モバP「向日葵みたいなその笑顔で」薫「せんせぇ!」 (91)

7作目です。SS速報が復活したので、こちらで投稿することにしました。
よろしくお願いします。

過去作

Pとキュートな女の子たちシリーズ

モバP「未来のお嫁さん?」響子「はい!」
モバP「未来のお嫁さん?」響子「はい!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1535429182/)

モバP「懐かしのお隣さん」美穂「お、お兄さん!?」

モバP「僕は魔法使い」卯月「私がシンデレラ?」

モバP「癒しの休日」ゆかり「ふふっ…♪」

モバP「白詰草に想いを込めて」智絵里「見捨てないで…!」

リトル・ハッピー・デイズシリーズ

モバP「アイドル?」千枝「千枝をオトナにしてください!」

誤字修正完全版
https://www.pixiv.net/novel/member.php?id=9350076

俺の父は小学校の先生だった。父は悩んでいる子がいれば、誰よりも親身になって話を聴いてあげていた。
落ち込んでいる子がいれば、その子が元気を取り戻すことができるよう励まし続けた。

担当クラスの子供たちだけではなく、保護者の方々や同僚の先生たちなど、たくさんの人から慕われていた父。
俺はそんな父のことを誰よりも誇りに思っていた。
いつしか、父のように、誰かの為に頑張ることができる立派な先生になる…それが俺の“夢”だったんだ。

~7年前 とある居酒屋~
「「「「「かんぱ~い!」」」」」カチーン

月末の仕事終わり、俺は346プロ 第1~3芸能課合同プロデューサー報告会に参加していた。

第1A「みなさん、今月もお疲れ様です」

第1B「いや~、ここ1ヶ月よく頑張ったよなぁ、俺達!!」グビッグビッ

第1C「流石に全員集合というわけにはいかなかったが…まぁいいだろ」

P「そのっ!本日はこうして報告会に参加させていただき、ありがとうございます!」

第1B「なにいってんだよ~所属は違えど、同じ346の仲間じゃないか。もっと肩の力抜けって!」プハーッ

第1A「そうだよ。先輩っていっても、入社時期にそう差はないんだからさ」

第1C「ま、報告会なんてのは建前で、実質ただの飲み会だしな」

P「いえっ!俺、みなさんにはたくさん学ばせてもらってますから!ぜひ、先輩と呼ばせてください!」

第1A「ははは、まいったな」

第1C「この中で先輩って呼べるのは、Dさんだけだと思うんだが」チラッ

第2D「俺が?俺は…先輩なんて柄じゃないさ」

第1C「なに言ってるんですか。346プロに今のアイドル部門が設立される前…旧アイドル部門が存在した頃からプロデューサーを務めているじゃないですか」

第1B「旧アイドル部門?なんだそりゃ」モグモグ

第1C「社長がシンデレラプロジェクトを発足する前に存在した部署さ。そこが解体されて、現在の第1~3芸能課ができたんだ。Dさんはそこに所属するプロデューサーだったんだよ」

P「そうなんですか!?すごいなぁ…大先輩じゃないですか!」

第2D「そんな大それた人間じゃないよ。俺は」

第1C「謙遜しないでください。Dさんはあの高垣楓をトップアイドルに導いた経験があるじゃないですか」

第1A「高垣楓!?まさか、Dさんが彼女の担当プロデューサーだったなんて…」

第2D「……昔の話さ」

第1B「ええっと…誰だっけ、その人」グビッグビッ プハーッ!

P「えっ!知らないんですか!?プロデューサーなのに!?」

第1B「がはっ」グサッ

第1C「高垣楓。“神秘の女神”の異名を持つ、346プロ原初のアイドル。アイドル史を塗り替えた伝説的歌姫のひとりだ」

第1A「でもたしか、高垣さんって今、活動休止中だったよな。今も346所属なのかな」

第1C「噂によれば、限られた人間にしかその存在を知らされていない、“第0芸能課”に所属しているということだが…眉唾な話だな」

P「へぇ~実際の所はどうなんですか?Dさん」

第2D「…さてね、俺は彼女がランクSに達する前に担当を降りたからな。その後のことは知らないよ」

P「何だ…残念」

第1B「ふっ、女神度なら俺の新人アイドルも負けてないぜ?」

P「ええっと…たしか、新田美波さん…でしたよね」

第1B「そうっ!現世に蘇った清楚すぎるヴィーナス!美波だ!そして、いつもニッコリ笑顔のフローラル夕美ちゃん!二人が合わされば…強靭!無敵!最強!ワハハハハハハ!!」

P「強靭、無敵、最強って…女の子を指す言葉じゃないですよね」

第1A「待てっ!確かに新田さんや相葉さんも素敵なアイドルさ…だが、一番は僕の担当アイドルだ!!響子はいつも明るくて、優しくて…ずっと傍にいたい最高のお嫁さんアイドル!美穂は恥ずかしがりやだけど、いつも一生懸命で…ずっと傍で応援したくなる超絶キュートなアイドル!二人なら、トップアイドルも夢じゃないはずだ!」

ギャーギャー ワーワー

第1C「また始まったか…こいつら、自分の担当アイドルのことになると周りが見えなくなるからな…」

P「でも、それだけ自分の担当アイドルのことを大切に思っているってことですよね!やっぱり一流だよなぁAさんとBさんは。俺も見習わないと!」

第1C「えっ」

第2D「……」

第2D(俺も…次こそは……三船さん…)

先輩達との会話はすごく楽しくて、宴は朝まで続いた……

第1A「う~ん…響子…美穂…そんなにくっついちゃ…ダメだって……」ムニャムニャ

第1B「ヒィイ…!鬼、悪魔、チヒロォ…!」ウゴゴゴ

P「う~ん…シャチョー…オンドゥルルラギッタンディスカー…」スー

第1C「またこのパターンかぁっ!」ウガー!

