始めに…
~ 月山シノブって誰?知らない人に分かりやすく解説 ~
月山シノブは子供たち(と一部の大きなお友達)に大人気のロボアニメ、『新幹線変形ロボ・シンカリオン』の登場キャラクターで、
この作品で活躍するロボット、“シンカリオン”の運転士(パイロット)のひとり。
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実家は先祖代々から続く忍者の家系で、本人も見習い忍者の身であるという設定。
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至って健全な子供向けアニメのキャラクターだが…
その中性的でかわいらしいビジュアルを見た一部の視聴者たちから「実は女の子なのでは?」という“月山シノブ女の子説”が浮上した。
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放送初期から一定数存在していた女の子説論者は、劇中でシノブの性別が“少年”だと明言される事があっても、その持論を曲げることはなかった。
このかわいい子は実は女の子なのではないかと、女の子説論者は淡い期待を抱き続けていた。しかし…
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1532432331
~ 超進化研究所 大宮支部 ~
ツラヌキ「あ゛~…暑い~…!
何でこんな暑い日に限って空調が故障中なんだ~…!」
ハヤト「この間のブラックシンカリオンとの戦いが原因かな…? 鉄博の方は大丈夫みたいだけど…」
ハヤト(あぁ~…早いとこ修理終わらないかなぁ…)
アキタ「仕方ない。暫くはこの扇風機で凌ぐしかないか…」
ツラヌキ「このクソ暑い日に扇風機だけとか…全くもって涼めないんだよォ~…!」
シャショット「皆々様…修理が終わるまでの今少しの辛抱でありま~す…」
ツラヌキ「……そういえば、今日はシノブのヤツここ(大宮支部)には来てないんだな」
アキタ「ああ、アイツは俺たちと違ってこっちに住んでる訳じゃないからな」
ハヤト「何時でも大宮支部に来れるって訳でもないんだろうね」
ツラヌキ「……なぁ…オレ、前々から気になってたんだけどよォ…」
アキタ「んっ?」
ハヤト「なに?」
ツラヌキ「……シノブって、本当に“男”なンかな…?」
ハヤト「……は…はぁっ!?」
アキタ「お前…この暑さでついに頭までやられたか…?」
ツラヌキ「い…いや!だってよー!シノブって男の割りには体つき細いし、色白だし!女って言われても違和感ないっつーか!」
アキタ「………」
シャショット「わたくしのデータによりますと、シノブくんは男の子と記録されておりまーす。
ツラヌキくんの考えは間違ってるでありまーす」
ツラヌキ「へへっ…超進化研究所にも性別を偽って、男ってことにしてる可能性だってあるぜ!
アイツん家はホンモノの忍者の家系らしいからなァ…きっとそれが関係してるんだぜ!」
 ̄
ハヤト「いやいや…それは流石に無理あるでしょ…」
アキタ「……いや、確かにツラヌキの言うことにも一理あるな…」
ハヤト「えっ!?」
アキタ「シノブに関しては、見た目もそうだが手料理が得意だったりと家庭的な面もある。
そういうところも女子らしいといえばらしい…」
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ハヤト「あ…アキタまでシノブのこと女の子だと思ってんの!?」
アキタ「別にそうとは言ってない。ただ、数パーセントの可能性であれ、可能性がある以上それは完全に否定しきれないことだ」
ハヤト「もう、アキタまでそんなこと…」
シャショット「御二人とも、この暑さで頭がオーバーヒート状態でありまーす…」
.
ウィーン…
フタバ「みんなごめんね!空調もう少しで直るって!」
ハヤト「本当ですか!? 良かった~!」
ダッ!
ツラヌキ「フタバの姉ちゃん!聞きたいことがある!」
フタバ「えっ?」
ツラヌキ「シノブってよ!本当は“女”なんじゃねーの!?」
フタバ「は…はぁッ!?」
~説明中~
フタバ「な、成る程……それでシノブくんのことを女の子だと…」
ツラヌキ「おうッ!」
フタバ(想像力が豊かというか…何というか…)
ツラヌキ「で、実際のとこどうなんだよ!」
フタバ「どうって…シノブくんは正真正銘男の子よ」
ツラヌキ「本当か~? 姉ちゃん、ちゃんとアイツのチンチン見たことあんのかよ?」
フタバ「ちんち…って!見るわけないでしょ!///」
ツラヌキ「じゃあ本当は分かってねェんじゃねーか!全くもって話にならん!」
フタバ(……えぇ…)
.
