上条「ドキュメンタル?」 (128)




・禁書×ドキュメンタル


・キャラ崩壊は基本


・アレイスター女体後です


・他にはこんな作品を投稿しています



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黒文字のアルファベットでそう書かれた赤い封筒を手にし、上条は呟いた。12月。寒さが鋭利になりだしたこの時期に突如送られてきたそれは、彼の額に季節外れの汗を一筋、流させた。



「嫌な予感しかしねぇな」



彼は封を開ける。中にあった便箋を取りだし、そこに認められた文を音読する。



「小雪の散らつく日もある昨今ですが、いかがお過ごしでしょうか? アレイスター・クロウリーです……ってええ?!」



上条は素っ頓狂な声を上げた。手紙にはこう続けられている。





ーーー貴方にと思い、お誘い申し上げます。○日の■時。下記の住所の元にお集まり頂けないでしょうしょうか?





ドキュメンタルを開催します。






貴方の他にも9人。合計10人の者にお集まりいただく予定です。そこで『誰が1番面白いのか』を決めたいと思います。



それぞれが渾身の力を振り絞り、他の9人を笑わし、最後まで残った者が優勝ということです。モノマネ、トーク、コント。どんな手を使って頂いても、面白ければ全く構いません。



そして優勝者には「どんな願い事も叶えさせる」権利を与えようかと考えております。



勿論、参加は自由です。参加の意思があるお方は、折り入って通知を届けます。



心忙しい年の暮れ、どうかお体にお気をつけてお過ごしください。



アレイスター・クロウリー。





……………………………。



「……どんな願い事も叶えさせるって」



上条は呆れ気味に呟く。参加は自由だと書いていた。もちろんするわけがない。第一、自分に笑いのセンスがあるとは到底思えない。



手紙を封にしまい、ゴミ箱に捨てようとした、その時だった。



「あーーーーーーーッ!!!」



突如耳に入った叫び声に上条はとっさに顔を上げ、急いで声の方向へと向かった。





台所。冷蔵庫の扉を開き、呆然としているインデックスがそこにいる。



「どうしたインデックス?!」



「と、とうま。冷蔵庫が……」



上条はまさかと思い、彼女を押しのけ近づき、開け放しの内部に手をかざした。全く冷気を感じられない。



「おいおいコレ……冷蔵庫がやられてて……」



迂闊だった。昨日食料を買いだめをした矢先のコレだ。このままでは上条家は冬を越すどころか、1週間後生きていられるかも怪しい。だからと言って、新しい冷蔵庫を買い換える余裕がないのも、彼は重々承知している。





不幸だ。いつものように呟こうとしたその時、彼は右手に握りしめていたそれに気づいた。



「とうま? それどうしたの?」



横のインデックスの問いかけを無視し、彼は手紙の一文をもう一度読む。




「……どんな願い事も叶えさせる、か」



上条は手紙をポケットにしまい、笑う。



「上等だよ神様。アンタが俺たちに冬を越させないつもりってんなら、そのふざけた幻想をぶち殺す!」



「……とうまどうしたの久しぶりに?」



「あ、そう言えば久々だなこの台詞」









ーーー12月○日。午後■時。



学園都市の某所に設けられた一室。その隣のモニター室にアレイスター・クロウリーはいた。



男にも女にも、子供にも老人にも、聖人にも囚人にも見える『人間』……のはずだったのだが、今はとある事情により完全に女の子の姿になっている。



「さあて、いよいよこの日が来たか」



嬉々とした様子で彼女(?)はソファーに腰掛ける。手前の机には赤と青のボタンが置かれ、その側にもう一つ、紫色のボタンも置かれている。



すると、彼女(?)の後ろで待機していたスタッフの1人が口を開いた。





「あの、理事長?」



「ん? 何かね?」



「どうしてまたこんな……変な、というか一風変わった企画をしようと?」



「気まぐれ」



即答。





「いや、純粋に気になったんだよ。彼らの能力面における強さは充分分かっている。ただそれだけは戦いに勝つことはできない。そう、精神力。メンタルの強さも今ここで見ておきたくてね」



「はあ。だから、ドキュメンタルと。でも笑わし合いにする理由がイマイチ分からない気が」



「何故って、面白いからに決まってるだろ」



アレイスターは悪戯げに笑う。



「さあさあ、恥じも外聞もかなぐり捨てて存分に笑わし合ってくれ。キャラ崩壊も原作設定もそんなものクソ喰らえだ!」



(何か……可愛いな理事長)



ニマニマと笑い、前方のモニターを眺めるアレイスター。まるで板チョコのように、びっしりと並んだモニターには、これから笑いの戦場と化す一室をあらゆる角度から映し出している。



するとそこに、最初の招待客が姿を現した。


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「……よし! さあ行くぞ!」



上条は左手に下げた鞄を一度肩で動かし、息を呑み、扉を開いた。



「……ええー。俺が1番最初かよ」



拍子抜けと不安の混じった声を上げる上条。視界に飛び込んで来たのは、洋館風なデザインの一室。中央に巨大なテーブルが置かれ、10人用の椅子も用意されている。奥にはソファーと、更衣室へ繋がる通路がある。右手を見ると、キッチンと冷蔵庫まで完備されていた。とんだ充実具合だ。



上条はテーブルに向かい、正面から見て右手にある椅子の、扉に1番近い位置に腰を下ろす。



「なんかもう、あそこの冷蔵庫盗んで帰ろうかな」



始まる前から既にやる気のない発言をする上条。これから後9人もやってくることに、限りなく憂鬱になっている。





~モニター室~



アレイスター「アイツもうやる気ないな」



スタッフA「メンタルの強さでいうと、この人はかなりズバ抜けてますよね」



アレイスター「うん。サイコパスだからな」



スタッフA「wwwwwwwwwwww」



アレイスター「多分ボケるつもりなんだろうが、彼はボケは面白くないんと思うんだ。むしろ他の人のボケに重ねるように、カウンターを決めて行く形で戦うのが一番いいと思っているね」



