ありす「今日からよろしくお願いします」(81)

※8月の終わりくらいの話です

~346プロの前~

ありす(とてもすごい建物です…)

ありす(今日から色々お世話になるのですが、私はやっていけるのでしょうか…)

ありす(でも迷っていては前に進みません。覚悟を決めていきます)

~モバP(以下Pと略する)の部署の待合室~

ありす(受付の人にはここで待ってくださいと案内されたのですが…)

ありす(そもそもですが、あの人、本当にプロデューサーだったんですね)

ありす(初めて会った時てっきり不審者かと思いましたが…)

ありす(それにしてもこの部署、一際大きいです…)

ありす(私の知っている限りでは絶大な人気を誇る高垣さんや川島さんや島村さんがここにいるときいていますが…)

ありす(本当にやっていけるのでしょうか?)

ありす(不安です)

P「ようこそ、わが部署へ」ガチャ

ありす「あ、あの…今日からお世話になります橘ありすです。よろしくお願いします」

P「よろしく、ありす。まあ、気負わず気楽に行ってよ」

ありす「あの、橘と呼んでください」

P「だが断る」

ありす(やっぱり会った時と変わらずチャランポランタンな人です)

ありす(本当に高垣さんをプロデュースしているとは思えません)

P「さてと、まずは紹介したい人がいるから応接間に行こうか」スタスタ

ありす「はい」

ありす(誰でしょう…いきなり緊張します)

~応接間~

P「入るぞ」コンコン ドウゾ

P「お待たせ。新入りを連れて来たぞ」ガチャ

千枝「わぁ!新しい仲間です!!」

仁奈「仁奈うれしーです!!」

ありす(あれ、この方々って確か…昨日あたりテレビに出てませんでしたっけ?)

P「まずは自己紹介からかな」

ありす「橘ありすです。よろしくお願いします」

千枝「佐々木千枝です。同世代の仲間が増えてとてもうれしいです♪」

P(ここまで小学生2人しかいないもんなぁ…)

仁奈「市原仁奈でごぜーますよ~」

ありす「あの、千枝さん。昨日テレビに出てませんでした?」

千枝「そうですね」

ありす(やっぱり…このメンバーの中でやっていけるのでしょうか…)

P「そうか、あの番組見てくれていたのか」

ありす「いえ、アイドルになるための勉強の一環です」

P「ありすもすぐに人気アイドルになれるようにしてあげるからな」

ありす「橘です。そんな簡単になれるんですか」

P「まあ、そこまで行くのに血の滲むほどの努力をするわけだが…」

ありす(やっぱりそうですよね)

P「勤勉なありすなら楽にこなせるだろう」

ありす「橘ですよ」

仁奈「レッスンをいっぱいすればお仕事がもらえるでごぜーますよ」

ありす「そうなんですか」

ありす「プロデューサーさん、今すぐレッスンを」

P「気が早いね…でもまずは環境に慣れてほしいからすぐには無理かな」

P「夏休みの宿題もあるんだし。レッスンはその心意気だけは受け取っておくよ」

ありす「夏休みの宿題はもう終わらせたんですが…」

P「早え…最近の子供たちは優秀だな」

P(まあ、俺もさっさと片づけて受験勉強に残り時間当ててたから人のことは言えない)

千枝「千枝も早く終わらせる派です…ありすちゃんとなんとなくですが、仲良くなれそうです」

仁奈「仁奈も同じでごぜーますよ」

ありす「気が合いますね。これからよろしくお願いします」

仁奈「よろしくお願いするですよっ」

ワイワイ キャッキャッ

P「ご歓談中のところ申し訳ないけど、千枝と仁奈はこのあと346プロの合同レッスンじゃなかったけ?」

千枝「そうでした」

仁奈「うう~…仕方ないです…」

P「さすがに合同演習はずらせないもんな…単独レッスンならまだしも」

ありす「私も参加したいんですが…」

P「まあまあ、気持ちはわかるけどまずは基礎から始めないといけないわけで…」

P(そう言えばまだありすが来ることをトレーナーさんたちに話をしていなかったわ…どこかのタイミングでしないと)

千枝「早く基礎レッスン終わらせて千枝たちとレッスンができるようになると良いね」

ありす「すぐに追いつきますから。いつか追い越して見せます」

P(やる気がすごいな…空回りしなきゃいいけど)

仁奈「がんばるでごぜーますよ」

千枝「それでは行ってきます」ガチャ

P「頑張れよ~」

ありす「すごいですね…私より年下なのにしっかりしています」

P「まあ、千枝たちはよく大人組と絡んでいるからなぁ」

P「そうだ、この後予定あるんだった」

ありす「何ですか?」

P「昨日スカウトに成功した子の親御さんに挨拶に行く約束をしていた」

ありす「また増えるんですか?」

P「まあ…」

ありす「この部署って何人くらいアイドルいるんですか?」

P「今度来る人含めたら50人以上かな」

ありす(私、埋もれないかな…)

P(やべぇ…この後ありすぼっちだわ)

P(誰かいないかな…美波は夕美と自主レッスン中だし、愛梨は藍子と打ち合わせ中で…)

文香「おはようございます」ガチャ

P(来た、救世主)

P「あれ、今日オフじゃなかった?」

文香「大学の図書館寄ったついでに遊びに来ました。約束もありますし」

ありす「あの…文香さんですか?」

文香「プロデューサーさん、このかわいい子は?」

P「ああ、今日から所属になった橘ありすさんだよ」

ありす「毎週文香さんの本を紹介する番組見ていますっ!!」

文香「ありがとうございます…」

P(ありすの食いつきがいいなぁ…そうだ、世話をしてもらおう)

