【安価】ヤンキー「異世界転生だァ?」(95)


ヤンキー「っべーな、マジかよ」ゲラゲラ
取り巻き「マジマジwww」
取り巻き「やっくんホントだってー!」

いつもと同じ仲間。
いつもと同じ会話。
いつもと同じ日常。
いつからか、俺はそんな毎日に飽きていた。

ヤンキー「...けっ」スパー

高校に入学したばかりの頃は、周りの全てが輝いて見えた。
そして自分もその輝きの中の一つだと思ってた。

だが、現実を知った。
挫折を知った。
そして、道を外した。

兎に角他人の気を引きたかった。
「誰かに知られた人」に成りたかった。

かっこつけで始めたタバコの臭いが自分の制服に染み付くにつれて、入学した頃の純真な気持ちも薄れていった。

いつのまにか、ただ退屈で怠惰な日々を送るだけの底辺に成り下がっていた。

ヤンキー「...」フゥ

喧嘩を重ね、身体は傷にまみれた。
悪行を重ね、両手は罪にまみれた。
言い訳を重ね、心は嘘にまみれた。

最早、自分自身が、こんな自分が嫌いで。
こんな自分として生きるのに飽きていた。

ヤンキー(つまんねぇな...もう、なんもかんもよ)スタスタ

ヤンキー(いっそ死んじまったら...どうなるかな)スタスタ

ヤンキー「はあ、一回死んでみるってのもアリだよなァ」ゲラゲラ

そんな冗談を一人口に出し、虚しく笑う。

ヤンキー「...」
ヤンキー「つまんね」スタスタ

帰り道の交差点。
交通量も多く、事故が多発している。
そういや先月もここでどっかの坊主が跳ねられたよな...と、考えていると。
ふと、道路の真ん中を歩く少女を見つける。

ヤンキー「...!?」

目測だが歳にして5、6歳ほどか。
青の信号が点滅し、赤に変わろうとしているのにまだモタモタと歩いている。

ヤンキー(なにやってんだあのガキ...)スッ

いつもなら放っておいて帰るのだが、この日はなんだか心が不安定でいたので、ふと「ちょっと手伝ってやるか」と足が少女へと向かった。

それがいけなかった。

ヤンキー「オラ、嬢ちゃん。アブねぇから早く...」

プゥオオオオオオオオオッッ!!!!!!

ヤンキー「っ!?」ビクゥッ
ヤンキー(トラック!?まだ信号青ンなってねぇだろ!?)

ヤンキー「っべ、逃げろ、ガキ...!」バシイッ

咄嗟に少女を突き飛ばす。
その数瞬後に強烈な衝撃が自分の身体を襲い、そして大きく空中へと飛ばされた。

回転する視界から見える風景。
歪に曲がった自分の右腕。
交差点の向こう側から何かを叫ぶ数人の人。
呆然とした少女の顔。
徐々に近付く硬いアスファルト。

ヤンキー(まさかホントに死ぬってこたァ...ねぇ、訳ねぇか)ゴシャアッ

アスファルトに頭から着地。
スピードを緩めないトラックが既に瀕死の自分に追い討ちをかけようと迫り来る。

ヤンキー(...あ、アイツにまだ金返してねーや)グシャッ

ふとどうでも良い事が頭に浮かんだと同時に、トラックのタイヤが俺の頭を踏み潰した。


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____

天使「ふーんふふーん!今日は楽しい時空旅行!」ピョンピョン

私は天使!165年9ヶ月18日連勤を終えて、待ちに待った51年3ヶ月6連休!
しっかりリフレッシュするために、時空旅行の途中なのです!

天使「楽しいのでーす!いえーい!」スッタカスッタカ

まずは手始めにすっごいワーカーホリックな日本って国がある時空に来て、働いてる人間どもを尻目に5年ほど遊びまくるのです!

天使(それにしてもこの姿で来たのは失敗だったかなぁ、ちょっと幼すぎたな)フム

天使達は皆、自分の見た目年齢?を、ある程度自由に操作できるのです!
じゃないと天界がしわがれたババアばっかりになっちゃいますからね!

天使「でも、いくら若い方が楽しめる国って聞いてても...こんなに小さくなっちゃったら駄目ね」

天使「明日からは...うーん、そう!あそこの建物からワラワラ出てきてる子供くらいの見た目にしとこうかな」ワクワク

そんなプリティでオチャメな楽しい考え事をしてると、ふと男の子に声をかけられちゃいました!
ヤダヤダ、ナンパ!?
でもでも、天使と人間の恋なんて...!

