ウマっ娘(娘)話~リギル前史 (70)

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今まではスピカ寄りでしたが、これからはリギルその他も書き進めてみます。

・1Rの前のお話?
・公開設定が少なく、やむなく独自設定
・故に(?)ややキャラ崩壊気味
・競馬成分少な目?
・何番せんじ感?

では、よろしくお願い致します。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1532099368


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--??年前 トレセン学園 練習コース場


タッ、タッ、タッ、タッ…

ハッ,ハッ,ハッ,ハッ…


同期ウマ娘「…まーた性懲りもなく一人で走ってるんだ?マルゼンスキー」

マルゼンスキー「…あ!こ、こんにちは…」

同期ウマ娘「ここに来てもう3ヶ月にもなるってのに、どこのチームにも所属出来ないんでしょう?練習する意味なんか無いじゃない」

マルゼンスキー「あ、アハハ~…」ポリポリ

同期ウマ娘「ハッ…そりゃそーよね。外国ウマ娘が走れるレースなんて、そもそもここ日本には無いんだから!…あなた、何しに日本に来たの?」

マルゼンスキー「が、外国ウマ娘じゃないわよ?!私はれっきとした日本生まれの日本育ち!…確かにお父さんもお母さんもイギリス出身の持込みウマ娘だけど…」アセアセ

同期ウマ娘「ハァ…あなた、もういい加減 国に帰りなさいよ!目障りな上に邪魔なのよっ!!出る当ても無いレースに向けて無駄な練習して必要のない施設使用して…っ」

マルゼンスキー「い、痛いとこ付くわね…で、でも何度も言って申し訳ないけど、私の国はここ日本だから…帰る国も何も…」

同期ウマ娘「またそうやって…あなたが居るだけでイライラするのよっ!いい?!今度ここで見かけたら、また皆で追い出すからね!!」スタスタ…


マルゼンスキー「あ…そ、それじゃ、また…」フリフリ

同期ウマ娘「"また"なんて有るわけ無いじゃない!バッカじゃないのっ?!」


マルゼンスキー「…」フリフリ…


タッ、タッ、タッ、タッ…

ハッ,ハッ,ハッ,ハッ…


マルゼンスキー「…苦しくったって~…悲しくったって~… コースの中なら、平気な、のっ♪」


ザッ…


マルゼンスキー「…って言うけど…やっぱツラいわ…練習コースの中だけじゃ…」

マルゼンスキー「あは。イイなぁ…私も同期のみんなと、仲良くしたいなあ…みんなと一緒に、走りたいなあ…レースに、出たいなあ…」ポロッ…


マルゼンスキー「…誰もが私の出生を知ると離れていっちゃう…私、日本のウマ娘なのに…日本が、みんなが、走るのが、大好きなのに…」ポロポロッ…


マルゼンスキー「…本当に…何で私、ここにいるんだろ…」グスッ


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・・・・・・・・・・・・・・・・


カツ、カツ、カツ…


?? 「…さあ、後れ馳せながらついにトレーナー免許が発行されたわ!すっかり他チームから出遅れちゃったけど…」


カツっ!


?? 「私自身の夢のためにも…そして、不幸な事故で情熱を失ってしまった"あの人"のためにも!…で、あの娘は?あのウマ娘はいる?!…あっ、良かった。いたいた!!」


・・・・・・・・・・・・・・・・

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・・・・・・・・・・・・・・・・


マルゼンスキー「私…もう、田舎に帰るか、海外に行くしか、無いのかなあ…」グスッ…


?? 「…おーい?あのー、聞こえますかーっ?!」ブンブンッ


マルゼンスキー「キャアッ!…って、ビックリしたー…あれ?ここはウマ娘の練習コースよ。どうしたの、お嬢さん」

?? 「お嬢さんじゃありませんっ!
私、これでもれっきとしたトレーナーです!!…まだ駆け出しのペーペーですけど」チンチクリーン

マルゼンスキー「グスッ…その駆け出しのトレーナーちゃんが、どうしてこんな所にいるの?」ゴシゴシ

?? 「?!ど、どうしたんですか?どこか痛むんですかっ?!」

マルゼンスキー「!…あ、こ、これは…そう!目にゴミが入っただけなの。気にしない気にしない…でも、心配してくれてありがとうね?」アハハ

?? 「大切なお体ですから、気をつけて下さいね?…ところでマルゼンスキーさん!私のチームに入りませんか?!」



マルゼンスキー「アハハー。チームへのお誘いなんだー?嬉しいなー入るわよー? 入れてくれるものなら喜んでー」ニコニコ

?? 「やった!ありがとうございますっ!!…まずは第1関門突破といったところねっ?!」グッ!

マルゼンスキー「…まあ私の名前を知って、素性を調べた途端にあなたも来なくなるんでしょうけど」フフッ

?? 「?そんな事絶対あり得ませんが。そもそも、お名前も素性もスペックもとっくに頭に叩き込んでますけど…」

マルゼンスキー「アハハー。それ じゃあレースが決まったら教えてくれるー?それまで一人で勝手にトレーニングでも何でもしてるからー」ヒラヒラ

?? 「あ、はい。分かりました!では
レースが決まったら呼びに来ますね?…さあ、忙しくなってきたわよー!!」ダッ!