P(二人はすぐ仲良くなりそうだしな…年齢差を感じさせないわ)

P「文香、今日この後ありすにこの部署と346プロ紹介してくれる?」

P「この後櫻井さんちに行かなきゃならないし、そのあと西園寺財閥の首領にも呼ばれているから、今日もうここに戻らないんだよ。あとで埋め合わせするからさ…」

文香「大丈夫ですよ…」

ありす「良いんですか?」

文香「是非一緒にさせてください」

ありす「文香さん…」パァァ

P「この際連絡先でも交換しておけば?」

ありす「そうさせていただきます」

文香「プロデューサーさんも良い子をスカウトしましたね…」

P「まあまあ、たまたまよ」

ありす「プロデューサーさんって忙しいんですね」

P「そうね」

文香「プロデューサーさんは私たちのために尽くしていますから、大変なんですよ」

ありす「はぁ…」

P「初日からこんな感じで悪いね。また明日会おう」

ありす「はい…」

文香「行ってらっしゃいませ」ガチャリ

文香「…さて、ありすちゃん。今日は事務所を見て回りましょうか」

ありす「よろしくお願いいたします」ペコリ

~部署内~

文香「この部署はとても広いんです…プロデューサーさんが一人でここまで大きくしたのですから」

ありす「そうなんですか」

文香「…私が来た時にはすでに大きい部署だったのですけどね」

文香「昔楓さんから聞いた話によれば5人しかいなかったと聞きます」

ありす「へぇ…」

文香「オーディションをしたり、引き抜いたり、スカウトしたりしていろいろな人材を集めてはデビューさせていった結果が346で一番大きい部署になったと聞きました」

ありす「結構残酷なこともするんですね…」

文香「楓さんは昔別の事務所でモデルをしていたのらしいのですが、その事務所内でアイドルになった後、プロデューサーさんが引き抜いてきたと聞きます」

文香「この346プロも昔色々あったそうで…」

ありす「そうなんですか…」

文香「まあ、そんなことはともかく、まずありすちゃんが覚えておくべき部屋はここです」

ありす「何ですか?」

文香「プロデューサーさんの執務室です。執務机は大広間にもあるのですが、最近は多忙のようでここにプロデューサーさんはこもりがちです…」

文香「困ったときにはここに来ると良いですよ」

ありす「わかりました…」

~先に進む~

文香「ここは…キュートな高校生のお部屋だそうです」

ありす「入ったことはあるんですか」

文香「招待制だそうです…私は招待されたことありません…」

ありす「大学生ですし…クールという感じですし…」

ありす「ここには誰がいるんですか?」

文香「卯月さんを筆頭にまゆさん、智絵里さん、かな子さん、美穂さんがいるそうです」

ありす「卯月さんは何かの権力者ですか…」

文香「影のリーダーかもしれません。表向きは美波さんがこの部署のリーダーですが…」

文香「ただ、人当たりがとてもよい上、性格がとてもよい聖人ですから人を惹きつける何かがあるのかもしれません」

ありす「なるほど…」

文香「となりにあるのは高校生のお部屋、その隣が中学生のお部屋です」

ありす「私たちには用がなさそうですね」

文香「この部署、部屋はいっぱいあるのですが…あまり用がないので入ったことのない部屋はいっぱいあります」

ありす「そうなんですか」

文香「このダークイルミネイトの部屋に至ってはだれも近寄りませんし」

ありす「中二病」

文香「これ以上はいけません、ありすちゃん」

文香「ここは志希さんと晶葉さんのラボです」

ありす「危なさそうです」


文香「ここは主に25歳以上を対象にしたお部屋です」

ありす「何か酒臭くないですか」


文香「この部屋は…インターナショナルな部屋です」

ありす「何ですか、その適当なネーミングセンスは?」

文香「ライラさんやクラリスさんやフレデリカさん、あとなぜが前川さんがいます」

ありす「何ででしょう?」

文香「これ以上深追いするのはやめましょう…」

文香「ここはギャルの間です」

ありす「私たちには関係なさそうです…」



文香「ここはバイク好きの部屋ですね…」

ありす「バイクはまだ乗れません…」



文香「ここは茶室ですね」

ありす「要ります?」

文香「よく芳乃さんや茄子さんがお茶を点ててますよ」

文香「あと川島さんがマナー講座をやったり、夕美さんが良く花を活けていますね」

ありす「納得です」

文香「ここは大学に通っていない20歳くらいの人の部屋です」

ありす「ずいぶんマニアックですね…」



文香「ここは財閥ルームです」

ありす「恐れ多いです」

文香「西園寺財閥・水本財閥に続き今度は櫻井財閥が来るそうです」

ありす「凄すぎて意味が分かりません」



文香「ここは未央さんの作ったパッションな部屋です」

ありす「意味が分かりません」

文香「私も入ったことはありません」

文香「ここはきらりんランドです。入場は無料ですよ」

ありす「良いんですか?」

文香「きらりさん曰く誰でも入っていいそうです」

ありす「珍しいですね…立ち入り禁止の部屋が多いのに」

文香「この部屋は…いつも来ると不思議な感じがします」

ありす「私たちが小人になった気分です…」

文香「もはや芸術です…」



文香「ここは社長の部屋です」

ありす「346プロのですか?」

文香「女子高生社長アイドルのつかささんの部屋です。カツを差し入れると喜びますよ」

ありす「何かぬか漬けのにおいがするのは気のせいですか…」

文香「ぬか漬けを作るのが趣味だそうですよ…この前いただいたのですが、美味しかったですよ」

文香「ただ、悠貴さんの口には合わなかったようです…」

ありす(あれ、悠貴さんって割と大人っぽいイメージがありますが…)

