おう!行ってみようぜ!」

ロトム図鑑「サトシ……スイレ……」ビビッ

ロトム図鑑「!」

ロトム図鑑(複数のポケモンの……それもとても強力なパワーを感じるロト……これはまさか……)タラッ

ロトム図鑑「……サトシ!スイレン!やはりここは…」


バタリ

ロトム図鑑「!」バッ

サトシ「zzz」

スイレン「zzz」

ピカチュウ「zzz」

アシマリ「zzz」

ロトム図鑑「ロ……みんな眠っている……?いや、誰かに眠らされたロト?」

サトシ、スイレン、ピカチュウ、アシマリ「zzz」

ロトム図鑑「……サトシー!スイレン!ピカチュウ!アシマリ!目を覚ますロト!早くここから離れ……」クラッ

ロトム図鑑「!」クラクラ

ロトム図鑑(ま、まずいロト……このままではボクも…ねむ…)ウトウト

ロトム図鑑「zzz」

スイレン「………う…ん…」パチッ

スイレン「………ここは…」キョロキョロ

アシマリ「アウ…」ムクリ

アケロー!!

スイレン(! サトシの声だ!)チラッ

サトシ「くっそー!誰だか知らないけどここから出せー!」ドンドン

ピカチュウ「ピカァ!」ドンドン

スイレン「サトシ!ピカチュウ!」

サトシ「! 気づいたのかスイレン!」

スイレン「う、うん!それよりサトシ…この部屋は……」キョロキョロ

スイレン(ここがマオちゃんの話に出てきたあの部屋なら…)

ロトム図鑑「ボクたちは霧に包まれて眠らされ、気づいたらこの部屋の中にいたロト」

サトシ「さっきからドアガンガンやっても開かないし誰も来ないしどうなってんだよー」ハァ

ピカチュウ「ピカァ」

スイレン(アレがあるハズ……)キョロキョロ

アシマリ「アウ」クイクイ

『』

スイレン(あの看板?みたいなのはまさか……!)

スイレン「………サトシ!あそこにある……」

サトシ「スイレン!Z技だ!」

スイレン「え?」

サトシ「二人でZ技を出してあのドアを壊すんだ!」

スイレン(ど、ドアを壊す……?そんなことしたらサトシとキスが……)

サトシ「やろうぜ!スイレン!」ニッ

ピカチュウ「ピカァ!」

スイレン「う、うん!わかった!」

スイレン(思わず返事を……うぅ…サトシのあの笑顔は反則!惚れた弱味には逆らえない、か…)ハァ

ロトム図鑑「なぜため息をつくロト?スイレン」

スイレン「乙女の複雑な心境。ほっといて」プクー

ロトム図鑑「女の子は難しいロト」

アシマリ「アウアウ」

サトシ「いくぜ!ピカチュウ!」ピカー

ピカチュウ「ピカァ!」

スイレン「アシマリ!」ピカー

アシマリ「アウ!」

ロトム図鑑「すっげー光ロト!サトシとスイレン、二人分のZ技ならあのドアもぶち破れるロトー!」

サトシ「これが俺たちのゼンリョクだぁー!!」ピカー

ピカチュウ「ピカァ!!」バリバリバリ

スイレン「………届け!水平線の……」シュウウ

スイレン「……え!?」スゥ

アシマリ「アウ!?」

ロトム図鑑「スイレンのZパワーが消えた!?」

サトシ「スパーキングギガボルト!!」

ピカチュウ「ピカァ!!」


バリバリバリ


ドカーン!!

シュウウ

ドア「」

サトシ「…くそっ!ダメか……!」

ピカチュウ「ピ…」

スイレン「え……あ……?な、なんで…」

アシマリ「アウ…」

サトシ「! スイレン…」

スイレン(ま、まさか……本当はこの部屋から出たくないって気持ちをリングとクリスタルに見抜かれた……?)ガタガタ

サトシ(スイレン、震えてる…そっか、スイレンも女の子だもんな。本当は不安で仕方ないのか…)

サトシ(それなのに俺は…無理にZ技を出そうだなんて…)クッ

ロトム図鑑「スイレンー!なぜZ技を…」

スイレン「」ビクッ

サトシ「やめてやれよロトム」

ロトム図鑑「ロ?」

スイレン「ぁ……サトシ、ごめ……」

サトシ「へへっ、調子悪いのに無理させてごめんなスイレン?」

スイレン「え?」

サトシ「スイレンは休んでてよ!大丈夫、俺がなんとかするからさ!」ニッ

スイレン「サトシ……」

サトシ「ピカチュウ!次は1000万ボルトを試してみようぜ!」

ピカチュウ「ピカァ!」

スイレン「………ねぇサトシ」

サトシ「ん?」

スイレン「そ、その…そこの看板」スッ

サトシ「え?看板?」

ロトム図鑑「これは気づかなかったロト!スイレン!大発見ロト!」

スイレン「う、うん…さっき見つけた!ひょっとしたらこの部屋を出るヒントが書いてあるかも」

サトシ「おー!確かに!なんか書いてあるな!」ヒョイ

ピカチュウ「ピカァ」

スイレン「サトシ、読んでみて?」ドキドキ

サトシ「………ん~、どれどれ?」ジーッ

『キスしないとこの部屋からは出られません』

サトシ「………へ?」

ピカチュウ「チュウ」

スイレン「サトシ!なんて書いてあった?」ドキドキ

サトシ「いや、えーと………」

ロトム図鑑「"キスしないとこの部屋からは出られません"と書いてあるロト」

サトシ「………だってさ」

スイレン(や、やっぱり!!////)プシュー

アシマリ「アウ」

サトシ「………なんだよこれ?そんなんで出れたら苦労しないよなー」ハハハ

サトシ「さ、ピカチュウ!気を取り直してZ技を…」

スイレン「!」

スイレン(うぅ……いざとなったら緊張する……で、でも!)

スイレン(わ、私がサトシとこの部屋に入ったのはたまたま!それに、それが部屋を出る方法の一つなら、この場合仕方ないハズ!)