第2D「ははは…」

~公園~
P「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……」

営業先からの帰り、俺は思うように仕事が取れず、すっかり自信喪失していた。

P「絶対に取れると思ってたんだがなぁ…」

アシスタントさんとの特訓のおかげで、プロデューサーにはなれた。だが、それはあくまでもスタート地点に立ったに過ぎない…
まだまだ未熟な自分ではそう簡単にはいかないのだ。

P「負ける気がしねぇ…なーんて、今の俺じゃ絶対に言えない…なっ!?」ガッ

石に躓き、転びそうになるのをすんでで耐える。

P「ふ~…危うくファーストキスの相手が地面になるところだったぜ…って、ウェ!?」

気が付けば、手に持っていたカバンの中身が飛び出していた。

P(ああああああ!カバンのチャック閉めるの忘れてたぁ!!)

P「トホホ、ツイてないなぁ…俺」ガックシ

しゃがみ込み、地面に散らばった書類を拾い集める。情けない成人男性の姿がそこにあった。

P(千枝はアイドルとして毎日メキメキと成長しているというのに、それに比べて俺は…)

P「はぁぁぁぁぁぁ……」

「あれー、どうしたの?だいじょうぶー?そんなとこにしゃがんで…おなかでもいたいのー?」

P「え?」

頭上から声が聞こえ、顔をあげる。そこには女の子が立っていた。
赤と黄色の髪留めをした茶色のショートヘア、赤色のシャツに緑色のジャケットを羽織り、ハーフパンツを履いている。
小学生だろうか。

P「あっ、いや全然平気!元気一杯っ」ニカッ

少女「よかったー!おなかいたいんじゃないんだね!あ、でも、どうしたの?だんごむしのマネ?」

P「ダ、ダンゴムシ?違う違う、ちょっと大事な書類を落としちゃってね。拾っているところなんだよ」

少女「そっかー。おしごとのしょるいをおとしちゃったんだ。…じゃあ、かおるも拾うのてつだってあげよっかー?」



P「ふぅ、集めきったぜ…」

少女「ぜんぶひろえた?でも落とし物なんて、オトナなのにおっちょこちょいなんだね!『げーのーじむしょ』の人なのにだいじょうぶなの?」

P「ウェ!?ど、どうしてそれを!?」

少女「あのね、かおる、前にテレビででたことがあるんだ!ママといっしょに、こどもばんぐみとか、インタビューとか!そのときに、このめいし、みたことあるよ!」スッ

P「あ、俺の名刺」

女の子に346プロの名刺を見せられる。シンデレラプロジェクトのロゴマークが書かれたデザインの名刺…確かに記憶に残りやすいかも。

P「ありがとな、拾ってくれて」

少女「えへへー、どういたしまして!」ニパッ

P「!」

P(こ、この子…かわいいっ…!)ティン!

千枝を見つけた時と同じ感覚が蘇る。トップアイドルの卵を見つけた時のあの感覚!