文香「ここは和風総本家です」

ありす「もう少し名前どうにかならなかったんですか」

文香「この事務所は歌鈴さんや芳乃さんみたいな和風なアイドルも多いようで…」

ありす「そういえばタブレットにもそう書いてありました」

文香「中に神社があるみたいですよ」

ありす「私は神は信じていないので」

文香「そうでしたか…」


文香「ここはクラリスさんのチャペル兼懺悔室です」

ありす「懺悔って…悪い子とする人いるんですか?」

文香「よく楓さんが飲みすぎた…と後悔しています」

ありす「えぇ…」コンワク

ありす「それにしても変わった部屋が多いですね」

文香「私も良く迷子になるんです…」

ありす「なるほど…」

プロロロロロ

ありす「文香さん、電話鳴ってますよ」

文香「連絡ですね…もうこんな時間ですか」

ありす「どうしたんですか?」

文香「お昼を一緒に食べる約束をしたんです。もう着いているようなので席を先にとっておいてもらいましょう。一緒にどうですか?」

ありす「…ありがとうございます」

文香「それでは行きましょう」スタスタ

~事務所の食堂~

ありす「大きいですね」

文香「アイドル部門にも複数部署がありますし、ここは俳優部門もあったり歌手部門もあります…映像コンテンツも作っていますね」

文香「ところでありすちゃんは何にします?」

ありす「そうですね…オムライスにしましょうか」

文香「では、私はゆで卵付きチーズチキンカツカレーの特盛を…」

ありす「よく食べますね…」

文香「体が資本ですから…お金は払っておきますから、待っててください」

ありす「そんな…申し訳ないです」

文香「さて、ここら辺にいるはずなのですが…」

夕美「文香さん、ここだよっ」

ありす(あれは…相葉さん?)

文香「大変お待たせしました、皆さん」

美波「そんなことないよ」

藍子「私も今来たところですから…」

文香「そういえば愛梨さんいませんね…」

藍子「愛梨さんは急いでテレビ局の収録に…」

文香「そうでしたか」

美波「ところで文香ちゃん、隣の子は今日から一緒に活動する新入りの子かな?」

文香「ええ」

ありす「橘ありすです。よろしくお願いいたします」

美波「よろしくね、ありすちゃん。私は新田美波と言います」

藍子「私は高森藍子です」

夕美「相葉夕美だよっ」

ありす「よろしくお願いいたします」

ありす(優しそうなお姉さんたちで安心しました)

美波「わからないことがあったら私たちに聞いてね」

ありす「ありがとうございます」

夕美「美波さんはこの部署のリーダーだから、信頼できるよっ」

ありす「そうなんですか」

ありす(美波さんは頼りになりそうです)キラキラ

ありす(夕美さん、さっきからパッション全開ですね)

藍子「夕美さん、落ち着きましょう…嬉しいのはわかりますが」

夕美「そうだね…」

文香「こう見えて夕美さんはとても頼れる方なんですよ」ヒソヒソ

ありす「そうなんですか」ヒソヒソ

文香「頭はパッションですが面倒なことや雑用は何でもやってくれますから」ヒソヒソ

夕美「あのー何か悪口叩かれてますよねー」

文香「気のせいですよ」

夕美「そっかぁ~♪」

夕美「文香さんも人に苦手なこと投げつけるのやめようね~♪」

文香「反論できません…ナチュラル畜生なのに」

ありす(思いっきり聞いているじゃないですか)

藍子「美波さん、醜い争いです」ヒソヒソ

美波「いつもどおりじゃないかな」ヒソヒソ

美波「喧嘩はダメだよ」

夕美「そうだね」

文香「少し熱くなりすぎました…」

ありす(さすが大人、っていう感じです…簡単によりを戻せるあたりが)

藍子「ごめんね、ありすちゃん。見苦しいところ見せちゃって」

ありす「気になさらないでください。小学校の男子に比べれば」

藍子(ありすちゃんも大変なのね…)

美波「そう言えばありすちゃんって好きなものあるの?」

ありす「イチゴです」

美波「今の時期は難しいかなぁ…」

ありす「何の話ですか?」

夕美「歓迎会の話かな?」

夕美「新加入のアイドルの好物を毎回差し入れてくれるんだけど…」

文香「イチゴの旬は1月から5月です」

文香「一応、探せばあるとは思いますが旬が過ぎたものは美味しくありません」

ありす「そうですね…」

藍子「しばらくは開催ないかもしれません…」

ありす「心だけでもうれしいですよ」

美波「ありすちゃんは偉いね」

文香「中には要求するものがとんでもない人がいるわけで…」

美波「これ以上はやめましょう、文香さん」

夕美「そうだね」

藍子(そういえば昔まゆちゃんが婚姻届欲しいって言ってましたね…)

美波「あ、そろそろサークルに行かないと…」

夕美「私もレッスンが…」

ありす「皆さんって忙しいですね」

藍子「そういうわけではないよ」

文香「結構忙しいときと暇な時の波はありますから」

ありす「なるほど…」

美波「また今度ゆっくりしようね」スタスタ

ありす「ぜひお願いします」

夕美「じゃあね」スタスタ

藍子「私はこの後別の部署に助っ人で呼ばれているんです…」

ありす「部署間も交流があるんですか」

文香「それは個人差がありますが…」

文香「藍子さんのゆるふわ唯一無二ですから、いろんな部署で需要があるのです」

ありす(生き残るには武器が何かないと…)