スイレン「ま、待ってサトシ!!!」

ピカチュウ、アシマリ、ロトム「」ビクッ

サトシ「な、なに?スイレン?」ビクッ

スイレン「そ、その!そのドア、きっと1000万ボルトでも壊れないと思う!」ドキドキ

サトシ「……え?そ、そんなのやってみなきゃ…」

スイレン「やってみなくてもわかる!!絶対に壊れない!!」

サトシ「………えぇ……?」

ロトム図鑑「スイレン、すっげー迫力ロト」

アシマリ「アウ」

スイレン「だ、だからその…////」モジモジ

サトシ「!」

スイレン「部屋からずっと出られないのは困るし、その…」チラッ

『キスしないとこの部屋からは出られません』

スイレン「ここに書いてあることが、部屋から出るヒントなら…」ドキドキ

スイレン「試してみてもいいと思う////」ドキドキ

サトシ「スイレン…」

ピカチュウ「チュウ」

サトシ「………俺はいいけどさ?でも…」

スイレン「え?いいの!?(やった!両想い!!)」キャー

サトシ「」ビクッ

ロトム図鑑「スイレンがすっげーイキイキしてるロト」

アシマリ「アオ」

サトシ「で、でもスイレンは……」

スイレン「私もいい!そうと決まったら善は急げ!早くキスしよう!サトシ!」

サトシ「あ、うん……」

ピカチュウ「ピカァ」

サトシ「じゃあ…」

スイレン「ぁ////」

サトシ「………なに?」

スイレン「そ、その……できればサトシからしてほしい///」モジモジ

ロトム図鑑「スイレンは乙女ロトー」

サトシ「わかったよ!スイレンは女の子だもんな」ニッ

スイレン「えへへ、うん////」ポッ

サトシ「んじゃ…」

スイレン「ぁ////」

サトシ「今度はなに?」

スイレン(やっぱり、いざとなったら緊張する////)ドキドキ

スイレン「……目、閉じてって言って?////」

サトシ「………?スイレン、目ェ閉じて」

スイレン「うん////」パチッ

アシマリ「アウー////」

スイレン(私……とうとうサトシとするんだ////)ドキドキ

スイレン(幸せ……!ありがとう!マオちゃん!ありがとう!キスしないと出られない部屋!ごめんねアセロラ?サトシ、ゲットだぜ!)ドキドキ

ピカチュー

スイレン「/////」ドキドキ

スイレン(………まだかな?やっぱりサトシも男の子!緊張してるのかな?)ドキドキ

スイレン(……少し目をあけ……)ソーッ


サトシ「ピカチュウ!」チュッチュ

ピカチュウ「ピカピィ…」チュッチュ


スイレン「…………アウ?」

アシマリ「アオ……?」

ガチャッ

サトシ「おっ!ドア開いたぜ!」

ピカチュウ「ピカァ!」

ワイワイ

スイレン「………えぇ?…えぇ?」

ロトム図鑑「スイレン。人生はハニーミツのように甘くはないみたいロト。ドンマイ」ポンッ

アシマリ「アウ」ポンッ



サトシ「いやー!外の空気は最高だぜ!」ノビー

ピカチュウ「チュウー!」ノビー

スイレン「………」トボトボ

アシマリ「アウ」

ロトム図鑑「ロー」ヒュー

モクロー「クロォ」バサッ

サトシ「! スイレンたちも出てきたな!」

サトシ「へへっ、スイレンがあの看板を見つけてくれたお陰で部屋から出ることできたよ!サンキューな!」

スイレン「うん、よかったね」ムスッ

サトシ「…………?スイレン、なんか怒ってる?」

スイレン「怒ってない!」プクー

サトシ「いや、絶対に怒ってるよ…」

スイレン「だから怒ってない!帰ろ、アシマリ」スタスタ

アシマリ「アウー」

サトシ「ま、待ってよスイレン!」

ピカチュウ「ピカピィ」

ワイワイ

ロトム図鑑「サトシは少し女心というものを学んだ方がいいロト」

ロトム図鑑(それにしても……)チラッ

ロトム図鑑(部屋の中には結構な時間いたハズなのに、外は明るいまま…そして…)

ロトム図鑑(濃い霧もポケモンの気配もキレイさっぱり消えている……)

ロトム図鑑「……なんとも不思議な体験だったロト…」

サトシ「おーい!ロトムー!ロトムからもスイレンに機嫌なおすように言ってくれよー!」

ロトム図鑑「やれやれ、やっぱりサトシにはボクがいないとダメみたいロト」

ロトム図鑑「今いくロトー!」ヒュー

月曜日

アーカラ島

リーリエ「ふぅ……!久しぶりのスクールは楽しかったですね!シロン!」ニコッ

シロン「コン!」

リーリエはおたふく風邪にかかり、先週一週間スクールをお休みしていた

リーリエ「それでマーマネ!マーマネおすすめのスイーツショップは何処にあるんですか?」ウキウキ

マーマネ「うーんと、もうすぐだよ!」

マーマネ「すっごく美味しいスイーツがある穴場だから期待しててね!リーリエ!」

トゲデマル「マキュキュ」

リーリエ「はい!楽しみです!」ワクワク

シロン「コーン!」

リーリエ「……それにしても…そんな美味しいお店に私とマーマネだけで行くなんて……みんなに少し申し訳ないですね…」ウーン

マーマネ「ハハハ、今日はたまたまみんな用事あるって言うし仕方ないよリーリエ」

マーマネ「それに…今日はリーリエの快気祝い!みんなも行ってきなよって言ってくれたからリーリエは気にしないでよ!」

リーリエ「ですが…」

マーマネ「みんなとはまた今度一緒に行こうよ!リーリエは今日を楽しんで!」

リーリエ「…はい!わかりました!」ニコッ

シロン「コーン」

マーマネ「…………」

リーリエ「ふふっ、シロン!どんなスイーツを食べよっか?」

シロン「コーン」

マーマネ(実は……この間のマオとスイレンが話してた"キスしないと出られない部屋"の話…盗み聞きしちゃったんだよね~)

リーリエ「でも病み上がりだからあまり食べすぎないようにしないと…」ウーン

マーマネ(そしてその話を手がかりにネットで調べたところ…確かにアーカラにはそういう場所の噂があるらしい…)

マーマネ(気まぐれで霧の中に人やポケモンを誘い込み、不思議な部屋の中で試練を与える場所……噂によると、恋愛成就のスポットでもあると言われているらしい)

リーリエ「マーマネ!そこのおすすめのスイーツはなんですか?」

マーマネ(別名"神さまのイタズラ"と呼ばれる場所が!)

リーリエ「マーマネ?」

マーマネ「え?な、なに?リーリエ?」ビクッ

リーリエ「………どうしたんですか?なにやら上の空のようですが…」

マーマネ「な、なんでもないよリーリエ!」ハハハ

トゲデマル「マキュ」

リーリエ「?」

マーマネ(リーリエが先週休みなのは運が良かったよ…)ホッ

シロン「ゴン!」

マーマネ(リーリエを騙してるようで悪いけど…でも、リーリエだって、きっとこういうミステリーは好きなハズ!)チラッ

リーリエ「? なんですか?」

マーマネ「い、いや…」ハハハ

リーリエ「マーマネの様子がおかしいです」ムゥ

マーマネ(こ、これは……あくまで"神さまのイタズラ"の謎を解明したいっていう好奇心だよ!)

マーマネ(ぼ、僕に下心なんてこれっぽっちもないんだ!)ブンブン

マーマネ「リーリエ!お店はあっちの方だよ!行こうよ!」

リーリエ「はい!」ニコッ

シロン「コーン」

トゲデマル「マキュキュ」

リーリエ「………えーと、あの…マーマネ…」

マーマネ(ほ、本当にあったんだ……)タラッ

モヤッ

マーマネ("神さまのイタズラ")

リーリエ「………この霧の先に…そのお店があるんでしょうか?」

マーマネ「え?あー、うん…」

マーマネ(うわぁ……噂通り…いや、噂以上に不気味な場所だ…霧が濃くて先が見えないよ…)ガクガク

トゲデマル「マキュキュ…」ブルブル

マーマネ(でも…ここを越えた先に"キスしないと出られない部屋"が…)ゴクリ

シロン「ゴォン!!」グルル

リーリエ「シロン……?」

リーリエ「………あの、マーマネ」

マーマネ「な、なに?」ビクッ

リーリエ「その……論理的結論から言いますと…そのスイーツショップはここを通らないでは行けないのでしょうか?」

リーリエ「………ここ、なんだか不気味で少し怖いです」

マーマネ「……………」

マーマネ(た、確かに…ちょっとイメージと違うな…なんだか嫌な予感もするし…)

