【デレマス】デファクトスタンダードの告白 (16)

―その日、俺は担当アイドルから告白を受けた



「プロデューサーさん、だぁいすきです」

―これが幼少組なら意思表示の一つとしてとらえるところではあるし、酔っ払い組ならただの酒の席の冗談にも取れる

―また、ライブ直後で興奮覚めない中であるなら勢い余ってという理由で、まだわからんでもない

―……現に、クール部門の同僚は担当からそのような告白を受けたといっていたし

―だが俺は

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短めのお話です

こちら、独自の設定がありますので、よろしくお願いいたします

「うーん……」



チーン

かな子「あ、愛梨さん。何か焼けましたよ」

「うーん」

かな子「愛梨……さん?」



愛梨「あ、かな子ちゃん。どうしたの?」

かな子「あ、いっけなーい。パンプキンチーズケーキを焼いていたんだった」

イソイソ

ガタガタ

かな子「わぁ……いい香り」

愛梨「うん。いい感じ」

「「ごちそうさまでした」」

カチャリ



愛梨「ふぅ、おいしかった。これならハロウィンの本番も大丈夫かな?」

かな子「はい、ばっちりかと思います」

かな子「……で、何か悩みでもあるんですか?」

愛梨「う、え!?私?」

かな子「はい。……部屋に入ってきた時、オーブンとは違う方を向いて悩んでいましたから」

愛梨「えーと……」

愛梨「笑わないかな?」

かな子「え……えっと」



かな子「スリーヴレッジカナコ、頑張ります!」ダブルピース





愛梨「ぷぷっ」

かな子「ひどいですよぉ~」

愛梨「あははは……ごめんね」

愛梨「あははは……」



愛梨「その……そのね……私」シドロモドロ

かな子「はい……」ドキドキ



愛梨「プロデューサーさんに……その」



愛梨「大好きだって……その伝え……え?かな子ちゃん?」

かな子「よいしょっと、じゃあケーキありがとうございました」

愛梨「その、まだ話はまだなんだけど!」

かな子「えー……でも、普段からパッションのプロデューサーさんとなら、仲がいいじゃないですか」

かな子「よくスキンシップ取ったり、ケーキを焼いてきたり、見ている限りで、あの空間に入れないぐらいなことをしてますし」

愛梨「わ、わ、私、そんな事を!?」

かな子「はぁ……自覚がないんですね」

愛梨「でも……でもね。ちゃんと言葉にしては……その」

かな子「そういうことですか。……たしかに改まって何かを言うときって緊張しますからね」

愛梨「うん……」

かな子「でも……そういう時はやっぱり」

かな子「お菓子ですよ!」







―私こと十時愛梨はいわゆる初代シンデレラガールだ

―ただ、最近は時に騒がれてもない、ただの称号付きの存在

―でも今のプロデューサーさんは……そんな過去の事は関係なく接してくれました

―だからかな……尊敬や憧れから自然に好きって思えるようになったのは

―だからハロウィンの日に告白しました

『だぁいすきです』

―って。目の前で言ったから、ちゃんと伝わったと思います

―あ……思い出しただけで熱くなっちゃいましたヌギヌギ



―でも……二人の関係はあまり変わってません





愛梨「プロデューサーさぁん」ダキッ

モバP(以下P)「おいおい、愛梨。当たってるぞ」

愛梨「当ててるんだもーん」ボミュポミュ





藍子「……」荒猛怒

芳乃「……」メラメラ

美嘉「……」ギスギス





P「やっぱり俺の命の危険が危ないからどいてくれ」

愛梨「えー」

P「まぁ、『さよならアロハ』も好調だし、今はまだ落ち着いてられるけど、もしかしたらまた4期があるかもしれないんだぞ」

愛梨「はぁい」







P(まったく……人の気も知らないで。こっちは息子を抑えるのに必死なんだぞ」ゴソゴソ

早苗「息子さんがどうかしたのかな?」

P「……」

P「ま、待っ」

早苗「ぎるてぃ」



ギャー

早苗「で、P君も急に愛梨ちゃんのことを意識し始めたのはどういうわけ?」

P「ぐっ……」

P「長いですよ」

早苗「今のイベントはお姉さん関係ないもんね」

P「はぁ……まず、俺がここに入ったきっかけが……その愛梨のシンデレラのそれを見たことなんですよ」

早苗「あら?一ファンだったの?」

P「元々社員ですよ……手伝いに行かされて。で、ステージで偶然にね」

早苗「ふぅん……愛梨ちゃんは知ってるの?」

P「早苗さんだけですよ……多分気持ち悪いって思われますし」

早苗「あははは!そんなんであの子は気持ち悪いってなんて思わないわよ!」

P「ですかねぇ……で、プロデューサーになれて苦節数年、ようやく愛梨の担当になったと」

早苗「時間の話はやめなさい。メタいわよ」

…………
……

―約二時間後

P「それでハロウィンの時に『大好き』って会話の一部みたいに言われて……」

早苗「ふんふん、それで」

P「今まで言葉で好きって言われたことがなくて……その……つまり」

早苗「余計にお熱になっちゃったと」





P「指輪まで買ってしまいました……一年分ですよ」キラッ

早苗「うわぁ……」

P「やっぱり引きますか……キモいですよね。今度の土曜日でも、ちょっとスカイツリーの眺めを空から見てきます」ガタッ

早苗「ちょっとぉ!」

早苗「でも……ま、あの愛梨ちゃんだしね」

早苗「とりあえず何かおっきな仕事を取って来て、それを成功させてからとかにすればいいじゃないのかな?」

P「おっきな……」

早苗「で、終わった後に呼び出して……ベタかもしれないけど、告白すんのよ!」

P「はぁ……」

早苗「どうしたのよ、しっかりしなさいよ!」バシバシッ

P「痛っ!痛いですよ!」

早苗「そんな後ろ向きじゃ、愛梨ちゃんはついてこないわよ。ただでさえ天然なんだからぐいぐい引っ張らないと!」

P「……」

P「はい!」

P「なら、書類届けにひとまずテレビ局まで行ってきます!」タッ



早苗「いってら~」



早苗「はぁ……」

藍子「いいのですか?」

早苗「……何が?」プイッ

美嘉「早苗さんも……プロデューサーを」

早苗「……若い子はまだいるわよ」

芳乃「……心殿もそういっておられましたー」

早苗「…………」

早苗「あんたら未成年には迷惑をかけられないからね」







―その日の飲み会が荒れに荒れたのは、薫が引退するぐらいの後々まで語られることになる

―というわけでライブ当日

愛梨「よーし、頑張ってきますね」

P「おう」ゴト

P「おっとっと」

ポロリ

P「あっ!」

愛梨「ふぇ……この箱は?」

P「愛梨!開けたら爆発するぞ!」

愛梨「ふわぁっ!?」

パカッ

愛梨「え……指輪……名前が?」



愛梨「嘘……そんな……」ポロポロ

P「あー、本当はだな」

愛梨「嬉しいです!」ダキッ

P「そのな……本当は終わってから言う予定だったが……その」

P「愛梨。結婚を前提に付き合ってほしい」



愛梨「はい!!」

愛梨「……」





愛梨「あ、熱くなってきました」ヌギヌギ

P「あ、愛梨さん!今からライブだって!」

P「それに……今脱いだら、最後まで」





愛梨「じゃあ、帰って来たら最後までお願いします!」

P「う、うん……」

―なお、指輪をはめたままライブに出てしまい、プロデューサー共々怒られるのも後の話である



~Fin

はい、ありがとうございました



なぜか由愛に霧子と愛梨が仲良く出てきましたので……

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