マルゼンスキー「ああっ!ハイヒールのままコースを走るの危ないわよっ?!」 ハラハラ

?? 「大丈夫!それよりマルゼンスキーさんもオーバーワークはだめですよーっ?!」フリフリ

マルゼンスキー「危なっかしいわねー…でも、冷やかしでも心配してくれて嬉しかったな…もう会えないんだものね…」フリフリ


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--数日後 トレセン学園 練習コース場


?? 「マルゼンスキーさん、デビューですよデビュー!!」


マルゼンスキー「…え?」


?? 「来る10月9日にレースが決まったんです!まずはウイニングライブの練習をしましょう!!」


マルゼンスキー「…え?」


?? 「あ、走りに関しては何の心配もしていません。むしろ明らかにオーバーワークですから、レースまで一切走らず、存分にライブに向けて練習しましょうね!」


マルゼンスキー「…え?」


?? 「勝負服も大至急仕立てないと…マルゼンスキーさんは、グラビアアイドル並みの高身長と体つきですから、きっと見栄えすると思うんですっ!」


マルゼンスキー「…え?」


?? 「ボーッとしてる暇はありませんよ?さあ、行きましょうっ!!」


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--とあるレース場の実況席


実況 「…さあ今回の新ウマ娘戦!一番人気はマルゼンスキーとなっていますが」

解説 「大変華のあるウマ娘ですね。会場内、老若男女問わず高い人気を集めています…」


--とあるレース場の観客席


?? 「当然よ、私の選んだウマ娘なんだから!…さあマルゼンスキー、見せつけてあげて?貴女の段違いの実力を!!」


--とあるレース場のコース内


ワアァアーーッ!!


マルゼンスキー「…え?」ナンカカンセイガスゴインデスケド


実況 「各ウマ娘、ゲートに入ります」


マルゼンスキー「…え?」アラゲートッテオモッテタヨリセマイノネ.コレハイヤガルコモデテクルッテモノダワ



バシャッ!


マルゼンスキー「…え?」アラヒライタワ.ハシッテイイノヨネ


実況 「いきなり先頭に躍り出たマルゼンスキー!」


マルゼンスキー「…え?」ヤッパリレンシュウコーストハチガウワネスゴクキレイデハシリヤスイワ


ズドドド…っ!!


解説 「これ…このまま行きますよ?速さの次元が違う、これは逃げなんてレベルじゃありません!」


マルゼンスキー「…え?」ドコマデモハシッテイケソウイイノカナワタシナンカガコノママハシッテ


ワアァアーーッ!!


マルゼンスキー「…え?」ミンナスゴクヨロコンデクレテルイイノカナコノママゴールシチャッテ


実況 「まだ離す、まだ離すっ…一体どこまで離すのかっ?!」


マルゼンスキー「…え?」ゴールラインツウカシチャウヨイイヨネハイゴール


実況 「後続とのその差は…な、何と、2秒差っ!じ、10ウマ身以上ーっ!!」



ウオオーーーーッ!!!

後が見えねぇっ!!

メチャクチャハヤイーッ!



?? 「ぃヨシッ!これであの娘を参戦させる説得材料が出来たわっ!!」ガッツポーズ


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--その後のウイニングライブ会場


ワアァアーーッ!!


…~♪


マルゼンスキー「…え?あ…ウソだねバレバレよ今見てたでしょ♪…」アレワタシウタッテルオドッテルミンナエガオコレッテ…ユメヨネ?


ウオオーーーーッ!!!


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--次のレース場



ワアァアーーッ!!



実況 「…9ウマ身以上の圧勝!マルゼンスキー、この強さは本物だぁーっ!!」


マルゼンスキー「…え?」…ユメヨネ?



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--更に次のレース場コース内


同期ウマ娘「…なんか調子に乗ってるみたいじゃない?外国ウマ娘が、一体どんな魔法でレースを走れるようになった訳?」

マルゼンスキー「…って!ゆ、夢じゃなかったのー?!」ハッ!

同期ウマ娘「はあ?…まあいいわ、今日は何かの間違いで出てきたアンタをこてんぱんにノしてあげるから、覚悟なさい!」


マルゼンスキー「ちょっと…ちょっと!私、本当にデビューしちゃってる?!」


バシャッ!


マルゼンスキー「はわわっ?!は…走らないとっ!」


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ワアァアーーッ!!