マーマネ(噂なんて所詮は噂だよね。マオとカキはたまたま運が良かったってだけかもしれないし、ここは…)

マーマネ「そ、そうだねリーリエ。やっぱり遠回りして…」

リーリエ「サトシやカキならこんな霧の中も躊躇せずに進んでいくんでしょうか?」ボソッ

マーマネ「!」

マーマネ「だ、大丈夫だよリーリエ!何かあったら僕に任せてよ!」

リーリエ「え?」

マーマネ「僕がついてるからこんな場所怖くもなんともないよ!へっちゃらさ!僕がリーリエを守るよ!」ガクガク

トゲデマル「マキュキュ!」

リーリエ(マーマネ…そのわりには足が震えているような…)

リーリエ「あ、あの…マーマネ…あまり無理はしないで…」クラッ

リーリエ「…………!」クラクラ

マーマネ「ど、どうしたのリーリエ!?」

リーリエ「………な、なぜか急に強烈な眠気が…」ウトウト

シロン「コ…」ウトウト

マーマネ「眠気……?」

マーマネ(まさか……やっぱり噂通りここは……)クラッ

マーマネ「ぅ………僕…も……ねむ…」ウトウト

トゲデマル「マキュ…」ウトウト

バタリ

リーリエ「zzz」

マーマネ「zzz」

シロン「zzz」

トゲデマル「zzz」

リーリエ「………うーん…」ムクリ

シロン「コーン…」ムクリ

リーリエ「あ、あれ?ここは……?私…確か霧の中で…」キョロキョロ

マーマネ「起きたんだね!リーリエ!」

トゲデマル「マキュ」

リーリエ「マーマネ……トゲデマル…」

リーリエ「あの、マーマネ。ここはいったい…?も、もしかしてここがマーマネの言っていたスイーツショップですか?」

マーマネ「え?」

リーリエ「それにしては…変わったところですね。個室?なのかもしれませんが…イスもテーブルも窓すらなく、あるのはドアだけ…」ウーン

リーリエ「マーマネが穴場というくらいです!ひょっとしてここは地下で、何もないのはサプライズかなにかですか?」キラキラ

マーマネ「えーと……」

マーマネ(うわぁ…リーリエ、ここがスイーツショップだと勘違いしてるよ…どうしよう…)

マーマネ(それにしても……ネットの噂やマオの話の通りだ。ここはあの場所でまず間違いないね!)

マーマネ(……と、いうことはどこかにアレも……)

シロン「コン!」クイクイ

リーリエ「? どうしたんですかシロン?」

シロン「コーン!」スッ

リーリエ「なんですかこれ?……なにか書いてありますね?」ムゥ

マーマネ(! シロンの見つけたアレは!まさか……)ゴクリ

マーマネ「リーリエ!読んでみようよ!」

リーリエ「は、はい。わかりました!えーと、なになに?」フムフム

リーリエ「……………え?」

シロン「コーン」

『ポケモンバトルしないとこの部屋からは出られません』

リーリエ「ポケモンバトルをしないとこの部屋からは出られません……?どういうことでしょうか?」

シロン「コーン」

マーマネ「え!?」

マーマネ(ぽ、ポケモンバトル!?ど、どういうこと……?な、なんでキスじゃ……)バッ

リーリエ「? マーマネ?」

マーマネ「そ、そんなハズじゃあ…!なんで…」

リーリエ「! そんなハズじゃあ…とは、どういうことですかマーマネ?」ジトー

マーマネ「え!?あ、いや…(し、しまった!口が滑った…)」ビクッ

リーリエ「………マーマネ、何か知っていますね?」ジトー

シロン「コーン!」ジトー

マーマネ「そ、その…」ハハハ

リーリエ「……論理的結論から言いますと、知っていることは全て洗いざらい吐いてくださいマーマネ」キッ

マーマネ「うっ……」ギクッ

マーマネ(や、ヤバイよ……リーリエ、かなり怒ってるよ…)ダラダラ

リーリエ「……………」ジトー

マーマネ「……じ、実は……」

マーマネ「………って、ことなんだよ…」

リーリエ「……………」

マーマネ(うわぁ…リーリエずっと黙ってる…嫌われたかな…)ハァ

リーリエ「………つまりマーマネは……私を騙してその……む、無理やり……チューをしようと…」

マーマネ「い、いや!その、そうじゃなくって!その…」アセアセ

マーマネ「あ、あくまで噂の真相を確かめようと思っただけであって、下心があった訳じゃ…」ハハハ

リーリエ「……どっちでもいいです。論理的結論から言いますと、マーマネには心底呆れました」ハァ

マーマネ「ぁ………ごめ…」

リーリエ「ハァ…もういいです。さっさと部屋の指示通りにポケモンバトルをしてこの部屋から出ましょう。シロン」

シロン「コン」

マーマネ「う、うん……トゲデマル」

トゲデマル「マキュ」

リーリエ「……マーマネ。私、本で読んだことがあるんですが…」

マーマネ「?」

リーリエ「マーマネの歳ぐらいの男の子なら、女の子とそういうことをしたいと言う気持ちがあるのは普通だと思います。そこは仕方がありません」

マーマネ「………」

リーリエ「ですが、やり方が汚すぎます。最低です!最低すぎます!」

マーマネ「…ご、ごめ…」

リーリエ「いいですかマーマネ!マーマネも男の子ならばもっと男らしく、正々堂々ゼンリョクで正面からです!そんなことでは、いざ好きな女の子ができた時に、その子のハートをゲットできませんよ!」プンプン