ヤンキー「オラ、嬢ちゃん...アブねぇから早く...」グイッ
天使「きゃっ!!」

やだ、結構ゴーイン...!
せっかくの休暇だし、男の子楽しむのもアリかな~?

なーんて思ってたら、横から下品で大きいな音が...


天使(あれは...トラック、て言うんだっけ?わざわざ突っ込んでくるなんて死にたいのかしら)ニコニコ

せっかくラブストーリーが始まるってのに邪魔するなんて!天使ちゃんに蹴られて死んじゃえ!って思って蹴り飛ばしてあげようとしたんだけど...

ヤンキー「っべ、逃げろ、ガキ...!」ゴギャッ

天使「ちょっ」ストンッ

天使「...」

ゴシャアッ
グシャッ

キャアアアアーーーッ!!

天使「やっべ...え、私のせい............?」

男の子が車に轢かれて死んじゃいました。

天使「と......とりあえずセンパイに言わなきゃ...」ハァ

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今日はここまで


きたい

_____

ヤンキー「...」

ヤンキー「.......こ...こ...は?」

目を開けると、そこは真っ白な空間だった。
ふわふわと身体が浮くような感覚、ぼうっとしたままの頭...

ヤンキー(死んだ...ん、だよな?)

戸惑いながらも、仰向けになっていた自らの身体を起こしてみると、遠くから声が聞こえることに気づいた。

ヤンキー「...?」

大天使「ったく何やってんのよアンタは!馬鹿じゃないの!?」

天使「だからちゃんと謝ったじゃないですかセンパイぃ...!」

金髪の、同い年か少し上ほどの女性が小さな少女に激しく怒って...

ヤンキー(まて、あのちっこいの...!)

見覚えのある顔。
よく見れば、自分が死ぬ直前に見た顔だ。

ヤンキー(まさか死んじまったのか...?アイツも...)

大天使「だからはしゃぎすぎんなって言ったのに!!はぁホント...馬鹿!」

天使「だって久しぶりの休みですよ~!?羽目外さずして何が休みですか!?そんなんだから昇格できないんですよ!!!!」

大天使「ぶっ殺すどワレ」グイッ
天使「ぐえっ...」

大天使「はぁもう、これバレたら女神様になんて言われるか...!」ワナワナ

天使「どうせ私達死ぬこたぁねぇんですし、女神のババアがどうとか良いじゃんすか」ケラケラ
大天使「アンタ堕天してじゃないの?」

ヤンキー「おい、お前ら...」ヌッ

天使「あっ...」
大天使「目覚めましたか...ヤンキーさん」

ヤンキー「...てめぇ」
ヤンキー(なんで俺の名前を...)

大天使「ああ、落ち着いて下さい。私は大天使...そしてここは天界、まあ死後の国ですね」

ヤンキー「死後...」

自分が死んだという事実を改めて確認する。
だが、不思議と暗い感情は沸かなかった。

大天使「そして私はこの天界の管理を任されている大天使です」ペコッ

天使「部下の天使でーす」ヒラヒラ

ヤンキー「天使...」

大天使「ヤンキーさん、この度は私の部下の不手際で本来まだ迎えるべきでなかった死を迎えさせてしまい...誠に.....申し訳ありませんでした....!!」ドゲザー

ヤンキー「いや...その、ンなことどうでも良いわ。別に生きててもつまんなかったしよ」

天使「えっ!!じゃあもう解決じゃん!ほら先輩、どうでもいいですって!!」ピョンピョン
大天使「馬鹿っ!」ボカッ

大天使「ヤンキーさんが良くとも、私の気が収まりません...どうか、お詫びとして............『異世界転生』など如何でしょうか?」

ヤンキー「...異世界転生だァ?」

大天使「ええ、はい...本当はすぐにでも元の世界で生き返らせてあげたいのですが、色々と不都合がございまして...ならばせめてと、出来るだけ良い環境の世界で第二の人生を歩んでいただきたく...」