藍子「それではありすちゃん、文香さん、さようなら」

文香「お元気で」

ありす「ありがとうございました」

文香「…さて、部署に戻りましょうか。まだ全然説明しきれていないんです」

ありす「どれだけ広いんですか…」

文香「でも、その前に少し外を歩きましょうか。ずっと室内にいるのも良くないですし」

ありす「はい」

~屋外~

文香「ありすちゃんには関係ないと思いますがあれが女子寮です」

文香「私の部署からも何人かここで寝泊まりしていると聞きます」

ありす「大きいですね…」

文香「その近くにあるプレハブが、志希さんの屋外実験場です」

ありす「都心のど真ん中で何をやるんですか」

文香「実験場の隣には夕美さんの手入れしている花壇があります」

ありす「きれいですね…」

文香「夕美さんは花好きで知識も豊富です。手入れもとてもきれいになさっています」

文香「ただ、花壇を荒らすと後で大変なことになるそうですよ」

ありす「はぁ…」

文香「むかしむかし、いたずら好きの他の部署のアイドルが意味もなく事務所全体に塩をまいたそうなんですが」

文香「まいた塩が花壇にかかったらしく育てた花がすべて枯れたそうなんです」

文香「あの時の激怒した夕美さんは…」ブルブル

ありす「怒らせたら大変そうですもんね…」

文香「気を取り直して次に行きましょう」

文香「竈です」

ありす「竈」

文香「肇さんの趣味だそうです」

ありす「そういえばそうでしたね」

文香「よくここでフレデリカさんがピザパーティーをしています」

ありす「用途が全く違うじゃないですか」

文香「肇さんがピザ生地をつくり、茄子さんが生地を伸ばし、残りの工程を美波さんがすべてやってくれますよ」

ありす「肇さん公認ですか…」

文香「作っている間フレデリカさんは来客と盛り上がり、ピザが焼きあがればフレデリカさんは美味しく頂いていますね」

ありす「仕事してください、フレデリカさん」

文香「フレデリカさん曰く、主催者の一番の仕事はピザづくりではなく来場者を盛り上げることと作った人に感謝を込めてピザを美味しく食べることらしいですよ」

ありす「ちょっとよく意味が分かりません」

文香「さて、外はこれくらいにしてそろそろ戻りましょうか…」

~部署のエントランスホール~

文香「それでは再び部署に戻りましょうか」

ありす「文香さん、気になることがあるんですが」

ありす「何でここに払戻機があるのですか」

文香「これは晶葉さんの作った機械ですね」

文香「そこにあるコンベヤーに宅配便や出前の商品を置くと料金を勝手に支払ってくれる画期的なサービスです」

文香「特に面倒くさがりなアイドルには好評ですよ」

ありす「ええ…」

文香「もちろんちゃんと自分で受け取ることも可能です」

ありす「本来そうあるべきでは…」

文香「年を取ったらわかります…」

文香(瑞樹さんや心さんの化粧落とした姿は見たくないでしょう)

ありす「なるほど…」

ありす「ところで文香さん」

文香「何ですか」

ありす「今は右側の扉は使わないんですか?」

文香「あれは来客用です。ありすちゃんは今日からここのメンバーですから左側の扉を…」

文香「カードキーはプロデューサーさんが今日郵送で家に届けると言っていたので明日からここに入ってください」

ありす「はい」

~正面玄関~

ありす「あれは何ですか…議員登院表示盤みたいなやつは?」

文香(よく勉強されてますね…)

文香「これはアイドルが事務所にいるかわかる表示板ですよ」

文香「ここに操作パネルがありますから…」

ありす「文香さんのところは赤ですが、ほかは緑だったりランプが点灯していなかったりしますね」

文香「Pさんのところも点灯していません」

文香「みんなこの部署にはいないのでしょう…」

文香「近いうち、歓迎会するのでみなさんと触れ合う機会があるとは思いますが」

ありす「楽しみにしています」

ありす(私の調べでは文香さんや美波さんのように私の目標とする大人の人が多いと聞いています。実際高垣さんや川島さんは大人ですし。まあ、心さんは文香さんに免じて見なかったことにします)