マーマネ「そ、その…リーリ…」

リーリエ「……きっとサトシやカキならばこんな卑怯な手は使わないで…」

マーマネ「!」カチン

リーリエ「……マーマネ?私の話を聞いて…」

マーマネ「……なにさそれ」

リーリエ「……え?」

マーマネ「さっきからサトシやカキなら、サトシやカキならってなんなのさリーリエ!」

リーリエ「え?」

マーマネ「じゃ、じゃあ!僕だってこの部屋に一緒に入るのはリーリエよりマオやスイレンの方が良かったよ!」

リーリエ「じゃ、じゃあってなんですか!」

リーリエ「だ、だいたい……!論理的結論から言いますと、元はと言えば、マーマネが私を騙してこの部屋に入れたんじゃないですか!逆ギレしないでください!最低です!」

マーマネ「ならリーリエは僕じゃなくってサトシやカキなら素直に喜んでこの部屋に一緒に入ったってことなんだね!!」フンッ

リーリエ「そ、そんな話はしてないじゃないですか!論点をすり替えて開き直るのはやめてください!」

シロン「コ……」

トゲデマル「マキュキュ」

ギャー ギャー

マーマネ「もういいよ!さっさとポケモンバトルしてこの部屋から出ようよ!そして、今度はサトシかカキと一緒に入り直せばいいじゃん!」ムスッ

リーリエ「……さっきからなんなんですかマーマネ…全然言っていることが理解できません」

マーマネ「そうだね。僕だってわかんないよ」グスッ

リーリエ「マーマネ…」

マーマネ「……僕は…サトシやカキみたく、バトルは強くないし、頼りないしカッコよくもないよ…」

マーマネ「だからこんな卑怯な手しか使えないですっごく情けない」

リーリエ「………………」

マーマネ「そうだね。サトシやカキならこんな男らしくない言い訳だってしないね」

リーリエ「……………」

マーマネ「バトル開始だリーリエ!いくよ、トゲデマル!」

トゲデマル「マキュキュ!」グッ

リーリエ「……シロン。トゲデマルは、はがね・でんきタイプ。こおりタイプのシロンはちょっと不利だね」

シロン「コン」

マーマネ「?」

リーリエ「でも……私だってポケモントレーナー!不利なタイプとのバトルは想定して勉強だってしています!」グッ

シロン「コーン!」

リーリエ「……マーマネ」

マーマネ「な、なに?」

リーリエ「……私は今からマーマネとゼンリョクでバトルをします!当然勝つ気で!」

マーマネ「!」

リーリエ「……本で読んだことがあります。逆境こそが人を大きく成長させるチャンスなんだって!」

マーマネ「……逆境こそがチャンス……?」

リーリエ「……口で言うだけなら誰だってできます!ですから…」

リーリエ「このバトルで私に見せてください!マーマネがサトシやカキよりも強くてカッコいいところを!」

マーマネ「! リーリエ…」

マーマネ「……うん!ゼンリョクでいくよっ!」

マーマネ「トゲデマル!」

トゲデマル「マキュキュ!」ダッ

リーリエ「はい!望むところです!」ニッ

リーリエ「シロン!」

シロン「コーン!」ダッ


ズガガガ

サンサン

リーリエ「ようやく外に出れましたね!シロン!」ウーン

シロン「コーン!」

リーリエ「外は明るいまま…あれだけ濃かった霧も無かったかのように澄みわたった景色…あの部屋はなんだったんだろうね?」

シロン「コーン?」

マーマネ「ハァ…」トボトボ

トゲデマル「マキュキュ」

リーリエ「マーマネ…」

マーマネ「……まさか本当に相性の不利を覆されるなんて…」ガクッ

リーリエ「マーマネもまだまだですね?」ドヤッ

シロン「コーン!」ドヤッ

マーマネ「……あのさリーリエ」

リーリエ「…なんですか?」

マーマネ「……さっきはあんなこと言っちゃったけど…やっぱりごめ…」

リーリエ「許しません」プイッ

マーマネ「ぁ………」ガクッ

トゲデマル「マキュ」ポンッ

リーリエ「…マーマネ、私…ゼンリョクでバトルをしてお腹が空きました」

マーマネ「え?」

リーリエ「美味しいスイーツを奢ってください!それで部屋の件は水に流します」ニコッ

マーマネ「リーリエ………」

リーリエ「…今度は嘘はナシですよ?」

マーマネ「……うん!」ニコッ

マーマネ「リーリエ!僕の行きつけですっごく美味しいスイーツショップがあるんだ!そこに行こうよ!」

リーリエ「すっごく美味しいスイーツショップ……はい!楽しみです!」ワクワク

ワイワイ

シロン「コン」ニコニコ

トゲデマル「マキュキュ」ニコニコ

>>31
訂正
マーマネ「……僕は…サトシやカキみたく、バトルは強くないし、頼りないしカッコよくもないよ…」

マーマネ「……僕は…サトシやカキみたく、バトルは強くないし、頼りにならないしカッコよくもないよ…」

数日後

アーカラ島

サトシ「ごめーん!待ったー?」タッタッタ

ピカチュウ「ピカー!」タッタッタ

「全然大丈夫~」

アセロラ「アセロラも今来たとこだよ♪」

ミミたん「キュー」

アセロラ「あれ?ロトムは?」

サトシ「あー、なんか今日はククイ博士の研究を手伝うから来れないんだってさ!」

アセロラ「そうなんだ」

サトシ「それよりアセロラ!俺に用ってなに?」

アセロラ「あっ!それなんだけどね?実は…サトシにお願いがあるの…」

サトシ「お願い?」

アセロラ「うん、最近ちょ~っと気になる噂を聞いてね?それがこの島での出来事みたいで…」

サトシ「噂?出来事?」

ピカチュウ「ピカ?」

アセロラ「うん、そうなの!アセロラも詳しくは知らないんだけど……その噂をアセロラと一緒にサトシに調べてもらいたいの」

サトシ「なるほどな!いいよ!」ニッ

アセロラ「えへへ、ありがとう!さすがサトシ!」ニコッ

ミミたん「キュー」

サトシ「へへっ!で、どんな噂なの?」

アセロラ「……さっきも言った通り……詳しいことはアセロラもわからないんだけどね?」ウーン

アセロラ「……"神さまのイタズラ"って呼ばれてる現象らしいよ?」

サトシ「神さまのイタズラ?」

ピカチュウ「ピ?」

サトシ「神さま…神さまかぁ…」ウズッ

サトシ「うぉー!なんだかすっげーワクワクしてきたな!ピカチュウ!」

ピカチュウ「ピッカー!」

アセロラ「ふふふ」ニコッ

サトシ「ところでさ、アセロラ!アセロラは何でその噂を調べたいの?」

アセロラ「……うーん……サトシと同じで興味があったからかなー?」

サトシ「やっぱり?だよな!神さまとかすっげーワクワクするもんな!」ウズウズ

アセロラ「ふふふ、まー……」

アセロラ「……アセロラが興味あるのは噂の"中身"の方だけどねー♪」ボソッ

ミミたん「キュー」フワフワ

アセロラ「でね?その時ミミたんがー」スタスタ

ミミたん「キュー」

サトシ「……………」スタスタ

サトシ(なんかこの道歩いてるとスイレンと入ったあの部屋のこと思い出しちゃうよ…)

アセロラ「そこでアセロラは言ったの!」フフン

サトシ(……まさかな?)タラッ

ピカチュウ「ピカァ」

アセロラ「サトシはアセ……」

サトシ「ね、ねぇアセロラ!」

アセロラ「……なに?」

サトシ「そ、そのさ?神さまのイタズラが起きる場所ってどこにあるの?」ハハハ

アセロラ「あー……うふふ、サトシもなんだかんだノリノリだね?」ニコッ

サトシ「いやぁ……まぁな?ハハハ…」

アセロラ「大丈夫大丈夫ー!神さまのイタズラが起きる場所は…」スッ

サトシ「! ここは!?」ビクッ

ピカチュウ「ピ…」

モヤッ

アセロラ「あの霧の中にあるって噂だからねー?」

アセロラ「アセロラも待ちきれないよ♪」ウフフ

ミミたん「キュー」

サトシ(こ、この霧!間違いない!あの場所だ!)

