ロゼッタ「マリオカートに参戦…ですか?」(85)

マリオ「隠しキャラ、もとい隠しゲストとして任天堂から依頼が来てる。
    ギャラクシーと連動して、ミステリアスな女性ドライバーとして
    ブレイクしてほしいとのことだが…どうする?」テガミポイー

ロゼッタ「…ふむふむ。
     レースごとに観客の皆さんの投票で参戦するか否かが決まって、
     その時点で少なくない給料が発生。
     上位に入ったり総合成績が良ければ更に追加給金。
     至ってシンプルな給料体系ですね」

マリオ「…………」

マリオ「…その。特にお金には困ってないだろ?
    断って貰っても全然かまわないんだけd――」

ロゼッタ「いえ、ぜひ出たいです!
     お金が欲しいというわけではないんですが、
     非常に興味があるので!
     マリオファミリーに認められた証でもあるんでしょう?
     こんな光栄なことはありません!」

マリオ「そうきたかぁ…まあ本人がやる気なら、いいんだけど…
    一度登録しちゃうと、取り消せないぞ?」

ロゼッタ「そのようなこと、いたしません!」

マリオ「……それじゃあ、キノコ王国に連れていくから
    付いて来てくれ。
    手続きがあるみたいだから…」

ロゼッタ「はい!」ルンルン

~キノコ王国~

キノじい「…はい。これにて契約は成立ですじゃ。
     早ければ1週間後には、観衆の前で正式に参戦することになりますぞ!
     ロゼッタどの、頑張って下され!
     その美貌と笑顔で王国中を虜にして下されば我々も鼻高々ですじゃ」

ロゼッタ「び、美貌だなんて、そんな…」

マリオ 「(…やっぱり強引にでも止めといた方がよかったかな…)
     じゃあ、ピーチ、デイジーたちに会いに行くぞ。
     女性同士、色々と教えてもらってくれ。
     運転のノウハウとか、コース取りとか…」

ロゼッタ「ええ、何から何まで有難うございます」





マリオ「…あと、命の守り方とか」ボソッ

ロゼッタ「……はい?マリオ、何か言いましたか?」

ピーチ「……マリオったら、本当にロゼッタ連れてきちゃったんだ」

マリオ「まあ、依頼があった以上、聞きに行かなきゃならない立場だし…」

デイジー「こーんな箱入りお嬢様につとまるの?」ハアー

ロゼッタ「こんにちは、ピーチ姫、ロゼッタ姫。
     でも心配ご無用です、こう見えて割と動体視力はいい方なので。
     みなさんに負けないよう頑張ります!」

ピーチ「…マリオ、ちゃんと危険性は説明したかしら?」

マリオ「…キラキラ目を光らせたロゼッタにたじろいで何もしてません」

ピーチ「えええ……」

デイジー「えええ………」

ロゼッタ「??」

ピーチ「ところでロゼッタ、一応聞いておくけど。
     マリオカートに対する知識ってどのくらいあるの?
     できるだけ詳しく答えて」

ロゼッタ「マリオカートについての知識、ですか?
     みなさんがカートに乗って、コースを何周かして、順位を競うんですよね?
     実際に見たことはないですが、録画した物なら何度か観たことがあります。
     最後の最後まで気が抜けない、白熱した試合展開に感動しました。
     私も実は、いつか自分も走ってみたいな、と思っていたのです」

デイジー「今回から、カートに加えてバイクも選択できるらしいけどねー。
      たしかに、こうして呼ばれて参加できるってのは嬉しいしワクワクするわ!
      頑張り次第でマリオやクッパにも勝てるってのもいいわ」

マリオ「むむ、俺もそうは負けていないつもりだが。
    …まあ、全勝なんてこともできないしな。そういった、下剋上や
    大逆転もマリオカートの醍醐味だ」

ロゼッタ「それに、何回滑っても転んでも吹き飛んでも、
     皆さんすぐに運転を再開するなんて……」

ピーチ「…やめて。慣れてしまった自分が悲しいけど、
     あんまり思い出したくない光景だから…」

ロゼッタ「勝手に衝撃を最小限に抑えるバリアまで貼ってくれるなんて、
      すごく未来的で優秀なカートですよね!」



マリオ「えっ」

デイジー「えっ」

ロゼッタ「??」

ピーチ「あちゃあ…」

ロゼッタ(ニコニコ)

ピーチ「…マリオ、悪いことは言わないわ。
     今ならまだ間に合う。ロゼッタを連れてキノじいの所に向かって
     契約を取り消しに行ってちょうだい」ズイッ

デイジー「…こんな知識しかない子をいきなり飛び込ませたら、
      最悪、1レース目の1周目で死んじゃうわよ!?」ヒソヒソ

マリオ「あ、ああ。そうだな。今なら何とか間に合う…
    いや、間に合わせてみせる!
    ロゼッタ、やっぱりこの話はなかったこt」

ダダダダ…!

ルイージ「おーい、兄さーん!
      キノじいが張り切っちゃって、大々的にロゼッタをPRしてるよー!
      すっごいよね、憧れちゃう人気ぶりだよー!
      もうファンクラブまでできたんだってー!」

ロゼッタ「あらあら、まあまあ!
      これはますます、挑戦し甲斐があるというものですね!」

マリオ「」

ピーチ「」

デイジー「(これ、死んだんじゃないの?)」

ルイージ「そして!しかと見よ!これが――僕が苦労に苦労を重ねてゲットした、
      ロゼッタファンクラブ会員証、それもNo.0005のカードなのだ!
      すごいだろ兄さん!」ドヤア

デイジー「何やっとんじゃあああ!」スパコーン

ルイージ「グエッ」



マリオ「…マンマミーヤ」

ピーチ「ああもう!こうなったら、正式参戦までに死に物狂いで
    …いや、死んででも体に覚え込ませてロゼッタを鍛えるしかないじゃない!
    一刻の猶予もないわ!さっそく連れていくけど、構わないわね!?」ダダダッ

ロゼッタ「え、ちょ、ちょっとピーチ姫!?私をどこへ連れて行こうというのです!?」

ピーチ「コースに決まってんでしょうが!死にたくなかったら走る!」

デイジー「わ、私を置いてかないでよピーチ!付いてくからね!!」ダダダ

マリオ「……南無、ロゼッタ。
    そっちはまかせたぞ、ピーチにデイジー。
    ……さてと、念のため1UPキノコを乱獲しておくかあ」ダッ

ルイージ「」チーン

ズシンズシン…

クッパ「ん?緑のヒゲの横にロゼッタファンクラブの会員証が落ちてやがる。
    1桁とは緑のヒゲの癖に生意気な奴だ、ワシが貰っといてやろう」スッ

ルイージ「」

ルイージは放置された。

ピーチ「…さあ、着いたわ」ピタッ

ロゼッタ「はあ、はあ…ここは?」

ピーチ「一番レース頻度の高いキノコカップ、
     その中で『色々と』動きが大きいコースよ。
     そう、ここは――」

デイジー「…キノコキャニオンね。
      ピーチったら、いきなりとんでもないコースを選ぶわね…」

ロゼッタ「わあ、自然の地形を活かした爽やかなコースみたいですね」

ピーチ「…うん、過去作で慣れた私たちなら、そういった感想でも
     間違っちゃあいないんだけどね…」

デイジー(ピーチ、今更だけどメタいよ)

コンチワー ハネブロックキュウビンッスー
ゴチュウモンノ カートイッシキ トドケニマイリマシタッスー

ガシャン!!

ピーチ「ありがとねー」

イエイエー ソレデハマタ ゴヒイキニー

ピーチ「とりあえず、スタンダードカートを3台用意しといたわ」ポン

デイジー「ピーチったら気が利くぅ!ありがとね!
      うわあ、スタンダートカートだ!
      初心者向けで最近乗ってないから超新鮮だったり!」

ロゼッタ(初心者向け?上級者向けのカートもあるということでしょうか?
      スピードが出やすい代わりに曲がりにくい、とか?)