P「き、君!突然だけど、輝く舞台に立ってみたいと思わないかっ?」クワッ

少女「へ?」

P「君ならトップアイドルになれる!うん、間違いない…!どうかな?」

少女「えー、アイドル―?ホントにホント―!?あ、でもかおる、アイドルのこと知らないし…」

P「アイドルというのはね、さっき君が俺にやってくれたみたいに、みんなを元気に応援する仕事だよ!」

少女「そうなんだー。じゃあ、かおるにぴったり?あ、じゃあ、かおるにもっとアイドルのこと教えてくれる?“せんせぇ”になってよ!」

P「せ、先生?」ドキッ

少女「うん、せんせぇ!だってスーツをきたオトナの人って、せんせぇってかんじじゃない?」

P「あ~ たしかにそんなイメージあるな」

少女「じゃあ、家に帰ってママにそうだんしてみるね!この名刺、もらってもいいー?」

P「ああ、構わないよ」

少女「やったー!それじゃあさっそく・・・」

P「あっ!その前に君の名前を教えてくれないか?」

薫「なまえ?りゅうざきかおるですっ。ねんれいは9さいで、小学3年生なんだー」

P「薫ちゃんか…いい名前だな!」

薫「えへへ、ありがとうございまー!」

P「俺の名前はP。薫ちゃん、よろしくな」

薫「うん!Pせんせぇ、よろしくおねがいしまー♪」タッタッタ

P「ああっ!……行ったか」

彼女の笑顔に魅力を感じ、勢いでスカウトした俺。落ち込んでいたことが全て吹き飛んじゃうくらいの幸運だった。

P「先生…か」

~レッスン場~
P「ということがあったんだ」

事務所に戻り、数時間後、千枝のレッスン終了時間になったので、俺はレッスン場に千枝を迎えに来ていた。

千枝「へぇ~ そんなことがあったんですか…」

P「ホント笑顔が魅力的でな?まるで向日葵みたいな女の子だった!まだ所属が決まったわけじゃないけど…また会えるといいなぁ」

千枝「……むー」

慶「お、お疲れ様です!プロデューサーさん」

P「あっ、ルキトレさん。お疲れ様」

千枝と会話していたところ、慶さんがやって来た。先日からトレーナーに就任することになったらしく、みんなからルーキートレーナー…訳してルキトレさんと呼ばれていた。
レッスン場で以前再会した際は、突然の出来事だったので、俺と慶さん、互いに驚いていた。
明さんや聖さんと苗字が同じだったのでもしやと思っていたが…まさか本当に姉妹だったとは。

P「最近、千枝も一段とアイドルとして成長したみたいなんだ。これもルキトレさんのおかげさ!ありがとう」

慶「い、いえっ!私なんて、姉たちに比べたらまだまだで…」

P「そんなことないって!千枝だって、ルキトレさんとのレッスンはいつも楽しいって言ってたし、もっと自信を持っていいと思うぞ!な、千枝」

千枝「はいっ!ルキトレさんとのレッスンはいつも楽しくて、ためになって…千枝、ルキトレさんのレッスン、好きです!」

慶「あ、ありがとう…ございますっ!」テレテレ

慶「と、ところで、プロデューサーさん、新しく女の子をスカウトしたみたいじゃないですか。どんな子なんです?」

P「ああ、龍崎薫って子なんだが、明るくて、素直で、誰かの為に一生懸命になれる素敵な女の子だったよ!もし担当することがあったら、その時はよろしく頼むな!……まだ所属が決まったわけじゃないけど」

慶「大丈夫ですよ!薫ちゃんもプロデューサーさんのこと、好きになってるはずですっ。きっと来てくれますよ!」

P「へ?薫ちゃんも?」キョトン

慶「え?…あっ//」

慶「ち、ちちちちちがいます!薫ちゃんもっていうのは、その、Pさんがアイドルの子に慕われているということで、えっと、べ、別に、私がPさんのこと好きってわけじゃ……ない訳でもないですけど…」ごにょごにょ

P「ル、ルキトレさん!?お、落ち着いて」

慶「ううう///」

千枝「…」

千枝(やっぱり、プロデューサーさんとルキトレさん、仲良しだな…どういう関係だったんだろう…)もんもん

千枝(千枝も…もっと、もっと、プロデューサーさんと……)

P「でもそっか…ルキトレさんの目からみても、仲良く見えますか…!千枝はどう思う?」

千枝「ち、千枝ですか!?ぷ、プロデューサーさんのことは…だ、だいすき…です」カアァ

P「そっか!いや~嬉しいなぁ。俺も千枝のこと、大好きだぞっ!!」なでなで

千枝「あっ…えへへ///」

慶「…」

慶(やっぱり、Pさんと千枝ちゃん、仲いいんだ…羨ましいな…)もんもん

慶(って!私、なに小学生の女の子相手に嫉妬してるの!?)ブンブン

次の日、薫の母親から連絡があり、無事、薫は346プロ 第3芸能課の一員として迎えられることになった。
新たな担当アイドルのプロデュース…頑張るぞっ!

公園でスカウトされて、アイドルになった私。正直なところ、最初の頃はアイドルがどういったことをするのかよく知らなかった。
歌ったり、踊ったり、演技したり…すごく大変だった。でも、学校の音楽や体育の時間は好きだったから、レッスンも楽しかったんだ!
私、アイドルになって本当に良かったと思う!新しいお友達やトレーナーさん達、そして…先生に出会えたから。

~撮影現場~
薫「今日はせんざい写真?のさつえい、おねがいしまーっ!うわぁ、人がいっぱいだぁ…」

カメラマン「はいっ♪よろしくね。それじゃあ、撮るよ~?」

薫「う、うん…」カチコチ

P(薫…頑張れっ!)グッ

今日は薫の初仕事、宣材写真の撮影に来ていた。薫の明るくて元気な姿をみんなに見せて欲しい。そう思っていたんだが…



P(ううむ、表情が硬いな…)

カメラを向けられることで緊張してしまい、自然な表情が出せなくなっているんだろう。

カメラマン「薫ちゃ~ん、もっと笑顔笑顔~」

薫「こ、こうかなぁ…?」

カメラマン「薫ちゃん、表情が硬いよ~?」

薫「え、え~と…」アセアセ

カメラマン「う~ん、少し休憩しよっか」

薫「ご、ごめんなさい…」

P「………」

さて、どうしたものか…



P「カメラマンさん、少しお時間よろしいでしょうか?」

カメラマン「あっ、プロデューサーさん」

P「すみません、薫、どうやら緊張してしまって自然な表情が出せなくなっているみたいで…」

カメラマン「そんな…謝らないでください!薫ちゃんが緊張しちゃっているのは私の責任です…被写体の子がリラックスして撮影できるように場を整えるのは、カメラマンの役目ですから…」