実況 「…写真判定のうえ、鼻差でマルゼンスキーの勝利が決まりました!」

解説 「いやあ、何か慌ててましたね?今回のマルゼンスキーは…何にしても、一番人気の期待に答えました!」


・・・・・・・・・・・・・・・・

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同期ウマ娘「…ハッ…ハッ…さ、最初の2試合は、やっぱり運が良かったのね…み、見てなさい?つ、次のレースでは…私があなたをぶっちぎってあげるんだからっ!」ゼエゼエ

マルゼンスキー「…あ、うん。また…(いつの間にか…"また"なんて言葉が使えるようになったんだ、私)」フリフリ


?? 「まっ…マルゼンスキーさん?一体どうしちゃったんですか?調子悪いんですか?どこか痛めたんですか?!」

マルゼンスキー「と、トレーナーちゃんっ?!どうしちゃったって言うのは私のセリフよ!一体どんな魔法でほとんど海外ウマ娘扱いの私をレースに出したのっ?!」グイグイ

?? 「い、今さらですかっ?!そ、それは、規定書を隅から隅まで読んで抜け道を探したり…あ、後はマルゼンスキーさんの勝った実績を持って押し込んだり…」ガクガク

マルゼンスキー「チームは?そもそもチームに入ってないとウマ娘はレースに出れないんじゃないのっ?!」アッゴメン

?? 「ちゃ、ちゃんとチームですよっ?!…まあまだ、トレーナーの私とマルゼンスキーさん二人だけのチームですけど…」ケホケホ

マルゼンスキー「そ、そう…。冷やかしなんかじゃ、無かったんだ…」ハハ…




?? 「あの…マルゼンスキーさん?」

マルゼンスキー「ごめんなさい。改めて…私の、チーム名と…あなたの、トレーナー…さんのお名前を、教えてくれる?」

?? 「え?…チーム名は"リギル"、私の名前は"東条ハナ"って言います。…改めてよろしくお願いしますね?マルゼンスキーさん!」アクシュ


ギュウッ!


ハナ 「キャアッ!…ま、マルゼンスキーさんっ?!一体何を…」ジタバタ

マルゼンスキー「本当に…本当にありがとうっ!…私にとってあなたは、シンデレラの魔女と王子様が同時に現れたようなものなのっ!夢みたいだけど…これって夢じゃないのよねっ?!」ギュウウッ

ハナ 「ゆ、夢なんかじゃありませんっ!それに、レースシーズンはまだ始まったばかりなんですよっ?」

マルゼンスキー「!…(…そういえば、いつの間にか私の歌や勝負服まで出来てたけど…これって、私が勝つ事を信じてくれてないと出来ない事じゃないっ…)」ジワッ…

ハナ 「…あれ?大丈夫ですか?」

マルゼンスキー「…(私…先を、未来を見据えて走ってもいいのね?トレーナーさんと…このチームリギルで!)」グスッ

ハナ 「マルゼンスキーさん?」

マルゼンスキー「…敬語なんて止めて?私の尊敬するトレーナーさんなんだから…ね?おハナさんっ!!」ニコッ

ハナ 「…おハナさんは止めてほしいけど…こちらこそよろしくお願いね?マルゼンスキー!」ニコッ

マルゼンスキー「ハイッ!…そうと決まれば次回こそ本気のレースをするわ!特訓の指示をお願いね?私のトレーナーさんっ!!」


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--更に次のレース場の実況席


実況 「…さあ4連勝目なるか?相も変わらず一番人気はマルゼンスキーとなっていますが」

解説 「前回接戦の末、辛うじて勝ち得た彼女を倒さんと、名ウマ娘が今回は名を連ねていますからね。マルゼンスキーと言えど簡単には行かないのでは無いでしょうか…」


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ーーレース場 観客席


????「…フン。大した連中には見えんがな?私にとっては…」


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--レース場 控え室


マルゼンスキー「…私は、真紅のシンデレラ♪魔女から授かった魔法の勝負服と、王子から与えられたチームを持って、ケンタウルスの脚で駆け抜ける…♪」フフフ

ハナ 「…(何か、昔の中二病みたいなノリになってる?!ノリノリ過ぎて入れ込み過ぎだけが心配だわ…)」

マルゼンスキー「フゥッ…今までになく気力も力もみなぎってるわ。トレーナーさん?何かご注文は?!」

ハナ 「フッ…決まってる。あなたの想いの丈を思いっきりぶつけて…あらゆるものを全力でぶっちぎってきなさい!」


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--レース場 コース上


ウオオーーーーッ!!


実況 「…出てきました!スーパーカーマルゼンスキー、いざ参るっ!!」


ウオオーーーーッ!!!


????「な…何だあのウマ娘はっ?!」


ギンッ!


解説 「鍛えに鍛えて出てきましたね…張り、艶、動き、どれを取っても文句無い仕上がりです!」


ワアァアーーーッ!!!


マルゼンスキー「…応援、本当にアリガト~♪」ナゲキッス♪

先輩ウマ娘「来たわね?!今日こそ決着をつけ、て…あ、あなた、本当にあのマルゼンスキーなの…?」ビクッ

マルゼンスキー「…ウフ。ええ、そうよ?これが本当のワ、タ、シ♪…今日"も"よろしくね?」ユラリッ…

先輩ウマ娘「ひ、ヒィッ?!」ビクウッ



????「…誰も気付いてないのか?初めて見たぞ…真紅い、闘気の舞い上がりなんて…」




実況 「各ウマ娘、ゲートに入ります…」


マルゼンスキー「…これが、私の本当のレースに向けた全力…真のデビュー戦よっ!!」ズォッ!