ピーチ「悪いけど時間がないの。
     運転操作を説明するから、さっそく乗り込んでもらうわよ。
     覚悟はいい?しっかり付いて来てね」

ロゼッタ「はい!」グッ

ピーチ「これがアクセルペダル。踏むとカートが加速していくわ。
     どのみち一定速度で加速は止まるから、
     基本的に走行中は目いっぱい押し続けてね」

ロゼッタ「はい」

ピーチ「これがブレーキペダル。踏むと急停止やバックができるわ。
     大抵の減速はアクセルペダルを踏まなくすることで行うから、
     あまり使わないといえば使わないけど…
     障害物に突っ込んだときとかは覚えておいて」

ロゼッタ「はい(へえ、ブレーキペダルってバックにも使えるんだ。
      知らなかったです、勉強になりました)」

ピーチ「そしてハンドルに付いてるこれがジャンプボタン。
     押すとカートが少し  跳ねる  わ。
     その瞬間はハンドル片手持ちになっちゃうけど頑張ってね」

ロゼッタ「は……」





ロゼッタ「はい!?」

デイジー(ブフォ)

ピーチ「…何か?」

ロゼッタ「…あのー、どうしてカートが跳ねるんですか?」

ピーチ「高低差のあるところで飛距離が少し増えるわ。
     テクニックがあれば障害物を躱せたりするし便利よ」

ロゼッタ「え?え?カートに…飛距離?」

デイジー「というかロゼッタ、あんた録画でレース内容見たは見たんでしょ?
      ならなんとなくわかるんじゃないの?」

ロゼッタ「え、あの、単に走行運動の結果跳ねていると思っていたのですが」

デイジー「だーかーらー、それを補助するのがジャンプなんだってば」

ロゼッタ「!?!?」

デイジー(目を白黒させてる、可愛い)

ロゼッタ「というより、カートの設置部分のタイヤにジャンプ機能を持たせられるとは
      思えないんですが…」

ピーチ「…キノコ王国の技術は凄いのよ」メソラシ

ロゼッタ「…はい、わかりました。少し混乱していますが」

ピーチ「とりあえず、今の3つをしっかり使いこなせればひとまず走行はできるわ。
     じゃあ、カートに乗って。最初のセクションだけやってみましょう」

デイジー「んー?ピーチ、このコースってセクション制じゃないよー?」

ピーチ「そのうちわかるわ」

デイジー「それに、アイテムは?ロケットスタートの技術は?」

ピーチ「今は黙ってなさい」クワッ

デイジー「…うん、了解」ビクビク

ロゼッタ「お二方は、どうされるのですか?」

ピーチ「万が一のことを考えて、左右を並走させてもらうわ。
     そのくらいの技術はあるから大丈夫よ、とりあえずコース取りは気にせず走って。
     じゃあ…いつでもどうぞ」

ロゼッタ「わかりました、お願いしますね」ブロロロロ…



ロゼッタ(よし、アクセル踏んで順調に加速。
      何気に運転免許くらい持っていますからね、フフン。
      お二人をびっくりさせてしまいましょー―)


ジャンプ台―奈落―キノコ―奈落―コース「やあ」

ロゼッタ(うっ、早速、レースに非現実な障害が現れました…!
      しかし!カートのバリアに守られている今の私に、恐れることなど――)

ピーチ「あ、言うの忘れたけど」ブロロロロ

デイジー「衝撃の際に体を硬直させちゃダメよ!」ブロロロロ

ロゼッタ「えっ?」ビュン!


ドゴオオッ!!!


ピーチ「……」

デイジー「……」

ロゼッタ「……………………」

ロゼッタ「……………………カハッ」ゴフッ

デイジー「きゃあああ!なんか吐血したんだけどぉ!」

ロゼッタ「――――――――――」

デイジー「そしてそのまま失速して奈落に落ちたんですけどぉ!!
      ジュゲムぅ、はやくきてくれー!!」

ピーチ「あー、私もあんなことあったっけ…」ハイライトオフ

ジュゲム「困りますねー、こんな初歩の初歩のジャンプで瀕死になるような人を
      コースに連れて来てもらっちゃ…」

ピーチ「あと1週間でなんとかまともなレーサーにするから!
    それまで大目に見て!お願いジュゲム!」

ジュゲム「…まあ、ピーチ姫がそこまでおっしゃるなら。
      あ、もう少しスタンバイしておいた方がいいですかね?
      なんだかまだまだ落ちそうな感じがありますし」フヨフヨ

ピーチ「あ、お願いするわ。ポケットマネーから特別手当出しておくわね」

ジュゲム「ありがとうございます」


オーイ 1UPキノコモッテキタゾー
アリガトー デモサスガニ スーパーキノコデモヨカッタワヨ
ドノミチ ヒツヨウニナルダロー?
…ソウネ



ロゼッタ「……ハッ!?今のは…夢!?」

デイジー「そんな訳ないでしょうが」スパコーン

ロゼッタ「痛い!?痛いです!」

ロゼッタ「うっ、思い出すだけで吐き気が…
     どうして回復しているのか知りませんが、ありがとうございます。
     しかし、なぜあのようなダメージを受けたのでしょうか」

ピーチ「ハア…言いそびれていたけど、いい加減言っておくわ。
     このカート…いえ、用意されている全てのカートね。
     激しいレースに耐えるための耐久性は確かにあるけれど…
     搭乗者のバリア機能なんて…一切ないわよ?」

ロゼッタ「……」





ロゼッタ「What?」

マリオ(言っちゃったよ)

デイジー(というか、あんたが真っ先に言っておきなさいよ!)

ロゼッタ「…いえいえ、ちょっと待ってください」オロオロ

ピーチ「……」

ロゼッタ「常識的に考えて、マリオやクッパはともかくとして
      ピーチ姫やデイジー姫があんな衝撃に耐えられるわけがないじゃないですか。
      おまけに甲羅や雷だってぶつけられるのでしょう!?
      私に冗談を言おうとしても、そうはいきませんよ!」

ピーチ「さらわれ慣れているうちに体力付いただけよ?
     クッパ城を彷徨うなか、間違ってマグマに落ちることもあったくらいだし。
     マリオと一緒にフライパン片手に冒険だってしたし」

デイジー「私も、ギャグ補正ありきとはいえビンタ1発でクッパ倒したこともあるし」

ロゼッタ「」

ピーチ「まあ心配しないで、素質はあるはずだから」ガシッ

デイジー「死ぬのは仕方のないことって開き直れば、なんとでもなるよねー!」ガシッ

ロゼッタ「」

ロゼッタ「」

ロゼッタ「マ、マリオ、私ですね、ちょっと考え直しm」

ピーチ「マリオなら1UPキノコを本格的に収穫しに行ったわよ?」

ロゼッタ「」


ピーチ「はい、続き続き。とりあえず今の箇所を繰り返すわ。
     経験値ためていきましょー」

デイジー「怖がると余計に舌を噛むからねー。女は度胸よ度胸!」

ロゼッタ「嫌です、死にたくないですー!……」ズルズルズルズル

~マリオ談~
重症10回、瀕死重体を64回経験したところで目の光を失ったため
チコに補助してもらうことにした。
スターの力をすこし貰って、なんとか耐えることができるようになりました。
チコの重さの分、重量級扱いになっちゃうよ?とからかったが
そんなこと気にしない、と涙を流して喜んでいました。めでたしめでたし。

2日後・・・

ロゼッタ「……」ブロロロロ

ロゼッタ(車体重心を崩さず…この!角度で!連続で!飛ぶ!)ギン!


ダン!ダン!ダン!ダーン!!

ピーチ「よし!そのままゴールへ!」

ロゼッタ「はい!」


デイジー「グオオオオオオオオオルゥ!!
      とうとう、キノコキャニオンを3周走破したじゃない!
      なかなかの成長っぷりよ、ロゼッタ!」

ロゼッタ「は、はい!長く苦しい戦いでした。…本当に、本当に!」ウルッ

ピーチ(…………そう、長く苦しい戦い、だった。ロゼッタも相当頑張ったけど、
     あと5日しかないのに、1コースを完走しただけじゃ遅すぎる!
     アイテムの使い方、避け方すら全く教えていないのに!
     感動しているところ悪いけど、更にレベルの高いコースで特訓していかないと…!)

ロゼッタ「ふふ、わかっていますよ、ピーチ姫」

ピーチ「え!?」

ロゼッタ「これでも、全然時間が足らないのでしょう?
      自分の実力不足は嫌というほどわかりました。
      すぐにでも、次のステップへ…!」

ピーチ「…駄目よ、今日はここまで。一回体を休ませた方がいいわ。
     回復アイテムでも気力までは回復できないんだから」

ロゼッタ「…はい。確かに、ボロボロですねえ」

ピーチ「あ、そうそう。当然だけど、HPを全回復させておきなさいよ。
     絶対に」

ロゼッタ「……はい?わかりました。それでは」スタスタ



デイジー「さあ、かえろー」

ピーチ「私たちはダメ」ガシッ

デイジー「ふみゅ!?」

次の日・・・

ロゼッタ「…あの。本当にここでいいんですか?」

デイジー「う、うん。問題ないわ」

ロゼッタ「しかし、ここ…
      また、キノコキャニオンではないですか」

ピーチ「私、最初はより難しいコースを…って考えたわ。
     でも、間違ってることに気付いたの。
     先に、アイテムの使い方について教えておいた方が、万倍役に立つってことに」

ロゼッタ「はあ。そういえば、これまではアイテムボックスというものがコースにありませんでした」

デイジー「昨日のうちに、私たちで設置しておいたよー」

ロゼッタ「そこまでやってくれたのですか!助かります!」

デイジー「…すっごく良心が痛むけどねー」

ロゼッタ「??」

ピーチ「まずは基本のおさらいから。
     アイテムを持っていない状態でコース上のアイテムボックスに触れると
     アイテムが1個手に入るの。どのアイテムかはランダムだけど、
     下位を走っているほど強力なアイテムが出やすいわ」