サトシ(てことは…アセロラが言ってた神さまのイタズラってのは…)チラッ

アセロラ「サトシ!さっそく神さまのイタズラの謎を解明しようよ♪」

サトシ(あの部屋のことだったのか…)タラッ

ピカチュウ「ピカ…」

アセロラ「さー、霧の中へレッツゴー!」

サトシ「霧の中に入っちゃダメだアセロラ!」

アセロラ「え?」キョトン

サトシ「そ、その!上手くは言えないけど…なんていうか……とにかくダメなんだ!危な…」

アセロラ「あーっ!わかった~!」

サトシ「わかってくれたのか?なら引き返して…」

アセロラ「サトシー?怖くなったんでしょ?」フフフ

サトシ「い、いや…そうじゃなくって…!」

アセロラ「大丈夫大丈夫~!怖いんだったらアセロラお姉ちゃんにギュッてくっついててもいいからねー?」ニコッ

サトシ「アセロラ!俺の話を聞い……」クラッ

サトシ(! ま、マズい…眠気が…あの時と同じだ…)クラクラ

サトシ「ア…セロラ……逃げ……」

バタリ

サトシ「zzz」

ピカチュウ「zzz」

アセロラ「……うふふ、サトシは優しいね?」ウトウト

アセロラ「……ごめんねサトシ?」ボソッ

バタリ

アセロラ「zzz」

ミミたん「キュー」

サトシ「………う~ん…」パチッ

ピカチュウ「ピカァ…」ムクリ

サトシ「………俺、あの霧の中で眠って…」ムクリ

サトシ(うわぁ…やっぱこの部屋かぁ…)キョロキョロ

サトシ「……そ、そうだ……!アセロラは…」

アセロラ「…………」ジーッ

ミミたん「キュー」ジーッ

サトシ「うぉっ!」ビクッ

アセロラ「もぅ!サトシ!女の子の顔を見て驚くなんて酷いよ!」プンプン

ミミたん「キュー!」プンプン

サトシ「ご、ごめん…」ドキドキ

サトシ「……でも、無事で良かったよアセロラ。…いや、この状況は無事なのか……?」

ピカチュウ「ピカ」

アセロラ「なんか変な部屋に入っちゃったね」

サトシ「あ、ああ…そうだな…」ハハハ

サトシ(ここがスイレンと入ったのと同じ部屋なら、アレが…)キョロキョロ

アセロラ「……そうだ!サトシが眠ってる間にアセロラ、ミミたんと一緒にこの部屋を調べてみたの。そしたらね?」

ミミたん「キュー」

サトシ「!」

アセロラ「こんなの見つけちゃったんだよねー?」スッ

サトシ「そ、それは!?」

ピカチュウ「ピ!?」

『キスしないとこの部屋からは出られません』

サトシ(やっぱりか)ハァ

アセロラ「もぅ!キスしなきゃ部屋から出られないだなんて!これが神さまのイタズラってやつかな?その神さまって、本当にイタズラ好きな神さまなんだね!////」テレッ

ミミたん「キュー」

サトシ「またこれか」ボソッ

アセロラ「うんうん、本当に困っちゃ…………………また?」

サトシ「え?」

ピカチュウ「ピ?」

アセロラ「さ、サトシ!またってどういうこと!?」ズイッ

サトシ「え?あ、いや……」

アセロラ「なに?まさか……無いとは思うけど…サトシ、アセロラ以外の女の子とこの部屋に入ったことが……」ジトー

サトシ「……実は前にスイレンと…」ハハハ

アセロラ「スイレン!?」

サトシ「」ビクッ

アセロラ「なんでスイレンと入ったの!?」

サトシ「いや、なんでって……スイレンと散歩してたらたまたま迷いこんじゃって…」

アセロラ「嘘つかないでよ!たまたまなんてある訳ないでしょ!!」

サトシ「いや、そんなこと言われても…たまたまはたまたまだし…」

アセロラ「…………で、したの?スイレンと」

サトシ「……何を?」

アセロラ「なにって…キスに決まってるよ!とぼけないでよ!!」

サトシ「……してないよ。つーか、怖いよアセロラ…唾飛んでるし…」

アセロラ「サトシ!嘘つかないで!この部屋はキスしなきゃ出られないんだよ!してないわけないでしょ!!」

サトシ「いや、マジだって!その時はピカチュウとアシマリとロトムも一緒にいて…俺はピカチュウとキスして部屋を出たんだよ!」アセアセ

サトシ「な?ピカチュウ?」

ピカチュウ「ピカピカ」コクコク

アセロラ「…………ほんと?アセロラの目を見て言って」ジーッ

サトシ「……ほ、本当だよ」ジーッ

アセロラ「…………わかったよ、アセロラはサトシを信じるよ」

サトシ「さ、サンキュー…」ホッ

サトシ「つーかさ、あの時は大変だったんだぜ?」

アセロラ「大変?」

サトシ「そうだよ!スイレンは部屋から出たらすっげー機嫌悪くなるし…この部屋、いい思い出なかったらさ」

アセロラ「あー、だからサトシ、必死になってここに入るの止めてたんだ…」

アセロラ「で?スイレンと仲直りはしたの?」

サトシ「うん、ロトムのアドバイスで帰りにスイレンと手を繋いで帰ったら仲直りできたよ」

アセロラ「……手を繋いで帰った……?」

ミミたん「キュー」

ピカチュウ「ピカピィ…」

アセロラ「もぅ!さっきからなんなのよサトシは!」プンプン

サトシ(うわぁ、アセロラ……すっげー怒ってんな…もうこの部屋嫌だよ)

