ラフィエル「私も執事になりたいです~」マルティエル「え……?」 (15)

マルティエル「お嬢様……何故急にそのような事を?」

ラフィエル「いつもマルティエルは私の世話をしてくれるじゃないですか~」

ラフィエル「だから偶には私が執事になって……マルティエルのお世話をしたいな~って」

ラフィエル「面白そうじゃないですか!?」

マルティエル「そ、そんな!! いけませんお嬢様!! お嬢様が私の世話などと……怒られてしまいます!!」

ラフィエル「でも今日はお父様もお母様もサラちゃんも夜遅くまで帰って来ませんよ~?」

ラフィエル「だからバレる事もありません。 いいじゃないですか~」

マルティエル「お嬢様……」

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マルティエル「分かりました……お嬢様がそこまで言うのでしたら」

ラフィエル「じゃあ決まりですね!!」

ラフィエル「早速私のサイズの執事服を……」

マルティエル「ありません」

ラフィエル「ですよね~」

マルティエル「なのでここはお嬢様、私の着ているこの執事服を……」バサッ

ラフィエル「いきなり脱ぐんですね~」

ラフィエル「じゃあ着替えてきますねー」

マルティエル「お伴します」

ラフィエル「しなくていいですよ~?」イラッ

マルティエル「はい……///」

マルティエル(お嬢様が私を蔑んでいる……///)











ラフィエル「着てみました~」

マルティエル「!!!!」

マルティエル「か、かかかかかかか可愛い!!///」ブー!!

ラフィエル「鼻血!?」

マルティエル「!! も、申し訳ありません。 私とした事が……」

ラフィエル「大丈夫ですか~?」

マルティエル「ティッシュを……」

ラフィエル「私が吹きますよ」

マルティエル「え……」

ラフィエル「だって今日は私が執事ですから」

ラフィエル「マルティエルもよく私がいいって言っても吹いてくれたじゃないですか~」

マルティエル「お嬢様……」

ラフィエル「じゃあ吹きますね~」

マルティエル「ありがとうござ……」

ラフィエル「……」フキフキ

マルティエル「!!!!!」ブーーーーー!!

ラフィエル「マルティエル!!?」

マルティエル(顔が近い!!!///)

マルティエル「手間をかけさせてしまってすいません……///」

ラフィエル「いいんですよ~」

ラフィエル「……それじゃあ何か私にしてほしい事はありますかお嬢様?」

マルティエル「お、お嬢様!!? 私がですか!?」

ラフィエル「そうですよ~。 だって私がマルティエルでマルティエルが私なんですから」

マルティエル「そ、そうですね……」

マルティエル(まさかお嬢様にお嬢様と呼ばれる日が来るなんて……)

ラフィエル「私に何なりと命令してください」

マルティエル「で、では早速……」

マルティエル「お嬢様の裸を見せて……」

ラフィエル「お断りします」ニコッ

マルティエル「な、なんでですか!? お嬢様は今なんでもと……」

ラフィエル「限度ってものがありますね~」

ラフィエル「それにお嬢様って呼ぶとややこしくなるので呼び捨てでいいですよ」

マルティエル「呼び捨て!!? とんでもございません!! お嬢様を呼び捨てなどと……」

ラフィエル「私が呼べって言ってるんですよ?」

マルティエル(ああ……///)

マルティエル「はい///」

ラフィエル「ではお嬢様、私に可能な限りの事をなんなりと命令してくださ~い」

マルティエル「分かりました、おじょ……いや、ラフィエル」

マルティエル「ではですね……」

ラフィエル「では……?」

マルティエル「ラフィエルの胸を揉ませて……」

ラフィエル「私関連の事は全部却下しますね~」

マルティエル「ラフィエルとキスは……」

ラフィエル「ダメですよ~?」

マルティエル「ラフィエルの下着を物色……」

ラフィエル「話聞いてました~?」

マルティエル「くっ……でしたらもう……頼む事がありません!!」

ラフィエル「えー……」

マルティエル(!! お嬢様が残念そうな顔をしてらっしゃる……)

マルティエル(ここはどうにかして何か頼まないと!!)

マルティエル「そ、掃除!! 私の部屋を掃除してくれますか!!?」

ラフィエル「!! いいですねそれ~。 じゃあお嬢様の部屋を掃除しますね~」

マルティエル「……」ホッ

ラフィエル「ついでにお父様達の部屋も掃除しましょう」フキフキ

マルティエル(いつも私がやる事を……お嬢様がやってらっしゃる……)

マルティエル「ご飯も……作ってくれますか?」

ラフィエル「いいですよ~」









マルティエル「洗濯を……」

ラフィエル「喜んでやりますお嬢様!!」









マルティエル「お散歩を……」

ラフィエル「小さい頃は二人でよく行ってましたね~。 じゃあ外に行きましょ~」

ラフィエル「今日も空は綺麗ですね~」

マルティエル「天界ですからね」

マルティエル「あの……質問があるのですが」

ラフィエル「なんですかお嬢様?」

マルティエル「どうして急に……こんな事を? 本当に面白そうだからですか?」

マルティエル「何か……ちゃんとした理由があるんじゃないんですか?」

ラフィエル「……」

ラフィエル「今日は何の日か分かりますか?」

マルティエル「……? すいません、分かりません」

ラフィエル「今日はマルティエルが屋敷に来た日なんですよ」

マルティエル「!!!」

マルティエル「覚えてて……くれたんですか?」

ラフィエル「勿論です」

ラフィエル「そんなおめでたい日は……マルティエルにゆっくりさせてあげようと思って。 執事の仕事を休ませてあげようと思って」

ラフィエル「だから今日一日私が執事をやりたいって言ったんです」

マルティエル「……」

ラフィエル「……どうしました?」

マルティエル「……う」ポロポロ

ラフィエル「泣いてる!!?」

ラフィエル「ど、どうしたんですか!!?」

マルティエル「お、お嬢様が……優しすぎるあまり……うう」ポロポロ

ラフィエル「そんな泣かなくも……はい、拭いてあげますよ」フキフキ

マルティエル「……すみません」

ラフィエル「お父様もお母様もサラちゃんも……きっと帰ってきたらお祝いしてくれますよ」

マルティエル「……ありがとうございます」

ラフィエル「……っは!! これはサプライズでした!! 今言ったの内緒にしてもらえますか!?」

マルティエル「……お嬢様の頼みとあれば」

ラフィエル「……っていつもの通りになっちゃいましたね」

マルティエル「ふふ……そうですね」

マルティエル「じゃあ……そろそろ帰りましょう。 お父様達も帰って来る頃ですし」

ラフィエル「そうですね」

マルティエル「あの……最後に一つだけ聞いてもらってもいいですか?」

ラフィエル「? なんですか?」

マルティエル「今日……一緒に寝てもいいですか?」

ラフィエル「うーん……」

ラフィエル「嫌な予感がするのでお断りします」ニコッ

マルティエル「ありがとうございます///」ブーッ

終わり


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1

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