ありす「あと、表示板の下にも何かベルトコンベヤーがあるのですが」

文香「晶葉さんが大広間やキッチンや一部の個室や中学生高校生の間などに勝手に荷物を届けてくれるために作ったものだそうですよ」

文香「重い荷物を持っているときは重宝しますよ」

ありす「晶葉さんは何者なのですか?」

文香「(志希さんとは違って)事務所のみんなのためになるものを作ってくれる技術者です」

ありす「何か間がありませんでした?」

文香「気のせいですよ、きっと」

~セレモニーラウンジ~

文香「ここは玄関に一番近いラウンジです」

文香「このラウンジには飲み物の自販機とこの部署に所属している賞と盾とトロフィーがありますよ」

文香「ちなみに払戻機のコンベヤーはここにつながっています」

ありす「こんなにいっぱいトロフィーが…」キラキラ

文香「半分近くは楓さんのものですね」

文香「流石346の看板アイドルです」

文香「最近ではいろんなアイドルの賞も増えてきました」

ありす「文香さんのもありますね」

文香「一番最近追加されたのはこののあさんのWonder.Idol.Nova.Grandprix.(いわゆるW.I.N.G)の優勝トロフィーでしょうか」

ありす「わぁ…」キラキラ

文香「ありすちゃんの当面の目標はここで優勝することになるのでしょうか」

ありす「難しいんじゃないんですか?」

文香「運も左右すると思います」

文香「のあさんは決勝の相手がクールの素養がない長崎出身の自信家ドジっ子アイドルだったそうで」

文香「のあさんは『勝つのは朝飯前で相手を再起不能にさせるほど完膚なきまで叩きのめす余裕があった』とおっしゃっていました」

ありす「何かのあさん、すごいですね」キラキラ

ありす「私も頑張りたいです」フンス

文香「ありすちゃんの向上心の高さがあれば優勝できるとおもいますよ」

文香(運が向くと良いですね)

ありす「ところで文香さん、あそこの『未成年者立ち入り禁止』の看板は何ですか」

文香「あれは…中央競馬と地方競馬の場外発売場です」

文香「何かのコネで特例で設置されたようですよ」

文香「よくプロデューサーさんや25歳以上のアイドルが利用しているそうです」

ありす「えぇ」ドンビキ

ありす(遊んでないで仕事してください)

文香(ありすちゃんは『遊んでないで仕事してください』と思っているのかもしれないのですが、ちゃんと競馬関係の仕事もあるんですよ。心さん競馬番組のMCやっていますし。しかも意外と儲かるらしいですよ…競馬関係の仕事は。事務所的には大歓迎らしいです…大きな声では言えませんが)

文香「これはプロデューサーさんの影響でしょうか…最近競馬好きのアイドルがこの部署でジワリと増えているようです…」

文香「プロデューサーさんたちは八大競走を大広間の大型ビジョンで見てますし、クリスマスの頃になると酒盛りしながら有馬記念大予想会とか1年を振り返る企画を大広間で行っていますから…」

ありす「えぇ…」ドンビキ

ありす(ただのオヤジじゃないですか)

文香「まあ、競馬に興味がないアイドルのために美波さんときらりさん主催の楽しいクリスマスパーティーが小広間で開かれていますから、ありすちゃんはそちらに参加すればよいかと」

文香「私も夕美さんもクリスマスパーティーに参加してますし」

ありす「ホッ」

ありす(安心しました。流石リーダーの美波さんです。この部署に居場所があって安心しました)

~移動中~

文香「さて、移動しましょうか…ここは例の小広間です。2部屋あります」トコトコ

ありす「年末はここに来ればいいんですね」

文香「普段も何かしらイベントはやってますよ」

文香「例えばお誕生日会とかです」

文香「昨日はクラリスさんの誕生日でした」

ありす「なるほど…」

文香「近々きらりさんのお誕生日らしいです」

文香「一緒に祝いましょう」

ありす「そうですね」

~さらに先に進む~

ありす「何かすごい大きいスロープがありますね」

文香「下の階につながっているんです」

文香「玄関が狭すぎるということで搬入口を作ってもらいました」

ありす「えぇ…」コンワク

ありす(なんて無計画…)

文香「最近では肇さんが陶器を竈に持っていくのに利用していますし」

文香「拓海さんや夏樹さんがバイクでこのスロープを駆け上がります」

ありす「ちょっと待ってください。何かおかしいです」

文香「もちろんバイクでなくても自転車が走っていることもありますし」

文香「カーリフトもあるのでプロデューサーさんが事務所から貸し出されている車をここまで運転することもあります」

ありす「えぇ…」コンワク

ありす(こんな高層階に自動車が走るんですか…)

文香「噂をすれば凛さんが」

向かい側から自転車でやってくる凛「~♪」チャリンチャリーン

凛がスロープを下るのを見届けるありす「…意味が分からないです」

文香「そのうち慣れます」

ありす(多分慣れません)

文香「さて、先を行きましょう…」

文香「ここは美味しいコーヒーが飲めるラウンジです」

文香「よく大人な方々がいらっしゃいますよ」

ありす「高級感溢れますね」

文香「高級紅茶もありますよ。飲みますか」

ありす「はい」

文香「それでは…どうぞ」トクトク

ありす「おいしいですね。貴族になった気分です」

文香「…そうですね」

文香(本当の上流階級の人ってあまり高級なものは好まないらしいですよ。好きなものを食べるらしいです。高級品は見栄を張る中流階級の人が好むものだそうで…。まあ、ありすちゃんの名誉のために黙っておきますが)

文香「さて、ここは陶芸の間です。肇さんがよく土器をつくっていますよ」

ありす「本格的ですね…」

文香「となりが小物を作るための部屋、その向かいが音楽の部屋です」

文香「音楽の部屋はゆかりさんがフルートを練習したり、夏樹さんがギターを弾いたりしています」

文香「ここでは歌の練習もできますね」

文香「自主レッスンの場でもあります」

ありす「使用中って書いてありますが、今誰かいるんでしょうか」

文香「今ひょっとしたら誰かが歌の練習をしているのかもしれません」ガチャリ

芳乃「」ブオオー ブオオー

文香「…失礼しました」ガチャリ

ありす「…何だったんですか。今のは」

文香「趣味の時間ではないのでしょうか…」

文香「私にもよくわかりません」

~さらに先へ~

文香「ここはメイクの間です」

文香「衣装合わせをしたり、化粧の練習もできますし」

文香「演技の練習もできる部屋です」

文香「よく美嘉さんがメイクをしているのを見ますが…」ガチャ

化粧を落とした瑞樹「ん?」

ありす(瑞樹さん、すっぴんでもきれいですね)