スタッフA「なるほど」



アレイスター「あとはどれだか口が立つかだな。話術サイド最強の力、是非見せてくれ」





~ドキュメンタルルーム~



ガチャ



上条「ん? 」



美琴「お邪魔しま……て、ええ?! 何でアンタこんなところにいるのよ!」



上条「あー御坂かー。何か和むな」



美琴「和むってどういう意味よ! とりあえず、アンタにだけは絶対負けたくないわね」



上条の向かい側に腰掛ける美琴。



上条「はいはい。お前のことだからどうせアレだろ? 絶版になったゲコ太グッズが欲しくて参加したとか、そんな感じだろ? 悪いがこっちは生活かかってるんだ。容赦しないぜ」



美琴「ギクッ、な、何のことやら……」



上条「そのリアクションでお察しします。ホントお前って分かりやすいよな」



美琴「な、何分かったような口聞いてんよ!」



上条「分かってるに決まってんだろ。どれだけの付き合いだと思ってんだ」



美琴「え///」



上条「あれ? どうした? 顔赤いぞ?」


美琴「な、何でもにゃい! やっぱアンタって何も分かってないわね」プイッ



上条「はいはい」





~モニター室~



アレイスター「もうレッドカード出そうかな」チッ



スタッフA「超電磁砲(レールガン)ですか……」



アレイスター「彼女はおそらくイジられて光るタイプだろう。因みに今大会の紅一点だ」



スタッフA「え、彼女以外全員男なんですか?」



アレイスター「女ならではの強みを生かしていかに戦うかだな。そういう意味では、可能性に満ちたプレイヤーとも言える。それに、愛しの当麻がいるんだ。頑張ってもらわなければ」





~ドキュメンタルルーム~



ガチャ



上条「?」



美琴「また誰か来たわね」



扉が開く。



土御門「アレ? お邪魔だったかにゃー?」



上条「お前かよ……」



土御門「ようカミやん。悪いがイチャイチャタイムは終わりだぜい。こっから先は、どんどん戦場になっていくんだからな」



上条「イチャイチャ?」



美琴「あ、アンタ一体何言ってのよ!」カアアアッ





~モニター室~



アレイスター「こいつは司会進行だな。場の空気を取り締まるのは得意なはずだ」



スタッフA「しかも本人、いざとなれば笑わなそうですもんね」



アレイスター「嫌らしい戦法で攻めて来そうだな。こういう大会では敵にしたくないタイプだ」





~ドキュメンタルルーム~



土御門、上条の隣に座る。



土御門「それで、カミやんどんな願い事叶えて貰うつもりなんだにゃー?」



上条「家の冷蔵庫がぶっ壊れててよ。それを買い換えるのと、新しい食材だな」



美琴「……それって、わざわざこんな大会出ないと叶えられない夢なの?」



上条「お嬢様には分かりませんよ。庶民の困窮具合なんて。まあ今のとこのメンバー見てみると、何か勝てそうだな」



ガチャ



美琴「あ、また誰か来た」





一方通行「………………」



上条「帰るわ」ガタッ



美琴「ちょ、ちょっと待ちなさいよ! こんな連中の中に残そうとしないで!」グイッ



上条「離してくれ御坂! 無理だって! こんな奴がボケるのとか見てらんないって!」



土御門「wwwwwwwwお前っ、マジでやる気なのかwwwwwwww」



一方通行「ウッセェよボケ」





~モニター室~



アレイスター「意外と出来る子なんだよ。ボケも」



スタッフA「でもこれ、大丈夫なんですか? その……キャラ的に」



アレイスター「逆にそこが強みとも言えるな。普段の彼のイメージをいかにぶっ壊すか。それだけでも十分、彼はこの戦場でも最強でいられるだろう」





~ドキュメンタルルーム~



一方通行。土御門の隣に座る。



上条「つーかお前本当に何やってんだよ! 参加自由なんだから断れよ!」



一方通行「ウッセェなァ。俺だって出たくて出たンじゃねェよ。手紙がクソガキに見つかっちまってよ。出ろ出ろって言うから仕方なく」



美琴「だとしてもアンタどうやって戦うつもりなのよ。分かってんの?これ笑わし合いなのよ」



一方通行「心配しなくても、本気でボケたりなンかしねェよ。こンな大会、全員願い事叶えてもらうのが目的だろうが。誰かを潰そうと思って来るような奴なンか」



バタンッ



垣根「よう第1位。潰しに来たぜ!」



一方通行「…………居たよ」





~モニター室~



アレイスター「こいつはなんでもいけるな。ボケもツッコミも、イジリもイジられてもこなせるオールラウンダーだ。常識の通用しない戦い方を見せてくれ」



スタッフA「あの、ちょっといいですか?」



アレイスター「ん?」



スタッフA「彼、どうやって元の体取り戻したんですか?」



アレイスター「……………………」





~ドキュメンタルルーム~



一方通行「何なンですか? お前。わざわざこンな大会に参加するために復活したってのかァ?」



垣根「細かいことはいいんだよ。俺の目的はただ一つ。この大会で優勝して、学園都市第1位の座をもらうことだ! 残念だったな! お前は明日から何の称号もねぇ全て引っ剥がされたただのロリコンモヤシとして生きてくんだよ!」



一方通行「やってみろよ。そのロリコンモヤシにゴミみてぇに潰された分際でよォ」



垣根「おーおーほざくねぇ。いいのか? 守るものがなくなった奴の底力を甘く見てんじゃねぇぞ?」





土御門「おい、お前これ全部仕掛けなのか?」



垣根の背中。大量の荷物が詰まったリュックサック。



垣根「当たり前だろ。お前らとはこの大会にかける思いが違うんだよ。全員メタクソに蹂躙してやらぁ」



垣根、一方通行の前に座る。



美琴(台詞はカッコいいんだけど、要するにボケまくるつもりってことよね。あの人)



上条(自分がめちゃくちゃ滑稽だってこと気づいてないんだろうな)



