はじめます

場所:街中

ホームレス「……」ブツブツ

穂乃果「ねえ、海未ちゃん？」

海未「何ですか？」

穂乃果「あのホームレスのおじさんは何をブツブツ話しているんだろ？」

海未「さあ？何でしょうね？」

穂乃果「気にならない？」

海未「いえ、全然気になりません」

穂乃果「あのホームレスのおじさんの近くの街路樹の後ろに隠れて、内容を盗み聞きしてみようよ♪」

海未「穂乃果？私の話を聞いていましたか？」汗

穂乃果「よ～～し！レッツゴ～～！」

海未「ちょっ！待ちなさい！穂乃果！」汗

ホームレス「……」

穂乃果「さて……、ホームレスのおじさんは何を話しているかな～～♪」

海未(はやく帰りたい……)汗

おばさん「♪」

ホームレス「豚……」ボソ

穂乃果「えと……、悪口……かな？」汗

海未「あのおば様を動物に例えたのでしょうか？」汗

男子学生「……」

ホームレス「パン……」ボソ

穂乃果「パン……って、あの食べるパンの事かな？てか、何でパンなの？」汗

海未「あの学生が、パンのように見た目が丸々してるからでしょうか？」汗

女性「……」

穂乃果「あ！あの人……」

海未「知り合いですか？」

穂乃果「うん！穂乃果のお店で、いつもお菓子を買いにくるんだ！」

穂乃果「それでね、いつも穂乃果に『食べちゃいたいほど可愛いわ♪』って言ってくれるんだよ♪」

海未「変態ですか？その人は……」汗

穂乃果「海未ちゃんヒド～～イ！凄く良い人だよ！」

海未「そう何でしょうか……？」

女性「……」

ホームレス「人……」ボソ

穂乃果「え？人？どう言う意味？」汗

海未「例えでも何でも無いですね……」汗

痩せた男「……」

穂乃果「あの男の人には、何て言うのかな？」

痩せた男「ふぁ～～」あくび

ホームレス「牛……」ボソ

穂乃果「あの痩せた男の人って牛に見えるかなぁ？」

海未「どちらかと言えば、痩せた鳥でしょうか？」

穂乃果「そっちの方がしっくりくるね」

凛「それでね、真姫ちゃんがね……」

花陽「ふふ、そうなんだ」

穂乃果「あ！凛ちゃんと花陽ちゃんだ！」

海未「本当に仲が良いですね、あの二人は」

ホームレス「卵と米……」ボソ

穂乃果「凛ちゃん……卵に似ているかな？」

穂乃果「どちらかと言えば猫だよね？」

海未「花陽はお米が好きですが、お米に例えるには無理かと思いますが……」汗

肥満の男「……」

ホームレス「野菜……」ボソ

穂乃果「え？野菜？」汗

海未「……」汗

穂乃果「え～～……、おかしいよ！」

穂乃果「あの太った男の人は絶対に『豚』だと思うんだけど……」

海未「まあ、失礼だと思いますが……、私も『豚』の方がしっくりくるかと思います……」汗

穂乃果「う～～ん……、ホームレスのおじさんの独り言にはどんな意味があるんだろ……」

海未「どうも動物とかに例えているわけでは無さそうですし……」

穂乃果「あ！もしかして！好きな食べ物を言い当てているのかな？」

海未「あのホームレスは凛に『卵』と言っていましたが？」

海未「確か、凛の好きな食べ物はラーメンのはずですよ？」

穂乃果「あ！そうだった……」汗

穂乃果「じゃあ、好きな食べ物は違うか……」

海未「ホームレスの独り言は一体、何を意味して……」

穂乃果「よし！ならば、ホームレスのおじさんに直接聞いてみよう！」

海未「え？」汗

穂乃果「おじさ～～ん♪」

海未「ちょっ!?ほ、穂乃果!!?」汗

ホームレス「……」

穂乃果「おじさん♪」

ホームレス「ん？」

穂乃果「おじさんは早急、道端で歩いている人達に何か動物とか食べ物の名前を呟いていたけど……、どんな意味があるんですか!?」

海未「ちょっと！穂乃果！」汗

ホームレス「……私は、その人が直前に食べた物を知る事が出来る能力を持ってるんだ……」

穂乃果「ほえ～～、そうだったんだ～～」

海未「直前に食べた物を知る事が出来る……」

ホームレス「……もういいかな？私はこれで失礼するよ」(退散)

穂乃果「……何か凄く地味な能力だったね？海未ちゃん？」

海未「……」真っ青

穂乃果「海未ちゃん？何だか顔が青いよ？」

海未「穂乃果！あの女性に、もう関わらないで下さい！」

穂乃果「あの女性って……、いつも穂乃果のお店にお菓子を買いに来る女の人の事かな？」

海未「良いですか？その女の人には絶対に関わってはいけません!?」

穂乃果(何でそんな事を言うんだろ……。それに顔も青いし……。変な海未ちゃん)