ロゼッタ「はい」

ピーチ「アイテムには、キノコやスターの加速系、甲羅やサンダーの攻撃系、
     バナナなどの設置系があるわ。使い方によって、あるいは効果範囲によって
     2つ以上の役割を果たせる場合もあるけれど。
     ちなみにアイテム使用はこのボタンで行うわよ」

ロゼッタ(変なボタンが左にあると思ったら…)

デイジー「でも、結局のところアイテム使用の意義はただ1つよ。
      自分を加速させたり他者を遅らせたりして自分の順位を上げるため。
      おのずと、どのような局面でどのアイテムが使えるか、使われやすいかは
      決まってくるんだよね」

ロゼッタ「なるほど…」

ピーチ「たとえば、体験済みかとおもうけど、ジャンプ中にアイテム攻撃を食らうと
     単純にスピードロスするうえにジャンプ失敗でジュゲムの厄介になるから、
     ジャンプ成功時と比較して相当なビハインド状態になるわね」

デイジー「逆に言えば、効果的なアイテムの使い方ができるから
      ジャンプ中は攻撃を狙われやすいんだよね」

ロゼッタ「……ん?」





ピーチ「というわけで、前を走るロゼッタめがけて後続の私たちが甲羅を投げまくるから
     ダメージの受け流し方を学んでほしいの」

デイジー「打ち所が悪くなければ、きっと、いや多分、maybe死なないから。
      緑甲羅を躱す特訓にもなるし、ね!?」アセアセ

ロゼッタ「」

~ロゼッタの日記~

今日は、ピーチ姫とデイジー姫にアイテムの使い方を教えてもらいました。

私が10~20mくらい先を走っていると、後ろから緑甲羅や赤甲羅が飛んできます。

最初は平地でぶつけられてみましたが、5メートルくらい激しく吹き飛ばされた後
地面に叩きつけられました。どこにそんなエネルギーが詰まっているのでしょうか。
ちなみにこの段階で、チコに守られていたにもかかわらず気絶してしまいました。

ジャンプ中に甲羅を当てられたときは、もっと大変なことになりました。
せっかく培ってきた重心安定の心得も、吹き飛ばされては滅茶苦茶です。
酷い時には、意識のないまま頭から足場に叩きつけられたりしたそうです
ちなみに、そのあとどうなったのかは全く記憶がありません。

ただ、私は割と賢いので、ピーチ姫が持ってきた1UPキノコが
順調に減っていることをコッソリ確認して察しちゃいました。えへへ。

私が笑い出すようになってからピーチ姫とデイジー姫がブルブル震え出しましたが
その理由はよくわかりませんでした。えへへ。

とりあえず、わたくし、ろぜったは、まだしっかりいきています。
あしたもきっといきていることでしょう。                おわり

ロゼッタ「…ハッ!危うく取り返しの付かない落ち方…いえ堕ち方をするところでした」

ピーチ「そそそそうね」

デイジー「ロゼッタさん、あなた天才よ」

ロゼッタ「ふふふふふふ」

ピーチ「あは、ははははは」

デイジー「ホホホホホホ」



ロゼッタ「とりあえず、ですね」

ピーチ「な、なに?」




ロゼッタ「緑甲羅の避け方を教えてください」

ピーチ「あ」

~ロゼッタの日記(続)~

なるほど。後ろを一瞬振り返りながら軌道を確認すれば、
緑甲羅なら躱せなくもない、ということですか。凄いですね。



……聞いて5秒で諦めました。



ちなみに、「こんな感じよ?」とピーチ姫に実演してもらいました。
甲羅の軌道を読みながら巧みにかわす、
あるいは軌道が外れていることを見て取ってそのまま走る、
ということをあっさりやってのけるピーチ姫は尊敬してしまいます。

赤甲羅をぶつけた時も、経験の賜物か意識をしっかり保ったまま
凄いでしょ、と言わんばかりに手を小さく優雅に振りつつ
ジュゲムに引き上げられてきました。

デイジー姫は、「さすがに私はあそこまで余裕はないかなあ」と
羨ましそうに見つめていました。

もはや2人とも人間ではないと思います。

~ロゼッタの日記(続2)~

驚きの事実です。驚きの事実です。驚きの事実です。
…大事なことなので2回…いえ3回書きました。

ジャンプ台でジャンプする瞬間にジャンプボタンとやらでジャンプすると、
ジャンプした分飛距離が伸びるとともに、ジャンプアクション成功ボーナスで
少し加速できるそうです。

よって、ある程度以上の腕なら、走行ルート中のジャンプ台は
全てジャンプアクションするのが当たり前だそうです。

どうしてジャンプすると加速するのでしょう?
というより、ノーコストの加速装置が備わっているのなら
常時加速すればいいのではないでしょうか。

まあ、そんなことはどうでもよく。
問題は、ジャンプ中は体を車体から大きく乗り出さなければならないことです。
ますます意味が分かりません。ただ加速するだけでは駄目なのでしょうか。
生身の体にも甲羅は容赦なくヒットするのですが。運営は馬鹿なのでしょうか。
とりあえず、その特訓もするということです。


明日まで生きている自信がなくなってきました。ごめんなさい。
そろそろ遺書を書きたいと思います。

4日目・・・

ピーチ「とりあえずね、私考えたの。とにかく時間がないし、
     ジャンプアクションを鍛えるのにこのコース程うってつけのコースはないって」

ロゼッタ「はあ…」

デイジー「うん、ピーチの言いたいことは分かるよ?
      確かに、ここでジャンプアクションが完璧なら、きっと大抵のコースで大丈夫だろうね。
      それは、すっごく、わかるんだけどね?


      一言言わせて。鬼かあんたは」

ロゼッタ「気になる発言ですが…ここは、なんというコースですか?」





ピーチ「……DKマウンテンよ」

ロゼッタ「マウンテン、というからには高低差が激しそうなコースですね、
      なるほど、あの火山に見守られながらのレースと言う訳ですか。
      レースに御加護がありますように」

デイジー「……」

ピーチ「何言ってるの?


    あの火山『を』まるごと使ったコースよ」

ロゼッタ「…………………………
      えっと、スタート地点、ここですよね?全然離れてるんですけど…」

デイジー「タル大砲でひとっ飛びだからねえ」

ロゼッタ「なるほど、タル大砲でひとっ飛び…………」

ロゼッタ「……………………」

ピーチ「……………………」

デイジー「……………………」

ロゼッタ「………………………………」ダラダラ

デイジー「…………(沈黙が怖い)」

ロゼッタ「……つかぬことを伺いますが。
      どこまでタル大砲で飛ばされるのですか?」

ピーチ「ほぼ山頂、ざっと1 kmくらいね。時間にすると5秒程度、あっという間よ」

ロゼッタ「……バランスを途中で失うとどうなりますか?」

ピーチ「一応、失速突入してもジュゲムが拾ってくれるわ、大丈夫なはず。
     ただ、繰り返すけどカートがバリアを貼ってくれるわけじゃないから、
     風圧によって自分の体が潰れたり呼吸困難になったり…までは面倒見切れないわよ」

ロゼッタ「」

ピーチ「…あ、そうそう。関係ないって笑い飛ばしてほしいんだけどさ。
     ちょっとマリオになんとなしに聞いてみたの。


     生き物の体って、バラバラになるくらい損傷が激しいと1UPキノコでも復活できないんだって。
     ……………………本当に気を付けてね?」

ロゼッタ「」ガクガクブルブル

デイジー「…さ、さーて!ここで、ジャンプアクションについて説明しちゃうぞー!
      ロゼッタちゃん、よーく聞いておいてねー?」ニコー!

ロゼッタ「…はい」

デイジー(あかん、黄昏モードに入っとる)

デイジー「私たち『お姫様』ポジションのジャンプアクションは、
      大きく分けて次の3パターンよ!ロゼッタなら簡単に覚えられるわ!」

ロゼッタ「…わかりました」

デイジー「よーし、人生諦めモードながらも耳を傾けてくれて嬉しいぞー。
      じゃあ、簡単な順に説明するわね!
      1つ目!
      
      ジャンプした瞬間に、
      『車体を1~3回ほどキリモミ回転』させた後、
      『片手ないし両手でハンドルを持つことのみ』で体を支え、、
      『両足を後ろにピンと投げ出してうつ伏せ滑空姿勢』を取る!