ガチャ



上条「あ、また来た」



海原「どうも皆さん。特に御坂さん」



美琴「げっ」





~モニター室~



アレイスター「こいつは変装能力があるからな。中々厄介だぞ」



スタッフA「何気にグループの面々揃ってますよね。結標淡希は呼ばなかったんですか?」



アレイスター「ふふふ。まあ、見ていろ」





~ドキュメンタルルーム~



海原「あれ? 御坂さんの隣、まだ空いてたんですか。じゃあ私が」ヒョイ



美琴「ちょ、別にここじゃなくてもいいでしょ」



土御門「おいおいいいのかカミやん? 御坂の隣が取られるぜ?」



上条「え? 何で上条さんに聞くんでせう?」





一方通行「ガッついてンじゃねェぞ海原。気色悪ィ」



海原「おや、貴方も居たんですか。ですが今日は負けられません。覚悟していただきますよ」



一方通行「ンだァ? 一体どんな願い事叶えるつもりだ」



垣根「あれか? 超電磁砲と1発ヤリたいとかそんな」



海原「いえ、入院中のショチトルの体を、出来るだけ元に戻していただきたいと思って……」



垣根「あ、ああ。そう……」



一方通行「お前今限りなく最低な男だぞ」



垣根「ウッセェ! まさかこんなマジなやつだとは思わねぇだろうが!」





美琴「ふーん。アンタ、意外と良いとこあるんじゃない」



土御門「おいカミやん。御坂が揺らいでるぞ。いいのか?」



上条「だから何でさっきから俺に聞くんだよ!」



土御門(こいつマジで気づいてないんだな)



ガチャ



土御門「お、また誰か来たにゃー」




浜面「……うっわ。何だこの濃いメンツ」



上条「何だ浜面か」



一方通行「お呼びじゃねェよ。失せろ」



浜面「来るなり何?! 何でそんなぞんざいに扱われてんの俺?!」





~モニター室~



アレイスター「来たか世紀末帝王」



スタッフA「けっこう荷物持って来てますね」



アレイスター「こいつは小手先の技というより、体を張ったゲリラ戦法の方が向いていると思うんだがな。まあ、あの荷物の中から予想外の笑いも生まれるかもしれん」



スタッフA「ダチョウ倶楽部的な奴ですか?」



アレイスター「うん。そういうこと」





~ドキュメンタルルーム~



浜面「あれ? 何で垣根復活してんの? カブトムシはどうした?」



浜面、垣根の隣に座る。



垣根「そこは触れるんじゃねぇ。シリアスSSでもねぇのに一々理由考えてられるか」



浜面「SS?」



一方通行「それよりお前、願い事なンてあるのか?」



浜面「アレだよ。願掛けというかなんというか」



土御門「願掛け?」



浜面「ほら。いよいよ三期が始まるだろ? 三期からは俺も主役の仲間入りだからさあ。放送に合わせ、俺のグッズ展開に力を入れて欲しいっていう……」ヘラヘラ



一方通行「どこのアニメ制作会社社員だお前は。ヘラヘラしやがって」





垣根「全くだ。そもそもな、三期楽しみにしてる奴らなんて、ほとんど俺と第1位の戦い見たい奴らだけなんだよ。お前はハンバーグの横に添えられた、付け合わせのブロッコリー的存在なことを忘れるな」



浜面「いや主役俺! メインディッシュ俺!」



ガチャ



浜面「ん? 誰か来たか?」



青ピ「……え、カミやんとツッチー? 奇遇やなあこんなとこで」



上条&土御門「帰れ!!!」





~モニター室~



アレイスター「汚れだな。純然たる変態だよ」



スタッフA「いやあなたがそれ言います?」



アレイスター「やかましいわ! まあ、こういうの1人入れてたら、場の空気を下ネタに持って行きやすいしな。どんどん場を汚してもらいたいものだ」





~ドキュメンタルルーム~



青ピ「うわー、なんか学校みたいになってきたなぁ」



上条「どこの世界に超能力者3人とアステカ魔術師と腐れハーレムの揃った学校があるんだよ! 漂流教室より魔界だろうが!」



浜面「腐れハーレムってなんだ! お前に1番言われたくない台詞だよ!」



土御門「おい青ピ。お前くれぐれも自重しろよ?」



一方通行「アァ? こいつそンなにヤベェ奴なのか?」



土御門「ヤバいのベクトルがかなり違うけどな」





青ピ「心配せんでもそこまではっちゃけたりせんよ。女の子やっておるわけやしなぁ」ニヤニヤ



美琴「うわぁ、全然信用できない」



上条「御坂、本当に気をつけろよ。こいつの変態ぶりは尋常じゃないから」



青ピ。一方通行の横に座る。



垣根「これで8人、あと2人か。一体どんな奴が」



バタンッ!



軍覇「ようお前ら! あれ? 上条もいんのか!」



美琴「うっわ」



垣根「げっ、マジか……」






~ドキュメンタルルーム~



アレイスター「読めない」



スタッフA「え」



アレイスター「彼に関しては全く読めないね。どこまで計算でどこまでが天然なのか予想できない。それでいて爆発力は高そうだから、ひょっとしたら今大会のダークホースになるかもしれないな」



スタッフA「理事長が予測できないって、相当のブラックボックスですね」


間違えました。モニター室です!




