ガリガリさん「僕ももういい大人ですし、ガリガリ君なんて食べませんよw」 (15)

ガタンゴトン… ガタンゴトン…

ギュウギュウ… ギチギチ…

『まもなく新宿、新宿~』



ガリガリさん(さて、降りるか……)

ザッザッザッ…

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ガリガリさん「おはようございまーす!」



同僚女「おはよー!」

後輩「おはようございます、先輩!」

課長「おはよう」

課長「例の商談は進んでいるかね?」

ガリガリさん「はい、順調です」

ガリガリさん「競合他社も入り込んできていますが、先に話を持ち込んだのはこちらですし」

ガリガリさん「先方も競合他社の営業はほとんど無視しているようです」

ガリガリさん「多少の価格調整は必要でしょうが……」

課長「うむ、ご苦労」

後輩「先輩、今度のプレゼン資料を見て下さい!」

ガリガリさん「ふむ……」

ガリガリさん「なかなかいいじゃないか」

後輩「本当ですか!?」

ガリガリさん「だが、この商品はうちの看板商品だからもっとPRすべきだな」

ガリガリさん「それと、ここは表よりもグラフを載せた方が分かりやすいだろう」

後輩「なるほど! ありがとうございます!」

同僚女「ガリガリさ~ん!」

ガリガリさん「なんだい?」

同僚女「クレームの電話が入ってて、男の人を出せって……」

ガリガリさん「分かった、僕が出るよ」

ガリガリさん「お電話代わりました。はい……はい……」

ガリガリさん「外回り終了っと」

ガリガリさん(仕上げなきゃいけない書類があるから、今日はちょっと残業しないとな……)

同僚女「ねーねー、みんなー!」

ガリガリさん「ん?」

同僚女「隣の課から、アイスもらったから食べましょー!」

課長「たまにはいいね」

後輩「今年は暑いですからね~」

ガリガリさん「……」

パクパク… ムシャムシャ…

同僚女「あれ? ガリガリさんは食べないの?」

ガリガリさん「僕はいいや。甘い物はあまり好きじゃないからね」

同僚女「ふうん……」

同僚女「あっ、ガリガリ君だけ残っちゃった!」

同僚女「後輩君、食べない?」

後輩「いえ、もうお腹いっぱいで」

同僚女「課長は?」

課長「アイスは一つで十分だよ」

同僚女「ガリガリさん、ガリガリ君食べない? 余っちゃったの」

ガリガリさん「……」ゴクッ

ガリガリさん「僕は……ガリガリ君はもう卒業したから……」

課長「そんなに無理しなくていいんじゃないのかね」

ガリガリさん「え」

課長「君がかつて、“ガリガリ君”と呼ばれた児童だったのは知っている」

ガリガリさん「!」

課長「しかし、そんな君も成長し……大人になり、坊主頭をやめ、スーツを着る身となった」

課長「いつまでも“ガリガリ君”ではいられないと、あえて好物を遠ざける気持ちは分かる」

課長「だが、たまには……たまにはいいんじゃないかね?」

後輩「そうですよ、先輩!」

同僚女「ガリガリさん!」

ガリガリさん「そこまでいうなら……食べさせてもらうよ」

ガリガリさん(いったい何年ぶりだろう……“ガリガリ君”を食べるのは)

ガリッ

ガリガリさん「!!!」ビビビッ

ガリガリさん「うおおおおおおおおお!!!」ガリガリガリ

ガリガリさん「ガーリガーリくん、ガーリガーリくん、ガーリガーリくーん!」ガリガリガリガリガリ



後輩「はやっ!」

同僚女「あっという間に食べ終わっちゃった……」

課長「よっぽど飢えていたんだねえ」

同僚女「どうだった? 久々のガリガリ君は?」

ガリガリさん「冷たくて、歯ごたえがあって、とてもおいしかったよ!」

後輩「いい食べっぷりでしたよ、先輩!」

課長「相変わらず、いい歯をしてるねえ」

ガリガリさん「よーし、ガリガリ君食べたし、バリバリ働くぞ!」


ガリガリさん(……とその前に、当たりが出たから交換しに行こうかな)





終わり

おつ

ガリガリ君も成長したなぁ

こういう短編すきよ

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