ヤンキー「ふぅん、どーでも良いけどよぉ......」

少し考える。
『てんせい』と言うのが何なのかはよく分からないが
どうせ生き返っても、同じような世界ならまた退屈をするだけだ。

ヤンキー「どうせなら、退屈しねぇ場所にしてくれよ」

大天使「退屈、しない場所...ですか」

ヤンキー「おう」

天使「あっ!それなら『アレ』あるじゃないですか!センパイ!」グイッ

大天使「はぁ?アレって...まさか」
天使「そう、センパイが処理に困ってたアレですよ!!」

ヤンキー「...?」
ヤンキー「なんでも良いからさっさと決めてくれよ」

何やら決めあぐねているようだが、こっちにとってはどうでも良い。
ただ待たされるだけというのは退屈だ。

大天使「でも、アソコは...!」

天使「センパイか私の加護つけときゃ早々死ぬこたぁないでしょ!うまく行けば『処理』済みますし...ハイ!決まり!ヤンキーさぁーんっ!!」
大天使「ちょっ...」

ヤンキー「なんだ?」

天使「ヤンキーさん、退屈しない世界が良いって言ってましたよね!それならぴったりの場所があるんです!!全てが新鮮!スリルとアクションの世界です!!そこにしましょう、そうしましょう!ね!?」グイグイ

ヤンキー「何でも良いから揺らすなや...」カクンカクン

天使「ほらぁ!センパイ!『良い』って言いましたよ!あとは加護つけて転生点せるだけです!!」ピョンピョン

大天使「はぁ、もう...」

大天使(でもホントにうまく行ったら仕事も捗るし女神様にも叱られずに済むかも...)ゴクリ

大天使「分かりました、準備にとりかかります...」ニコッ

天使「ところで君、なんか能力?とか欲しくないです?」

ヤンキー「はァ?」

天使「今から転生する世界は君が居たとこに比べてちょっと危険な所だから...ちょっとした能力持ってったほうが困らないと思うんですよ!」

天使「>>28>>29みたいな、役に立つ能力!持ってった方が良いですよ!ね!!」

命をストック出来る

自由に舎弟を産ませられる(母体は自前で準備)

ヤンキー「ストック...?舎弟...?ンだソレ...?」

天使「たとえばぁ、命のストックとかしとけば『あ^~死ぬ~』って時も安心!ストック消費で即復活!!何回でもトラックに挑めますね!」ニッコリ

天使「あとコレ重要!基本的に異世界・異種族の者と交尾しても子は宿らないんですけど、そこを能力でちょちょいと変えちゃえばアラ不思議!虫からドラゴンまで幅広く子作り可能なんですよ!!勿論天使にも使えますよ...!」チラッチラッ

ヤンキー(子供を舎弟って呼ぶのはどうなんだ...?)

天使「とにかく!この二つの能力つけといてあげますから!!」チョイチョイッ

ヤンキー「うおっ...」フワァ

天使「これで安心ですね」ニッコリ

天使「あ、あと...私とセンパイ、どっちの方が好きです?」

ヤンキー「>>32

どっちにも、まだそういうのは無ぇな

天使「えー...」

ヤンキー「大体俺はロリコンじゃアねんだよ」フンッ

天使「それじゃ困るんだけど...」

大天使「あら!そういえばまだ加護をかけていませんでしたね!」クルッ
天使「げっ」

大天使「忘れる所でした、大天使の加護を貴方に授けましょう...せめてものお詫びです、さあ此方へ」クイッ

天使(私がかけたかったのにぃ...)プクー

ヤンキー「加護ォ?」

大天使「ええ。こちらの不手際で転生させるのです、加護くらいつけなければ申し訳が立ちません....目を瞑って下さい」スッ
ヤンキー「お、おう...」

チュッ

ヤンキー「!」
大天使「神性のある存在の接吻を受け入れる事で加護が成立します。これで貴方は『大天使の加護』の恩賜を受けることができますよ」ニコッ

天使「それじゃ、さっさとあの魔法陣の中入っちゃってください...」グイグイ

ヤンキー「解ったから押すなや...」ストッ

大天使「それでは転生の儀を始めます...!!」ファゴオオオオ...