~ドキュメンタルルーム~



軍覇、浜面の隣に座る。



上条「ちょっと待って! 本当にキツいんだけど! こんな暴れ馬大会に参加させるなよ!」



軍覇「何言ってんだよ上条。俺は馬なんかじゃねぇ! れっきとした人間だぞ!」ハハハハハハ



浜面「あ、こいつ何か、この大会じゃヤバそうな感じだな」



美琴「場の空気一気に持っていっちゃうからね。残すはあと1人か……」





~モニター室~



アレイスター「最後の1人はきっとみんな驚くぞ~」



スタッフA「あ、入ってきた」





~ドキュメンタルルーム~



ガチャ



上条「いよいよ最後か。まあこれ以上驚くような奴が来ることは」






フィアンマ「……………………」






上条「」



土御門「え? ていうか、え?」





フィアンマ「どうやら、俺様が最後の1人か」



フィアンマ、青ピの横に座る。



一方通行「何だこの赤ずくめ」



美琴「あれ? アンタひょっとしてこの前の……」





~モニター室~



スタッフA「う、右方のフィアンマ……え、何でこの人を」



アレイスター「いやだって、純粋に面白いだろ。アイツ病み上がりだぞ」



スタッフA「え、なんか入院してたとは聞いてましたけど、退院して間もないんですか?」



アレイスター「昨日退院した」



スタッフA「wwwwwwwwwwww」



アレイスター「とにかく存在のインパクトが半端ないからな。見た目といい経歴といい、イジり出したらとまらないぞ」





~ドキュメンタルルーム~



上条「あの、本当もう、心の底から言わしてもらうけど、何してのお前?!」



フィアンマ「いや、昨日退院したんだが、入院中にこの手紙が送られてきてな。せっかくだからと思って」



垣根「おいヤベーぞ。なんかもう既に面白い匂いがプンプンするんだけど」



一方通行「つーか明らかに片腕ねェよな? 願いってもしかして」



フィアンマ「ああ。この失った片腕を元に戻そうかと」





ガチャ



アレイスター「やあやあ諸君」



垣根「出たよ……って、ん?」



上条「おいアレイスター。一体どういう気なんだ。こんな企画作りやがって」



一方通行「クソの足しにもならねェような暇つぶしのつもりなら、全身の肉と皮を裏返すぞ」



垣根「いや、皆さん? 何当たり前のように進めてんの? 誰この美少女」



浜面「何言ってんだ。アレイスターだよ。学園都市統括理事長の」



垣根「ちょっと待て! 俺の知らない間に何とんでもねぇメタモルフォーゼ決めてんだ!」



一方通行「人のこと言えねェだろ七変化野郎」





アレイスター「まあ色々あってな、心機一転という奴だ」



垣根「本当に一転してんじゃねぇか! そっちの方をドキュメンタルしてぇよ!」



フィアンマ「色々衝撃的過ぎるんだが」



アレイスター「まあそんなことはどっちでもいい。諸君、今からルールを説明しよう」



アレイスター、中央の席に座る。





上条「要するに、笑ったら負けってことなんだろ? ルールなんてそれ以外あるのか?」



アレイスター「大まかなルールはそれだけだ。だが、判定を設けようと思ってな」


アレイスター、胸ポケットから黄色、オレンジ、赤のカードを3枚取り出す。



美琴「何そのカード」



アレイスター「普通に笑った時は、イエローカード。微妙な判定の時はオレンジカード、という具合の判定を設けた。イエローが2枚でレッドカード、退場になる」



海原「つまり、最短で2回笑ったらアウト、最長で3回までセーフということですか?」



アレイスター「そうだ。ただし、フェアプレーにかける行為。例えばくすぐりや精神操作で笑わせたりした場合は、やった方にレッドカード。1発退場だ」



浜面「純粋な面白さ勝負ってわけか……」





アレイスター「それとあと2つ。ゾンビタイムというものを設けている。この紫色のボタンを押せば、既に退場になったプレイヤーが再びこの部屋に戻り、皆を笑わせることができる。因みにゾンビは笑ってもOKだ」



土御門「なるほど。退場したからって安心はできないってことかにゃー」




アレイスター「それと、これは事前に伝えているが、助っ人を外部から呼び出すことも可能だ。ただし部屋に居られるのは5分まで。助っ人はこの扉から登場してもらう」



アレイスター。右側の壁を指差す。四角い輪郭の隙間が施されている。



アレイスター「そして、優勝者にはどんな願い事も叶えさせる権利をあげよう! 皆んな、それぞれの思いがあるはずだ。大いに励んでくれ! では私はこれで」



一方通行「ちょっと待て。一個だけ聞かせろ。何で笑わせ合いなンだ?」





アレイスター「面白いからに決まってるだろ! あ、出前とかもその電話で取れるからな。部屋の照明が変わったらスタートだ。では」



バタンッ



一方通行「待てコラァッ! やっぱ皮裏返させろォッ!」ガタッ



美琴「もう仕方ないでしょ。ここまできたら腹くくるしかないわよ」



青ピ「いやあ~。楽しみやなあ。カミやん。いい勝負にしようで」



上条「呑気だなお前は。因みに何叶えてもらうつもりなんだ?」



青ピ「決まってるやろ。学園都市中の可愛い女の子達とセッ」



美琴「コイツの優勝だけは阻止しましょう。絶対に」



上条「任せろ。こんなふざけた幻想跡形もなくぶち殺してやるよ」





~モニター室~



アレイスター「それでは行くぞ! ドキュメンタル、スタート!」



ビィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィッ






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今宵、集ったプレイヤーは合計10人。



・話術サイド代表: 上条当麻



・可能性電撃ガール: 御坂美琴



・デストロイオブキャラクター: 一方通行



・不敵のシスコン軍曹: 土御門元春



・超えろダチョウ倶楽部: 浜面仕上



・変幻自在のエンターテイナー: 垣根帝督



・さわやかストーカー二十面相:海原光樹



・下ネタ見本市:青髪ピアス



・予測不能カミカゼ:削板軍覇



・病み上がり救世主:右方のフィアンマ



それぞれの尊厳と矜持を掲げ、今、熾烈な戦いが幕を開ける。












ーDocumental Season:Index STARTー









ひとまずここまで。
書き溜めてあるので追い追い投下予定です。元ネタと同じく100万円持参の賞金勝負でも良かったんですけど、それだと参加しないキャラが増えると思ったのでこのような形になりました。

投下します




[5:59:58]



上条「あ、照明が」



土御門「タイマーも進み出したにゃー。もう笑ってはいけないぞ」



浜面「なあなあ、アンタ大将の知り合いなの?」



フィアンマ「ああ。そんな感じだ」



上条「そうだよな。フィアンマは初めましての人多いよな」



垣根「えっと、お前、入院してたんだよな?」



フィアンマ「そうだ」





垣根「何で入院してたんだ?」



フィアンマ「それはその……吹っ飛ばされて」



垣根「誰に?」



フィアンマ「……ミイラの、おじいちゃん」



垣根「……ミイラのおじいちゃん?」



一方通行「オイ。いくら笑わせようったってそンなバレバレの嘘」



上条「いやホント」



一方通行「え?」





上条「いやホントなんだって。コイツ本当にミイラのおじいちゃんにやられたんだよ。なあ御坂」



美琴「うん」



浜面「え? 何で御坂と大将は知ってんの?」



上条「俺と御坂が追いかけられてたんだよ」



土御門「誰に?」



上条「ミイラのおじいちゃん」



海原、青ピ。顔をしかめる。





一方通行「どういう状況だよそれ」



垣根「そのミイラのおじいちゃんって何? どういう存在なの?」



上条「神」



垣根「…………………」



垣根、口元を結わえる。



御坂「あの、私もよく分かってなかったんだけど、あの人って神なの?」



上条「うん。神」



垣根「わ、分かった。神なのはもういいから。それでコイツはそっからどうして入院することになったんだよ」





上条「だから、俺と御坂がそいつに追われてて、フィアンマが駆けつけてきてくれたんだよ。自分のいる所まで誘導しろって」



浜面「ふんふん」



上条「で、誘き寄せて、後は俺に任せろって立ち向かっていって、吹っ飛ばされて、空中をとんでもねぇスピードで回転しながら地面に叩きつけられたんだ。それで、御坂が救急車呼んで病院に……」



