千早「D/Zealってなんなのよ・・・」 (29)


千早「あぁ、ドイツの技術者が発明した往復ピストンエンジンだったかしら」


春香「それはディーゼルだよ」


千早「それなら、某夢の国にいるアヒルのガールフレンド?」


春香「それはディジーダックね」


千早「じゃあ・・・・・・ネオ・ジオンのMS!」


春香「それは○○・ズール。千早ちゃん、そろそろ苦しいよ・・・」


千早「最近、野々原さんと麗花さんにボケの何たるかを教えてもらってるのよ」ドヤ


春香「(だから最近茜ちゃん疲れ切ってるのか・・・)」



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千早「それでその、でぃずぃーる?って何なの?」


春香「うん、シアターのみんながこの前横須賀でイベントやったでしょ?その時に発表された新しいユニットのこと」


千早「そうだったのね。その日は別の仕事で行けなかったのだけれど、春香は観に行ったの?」


春香「うん!すごく盛り上がってたよ!」


千早「良かったわね」


春香「それでそのD/Zealのメンバーなんだけど、千早ちゃんびっくりすると思うよ~?」フッフッフ


千早「?」


春香「そうだ!タイムシフトで予約してあるからこれから見てみようよ」


千早「タイ虫・・・?春香、今は虫の話よりもでぃずぃーるの話を・・・」


春香「(これは多分ボケじゃなくて素だろうなぁ)」




琴葉・桃子・瑞希・紬・このみ『最後~にしてあ・げ・ま・しょ・う~』


千早「ラスト・アクトレス、いい曲ね。サスペンス調のメロディーラインに5人の高音ユニゾンがマッチしてて気持ちいいわ」


春香「そうだね。あっ、D/Zealこの次だよ!」


ジュリア『やるに決まってるだろ!?プロデューサー!』


静香『そんなの・・・聞くまでも無いじゃないですか。ジュリアさんとのデュオだなんて、嬉しいに決まってます!』


千早「!!?」


ジュリア『悪いな二人とも。もうあたしにはサイッコーの相棒がいるんでね。なっ?シズ』


静香『二人の歌・・・』


千早「なっ・・・えっ・・・?」


ジュリア『それだけじゃだめなんだ。二人でどう歌うか・・・。どんなロックにするか・・・。イメージを合わせないと』


静香『そんなの当たり前じゃないですか!私だって・・・二人できちんとこの曲に向き合いたいです!・・・でも、私・・・』


千早「静香・・・それと、ジュリアの・・・」


ジュリア『あたしにとってのロックとも違う。シズは・・・、多分・・・もっと』


静香『でも一つだけ、分かったことがあります。・・・それは、あの・・・』


千早「デュオ・・・・・・?」


千早「お疲れ様でした・・・。お先に失礼します・・・」


小鳥「千早ちゃんお疲れ様~。気をつけて帰るのよ~」


千早「はい・・・」


春香「千早ちゃん待って!一緒に帰ろう?」


千早「ええ・・・」


春香「いや~、凄かったねD/Zeal!私、何度も鳥肌立っちゃったよ!まさか歌の上手いあの二人のデュオだなんてね~。流石はプロデューサーさん!」


千早「・・・」


春香「・・・千早ちゃん、どうかしたの?感謝祭の動画見てからなんか変だよ・・・?」


千早「・・・何でもないわ。じゃあ、また明日」タッ


春香「あっ!・・・行っちゃった」


千早「(実際私は、二人のデュオを見てから、ずっと形容しがたい感情を抱えていた)」


千早「(D/Zealの曲、ハーモニクス・・・。その名の通り、二人の歌声が響き合って・・・)」


千早「(静香・・・上手くなったわね。私とアライブファクターを歌ったときはまだまだ荒削りで自分よがりな歌い方だった。私も躍起になってぶつかっていったら、『ボーカルで殴り合ってるみたいだ』なんてプロデューサーには言われたっけ)」