P「カメラマンさん…ありがとうございますっ。優しいんですね」ニコッ

カメラマン「ふえっ!?…そ、そそそそんなことないです。ふ、普通ですよっ、あはっ、あははは!」カアァ

P「…あの、カメラマンさん。俺に考えがあるんですけど…」

カメラマン「?」



P「おつかれ、薫」

薫「あっ…せんせぇ……ごめんなさい…かおる、うまくニコニコできなくて…カメラマンさんにめいわくかけちゃった…」シュン

P「大丈夫!まだまだ時間はあるし、あんまり落ち込まないで、な?」

薫「うう…せんせぇ…。どうしたらいいか教えて?」

P「…薫。今から少し、遊ぼっか!」

薫「え…?」

~外~
薫「ホントにだるまさんがころんだするのー!?わぁーいっ♪かおるがオニやるからね!じゃあ、いっくよー!」

P「おうっ!」

カメラマン「ば、ばっちこいです!」

薫「だーるまさんがころんだっ!」クルッ

P「ほっ」ピタッ

カメラマン「むむむ」ピタッ

薫「だーるまさんがころんだっ!う~ん、みんなうごかないねー。じゃあ…もういっかい!だるまさんがー…ころんだ!」

P「あっ」ユラッ

薫「あーっ!せんせぇ、うごいたーっ!かおるの勝ちー!」

P「あちゃー、負けちまったか」

薫「えへへっ♪」パシャッ!

カメラマン「シャッタ―チャンス、いただきましたっ!」

薫「おおー!そういうことー!でも、せんせぇとカメラマンさんうごいたから、こっちだよー!せんせぇはかおると、手つなぐんだよー!はいっ!」

P「ははは!」

カメラマン「……」

カメラマン(プロデューサーさん…これを見込んで…すごいなぁ。アイドルのこと、しっかり理解しているんですね…!私も、もっと頑張らないと!)



P「今日はすみませんでした。カメラマンさんには、いろいろとご迷惑をおかけしてしまって…」

カメラマン「いえいえ!そんなことないですっ。薫ちゃんとの撮影、楽しかったですし…それに、いろいろと勉強になりました!相手の子の立場に立って、ものを考えるのが大事なんですよね」

P「あははっ、そう言ってもらえると助かります!…やっぱり、優しいですね。カメラマンさん」

カメラマン「も、もうっ!からかわないでください///」

P「そんなことないです、すごく…素敵だと思います」ニコッ

カメラマン「~~~っ///」

P「今日は本当にありがとうございました」

カメラマン「あ、あのっ!よ、よろしければ今度、わ、私と…!」

薫「せんせぇー!」ガバッ

カメラマン「」ビクッ

P「うおっ、薫!いきなり飛びついちゃ危ないだろ~」なでなで

薫「えへへー♪」ギュゥ―

薫「カメラマンさんも、今日いっしょに遊んでくれて、ありがとうございまー!と~っても、楽しかったですっ!」

カメラマン「う、うん!私も楽しかったよー!あはは、あはははっ」アセアセ

P「?」

こうして、薫の初仕事は大成功に終わった。……カメラマンさん、何を言いかけてたんだろう?

すみません、19と20の間に入れるのを忘れていました↓



P「いや、大丈夫。こんなのすぐに拾い集めてしまうからさ!」

少女「そっかー、わっかりまー!じゃあ、かおる、おうえんしてあげるね!がんばれー、がんばれー、スーツの人―っ!」フレーフレー

P`「うおおおおお、みなぎってきたぁぁぁぁ」シュバババ

少女「うわー!はやー!!」キャッキャッ


~346プロ 第3芸能課~
薫「おっはよーございまー!」ガチャ

346プロのアイドルになって、はや1ヶ月。その間、レッスンだったり、挨拶回りだったり、デビューライブだったり…色んなことがあった。ワクワクの連続で、本当に素敵な毎日だったの!

P「ん?ああ、薫か。おはよう」ズルズル

薫「あー!せんせぇ、またカッラーメンなんて食べてるーっ!」

P「いや~、今日の昼、何も食べていなかったからさ。少し遅めの昼ごはんだよ。」

薫「せんせぇ、いつもカップラーメンばかり食べてるよー?ちゃんとしたごはんを食べないと、病気になっちゃうよー!」

P「うっ、その通りなんだけどさ、仕事が忙しくて…インスタントは手軽だからつい…な。味もまあまあいけるし」

薫「でも~……」

P「大丈夫だって!俺はこんなにピンピンしてるし。それに、担当アイドル達がどんどん成長してるんだ…俺も置いてかれないように頑張らないとな!」ニッ

先生は私たちがアイドルとしてキラキラできるように、毎日仕事を頑張っている。
でも、自分の健康に関しては無頓着で、普段からインスタント食品みたいなカラダに良くないものばかり食べる癖があったの。
そんな先生のことを、私はとても心配していた。