一同沈黙。一方通行、眉間にシワ寄せ、垣根、後ろを振り向く。



浜面「あの、一個だけ聞いていい?」



フィアンマ「何だ?」



浜面「お前何しに行ったの?」





フィアンマ「……いや、その、俺様は」



浜面「俺様?」



フィアンマ「………………」



浜面「自分のこと俺様って言ってるの?」



御坂「そこはもう、深くツッコまないで」



御坂、肩を震わす。





フィアンマ「俺様はただ、かつて俺様を救ってくれたコイツを救おうと」



垣根「救えてねぇよ。むしろお前が救急車呼ばれてんじゃねぇか」



フィアンマ「相手が悪いだろ!」



垣根「…………………」



フィアンマ「神だぞ!」



上条「そ、そんな怒るなって……」



一方通行「で、そいつは結局どうなったンだ?」



上条「あ、もう死んだぞ」



一方通行、口を軽く開いて静止する。





~モニター室~



アレイスター「wwwwwwwwwwww」



スタッフA「本当の話ですもんねwwwwwww」





~ドキュメンタルルーム~



青ピ「てことは、その時に腕も持ってかれたってことなん?」



フィアンマ「いや、これは、別件で」



浜面「別件?」



フィアンマ「また、全然関係ない所でだ」



浜面「……アンタ何してたの?」



フィアンマ「それは詳しくは言えん」





浜面「普通に生きてて、そんな風に腕持っていかれることないだろ」



上条「俺3、4回くらい腕切られてるぞ」



浜面「……いやアンタはいいよ」



美琴「グイグイいくわねアンタ」



一方通行「誰にやられたンだよその腕」



フィアンマ「……アレイスターに」



浜面「え? アレイスターに?」





軍覇「お前自分の腕切り落とした奴の企画に参加したのか?」



フィアンマ「……………………」



軍覇「何考えてんだお前?」



美琴「ふふっ」



ブッー! ブッー! ブッー!



上条「うわっ! 部屋真っ赤になったぞ」



浜面「誰? 誰が笑ったの?」





バタンッ



アレイスター「あ、お前ら今は笑ってもいいぞ」



海原「誰ですか一体?」



アレイスター「……………御坂!」



御坂「ハァ……やっぱ私か」



アレイスター「どうして笑ったんだ?」



美琴「いや、だってもう可哀想になってきて」



アレイスター「wwwwwwwwwwwwwwwww」






上条「おいアレイスター! コイツズルイだろ! ツッコミがいがありすぎるよ!」



アレイスター「是非どんどんツッコむことだ。御坂、イエローカード!」



美琴「ハァ……これしんどい」



一方通行「まあ最後まで笑わなければいいだけだ。メンドクセェからさっさと終わらせるぞ」



アレイスター「あ、そうそう1つ言い忘れていたんだが」



上条「?」





アレイスター「もし6時間たっても優勝者が1人にならなかった場合、ポイント制で優勝者を決めようと思っている」



海原「ということはつまり……」



アレイスター「より多くを笑わせたものの勝利というわけだ。笑わないでいるだけでは優勝はできないぞ、一方通行」



一方通行「グッ……」



垣根「残念だったな。まあ女子の制服にでも着替えてたらいつか誰か笑うだろ」



一方通行「羽もぐぞゴミクズ」



アレイスター「それではまた。みんな気を引きしめろよ」



バタンッ



上条「はぁ。あと5時間以上もあんのかよ」



美琴「ヤバイヤバイ! 気を引きしめないと」パンパン





~モニター室~



アレイスター「それでは、再開します!」



ーRe STARTー



[5:54:28]



海原「また始まりましたね」



垣根「お、キッチンあるじゃねぇか。料理でも作るか」



土御門「お前料理とかできるのか?」



垣根「簡単なやつならできるぜ。お、ベーコンとほうれん草ある。ソテーにするか」



垣根。ほうれん草を水につけ、ベーコンを切る。





上条「やっぱり、料理できる人ってモテるんだろうなー」



垣根「いや童貞だけど」



上条「え」



垣根「童貞」すっ



垣根、滑らかにベーコンを切る。



上条「…………………」



海原「……ベーコン切りながら言わないでください」






垣根「え、この中で童貞って何人いるの? 手あげてよ」



上条、一方通行、垣根、海原、青ピ。手をあげる。



~モニター室~



アレイスター「あいつらほぼ童貞かよwwwwwww」





~ドキュメンタルルーム~



垣根「何だよ。学園都市最強童貞かよ」



一方通行「その見た目で童貞の奴に言われたくねェ。ていうか、超電磁砲手あげてなかったけど」



上条「え、おいまさかお前」



美琴「ち、違うわよ!だって女の子だし童貞じゃないでしょ!」



上条「あ、そういうことか」



土御門「初めては大切な人にあげないとな」ニヤニヤ



美琴「うるさい!」



上条(妙に突っかかるな土御門の奴)