千早「(あのときはとても楽しかった。静香となら、私もまだまだ自分の限界を引き出せる。もっと・・・もっと静香と歌っていたい、って)」


千早「(ジュリア・・・あの感情の乗せ方は流石ね。思えば、同い年で音楽について語り合える仲間はあなたくらい。ロックについての造詣の深さはもちろん、音楽にすべてを委ねられる精神、尊敬してる)」


千早「(いつからかしら。尊敬するあなたと一緒に歌ってみたいと思い始めたのは。エターナルハーモニーの5人ユニットじゃ満足出来ない・・・。私にとっての静香がそうであったように、私なら、あなたの限界をもっと引き出せる・・・)」


千早「・・・そっか。この気持ちは・・・」


伊織「つまり嫉妬してるってことでしょ」


千早「・・・くっ!」


伊織「嫉妬ってほど醜い感情じゃないにしても、『一緒に歌いたかった二人と自分はユニットを組むことが出来ず、その二人がユニットになるなんて悔しい!でも歌は最高だったから余計に複雑!』ってとこでしょ」


千早「水瀬さんはなんでもお見通しなのね・・・」


伊織「アンタの思考なんて単純で読みやすいもの。全く、事務所についた途端湿気くさいオーラ放ってるやつがいたからこの伊織ちゃんが相談にのってやったのに、アンタこんなことも自分で分からないワケ?」


千早「いえ、一応、自分の中でも嫉妬に近い感情なんだろうな、とは思ってたのよ。ただ、客観的な見解も聞きたかったというか」


伊織「はいはい。それで、あんたはこんなとこで何してるの?」


千早「え?」


伊織「遠距離恋愛してるわけでもなし、言いたいことがあるなら直接あの二人に言いに行けばいいじゃない」


千早「いえそれは・・・」


伊織「自分のキャラじゃないって?それとも、一応先輩の身としては、後輩に嫉妬してるなんて恥ずかしいと思ってんの?」


千早「・・・・・・」


伊織「アンタほんと不器用。譲れない気持ちが芽生えちゃった時ぐらい、あっちの都合なんて考えずに言いたいこと言っちゃえばいいのよ。それが仲間でしょ。あいつのセリフを引用するのは癪だけど、『どうしたいかだけでいい』のよ」


千早「水瀬さん・・・」


未来「おはようございまーす!!」ガチャ


伊織「あら未来、おはよう」


未来「あ、伊織さんに千早さん!おはようございます!」


千早「未来、どうしてこっち(事務所)に?」


未来「はい!小鳥さんにケーヤクコーシンニカンスルショルイ?を提出してって言われてたんですけど、今日までずっと忘れてて~」デヘヘ~


伊織「アンタも相変わらずね」


未来「さてと、それじゃあ私シアターの方に行きますね!あ、そうだ!千早さん、伊織さん、一緒に行きませんか?」


千早「え?」


未来「静香ちゃんたらジュリアさんとのユニットなんて始めちゃったんですよ!私も知らなかったのに~!今日D/Zealが朝からレッスンしてるって聞いて、見にいこーかなと思いまして!一緒に行きましょうよ~」