ピカチュウ「ピカァ」

サトシ「と、とにかくさアセロラ!この部屋はキスすれば出れる訳だし、早く部屋から出ちゃおうぜ?」ハハハ

アセロラ「…………」

サトシ「ピカチュウ!こいよ!」

ピカチュウ「ピカァ」タタタ

アセロラ「…………」スッ

ボンッ

カゲボウズ「…………」フワフワ

サトシ「え?」

アセロラ「ごー♪」

カゲボウズ「…………」スッ

チュッ

ピカチュウ「ピ!?」

サトシ「……カゲボウズがピカチュウにチュウを……?」

ドア「」ガチャッ

アセロラ「ドアが開いた!」

ピカチュウ「ピカピィ!!」ヒュー

カゲボウズ「…………」ヒュー

サトシ「ぴ、ピカチュウとカゲボウズがドアの外に吸い込まれてく!?」

ピカピー

サトシ「うわぁぁぁ!!いくなピカチュウーー!!」

ドア「」バタン

サトシ「ど、ドアが閉まった……?」ガクッ

アセロラ「なるほどなるほどー!噂通りこの部屋は、キスしたもの"だけ"を部屋から出してくれるんだね?」ウンウン

サトシ「お、おい!何すんだよアセロラ!」

アセロラ「なにって…女の子一人を置いて不思議な部屋から先に出ようとするのはどうかと思うなー?サトシー」

サトシ「うっ……」グサッ

サトシ「わ、わかったよ」スッ

ボンッ ボンッ

ニャヒート「ニャー」

ルガルガン「ガルッ」

アセロラ「!」

サトシ「俺はニャヒートとキスして出るから、アセロラはルガルガンと…」

アセロラ「はーい、ちゅっちゅしましょうね~?」グイッ

ニャヒート「ニャ!?」チュッ

ルガルガン「ガルッ////」チュッ

サトシ「!?」

ドア「」ガチャッ

ヒュー

ニャー ガルー

サトシ「うわぁぁぁ!!ルガルガーン!!ニャヒートォォ!!」

ドア「」バタン

サトシ「お、おい!アセロラ!さっきから…」

アセロラ「サトシ!よーく考えてよ!アセロラたちがルガルガンたちとキスをして部屋から出ちゃったら、残されたミミたんはどうするの?」

ミミたん「キュー」ションボリ

サトシ「そ、そっか!ごめんミミたん!」

ミミたん「キュー」

アセロラ「……サトシ、リュックにモクローがいるでしょ?」

サトシ「!」

サトシ「そうだった!モクロー!」ジー

モクロー「zzz」

サトシ「ハハハ、モクローのやつ、まだ寝てるよ」

アセロラ「ふふっ」ニコッ

サトシ「でも…俺とモクロー、アセロラとミミたん!これで部屋から出れる人数は揃ったな!」

ミミたん「キュー」

アセロラ「………」

モクロー「zzz」

サトシ「んじゃあ、さっそく…」

アセロラ「ねぇサトシ」

サトシ「ん?」

アセロラ「選んでよ」

サトシ「…………選ぶ?」

アセロラ「モクローとミミたんと」

アセロラ「アセロラ」

サトシ「え?」

アセロラ「……サトシは誰とキスしてこの部屋を出る?」ニコッ

サトシ「…………」

………………

………

アセロラ「……外はまだ明るいまま、それに霧は消えてる…」

アセロラ「"神さまのイタズラ"噂通りだったね!ミミたん」

ミミたん「キュー」

サトシ「…………」

モクロー「クロー」バサッ

サトシ「……なぁ、アセロラ…」

アセロラ「……ごめんねサトシ。やっぱりズルはいけないよ」ボソッ

サトシ「………え?」

アセロラ「……はい!」スッ

サトシ「………手?」

アセロラ「神さまのイタズラは帰るまでが神さまのイタズラでーす」ニコッ

サトシ「どゆこと??」

アセロラ「もぅサトシ!女の子が手を出したらあれしかないよ!」プンプン

アセロラ「それとも~?スイレンにはできてアセロラにはできないのかな~?」ジトー

サトシ「………ああ」スッ

ギュッ

アセロラ「えへへ///じゃあ……アセロラの家につくまでのエスコートはお願いね?サトシ」

サトシ「任せてよ!」ニッ

サトシ「帰ろうぜ!アセロラ!」ギュッ

アセロラ「うん♪」ギュッ

アセロラ(まぁ…今日はこれで充分かな?)ニコッ

ピカチュウ「ピカピカ」ニコッ

ミミたん「キュー」

日曜日

アーカラ島

グラジオ「……………」ザッ

シルヴァディ「ヴァディ!」ザッ

モヤッ

グラジオ(……ここがリーリエの言っていた"ポケモンバトルをしなければ出られない部屋"とやらの入り口か…)

グラジオ「………昼間なのに光を通さない程の濃い霧に覆われている…どうやら巷ではこの現象を"神さまのイタズラ"と呼んでいるらしいな」

グラジオ「………神さまのイタズラ、か…よくはわからないが、そんな気まぐれで人やポケモンを誘うような危険なものを放置しておくわけにもいかん」

グラジオ「俺がこの現象の原因を突き止め、神の気まぐれに終焉を……ん?」チラッ

マツリカ「……………」カキカキ

アブリボン「リボボーン♪」

グラジオ「おい、何をしている!」タッタッタ

シルヴァディ「ヴァディ!」タッタッタ

マツリカ「! お~、アローラアローラ」ニコッ

マツリカ「私はマツリカ!今、画を描いてる」

グラジオ「画?」

マツリカ「うん、そう。ここ…なんだか不思議な雰囲気があったから」

グラジオ「……………」

マツリカ「……光を覆いつくすほどのこの霧には不気味さの中にも神秘的な何かを感じるんだ」

マツリカ「言葉では言いあらわせられない何か……だから、画を描くことにした」

グラジオ「………変わったやつだな」フッ

マツリカ「そうかな?」

グラジオ「………だが、お前のその直感は正しい。ここにはよくない噂があるらしいからな」

マツリカ「よくない噂……?」

グラジオ「ああ、どうやらこの場所は、イタズラ好きな神さまが霧で人やポケモンを気まぐれに誘い、身勝手な試練を与えてくるという傍迷惑な曰く付きの場所らしい」

グラジオ「暇をもて余した神々のアソビというやつだな」フッ

マツリカ「……暇をもて余した神々のアソビ……か…」ウーン

マツリカ「……わかった!キミも変わったやつだ!」ビシッ

アブリボン「リボボーン♪」

グラジオ「な!?」

シルヴァディ「ヴァディ」コクコク

グラジオ「おい!訂正しろ!俺は変わってない!」プンプン

マツリカ「アハハ、やっぱり変わってるよ」クスクス

グラジオ「………くっ!と、とにかく!ここは危険だから画を描くならどこか別の場所でやるんだな!」

マツリカ「ふふっ、それはそれは…ごちゅーこくどうも」スクッ

マツリカ「……キミ、変わった人だけど、どうやらイイ人ではあるらしい」ニコッ

グラジオ「………一言余計だ」

マツリカ「…イタズラ好きの神さま…少し興味はあったけど仕方な………ん?」

グラジオ「? どうした?さっさと行……」

マツリカ「おぉ……!キミ、よく見たら珍しいポケモン持ってるね!」キラキラ

グラジオ「なに?」

シルヴァディ「ヴァ?」

マツリカ「この場所を画にできなかったかわりに、キミのそのポケモン、描かせてもらっていいかな?」ワクワク

グラジオ「………おい、悪いが俺は今忙し……」

マツリカ「いーよいーよ!そのまま、そのポーズで!」カキカキ

シルヴァディ「ヴァディ////」テレテレ

グラジオ「何してやがるシルヴァディ!」

マツリカ「……キミ、シルヴァディって言うんだね!」カキカキ

シルヴァディ「ヴァディ!」

グラジオ「ハァ…やりにくいやつだ…」

モヤッ

グラジオ「………ん?」

アブリボン「」ピクッ

アブリボン「リボボーン!!」

マツリカ「? おー、どうしたのアブリボン?」

アブリボン「り、リボボーン!!」

マツリカ「……危険?」

グラジオ(霧がこっちに迫って来ているだと!?俺たちを無理やり試練に誘おうというわけか……!)