垣根「おい浜面。お前後で殺すわ」



浜面「待てよ! 何でだよ! 別にいいだろ童貞じゃなくても!」



垣根「ウルセェ口開くなカス」



土御門「まあまあ。落ち着くんだぜい第2位」



フィアンマ「全くだ。こんなもので優劣を争うこと自体愚かなことだ」



一方通行「お前童貞じゃねェんだな」



フィアンマ「当たり前だろ。同僚で捨てた」



上条「え? 誰と捨てたの?」





フィアンマ「ヴェント」



上条「……………………」



美琴「何? アンタ知ってる人なの?」



青ピ「なあなあ、写真とかないん?」



フィアンマ「あるぞ」



フィアンマ。写真を出す。神の右席全員集合写真。



フィアンマ「こいつだ」



青ピ「この子? パンチ強いな~」





上条「…………………………」



上条。口元を結わえて周囲をウロウロする。



土御門「おいカミやん。写真ちゃんと見ろって」



青ピ「そうそう。こいつが童貞捨てた女ちゃんと見たって」



青ピ。上条の前に写真を持っていく。



上条「………………………」





~モニター室~



アレイスター「上条! 上条ヤバイぞwwwwwwwww耐えろよ!」





~ドキュメンタルルーム~



上条「もういい。もういいから」



青ピ「この子やで? めっちゃパンクやなあこの子」



フィアンマ「素顔は可愛いぞ」



上条「もういいからマジで。軍覇。軍覇の話聞いてあげて」



垣根「あ、そうそう。お前も童貞じゃないんだな。女でもいるのか?」



垣根。洗い終えたほうれん草を切り始める。





軍覇「いや、彼女とかはまだ出来たことねぇな」



垣根「じゃあ誰とヤったんだよ」



軍覇「モツ鍋に教えてもらったんだけどよ。スキルアウトの中で有名な『3000円おばさん』ってのがいて」



垣根「……………………」



軍覇「モツ鍋がよ。3000円で気持ちいいことしてくれるおばさんがいるって言ったから、言われる通りに、指示されたきったねぇホテルの部屋に行ったんだよ」



土御門「…………ッ……………」



海原「フゥー……………」



軍覇「扉開けたら、ネグリジェ着たおばさんがいたんだよ。そしたら、俺にシャワー浴びろって言ってきて、浴びたらもうベットの上ですっぽんぽんになってて」



美琴「…………………っ………」





~モニター室~



アレイスター「おい。これもうほぼ全員笑ってるぞ」



スタッフA「笑うでしょこんなの。生々しすぎますよ」



アレイスター「wwwwwwwwwwwwww」





~ドキュメンタルルーム~



上条「その、おばさんって何歳ぐらいだったんだよ」



軍覇「多分、50手前くらいいってたんじゃねぇか?」



垣根「ッ……ッ………………」



上条「で、気持ちよかったのか?」



軍覇「いや気持ち悪かったな。あのおばさん」



垣根「ブッふははwwwwwwwww」



ブッー! ブッー! ブッー!



土御門「これはもう確実だな」





垣根「wwwwwwwwwwwwww」



青ピ「笑うやろこんなんwwwwwwwwwww」



海原「フゥ……危なかった」



バタンッ



アレイスター「まあ分かり切ってると思うが、垣根、イエローカード」



垣根「だって……こんなもん。ヤッたのが気持ちいいのかって聞いてんのに。ババア気持ち悪いって言われたらそりゃ……」



アレイスター「まあな。そりゃ笑うよ」



上条「それもそうだけどさ。フィアンマの話が頭から離れなくて……」



アレイスター「あれ、お前危なかったな」





フィアンマ「心配するな。笑わせるための嘘だ。アイツをそんな目で見たことはない」



上条「あ、そ、そうなのか」ホッ




海原「過酷な時間ですねこれ……」



アレイスター「さて、また再開するまでは笑ってもいいぞ。それでは」



バタンッ



上条「それでさ、おばさんって誰かに似てた?」



軍覇「うーん、女になった駒場利得みたいな感じだぞ」



垣根「 wwwwwwwwwwwww」



土御門「wwwwwwwwwwwww」



浜面「おまっwwwwwwそれはダメだろwwwwwwww」



~モニター室~



アレイスター「よし。じゃあ行くぞ」



ーRe STARTー



[5:46:32]