      ね、簡単でしょ!」

ロゼッタ「ちょっと耳が遠くなったようです」

デイジー「…え、聞こえなかった?だから(略) よ」

ロゼッタ「…………」プルプル

ピーチ「デイジー、それ、私たちの間隔が麻痺してるだけだから」

デイジー「えー?でも、キリモミ回転はカートが勝手にやってくれるし、
      あとは風圧に任せて体を後ろに投げ出せばいいだけだし、一番楽だと思うけどなー?
      おまけに任天堂さんのCERO:A的な計らいで、ドレスの中も自動で隠してくれるんだよ?
      覗かれる心配ないんだよ?」

ロゼッタ「(ポン!)ああ、やっぱり私は今日が命日なんですね」エガオ

デイジー「ちょ、待って待って!早まりすぎ」

デイジー「続けて、ふたつめー。

      ジャンプした瞬間に、
      車体は特に回転させず、
      『片手でハンドルを持ったまま体を大きく投げ出し』、
      『完全に体が後ろを向くまで振り返る』!
      そのとき、『もう片方の手は真上方向に』ピンと向け、
      脚は『頭より高い位置までアクロバティックに持って行く』こと!

      これは結構難しいけれど、決まると観客にアピールできるよ!」

ロゼッタ「そんなアピールできなくてもいいです!許してください!」ウワーン

デイジー「なんかグダグダになってるけれど、最後の3つ目ぇ!」

ロゼッタ「…もう、好きにしてくださいよぅ…」

デイジー「じゃあお言葉に甘えて。
      
      ジャンプした瞬間に、
      『車体を水平回転させ』、
      『くるりと優雅にスピンしつつ小ジャンプ』、
      『後ろを振り向いたら両手を上に広げつつ最高の笑顔で決めポーズ!』
      これが決まったときの大歓声ったら凄いのよ!」

ロゼッタ「…………あれ?失礼しますが、
      2つ目…いえ1つ目よりも簡単に聞こえるのですが」

デイジー「うん、アクションを決めるだけなら簡単だよ。
      ……決めるだけなら」

ロゼッタ「と、言いますと?」

ピーチ「よく考えなさいよ。このジャンプアクションは唯一、『体が完全にカートから離れる』アクションなの。
    カートとの相対速度をしっかり計算してスピンジャンプしないと、体とカートがぶつかって怪我をするわ。
    …それだけならまだマシだけど、下手をするとカートに乗り直し損ねて何十メートルも下に生身の体で真っ逆さまよ」

デイジー「あれは痛かったなあ、ははは」ハイライトオフ

ロゼッタ「…………もうゴールしてもいいですか?」ハイライトオフ

ロゼッタ「…そういえば聞きそびれていました。
      わざわざ、このようなアクションをする必要性が感じられないのですが」

デイジー「そりゃ、このレースがエンターテイメントも兼ねてるからよ。身も蓋もない話だけどさ」

ピーチ(『他の集まり』で否応なしに鍛えられた人が参加するから、たまたま問題にならなかったのよね。
     ロゼッタは下地なしにいきなり挑戦させられてるから…ほんと、不幸というかなんというか)

ロゼッタ「そんなの…あんまりじゃないですか…」

ピーチ「…まあ、今となってはロゼッタに逃げの道は残ってないから。
     さあ、タル大砲に向かいましょう。
     その後の急斜面で、今伝えたジャンプアクションを少しずつこなしていくのよ?」

ロゼッタ「せめて最初の段階で体が持つといいですねえ…」





――Yahooooooo!

マリオ「流石にマジで死にかねないから、保険で『緊急キノコ』持ってきてやったぞ」ザザーッ

ピーチ「あら、私も一応アイテムボックスから『スター』は大量に確保してたんだけどね。ありがと」

ロゼッタ「そういうことは先に言ってくださいよ頼みますから!ありがたく頂戴しますよ!!」

~ロゼッタの日記(続3)~

もしかしたらいらっしゃるかもしれない、この日記を盗み読んでいるそこの貴方。
必死に覚える、という言葉を『言葉通りに』使ったことはありますか?
すなわち、「何十秒後に死ぬんですね」といろいろ諦めてしまうような境遇に
突き落とされつつも、何かを得ようともがいてみる場面、です。

――自慢ではないですが、最近の私は掃いて捨てるほどあります。
ちなみに一切嬉しくありません。

まあ、瀕死状態で復活、をおおよそ確約されているだけでも御の字なのでしょうか。
現に、こうやってしぶとく特訓できているわけですし。
だんだん私も感覚がおかしくなってきてしまったのかもしれません。
いろいろと手遅れなのかもしれません。

4, 5日目が終了した時点で、生と死の境目が朧げになってきて、
悟りでも開けそうな気がする今日この頃です。



なお、ピーチ姫がレース順位よりも「生き永らえること」を最重要課題としてくれた結果、
6日目と7日目はドッスン耐圧我慢大会とエンドレスマグマ身投げと
宇宙旅行(僅かながらの空気はフローされてるから大丈夫!byマリオ)が
笑顔で待っているそうです。

わぁい。


 ・
  ・
パンパン、パパパパーン!!

ワー、ワーーーー!!



シグナルジュゲム
「Ladies and Gentemen!大変長らくお待たせいたしました!
そして、割れんばかりの大歓声、誠に、誠にありがとうございます!
司会進行冥利に尽きるというものです!

それでは…

レースの数だけドラマがある。
コースの数だけ駆け引きがある。

マリオカート、第2008回大会の開幕を、私シグナルジュゲムが宣言いたしますっ!
今日は思う存分お楽しみくださいっ!!」


――ウオオオオオオオオオ!

イイゾー!
マッテマシター!
ユウキュウ トッテキタシ トコトンサイゴマデ タノシムゼー!
シグナルジュゲムサン キョウモステキー!

シグナルジュゲム
「しかも、今日はただ大会が開かれるだけじゃありません!
ご存知の方はとっくにご存知でしょうが、念には念を押して――。
今大会から、新しいレーサーがこの大会に急遽参戦だあ!改めて紹介させて頂きましょう!
――それでは、ご登場願います!
――――ロゼッタさん、どうぞっ!!」

ワアアアアアア!




ロゼッタ(いよいよ、ですね)
――私は、立ち上がる煙幕に包まれながら、会場のど真ん中に、ゆっくりと躍り出た。

~大会前夜~

ピーチ「・・・キノじいから連絡が入ったわ。参加延期の淡い期待もあったけれど見事に裏切られて、
    明日の大会からスタンバイしなきゃいけなくなったみたいよ」

デイジー「まあ、あれだけ告知して人気が高まってれば、運営側も暴動は起こしたくないよねー。
      私たちも人気を奪われないよう、レースもおめかしも頑張らなきゃ!」

ピーチ「うふふ、そうね。まあ、そう簡単に負けてあげる気なんてないけれど。トップクイーンの座は揺るがせないわ」

デイジー「ちょい待ち、何気に勝手に二番手にするなあ!」ウガー



マリオ「……さっきからロゼッタ本人抜きで駄弁ってるけど、ロゼッタはどこなんだ?」

ピーチ「ん」クイッ

マリオ「うん?」クルッ



ロゼッタだったもの「」チーン

マリオ「…あの黒く焦げた物体、ロゼッタだったのかぁ」

デイジー「マリオったらひどーい、ヒーローの風上にも置けないわね。
      メイクがぐっちゃぐちゃになるの気にせず、人目も憚らず号泣してたよ。
      全身砕かれてマグマで爛れて肺を潰されかけて。
      『もうどこにもお嫁に行けません』って。
      …ブルル、過去の自分の経験まで生々しくフィードバックぅ…」

マリオ「ま、まあ繰り返し1UPキノコ使いすぎて治りが遅くなってるかもしれないが
    痣や後遺症含めて最終的に完治することは変わりないから大丈夫、だろ、うん」

デイジー「加担した私が言えた義理じゃないけれど、呑気な事言ってるんじゃないわよ…」

マリオ「いやいや、呑気なもんか。だいいち、俺だって無理やり特訓に付き合わされただろ」

デイジー「うぐぅ……」

~更に回想~

ロゼッタ「ひいっ、やめ、やめてくだ―」ポロポロ

ピーチ「泣きじゃくりたい気持ちはよーっく分かるけど、大会本番で死ぬよりマシでしょ。
     私も心を鬼にするから頑張りなさい!最初はロゼッタも割と意気込んでたじゃない!」

ロゼッタ「お願いでずがら、他のことならなんでもじまずがら―」ポロポロ

ピーチ「そーれ、マグマ飛び込み58回目ー」ドンッ!