薫(せんせぇには、もっとおいしくて、えいようたっぷりなごはん、食べてほしいな…)スタスタ

「それでこの前、プロデューサーさんにお弁当をつくってあげたんですっ。すっごく喜んでくれて嬉しかったな~♪」

薫(おべんとう……?)ピーン

「そうなの…やっぱり、男性の方って料理上手な女性のほうがいいのかしら…?」

「美優さんは普段、料理するんですか?」

「私?私は一人暮らしだから、人並みにはできるけど…でも、誰かに手料理を振る舞ったりなんてことは、とても…」

「やっぱりそうですよね…私もです。両親が居ない時、時々弟につくってあげるくらいでしょうか」

「そんなの勿体ないです!誰かにお料理をつくってあげて、その人に美味しいって言ってもらえたら…すっごく幸せな気持ちになるんですよっ」

「そ、そう…?…私も頑張ってみようかしら…」

「なるほど…一理あるわね…」

「そうだっ。今度一緒につくってみませんか!誰かと一緒につくれば、きっと楽しいと思うんです!」

「響子ちゃんのお料理教室?いいね、勉強になりそう!」

「私もお願いできるかしら…?」

「勿論ですっ」

薫「ねぇねぇ!そのお料理教室、かおるもまぜてほしいなー!」

響子「あっ、薫ちゃん、おはようっ!うん、いいよ」

美優「薫ちゃん、おはよう」

美波「おはよう。薫ちゃん!元気そうだね」

薫「おっはよーございまーっ!」

~女子寮~
響子「それでは!今から五十嵐響子のドキドキ♡お料理教室with 女子寮。始めたいと思いますっ」ビシッ

薫「わぁーー!!」パチパチパチパチ

美波「ヒュー!ヒュー!」パチパチパチパチ

美優「い、いえ~い…!」パチパチパチパチ

響子ちゃんの作るお料理は、346プロ所属のアイドル達の間でも、とても美味しいと評判だった。
日頃から、お母さんのお手伝いをすることはあったけど、響子ちゃんに教えて貰えば、もっとお料理上手になれる…
先生に美味しいお弁当をつくってあげられる!そう考えた私は、次の休日、美優お姉さんや美波お姉ちゃんと一緒に、響子ちゃんのお料理教室に参加することにしたんだっ。

響子「私のお料理友達、匿名:フローラル花さんいわく、胃袋を掴むことこそ勝利の近道だそうです!ですので、皆さんも頑張りましょうっ」

薫「よ~し、薫、お料理がんばるぞーっ!」

美優「私も…頑張ります…!」

美波「フローラル花……いったい何者なの…?」

響子「それじゃあ、最初は…私流格言その1! 『お料理をするときは、大好きなあの人を想っちゃおう』ですっ」

響子「お料理で最も大事なのは、材料でも調味料でもない…。“愛情”という名の隠し味なのです!」ズギャーン

美波「ふむふむ…」

美優「あ、愛情…///」メモメモ

響子「自分の料理を一番に食べて貰いたい人に向けて、恋する想いをギュッと詰め込むんですよ!大好きーって」

美波「大好き…えへへっ///」にへら

美優「だ、大好き…?…Pさん…」ポー

薫「響子せんせー!しつもんがありまー!」バッ

響子「はいっ、何でしょう?」

薫「こいするおもいって、どんな感じなのー?」

響子「恋する想いっていうのはね、その人のことを考えるだけで、ドキドキしたり、ふわふわした気持ちになることをいうんだよ」

薫「どきどき…ふわふわ?」

響子「んー、自分が一番笑顔を見たい、喜んでもらいたいって思える人のことを考えればいいと思うよ!」

薫「あっ!それならわかるーっ!かおる、せんせぇにたーくさん!よろこんでほしいんだぁー♪」

響子「うんうん♪」

薫「響子せんせーもいるのー?大好きなひと!」

響子「えっ///」

薫「……」ワクワク

響子「え、え~と…うん」カアァ

薫「おぉー!」キラキラ

この頃の私は、まだ“恋する気持ち”がどういったものなのか、よくわからなかったの。
でも、大好きって気持ちだけはちゃんと理解していた。家族や友達、ファンの人達、事務所のみんな、そして…先生。
み~んな大切だったから。

~346プロ 第3芸能課~
P「………」カタカタ

薫「」コソコソ

響子ちゃん達とのお料理教室から、数日後、私は教えて貰ったお料理テクニックを駆使して、先生のためにお弁当を作ってきていた。

P「……これでよしっ」ターン!