とりあえずここまで。




一同沈黙



上条「それで、そのおばさんって誰に似てたっけ?」



軍覇「駒場利得だな」



垣根「その話もうやめろ殺すぞ」



垣根。ベーコンとほうれん草をフライパンに入れて炒める。



美琴「あーいい匂いね」



土御門「垣根が料理作ってる間に見てほしいんだが、心霊写真持ってきたんだにゃー」



一方通行「アァ? 心霊写真?」



浜面「何か嫌な予感しかしないな」



一同机の中央に集まる。





土御門「まずはこれだにゃー」



※教室の写真。上条、土御門、青ピの3人の後ろ。吹寄と、その隣にほぼ透けている姫神。目に黒ラインが引かれている。



青ピ「……………………」



土御門「ここ見てくれ。透けてるんだにゃー」



上条「………怒られるぞお前」



土御門「ほらカミやん。これどうしたんだろうな? 透けてるんだよ」



土御門、姫神に指差す。上条、眉間に皺を寄せる。



海原「この目の黒ラインは何なんですか?」



土御門「それは元々だにゃー」



一方通行「……嘘つけよボケ」





土御門、黒ラインを指差す。



土御門「なあ青ピ。元々こんな感じだよな? 姫神」



青ピ「……まあ、間違いではないけど」



上条「いや間違いだろ」



青ピ「…………………」



青ピ。深呼吸をする。



土御門「もう一枚あるんだにゃー」すっ






※黄泉川と小萌のツーショット。小萌の頭が体の2倍くらいに巨大化している。



上条「ッ」



青ピ「グッ」



上条、青ピ、立ち上がり周囲をウロウロする。



土御門「あれ? カミやん、青ピ? どこ行くんだにゃー? ちゃんと見てくれ。小萌先生が大変なことになってるから」



美琴「これ……エグい写真ね」



海原「ちょっと怖いですよ」





上条「ちょ、ちょっと待て。一回心の準備させろ」フゥー



青ピ「ああぁー。んっ、ゴホンッ!」



土御門「もういいか?」



上条「よっしゃ。こい」



土御門「ほれ」すっ



上条「……………」



青ピ「……………」



美琴「その写真はちょっとずるいわよ」



一方通行「マスキッパみたいになってんじゃねェか」



上条、青ピ、土御門。顔が震える。





上条「そんなこと言わないで。お願いだから」



フィアンマ「おい。先生とか言っていたが、この女成人してるのか? ということは体の方も加工してるのか?」



土御門「いや、それは本当に元々そのサイズだぜい」



フィアンマ「…………………」



土御門、フィアンマに写真を見せる。



フィアンマ「やめろ、いらないから」



垣根「よーし。できましたよっと」



垣根、皿に盛りつけたべーコンとほうれん草の炒め物を机の中央に運ぶ。





上条「結構多いな」



垣根「いる奴に分けようと思ってな。誰か欲しい奴いるか?」



美琴「え、じゃあ私食べてもいい?」



海原「自分もお願いします」



浜面「あ、じゃあ俺も」



青ピ「気が利いてるなあこの兄ちゃん。あ、僕も1つちょーだい」





上条「俺も貰おうか。一方通行、お前は?」



一方通行「いらねェ。こんな奴の作った飯なンざ信用できるか」



垣根「俺もお前に作った気はさらさらねえよ。皆んなで仲良く食べている様を遠くから眺めてるこった」



美琴「何で常にこんな険悪なの? この2人」



垣根「えっと、他はいる奴はいないのか? じゃあ6人前だな」



垣根、6枚取り皿を用意し、炒め物を取り分けていく。



垣根「それ。誰か適当にとっていけよー」



出来た順から1人ずつ取っていき、6人に皿が行き渡る。






垣根「よし、皆んな揃ったな。じゃあ、いただきまーす」



6人ともスプーンに手をつけ炒め物を口に運ぶ。



上条「おお、美味しいな」



美琴「ホント。味付けも丁度いい」



青ピ「兄ちゃん、ホンマに童貞なんか? これだけのスキルあったら彼女なんて余裕やろ」



垣根「さあな。そこは想像にお任せするぜ」



浜面「………………………」



海原「あれ? どうしたんですか浜面さん」



浜面「……………うぇっ」



浜面、口から何かを皿の上に吐き出す。





美琴「え? なにそれ?」



皿の上。よだれまみれの一方通行のねんどろいどぷちフィギュア



フィアンマ「ぐふっ」



ブッー!ブッー!ブッー!



上条「おい垣根ええええええっ!」



垣根「うひゃひゃひゃひゃwwwwwwwww引っかかった引っかかった!」



一方通行「だから言っただろ。信用できねェって」



美琴「危な! これ私が食べてたら多分笑ってたわ」





美琴「危な! これ私が食べてたら多分笑ってたわ」



バタンッ



アレイスター「まあ、フィアンマだな。イエローカード」



フィアンマ「仕方ないな。歯型付いていたのがもろに視界に入ってきて」



浜面「何か、口の中でグニュってなったからさ。もー。飯くらい普通に食わせろよ!」



海原「ますます油断できなくなってきましたね」



アレイスター「皆んな、こんな調子でどんどんオフェンスに回っていってくれ」



バタンッ





上条「ていうか、これちょっとサイズ小ちゃくない?」



美琴「言われてみれば。元のサイズをこんな所に隠せられないし」



垣根「元のフィギュアを見ながら未元物質で作ったんだよ。お前の右手で触ったら消えるぞ」



上条「嫌だよこんなよだれまみれのフィギュア! てか自作かよ!」



海原「家でこれ作ってるところ見たら笑いそうですね」



一方通行「いや気持ち悪ィよ。ただただキモい」





~モニター室~



アレイスター「はい、再開」



ーRe STARTー






[5:32:18]



上条「おいおい、まだ1時間も経ってないぞ」



美琴「皆んな、食べながらでいいだけど、聴いて欲しいの」



海原「どうしました? 御坂さん」



美琴「私、今日生理なの」



一同沈黙。



美琴「ちょっと、不安定になる時があるかもしれないから気をつけてね」



上条「あの、御坂さん?」





美琴「ん?」



上条「いくら笑わせたくてもそれは違うと思います。今、複雑な気分です」



美琴「い、いや。嘘じゃないのよ?」



浜面「マジなの? 何でそんな日に来たんだよ」



美琴「仕方ないじゃないのよ! たまたまその日に開催されたんだから!」



海原「御坂さん無理しないでください。笑えばいいんですか? 望みとあれば笑いますよ?」



美琴「ち、違うって! そんな深刻にならないでよ!」



一方通行「……仕方ねェ」





一方通行、立ち上がる。



美琴「何? どうしたの?」



一方通行「パンツ脱げ」



土御門、海原。顔を背ける。



美琴「………………え?」



一方通行「こんな最中に血漏らされても困るだろ? 俺がベクトル操作で治してやるよ」



土御門「ッ、ちょ…………ッ……」



美琴「アンタマジで何言ってんのよ!? やだ! こっち来ないで!」



美琴、立ち上がりキッチンの方に逃げる。





一方通行「逃げンなって。痛くしねェよ」



美琴「そういう問題じゃないでしょうが! アンタ何言ってんのよ! 打ち止め泣くわよ!」



一方通行「すぐ終わらせるよ。いいから早く脱げって」



垣根、目を思いっきり瞑る。



美琴「ふざけないでよ! それで笑いなんか起きるわけ」



一方通行「いいから脱げよォッ!」



青ピ「ッ……………」



一方通行「排卵のベクトル操作させろよォッ!」



土御門「ッ………ちょっと…………」





~モニター室~



アレイスター「wwwwwwwwwwwwww」



スタッフ一同「wwwwwwwwwwwwwww」



アレイスター「アホだwwwwwwwアイツアホだwwwwwwwwwww」





~ドキュメンタルルーム~



美琴「何よ……排卵のベクトル操作って何よ!」



美琴、目に涙を浮かべる。



垣根「あーあ、泣ーかした」



海原「ちょっと、カメラ止めてください」



海原、立ち上がる。



上条「まて海原」



上条、海原に制止をかけ、一方通行の側に寄る。





上条「……………………」



一方通行「………………………」



上条、一方通行をビンタ。



一方通行「ゴフッ!」



土御門、青ピ、垣根、フィアンマ。顔を背ける。



上条「何やってんだお前は」



一方通行「いや、俺はただ親切心で……」







上条「何をしようとした?」



一方通行「排卵のベクトル操作」



垣根「ふ、フゥー……ッ……………」



土御門「んっ、んんっ」



上条「いいか一方通行」



一方通行「…………………」



上条「御坂の排卵はな、御坂が決めるんだ」



海原「ッ」



一方通行「…………………」






上条「お前が決めることなんかじゃねえ! 自分の排卵くらい、自分で責任持って後始末するんだよ! それが女の子ってもんだろうが!お前の都合で、ベクトル操作で操っていいもんじゃねぇんだよ!」