ロゼッタ「あっー」



―ボチャン

ロゼッタ「いやあああああああああああああああ!!死ぬ、死にますからああああ!」





マリオ(…様子を見に来たら地獄絵図が広がっていた件について)ガクブル

マリオ「あのー、ピーチ?ピーチサン?」ガバッ

ピーチ「!?きゃあ!マリオ!?驚かさないでよ…ってか何やってるの!?」

マリオ「いや、デイジーがさぁ。
    『男のくせに、女の子が死にかけているのを気にも留めないなんて有り得なくない?
    せめて罪滅ぼしというか連帯責任というか、自分もおんなじ苦しみを味わいなさいよ。
    あ、女の子のあられもない姿を見ないように潜っとけやコラ』とかいうもんで。
    俺も暇じゃないんだがなあ」

ピーチ「…それで、馬鹿正直というか律儀というか、『マグマの中で潜水してる』の!?」

マリオ「ははは、何を言ってるんだピーチ!」ケラケラ

ピーチ「そ、そうよね。流石にマリオでもやりすぎというか、体が持たないわよね」

マリオ「これ、マグマだから、『潜水』じゃなくて『潜炎』だぞ。ピーチはうっかりさんだなあ」

ピーチ「」

マリオ「あとさ、初心者はまず部分的に炎に当たるファイアバブルやファイアバーで
    ゆっくり慣らしていった方がよくないか?30年前に初めてマグマに落ちた時の絶望感ったら…」

※現在のマリオさんは耐久値がカンストしており温泉に浸かる程度の影響しかありません。
  ダメージを受ける描写があったとしたらただの『ノリ』です。

ピーチ「…私も責任があるから飛び込んでやるわよ。勝負よ、マリオ!」

マリオ「え、いや、これって勝負とかいう問題じゃないんじゃ…といってる間にムキになって飛び込んでるし」

ピーチ「……いやいや、やっぱりこれアッツイ!熱いわよ!なんで平気なの!?
     間違いなく30分も入ってれば『熱中症で倒れる』わよ!」

マリオ(そもそも俺たち、通常の暑さ程度じゃ熱中症も味わえない強さだけどな)



デイジー「やっほー、今のロゼッタどんな感じー?
      …………嫌ああああああ!?なんか全身溶けてない!?
      モロに目撃しちゃったんですけどぉ!?どうしてくれるのよ!
      確実に夢に出てうなされるわよコンチクショー!
      ロゼッタ、早く上がりなさい――って反応できるわけないよねー!
      ピーチ、はやく引き上げて1UPキノコを!!」

マリオ「タイミングよく 1UPキノコを 投げろ!」

ピーチ「ここは『タイミングよく 腕をつかんで 引き揚げろ!』じゃない?」

デイジー「アクションコマンドとか要らないから!!…ってツッコんでる場合じゃなぁああい!
      しょーがないなあああああああ!!」ドボン!

ロゼッタ「」

ロゼッタ「」

ロゼッタ「」

ロゼッタ「」シュウウウウウウウウ

ロゼッタ「……………………」ムクッ

ロゼッタ「あれ?なんでわたしいきてるの?」

デイジー「間一髪1UPキノコが間に合ったからに決まってんでしょうが!
      こらそこ!マグマ我慢大会とかいうアホな夫婦漫才してる暇があったら手伝えぇ!」

ロゼッタ「わぁい、わたし1UPキノコだいすきー!あはははは!」



~回想終わり~

デイジー「あれ?よくよく考えてみると、特訓に付き合ってるどころか邪魔してない?」

マリオ「…ソンナコトナイヨ」

ロゼッタだったもの「…………」

ロゼッタ「マリオ、で、す、か?」ヨロッ

マリオ「ああ、とりあえずお疲れさん。あとは、天に運命委ねて明日を待つとするか」

ロゼッタ「…………ふふふふふ。明日、そう、明日ですか。
      実際のレースとなれば1UPキノコひとつ頂けない、どうしたらいいのかしら。
      ああ、生きているって素晴らしい!明日も明後日も生きているといいですね!」

デイジー「うわあ、色々と重症だあ」



ピーチ「あー、残念だけど、疲れた体に鞭打って、あともうちょっとだけ頑張ってもらわなきゃいけないわ。
     日付が変わる前に、何コースかこなしておきたいの」

ロゼッタ「ええ!?まだ、なにか、準備があるので、すか?」

ピーチ「…まあね」


 ・
  ・
シグナルジュゲム
「さぁて!この大会、観戦は初めての方もいらっしゃるでしょう!
ベテラン観戦者にはごめんなさい!くどいようですが大会の進行方式を説明させて頂きます!
会場中央の特大スクリーンをご覧ください!」

パッ!(選手らの顔写真が表示される)

シグナルジュゲム
「映し出されていますように、会場にはロゼッタ選手をはじめ、総勢24名の強者・曲者レーサーが
出番はまだかと首を長くして待機しています!
レースは1コースごとに、観客の皆様に事前投票を受け付けます!

走りを観たいと思うレーサーに、お手元のボタンからこぞってご投票ください!
その結果により、参加者12人を決定いたします!
ただし、6コース走り切ったレーサーは応募を締め切らせて頂きますのでご了承ください!
また、参加者決定後に、実際に走ることになるコースを決めていきます!

登録者全員が最低4コース走るまで、レースを続けさせていただきます!
その間に投票受付中のレーサーが12人を切った場合、運営側のランダム抽選で
成績無関係を前提としてレーサーを補填します!

レース終了後、各コースでの順位に対応したポイントを平均処理し、
その点数を指標に総合順位を決定いたします!
順位とポイントとの対応表はお手数ですがパンフレットをご覧ください!」

シグナルジュゲム
「なお、通常の大会ではランダムシャッフルによるコース決定となっておりますが…
初参戦のレーサーがいる場合、救済ハンデとして、重複しない範囲でのコース選択権が与えられます!
また、第4レース終了時点で応募を締め切ります!
ただし、本人の希望がある場合は補填レーサーとして抽選に掛かる場合はございます!
ロゼッタ選手、短い時間ですが第1コースの選択を考えておいてください!」



ピーチ(そう、これは大きい。ひとまず4コース分、穏やかなコースを走り込んでおいた甲斐があった。
     ひたすら選んで行けば、火傷を小さくできるはず!)

デイジー(ピーチ、考えたわね。過酷なコースでの異常特訓で耐性をある程度付けてからなら、
      洞察力も確保できて気持ちもだいぶ楽になること請け合いよ!)

ロゼッタ(ピーチ姫、デイジー姫、ありがとうございます。これならなんとか、戦えそうな気がします。
      さて、私がまず選択すべきコースは――――)

>>52
×第4レース  ○第4コース

シグナルジュゲム
「それでは観客の皆さん!今から5分間、投票を受け付けます!!
誠に勝手ながら、それ以降の投票は無効となりますのでご注意ください!」

~第1コース投票結果~
ルイージ
マリオ
ワリオ
クッパ
デイジー
ヨッシー
ドンキーコング
ピーチ
キングテレサ
キノピオ
ベビィマリオ
+ロゼッタで計12名


ルイージ「見て、見てよ兄さん!僕が投票1位だって!兄さんに勝ったよ!やったー!」

マリオ(まあ、観戦歴の長い人たちは『第1コースはアレだな』って察しがついてるからな)

ピーチ(初参戦レーサーが捻くれてない限り『第1コースはアレだな』って察しがついてるもんね)

デイジー「いつも思うけど、観客にキノコ王国の住民多いのにピーチってそんなに票集まらないよね」

ピーチ「逆よ、逆。『姫様に危険な目にあってほしくありません!』って人がほかのレーサーに流れちゃうから。
     支持率が高いのも困ったものね」

デイジー「そんなもんなんだ(じゃあ結局選ばれているのはいいんだろーか)」

ロゼッタ「…………」ジーッ

ベビィマリオ「わあーい、なんとか滑り込めたでちゅ!」キャッキャッ

ロゼッタ「ちょっとボク?どこから紛れ込んだの?駄目よ、子供…子供?というより赤ん坊?が
     こんな過酷で危険な場所にいちゃ!ママの所にお帰りなさい?」ヨシヨシ

ベビィマリオ「あ、新入りさん!だいじょーぶ、2人乗りデッドヒートまで出来ちゃうから
        こんなレースくらいおちゃのこさいさいでちゅ!体当たりでお化け沼に吹っ飛ばされたって
        根性で乗り切りまちゅよ!」

ロゼッタ「」ピシッ

マリオ「あー、ロゼッタ。この大会に必要なのは運転免許じゃない。
    生き抜くためのHPと気力があればそれでノープロブレム」

ロゼッタ「あ、はい」トオイメ

マリオ(むしろ赤ん坊の癖に冒険経験値やばいことになってるからな…)

シグナルジュゲム
「それでは参加者も決まったところで。ロゼッタ選手、第1コースの選択をどうぞ!」

ロゼッタ(スゥー……)「ルイージサーキットでお願いします!」

観客(やっぱり)

観客(まあ鉄板だよな。初心者でも運転が非常にしやすいし)

ピーチ(うわあ、観客の皆さんもしたり顔だし…まあこれでいいのよ)

シグナルジュゲム
「なるほど、ルイージサーキットですね!それでは、『呼び出し』ましょう!ぽちっとな!」

ロゼッタ「えっ」

ポンッ!!ズゴゴゴゴゴ…!!