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ヤンキー レベル:1
筋力:15 体力:20
技量:9 敏捷:16
知識:5 魔力:2 
耐久:12 生命:22
精神:28 幸運:6
スキル
大天使の加護(全ステータス常時25%上昇・カリスマ性上昇率+100%)
ステゴロハート(素手時技量・敏腕・耐久・精神50%上昇)
アングラハート(武器使用時筋力50%上昇)

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ヤンキー「......んが」ガサッ

目を開けると、青い空。
爽やかな風が吹き抜け、耳元で草がさわさわと揺らいでいる。

ヤンキー「...ここは......」ムクッ

どうやら広大な草原、のど真ん中のようだ。
辺りを見回しても草の緑と空の青しか見当たらない。

ヤンキー(いきなりこんなとこに行かせるか、普通...?)

ヤンキー(俺は...異世界転生ってやつ、したんだったよな。と言うことはここは元の世界とか違うって事になるが...)

どうしたものか。
>>38

周りを調べる

ヤンキー「とりあえず...動かねぇ事にはなんも出来ねェな」ガサッ

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ヤンキー「....」ザッザッザッ

ヤンキー(何もねぇ...)

ヤンキー(とりあえず周りを歩き回ってみたけど、なんかの骨が落ちてたりするだけで他はなんもねぇな)

ヤンキー「クソッ、どうしろってんだ...?」

延々と続く青と緑に嫌気が差してきた頃、はるか後方から耳をつんざく様な何かの雄叫びが聞こえた。

ヤンキー「....っ!?」ビクウゥ

ヤンキー(何だ、今のは...!?)チラッ

咄嗟に背後を確認する。
すると。

後方の空から黒い影。
なにか、翼を生やした大きな生物が此方へと飛んでくるのが見えた

ヤンキー「ンだぁ、アレ...!?」ギョッ

明らかに危険な生物。
逃げるか、挑むか...
どちらにしても、死の予感はひしひしと感じている。

ヤンキー(ここは...!)

>>42

死んだふり

逃げる

ヤンキー(死んだふりに限るぜッ...!!)

悲しきかな、転生前もまともに授業を真面目に受けていないヤンキーは...!!
無慈悲なほどの......!!


────知識

      5──────


ヤンキー(熊もこれでバッチリだって言うしよォ、完璧だろ)バタッ

だんだんと大きくなってくる飛行音。
暗雲が立ち込める空。

草むらに倒れこむ、バカ。

ヤンキー(...)ゴクリ


ズズンッ

ヤンキー(着陸...したのか?)チラッ

ふとヤンキーが横目で後ろを見ると。

飛竜「グルルルゥ......!」ジュルル

ヨダレを足らし、此方へと近付いてくる翼の生えた怪物の姿が。

ヤンキー(あっ、これ...ヤベェわ)ググッ
ヤンキー(逃げる、しか、ねぇ...!!) シュバァーッ!

倒れこんだ状態から身体を跳ねさせ、一直線に駆ける。
数秒後、大きな雄叫びと共にドスドスと後ろから駆けてくる音ッ!!

ヤンキー(嘘だろ...んだよこのバケモンはよぉッ!)タッタッタッ

ヤンキー(このままじゃ追い付かれる...ならッ!!)ガサッ

草原の所々に落ちている謎の骨を拾う。
そして...

ヤンキー「逃げなくても、おんなじだよなァ...!」ブンッ

飛竜に向かって、投げつける!
速度をのせて飛んでいった骨は、飛竜の顔に直撃すると...!

そのままバラバラにくだけ散った!!

ヤンキー「痛くも痒くもねぇ、ってか...!」ダッ

拳を握り、飛竜へと駆け出す。
彼は、死の恐怖を感じながらも。
彼の人生で一番の、高揚感を感じていた。

飛竜「グルルァアアアーーーッ!!」ゴウッ

吼える飛竜の首元へと滑り込むと、右腕を振りかぶり...

ヤンキー「っらァァァ!!」ゴスゥッ

飛竜の顎を...
渾身の力で突いたッ!!

メキョッ...