伊織「私はいいわ。千早、行ってきなさい」


千早「でも・・・」


伊織「いいから。未来、千早のことよろしくね」


未来「?はい!」


伊織「全く世話が焼ける・・・」


ジュリア「だから違うって言ってるだろ!?」


静香「分かりませんよ!ジュリアさんの言うことは!」


未来「しーーずーーかーーちゃーーん!!」ガチャ


静香「えっ、未来?」


未来「静香ちゃんヒドイよー!どうしてD/Zealのこと教えてくれなかったのー?」


静香「ごめんなさい、未来をびっくりさせようと思って。それに・・・」


千早「あの・・・静香・・・。ジュリア・・・」


静香「ちっ、千早さん?!」


ジュリア「おっ、チハも来たのか。おはよう」


千早「おはよう。あの・・・、二人とも、なんだか怒鳴り合ってたみたいだけど・・・?」


ジュリア「あぁ聞いてくれよ。シズのやつ、何回言ってもロックが分かってないんだよ。上品すぎるんだよな」


静香「むっ、ジュリアさんだって、ロックロックって、適切な指示を出せてるとは思えませんけど?正直言って、理解不能です」


ジュリア「はぁ?ロックはロックなんだよ!資料で見たあのアイドルも言ってただろ!?『ロックだと思ったらそれがロック』って!」


静香「私はもっと表現の幅を広げたいって言ってるんです!あ~あ!だから未来には言いたくなかったのよ。こんな成功するかも分からないユニットのことなんて!」


ジュリア「なんだと!」


静香「なんですか!」


千早「ちょ、ちょっと二人とも・・・」


ジュリア「・・・・・・・・・」


静香「・・・・・・・・・」


ジュリしず「「解散だ(です)!!」」


千早「えっ」


未来「えー?D/Zeal解散しちゃうのー?」


静香「えぇ。このユニットに未来を感じないわ」


ジュリア「気が合わないんだよ。ったく、プロデューサーもなんであたしらを組ませたんだか」


千早「(大変なことに・・・。でも、このまま二人が解散したら私がユニットを組めるかも・・・。でも・・・)」


静香「プロデューサーに話してきます。もうやっていけないって」


ジュリア「あぁ。次はもっと話が分かるやつと組みたいって伝えておいてくれ」


千早「あの、二人とも・・・」


ジュリしず「「なんだよ(ですか)」」


千早「やっぱり・・・、静香がDでジュリアがZealなのかしら?」


じゅりしず「「えっ」」


千早「『秘めた熱意』とか、『熱中する』とか、Zealはジュリアにぴったりな単語よね。となると、静香がDになるんだけど、これはいったい・・・。まさか・・・くっ!」


未来「えー?静香ちゃん絶対Dも無いですよー!」ケラケラ


静香「ち、千早さん・・・?」


ジュリア「チハ、お前なに言ってんだ・・・?」


千早「あと、ハーモニクスって曲名も良いわよね。若干Eternal Harmonyとかぶってる気もするけど・・・あっ、いえ何でもないわ!カタカナでシンプルなタイトルもカッコいいとおもうわ。アライブファクターを彷彿とさせる・・・あっ、そうじゃなくて!」


静香「千早さん、もしかして・・・」


ジュリア「あたしらをフォローしようと・・・?」


千早「(確かに二人と歌ってみたいという気持ちは嘘じゃない。でもそれ以上に、今はD/Zealの未来をもっと見てみたい。絶対解散を阻止して見せる!)」


静香「ジュリアさん」


ジュリア「あぁ。なぁチハ。あたしらのレッスン、見ていってくれないか?」


千早「え?」


静香「率直な意見を聞きたいんです。・・・私達が尊敬する、千早さんの」


千早「!ええ!」


千早「(それから私はレッスンを見学して、思いつくままにアドバイスをしました)」


千早「(その間、二人は何度も衝突しました。でも私は、自分の信念に妥協しない二人がむしろ羨ましくもありました)」


千早「(私のアドバイスが役に立ったかは分からないけれど、結局二人はD/Zealを続けていくことを約束してくれました。良かった・・・)」


千早「(レッスンの終わりに、二人は私をライブに招待してくれました。私はその日のうちに福岡行きのチケットと宿を予約しました。今からとても楽しみです)」


千早「(二人の曲が収録されている『THE IDOLM@STER MILLION THE@TER GENERATION 12 D/Zeal』は2018年12月26日発売です。是非、お手にとって聞いてみて下さい)」


千早「(では、来年6月29日にマリンメッセ福岡でお会いしましょう)」




春香「『千早ちゃんは二人に忘れられていた訳ではないよ、良かったね』というお話でした」


オワリダヨー(●・▽・●)
D/Zealの二人にはめちゃくちゃケンカして欲しい・・・
して欲しくない?

【追記】
サイトのバグ+自分の無知で、
Rの方にスレ乱立させて申し訳なかったです

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