グラジオ「………おい!逃げ…」

マツリカ「zzz」

アブリボン「zzz」

シルヴァディ「zzz」

グラジオ「………くそっ!間に合わ……」クラッ

グラジオ(マズイ……このままでは俺も霧に呑まれ……)フラフラ

バタリ

グラジオ「zzz」

グラジオ「………うっ…」パチッ

グラジオ「………この部屋は……」ムクリ

シルヴァディ「ヴァディ」

マツリカ「……よかった!気がついた!」

アブリボン「リボボーン!」

グラジオ「! お前…」

マツリカ「……どうやら、キミの言った通り。私たちはあの霧に眠らされて…気づいたらこの部屋の中」

グラジオ「…………」

マツリカ「……それにしても、何とも不思議な部屋」

マツリカ「窓もイスもテーブルも無い。あるのはあのドアだけ」チラッ

ドア「」

マツリカ「……脱出しようにもあのドアは開かなかった。はてさてどうしたものか」ウーン

グラジオ「俺の妹が前に今の俺たちと同じで、この部屋に誘われたらしい」

マツリカ「妹……?」

グラジオ「………ああ、妹が言うには、この部屋を脱出する為には、部屋から出されたミッションをクリアしなければならないらしい」

マツリカ「ミッション?部屋から?」

グラジオ「ああ、その時はポケモンバトルをしろ。というミッションだったらしいがな」

マツリカ「……ポケモンバトル?おーおー、神さまの考えは私たち人間には計り知れない」

グラジオ「………かもな」フッ

マツリカ「……おー、とりあずは…」スッ

マツリカ「ミッションがあるまで、この貴重な体験と部屋を画にしよう」カキカキ

アブリボン「リボボーン!」

グラジオ「お気楽なやつだ」ハァ

シルヴァディ「ヴァディ!!」クイッ

グラジオ「? どうしたシルヴァ………それは!?」

『』

マツリカ「おーおー、その看板?みたいなの、何か書いてある」ムゥ

マツリカ「まさか、それがこの部屋を出るため、神さまから私たちに与えられたミッション?」

グラジオ「恐らくな」ヒョイッ

グラジオ「………なになに?この部屋を出るためには……」

マツリカ「ふむふむ」

グラジオ、マツリカ「……………………」

グラジオ「………な!?こ、これを俺たちにしろと言うのか!?」

マツリカ「おーおー」

シルヴァディ「ヴァディ」

アブリボン「リボボーン♪」

部屋の外

リーリエ「………お母様から、ウルトラガーディアンズに"アーカラの神さまのイタズラ"の秘密を解明せよとのミッションを受けましたが……」

ガラーン

マーマネ「霧、出てないね?」

マオ「場所間違えたのかな?」

スイレン「そんなハズ……だって、私、ここでサトシと一緒に部屋に入った。………あっ、言っちゃった////」

サトシ「………………」

カキ「サトシ、今日は元気ないな?どうした?いつもならサトシが一番に"ワクワクするぜ!"とか言う場面じゃないか?」

サトシ「あー、いやぁ…(ここ、いい思い出ないからなぁ)」ハァ

ピカチュウ「ピカピィ」

アセロラ「んー?もしくは、誰かがあの部屋に"今現在入ってる"とか?」ヌッ

リーリエ、マオ、マーマネ、カキ「!」

ロトム図鑑「なるほど。確かにそれはあり得るロト、アセロラ」

アセロラ「でしょー?」

スイレン「てゆーか、どうしてアセロラもいるの?」

アセロラ「アセロラもみんなと一緒に、この事件を解決したいと思って!」ニコッ

スイレン「う、うん?ありがと……」

リーリエ「ですが、もし誰かがこの部屋に入っているとして…あの霧が発生してない以上は外の私たちがその方々を助けることはできないのでは?」

マーマネ「そもそもこの現象の根本的な原因がわからない以上は手出しできないしねー」

マオ「……神さまの気まぐれっていうぐらいだし、たまたま霧が発生してないだけって可能性も捨てきれないよ!」

カキ「何にせよ手詰まりだな…」ムゥ

アセロラ「考えナシに突っ込んで、またあの部屋に入れられちゃったら元も子もないしね」

ロトム図鑑「……実は……ボクがあの部屋に入れられる時……直前に複数の強力なポケモンのパワーを……」

スイレン「ちょっとタンマ!」ビシッ

ロトム図鑑「どうしたロト?スイレン」

スイレン「アセロラ、"またあの部屋に"ってどういうこと?」

アセロラ「え?」

サトシ「」ビクッ

スイレン「なんかその言い方……アセロラ、あの部屋に入ったことあるみたいな言い方だけど……」

スイレン「あっ、ちなみに私は入ったことある。サトシと////」

サトシ「お、おい!今はそんなことよりロトムの話を……」

アセロラ「えへへ、実はアセロラも入ったことあるんだよねー?///」テレッ

アセロラ「とーっても素敵な思い出ができたよ////」チラッ

サトシ「」ビクッ

スイレン「そ、そうなんだ!アセロラにも素敵な人できたんだ!よかった!」ニコッ

アセロラ「えへへ、ありがとう!スイレン!」ニコッ

スイレン「うん、おめでとう!ちなみに……」ニコニコ

スイレン「誰と入ったの?」

サトシ「…………」

ピカチュウ「ピカピィ」

アセロラ「それはちょーっと恥ずかしいから言えないかなー?」エヘヘ

スイレン「お、教えてアセロラ!私たち友達!」ニコニコ

スイレン「あっ、ちなみに私はサトシと入った////」

アセロラ「……何で何回も言うの?」

スイレン「大事なことだから」

アセロラ「うーん、じゃあ当ててみてよ?サトシ」

サトシ「いっ!?な、何で俺?」ビクッ

スイレン「………サトシ、嘘はつかない方が身のため」ジトー

サトシ「ちょ、ちょっとわかんないや」ハハハ

スイレン「………」ジトー

アセロラ「うふふ♪」

ピカチュウ「チュウ」

ワイワイ

ロトム図鑑「………サトシとスイレンとアセロラはもうダメロト」ハァ

ロトム図鑑「………リーリエ、マーマネ、マオ、カキ。キミたちだけでも真面目に…」チラッ

マオ「えー!?リーリエもこの部屋に入ったの!?」

リーリエ「はい、マーマネと一緒に」ニコッ

マオ「へぇ?やるじゃんマーマネー」ニヤニヤ

マーマネ「ま、まぁね?////」テレッ

マオ「で?リーリエ?マーマネとは部屋出るときに(キス)したの?」ワクワク

リーリエ「はい、(ポケモンバトル)しましたよ?」ニコッ

マオ「おぉー!!」キラキラ

カキ「男になったなぁ!マーマネ!」ポンッ

マーマネ「そ、それ程でも////」テレッ

ワイワイ

ロトム図鑑「………キミたちは遊びに来たロト?」

サトシ「な、なぁ!そんなことより、ルザミーネさんからのミッションをなんとかしようぜ!」

スイレン、アセロラ「!」

スイレン「わかった!じゃあ、ここはまず私とサトシが先行して霧を探しに…」

アセロラ「スイレーン!アセロラとサトシで行ってくるからスイレンは待っててよ!」ニコッ

スイレン「……アセロラはガーディアンズじゃないし、ここでゆっくり待ってて!サトシと私で解決してくる!」ニコニコ

アセロラ「スイレン!アセロラとスイレンは親友なんだから気を使わないでよ!アセロラとサトシで行ってくるからスイレンはここで待ってなよ」ニコニコ

スイレン、アセロラ「……………」ニコニコ

サトシ「………スイレンとアセロラ二人で行ってくればいいんじゃないか…?」ボソッ

スイレン、アセロラ「それじゃ意味ない!!!」クワッ

サトシ「ヒィッ」ビクッ

ピカチュウ「チュウ……」

マオ「ハァ…まったく、スイレンとアセロラは…」ハァ

カキ「……仕方ないな、マオ!俺たちで霧を探しにいくか?」

マオ「え?ぁ………か、カキがいいんなら…////」モジモジ

カキ「あ……いや、その////」ソワソワ

マオ「/////」モジモジ

カキ「えーと////」ソワソワ

リーリエ、マーマネ「………………」

マーマネ「……まったく、みんな仕方ないね?」ヤレヤレ

マーマネ「リーリエ!僕たち二人で霧を探しに…」チラッ

リーリエ「嫌です」ニコッ