化粧を落とした心「…oh」

ありす(見なかったことにします)

文香「失礼しました」ガチャ

ありす「運がないですね」

文香「…たまにはそういうこともあります」

文香「こちらは運動場ですね」

文香「ダンスの練習もできますし、風呂やシャワーもあります」

ありす「今は誰も使っていないようですね」

文香「事務所の中にもレッスンスタジオやジムはありますから、そこに行っているのかもしれません」

文香「ここは個室がたくさん並んでいる場所ですね」

文香「この部署の個室は、昔新幹線のグリーン車にあった1人用個室や2人用個室や4人用個室をイメージして作ったと聞きます」

ありす「見たことないです」

文香「私もです」

文香「ここはセキュリティは万全で誰にも聞かれたくないことを相談するのには格好の場です」

文香「意外とここで秘密裏に計画が動いていたりします」

文香「自由席なので試験前になると勉強に集中したいアイドルによる争奪戦になります」

ありす「文香さんも使うんですか?」

文香「打ち合わせをしたり、談話室として使うことはあります」

文香「あとはトランプをしたりとか…」

文香(ここでどれだけ美波さんが泣いている姿を見てきたことか…)

ありす(何か使い方を間違っている気がします)

文香「ここは衣装室です」

文香「過去に使われた衣装やこれから使う衣装が並んでいますよ」

ありす「これは誰のドレスですか」

文香「楓さんのでしょうか」

文香「ものによっては数千万円するらしいですよ」

ありす「すごいです」キラキラ

文香「これは…美波さんが着る予定のウエディングドレスですね」

ありす「絶対に似合うと思います。綺麗なのに間違いありません」フンス

文香「わかります…」

文香(私も着てみたいです…)

文香「さて、ここは美容の部屋です」

文香「よくわからないローラーや器具がたくさん置いてあります」

ありす「私も良くわからないことが多いです」

文香「川島さん曰く手入れは重要だそうです」

文香「ここには疲れをいやすということでマッサージ器やマッサージチェアも置いてありますよ」

文香「私も良く肩が凝るので…」

文香「本の読みすぎでしょうか?」タユーン

ありす(…くっ)ストーン

文香「?」


文香「さて、ここは洗濯と掃除の部屋です」

文香「晶葉さんの作った超高性能洗濯乾燥機や超高性能掃除機があります」

ありす「先ほどから気になっていてはいたんですが、この部署大きい割には掃除が隅々まで行き届いていますね」

文香「おそらく晶葉さん作成の全自動御掃除ロボのおかげかと」

文香(最近はダ〇キン呼びませんもんね…)

ありす「晶葉さんってすごい…」

文香「ここは倉庫です」

文香「一見狭そうですが実は上の広いフロアにつながっているので実はとても大きいんです」

文香「ライラさんの安いときに買い込んだアイスやアダルト軍団の高級なお酒、デザートの類やドーナッツ、志希さんの実験道具がありますよ」

ありす「何か一つ変なの混ざっていますが…」

文香「気のせいでしょう…」

~ダイニングキッチン兼ラウンジ~

文香「ここは大きいキッチンのあるラウンジですね」

ありす「あれ、食堂ありましたよね?」

ありす「いるんですか?」

文香「食堂も営業時間がありますし、食べ物には好き嫌いというものは避けて通れないのです」

文香「また、食べたいものがなかったりしたり急いでいたり、ダイエットしなければならないときは自分で作った方が良いこともありますね」

文香「もちろん良い意味でも使うこともありますよ」

文香「よくアイドルがおもてなしをしたり、料理の練習したりしています」

文香「お菓子作りの大好きなアイドルがいるわけで…」

ありす(パスタ鍋がある…冷蔵庫も大きいです…)

ありす「とても高性能そうですね」

文香「西園寺家御用達の道具がそろっていると聞きます」

文香「冷蔵庫や戸棚の中身も一級品の食材が入っています」

ありす(これは…高級パスタと高級イチゴジャムですね)

文香「昔西園寺家のお手伝いさんが来てくださって、エビカツサンドとキャビアとウズラの卵のサンドとコンビーフとジャガイモのサンドをいただいたのですが、とても美味しかったですよ」

ありす「おいしそうですね」

文香「ただ、マヨネーズ嫌いのプロデューサーさんの口には合わなかったそうです」

ありす「えぇ…」

文香「プロデューサーさん曰く水本家の料理人が作ったにんにく料理や海鮮チャーハンの方がおいしかったとのことです」

ありす「比較していいのでしょうか。それは」

ありす「ところで文香さん」

文香「何でしょう」

ありす「先ほど廊下に自動車が走るとおっしゃっていましたよね…」

ありす「そんなところで食事なんか美味しく頂けるんですか?」

文香「晶葉さんがエアーカーテン作ってくれたので大丈夫かと」

文香「あとこの部署は晶葉さんの作った超高性能換気システムが働いていますから、基本的にどこにいても臭くはありませんし有害物質はゼロですよ」

ありす(科学の力ってすごいですね…)

~奥に進む~

文香「ここは芳乃さんのコレクションの部屋ですよ」

ありす「気になります」

文香「残念ながら立ち入り禁止です」

文香「誰も見たことがないそうですよ」

ありす「そんなぁ…」



文香「ここはシアタールームです」

文香「自分の出たコンサートを見て反省したり、ライバルの研究をしたりしてますね」

ありす「皆さん研究熱心ですね」

文香「教養を深めるために映画作品も見たりしてもありです」

文香「私も文学作品をよく嗜んでいます」

ありす「流石大人です…」

文香(さすがにここでよくプロデューサーさんがアニメを見ているとは言えませんね)