バシャッ!

ワアァアーーーッ!!!


実況 「いつも通り、マルゼンスキーが一気に抜け出しトップに踊り出ます!」

解説 「ぐんぐん差を拡げていきますが…え?彼女、抑えてますよ?!」

実況 「え?それはどういう事ですか?!」

解説 「後半のラストスパートに向けて、力を蓄え込んでいるという事です!」





ズドドド…っ!!


同期ウマ娘「ハッ…ハッ…お、おかしいじゃない?!私ベストタイムなのにっ!!」


ウオオーーーーッ!!!


実況 「最後の直線でまた伸びる!マルゼンスキー一人旅!マルゼンスキーこれは強い!その差は拡がる一方だ!!」


ワアァアーーーッ!!!


実況 「マルゼンスキー圧勝!な、なんと…じ、13ウマ身、2.2秒差ーっ!?走破タイム1分34秒4…これまでの記録を0.2秒更新するレコードタイムっ!このウマ娘は、期待を常に上回るっ!!」


ウオオーーーーッ!!!


同期ウマ娘「…か、怪物か…」アゼン


????「ふ、ふふっ、ははは…!見つけたぞ。初めて私が本気でぶつかり合いたいと思ったウマ娘にっ…!!」


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今回はここまでとなります。

同期ウマ娘の元ネタはあの馬か。
茨城の草競馬が行われてた牧場で生前見たな。

先輩は誰が元ネタか気になる所。

>>24
ご指摘ありがとうございます&すいません。
元は先輩で書いていましたが、調べて見ると同期でビックリ。
アニメ本編見る限りでは同期がいないのか?
と思いましたが、正確には仲が良い同期がいないという意味なんだ、と思い、一気に書き上げた次第です。
同期ウマ娘に名前を付けなかったのは悪役をえんじてもらうためですが、
調べ直して良いウマなのが分かり、最後は良い奴になりそうです(最初が最初だけに仲良くはなれませんが)
仲の良い同期がいない寂しさと解釈し書き進めます


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--数ヶ月後 トレーナー室内


他チームトレーナー「…しゃあ無えな?ウチん所から参加してやんよ」

ハナ 「あ、ありがとうございますっ!」

他チームトレーナー「なあに、困った時はお互い様さ…しっかしアンタも大変だな?まさかあまりの強さに回避ウマ娘が続出、レース成立の規定数に到達しないなんざ…」

ハナ 「…はい。昨シーズンの最優秀ウマ娘に選出されたのは良かったんですけど…」

他チームトレーナー「俺ぁ構わねえんだけどよ?上も含め、中には国内ウマ娘にレース参加権を制限しようって考えが根強いからなぁ…」

ハナ 「…その考えを否定するつもりは無いんです。ただファン視点で、単純に走らせてみたらどっちが強いかという興味は根強くあると思うんです」

他チームトレーナー「確かに、外国ウマ娘も出られるレースが無いのは問題だよな?まあ、それすら覆す"何か"が無えと変わらねえとは思うが…」

ハナ 「その"何か"を…私は、マルゼンスキーに託してるんです」



他チームトレーナー「…そういや、アイツの行方はまだ分かんねーのか?」

ハナ 「はい。どこで何してるんだか?全く"あの人"は…」

他チームトレーナー「良いトレーナーだったんだがな…まあ頑張んな?ウマ娘を助けられるのは俺達トレーナーしかいねえんだから…じゃ、俺ぁ行くわ」


パタンっ…


ハナ 「ふうっ…膝の骨折で3ヶ月の休養を余儀無くされたけど、あの娘は本当に良くやってくれている」ギシッ

ハナ 「もう少し…もう少しなの。上を何とか説得して、ようやく8連勝を条件に飲ませたのに…まさか最後の8戦目にして、参戦ウマ娘が足らなくなる上に、あんな条件が出るだなんて…」ハアッ…


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--1ヶ月前 協会上層部会議室





ハナ 「…あの娘をドリームトロフィに出させてほしい!賞金なんかいらない、大外枠でいい、他の馬の邪魔もしません!ただ、マルゼンスキーの能力を確かめるだけでいい!そうすれば誰が一番強いか…そして、海外ウマ娘に対抗できるだけの力がある事を証明出来るんです!」





ハナ 「!…じゃあ次に勝って8連勝を決めれば…晴れてドリームトロフィへの出場を認めて頂けるのですね?!」パアッ





ハナ 「…え…?」



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--数ヶ月後 チームリギル部室内


ハナ (…ここまで来て…最後の最後で、ね…)

ハナ (ここに来るまで、ずいぶんとお偉いさん方の鼻っ柱を叩き折ってきてしまったものね。最後の華はお偉いさんに持たせろって事か…)