なにも なかったはずの だだっぴろい かいじょうに
ルイージサーキットが あらわれた!▼

ロゼッタ「…………会場にコースを呼び出すだなんて、何て無茶苦茶な…
      通りで観客がこんな街中の会場にのんびり構えているはずです」

ピーチ「さすがにレインボーロードとかのアップダウンや規模が尋常じゃないコースは
    実況中継でごまかすけどね。キノコ王国の技術力は世界一よ」

クッパ「それは聞き捨てならんな。クッパ軍団とて負けておらんぞ」

ロゼッタ「だったらカートにバリア機能くらい付けてほしかったですね(小声)」

シグナルジュゲム
「さあ、レーサーたちがスタート地点にスタンバイ完了しました。
本当にレースが始まろうとしています、その瞬間を見逃すな!
それでは――レース、開始です!」

――ピィーッ、ピィーッ、ピィーッ、パアァーン!!


ビュン! ビュン! ビューン!



ロゼッタ「……結局ロケットスタートとやらを教わってないじゃないですか!!
      あああ、いきなり離されたんですけど!待ってください!」ブロロロロ

ピーチ(あ、ごめん)

ロゼッタ(レースが…始まって、しまいました。
      私のことを応援して下さる観客の皆さんの声、しっかり届いています。
      こっそりチコたちまで駆けつけてくれているの、私にはお見通しですよ。

     ……なんてことになっていますが、正直、私は順位なんて気に留めず走破することだけで精一杯。
     ピーチ姫の策によって余裕はある。…あるはずなんですが、全然実感が湧かない。
     駆け込みで走り込んだはずのこのコースが、魔物が棲む初見コースに見えて仕方がない。

     体が、固い。本当に死んでしまわないか、ただただ、怖い)ガチガチ

ロゼッタ(……ハッ!)

シグナルジュゲム
「おーっと、マリオ選手、クッパ選手に押し負けて珍しく砂地に乗り込んでしまったぞ!
今日は調子が悪いのか?大きくトップ集団から離されます!」

マリオ「やれやれ、砂地に乗り上げただけでこの叩かれっぷりとは
    優勝候補のプレッシャーとは恐ろしいな、まあわざとなんだが」

デイジー「私もいるよーん。いやはや、アンナトコロニバナナガアッタナンテ」

マリオ(とりあえずまあ、ロゼッタの少し前を走って、臭い所の障害物は掃除してやるか)

デイジー(私たちの責任もあるし、フォローしてやらないとね。場合によっちゃスリストもあげられるし)

ロゼッタ(マリオ、デイジー姫!助かります!
      …そうですね、ここまでお膳立てしてもらっていて、なんて我儘。
      下を向いている暇があったら前を向くべき、です!
      恐れていても何も――始まらない!)

シグナルジュゲム
「おっと、ロゼッタ選手!どこかぎこちない運転でしたが、ようやく走りが安定してきたか!
そしてここでパワフルダッシュキノコをゲットした模様!一気に加速します!
後ろをチラ見しつつ前を走っていたマリオ選手、これは慌てたか!
前方不注意で流れ弾の緑甲羅を食らってしまった!」

マリオ(失礼な。加速中のロゼッタが食らうことになってただけだ。
    そのままこちらもキノコでリカバリ、と)

デイジー(おー、重量級だけあってMAXスピード維持できるとホント速いね。
      まあ私に追随される程度のコース取り・ドリフトは改善の余地が有るけど…
      細かいことは気にしない!どんどん先頭集団に接近できてるよ!)

シグナルジュゲム
「…そして今、ロゼッタ選手、ピーチ選手を抜いて7位に!」

ロゼッタ(集中、集中、集中っ!)

シグナルジュゲム
「甲羅やキノコの使用タイミングは必ずしも最適とは言えませんが、
猛追でひとまず5位に付けました、中々の健闘です!」

観客「ウオオオオオオ!」


ピーチ「…………うーん、どう思う?」ジーッ

クッパ「ふむ。このコースだけに関すれば気に留めるほどのことでないが、
    レース全体で見るとよろしくないな…」

シグナルジュゲム
「デイジー選手、ロゼッタ選手の前を4位で走り…おっと、急加速してきたドンキーコング選手、
勢いそのままにデイジー選手を大きく横に押しやりました!

そのまま間髪入れずロゼッタ選手に対し、強者の洗礼とばかりに進路上にバナナ設置!
しかし!これはドンキーコング選手を狙ったマリオ選手の緑甲羅軌道上!奇しくも相殺されます!
ロゼッタ選手、漁夫の利で助かった!」

ドンキーコング「ぐぬぬ…」

デイジー「お・か・え・し」トンッ

ドンキーコング「ウホーッ!?」バァン

シグナルジュゲム
「おおっと!デイジー選手、素早いドリフトから態勢を取り戻していた!
ドンキーコング選手の前にしなやかにカートを差し入れて、設置したるや偽アイテムボックス!
これは避けられない!たまらずドンキーコング選手吹っ飛んだ!」

ロゼッタ(あ、赤甲羅を引きました。…このまま使うと、デイジー姫を追尾してしまいますね。
     防御アイテムも持っていないようですし、ここは保持、と)

デイジー(何を甘ったるいこと言っとるか。とっとと撃ちなさい)

ロゼッタ(……え、直接脳内に!?えっと、そんなことできませんよ!)

デイジー(そこまで不干渉貫いちゃうと庇ってること丸わかりじゃないの!
      …いや、けっこー既に厳しいかもだけど。ピーチがジト目で私たち見てたし。
      とにかく、そっちからの攻撃は一切遠慮しないくらいでちょうどいいわ)

ロゼッタ(…………本当に、すいません)ヒュンッ

デイジー「わわ、赤甲羅が来るよ!外周のダッシュボードで振り切らなきゃー!
      あー、これ無理ゲーだわ。防御アイテムもないしぶつかるぅ、うーわー(棒)」ドカーン

ロゼッタ(お先に、失礼します)

マリオ「おうデイジー、漢だな。先に行くからすぐ追いつけよ」

デイジー「男じゃないよ!」

ロゼッタ(えっと。このコースは加速系のアイテムがあれば砂地をショートカットして
      時間短縮が図れるんでしたっけ。先ほどまでは道路で使っていましたが。
      あ、あそこですね。ちょうどいい塩梅にトリプルダッシュキノコがあります!
      練習時間はそれほど確保できませんでしたが、一応成功もしましたし…
      やってみましょうか!)ダッ

マリオ「あ、緊張した状態でそれはちょっとフォローできないから待っ」

ロゼッタ「ヤッフゥ!」





ゴンッ!!

ロゼッタ「はうっ」

マリオ(いわんこっちゃない)

ロゼッタ(…………痛い、すごく痛いです。
      ドカンに頭を盛大に擦って意識が一瞬飛びました。…あ、王冠がどこかに行った。
      まあいいです、この程度で済んだのなら!命の方が大事ですよ、ええ。  
      さて、再加速です!」チラッ



マリオ「ぶつかったドカンなんか気にしないで前見ろ前!!」

ロゼッタ「はい?」



目前のドカン「余所見すんなや」



ガンッ!!!!!!!!!

シグナルジュゲム
「おおっとロゼッタ選手!ややキノコを贅沢に使いつつも…いや、むしろ
 不慣れを見越したキノコ確保と見れば聡明、賢明な判断か!
無事に砂地を抜け、とうとう3位にまで躍り出ました!素晴らしい活躍です!」

マリオ「なんかドレスがところどころ赤く染まってるが…だいじょぶ?」

ロゼッタ「……………………ええ、ええ、計画通りですよ。
      側頭部を激しく殴打されて生暖かい感触が頬を伝っていたところで、
      激痛が頭を駆け巡っていたところで、微妙に視界がぼやけていたところで、
      順位を上げたことは確かなのですから何も臆することはありません、はい。
      ここまで私としては完璧な走りなのです。何も臆することはないのよ、ロゼッタ。
      ここまで過保護なサポートを受けておいて愚痴を零すのは罰当たりにも程があるというものだわ、
      何も臆することはないのよふふふふふふふふふふふふふふ」ダラダラダラダラ

マリオ「よし、大丈夫だな(逃避)」

ワァァ!

マリオ「っ!?この警告音は!!ロゼッタ止まるんだ!」



ワリオ「オラオラ、みんなまとめて吹き飛んじまえ!!」

シグナルジュゲム
「おおっとワリオ選手、不運な巻き込まれ事故で下位に甘んじていたかと思いきや!
起死回生、トゲゾーの甲羅をスロー!青い閃光が瞬く間に1位のキングテレサ選手めがけて猛進します!

おやおや!?地を這わなくなったトゲゾーですが、思いのほか先頭グループ固まっている!
これは誰が巻き込まれてもおかしくない状況です!慌てて2位以下の選手、減速!
キングテレサ選手も擦り付けようと慌てて減速!…おっと、ロゼッタ選手、接近音に気付いていないのか
減速しなーい!