ヤンキー「ッー~~!!!?!?」ズキィィィッ

しかしヤンキーの貧弱な身体では飛竜の頑丈な身体を傷付ける事は叶わず、逆にヤンキーの拳が割れる事となった。

ヤンキー(っベ...無理だわ、コレ)ボタボタ

夥しい血を右拳から流しながら、即座に駆け出す。
『勝てない』という事実が、拳を通してしっかりと解ってしまった。

ヤンキー「痛ってぇ"...クソッ、マジかよ...!!かはっ、はあっはあっ...!!」タッタッタッ

50メートルほど走ったところで飛竜に追い付かれ、大きな脚で掴まれる。
そしてそのまま飛び上がり、勢いをつけて着地した。

ヤンキー「ごェ......ッ!」グキャッ

脚に掴まれていたヤンキーは当然上下から衝撃を受け、身体中の骨が軋み口から血を吐き出した。

ヤンキー(トラックに跳ねられた時より痛てェ...駄目だこりゃ、死んだな)ゲポッ

血にまみれたヤンキーの顔をまじまじと見つめ、舌舐めずりをする飛竜。

凡そ想像もつかないような無惨な死を遂げることを覚悟し、目を瞑る。

飛竜の大きな雄叫びが聞こえる。

何か生暖かいものが顔に触れる。

ああ、もう終わりだな。

しかし...

数秒待っても痛みは来ない。

ヤンキー「...?」チラッ

うっすらと目を開けると。

そこには、こめかみに剣が刺さった飛竜が
口を大きく開けたまま、絶命していた。


ヤンキー「うォ............!?」

>>53(性別とか、決めれるなら細かな設定をオナシャス!)「君、大丈夫かい?」

人間の女
11歳
主人が不慮の事故で死んで回収される前に逃げた妊娠中の逃亡奴隷
奴隷の首輪の効果で他者(奴隷を除く)に許可されないと食事を取れない(その他いろいろ制限あり)
ピアス等も付けられている

女奴隷「君、大丈夫かい?」ズボッ

ヤンキー「お、おぉ......」

目の前に表れたのは、ボロ布を身に包んだ少女。
首輪やピアス、傷だらけの足を見るとそこまで良い身分ではない事が推測できる。
そして...

ヤンキー(妊娠、してんのか...?)チラッ

不自然に膨れ上がった腹。
自分の元居た世界では考えられない事だが、どうやらその幼い体躯に命を抱えているようだ。

女奴隷「耳に付いているピアス、黒一色の地味な服...君も、逃げてきたんでしょう?」

ヤンキー「は、はぁ...?テメ、まさか...」

女奴隷「奴隷...辛かったでしょ?こんなボロボロになって...」スッ

ヤンキー「ってめぇ、俺は奴隷じゃねぇぞ...」グッ

女奴隷「えっ...そ、それは...........」サァーッ

ヤンキー「馬鹿にしてんじゃねェぞ」ギロッ

ヤンキー特有のどうでもいいプライドで放ったその言葉は、奴隷の彼女を恐怖させるのには十分だった。

女奴隷「も、申し訳ございません...どうか...どうかお許しを」ドゲザー

ヤンキー「誰も土下座しろなんて言っちゃいねぇんだがな...」
女奴隷「何でもします...どうかお許しください...」ガタガタ

ヤンキー(なんでも、だとォ?)

ヤンキー(...どうしてやろうか)

>>58

街があるなら連れていってもらう

(ふと思い直したので以後女奴隷→奴隷少女とします)

ヤンキー「それじゃあ...街に連れてって貰おうじゃねぇかオラァ!!」

奴隷少女「は、はいぃ...って、え?」

ヤンキー「なんでもするんだろ、あくしろよ」ゲホゲホ

どうやらここの世界の住人のようだ。
怪我も酷く道もわからない今の状況では、何か事情がありそうな少女でも道案内になってもらった方が安全だ。

奴隷少女「ま、街って...そ、それでいいんですか?」

ヤンキー「いいって言ってんだろ...ついでに、手を貸してくれ」スッ

奴隷少女「は、はい...」グッ

ヤンキー「っ...と」ヨロヨロ

ヤンキー「さっきみたいなバケモンが出てきたらまた頼むわ、さっきの武器で蹴散らしてくれや」ゼェハァ

奴隷少女「だ、大丈夫ですか...?肩を...」

ヤンキー「馬鹿、男は根性だろォが!それに敬語使うんじゃねェ、俺ァてめぇを舎弟にゃしてねぇ...」フラフラ
____
__

奴隷少女 レベル:11
筋力:52 体力:30
技量:41 敏捷:95
知識:20 魔力:16 
耐久:35 生命:48
精神:7 幸運:1
スキル
主従(1~2人での戦闘時、筋力+50)