ハナ (…いえ。私の望みは、確かにこの娘がドリームトロフィを全力で走る事。なら、私の気持ちなんて些細な話…やる事は決まってるわね…)フッ…



マルゼンスキー「…あのー、おハナさん?お話って…」

ハナ 「あ、ご、ごめんなさいねっ?!…それとマルゼンスキー?私の事はトレーナーって呼びなさいって言ったでしょ?」メッ

マルゼンスキー「ウフフ、ごめんなさい。トレーナーさんっ♪」テヘッ

ハナ 「…8戦目が決まったわ。前から話していた通り、これに勝てば8連勝…ドリームトロフィへの参戦権を得る事が出来る」

マルゼンスキー「あまりにも夢過ぎて夢にさえ見なかったドリームトロフィに、まさかこの私が出れるなんて…っ!」パアッ

ハナ 「フフ…(…出来るだけショックを与えないように…落ち着いて話すのよ?東条ハナ)」

マルゼンスキー「…それでっ?!次のレースはどんな内容なのっ?!」


ハナ 「短距離ステークス…ダートなのっ…(あ…ダメだっ…感情が抑えられない…っ!)」ポロッ




ハナ 「…芝じゃないのっ…治ったばかりの脚に負担の掛かる、ダートなのっ…ごめんなさい…ごめんっ…(…どうして?どうしてこの娘ばっかり…)」ポロポロ


ギュウッ!


ハナ 「…ま、マルゼンスキー?」グスッ

マルゼンスキー「私なんかのためにっ…いつも苦労かけさせちゃってるの…私、ちゃんと知ってるよ?」ギュウウッ

ハナ 「!!…あなたは…」

マルゼンスキー「だから…心配しないで?私は大丈夫だからっ!これダート向けトレーニングメニューよね?行ってくるわっ?!」


バタンッ!…パタパタバタ…


ハナ 「む、無理はするなよっ!マルゼンスキー…」


・・・・・・・・・・・・・・・・


ザッ、ザッ、ザッ…


マルゼンスキー「よくも…よくも!"私のトレーナーさん"を泣かせたわね?見てらっしゃい…絶対後悔させてやるんだから…っ!!」


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今回はここまでです。


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--マルゼンスキー8戦目 レース場 コース上


同期ウマ娘「…ふふーん!あなた初めてのダートよね?トレーナーに頼んで無理矢理参加したの!今度こそケッチョンケッチョンに…」

マルゼンスキー「…"また"来てくれたんだ?私、スッゴく感謝してる…」ユラリッ

同期ウマ娘「ひ、ヒイーッ?!」


ハナ 「頼むっ…無事に帰ってきてくれ、マルゼンスキー…!」


????(…なぜ芝ではなく、短距離のダートなんだ?ついこの前怪我をしたウマ娘に対する行為では無い…何か事情がありそうだな…)


バシャッ!


ウオオーーーーッ!!!


実況 「マルゼンスキー、ダートでも圧勝!その差なんと10ウマ身!!」


同期ウマ娘「…か、怪物め…」アゼン


????「ダートでも10ウマ身差だと?!…これではますます一刻も早い手合わせをしないと…滾る血汐を抑えきれんっ!!」ブルッ


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--レース場 控え室外 廊下


????「…そういう事だったのか…それにしても、良いチームじゃないか…」ミミピトッ


同期ウマ娘「…あなた、誰?関係者じゃ、ないわよね…」ジーッ


????「…あ」


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鼻差勝ち時は、ウマ娘的にはどうするかな?と思い、この形にしてみました。続きは夜になります。

36ぬけていましたね。
以下正しい流れです。

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--レース場 控え室内


マルゼンスキー「トレーナーさんっ!見ててくれました?!これなら文句無しですよねっ!!」ニコッ

ハナ 「え、ええ…もちろんそうだけど…あ、脚は大丈夫?あんな悪路を…」ウルッ


ギュウッ!


マルゼンスキー「泣いちゃダメっ!…芝でもダートでも関係ないの。貴女が死ぬ気で取ってきてくれたレースだもの…私はそこを全力で走って勝利をもぎ取るだけなんだからっ!」ギュウウッ

ハナ 「ま、マルゼンスキー…」グスッ

マルゼンスキー「…だから、私が勝ったら笑顔で出迎えて?それだけで私はまた頑張れるんだから…」スッ…

ハナ 「…そ、そうだわっ…おめでとうマルゼンスキー。8連勝で貴女自身はドリームトロフィシリーズ出場の権利を得たわ…」グスッ

マルゼンスキー「…ああ!そういう事になるのよね…」

ハナ 「忘れてたの?!…今の貴女にはその資格がある。その資格のおかげで、幾つかのチームから貴女を受け入れようという話が…」

マルゼンスキー「私、行かないわよ?」

ハナ 「え?な、何をいってるの…特に良さげなところを見繕ったのよ?…貴女の好きなところに…」

マルゼンスキー「私が好きなのは、おハナさんのいるチームリギルだもん」

ハナ 「ダメなのよ…チームに5人以上いないと、ドリームトロフィ参加は認められないの…だから」ポロッ

マルゼンスキー「関係ない!私が本当に一人ぼっちだった時、救ってくれたのは貴女だけだった!他に行くなんかあり得ない。私がドリームトロフィに出るのは過ぎた夢…その夢を見れるとしたら、それはチームリギル以外ありえないのっ!!」ポロポロ