P「ふぅ、そろそろ12時か…どうすっかな…」

薫「せんせぇ!!!」バッ

P「ウェ!?薫!?いつからそこに!?」

薫「せんせぇ、今からおひるごはんだよねっ」

P「あ、ああ…そのつもりだけど」

薫「へへー、じゃーん!!」

P「こ、これは!?」

薫「かおる、いつもいっしょうけんめいなせんせぇのために、おべんとうつくってきたんだぁ~」

P「本当か!?わぁ~、ありがとう!さっそく食べていいか?」

薫「うんっ、めしあがれーっ!」

P「いただきますっ」パカッ

P「おおっ…!色んなおかずがバランスよく入ってるな~それじゃ、最初はっと…」あーん

薫「…」どきどき

P「……」モグモグ ゴクン

薫「ど、どうかなぁ…?」

P「………薫ぅ…」ジワッ

薫「せ、せんせぇ…?もしかして、おいしくなかった…?」

P「違う…違うんだ……すごく…美味しい…!」ポロポロ

薫「え…?」

P「あたかかくて、やさしい味がする…こんなに美味しいご飯食べたの、久しぶりだ…これ、薫がつくったのか?」

薫「う、うん…響子ちゃんにおいしいごはんのつくりかたを教えてもらったの…せんせぇによろこんでもらいたくて…」

P「そっか……うん…美味しい…薫、俺のために一生懸命つくってくれたんだな…」

P「薫」

薫「せんせぇ…?」

P「ありがとう」ニッコリ

薫「!え、えへへ…そっかぁ…よろこんでもらえたんだぁ…」

P「薫って、料理上手だったんだな…!ビックリしたよ。美味しさの秘訣でもあるのか?」

薫「えっとね!自分がいちばん笑顔をみたい、よろこんでもらいたいって思えるひとのことを考えながら、想いを込めてつくるの!大好きーっ!て」

P「そうか……薫はきっと、いいお嫁さんになるだろうなぁ」なでなで

薫「――っ!」カアァ

薫(せんせぇの笑顔、うれしいなぁ……お嫁さんになれば、もっと、もっと、せんせぇの笑顔がみられるのかな…?)とくん

薫「……あれ?」

P「ん?どうしたんだ?薫」モグモグ

薫「な、なんでもないよっ!」アセアセ

P「そうか?」モグモグ

薫(いまの…なんだったんだろう…?)

ライブ前のドキドキとも違う、ハジメテのカンカク……きっと、私はこの時から、先生のことが……

アイドルになって、数年の月日がたち、私は中学生になった。その間に、色々なものが変わっていった。
この頃になると、第3芸能課所属にもアイドルやプロデューサーが増え、以前よりも賑やかになっていた。
私自身、アイドルとしてたくさんの経験を積み、様々な仕事をこなせるくらい成長していったと思う……秘めた想いに未だ気づかないまま…

~2年前 346プロ 第3芸能課~
P「いや~この前の写真集、すごくよかったぞ!」

薫「えへへ、そうかなー///」

P「ああっ!薫の天真爛漫で、元気いっぱいなところがよくでていたって、カメラマンさんも褒めていたぞ」

薫「ひとりでの写真撮影だけど、うまくいってよかったーっ!きっと、せんせぇのアドバイスのおかげだねっ♪」

P「いやいや、俺のアドバイスなんてたいしたことないよ。薫自身の魅力がこの結果を・・・」

「プロデューサーさーーん!はやく出ないと遅刻しちゃいますよーっ」

P「えっ?…うわっ、ヤバっ、もうこんな時間か!悪い、薫!千枝に呼ばれているから、俺行くな?」ガタッ

薫「あっ…う、うん…いってらっしゃい…」

「プロデューサーさーーん?」

P「はーい!今行くからー!!」ダッ

薫「……せんせぇ…」ギュッ

「寂しいですか?」ぬっ

薫「ぴゃあっ」

突然、背後から声を掛けられ、驚く。振り返るとそこには…

薫「あ、ありすちゃん…もうっ、びっくりさせないでよ~」

「おはようございます。薫さん」

薫「う、うん…おはよう」

「まったく…プロデューサーさんの時間のルーズさには困ったものです。私達のプロデューサーとして、もっとしっかりするべきですね」

薫「あはは…ありすちゃんは相変わらず厳しいなぁ…」

「貴方もですよ、薫さん」ビシッ

薫「うぇっ!?か、薫も!?」

「ええ、中学生にもなってせんせぇ呼びはどうなんですか?」

薫「そう…かな…?恥ずかしいかな?」

「薫さんも、もっとクールにビシッと決めるべきです。私のように!」

薫「えぇ…薫、パッションなんだけどな…」

薫「でも、最近のありすちゃん、本当にかっこいいよね!髪も長くて、綺麗で…」

「クール・タチバナですから」フンス!

「そしてゆくゆくは、プロデューサーさんと名前で呼び合う関係に……あっ、でもそれだとタチバナじゃなくなりますね…♡」ムフフ

薫「…ありすちゃんって、せんせぇのこと、好きなの?」

「愚問ですね…言うまでもないです!私は、プロデューサーさんのことを愛していますっ!」ズギャーン

薫「あ、愛///」

「ふふふ、プロデューサーさんの好みの女性がオトナっぽい女性であることは既にリサーチ済み……忌まわしい『成人及び結婚年齢18歳法案』のせいで計画に多少の狂いはありましたが…私はもう17歳!来年には見事ゴールインとなるでしょう!えへへ…」によによ

薫「……」

薫(薫は…どうなんだろう)

プロデューサーさんのことは好きだ、いつも優しくて、かっこよくて、頼りになる素敵なひと…でも、この想いが本当に恋なのか…まだ確信が持てなかった。

薫「オトナっぽい女性…かぁ」ボソッ

それから私は“せんせぇ”呼びを直そうと努力したんだ。突然のプロデューサー呼びに先生も戸惑っていた。でも…でも…、私だって、コドモだと思われるのは嫌だったの。



P「う~ん…………」

最近、薫の様子がおかしい。話しかけられたと思ったら、すぐに離れていくし、なぜか“せんせぇ”ではなく、“プロデューサー”呼びをしてくる。

P「もしかして…俺、避けられてる!?」ガビーン

アカン…薫に嫌われたら、俺、生きていく自信がないぞ!?