____

奴隷少女「ここから東に向かっていけば、小さな町があるはずだから」
ヤンキー「おう...」ヨロヨロ

ふらつく身体を無理やりに動かし、草原を歩く。
日は傾き、空は紅く染まっている。

ヤンキー(一歩歩く度に、全身が痛てぇ...)ハァハァ

奴隷少女「...大丈夫?」

ヤンキー「うっせぇ...それより、町まであとどんぐらい掛かんだよ」フゥ

奴隷少女「このペースなら、あと..5時間...」

ヤンキー「...マジかよ」

あと五時間は歩き続けなければいけない。
流石のヤンキーも、座り込みたくなる程だった。

ヤンキー(身体中痛てぇし、腹も減ったし...なんかねェのかよ)
ヤンキー(...クソッ!草に、木に、岩に、川!!見飽きたぞクソッ!)ゼェハァ

ヤンキー(どうする?このままバカみてぇに歩き続けるのか?それとも...何か...)

>>65

ksk

休むか

ヤンキー「チッ...おい!少し休ませろ...」ドスッ

そう言いながら、木陰に座り込む。
木にもたれ掛かり、ぼんやりと夕焼けを見上げる。

奴隷少女「あ、あの...」

ヤンキー「ンだよ...動けるんなら何でも良いから食えるもん持ってきてくれ...」フゥ

奴隷少女「は、はい!」タッタッタッ

_____

奴隷少女「も、持ってきました!...この辺りで自生している薬草と、栄養価の高い果物...と、川の、水です」ソッ

ヤンキー「...すまねェな、早速食うぜ」

奴隷少女「は、はい」

ヤンキー「...うん、力沸いてくる感じするわ」ムシャムシャ

奴隷少女「...」

ヤンキー「っうめぇな、これ...!」ポリッ

ヤンキー「...オメェは食わねぇのか?」モグモグ

奴隷少女「あ、私は...この首輪付けてるから...」
ヤンキー「つけてるから?」

奴隷少女「...他人に許可を貰わないと、食事が出来なくて」

ヤンキー「ンなめんどくせぇもん、外しちまえばいいのによ」

奴隷少女「じ、自分じゃ外せないから...」

ヤンキー「ふぅん...」
ヤンキー(めんどくせぇもん付けてんな...どうしてやろうか)

>>69

外してあげよう
無理なら食事の許可

ヤンキー「...ちょっとこい」

奴隷少女「...?」スッ

ヤンキー「...っと」パチンッ
奴隷少女「え...」ポロッ...

ヤンキー「これで飯食えンだろ」フゥ

奴隷少女「ちょ...貴方...なんてこと」ボーゼン

ヤンキー「あん?」

奴隷少女「し、知らないわけじゃないよね?奴隷の首輪を主人以外が外すのは...重罪ですよ!?」

ヤンキー「は?知るかンな事...大体バレなきゃいいだろが」

奴隷少女「バレなきゃって...馬鹿なの...?首輪外したらですね、王都の奴隷商に通知の魔法が来るんですよ!はあ、もう...知らないからね」パクパク

ヤンキー「結局食ってんじゃねえかよ」ケラケラ

奴隷少女「どうせもうすぐ兵隊が来て捕まるんです、我慢してたって意味ないもん...」モグモグ

ヤンキー「王都だなんだってめんどくせぇなあ...まあいい、そんときゃどーにかなんよ...ホラ、飯食い終わったら行こうぜ」

奴隷少女「ええ...は、はい」モグモグ
奴隷少女(死にかけだったのに...もう体力が回復してきてる...?)ジー

ヤンキー「...どした?」

奴隷少女「...いえ」

奴隷少女(............この人...)

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ヤンキー「...」ザッザッザ

奴隷少女「......」ザッザッザ

ヤンキー(ただ歩くだけって...つまんねぇな)

ヤンキー(気になる事も何個かあるし、なんか話しかけてみっか?)

>>74

首輪取れたのになんで逃げないのか

ヤンキー「あのよォ」

奴隷少女「...?」

ヤンキー「首輪取れたのによぉ、なんで逃げねんだ?」

奴隷少女「...逃げるつもりなら、元から助けないよ」

奴隷少女「私は、放ってたら死んじゃうような人を見捨てて生きてけるような人間じゃないから...」

ヤンキー「...そォかよ」

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__

___

日も落ち、闇に包まれた草原を歩くこと2時間。
月の朧気な光だけが、行く道を指し示している。

奴隷少女「...」ザッザッザ

ヤンキー(...日が落ちたとは言え妙に静かだ、それに............)
ヤンキー「血の臭いがする」ボソッ

奴隷少女「えっ?」ピクッ

ヤンキー「...なんか、いるぜ」ギロッ

ザワ...