ハナ 「全く…バカな娘ね?せっかくのチャンスをふいにして…っ」ポロポロ

マルゼンスキー「チャンスなんか幾らでもあるわっ!チームメイトが増えるまで、10でも20連勝でもしてみせるわよ!それとも、協会やトレセン学園は、たった一人のウマ娘の自由意思も受け止められないのかしら?!」

ハナ 「マルゼンスキー?あなた…強くなったわね…」グスッ

マルゼンスキー「あら?私はもともと強いのよ?」グスッ

ハナ 「そうかしら?初めて会った時めそめそ泣いてたくせに…」クスッ

マルゼンスキー「やっぱ知ってたんだ…恥ずかしい///」カアッ

ハナ 「いいえ?やっぱりあなたは強いわ…ずっと一人で頑張ってきたんだもの…私が来るまで」ナデナデ

マルゼンスキー「うん…頑張ったよ?おハナさんが来るまで」スリスリ

ハナ 「私が迎えに行くまで…頑張ってくれて、ありがとう?マルゼンスキー」

マルゼンスキー「…うんっ!迎えに来てくれてありがとう。私のトレーナーさんっ!」


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--レース場 控え室外 廊下


????「…そういう事だったのか…それにしても、良いチームじゃないか…」ミミピトッ


同期ウマ娘「…あなた、誰?関係者じゃ、ないわよね…」ジーッ


????「…あ」


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以上です。

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--数ヶ月後 トレセン学園 チームリギル部室内


…バタンッ!


ハナ 「朗報よ、マルゼンスキー!今年入ってくる規格外の新人のおかげで、海外ウマ娘への規制が相当弛くなるらしいわ!」

マルゼンスキー「規格外の新人のおかげで?それってどういう…」

ハナ 「ついに日本にも、世界レベルで通用しそうなウマ娘が出てきたって事。日本にもこんなスゴいウマ娘がいるんだぞって事を、世界に対して見せ付けたくなったんでしょ?…あなたも含めて、ね」

マルゼンスキー「ふふ…さしずめ私は海外から来るであろう悪役の代理ね?でも存分にレースができるなら、それでも全然構わないわ!」

ハナ 「ええ!このチャンスを活かしてメンバーを増やし、今度こそドリームトロフィに出ましょう…チームリギルとして!!」




マルゼンスキー「で、その驚異の新人ウマ娘の名前は?」

ハナ 「このウマ娘よ…名前は、シンボリルドルフ。ちょうど今頃、各チームトレーナーに向けた新人ウマ娘達の公開練習に参加してるんじゃないかしら」

マルゼンスキー「チームリギルのトレーナーは参加しないの?」

ハナ 「彼女にとって最大のライバルのあなたを擁するチームリギルが?…シンボリルドルフ目的のトレーナー達がいなくなったら、他の娘目当てで見に行くわよ」



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--トレセン学園 練習コース場


ザワザワ…


他チームトレーナーA「どうかね、ぜひうちのチームに…!」

他チームトレーナーB「うちはアフターフォローが万全で…!」

他チームトレーナーC「ウマ娘の所属人数はうちが一番…!」



ルドルフ「………」



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--翌日のトレセン学園 練習コース場


マルゼンスキー「…そういえば噂の新人ウマ娘、昨日はどこにも所属チームを決めなかったみたいね?」

ハナ 「有力なチームトレーナーのほとんどが参加したはずなんだけどね?…ま、驚異の新人は気まぐれでもあるんだろうし、何も慌てて決める必要も無いし…」


????「…誰が気まぐれだって?私は信念に対しては限り無く一途だぞっ!!」




ハナ 「?!お、お前…シンボリルドルフじゃないか!!」

ルドルフ「そうだ。あなた達に用があってわざわざ訪ねて来たというのに…好き勝手に気まぐれだの何だの好き放題言われ、かなり機嫌を損ねたぞ?」

ハナ 「その期待の新人ウマ娘が、私たちに一体何の用だ?」

ルドルフ「…何の用だと?ずいぶんな言い草だな。この時期に新人ウマ娘がチームを訪ねて来ると言えば、用件など1つしか無いだろう?!」

マルゼンスキー「え?それってひょっとして…私たちのチームに入りたい、って事?」

ルドルフ「…マルゼンスキー。私は貴女の走りをずっと見てきた。私が初めて、本気でぶつかり合いたいと思ったのがお前なんだ!」

マルゼンスキー「…えっ…ほ、本気でぶつかり合いたい…?」トクン…

ルドルフ「そうだ。ここトレセン学園に来る前から、私はリギルに決めていた!なのに公開練習には来ず、訪ねてみれば何しに来た呼ばわり…これでは私の立つ瀬が無い。チームリギルは、たった一人のウマ娘の自由意思も受け止められないのか?!」グスッ