文香「ここは休憩室です」

文香「よく仮眠をとるのにここを使いますね」

ありす「ベッドがフカフカです」

ありす「…誰か寝てますね」

智絵里「」スヤァ

文香「そっとしておきましょう」

ありす「…そうですね」

文香「ここが小学部です」

文香「やっとたどり着けました」

文香「小学生組のたまり場や荷物置き場という感じですか…」

文香「ここによく千枝ちゃんや仁奈ちゃんがいますよ」

ありす「普段はここにいるという感じになるんでしょうか」

文香「そこにいることもあるとは思いますが…ほかにも人が集まる部屋はありますからそこに行くことの方が多いのかもしれません」

ありす「アダルト組から逃げるときはここにいればいいんですね」

文香「…そういうことでしょう」

文香「となりの大広間にも繋がっているので楽ですよ」

~大広間~

文香「さて、部署の一番奥にある大広間です」

ありす「問題の大広間ですか」

ありす「とても眺めがいいですね」

文香「普段は誰かしらは入ると思いますけど、今日は誰もいませんね」

文香「レッスン中なのでしょう」

文香「ここも普段はたまり場になってます」

ありす「何か色々置いてありますね…」

文香「多分私物かと思います。むやみに触るのはダメですよ」

ありす「ここに太い黒い線が引いてありますが…」

文香「その線から向こう側は車が走れるスペースなので、交通事故に気をつけましょうという意味ですね」

ありす「…何で車が来るんですか?」

文香「ケータリングの車がここに来てくれるので楽ですよ」

ありす(意外と理にかなっている…?)

~正面玄関へ戻る途中~

文香「さて、最後は私達大学生の部屋に行きましょうか」

ありす「はい…ところであの奥にある下の階に続く階段って何でしょうか」

文香「ここは夜間の入り口です。正面玄関はエレベーターが動きませんから、24時間動くエレベーターの乗り場に続く階段です」

文香「プロデューサーさんが残業することも多いですが」

文香「ここで酒盛りをして気づいたら夜中だったという人も中にはいます」

ありす(真面目に仕事してください)

ありす「ずいぶん戻りましたね。そこって先ほどの玄関では…」

文香「こっちにも空間があるんです。まだ」

ありす「なるほど…ここにも個室があるんですか」

文香「ここは特別個室でこの部署の功労者のために敬意を払って作られた個室のようですよ」

文香「荷物とかはここに届けてくれるそうです」

文香「指定席なので我々は利用できません…」

ありす「卯月さんと美穂さんはなんとなくわかりますが…志希さんと芳乃さんはなぜ?」

文香「志希さんはよくわからない薬を開発をして、その薬の売り上げの一部をこの部署によく持ってくるということで功労者になったそうです」

文香「芳乃さんはつかささんのアドバイスで自らをご神体とする宗教を立ち上げたそうで、芳乃さんに支払われるお布施の一部を346プロに出資しているということで功労者になりました」

ありす(何吹き込まれているんですか…)

文香「346プロの株式を70%くらい持っているらしいですよ」

ありす「アイドルと関係ないじゃないですか」

文香「世の中金なのです…」

ありす「夢もかけらもありませんね…」

ありす「芳乃さんの個室の隣の部屋は何ですか?」

文香「ここも特別個室の集まりですね」

文香「ありすちゃんも良く知るアイドルの名前が並んでいるでしょう」

ありす(楓さんに美波さんに夕美さん、瑞樹さんに愛梨さん凛さん…良く知る方々です)

ありす(美嘉さんは辛うじてわかりますが、茄子さんって誰でしょう?)

ありす(空室も気になります)

ありす「…ところで個室と個室の間に置かれている存在感のつよい法螺貝は一体?」

文香「芳乃さんの使っている法螺貝のレプリカですよ」

文香「夕美さんがよく吹いています」

ありす(夕美さん…)

ありす「あれ、でも何でレプリカなんですか?」

文香「それは…本物は芳乃さん以外触れないからです」

ありす「へぇ…」

文香「昔千川ちひろという事務員がいました」

文香「ある日、魔が差したようで触ってはいけないと言われた法螺貝を吹いてしまったそうです」

文香「この法螺貝は何か強力な魔術が仕込まれているようで」

文香「触るだけで肌が一瞬にしてただれ、口をつけようなどしたら歯は溶け口内が腫れ上がり、息を吹きかけようとするなら肺が使い物にならなくそうです。おまけに一生不幸になり、事あるごとに悪いことが起こるそうです」

文香「そして愚か者な千川ちひろは法螺貝を吹いてしまったために体全体に支障をきたし、2年たった今も昏睡状態だそうです。しかも全く治る気配がないと」

ありす「恐ろしいですね…」

文香「晶葉さんも不思議がっていました」

ありす「そうですよね」

ありす(あれ?晶葉さんってこの事務所のために沢山の発明をして貢献しているようにも思えるんですが、なんで功労者にならないんでしょう…?)