'
ツラヌキ「クソ~!こうなったら直接本人に聞いてやる!」
アキタ「それは止めておけ。もし借りにお前のいう通りシノブが女なのだとしたら、何か訳があって男と偽っているということになる」
アキタ「性別を偽るなどよっぽどの理由の筈だ。本人を問い詰めたところで、大人しく口を割るとは考えられん」
ツラヌキ「じゃあどうすんだよ?」
アキタ「どうって…シノブに悟られないようにこっそり調べるしかないだろう」
ツラヌキ「悟られないようにって…どうやって!?」
アキタ「……それは…そうだな…」ウーン…
ハヤト(……二人とも…本当に頭大丈夫…?)
…
~ 指令室 ~
フタバ「っていう事があって…」
アカギ「はははっ!確かにシノブくんは、何処となく中性的な感じがする子ですもんね。
二人がそう思うのも案外無理ないんじゃないですかね」
フタバ「それにしたって…一緒に居ればシノブくんが普通に男の子だって分かりますよ…」
出水「……いや? シノブくんは女の子だよ?」
アカギ「え゛っ!?」
出水「あの子の母君からの直々の申し出でね。
彼…いや彼女の家の都合でどうしても…という事なんだ」
フタバ「……嘘ですよね?」
出水「フフッ…さて、どうだろうね?」
アカギ「そんな…!でも、仮にそうだとしてもあの子なら何ら不思議じゃない…?」ブツブツ…
フタバ「本庄さんも本気にしないで下さい!」
.
───
──
ツラヌキ「こうなったら…!シノブの股くらを直接触ってイチモツが付いてるか確かめて!」
アキタ「アイツはプロの忍者だ。触れようとした途端に腕を捻られるのがオチだ」
ツラヌキ「クッソ~!なんか良いアイディアはねェのかよ!」
ハヤト「……それなら、シノブを大宮の温泉に誘うってのはどうかな?」
ツラヌキ「何だって?」
アキタ「話は読めた!それならこちらの真意を悟られずに、シノブが男かどうか確認できる!」
シャショット「は…ハヤトくん?
ハヤトくんまでシノブくんのことを女の子だと思っているのでございますか?」ヒソヒソ
ハヤト「別にそんなんじゃないよ…
ただ、二人が納得するなら協力するのも良いかなって」ヒソヒソ
ハヤト「それにさ、前に岩手へ温泉旅行に行った時は、シノブ一緒じゃなかったからさ。
それの埋め合わせも兼ねてって感じで!」ヒソヒソ
シャショット「成る程~でありまーす!」
.
~ ハヤト、シノブに電話 ~
シノブ『運転士のみんなで温泉に?』
ハヤト「うん!と言っても、今集まれるのは大宮支部のメンバーだけなんだけどね」
シノブ『………』
ハヤト(……ツラヌキの言う通りシノブの正体が女の子なら、そもそもこの話には乗らないと思うけど…)
シノブ『……分かった。オラも行ぐ』
ハヤト「そ、そっか!じゃあ今度の土曜に大宮支部に集合だよ!」
シノブ『うん』
.
~ そして、温泉当日 ~
ハヤト「あっ!来た来た
!」
シノブ「待たせた」スタスタ
ハヤト「全然待ってないよ!じゃあ、早速行こっか!」
シノブ「ん。……んっ?」
ツラヌキ「………」ジロジロ
アキタ「………」ジー…
シノブ「……どうかしたか?」
ハヤト「な…何でもないよ!」アセアセ
ハヤト(二人ともジロジロ見すぎだよ~!)
シノブ「……?」
.
《温泉に到着》
~ 脱衣室 ~
シノブ「………」スッ
ツラヌキ「………」ジ~…
アキタ「………」チラッ チラッ
シノブ(……何か、凄い視線を感じる…)
ハヤト「二人とも…!そんなにチラチラ見てたら流石に怪しまれるよ~…!」ヒソヒソ
ツラヌキ「……あっ、ああ…しかしどーしても気になってなぁ…」
シノブ「………」ピタッ
アキタ「……んっ?」
アキタ(まだ上着すら脱いでないのに、どうして手を止めた…?)
シノブ「……ちょっと、トイレ行ってくる」クルッ
アキタ「なにッ!?」
ツラヌキ「─ッ!? シノブッ!やっぱりお前実はおんn─」
ガシッ
ハヤト「なっ!何でもないよ~シノブ~!いってらっしゃい!」アセアセ
ツラヌキ「ん゛~!ん゛~!」モゴモゴ
シノブ「……?…ああ…」スタスタ
ツラヌキ「ん゛ん゛…何すんだよハヤト!」ガバッ
ハヤト「何って今シノブのこと“女だろ”って言おうとしたでしょー!?」
ツラヌキ「ありゃ絶対土壇場で恥ずかしくなって逃げ出したパターンだって!