マルゼンスキー「ごめんなさい…泣いてる?」チラッ

ルドルフ「…なっ、泣いてないっ!」プイッ

ハナ 「あー…それは確かに私が悪かったわ。ごめんなさいね?…でも私たちにも言い分はあるの。聞いてくれない?」

ルドルフ「…いいぞ。話を聞こうじゃないか」グスッ

ハナ 「まずあなたの最大のライバルたるマルゼンスキー…彼女の所属するチームに、そもそも単純に入るはずがないという思い込みがあったのは素直に認めるわ」

ルドルフ「…それから?」

ハナ 「次に、チームリギルは色々あって同僚や上の方に睨まれてる…つまり、敵が多いのよ。だから、期待の新人たるあなたを採れば、更に風当りが強くなる…これも理由の1つね」


ルドルフ「…海外ウマ娘の扱いについて諸問題が発生している事は理解している。本来私が言うべき事では無いのだが…」

マルゼンスキー「…?」

ルドルフ「私がいる事で規制が緩くなり、マルゼンスキーの出走機会が増えるのであれば…同じチームの方が無視できなくなり、より効果を狙えるのではないか?」

ハナ 「…それを貴女自身が言うとはね。ただ逆の見方もあるのよ?例えば、私が貴女とマルゼンスキーの八百長を仕込むんじゃないか、とか…」

ルドルフ「ふむ…」

ハナ 「…だから最初から貴女は候補には入れてなかった。貴女の存在だけで私たちは救われた。その感謝と敬意を踏みにじり、巻き込むような真似をしたくなかった…それが一番の理由かしらね?」


ルドルフ「…話は解った。互いの誤解が解け、互いの本心が解った。それは良い…だが私はまだ答えをもらっていない」


ハナ 「…」


ルドルフ「改めて問おう。このチームに…私は必要か否か?!」


ギュウッ!


ルドルフ「?!な、何を…マルゼンスキー?お、おいっ…」

マルゼンスキー「…ありがとうっ…シンボリルドルフっ…」ギュウウッ


ハナ 「…それが答えよ。私たちに今必要だったのは、共に同じ高みに立つ仲間…戦友なの。だから歓迎するわ、シンボリルドルフ!ようこそ…チームリギルへ!!」


ルドルフ「フッ…これからよろしく頼む!」




????????「全く…相変わらず話が回りくどいぞ?ルドルフ」

?????? 「面白そうな話だね…ボク達も交ぜてくれるかな?」

ハナ 「エアグルーヴ?それに…フジキセキ!」

エアグルーヴ「トレセン学園トップクラスを2名も擁するチームなら…高みを目指すには持ってこいだな!」

フジキセキ 「その通り。それに尊敬すべき先輩の泣き顔は見たくないからね」

マルゼンスキー「る、るどるふぅ…み、みんな~っ!!」グスグスッ

ルドルフ「あぁ泣かないでくれ、マルゼンスキー。お前に涙は似合わない…世間の偏見?そんなもの、私たちの本気の走りを持って押し通って見せる!!」

ハナ 「ああ!…これでチームリギルは計4人。必ず5人以上のメンバーを集めて…マルゼンスキーをドリームトロフィに送り込むぞっ!!」



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今回はここまでです。

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--約1年後 チームリギル 選抜試験会場


ブライアン 「…おい、ゴールドシップ。お前、やめるのか?」

ゴルシ 「ああ。一応顔は出してみたが、どーもこーゆーお堅いのは性に合わなくてなー…」

ヒシアマゾン 「だろうな~…」

ゴルシ 「むしろ規格外のお前らが、こんなクソ真面目なチームにすんなり入るの決めちまった方が意外だぞ?」

ブライアン 「フン…同じ条件下、同じ環境で、ガチで殺り合いたいヤツに出会っちまったからな…」

ヒシアマゾン 「おーおー怖えー怖えー…」ヘヘッ

ブライアン 「笑うなアマさん」

ヒシアマゾン 「アマさん言うな」



ゴルシ 「シンボリルドルフか…まあそれもいーんじゃね?」

ブライアン 「…チーム決まったら真っ先に教えろよ?」

ゴルシ 「あれ?心配してくれてんの?」

ブライアン 「いや?これまた見事に」

ヒシアマゾン 「全く。全然」

ゴルシ 「…おいおいゴルシちゃん傷つくなー泣いちゃうぞこのヤロ」

ブライアン 「大丈夫だろお前なら…適当にうまくやるだろうしな?」

ゴルシ 「へへっ…実はオレもな?全く心配してねー」

ブライアン 「フフッ…だろうな」

ゴルシ 「んじゃなー」ヒラヒラ

ヒシアマゾン 「おーう」ヘイヘイ


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ハナ 「貴女の推してたウマ娘が残ったわね…まるでいつぞやの誰かさんみたいじゃない?」フフッ

ルドルフ「だから、他人事じゃないのさ…可愛い奴らだろう?」ニヤリ

ハナ 「はいはい。じゃあ決まりね」

ルドルフ「…あのゴールドシップとか言うのは引き留めなくて良いのか?中々の逸材と見たが…」

ハナ 「悪いけど、気紛れなジャジャ馬にかまけてる暇は無いの(…"あの人"は好きそうだけどね…)」

ルドルフ「…5人以上揃って、これでようやくドリームトロフィへの出場権を得た訳だな?」

ハナ 「ええ…ようやくあの娘を晴れ舞台に立たせてあげれるわ!!」


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ゴルシ 「はぁ…ああは言ったものの、さて、どーすっかなー…」テクテク


さわさわ…


??? 「…おお!この張り、肉付き…これは理想的な…」

ゴルシ 「…お前。この私の魅力的な脚に何してくれちゃってるわけ?」


トレーナー 「…あ。」


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--数ヶ月後 ドリームトロフィ コース上


…ワアアァーーッ!!!


