【ガルパン】甘くてとろけるエリカさん (10)

黒森峰にみほが居た頃の話
独自の設定有り

都合の為書き込みは一時間後位になるかもしれない

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【逸見エリカの回想】

ずっと羨ましくて仕方がなかった。
西住家に次女として生まれ、一年生にして副隊長。
私の憧れの、西住まほ隊長の隣には常に彼女がいた。

優雅で知的な、他の追随を許さない姉と違い彼女はどんくさく、そしてどこか抜けている。
勉強は並以下、スポーツも出来るわけではなく料理も出来ない。

ただ唯一の取り柄は戦車道。

それでも私は奪えなかった。
彼女の、副隊長としての立場を。

何故彼女を越えられない?

何が私に足りていない?

西住隊長の妹でないから?

イライラした。
分からないがゆえにみほがとても憎かった。
悔しかった。

だがそれ以上に嫌いだったのは自分自身だった。
自分の行き場のないこの感情を、みほに重ね、憎む自分が何よりも嫌だった。
自己嫌悪。



今になって改めてもう一度振り替える。

もしかすると彼女を越えること拒み続けてきたのは私かもしれない。

答えは昔から、ずっと近くに、目の前にあった。

私が本当に憧れていたのは・・・

私がずっと側に居たかったのは、貴女なのかもしれない。

西住みほ。

私にとって貴女は何だったのだろう?

貴女にとっての私は・・・

一体何だったの?

早く濃厚でクリーミィなエリカさんが見たい

エリカがゲル状の液体人間となり、みほがそれを舐めてみたら甘かった
こういうホラーENDですね

西住みほ、彼女は常にどこか抜けている。
私がこうしてせっせと荷物を運び込んでいる間も、私など眼中になくどこか別のところを見つめている。

エリカ「・・・ねえ、副隊長さん?」

みほ「・・・」

エリカ「ったく・・・」

彼女のほうが持ってきた荷物は多いというのに。



黒森峰では戦車道履修生を対象に、毎年二週間に及ぶ研修合宿が行われる。
この研修の目的は『チーム全体のチームワーク強化』
その目的ゆえか部屋は必ず二人一組のシェアルームと決まっている。

だから私はこの合宿が嫌いだ。

大嫌いだ。

そして何より嫌なことは彼女、西住みほと一緒になってしまったことだ。

私に部屋割りを渡したときの西住隊長のあの少しだけニヤリとした顔。
おそらくこのペアを決めたのは西住隊長自身だろう。
意図は未だに理解できないが・・・

エリカ「・・・」

みほ「・・・」

エリカ「副隊長!」

みほ「!?」

エリカ「貴女、少しは手伝いなさいよ。貴女のほうが荷物多いんだから」

みほ「ご、ごめんなさい・・・。ボーッとしていて・・・」オロオロ

私は彼女が嫌いだ。

だからいつか越えてみせる。

まほ「みほ、入ってもいいか?」

みほ「お姉ちゃん?うん。いいよ」

まほ「じゃあ、失礼する」

ガチャリ

まほ「荷物の片付けはもう終わったのか?」

みほ「えっと、まだ終わってなくて・・・。わたしのもエリカさんが手伝ってくれてて・・・」

まほ「・・・みほ、自分のことは自分でするように。すまんなエリカ、みほを頼む」

エリカ「はい、隊長の命令とあらば!」

奪ってみせる、そのポジション。

1日目は各自部屋の点検、整理だけで終えた。
本格的な練習は明日からだそうだ。

研修では昼食時の弁当以外、基本自炊となっている。
大抵はペアで代わる代わる当番をするのだが・・・
みほに任せるとどんなものができるか分かったものじゃない。
仕方ないので私が朝、夕食を作ることにした。

そして当の本人はというと、

みほ「エリカさんの作った料理、美味しすぎるよぉ。お店開けるよ!」

目の前で私の作った夕食を頬張っている。

みほ「でもエリカさん、本当にいいの?」

エリカ「ええ、貴女に任せて食べられないモノ作られても困るから」

みほ「うぅ・・・、酷い・・・」

エリカ「って、ほら!頬っぺたにソース付いてるわよ」

みほ「どこ?」

エリカ「右よ、右」

エリカ(はぁ、ホント子供っぽいわね・・・)

みほ「エリカさん、取れた?」

エリカ「ええ、取れたわよ」

エリカ「さっさと食べて。食器片付けられないから」

菜々「え?何を今更…」
【決講】菜々「え?何を今更…」 - SSまとめ速報
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夕食後は一応勉強時間となっている。
が、みほは夕食のあとすぐさま二段ベッドの二階に上がってしまった。
普段は気にもしないのだが、隊長から頼まれた以上は任務を果たさなければならない。
面倒を見る?
高校生にもなってその表現は正しいのか?
いや、そうだ。
この状態を正してやるのは『面倒を見る』と言う表現であっている。

エリカ「・・・貴女、勉強したら?」

みほ「ボコの漫画読んだ後で」

『ボコ』
またあの趣味の悪い熊か。
包帯だらけのボコボコのボコ。

エリカ「よく飽きもせず・・・。そんなもの読んでないで「今いいところなの」

こうなってしまっては彼女が満足するまではどうしようもない。
どうせあとになって困るのは彼女なのだ。
仕方がない。

みほ「エリカさんって・・・」

エリカ「何?」

みほ「・・・やっぱり何でもない」

エリカ「あとずっと引っ掛かっていたんだけれど」

エリカ「どうして今日は『逸見さん』じゃなく『エリカなの?』」

みほ「そ、それは・・・」

エリカ「貴女に名前で呼ぶこと、許した覚えはないわ」

みほ「その・・・、ごめんなさい」

エリカ「・・・」

エリカ「・・・」

みほ「・・・」

エリカ「・・・そろそろ時間だから、寝るわ」

みほ「え、うん・・・、そうだね」

エリカ「貴女、上で寝るの?」

みほ「うん、そのつもりだけど・・・」

エリカ「そう、歯ぐらいちゃんと磨いてから寝なさいよ」

みほ「お母さんみたいだね、何だか」

エリカ「隊長に言われたからよ。それ以外の何でもないわ」

みほ「・・・」



エリカ「電気消すわ。ほら、上がって」

みほ「・・・」

エリカ「・・・?」

みほ「・・・」

ドサッ

エリカ「・・・ベッドとはいえ、痛かったわ」

みほ「ごめんなさい・・・」

エリカ「なら退きなさいよ」

みほ「絶対いや」

エリカ「はぁ・・・、ホント何なのよ。貴女の考えていることがさっぱり分からないわ」

みほ「分からない?」

エリカ「ええ、そうよ」

みほ「エリカさんは私のことが嫌いなの?」

エリカ「・・・大嫌いよ」

みほ「・・・そっか」

エリカ「もういいでしょ。退きなさい」

みほ「・・・分かった」

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