美琴「……ッ……」



浜面「今ちょっと御坂笑ってなかった?」



美琴「笑ってない。笑ってないわよ」



上条「なあ御坂。お前の排卵はお前だけのものだ! 誰にも邪魔させはしない! 邪魔させちゃいけないんだよ!」



美琴「う、うん……そうね…………」





~モニター室~



アレイスター「何の話をしてるんだアイツはwwwwwwwww」






~ドキュメンタルルーム~



一方通行「すまねェ。俺は早とちりしてたみたいだな」



上条「分かりゃいいんだよ。ほら、御坂も席に戻るぞ」



3人とも元いた席に戻る。美琴と一方通行は着席するが、座る直前に何か気づいた上条は1度場を離れる。



土御門「カミやん。早くしないとご飯冷えるぜい」



上条「うん。ちょっとまって。その写真どけといてくれよ」



上条の皿の手前。顔が巨大化した小萌先生の写真。



土御門「チッ。ほら退けたぜ」



上条「ふぅー、よし」



上条。着席し、残りの炒め物を平らげる。






浜面「へぇ、ここ漫画も置いてんのか」



浜面、出前用の電話の隣の棚に目をやる。



一方通行「結構あるじゃねェか。あ、はじめの一歩」



一方通行、はじめの一歩の単行本を手に取る。



軍覇「おー! ハハハッ、それ面白いよな!」



ブッー! ブッー! ブッー!



軍覇「え?」





美琴「いや……え、じゃないでしょ」



一方通行「普通に笑ってたぞお前」



軍覇「あっ」



バタンッ



アレイスター「おい。普通に笑ってたよなお前?」



軍覇「やっちまった……油断してたぜ」



上条「でもこれ、俺らも気をつけないと危ないよな。気ぃ抜いたらやべえぞ」



アレイスター「しっかりしてくれよ。取り敢えず削板はイエローだ。こんなことで私を呼ばないでくれ」



バタンッ





軍覇「よっしゃ! 根性入れ直しますか!」パンパンッ



上条「軍覇はじめの一歩好きなんだな」



軍覇「おう! ああいう熱い物語は大好きだ。スラムダンクとかもよく読むな」



上条「一方通行。スラダンはあるのか?」



一方通行「いや、ねェな」





~モニター室~



アレイスター「よし。再開」



ーRe STARTー





上条「さあて、またスタートだ」



上条、右肩を軽く回す。



一方通行「スゲェな。ナルト全巻置いてんじゃねェか」



海原「ああ、それ面白いですよね」



浜面「アンタ読んだことあるんだ」



海原「ええ。もちろん。少年漫画の王道ですから」



浜面「全部読んだのか?」



海原「再不斬が出てきたところまでですね」



浜面「……………………」





垣根「全然読んだ内に入らないだろそれ」



一方通行「お前がナルトを語るんじゃねェ」



海原「……あ、ワンピースも置いてるじゃないですか」



浜面「それはどこまで読んだんだ?」



海原「斧手のモーガンのとこまでですね」



※原作4話の敵。





浜面「………………………」



浜面、口を半開きで表情を固定する。



上条「何なんだよお前。ほとんど読んでないじゃん」



土御門「逆に何なら全巻読んでるんだ?」



海原「えっと、皆さん知ってるかどうか分からないんですけど、『とある科学の超電磁砲』って知ってます?」



美琴「…………………………」



美琴、顔を背ける。



上条「『とある科学の超電磁砲』?」



一方通行「知らねェな。どンな話なンだ? それ」





美琴、苦々しい表情で海原を見る。



海原「能力者の集う町の物語なんですけど、主人公の少女が、10億ボルトの電流を操ることができるんですよ」



上条「はー10億。すげぇな」



一方通行「エネルの5倍じゃねェか」



海原「……………………エネル?」



浜面「ブフッ」



ブッー! ブッー! ブッー!



上条「あ、浜面」



浜面「もおおおおおおおおおおおっ!」





海原「あの、エネルって誰ですか? 」



一方通行「ワンピースの敵だよ。最大2億ボルトまで操れるンだ」



海原「はぁー」



バタンッ



アレイスター「浜面、イエローカードだ。今のは何で笑ったんだ?」



浜面「だって、コイツ素で知らない顔だったから、ああ本当に斧手のモーガンのとこまでしか読んでないんだって……」



アレイスター「なるほどwwwwwwwwwww」





浜面「斧手のモーガンとか久しぶりすぎて笑うわ。とりあえず、アラバスタまでは読めよ。止まらなくなるから」



海原「そういうのであれば」



垣根「あの、一個いいか?」



海原「?」



垣根「お前が『とある科学の超電磁砲』って言った時の御坂の顔が、気まずそうなのも結構面白かったぞ」



浜面「wwwwwwwwwwwww」



上条「確かに御坂やり辛そうだったなwwwwwwww」



御坂「笑うってより気まずいわよあれは」



アレイスター「今のは一応海原のポイントだ。それでは引き続きよろしく」



バタンッ





上条「今皆んな、カードとかポイントとかどんな感じなんだ?」



美琴「私はイエロー1枚ね。他にイエロー貰ってるのって第2位と浜面って人だっけ?」



垣根「俺はイエローだけどポイントも稼いでるぜ。あと、第7位も自爆してイエローだな」



軍覇「でも俺も1ポイント稼いでるからな! 今のとこは互角だぜ第2位!」



垣根「あんなもん総合すればマイナスみたいなもんだろ。お前の株が」



海原「自分は無傷の上1ポイントです。このままだと優勝は自分になりますね」フフフ





~モニター室~



アレイスター「それじゃあ、再開しまーす」



ーRe STARTー



ひとまずここまで。もう8割完成しているので、今月中には完結予定です。後、途中でPart2に分けようかと考えています。よかったら是非見てやってください。

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