鷹富士茄子「できる女」(53)




 「――あ! お帰りなさーい♪」



 「ただいま」

 「お鞄、預かりますねー」

 「ん、ありがとう」

 「それとも私?」


 「……」

エプロンを掛けた茄子はそれだけ言って、後はただにこやかに笑っていた。
ダイニングの方からは耳慣れた噺家たちの声が漏れ聞こえていて、
味醂と醤油の合わさった、何とも安心できる香りが重なるようにして漂ってくる。

いつものように可愛らしく笑みを浮かべる茄子に、何となく居住まいを正した。

 「……まず、夕ご飯を食べて」

 「はい」

 「次に、お風呂に入って」

 「はい」



 「……それから、茄子かな」

 「……ふふっ。はーいっ♪」



ご機嫌な声を零しながら、妻はダイニングへと俺の手を引いた。


できる女こと鷹富士茄子さんのSSです


http://i.imgur.com/Fmh1CpB.jpg
http://i.imgur.com/GSpfG6I.jpg

前作
モバP「楓さんも焦ったりするんですか?」

関連作
鷹富士茄子「不幸中の幸い」
鷹富士茄子のブーケトス
神崎蘭子「大好きっ!!」


直接的な性描写を含みます
具体的にはこの次のレスから


――びゅくっ……どくん。


 「くぅ、っ……」

 「ぁ、っ……出て……っ♡」


茄子の腰を両手で抱え込み、深く竿を差し挿れる。
膣内で脈打つ度に彼女の白い喉が薄く跳ねる。
柔らかな反応を目に焼き付けながら、幾度も射精を繰り返した。

 「ふ、ぅ……っは……」

遠慮の無い脈動がようやっと治まった。
墨色の美しい髪を撫でると、指先に僅かな熱が灯るみたいだった。
俺の下でまだ息を荒げたままの彼女は、物欲しそうに俺の唇を撫でる。
断る理由なんて無かった。

 「……ちゅ……っ、んっ……♡」

重ねた唇で柔らかな感触を味わった。
竿に流れ込んでいた血が勢いを落ち着けて、徐々に彼女の包容力に負け始める。

重ね放題だった身体を久方ぶりに剥がす。
俺達の肌を行ったり来たりしていた汗が珠になり、すかさず触れた空気が腹を冷やした。


 「ぁ、んっ♡」

弾力を取り戻した竿をそっと引き抜くと、茄子が甘えた声を零す。
釣られるようにして、彼女を奪った証がとろり、とろりと零れ出した。

 「……きもちよかった、ですか?」

 「そりゃあ、もう」

 「ふふ……何より、です」

組み敷かれるままだった身体を起こし、茄子が額に張り付いた髪を軽く流す。
それだけの所作に色香が見え隠れして、消えかけた火をびゅうびゅうと煽ってくる。
そんな気を知ってか知らずか、茄子は俺がこじ開けたばかりのそこに指を這わせ、
無遠慮に残った白を細い指先で掬い上げた。


 「今度こそ、出来るかもしれませんね」

 「……ああ」


頬も喉も桜色に染め上げて、茄子はいつものように微笑んでみせた。

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