P「いや、落ち着け落ち着け、まだ決まったわけじゃない、決まったわけじゃないんだ。薫が俺を嫌うだなんてそんな、そんなことは・・・」ブツブツ

「あれ、Pさん?どうしたんですか、こんなところで考え込んで」

P「ん?ああ…君は…」

「もしかして…悩み事ですか?ダメですよ!ひとりで考えこんじゃ。困ったときは、誰かに聴いて貰わないとっ」

P「そう…だよな…うん」

「…もしかして、薫ちゃんのことですか?」

P「!よくわかったな、その通りだよ」

「やっぱり…薫ちゃん、最近Pさんと話す時、様子がおかしかったですもんね」

P「よく見てるなぁ、所属課も違うのに」

「ふふっ、薫ちゃんも大切な事務所の仲間ですからっ!あ、もちろんPさんもですよ?」

P「そっか…なら話が早い、俺、最近薫に避けられているみたいなんだ。やたらと他人行儀でさ…でも、心当たりは全くないし…」

「ふむふむ…」

P「今まで“せんせぇ”呼びだったのに、急に“プロデューサー”呼びに変わってさ…俺、薫に嫌われたのかなぁ」グスッ

「…なるほど。そういうことですか」

P「え?」

「大丈夫です、Pさんは嫌われてなんかいませんよ」

P「ホ、ホントか!?信じていいんだな!?」

「はいっ!薫ちゃんはですね・・・」



「……行きましたか」

「あっ、ここにいたのか!まったく、探したんだぞ?」

「プロデューサーさん!」

「ほらっ、はやく行くよ。みんな待ってる」

「ふふっ、はいっ!」

「?どうしたんだ、やけに機嫌良さそうだけど」

「い~え、私にも、素敵なプロデューサーがいてよかったなぁ~って、そう思ってただけですっ」

「そ、そういうこと、いきなり言うの禁止!……恥ずかしいじゃないか」カアァ

「えへへっ、だ~め」



薫「はぁ…」

薫(なんだか…最近せんせぇと、ちゃんと話せてない気がする…)

薫「せんせぇ…」ボソッ

P「呼んだ?」

薫「ぴゃあっ」

P「はっはっはっ、「ぴゃあっ」だって!」

薫「もーっ!、せんせぇ!」ポカポカ

P「いたいいたい」ニコニコ

P「…やっと、“せんせぇ”っ呼んでくれたな」

薫「…あっ///」

P「最近、寂しかったんだぞ~?“せんせぇ”って呼んでくれなくてさ。てっきり、薫に嫌われてしまったのかと」

薫「ち、違うよっ!薫、せんせぇのことを嫌いになんて絶対にならないもんっ」

薫「ただ……せんせぇにコドモっぽいって、思われたくなかったから…」ギュッ

P「……」

P「俺さ、“先生”になるのが夢だったんだ」

薫「え…?」

P「誰かの為に、一生懸命になれる…頑張ることができる立派な“先生”…まぁ、色々な理由が重なって、無理だったけどな」

P「だからさ、始めて薫に出会ったとき、“せんせぇ”って言われて…俺、嬉しかったんだ」

薫「……」

P「薫、無理に大人ぶる必要なんてないんだ。だって…」

薫「だって…?」

P「俺は、ありままの薫が好きだから」

薫「――っ」ドクン

薫(な、なに、これ…薫のカラダ…オカシクなっちゃってる)ドクン ドクン ドクン

P「あっ、この話二人だけの秘密な!先生目指していたのに、結局なれなかったって知られるの、恥ずかしいからさ」しー

薫「う、うんっ!絶対に言わない!」

薫(“せんせぇ”って呼び方は他の誰でもない、薫だけのもの…なんだ…)ドクン ドクン

P「よかった~、なら安心だなっ」

P「さて、そろそろ俺は仕事に戻るよ。薫はどうする?」

薫「…薫、もう少しここにいるね」

P「そうか?わかった、また後でな」スタスタ

薫「………“私”」ドクン ドクン ドクン

響子ちゃん…私、“恋”、してたみたいです。

今思えば、小学生の頃から私以外の子達は先生のことを取り合っていた…私よりも、数段上の“オトナ”だったの。
やっぱり、私は“コドモ”だったんだなぁ…でも、ようやく私もスタートラインに立つことができたんだっ!
だけど…

薫「……すぅぅぅぅ…よしっ」

薫「あ、あのっ、せんs」ガチャ

「もぉー!!!雪美さん!いつまでプロデューサー様の膝に座っているつもりですのっ」ムキ―!