これでもうシノブは自分のこと女だって白状したようなモンだぜ!」
ハヤト「まだ完全に女の子だって決まった訳じゃないでしょ!決めつけはよくないよ!」
ツラヌキ「ンだとォ!」
アキタ「止めろ二人とも。こうなったら仕方ない…先に風呂に入ってシノブが来るのを待つぞ」
~ 大浴場 ~
ザバーン
ツラヌキ「全くもって今まで気付かなかったぜ!シノブのヤツが女だったなんて!」
ハヤト「だからまだ決まった訳じゃないって!」
アキタ「しかし、これで白黒付けられるな。
トイレから戻ってきたシノブがここ(男湯)に入ってくれば、アイツは間違いなく男だし。逆にこのまま来なければ…」
ハヤト「……シノブの正体は、女の子…?」
アキタ「ああ…その可能性は、高くなるな」
ツラヌキ「高くなるどころか確定だっつーの!
ここまで来てドタキャンするだなんて普通じゃ考えらんねぇーぜ!」
ハヤト(……確かに、断るなら電話の時点で断ってる筈だし…
このまま来ないなんて、よっぽどの理由がない限りおかしいよね…)
ガラガラガラ
ハヤト「─ッ!!」ビクッ!
ハヤト(来た!ってことはやっぱりシノブは男の─)
シノブ(私服)「みんな!」ダッ!
ハヤト「……って、あれ!?」
ツラヌキ「シノブ!お前何で服着たまま入って来てんだ!?」
ツラヌキ(これじゃあ男か女か確認できねェじゃんか~!)
シノブ「ほだなごど今はどうでもよか!
今、大宮支部から連絡があって巨大怪物体が出現したと!」
ハヤト「何だって!? ならオレたちもいかなきゃ!」ザバッ
ツラヌキ「あーもう!せっかくのチャンスがここまで来て~!」ザバッ
アキタ「言ってる場合か!急ぐぞ!」ザバッ
シノブ「……?」
シノブ(チャンス? 何のこと…?)
───
ハヤト(それから、巨大怪物体との戦いやら何やらで結局温泉は中止となりました)
───
~ 後日 ~
ツラヌキ「あーあ…結局シノブの性別は謎のままかぁ~…」
ハヤト(ははっ…まだ疑ってるんだ…)
アキタ「で、どうするつもりだ? また温泉にでも誘ってみるか?」
ツラヌキ「いやいや…小学生の財力じゃこれ以上の散財はキツいって…」
ツラヌキ「……それに…ひとつ思ったんだよ、オレ」
ハヤト「えっ?」
ツラヌキ「シノブのヤツが男だろうが女だろうが関係ない!
本当のアイツが何であれ…アイツが俺たちの大事な仲間だってことに変わりはないってな!」
ハヤト(ツラヌキ…!)
アキタ「……フッ…話は読めた。そういうことなら、もうシノブへの詮索は止めだな」
ツラヌキ「おうよ!」
ハヤト(そっか!良かった!)
───
──
ハヤト(シノブが女の子の筈がない。それは最初から分かりきってたことなんだ。
……確かに…言われてみればシノブって、女の子に見えないことはないんだけど…
シャショットのデータにもちゃんと男だって記録されてる訳だし、間違いなくシノブは男なんだ)
ハヤト「………」
ハヤト(……でも…もしもシノブが、ツラヌキの言うように本当は女の子だとしたら…)
ハヤト(もしもアキタの言うような、数パーセントの可能性が事実だとしたら…)
ハヤト(……もしもあの時、温泉に入ってきたシノブが……女の子だったら…)
ハヤト「………」
ハヤト「って!何考えてんだよオレーッ!!」ブンブン
ハヤト(あーもう…オレまで暑さで頭がおかしくなっちゃったのかなぁ…?
でも、空調はもう直った筈だし…)
ハヤト「はぁ…うっ」ブルッ
ハヤト(……ちょっとトイレ…)スタスタ
~ 男子トイレ ~
ハヤト「ふぅ…」ジョー…
ガチャ
シノブ「………」スタスタ
ハヤト「あっ!シノブ!」
シノブ「んっ?…なに?」
ハヤト「えっ!あっ、いや!何でもないよ!」
シノブ「……?」ゴソゴソ
ハヤト「………」
シノブ「………」ジョー…
ハヤト「………」チラッ
ハヤト(……あっ、ついてる…)
その後、みんなで一緒に海水浴に行ったときに、シノブくんが普通に男の子だったと分かりましたとさ。
~ おわり ~
《余談》
女の子説論者にトドメを刺したのは、第29話次回予告のとあるシーンだった。
そこに映っていたのは、男物の水着を着用し、上半身を露にしたシノブくんの姿だった…
http://imgur.com/OQPHtud.jpg
これにより、凡そ半年に渡り繰り広げられた「月山シノブ女の子説論争」にピリオドが打たれた。
結論『月山シノブくんは紛れもない男の子でした』
http://imgur.com/MxXPjNz.jpg
~ 終 ~
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