ありす「ところで文香さん、大学生の部屋ってあそこの居間ですか?」

文香「違いますよ。実は法螺貝のある壁の裏側に…左に隙間がありますよね」

ありす「はい…ってエレベーター?」

文香(そういえば居間の奥にある部屋は何でしょう…)

ありす(あの居間の奥にある部屋は何だろう…)

文香「上のフロアにあるんです。エレベーターに乗りましょうか」

ありす「わかりました」

~上のフロア~

文香「さて、私たちの空間です」

ありす「とても高級感がありますね…」

文香「普段はこのラウンジでで美波さんや夕美さんや愛梨さんといますね」

文香「たまに夕美さんがこのラウンジのキッチンでお昼作ってくれるんです」

ありす「へえ…何か置手紙がありますね」

夕美『アイスを食べてもいいよっ』

文香「なるほど…」

文香「ちょっとついて着てください」

ありす「はい」

文香「この部屋が夕美さんの冷凍倉庫です」

ありす「何で冷凍なんですか」

文香「ここには夕美さんの大好物のハーゲ〇ダッツがたくさん置いてあるんです」

文香「一説によると23区内のハーゲンダッツの1パーセントはここにあるらしいです」

ありす「業者ですか」

文香「…正直どのルートでこんなに集められるのかはわかりませんが、ここは好意に甘えてアイスをいただくことにしましょう」ガチャ

文香「好きな味を取っていいですよ」

ありす「いっぱいありますね…」

文香「どれでもいいそうですよ」

ありす「このイチゴ味にしますっ」

文香「私はバニラにしましょう」

ありす「…心なしか何か観察されている気がします」

文香「晶葉さんが夕美さんの依頼によってハーゲ〇ダッツを盗もうとする輩とレディー〇ーデンを置く輩を懲らしめる装置を作ってほしいと依頼したそうです」

文香「どうやら、その装置は発動すると部署全体が氷点下10度になるらしいですが…」

ありす「夕美さん…」

文香(昔志希さんが侵入してこっそり食べていたのが原因ですかね)

文香「多分発動することはないと思いますよ」

文香「入れるのは大学生と招待された人だけですから」

ありす「よかった…」

文香「さて、食べ終わったところで私のお気に入りの場所を紹介しましょうか」

ありす「あれ、この宿泊室というのは…」

文香「プロデューサーさんは私たちを信頼しているようで、大学生組は宿泊していいことになっているんです。ちゃんとキッチンやお風呂もありますし洗濯もできますから不便ではありません」

ありす「信頼されているんですね…」

ありす「ここにも個室が」

文香「一応大学生用らしいですが、私以外は特別個室持っているので事実上私の個室です」

文香「せっかくなので見ますか」ガチャリ

ありす(高そうな万年筆と日記帳…)

文香「今は日々をつづることに嵌っているんです…」

ありす(大人だ…)

文香「さて、着きましたよ。書庫です」

ありす「所狭しと本が並んでいますね…」

文香「えぇ」

ありす「すごいです…」

文香(実は事務所に大きい図書館があるのですが、面倒だったのと誰も本読まないからこの部屋にずっと置いておいてもらった…とは言えませんね)

文香「…この階はベランダがあるので夏の夕方はベランダで本を読むということもできますね」

ありす「そうなんですか。また今度ここに来ても良いですか」

文香「明日また来ても良いですよ。今日はもう帰りましょうか」

ありす「何でですか?」

文香「もう6時回っているんです…」

ありす「時間がたつのは早いですね…」

~346の玄関にて~

ありす「本日はお世話になりました」ペコリ

文香「そんなにかしこまらなくても良いですよ…また明日会いましょう」

ありす「あの…今日のお礼にふるまいたいものがあるのですが、明日のお昼にキッチンにいらしてもらえませんか?」

文香「良いですよ…せっかくなので美波さんや夕美さんや藍子さんも呼びましょう。楽しみにしてますね」

ありす「気合い入れて作ります。それではさようなら」

文香「気を付けて帰ってください」フリフリ

~翌日の昼頃、346の玄関にて~

P(何だかんだでお昼になってしまったなぁ…まあ、予定通りだけど)

P(このあとは…さっきスカウトした北条加蓮という子の情報を整理して)

P(あと一昨日スカウトした奈緒に部署の案内をしないといけない)

P(やること多いなあ…今日も残業か…)

P(でも明日江ノ島で収録立ち合いだから早く切り上げないとなあ…)

P(ともかくむやみやたらにスカウトするものではないな)

P(でも良い原石を見つけたらスカウトせずにはいられないもんなぁ)

P(これがプロデューサーの定めというものか)ハァ

楓「Pさん、大変です~」

P「あら、玄関まで出迎えてくれるとは珍しい」

楓「それどころじゃないんです」

楓「美波ちゃんたちが医務室に運ばれているんです。急いでください」

P「何だって!!」

~ダイニングキッチン兼ラウンジ~

巴「こりゃあイケるのう!」ズルズル

瑞樹「食べちゃだめよ…巴ちゃん」ヒョイ

巴「何をするんじゃけん!!」

P「これは一体…?」

楓「ありすちゃんが美波ちゃんたちに昨日昼食に誘ってくれたお礼ということでイチゴパスタをふるまったようなのですが…」

楓「巴ちゃん以外の口に合わなかったそうです」

楓「ありすちゃんは今早苗さんの取り調べを受けていますよ」

P「どれどれ」パクリ

P「…oh」マッサオ

P(不味い以外の言葉が思いつかない)

P(美波は人の料理に不味いと言えないもんなぁ…優しすぎて)

P「とりあえず、イチゴパスタは禁止しよう」

楓「そうですね…」

こうして、この世にイチゴパスタという危険物がここに爆誕するのであった。

終わりです。

長文お付き合いありがとうございました。

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