トゲゾーの甲羅、結局キングテレサ選手に着弾!
ロゼッタ選手巻き添え!両者、大爆発で吹っ飛ばされたあ!」

ロゼッタ「がふぅ!?」

マリオ「」

キングテレサ「ぐっ!…おのれ、タダでは済まさんぞ!」

ロゼッタ「……………………………………………」

シグナルジュゲム
「おや、どうしたことか。ロゼッタ選手、突っ伏したまま動きません!
脳震盪でも起こしたか、後続にどんどん抜かされていくままだ!」

ロゼッタ「……………………」

ロゼッタ「………………………………………まだ、はしれ、ます!」ユラリ

シグナルジュゲム
「なんとかロゼッタ選手持ち直した模様です!」

マリオ(ホッ)

第1コース結果
1位 ルイージ
2位 ヨッシー
3位 キングテレサ
4位 マリオ
5位 ドンキーコング
6位 ロゼッタ
7位 デイジー
8位 ワリオ
9位 クッパ
10位 ピーチ
11位 ベビィマリオ
12位 キノピオ

シグナルジュゲム
「……はい、御覧の通りの成績となりました!観客の皆さん、贔屓のレーサーは活躍されたでしょうか、感嘆する走りを見せてくれたでしょうか!とにもかくにも、走り切ったレーサーたちに盛大な拍手をお願いします!」

パチパチパチ・・・!!

マリオ「ってか、見かけないと思っていたらルイージが1位だと!?凄いな!」

ルイージ「ふふ、トゲゾー様様だよ。…でも、まさかそこまで影が薄かったなんて喜びも半分だよー…」

ヨッシー「最後に投げられた赤甲羅を飲み込んで躱せたら私の勝ちだったんですけどね」

ピーチ「ちょっと待ちなさいそこの恐竜」

キノピオ「姫様!お怪我は、お怪我はございませんか!」

ピーチ「あなたは、私を気遣う暇があったら私に向かって甲羅でも投げなさいよ。
    おまけにカミナリ雲取っておきながら減速して擦り付けを諦めたでしょ?」

キノピオ「そそそ、そんなことできませんよ恐れ多い!そんなことする位なら棄権します!」

ピーチ「忠誠心と事なかれ主義は別物なのよ?…よし、決めた。上司命令よ。
     今日、私に向けて最低一回は攻撃を当てなかったら、あなたクビね」

キノピオ「えっ…ま、まあ姫様に攻撃しないで済むならレース人生を終える位…」

ピーチ「そうじゃなくて、城仕えをクビ」

キノピオ「」ガーン

クッパ「それは流石に可哀想だろう?いくらワガハイがピーチ姫を攫う度に毎度のごとく無能警備をさらけ出すとはいえ」

キノピオ「」グサッ

ピーチ「まあ最近は公務から逃げて羽伸ばそうっていう下心もあって、流されるまま攫われてる節もあるけどね」

クッパ「がっはっは!それは面白い冗談だ!……え、マジで?」

ピーチ「身の安全は確保してくれる上にじきにマリオが助けに来てくれるし、
     様変わりするお城で敵情偵察兼ねたレベルアップできるし、
     軍団のみんなに料理振る舞ったりクッパに洗剤ケーキ振る舞ったりできるし、
     割と楽しくなってきている自分がいたりして~。
     あ、キノじい達にはヒミツね?」

マリオ「色々と初耳なんだが」

クッパ「大丈夫か、この王国 」

ピーチ「マリオブラザーズがいるから平気平気。いざとなったら私も出動するし」

ルイージ「そゆことそゆこと」

クッパ「めっさ開き直ってやがる。紐で吊るしても絵に閉じ込めても籠の中に捕えても懲りてないというのなら…
    今度は久しぶりに本気になって石にでもしてやろうか」グフフ

ピーチ「なにそれ楽しそう!解き甲斐がありそうね!」

クッパ「えええええ…ドンビキですわぁ…」

ロゼッタ(聞いているだけで頭が痛くなる会話ですね…)

???「……」


サワッ

ロゼッタ「キャ!?!?」サッ

ワリオ「よっ、新入り。いい結果、『出してもらえて』良かったな」

ロゼッタ「いいいい、今お尻撫でられたんですけど!」カァ

ワリオ「おいおい、言い掛かりはよしてくれよ。あんた長身だからな、振ってた腕がちょいと当たっちまっただけだぜ?」

ピーチ「結構肉付き良かったでしょ?」

ワリオ「どっちかっつーと女性っぽくない硬さだったな…ハッ!?」

デイジー「サイテー!」プンスカ

ピーチ「この女の敵が。殴るわよ」バコン!

ワリオ「痛ぇ!『たった今フライパンで殴ったわよ』の間違いだろうが!」

マリオ「…ワリオ。らしくないぞ。ワルで売ってるお前でも、ここまで露骨な嫌がらせは久しぶりじゃないか。
     それに、『出してもらえて』って…」

ワリオ「おー、イッテェ…あん?そんな事、お前が一番分かってんじゃねーのか、マリオ?
     むしろお前が『らしくねえ』んだよ」

マリオ「…………」

ワリオ「新入りが参戦してくる、それも女で重量級っていうんで、何気に楽しみにしてたんだぜ?どんな男勝りの奴に巡り合えるかってな。
     クッパ、お前もそうじゃないのか?」

クッパ「…いや別に、そこまでは…」

ワリオ「ケッ、日和やがって」ペッ

ロゼッタ「………………っ!」

ワリオ「それが、蓋を開けてみればどうだ。マリオとデイジーにおんぶに抱っこじゃねえか。これならまだ、びりっけつでもしっかり走ってくれた方がよかったってもんだぜ。
     観戦歴の長い奴なら八百長モドキだってすぐに気付くだろうぜ。――お前さんよぉ、やる気あんのか?」

デイジー「しょ、しょーがないじゃない!いろいろ問題があってロゼッタは経験が乏しすぎるんだから!慣れるまで大目に見てやってよ!」

ワリオ「…女々しいこと、この上ないな。そうやって気楽に構えている奴に、
    現に上の順位を取られているっつーのが何よりも気に食わねぇ。
    お遊戯か何かと勘違いしてるなら、とっとと退散してもらいたいもんだねえ。言いたいことはそれだけだ。
    あんまり繰り返すようだと…俺もなかなか、黙ってないぜ」スタスタ…

ロゼッタ「……」





ロゼッタ「……息が、詰まりました。すいません、そもそも私が最初からしっかりしていれば…」

デイジー「気にしない、気にしない!アイツの性格が悪いだけだからさ」

ロゼッタ「ワリオ、さんでしたっけ。どのような人なのですか?」

マリオ「まあ、とにかく勝負事は勝たないと、いい順位じゃないと気が済まない奴だ。
    運転は荒っぽいがのらりくらりとこなして、優勝候補に挙げられるくらいの実力は持ってる。
    というか、アイテムを使ってライバルを蹴落とすことにおいてはワリオの右に出る奴はいない、
    と言ってもいいかもしれん」

ロゼッタ「そ、そうなんですか!?」

ピーチ「また、厄介な奴に目を付けられたものね…でもねマリオにデイジー。
     さっきのコース、ワリオほどは批難しないけど、傍目から見て色々と庇いすぎよ。
     これで私まで周りをウロウロしていたら確実にペナルティを食らっていたわ」

マリオ「…は?ペナルティ?何のことだ?」

ピーチ「うわあ、呆れた。まさか知らなかったんだ。ほら、大会規約の……ココ。

    『特定のレーサーあるいはレーサーグループを、著しく利する、あるいは相互に援護する行動を継続的に取り続けた
     レーサーあるいはレーサーグループがいた場合、参戦中のレーサーならびに観客はコース終了から
     次のコースが開始されるまでの間に、外部あるいは内部からその行動を審判に告発することができる。

     その行動がカメラチェックで確認でき、かつ庇う側の意図的行為であると判断されたならば、
     運営は庇った側のレーサーについて、次の1コースあるいは2コース以上の参戦不可を通達することができる』

     って書かれてあるわ」

マリオ「…マジですか?」

ピーチ(コクッ)

デイジー「じゃ、じゃあどうすればいいの!?」

ピーチ「…別に慌てる必要は多分ないわ。ロゼッタを気にせず、自分の走りをすればいいのよ。
     できるわよね、2人とも」

マリオ「仕方ない、か」ヤレヤレ

ロゼッタ「わ、私も精一杯走らさせて頂きますので!
      マリオもデイジー姫も、私のことは気にせず本来の走りをぜひお願いします!」アタフタ

デイジー(そうは言ってもすっげー不安です)




――この時私は、1UPキノコを持ち込めない現状にため息を付きながらも、
あちこちに血の色が掛かった青色のドレスを恨めしげに見やりながら
『次からは自力で走ることになる、頑張らなきゃ』くらいの気持ちで佇んでいました。