マルゼンスキー「ああ…居場所の無かったこの私が…皆のおかげで、夢の舞台に立ててる…!!」ウルッ


マルゼンスキー「…ダメ!泣くのはまだ早いわ…全力で走る!!全てはこのためだったんだから…っ!」グッ!


バシャッ!


ウオオーーーーッ!!!


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--北海道の片田舎の一軒家内


幼ウマ娘「…お母ちゃん!赤いウマ娘さん…スゴく速いよ?スゴいスゴい!!」ブンブン!

お母ちゃん「スゴいねー…素人の私が見ても分かるよ、圧倒的じゃないか」

幼ウマ娘「ヤッター!!勝ったよ?誰も追い付けなかった!」ピョンピョン!

お母ちゃん「ふぅん…スーパーカー、マルゼンスキーって言うんだ」

幼ウマ娘「…あれれ?赤いおウマ娘さん泣いてるよ?怪我したのかな?痛いのかな?」グスッ

お母ちゃん「違うねー…きっとこの人は、夢の舞台で存分に走れて、スゴく嬉しいんだよ。人は…ウマ娘は、嬉しくても泣くんだ。あんたを産んだときのお母ちゃんみたいにね?」ナデナデ

幼ウマ娘「そっかぁ…嬉しいんだぁ!なら良かったねぇ?」ニコニコ


お母ちゃん「…お前も、この人みたいになるんだよ?スペ!」

幼ウマ娘「うんっ!」ニコッ


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--ドリームトロフィ 観客席


ハナ 「気高く、美しく、可憐で、華やかだ…そして傍にいた私は、彼女が限りなく優しく、そして強い事も知っている…!」グスッ


ルドルフ「ああ…ようやく見れた!これが見たかった!!おめでとうとは敢えて言わないぞ?なぜなら、お前こそこの晴れ舞台に最も相応しい存在だからだ!」ブルッ…!


ルドルフ(…ありがとうマルゼンスキー。これで私は、お前が見せてくれた、私の望む進むべき世界に自信を持って挑むことが出来る!)



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今回はここまでです。
今夜の次で最後になります。

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--更に数年後 ドリームトロフィ 観客席


ザワザワ…


タイキシャトル 「…今度は、私の番デースっ!」フンスッ


オペラオー 「このレースこそ、華麗な僕に相応しい…!」


グラスワンダー「先輩方の走りを目に焼き付ける…来るときに備えて!」


エルコンドル 「国内も海外も…全部ミーが頂きマース!」


スズカ 「誰よりも速く走るなら…避けては通れない場所…っ!」


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-- ドリームトロフィ 控え室内


ルドルフ「…生徒会に入り、理不尽な制限や要求にも対抗できるだけの力を手に入れた…これでおハナさんの負担も大分減らせるだろう」

ハナ 「おハナさんはよせ…だが、マルゼンスキーの受けた理不尽な仕打ちを、もう他のウマ娘にさせないのはありがたいな?」

エアグルーヴ「ウマ娘の自由意思を、組織の都合に左右させず全うさせるのが生徒会のあるべき姿だ…」

フジキセキ 「それはリギルに限らない。他のどのチームにも、そしてウマ娘達に公平に与えられるべき権利だからな!」




マルゼンスキー「フフッ…ねえみんな?私、チームメイトとドリームトロフィに出ることになったら、やってみたかった事があるんだけど…」

エアグルーヴ「フフッ…相変わらずマイペースですね。いいんじゃないですか?」

フジキセキ 「やってみましょう?マルゼンスキー先輩!」

ヒシアマゾン 「へへ。ガラじゃねえが…」

ブライアン 「あねさんが言うんじゃ、やらないわけにはいかないな?」

マルゼンスキー「こーら。あねさんじゃないわ、お姉さんでしょ?…ほら、トレーナーさんもっ!」メッ

ハナ 「わ、私は良いわよ…」

マルゼンスキー「ダーメーでーす、ほら早く!」




ルドルフ「円陣を組むぞ…トレーナー?何か一言」

ハナ 「…皆の力を、チームリギルの力を、存分に見せつけてきなさいっ!!」


マルゼンスキー「ふふっ…それじゃあ、行きましょうか…チームリギルー…?!」



「「「「ファイっ、オーッ!!!」」」



おしまい



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以上となります。
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