「シルルルル......」

ヤンキー(恐竜のあとは、猿...か?)
奴隷少女「あっ...こ、こいつは...!」

闇から這い出るように現れたのは、全身を体毛で覆った大きな猿のような怪物。
体長はざっと見て2メートルと少し、マンドリルのような顔が恐怖心を煽る。

ヤンキー「なんか知ってんのか、オメェ...」
奴隷少女「マサクルエイプ...夜行性の、魔物...です」

奴隷少女「高い戦闘力と...嗜虐性をもっていて、『食事』として人間の...指を好みます」

ヤンキー「ほう...逃げたら平気...って訳じゃあ無さそうだしな」チラッ

マサクルエイプ「シルルルル...シル...」ジリッ

奴隷少女「私が倒す、から......貴方は」シャキンッ
奴隷少女「...逃げて」タンッ

マサクルエイプ「...ホキャアアアアアーッ!!」ダァンッ

奴隷少女が飛び出すと同時に、猿の怪物も大きく飛び出す。
大振りな拳を避け、奴隷少女が一撃を浴びせるも。
対した傷にはなっていないようだ。

ヤンキー「逃げろっ...たって...オメェなあ.....」
ヤンキー(...このまま本当に逃げちまうか?それとも、手助けに行くか?いや、それとも...)

>>79

片手に石を隠して、反対の手指を見せつけ挑発
食いつこうとしてきたら石で鼻っ柱を殴る


失敗したらゴメン

ヤンキー(...)スッ

ヤンキー「...おい、エテ公!!」バッ

奴隷少女「!?」
マサクルエイプ「...?」チラッ

ヤンキー「食えるもんなら食ってみろや、おさるちゃんよぉ!」ヒラヒラ

奴隷少女「馬鹿、何やって...!」
マサクルエイプ「キィエエエエーーーッ!!!!」ダァンッ

ヤンキー(...乗ってきた!)グッ

ヤンキー(飛び込んで来たら...カウンター気味に...!)

ヤンキー「舐めてんじゃ...ねェぞコラァッ!!」ブンッ

マサクルエイプ「ギッ......!!」バキョッ
ヤンキー(鼻を潰す...ッ!!)

予想外の衝撃によろけるマサクルエイプ。
その隙を見て、持っている石で2回3回と殴打する。

ヤンキー「ハッハァ!余裕じゃねェかよ!!」ドガッゴスッ

マサクルエイプ「...シルルルル............!」ギロリ

刹那、ヤンキーの視界が揺れる。
その後、胸部に痛み。
ふわりと浮く身体を無理矢理修正しながら前方を確認する。

マサクルエイプ「...っキャオオオオオオオオオオッッッ!!!!」バウッ

ヤンキー(マジかよ...!?)ズタンッ

荒々しく地面を転がり、迫り来るマサクルエイプからの追撃にどうにか備える。
遠くから奴隷少女が走ってきているが、到着までに1、2撃...

ヤンキー「......根性みせて、耐えるしかねェな」ムクッ

マサクルエイプ「キャオッ!!」シュザッ

ヤンキー「っスう...!」ザキュッ

引っ掻き攻撃をかわそうと身を捻らすも、左肩にかする。

ヤンキー(かすっただけでこの威力かよ...!)ゾクッ

肉を削がれたような痛みに耐えながら、折れた鼻に向かい石を投げつける。

マサクルエイプ「シルル...!」ヒョイッ

当然避けられる。
が。

ヤンキー(見越してんだよ...ッ!!)シュバッ

ヤンキー「どらぁっ!!」ズプシッ

マサクルエイプ「ッキイイイイイイイイイっ!!!??」ブンッ
ヤンキー「ぅおっ............!」ゴシャッ

マサクルエイプの拳が脇腹に当たり、数メートル吹き飛ぶ。
強烈な痛みと嘔吐感が込み上げ、今にも意識が飛びそうだが...