中途半端に走れてしまった、いい成績を手にしてしまった私は――どこか、慢心の気持ちが蠢いていたのかもしれません。

ロゼッタ(第2コースには、ピーチビーチを選択。
     このコースもまた、段差・障害物ともにほとんどない、非常に走りやすいコースです。

     道があまり舗装されていないことに加えて水辺があるのが少し厄介ですが…。
     まあ、水辺があるということは逸れたアイテム攻撃がそのまま消え去ってくれるということでもあり、
     安全にも貢献しているとのこと――)


第2コース参戦レーサー
ワリオ
ドンキーコング
キングテレサ
クッパ
ヨッシー
キノピコ
マリオ
ベビィマリオ
ベビィルイージ
ピーチ
デイジー
+ロゼッタで12人


ロゼッタ(ルイージはしょげていましたが、マリオもピーチ姫もデイジー姫も外れていないことにとりあえず一安心。
     …しかし、他の3人の顔色が芳しくありません)

マリオ「…ピーチの言う通りだな」

ロゼッタ「え?」

マリオ「ロゼッタへの援護、消極的な走りを感じたのか、俺とデイジーの票がかなり下がってる。
    自慢じゃないが、優勝候補の俺が2コース目の投票結果でここまで順位を落とすケースはあんまり記憶にない。
    まあ、単に『優勝が遠ざかったから今回は諦めた』とかの理由ならまだマシなんだが。
    このままだと俺はともかくデイジーは圏外になりかねないな」

ロゼッタ「うっ……」

ピーチ(逆に、貪欲な走りを見せたワリオの票が急上昇してるわね)

デイジー「私は崖っぷちとかゆーな。…で、かといってロゼッタを見放して手助けしないんじゃ本末転倒だし…
      ど、どうすんのよ?」



マリオ「…大丈夫だ、まだ奥の手はある」キリッ

シグナルジュゲム
「さあ、レーサーたちがスタート地点にスタンバイ完了しました。
それでは――第2コースも、張り切ってまいりましょう!」

ロゼッタ(口頭で教わっただけですが…ロケットスタート、次のコースくらいで使ってみたいものです。
      今回は、皆さんのスタートをよく見ておきましょう。観察させて、もらいます!)ジーッ



――ピィーッ、ピィーッ、ピィーッ、パアァーン!!

ビュン! ビュン! ビューン!




ロゼッタ(…う、うーん。タイミング、わかったようなわからないような…
      トントントン…このくらいのタイミング?いえ、トン、トン、トン、このくらい?
      まあ、今悩むのはこのくらいにしておきますか…)ブロロロロ

ロゼッタ(このコースは、跳ね返りの緑甲羅は気にしなくていい。当たるとしたら赤甲羅。
      要するに避けようがないから当たったらその時、ということで走ればいいんですね、うん。
      防御アイテムがあればストックしておくとよいとのことです。

      また、水辺を突っ切る際に加速アイテムはぜひ欲しい、と。
      マリオは『そもそも水中でのペダル操作に慣れないうちはやめた方がいいんじゃあ…』と
      ぼやいていましたが、そうも言っていられませんね)

マリオ「悪いな、お先に」

デイジー「んもー、薄情だなあ。―それじゃ頑張って。死ぬのは、駄目よ?」

ロゼッタ「縁起でもない事言わないでください」



ロゼッタ(お二人とも、あっさりと私を抜かしていきました。
      最高速は私の方が断然速いとのことですが、微塵も感じさせない走りです。
      特にマリオは、凄まじい速さであっという間に見えなくなってしまいました。さすが優勝候補。
      観客のボルテージも上がっている気がします)

ピロロロロロロ…パン!

ロゼッタ(あ、トリプル赤甲羅。これはラッキーです、どんどん投げてしまいましょう)

ブン! ブン! ブン!



ワリオ「ぶっははは!こりゃケッサクだ!出たよ、素人丸出しの使い方!」

ロゼッタ「っ!?な、なんですか一体!レース中ですよ!
      それに、なんですか素人って!赤甲羅なのですから前を攻撃するのは当たり前でしょう!」

ロゼッタ(同じく重量級のワリオ。技量の差から、すぐ後ろにまで付かれていたのですか。
      相変わらず私って、まるで後方の状況確認、警戒がなっていませんね。悲しくなります)

ワリオ「おつむが弱いようだから、いい事教えてやるよ。俺って親切ー。
     そんな投げ方しても、前の奴には1発分の効果しかねーぞ」

ロゼッタ「…え?」

ワリオ「硬直時間中のアイテム攻撃はムダだからな。
    投げるなら、硬直が解けたと同時に次弾が当たるような時間差で投げろや。
    相手の防御アイテムを見越して2発撃つならまだ分からんでもないんだが、
    3発一斉に投げるのはただの阿呆だわ」

ロゼッタ「…そ、そう!相手が使いかけのトリプル防御アイテムを持っている可能性も…
      防御アイテム2個に対して3発投げるのなら無駄じゃありません!」

ワリオ「可能性の低いくっだらねえ賭けだな。というか、1発の着弾のために3発分消費するのが馬鹿だと言いてぇんだよ、俺は。
    効率悪すぎだろ、頭使えや。できれば3発着弾、最低でも2発着弾を狙うのがいいんだよ!
    それができないなら、時機を待ちつつ防御、更には付近のレーサーへの牽制に使った方が遥かに賢いんだけど、わかるぅ?
    それとも箱入りお嬢様には難しかったか?んん?」

ロゼッタ(そんな定石が、あるなんて。確かに、理にはかなって、いる。
      言い訳したくはありますが…勉強不足にも…程がある)

ワリオ「ま、あんたが馬鹿打ったおかげで俺は大助かりなんだけどな。イイもんやるよ」ポイッ

ロゼッタ「…ひっ、赤甲羅…!」

バァン!!

ワリオ「じゃ、お先―!よし、スターで一気に飛ばすぜー!」ブロロロロ

シグナルジュゲム
「ワリオ選手、ロゼッタ選手のマズイアイテム駆使を逃さなかった!結果として、
 最小のコストで最大の結果を得て見せました!これは、経験の差が如実に表れてしまったか!」



ロゼッタ「…いたい、です」ツー

ロゼッタ(砂地であることが幸いしましたが…咄嗟に庇った左腕が、そのまま吹っ飛んだ際に下敷きにまでなって…
      痺れるように痛い。折れた、かもしれません。そうか、甲羅の飛ぶ速度って腕力でも結構変わるんですね、
      正直…みじめで、泣きたいです)

ロゼッタ(…ですが、よし。そこそこ激痛が走りますが、なんとかハンドルに手は添えられる。
      意識も…しっかりしている、右手を主に使っていけば問題ない、問題ない…)イイキカセ

ポイハナ(トコトコトコトコ)

ロゼッタ「わ、わ、せめて確実に避けられるあなたに当たるわけには、まいりません!」ザザッ



ゴオオオオォォォーッ!!



ロゼッタ「…?」クルッ

ロゼッタ「ひいっ!?」サッ

キラー「ゴオオオオオォォォ!」ビュー!!

ロゼッタ「ハァ、ハァ、ハァーッ!し、心臓が止まるかと思いました!
      あ、あれがキラーという弾丸なのですね、あんなのに轢かれたらひとたまりもありませんよ!
      あ、でもあんなに速く走れて、いいなあ…」

ピロロロロロロ…パン!

ロゼッタ「…これは、えーっと、確か…きょだい、キノコ?」


ググググググ…!

ロゼッタ(巨大)「か、体に活力が…こ、これは!」

ポイハナ「でけえ」

ポイハナ「元々あの人ノッポだからな」

パリン!パリン!

ロゼッタ(巨大)「す、すごい!当たり判定が大きくなるので不安でしたが、
          甲羅やバナナも難なく破壊して走れるのですね!更に他の人を踏み潰すことができる、と!
          私にとってこれは中々利用価値の高いアイテムですね!」


ビュン!


ロゼッタ(巨大)(おまけに、ダッシュキノコほどの速度はありませんが、水辺でも減速しない!
      コース取りが下手な私にとっては非常に助かります!…むむっ)

ゴオオオオォォォ!

シグナルジュゲム
「おーっと、巨大化したロゼッタ選手の後方から、2体目のキラーが迫ってきたぞー!」

ロゼッタ(巨大)(とりあえず、キラーはこの体ではじくとして、次のアイテムボックスまでの距離は確か…)


シグナルジュゲム
「ロゼッタ選手、特にキラーを気にしていませんが大丈夫なのかー!」


ロゼッタ(巨大)「…………あれ?よもや、キラーに当たり負けする、んですか?」

ガツンッ!!

ロゼッタ(巨大)「いやぁー!!」



ベビィマリオ「おおー、やっと追いついてきたでちゅか?」

ベビィルイージ「んー、なんか轢いた気がするでちゅ。もし新人さん轢いてたら困りましゅ」

ベビィマリオ「救護義務なんてものはないでちゅから大丈夫でちゅよ」

ベビィルイージ「それもそうでちゅね。キラーは急に止まれない、でちゅ」

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