「そうですっ!年頃の女性が、男性の…プロデューサーさんの膝に座るなんて、うらやm ごほんっ はしたないですよっ」

「……妹だから……問題ない……」ブイッ

「妹に“義理”が付くだけで、危険度がグンと上がりますのよ!」

千枝「ど、どうして?」

「美穂さんが言っていました…殿方は皆、妹キャラに弱いと!」

「なるほど…実に興味深いですね。試しに私もしてみましょうか、兄さん?」

千枝「ありすちゃん!?」

P「頼むから仕事させてくれ……」

薫「……むー」

ちょっと、モテ過ぎだよね…先生。

~現代 346プロ 第3芸能課~
P「よしっ、任務完了!」ターン!

その日の仕事が一通り終わり、キーボードから手を離す。時計をみると、短針が7と8の中間に差し掛かったところだった。

P「今日は意外と早く終わったな…」

P(今日は担当アイドルたちも直帰しているだろうし、俺もとっとと家に帰ろう…)

薫「先生―?いるー?」ガチャ

P「あれ、薫?」

薫「あっ、先生!お疲れ様っ」

P「ああ、薫もお疲れ様。どうしたんだ?今日は確か5人とも、6時にレッスンが終わってから直帰のはずだよな?」

薫「え、え~とね、今日は先生の顔、まだ見てなかったから…帰る前に、会いたかったの」もじもじ

P「そ、そうか!嬉しいな…俺も、薫に会いたかったんだ」

薫「ホ、ホント…?」

P「勿論!朝、薫の元気な挨拶を聴くと、こう…なんか、パワーが漲ってくるんだ。今日も一日頑張るぞーっ!ってな。今日は会えなかったから、なんだか物足りなくてさ…」

薫「そ、そうなんだ…私も、先生の朝一番の笑顔を見ると、すっごく幸せな気持ちになるんだぁ~ えへへっ、両想いだね」ニコッ

P「お、おう!そうだなっ」ドキッ

薫「……///」

P「……///」

P(な、なんだろう…この甘酸っぱい雰囲気は…!)

P「そ、そうだっ!薫、夕食はもう食べたか?」

薫「えっ?ううん、まだだよ」

P「その…良かったら、一緒に食べに行かないか?」

薫「うぇっ!……いいの?お家で雪美ちゃんが待ってるんじゃ…」

P「今日は遅くなると思ってたから、夕食はいらないって、あらかじめ言っておいたんだが…予想以上に早く終わっちゃってな。今から、用意してもらうのは申し訳ないし、このまま外で食べていこうと思うんだ。それに、薫と二人っきりってのも久々だし、少し話したいと思って……迷惑だったか?」

薫「ううんっ!そんなことないっ。私も先生と二人きりになりたいよっ……あっ、そうだ!良かったら、私がご飯つくろっか!」

P「えっ、気持ちは嬉しいけど、今からスーパーに行くのは時間が掛かるんじゃないか?」

薫「大丈夫っ!事務所の冷蔵庫にまだ材料が残っているはずだから…ちょっと待っててね!」ダッ

P「あっ、薫……ははっ、薫もすっかり成長したな…」



薫「おまたせっ!」コト

P「おおーっ、美味しそう!」

薫「簡単なものしか作れなかったけど…」

P「いやいや、あれだけの材料でこれほどの物が作れるなんてすごいって!早速食べてもいいか?」

薫「うん、召し上がれ」

P「いただきま~す……うん!やっぱり美味しいな、薫の手料理は」モグモグ

薫「えへへ…ありがとう」

P「本当に美味しい…薫の旦那さんになるひとは、幸せ者だな~」

薫「――っ」カアァ

P「あっ、スマン!セクハラだったか?」

薫「…………いいよ…先生…」

P「え?」ドキッ

薫「先生さえよかったら……私…先生のお嫁さんに…」ドクン ドクン

P「薫…?ち、近いって…」ドキドキ

薫「先生…あ、あのね?私…私っ、ずっと先生のことが……!」スッ

P「か、薫…」

薫「好k 「プロデューサー(さん)(様)!!!」バーン うぇっ!?」バッ

「P……おつかれ……」ニャー

P「ええっ!?ど、どうしたんだ…みんな揃って…」アセアセ

「プロデューサーさんっ!新作のいちごパスタ、作ってきました!夕食、まだですよねっ?是非食べてくださいっ」ふんすふんす

「プロデューサー様っ!貴方を我が櫻井財閥主催、夜のパーティに招待します!大丈夫、お父様やお母さま、お祖父様も大歓迎ですわっ」ズイッ

千枝「プロデューサーさん、実は、高級レストランの食事優待券が2枚余ってて…。今夜、ご一緒しませんか…?食事が済んだ後は…二人でホテルに……♡」ズイッ

「P……迎えにきた……明日は……二人とも……休みだから……い、一緒に……」カアァ

P「み、みんな、落ち着いてくれぇぇぇー!」

薫「あははは……はぁ」

私の恋は、まだまだ実らなさそうです。

終わり

以上で終わりです。
途中で投稿ミスしてすみませんでした。
またみかけたときはよろしくお願いします!

スレを立てる場所を間違えていました。大変申し訳ありませんでした。

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