ヤンキー「柔いンだよ...!!」ニタァ

その引き換えに、マサクルエイプの左目を潰す事に成功した。
視界を奪う事は大きなアドバンテージになる。

片や怪物は、痛みに悶え、その場で拳を振り回し。
片や人間は、脇腹を押さえながら、吐瀉物を撒き散らす。

ヤンキー「ぅえ"...はあ、はあ............!!」

どちらが優位か。
五分五分にも見えるその状況だが。

奴隷少女「っはあ!!」ザシュッ
マサクルエイプ「ッ!!!!???」ズダンッ

人間には仲間がいた。

マサクルエイプの腕が飛ぶ。

ヤンキー「おっせェぞ...!!」

奴隷少女「逃げろって言ったのに...自業自得だよ」ザシュッ
マサクルエイプ「ッギャアアアアアアーーーーッ!!!!」ゴトンッ

脚をも斬られ、四肢の二つが欠損した。
不様に這いずり回る猿の怪物の頭部に、奴隷少女は容赦なく剣を突き立てた。

奴隷少女「...でも、君が気を反らしてくれなきゃ殺されてたかも」

ヤンキー「へっ、感謝しやがれってんだ...」ゲホゲホ

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【始まりの街】

奴隷少女「着いたね、ここが始まりの街だよ」

ヤンキー「は?何が始まんだよ」
奴隷少女「知らない」
ヤンキー「えぇ...」

始まりの街と呼ばれる街についたのは、日が落ちてから4時間は歩いた後だった。
人々の声や暮らしの灯りが、疲れはてた二人の心を癒してくれるようだ。

奴隷少女「それじゃ...精々、王都の兵に捕まらないようにね」

ヤンキー「.....どこ行くンだよ」

奴隷少女「は?...もう私は奴隷の首輪を外されてるの。どこに居たっていいでしょ...それじゃ」タッタッタッ

ヤンキー「............」

少女は街の闇に消えた。
劇的にも思えた出会いをした少女との別れは、案外あっさりとしたものだった。

ヤンキー(オイオイ、マジで行っちまったよ)

ヤンキー(...俺は、どうしようか)

>>89

奴隷少女のことを気にかけながら町を探索する

ヤンキー「ま、そうだわな...」ザッザッザ

わざわざ自分に付き合う義理もない。
当然の事だ。
そう思い、ヤンキーも街をぶらつくことにした。

ヤンキー「...」

ヤンキーが生きていた世界とは文明のレベルが違うのか?
木造・石造の家が目立つ。
どこかの外国の片田舎に来たような気分にすらなった。

ヤンキー「字は...」

よく解らないが、看板には挿し絵が描いてある事が大半だ。
それで判断が出来る。

ヤンキー「字が読めねぇのはめんどいな...どぉにかしねぇと」フム

剣や鎧の絵...武具屋?があるようだ。
他にも宿屋、レストラン、酒場の辺りはなんとか解った。

ヤンキー(なんかわかんねぇマークもあっけど...とりあえず金がねェとな)

ヤンキー(...アイツは金持ってんのか?............いや、まぁ大丈夫だろ)フゥ

ヤンキー(夜だし眠る場所も欲しいしな...金、どうしようか)ウーム

考え事をしながら歩く。
よく考えれば一文無しなのだ、街についたからどうなるって訳でもなかった。

ヤンキー「はぁ...腹減った...」

ヤンキー「しゃあねえ...>>93、するか」

職業斡旋所的なのがないが尋ねてみる
あれば行って話だけでも聞こう

ヤンキー「とりあえず、人捕まえて話聞かねぇとな...」

職業斡旋所...そんなものがあれば、とりあえずは金が貰えるはずだ。
飯も食えない今の状況を、一刻も早く打開しなければならない。

ヤンキー「...っと、オイ!」ガシッ

村人a「うおぉっ!?なっ!なんだぁ!?」ビクゥ

ヤンキー「...んなビビんなよ、ちょっと今...金に困っててよォ」
村人a「お、おれは持ってないぞ!!ゆ、許して!」

ヤンキー「ちげぇよ...その、職業斡旋所...みたいなところ、ねぇか?」

村人a「なんだ?それ...ギルド、みてぇなもんかな?」

ヤンキー「なんでもいいから今すぐ金が欲しいンだよ、仕事出してくれる場所を教えろってんだ」グイッ

村人a「わかった、わかった!落ち着いて!さ、酒場のねぇちゃんに聞いたら何か教えてくれるだろうよ!ホラ!」

ヤンキー「酒場か...すまねェな、手間取らせた」ポイッ

ヤンキー(そんな所で仕事なんか貰えんのかよ...?)

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