マーマネ「」ガーン

ワイワイ

ロトム図鑑「………やれやれ、いったいどうしたら……」ビビッ

ロトム図鑑「! この反応は………!みんなー!」

全員「!」

ロトム図鑑「向こうから誰か歩いてくるロトー!!」

グラジオ「…………」トボトボ

マツリカ「……………」スタスタ

シルヴァディ「ヴァディ」

アブリボン「リボボーン♪」

マーマネ「あ、あれは!?」

リーリエ「お兄様!?」

ロトム図鑑「マツリカまでいるロト!!」

グラジオ「リーリエ…」

マツリカ「おーおー、あの子たちは…」

リーリエ「お兄様!何故ここに!?」

グラジオ「いや…その……」

マツリカ「う~ん…霧も消えてるし、この様子だと部屋に入ってから時間もそんなに経ってないのかな?」

マーマネ「部屋!?」

リーリエ「霧……?まさかお兄様……マツリカさんと…」

マツリカ「? キミたちもあの部屋、知ってるの?」

リーリエ「はい…前に入ったことがあるので……」

マツリカ「そっか、なんというか………」

リーリエ、マーマネ「?」

マツリカ「普段は体験できないような、とっても不思議な体験だった」ニコッ

リーリエ「え?」

グラジオ「…………………」

マーマネ「で?どうだったの?」

グラジオ「なにがだ?」

マーマネ「なにって…部屋の感想だよー」ニヤニヤ

グラジオ「くだらなかったな。何が神さまのイタズラだ。あんなもの、俺からしたら子供のお遊びだ」フンッ

マーマネ「へぇ~?」ニヤニヤ

グラジオ「………お前、何か誤解をしているな?」

マツリカ「ふふっ」クスッ

グラジオ「ところでリーリエ、何故ここにいるんだ?」

リーリエ「は、はい…実はお母様からウルトラガーディアンズに神さまのイタズラを解明せよとの指令がありまして…」

グラジオ「指令……?」チラッ


スイレン「サトシ!私とアセロラ、どっちと部屋に入るか選んで!」ズイッ

サトシ「え!?」

アセロラ「サトシ!アセロラはサトシを信じてるからね!」ズイッ

サトシ「……つ、つーか…部屋に入るのが目的じゃ…」

ピカチュウ「ピカー…」

カキ「た、たくぅ!みんなやる気ないみたいだし、俺たちが霧を探しにいくしかないなぁ?マオ?」

マオ「え?あ…う、うん!し、仕方ないね!カキ////」モジモジ


グラジオ「……遊んでるようにしか見えないが?」

リーリエ「……ですね?」ハハハ

マツリカ「おーおー、この光景、是非画に描きたい!」

マツリカ「タイトルは……"青春"!!」

アブリボン「リボボーン」

マーマネ「青春………なのかなぁ?」

ロトム図鑑「結局、神さまのイタズラは謎のまま迷宮入りになりそうロト」ハァ

ピカチュウ「チュウ」


ワイワイ

>>52
訂正
リーリエ「ですが、もし誰かがこの部屋に入っているとして…あの霧が発生してない以上は外の私たちがその方々を助けることはできないのでは?」

リーリエ「ですが、もし誰かがあの部屋に入っているとして…あの霧が発生してない以上は外の私たちがその方々を助けることはできないのでは?」

深夜

アーカラ島

ライチ「……ここが神さまのイタズラとかっていう現象がおきると言われてるスポットね?」ザッ

ルガルガン「ガルッ!」

モヤッ

ライチ「……はーん?なるほど。あの霧、確かに尋常じゃない雰囲気ね?気味が悪いわ」

ルガルガン「ガルルッ!」グルル

ライチ「……昼間にサトシたちウルトラガーディアンズがここに来たらしいけど、結局この現象の謎は解明できなかったって報告を受けてるわ……」

ライチ「今までは単なる噂で流してたけど…実害報告が何人も出てる以上は流石に目に余る、島クイーンの私が直々に解決するしかないわね」

ルガルガン「ガルッ」コクッ

ライチ「……神さまの気まぐれだか、イタズラだか恋愛成就のスポットだか知らないけど……」スッ

ライチ「人やポケモンを惑わし、霧で部屋へ誘い、無理やり試練を与える……!そんなこと、この島の島クイーンとして見過ごせないわ!」ポイッ

ボンッ

プテラ「プテー!!」

ライチ「プテラ!!きりばらいであの不気味な霧を全部ぶっ飛ばして!!」

プテラ「プテー!!」バサッ


ブオン!!


モヤヤ……

ライチ「……よし!霧が散ったわ!今の内に辺りの調査を……」

モヤヤ

ライチ「!!」

ライチ(そんな……!きりばらいで散ったハズの霧がこっちに向かって襲いかかってくる!?)

モヤヤ

ライチ「…………くっ!プテ……」チラッ

ルガルガン「zzz」

プテラ「zzz」

ライチ「……!眠らされてる!?」クラッ

ライチ「!!」クラクラ

ライチ(ま、マズイわ……このままじゃ私も……)フラフラ

ライチ(………うぅ……意識……が……)ウトウト

バタリ

ライチ「zzz」


オオオ………

ライチ「……うぅ…」パチッ

ライチ「……ここは……?」キョロキョロ

ルガルガン「ガルッ」ムクリ

プテラ「プテー」ムクリ

ライチ「……ドア以外は何も無い部屋……てことは…私、神さまのイタズラにハメられたのね?」クッ

ライチ「……油断したわ。ミイラ取りがミイラになるとはこのことね!」

ライチ「……とにかく、何とかこの部屋から脱出する方法を…」キョロキョロ

「あーっ!!」

ライチ「……え?」

ザオボー「貴女はー!!」

ライチ「!?」

ライチ「うぇ?……え?あなた、確かエーテル財団の……」

ザオボー「いやぁ!助かりましたー!霧で眠らされたと思いきや、気づけばこの部屋に閉じ込められていてどうしようかと…」ハハハ

ライチ「は、はぁ……というか、何でこの部屋に…」

ザオボー「えー、コホン!実はですね?これには深いワケがありまして…」

ライチ「あ、はい…」

ザオボー「実は…このアーカラ島には神さまのイタズラなどという怪しげな噂がありまして…まぁ、実際に今現在我々がおかれているこの状況のことなのですが」

ライチ「それで?」

ザオボー「ルザミーネ代表が昼間に、リーリエ嬢ちゃんたちウルトラガーディアンズにこの神さまのイタズラの解明をお願いしたのですが…どうやら解明できなかったみたいなので…」

ライチ「……代わりにあなたがここの調査にきた、と」

ザオボー「そういうことです!代表はこの天才、ザオボーに嬢ちゃんたちの尻拭い……いえ、この超難度現象を解明せよ!と言われたのです!」

ライチ「なるほど、それでその調査の途中で霧に眠らされてこの部屋に来たということね?」

ザオボー「くっ!私ととしたことが……!一生の不覚です!」

ザオボー「して、島クイーンである貴女は何故ここに?」

ライチ「まぁ、だいたいあなたと同じ感じね」

ルガルガン「ガルッ」

ザオボー「しかし!貴女と一緒に閉じ込められたのならば心強い!」

ザオボー「この天才ザオボーと島クイーンである貴女が組めば怖いものはありません!早急にこの部屋から出て、そのイタズラ好きの神さまとやらにお仕置きしてやるのです!」

ライチ「そ、そうね…(まぁ、私たち二人ともその神さまにハメられたからここにいる訳だけど…)」

ルガルガン「ガルッ!」クイッ

ガタッ

ライチ「ん?それは?」

ザオボー「……どうやら何か書いてあるようですねぇ?もしや、ここから出る条件とか……?」

ライチ「……えーと、なになに?」フムフム

『キスしないとこの部屋からは出られません』

ライチ「………」

ザオボー「キス……?ですと?フンッ、この程度の条件を私たちに出してくるとは……我々もナメられたものですねぇ?」

ザオボー「さぁ!早く私とキスをしてこの部屋から……」

ライチ「……えーと////」モジモジ

ザオボー「? 何ですか?」

ライチ「その…////」モジモジ

ライチ「チェンジで」

ザオボー「は?」




おわり

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